JP2007096106A - 電磁波シールド材ロール体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 露光及び現像によって金属銀を析出する物質を含む層が少なくとも一方の面に設けられた透明基材(ロールシート3)を連続的に繰り出し、該透明基材に、好ましくは連続露光装置5を用いて露光し、次いで現像することにより、前記透明基材の長手方向に切れ目のない連続した現像銀メッシュパターンを生成し、引き続いて、無電解メッキする工程により前記現像銀メッシュパターンの上にメッキ層を形成したのち、再び巻き取ってロール体15とする製造方法により、ロールの状態で供給される電磁波シールド材ロール体15を製造する。
【選択図】 図1
Description
(1)透明基材に金属箔を貼り合わせ、または透明基材に金属の薄膜を蒸着した後、フォトリソグラフ法により導電性金属パターンを形成するエッチング法(例えば、特許文献1参照)。
(2)透明基材の上に導電性の金属ペーストをメッシュパターンに印刷した後にメッキして導電性金属パターンを形成する印刷−メッキ法(例えば、特許文献2参照)。
(3)細線パターンを写真製法により現像された金属銀で形成した後、この金属銀を物理現像および/またはメッキすることにより導電性金属パターンを形成する写真銀−メッキ法(例えば、特許文献3および特許文献4参照)。
上記(2)の印刷−メッキ法においては、メッシュパターンの線幅を30μm以下にするのが困難であり、また、透明基材とメッシュパターンの密着性が悪く剥がれ易いという問題があった。
このため、大型建築物の窓ガラスなどの広い面積を覆うための切れ目のない連続メッシュパターンが形成された連続ロールシート状態で供給される電磁波シールド材を安価に提供できる技術が求められていた。
前記金属メッキ層は、無電解銅メッキ層及び/又は無電解ニッケルメッキ層であることが好ましい。
前記現像銀メッシュパターンとしては、露光した部分に現像銀が発現するネガ型の現像方法により生成されたもの、露光しない部分に現像銀が発現するポジ型の現像方法により生成されたもののいずれを採用することも可能である。
前記連続露光装置としては、露光に用いられる光を透過する材質からなる円筒ドラムと、前記円筒ドラムの外周壁に設けられた露光マスク部分と、前記円筒ドラムの内部に配設された露光用光源とを備え、前記円筒ドラムに巻き付けられた透明基材に対して円筒ドラムの内側から光を照射する装置を用いることができる。
また、円筒ドラムと、連続したパターンが形成された露光マスクフィルムと、前記円筒ドラムの外部に配設された露光用光源とを備え、前記円筒ドラムに重ねて巻き付けられた透明基材及び前記露光マスクフィルムに対して前記円筒ドラムの外側から光を照射する装置を前記連続露光装置として用いることもできる。
前記現像銀メッシュパターンの生成は、露光した部分に現像銀が発現するネガ型の現像方法、露光しない部分に現像銀が発現するポジ型の現像方法のいずれによっても行うことができる。
このような電磁波シールド材ロール体を製造する方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、露光及び現像によって金属銀を析出する物質を含む層が長尺の透明基材の少なくとも一方の面に設けられた基材を用意して、この基材を露光し、次いで現像することにより、前記透明基材の長手方向に切れ目のない連続した現像銀メッシュパターンを生成する工程と、前記現像銀メッシュパターンの上に金属メッキ層を形成するメッキ工程とを、少なくとも含む製造方法によって製造することができる。
さらに本発明を詳しくするため、以下、本発明の電磁波シールド材ロール体及びその製造方法の最良の形態に基づき、図面を参照して本発明を説明する。
図1に示す電磁波シールド材製造装置1において、原反ロール2は、露光及び現像によって金属銀を析出する物質を含む層(詳しくは後述)を長尺の透明基材上に設けたロールシート3をロール状に巻き取ったものである。原反ロール2から繰り出されたロールシート3は、所要箇所に配置された移送ロール4、4、4、…により、同図の左から右に移送される。ロールシート3は、まず、連続露光装置5に移送されて所定のマスクパターンで焼き付けられる(露光される)。ここで、連続露光装置5とは、詳しくは後述するが、透明基材を連続送りにて移送しながら露光を行う装置である。
図2の電磁波シールド材製造装置1Aにおいて、無電解メッキ槽8から電磁波シールド材ロール体15までの構成は、図1に示す電磁波シールド材製造装置1と同様であり、この製造装置1Aを用いることによっても図3に示す構成の電磁波シールド材20を製造することができるので、重複する説明を省略する。
本発明に使用される透明基材21としては、可視領域で透明性を有し、一般に全光線透過率が90%以上のものが好ましい。中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で、好適に用いられる。透明基材21に使用される透明樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等からなる厚さ50〜300μmの単層フィルム又は前記透明樹脂からなる複数層の複合フィルムが挙げられる。
本発明に適用できる導電性の金属メッシュの作製方法は、細線パターンを写真製法により現像された金属銀で形成した後、この金属銀を物理現像および/またはメッキすることにより導電性金属パターンを形成する露光現像法によるものである。
本発明に適用できる、この写真製法に基づく露光現像法には、上記のとおり、(a)露光マスクに覆われていなくて露光された部分に現像銀が発現する、即ち、露光マスクと反対の形に現像銀が表れるいわゆるネガ型の露光現像方法と、(b)露光マスクに覆われて露光されなかった部分には現像銀が発現する、即ち、露光マスクと同じ形に現像銀が表れるいわゆるポジ型の露光現像方法の2通りがある。本発明には、(a)ネガ型の露光・現像方法と、(b)ポジ型の露光・現像方法のいずれでも適用できる。
前記ハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀組成は、塩化銀を80モル%以上含有するのが好ましく、特に90モル%以上が塩化銀であることが好ましい。塩化銀含有率を高くすることによって形成された物理現像銀の導電性が向上する。
前記ハロゲン化銀乳剤層は、各種の光源に対して感光性を有している。電磁波シールド材を作製するための1つの方法として、例えば網目状などの細線パターンの物理現像銀の形成が挙げられる。この場合、ハロゲン化銀乳剤層は細線パターン状に露光されるが、露光方法として、細線パターンの透過原稿とハロゲン化銀乳剤層を密着して露光する方法、あるいは各種レーザー光を用いて走査露光する方法等がある。前者の密着露光は、ハロゲン化銀の感光性は比較的低くても可能であるが、レーザー光を用いた走査露光の場合は比較的高い感光性が要求される。従って、後者の露光方法を用いる場合は、ハロゲン化銀の感光性を高めるために、ハロゲン化銀は化学増感あるいは増感色素による分光増感を施してもよい。化学増感としては、金化合物や銀化合物を用いた金属増感、硫黄化合物を用いた硫黄増感、あるいはこれらの併用が挙げられる。好ましくは、金化合物と硫黄化合物を併用した金−硫黄増感である。上記したレーザー光で露光する方法においては、450nm以下の発振波長の持つレーザー光、例えば400〜430nmに発振波長を有する青色半導体レーザー(バイオレットレーザーダイオードともいう)を用いることによって、明室下(明るいイエロー蛍光灯下)でも取り扱いが可能となる。
上記の露光方法による露光装置としては、枚葉式の露光マスク(フォトマスク)を用いる枚葉処理方式の露光装置と、連続したパターンが形成できる連続露光装置とがある。枚葉処理方式の露光装置は、所定のマスクパターンが形成された枚葉式の露光マスク(フォトマスク)を用いて、ロールシートを間欠送りで露光装置に送り、装置内を真空排気して露光マスクと基材とを密着させて隙間を無くしてから、例えば紫外線で露光する。枚葉処理方式の露光装置では、真空排気、露光、大気開放を間欠的に行うので処理速度は遅くなるとともに、切れ目のない連続パターンを得ることができない。
これらの連続露光装置60、70は、図1に示すように、ロールtoロールで露光・現像工程とメッキ工程を引き続いて連続的に行う場合には、電磁波シールド材製造装置1に組み込まれる連続露光装置5として、図4、図5に例示するような連続露光装置60、70を用いることができる。また、図2に示すように、メッキ工程を行うロールtoロール処理とは別に露光・現像工程を行う場合には、電磁波シールド材製造装置1Aとは別に設けられた装置により連続露光と現像を行い、前記原反ロール2Aを製造する。
なお、これら連続露光装置60、70を示す図面では、前記露光に用いる透明基材には、図1に示す電磁波シールド材製造装置1を用いる場合と図2に示す電磁波シールド材製造装置1Aを用いる場合とで区別することなく、共通の符号64、74を付して説明することにする。
露光マスクフィルム72は、透明樹脂フィルムの上に、縮小露光によるフォトリソグラフ方法などの公知の方法にてマスクとなるメッシュパターンを形成し、透明基材74と円筒ドラム71で重ね合わされて露光する。その後、露光マスクフィルム72は、透明基材74から切離されて巻き取られ、繰り返しての使用に供される。
光源73が円筒ドラム71の外部にある場合は、円筒ドラム71の透明性について特に限定はなく、不透明でもよい。
なお、上記に例示した連続露光装置60、70以外にも、例えば、重ね合わせた透明基材と露光マスクフィルムを、直線状の経路に沿って連続的に搬送しながら光源を用いて連続露光する装置などを用いることもできる。また、露光用の光源の個数は特に限定されず、必要に応じて複数個(複数箇所に)設けても良い。
金属メッシュの全光線透過率を向上させるためには、細線が設けられた領域の面積に対して、細線間の光透過部の面積を十分に広くする必要がある。このため、細線の間隔は、100〜900μmであることが好ましく、より好ましくは150〜700μmである。
また、無電解ニッケルメッキ浴の一例を挙げると、硫酸ニッケル:21g/dm3、ホスフィン酸ナトリウム:25g/dm3、酢酸ナトリウム:10g/dm3、pH:4〜6、浴温度90℃で無電解ニッケルメッキすることができる。
使用する無電解メッキ槽8の型式は、竪型、横型のいずれであっても構わないが、所定のメッキ滞留時間を確保できるようにロールシート3の移送速度に応じて無電解メッキ槽8の長さを決定することが望ましい。
Claims (12)
- 長尺の透明基材の少なくとも一方の面に金属メッシュパターンが設けられ、ロールの状態で供給される電磁波シールド材ロール体であって、
前記金属メッシュパターンは、写真製法により生成された現像銀メッシュパターンとその上に金属メッキ層とを有し、かつ前記金属メッシュパターンは、前記透明基材の長手方向に切れ目のない連続したパターンであることを特徴とする電磁波シールド材ロール体。 - 前記金属メッキ層は、無電解銅メッキ層及び/又は無電解ニッケルメッキ層であることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド材ロール体。
- 前記現像銀メッシュパターンは、露光した部分に現像銀が発現するネガ型の現像方法により生成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波シールド材ロール体。
- 前記現像銀メッシュパターンは、露光しない部分に現像銀が発現するポジ型の現像方法により生成されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の電磁波シールド材ロール体。
- 長尺の透明基材の少なくとも一方の面に、露光及び現像によって金属銀を析出する物質を含む層が設けられた基材を連続露光装置を用いて露光し、次いで現像することにより、前記透明基材の長手方向に切れ目のない連続した現像銀メッシュパターンを生成する工程と、前記現像銀メッシュパターンの上に金属メッキ層を形成するメッキ工程とを、少なくとも含むことを特徴とする電磁波シールド材ロール体の製造方法。
- 長尺の透明基材の少なくとも一方の面に金属メッシュパターンが設けられ、ロールの状態で供給される電磁波シールド材ロール体の製造方法であって、
露光及び現像によって金属銀を析出する物質を含む層が設けられた透明基材を、連続露光装置を用いて露光し、次いで現像することにより、前記透明基材の長手方向に切れ目のない連続した現像銀メッシュパターンが生成された原反ロールを製造する工程と、
当該現像銀メッシュパターンが設けられた透明基材を原反ロールから連続的に繰り出したのち、無電解メッキ工程によって前記現像銀メッシュパターンの上に金属メッキ層を形成し、再び巻き取ってロール体とすることを特徴とする電磁波シールド材ロール体の製造方法。 - 長尺の透明基材の少なくとも一方の面に金属メッシュパターンが設けられ、ロールの状態で供給される電磁波シールド材ロール体の製造方法であって、
露光及び現像によって金属銀を析出する物質を含む層が設けられた透明基材を連続的に繰り出し、該透明基材に連続露光装置を用いて露光し、次いで現像することにより、前記透明基材の長手方向に切れ目のない連続した現像銀メッシュパターンを生成し、引き続いて、無電解メッキ工程により前記現像銀メッシュパターンの上に金属メッキ層を形成したのち、再び巻き取ってロール体とすることを特徴とする電磁波シールド材ロール体の製造方法。 - 前記金属メッキ層は、無電解銅メッキ層及び/又は無電解ニッケルメッキ層であることを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載の電磁波シールド材ロール体の製造方法。
- 前記連続露光装置は、露光に用いられる光を透過する材質からなる円筒ドラムと、前記円筒ドラムの外周壁に設けられた露光マスク部分と、前記円筒ドラムの内部に配設された露光用光源とを備え、前記円筒ドラムに巻き付けられた透明基材に対して円筒ドラムの内側から光を照射する装置であることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の電磁波シールド材ロール体の製造方法。
- 前記連続露光装置は、円筒ドラムと、連続したパターンが形成された露光マスクフィルムと、前記円筒ドラムの外部に配設された露光用光源とを備え、前記円筒ドラムに重ねて巻き付けられた透明基材及び前記露光マスクフィルムに対して前記円筒ドラムの外側から光を照射する装置であることを特徴とする請求項5ないし8のいずれかに記載の電磁波シールド材ロール体の製造方法。
- 前記現像銀メッシュパターンの生成は、露光した部分に現像銀が発現するネガ型の現像方法により行うことを特徴とする請求項5ないし10のいずれかに記載の電磁波シールド材ロール体の製造方法。
- 前記現像銀メッシュパターンの生成は、露光しない部分に現像銀が発現するポジ型の現像方法により行うことを特徴とする請求項5ないし10のいずれかに記載の電磁波シールド材ロール体の製造方法。
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