JP2007093597A - 新規ストレスバイオマーカー及びその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】 新規なストレスバイオマーカーを利用したストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、ストレスの判定方法や、ストレス診断用キットを提供すること。
【解決手段】 10時間の水浸拘束によりストレスを負荷したラットの血清を二次元電気泳動に供試する。ストレス負荷前後の二次元電気泳動の泳動像を比較し、ストレス負荷後のpH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットとして検出されるクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)等のタンパク質をマーカーとして使用する。採血後直ちに胃を摘出し、潰瘍部分の面積を計測し、胃全体に対する潰瘍部分の面積の占める割合を潰瘍指数(%)としたところ、水浸拘束試験によるストレス性胃潰瘍の潰瘍指数は約20%だった。
【選択図】なし

Description

本発明は、ストレスを負荷させた非ヒト哺乳動物に被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れるスポットを指標としたストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、前記指標を利用したストレスの判定方法やストレス診断薬に関する。
厚生労働省の平成14年国民栄養調査結果によると、普段の生活でストレスを感じている人は、男性で76.9%、女性で84.2%にも上る。一般的にストレスの要因には、物理的(寒冷、放射線、騒音)、化学的(薬物、ビタミン不足、O欠乏)、生物的(細菌感染)なもの以外に、環境やライフサイクルの変化、仕事・家庭の問題や複雑な人間関係なども含まれている。ストレスは様々な病気の原因となり、例えば、ストレスが原因で発症したと考えられる消化性潰瘍、すなわちストレス性潰瘍などは大きな社会問題となっている。
生体におけるストレスを測定する方法としては、例えば、新規ストレスタンパク質p20の抗体を用いたストレスタンパク質p20の測定方法や(例えば、特許文献1参照)、ヒト老化マーカー及びストレスマーカーを認識するAsp151がβD体であるαAクリスタリンに対して特異的な抗体を提供し、この抗体を組織・細胞に適用して、人の老化又は人のストレスのマーカーを検出するための方法や(例えば、特許文献2参照)、哺乳動物の血液中に存在するトリプトファンの濃度の変化率を指標にストレスを測定することを特徴とする測定方法(例えば、特許文献3参照)や、一定の個体のストレス量の指示要素として遊離の唾液中の副腎皮質ホルモンの量を用いてその視床下部−副腎の系における活性を測定することにより一定の哺乳類動物におけるストレスの量を測定するための方法(例えば、特許文献4参照)等が知られている。
一方、Lohmanによって筋肉内に見出された酵素であるクレアチンキナーゼ(CK)は酵素の構成上2個のサブユニットからなる二量体で、細胞質上清分画に存在するCKアイソエンザイムは、一般的にCK−BB,CK−MB,CK−MMの3種が知られている。血清CK活性の上昇は進行性筋ジストロフィー、心筋梗塞で認められ、急性心筋梗塞の診断にはCK−MBの測定がきわめて重要であるとされている。また、このクレアチンキナーゼは、急性冠状動脈症候群の診断マーカーとしても利用できることが知られている(例えば、特許文献5及び6参照)。
特開平7−181180号公報 特開2002−107363号公報 特開2004−198325号公報 特表2005−506516号公報 特表2004−520598号公報 特開2005−121664号公報
本発明の課題は、新規なストレスバイオマーカーを利用したストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、ストレスの判定方法や、ストレス診断用キットを提供することにある。
本発明者らは、ストレスに関与する有効なバイオマーカーを探索するため、ストレス発症前後において、二次元電気泳動(以下、2−Dともいう。)法により血液中の発現たんぱく質の解析を行ったところ、ストレス発症後の2−D像には、ストレス発症前の2−D像とは異なるスポット群の発現を確認した。このスポット群はpH6.0〜7.0、分子量40〜55kDa付近に数種類見い出され、これらのスポットのうち2つをクレアチンキナーゼと同定して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種以上を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、(2)pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)によるスポットであることを特徴とする上記(1)に記載のストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法に関する。
また本発明は、(3)非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清からクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、(4)哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試し、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちいずれか1種以上を検出することを特徴とするストレスの判定方法や、(5)pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)によるスポットであることを特徴とする上記(4)に記載のストレスの判定方法に関する。
さらに本発明は、(6)哺乳動物から採取した血清中のクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出することを特徴とするストレスの判定方法や、(7)ストレスを負荷させた哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動法に供試し、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちいずれか1種を単離し、該単離したタンパク質、若しくは該単離したタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とするストレス診断用キットや、(8)単離したタンパク質が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)であることを特徴とするストレス診断用キットに関する。
本発明のストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法によれば、ストレスを負荷させて被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れるスポットを検出することにより行うため、従来のように試験動物を殺すことなく、ストレス抑制物質又はストレス増強物質をスクリーニングすることができる。上記ストレス抑制物質はストレス治療剤として有用であり、ストレス増強物質はストレス発症の機構を解明する上で有用である可能性がある。
また、本発明の判定方法によれば、ストレスを発症した際に血液中に発現する新規ストレスバイオマーカー又はそれに対する抗体を検出することで、非侵襲的にストレスの判定が可能であるため、簡便かつ迅速に実験動物やペット、ヒト等のストレスを検出することができ、前記新規ストレスバイオマーカーを含有するストレス診断用キットは、汎用性に富み、高精度かつ高感度でストレスを判定することができる。
本発明のストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法としては、非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種以上を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価する方法(以下、スクリーニング方法[1]ともいう。)や、非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清からクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価する方法(以下、スクリーニング方法[2]ともいう。)であれば特に制限されず、上記非ヒト哺乳動物としては、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル等を挙げることができる。上記ストレスを負荷する方法としては、水浸法、拘束法、水浸拘束法、床電撃法等の公知のストレス負荷方法を挙げることができる。また、上記被検物質としては、ペプチド、タンパク質、核酸、合成化合物、微生物発酵物、海洋生物抽出物、植物抽出物、原核細胞紬出物、真核単細胞抽出物、動物細胞抽出物等を挙げることができる。なお、本発明において、血清には、便宜上血漿も含まれる。
本発明における二次元電気泳動法としては、例えば等電点と分子量というタンパク質の有する2つの物性面から分離を行う方法であれば特に制限されるものではなく、一般的には、まずキャピラリーゲルや市販のストリップゲルなどを分離媒体として等電点電気泳動を行い、泳動を終了したゲルを第2の平面状のSDS−ポリアクリルアミドゲル(slab gel)に載せ、等電点電気泳動の展開方向に対して直角の方向に電気泳動することにより行うことができ、より好適には文献(J.Korean Med. Sci.,18(4) 505 2003;Electrophoresis,23(15),2513 2002)記載の方法や、下記実施例による方法を挙げることができる。また、SDS−ポリアクリルアミドゲルから、血清中のタンパク質を分離する方法としては、「プロテオーム解析のための2次元電気泳動ガイド(バイオ・ラッド株式会社)」記載の方法に準じて行うことができる。
上記スクリーニング方法[1]において、被験物質を投与しない場合と比較して、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れるスポットの種類が減少したり、検出量が減少した場合、被験物質はストレス抑制物質と評価され、他方、前記スポットの検出量が増大した場合、ストレス増強物質と評価される。なお、スポットの種類の減少やスポットの検出量の減少及び増大の判定は、例えばクマシーブルー等の染色液にてスポットを視覚化することで容易に行うことができ、また前記スポットを切り出し、トリプシン等のプロテアーゼで消化し抽出された成分を質量分析等により直接定量し、その増減を判定することにより行うこともできる。この場合、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)によるスポットであることが好ましい。
また、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうち2つはクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)として同定されていることから、上記スクリーニング方法[2]のように、例えばストレスを負荷させた非ヒト哺乳動物に被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物から、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出することにより、ストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニングすることも可能であり、スクリーニング方法[2]において、被験物質を投与しない場合と比較して、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体の検出量が減少した場合、被験物質はストレス抑制物質と評価され、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体の検出量が増大した場合、被験物質はストレス増強物質と評価される。クレアチンキナーゼアイソザイム(CM−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体の検出方法としては特に制限されないが、具体的には、抗原と抗体の結合反応を利用した免疫学的検出法等を好適に挙げることができる。例えば、クレアチンキナーゼアイソザイム(CM−MM)の検出方法としては、標識した抗クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)モノクローナル抗体を用い、また、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体の検出方法としては、標識又はペプチドタグ化したクレアチンキナーゼアイソザイム(CM−MM)を用いて、例えばイムノクロマト法、ELISA法等の免疫学的検出法を挙げることができる。標識物質としては、アルカリフォスファターゼ、HRP等の酵素、抗体のFc領域、GFP等の蛍光物質などを具体的に挙げることができ、またペプチドタグとしては、HA、FLAG、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質、ビオチン化ペプチド、オリゴヒスチジン等の親和性タグなどの従来知られているペプチドタグを具体的に例示することができる。
本発明のストレスの判定方法としては、哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試し、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちいずれか1種以上を検出する方法(以下、ストレス検出方法[1]ともいう。)や、哺乳動物から採取した血清中のクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出する方法(以下、ストレス検出方法[2]ともいう。)であれば特に制限されず、上記哺乳動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル等を挙げることができる。また、ストレス検出方法[1]やストレス検出方法[2]において、二次元電気泳動を実施したり、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出するには、上述した方法を用いることができる。ストレス検出方法[1]を行う場合、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)によるスポットであることが好ましい。本発明のストレスの判定方法を用いると、例えばストレスに起因する、胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などを早期に発見することができる。
本発明のストレス診断用キットとしては、ストレスを負荷させた哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動法に供試し、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちいずれか1種を単離し、該単離したタンパク質、若しくは該単離したタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたキットであれば特に制限されず、上記単離したタンパク質としてはクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)を好適に例示することができる。本発明のストレス診断用キットは、ヒト、ペット等のストレス性疾患、例えばストレスに起因する、胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などの早期発見用検査キットとして有用である。
本発明に使用するクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)等に特異的に結合する抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的に挙げることができ、これらは上記クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)を抗原として用いて常法により作製することができるが、その中でもモノクローナル抗体がその特異性の点でより好ましい。
クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外)に該クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)若しくはエピトープを含む断片、又は該タンパク質を膜表面に発現した細胞を投与することにより産生され、例えばモノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物により産生される抗体をもたらす、ハイブリドーマ法(Nature 256, 495-497, 1975)、トリ
オーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Immunology Today 4, 72, 1983)及びEBV−ハイブリドーマ法(MONOCLONAL ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, pp.77-96, Alan R.Liss, Inc., 1985)など任意の方法を用いることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(試験動物の調製)
[水浸拘束試験]
1週間の予備飼育を行った7週齢のSD(Sprague-Dawley)雄性ラット(体重150g〜180g)を用い、1日1回7日間連続で生理食塩水を経口投与した。24時間の絶食後、ストレスケージに動物を入れ、剣状突起の高さまで水に浸し、10時間の水浸拘束を行った。
[採血]
水浸拘束前後に採血を行った。得られた血液は室温で1時間静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。なお、胃潰瘍が発症する前のストレス負荷前血清は、24時間の絶食をする前にエーテル麻酔し、負荷のかからない尾静脈より採取した。また、胃潰瘍発症後のストレス負荷後血清は、10時間の水浸拘束後にエーテル麻酔し、血液をなるべく全量採取できる心臓より採取し、二次元電気泳動に供試した。また、採血後直ちに胃を摘出し、潰瘍部分の面積を計測し、胃全体に対する潰瘍部分の面積の占める割合を潰瘍指数(%)とした。水浸拘束試験によるストレス性胃潰瘍の潰瘍指数は約20%だった。
(ストレスバイオマーカーの同定)
[二次元電気泳動法(2−D)]
二次元電気泳動は、「プロテオーム解析のための2次元電気泳動ガイド(バイオ・ラッド株式会社)」記載の方法に準じて行った。水浸拘束試験によって得られた血清をMontage Albumin Deplete Kit(Millipore Corporation社製)で処理し、風乾したものを膨潤バッファーで約3mg/mlに調製しサンプルとした。一次元目はpH3〜10の範囲のImmobilineドライストリップ(Immobiline DryStrip)(GE Healthcare社製)7cmを膨潤バッファー[8M尿素、2%CHAPS、50mMDTT、0.2%Bio−Lyte3/10アンフォライト、0.001%BPB]で膨潤した後、ゲル1枚あたり150μgのサンプルをアプライした。Immobilineドライストリップは乾燥防止のためにミネラルオイルを重層し、プロティアンIEFセル(バイオ・ラッドラボラトリーズ株式会社製)により等電点電気泳動を行った。等電点電気泳動が完了したImmobilineドライストリップは平衡化した後、ゲル濃度12%で調製したアクリルアミドゲルにアプライし、二次元目の電気泳動を行った。電気泳動が完了したゲルは染色液(0.1%クマシーブルーR−250、40%メタノール、7.5%酢酸溶液)で約30分間染色した後、脱色液(10%メタノール、7.5%酢酸溶液)で約3時間脱色した。
また、ストレス負荷前の血清も同様にして2―Dに供試した。ストレス負荷前後の2―Dの泳動像を比較し、ストレス負荷後のpH6.0〜7.0、分子量40〜55kDにのみ現れた4種の発現たんぱく質を以下の方法で解析した。
ストレス負荷後の血清を二次元電気泳動に供試して、ストレス負荷後にのみ現れたスポットを切り出し、トリプシンでペプチドに分解して、MALDI-TOF/MAS(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization-Time of Flight/MassSpectrometry;マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析法)により分解成分の分子量を測定した。次に、分解成分の分子量を基に、Mascotデータベースで、Database1:NCBInr、Peptide Mass Tolerance:±0.1〜1.0Da、Fragment Mass Tolerance:±0.5〜1.0Da、Max Missed Clevages:1の検索条件によりコンビネーションサーチを行い、切り出したスポ
ットの成分を同定したところ、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れた4種のスポットのうち2つは(図2中の3及び4)クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)であることがわかった。なお、スポット3はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)の修飾体と考えられる。
(ELISAによるCK−MMの測定)
[水浸拘束試験]
1週間の予備飼育を行った7週齢のSD(Sprague-Dawley)雄性ラット(体重150g〜180g)を用い、1日1回7日間連続で生理食塩水を経口投与した。24時間の絶食後、ストレスケージに動物を入れ、剣状突起の高さまで水に浸した。0.5時間、1時間、5時間、および10時間の水浸拘束後、動物をエーテル致死させた。また、絶食後に水浸拘束せずケージに入れ、水浸拘束と同じ時間を経過させたものを対照とした。
[採血]
生理食塩水投与前はエーテル麻酔し尾静脈より、ストレス負荷前は24時間の絶食前にエーテル麻酔し尾静脈より、また、ストレス負荷後は各時間の水浸拘束後にエーテル麻酔し心臓より、それぞれ採血を行った。得られた血液を室温で1時間静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。また、対照の血清は、生理食塩水投与前、ストレス負荷前(24時間の絶食前)、および水浸拘束と同じ時間をケージ内で経過させエーテルで致死後、採血した。
[ELISAによるCK−MMの検出]
市販抗CK−MMモノクローナル抗体CR3014M1およびCR3014M3(Cortex Biochem Inc.)を用い、固相化抗体をCR3014M1に、ビオチン標識抗体をCR3014M3としたサンドイッチELISAにより、各血清中のCK−MMの相対量を測定した。その結果、ストレス負荷後の値からストレス負荷前の値を引いたCK−MMは、0.5時間、1時間であまり変わらず、5時間、10時間で顕著に高い値を示した(図3)。また、対照でのCK−MMの値にはほとんど変化は認められなかった。これらのことから、水浸拘束個体でCK−MM量が高い値を示したのは、試験における24時間以降の絶食、あるいは採血操作などによるものではなく、水浸拘束ストレスに起因するものと考えられた。また、抗CK−MM抗体を用いることにより、ELISA、あるいはさらに簡易なイムノクロマト法などによるストレス負荷個体の血清から容易にCK−MMを測定できることから、CK−MMのストレスマーカーとしての有効性と、測定方法を示すことができた。
本発明のストレス負荷前後の血清を二次元電気泳動に供試した結果を示す図である。左図はストレス負荷前の結果であり、右図がストレス負荷後の結果である。 本発明のストレス負荷後の血清を二次元電気泳動に供試した結果の拡大図である。 ストレス負荷によるラット血清中のクレアチンキナーゼの変化を示す図である。

Claims (8)

  1. 非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種以上を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法。
  2. pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)によるスポットであることを特徴とする請求項1に記載のストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法。
  3. 非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清からクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法。
  4. 哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試し、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちいずれか1種以上を検出することを特徴とするストレスの判定方法。
  5. pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちのいずれか1種が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)によるスポットであることを特徴とする請求項4に記載のストレスの判定方法。
  6. 哺乳動物から採取した血清中のクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)又はクレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)に特異的に結合する抗体を検出することを特徴とするストレスの判定方法。
  7. ストレスを負荷させた哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動法に供試し、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDに現れる4種のスポットのうちいずれか1種を単離し、該単離したタンパク質、若しくは該単離したタンパク質に特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とするストレス診断用キット。
  8. 単離したタンパク質が、クレアチンキナーゼアイソザイム(CK−MM)であることを特徴とするストレス診断用キット。
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