JP5229789B2 - 新規ストレスバイオマーカー及びその用途 - Google Patents

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Description

本発明は、ストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、ストレスの判定方法やストレス診断用キットに関する。
厚生労働省の平成14年国民栄養調査結果によると、普段の生活でストレスを感じている人は、男性で76.9%、女性で84.2%にも上る。一般的にストレスの要因には、物理的(寒冷、放射線、騒音)、化学的(薬物、ビタミン不足、O欠乏)、生物的(細菌感染)なもの以外に、環境やライフサイクルの変化、仕事・家庭の問題や複雑な人間関係なども含まれている。ストレスは様々な病気の原因となり、例えば、ストレスが原因で発症したと考えられる消化性潰瘍、すなわちストレス性潰瘍などは大きな社会問題となっている。
生体におけるストレスを測定する方法としては、例えば、新規ストレスタンパク質p20の抗体を用いたストレスタンパク質p20の測定方法や(例えば、特許文献1参照)、ヒト老化マーカー及びストレスマーカーを認識するAsp151がβD体であるαAクリスタリンに対して特異的な抗体を提供し、この抗体を組織・細胞に適用して、人の老化又は人のストレスのマーカーを検出するための方法や(例えば、特許文献2参照)、哺乳動物の血液中に存在するトリプトファンの濃度の変化率を指標にストレスを測定することを特徴とする測定方法(例えば、特許文献3参照)や、一定の個体のストレス量の指示要素として遊離の唾液中の副腎皮質ホルモンの量を用いてその視床下部−副腎の系における活性を測定することにより一定の哺乳類動物におけるストレスの量を測定するための方法(例えば、特許文献4参照)等が知られている。
アポリポタンパク質Hは、血清アポリポタンパク質の一種であり、β2−グリコプロテイン1ともいわれている。原発性糸球体疾患、閉塞性腎障害などの腎障害において、尿中クレアチニン量と相関的に尿中アポリポタンパク質Hが増加する(例えば、非特許文献1参照)。
フェチュインは血清中の糖タンパク質であり、AとBの2タイプがあり、フェチュインBがフェチュインβに相当する(例えば、非特許文献2参照)。フェチュインBはフェチュインAとホモロジーを有するが、アミノ酸配列には違いがみられる。フェチュインAはヒト、ヒツジ、ウシ、げっ歯類で確認されており、フェチュインBはヒトとげっ歯類で確認されている(例えば、非特許文献3参照)。フェチュインは骨形成を調節するタンパク質であり、不要な骨の石灰化を抑制する働きを持つ。フェチュインの血清中mRNA発現量は、ヒトにおいては女性のほうが高いという報告がある(例えば、非特許文献4参照)。
アクチンβは、筋肉の収縮性タンパク質であり、哺乳類では6種のアイソアクチンがあり、α(骨格筋型)、β(一般細胞)、γ(平滑筋、細胞)と区別される(例えば、非特許文献5参照)。外傷などによる細胞傷害で血中に遊離したアクチンは、ビタミンD結合タンパク質に補足される(例えば、非特許文献6参照)。
エノラーゼは解糖系の酵素であり「2−ホスホグリセリン酸⇔ホスホエノールピルビン酸」の可逆反応を触媒する。エノラーゼはα,β,γの3種類のサブユニットの組合せから成る二量体構造をもつ。αは主に細胞、βは主に筋肉、γは主に神経に存在するサブユニットである。このうちαγ及びγγ型のエノラーゼは主に神経細胞や軸索突起に存在するため、神経特異エノラーゼ(NSE)と呼ばれている(例えば、非特許文献7参照)。NSEは神経内分泌腫瘍や肺がん、特に肺小細胞がんの腫瘍マーカーとして広く用いられている(例えば、非特許文献8参照)。
特開平7−181180号公報 特開2002−107363号公報 特開2004−198325号公報 特表2005−506516号公報 F V Flynn, M Lapsley, P A Sansom, S L Cohen: Urinary excretion of f2-glycoprotein-1 (apolipoprotein H) and other markers of tubular malfunction in "non-tubular" renal disease., J Clin Pathol 1992;45:561-567 Olivier, Soury, Risler, Smih, Schneider, Lochner, Jouzeau, Fey and Salier (1999) Genomics 57, 352-364 Olivier, Soury, Ruminy, Husson, Parmentier, Daveau and Salier (2000) Biochem. J. 350, 589-597 Denecke B, Graber S, Schafer C, Heiss A, Woltje M, Jahnen-Dechent W.,Biochem J. 2003 Nov 15;376(Pt 1):135-45. U Nudel, R Zakut, M Shani, S Neuman, Z Levy, and D Yaffe: Nucleic Acids Res. 1983 March 25; 11(6): 1759-1771. Dahl B, Schiodt FV, Kiaer T, Ott P, Bondesen S, Tygstrup N. Crit Care Med. 1998 Feb;26(2):285-9 Schmechel D., Marangos P.J., Brightman M.:Neurone-specific enolase is a molecular marker for peripheral and central neuroendocrine cells., Nature. 276(5690), 834-6. (1978) Ariyoshi Y., Kato K., Ishiguro Y., Ota K., Sato T and SuchiT.: Neuron-specific enolase as a new tumor marker., Gan To Kagaku Ryoho., 10(8), 1744-53 (1983)
本発明の課題は、新規なストレスバイオマーカーを利用したストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、ストレスの判定方法や、ストレス診断用キットを提供することにある。
本発明者らは、先にストレスに関与する有効なバイオマーカーを探索するため、ストレス発症前後において、二次元電気泳動(以下、2−Dともいう。)法により血液中の発現タンパク質の解析を行い、ストレス発症後の2−D像には、ストレス発症前の2−D像とは、異なるスポット群の発現を確認した。このスポット群は、pH6.0〜7.0、分子量40〜55kDa付近に数種類見出され、これらのスポットのうち2つをクレアチンキナーゼと同定している(特願2006−257152)。また、等電点5.0〜6.2、分子量30〜60kDaに現れるスポットのうちアポリポタンパク質E、アポリポタンパク質A−IV、ハプトグロビン、及びビタミンD結合タンパク質プリカーサーを同定している(特願2007−18164)。さらに、別のバイオマーカーを探索するため、鋭意研究を重ねたところストレス発症後にその発現量の増減が見られる新たなスポット群を等電点3.5〜8.0、分子量35〜50kDa付近に見い出し、アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、及びエノラーゼβと同定して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、(1)非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、ストレスを負荷する前後にその発現量が変化するタンパク質であるエノラーゼβを検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法や、(2)非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清からエノラーゼβ、又はエノラーゼβに特異的に結合する抗体を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法に関する。
また本発明は、(3)哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試して、ストレスを負荷する前後にその発現量が変化するタンパク質であるエノラーゼβを検出し、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較・評価することを特徴とするストレスの判定のためのデータを収集する方法や、(4)哺乳動物から採取した血清中のエノラーゼβ、又はエノラーゼβに特異的に結合する抗体を検出し、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較・評価することを特徴とするストレスの判定のためのデータを収集する方法に関する。
さらに本発明は、(5)ノラーゼβ、若しくはエノラーゼβに特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とするストレス断するためのキットに関する。
本発明のストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法によれば、ストレスを負荷させて被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、等電点3.5〜8.0、分子量35〜50kDa付近に現れるスポットを検出することにより行うため、従来のように試験動物を殺すことなく、ストレス抑制物質又はストレス増強物質をスクリーニングすることができる。上記ストレス抑制物質はストレス治療剤として有用であり、ストレス増強物質はストレス発症の機構を解明する上で有用である可能性がある。
また、本発明の判定方法によれば、ストレスを発症した際に血液中に発現する新規ストレスバイオマーカー又はそれに対する抗体を検出することで、非侵襲的にストレスの判定が可能であるため、簡便かつ迅速に実験動物やペット、ヒト等のストレスを検出することができ、前記新規ストレスバイオマーカーを含有するストレス診断用キットは、汎用性に富み、高精度かつ高感度でストレスを判定することができる。
本発明のストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法としては、非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、ストレスを負荷する前後にその発現量が変化するタンパク質であるエノラーゼβを検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法(以下、スクリーニング方法[1]ともいう。)や、非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清からエノラーゼβ、又は、エノラーゼβに特異的に結合する抗体を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価する方法(以下、スクリーニング方法[2]ともいう。)であれば特に制限されず、上記非ヒト哺乳動物としては、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル等を挙げることができる。上記ストレスを負荷する方法としては、水浸法、拘束法、水浸拘束法、床電撃法等の公知のストレス負荷方法を挙げることができる。また、上記被験物質としては、ペプチド、タンパク質、核酸、合成化合物、微生物発酵物、海洋生物抽出物、植物抽出物、原核細胞抽出物、真核単細胞抽出物、動物細胞抽出物等を挙げることができる。なお、本発明において、血清には、便宜上血漿も含まれる。
本発明における二次元電気泳動法としては、例えば等電点と分子量というタンパク質の有する2つの物性面から分離を行う方法であれば特に制限されるものではなく、一般的には、まずキャピラリーゲルや市販のストリップゲルなどを分離媒体として等電点電気泳動を行い、泳動を終了したゲルを第2の平面状のSDS−ポリアクリルアミドゲル(slab gel)に載せ、等電点電気泳動の展開方向に対して直角の方向に電気泳動することにより行うことができ、より好適には文献(J. Korean Med. Sci., 18(4) 505 2003 ; Electrophoresis, 23(15), 2513 2002)記載の方法や、(Tonge R., Shaw J., Middleton B., Rowlinson R., Rayner S., Young J., Pognan F., Hawkins E., Currie I. and Davison M. :Validation and development of fluorescence two-dimensional differential gel electrophoresis proteomics technology. Proteomics, 1(3), 377-396 (2001))記載の方法や、下記実施例による方法を挙げることができる。下記実施例に記載した方法が、ストレス負荷後に変化するタンパク質の増減を視覚できるため、被験物質を投与しない場合との比較・評価の点から好ましい。
上記スクリーニング方法[1]における好ましい態様として、マウス等の非ヒト哺乳動物に、水浸拘束法によりストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、ストレスを負荷する前後にその発現量が増加するタンパク質であるアクチンβ及びエノラーゼβ、ストレスを負荷する前後にその発現量が減少するタンパク質であるアポリポタンパク質H及びフェチュインβの4種のタンパク質のうちのいずれか1種以上を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法を挙げることができ、この方法において、被験物質を投与しない場合と比較して、被験物質を投与した場合に、アポリポタンパク質H及び/又はフェチュインβが減少し、あるいは、アクチンβ及び/又はエノラーゼβが増加したとき、被験物質はストレス増強物質と評価され、他方、被験物質を投与しない場合と比較して、被験物質を投与した場合に、アポリポタンパク質H及び/又はフェチュインβの減少が抑制され、あるいは、アクチンβ及び/又はエノラーゼβの増加が抑制されたとき、被験物質はストレス抑制物質と評価される。なお、スポットの種類の減少やスポットの検出量の減少及び増大の判定は、例えばクマシーブルー等の染色液やCy2、Cy3、Cy5等の蛍光物質にてスポットを視覚化することで容易に行うことができ、また前記スポットを切り出し、トリプシン等のプロテアーゼで消化し抽出された成分を質量分析等により直接定量し、その増減を判定することにより行うこともできる。
また、アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、及びエノラーゼβとして同定されていることから、上記スクリーニング方法[2]のように、例えばストレスを負荷させた非ヒト哺乳動物に被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物から、アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、及びエノラーゼβのうちのいずれか一種以上のタンパク質、又はこれらのいずれかに特異的に結合する抗体を検出することにより、ストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニングすることも可能であり、スクリーニング方法[2]において、マウス等の非ヒト哺乳動物に水浸拘束法によりストレスを負荷する場合、被験物質を投与しない場合と比較して、被験物質を投与した場合に、アポリポタンパク質H及び/若しくはフェチュインβの検出量、又はアポリポタンパク質H及び/若しくはフェチュインβに特異的に結合する抗体の検出量が増大し、あるいは、アクチンβ及び/若しくはエノラーゼβの検出量、又はアクチンβ及び/若しくはエノラーゼβに特異的に結合する抗体の検出量が減少したとき、被験物質はストレス抑制物質と評価される。他方、被験物質を投与しない場合と比較して、被験物質を投与した場合に、アポリポタンパク質H及び/若しくはフェチュインβの検出量、又はアポリポタンパク質H及び/若しくはフェチュインβに特異的に結合する抗体の検出量が減少し、あるいは、アクチンβ及び/若しくはエノラーゼβの検出量、又はアクチンβ及び/若しくはエノラーゼβに特異的に結合する抗体の検出量が増大した場合、被験物質はストレス増強物質と評価される。
アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、又はエノラーゼβ、あるいはこれらのいずれかのタンパク質に特異的に結合する抗体の検出方法としては特に制限されないが、具体的には、抗原と抗体の結合反応を利用した免疫学的検出法等を好適に挙げることができる。例えば、アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、又はエノラーゼβの検出方法としては、標識した抗アポリポタンパク質Hモノクローナル抗体、標識した抗フェチュインβモノクローナル抗体、標識した抗アクチンβモノクローナル抗体、又は標識した抗エノラーゼβモノクローナル抗体を用い、また、アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、又はエノラーゼβに特異的に結合する抗体の検出方法としては、標識又はペプチドタグ化したアポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、又はエノラーゼβを用いて、例えばイムノクロマト法、ELISA法等の免疫学的検出法を挙げることができる。標識物質としては、アルカリフォスファターゼ、HRP等の酵素、抗体のFc領域、GFP等の蛍光物質などを具体的に挙げることができ、またペプチドタグとしては、HA、FLAG、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質、ビオチン化ペプチド、オリゴヒスチジン等の親和性タグなどの従来知られているペプチドタグを具体的に例示することができる。
本発明のストレスの判定方法としては、哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試して、ストレスを負荷する前後にその発現量が変化するタンパク質であるエノラーゼβを検出し、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較・評価する方法(以下、ストレス判定方法[1]ともいう。)や、哺乳動物から採取した血清中のエノラーゼβ、又はエノラーゼβに特異的に結合する抗体を検出し、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較・評価する方法(以下、ストレス判定方法[2]ともいう。)であれば特に制限されず、上記哺乳動物としては、ヒト、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル等を挙げることができる。また、ストレス判定方法[1]やストレス判定方法[2]において、二次元電気泳動を実施したり、エノラーゼβの検出、あるいは、エノラーゼβに特異的に結合する抗体を検出するには、上述した方法を用いることができる。また、本発明に用いる比較対象試料としての健常な哺乳動物の血清は、ストレスが負荷されていない健常な哺乳動物の血清を使用することができる。
例えば、ジョギングが得意でない人にとってはジョギングはストレスになることから、
かかるジョギングによるストレスの場合、上記ストレス判定方法[1]において、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較して、アクチンβ及び/又はアポリポタンパク質Hの検出量が増加しているとき、評価対象の哺乳動物はストレスと判定されることになる。また、上記ストレス判定方法[1]において、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較して、フェチュインβの検出量が減少しているとき、評価対象の哺乳動物はストレスと判定されることになる。
同様に、ジョギングによるストレスの場合、上記ストレス判定方法[2]において、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較して、フェチュインβ、あるいはフェチュインβに特異的に結合する抗体の検出量が減少したとき、評価対象の哺乳動物はストレスと判定されることになる。また、上記ストレス判定方法[2]において、アクチンβ及び/又はアポリポタンパク質H、あるいは、アクチンβ及び/又はアポリポタンパク質Hに特異的に結合する抗体の検出量が増加したとき、評価対象の哺乳動物はストレスと判定されることになる。
本発明のストレスの判定方法を用いると、例えばストレスに起因する、胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などを早期に発見することができる。
本発明のストレス診断用キットとしては、エノラーゼβ、若しくはエノラーゼβに特異的に結合する抗体、又は、エノラーゼβや抗体の標識物を備えたキットであれば特に制限されず、本発明のストレス診断用キットは、ヒト、ペット等のストレス性疾患、例えばストレスに起因する、胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などの早期発見用検査キットとして有用である。
本発明に使用するアポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、又はエノラーゼβ等に特異的に結合する抗体は、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的に挙げることができ、これらは上記アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、又はエノラーゼβを抗原として用いて常法により作製することができるが、その中でもモノクローナル抗体がその特異性の点でより好ましい。
アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、又はエノラーゼβに対する抗体は、慣用のプロトコールを用いて、動物(好ましくはヒト以外)に該アポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβ、若しくはエノラーゼβ、これらのエピトープを含む断片、又は、該タンパク質を膜表面に発現した細胞を投与することにより産生され、例えばモノクローナル抗体の調製には、連続細胞系の培養物により産生される抗体をもたらす、ハイブリドーマ法(Nature 256, 495-497, 1975)、トリオーマ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法(Immunology Today 4, 72, 1983)及びEBV−ハイブリドーマ法(MONOCLONAL
ANTIBODIES AND CANCER THERAPY, pp.77-96, Alan R.Liss, Inc., 1985)など任意の方法を用いることができる。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
(試験動物の調整)
[水浸拘束試験]
1週間の予備飼育を行った7週齢のSprague-Dawley(SD)雄性ラット(体重150g〜180g)を用い、7日間飼料および水を自由に摂取させ、1日1回生理食塩水を経口投与した。24時間の絶食後、ストレスケージに動物を入れ、剣状突起の高さまで水に浸した。0.5時間、1時間及び5時間の水浸拘束後、動物をエーテル致死させた。また、絶食後に水浸拘束せずケージに入れ、水浸拘束と同じ時間を経過させたものを対照とした。
[採血]
ストレス負荷前は24時間の絶食前にエーテル麻酔し尾静脈より採血を行った。また、ストレス負荷後は各時間の水浸拘束後にエーテル麻酔し、心臓より採血を行った。得られた血液を室温で1時間静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。
(ストレスバイオマーカーの同定)
[二次元電気泳動法(2−D)]
二次元電気泳動は、Tonge R., Shaw J., Middleton B., Rowlinson R., Rayner S., Young J., Pognan F., Hawkins E., Currie I. and Davison M. : Validation and development of fluorescence two-dimensional differential gel electrophoresis proteomics technology. Proteomics, 1(3),377-396 (2001)記載の方法に準じて行った。水浸拘束試験によって得られた血清をMultiple Affinity Removal Spin Cartridge, 0.45 mL Ms-3 (Mouse)(Agilent Technologies)で処理し、サンプル溶解液(4% CHAPS、7M Urea、2M Thiourea)に溶解させた。なお、対象群の等量混合物をストレス負荷0時間のサンプルとした。ストレスバイオマーカー解析用のサンプルについては、各サンプルをCy3あるいはCy5(GE Healthcare社製)で標識し、全サンプルの等量混合物はCy2(GE Healthcare社製)で標識した。3種の標識サンプルを混合し、混合サンプルと等量の2×等電点電気泳動用サンプルバッファー(4% CHAPS、2% DTT、7M Urea、2M Thiourea)を加え、膨潤用バッファー(2% CHAPS、0.002% Bromophenol blue、1% DTT、7M Urea、2M Thiourea)にて終容量450μLとなるように調製した。IPGバッファー(pH3−10 NL)(GE Healthcare社製)を0.5%加え、pH3−10 NLのImmobilineドライストリップ(GE Healthcare社製)で等電点電気泳動をおこなった。等電点電気泳動が完了したImmobilineドライストリップは平衡化した後、ゲル濃度10%で調製したアクリルアミドゲルにアプライし、二次元目の電気泳動を行った。電気泳動後のゲルの画像イメージはTyphoon 9400 imager(GE Healthcare社製)にて読み込み、画像はDecyderソフトウェア(GE Healthcare社製)で解析した。
ストレスバイオマーカー解析用ゲルでストレス負荷前後のスポットを比較し、ストレス負荷後のpH3.5〜8.0付近、分子量35〜50kDa付近に現れた4スポットのタンパク質を同定用ゲルより以下の方法で解析した。
タンパク質同定用のゲルのサンプルは、ストレス負荷後の全サンプルの等量混合物500μgに対して、等容量の2×等電点電気泳動用サンプルバッファーを加え、膨潤用バッファーで450μLに調整した。IPGバッファー(pH3−10 NL)を0.5%加え、等電点電気泳動と二次元目の電気泳動を行い(図1)、ストレス負荷後にのみ現れたスポットを同定用ゲルよりPicker(GE Healthcare社製)で切り出し、トリプシンでゲル内消化を行ったのちZip-Tip(ミリポア社製)で精製を行い、マトリックスと混合し、MALDI−TOF/MAS(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization-Time of Flight / MassSpectrometry;マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析法)(Bruker Daltonics K.K.社製)により分解成分の分子量を測定した。次に、分解成分の分子量を基に、Mascotデータベースで、Database1:NCBInr、Peptide Mass Tolerance:±0.1〜1.0Da、Fragment Mass Tolerance:±0.5〜1.0Da、Max Missed Clevages:1の検索条件によりコンビネーションサーチを行い、切り出したスポットの成分を同定した。pH3.5〜8.0付近、分子量35〜50kDa付近に確認された4スポットは、それぞれアポリポタンパク質H(図中A及びB)、フェチュインβ(図中C)、アクチンβ(図中D)と同定された。
また、上記画像解析結果から、アポリポタンパク質Hと同定されたスポットAはストレス時間とともに徐々に減少し、0時間と比較すると5時間後には約81%となった(図2)。スポットBも同様に5時間後に79%となり(図3)、アポリポタンパク質Hは、ストレス負荷により減少するタンパク質であることが認められた。また、フェチュインβと同定されたスポットCは、76%まで減少し(図4)、アポリポタンパク質Hと同様、ストレス負荷により減少するタンパク質であることが明らかとなった。一方、アクチンβと同定されたスポットDは水浸拘束ストレス負荷5時間までに230%に増加し(図5)、ストレス負荷により増加するタンパク質であることが明らかとなった。このことから、ある動作の前後のアポリポタンパク質H、フェチュインβ、アクチンβを測定することで、その動作が対象個体にとってストレスとなっているか否かが判定できることが明らかとなった。
(試験動物の調製)
[水浸拘束試験]
1週間の予備飼育を行った7週齢のSD(Sprague-Dawley)雄性ラット(体重150g〜180g)を用い、7日間飼料および水を自由に摂取させ、1日1回生理食塩水を経口投与した。24時間の絶食後、ストレスケージに動物を入れ、剣状突起の高さまで水に浸し、10時間の水浸拘束を行った。
[採血]
水浸拘束前後に採血を行った。得られた血液は室温で1時間静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。なお、胃潰瘍が発症する前のストレス負荷前血清は、24時間の絶食をする前にエーテル麻酔し尾静脈より採取した。また、胃潰瘍発症後のストレス負荷後血清は、10時間の水浸拘束後にエーテル麻酔し心臓より採取し、二次元電気泳動に供試した。また、採血後直ちに胃を摘出し、潰瘍部分の面積を計測し、胃全体に対する潰瘍部分の面積の占める割合を潰瘍指数(%)とした。水浸拘束試験によるストレス性胃潰瘍の潰瘍指数は約20%だった。
(ストレスバイオマーカーの同定)
[二次元電気泳動法(2−D)]
二次元電気泳動は、Tonge R., Shaw J., Middleton B., Rowlinson R., Rayner S., Young J., Pognan F., Hawkins E., Currie I. and Davison M. : Validation and development of fluorescence two-dimensional differential gel electrophoresis proteomics technology. Proteomics, 1(3), 377-396 (2001)記載の方法に準じて行った。水浸拘束試験によって得られた血清をMultiple Affinity Removal Spin Cartridge, 0.45 mL Ms-3(Mouse)(Agilent Technologies)で処理し、サンプル溶解液(4% CHAPS、7M Urea、2M Thiourea)に溶解させた。ストレスバイオマーカー解析用のサンプルについては、ストレス負荷前のサンプルをCy3(GE Healthcare社製)で、ストレス負荷後のサンプルをCy5(GE Healthcare社製)で、ストレス負荷前及び負荷後のサンプルの等量混合物をCy2(GE Healthcare社製)でそれぞれ標識した。3種の標識サンプルを混合し、等量の2×等電点電気泳動用サンプルバッファー(4% CHAPS、2% DTT、7M Urea、2M Thiourea)を加え、膨潤用バッファー(2% CHAPS、0.002% Bromophenolblue、1% DTT、7M Urea、2M Thiourea)にて終容量450μLとなるように調製した。IPGバッファー(pH3−10 NL)(GE Healthcare社製)を0.5%加え、pH3−10 NLのImmobilineドライストリップ(GE Healthcare社製)で等電点電気泳動をおこなった。等電点電気泳動が完了したImmobilineドライストリップは平衡化した後、ゲル濃度10%で調製したアクリルアミドゲルにアプライし、二次元目の電気泳動を行った。電気泳動後のゲルの画像イメージはTyphoon 9400 imager(GE Healthcare社製)にて読み込み、画像はDecyderソフトウェア(GE Healthcare社製)で解析した(図6)。
ストレスバイオマーカー解析用ゲルでストレス負荷前後のスポットを比較し、ストレス負荷後のpH7.0〜8.5付近、分子量45〜50kDa付近に現れたスポット(発現タンパク質)を同定用ゲルより以下の方法で解析した。
タンパク質同定用のゲルのサンプルは、ストレス前後のサンプルの等量混合物500μgに対して、等容量の2×等電点電気泳動用サンプルバッファーを加え、膨潤用バッファーで50μLに調整した。IPGバッファー(pH3−10 NL)を0.5%加え、等電点電気泳動と二次元目の電気泳動を行い、ストレス負荷後にのみ現れたスポットを同定用ゲルよりPicker(GE Healthcare社製)で切り出し、トリプシンでゲル内消化を行ったのちZip-Tip(ミリポア社製)で精製を行い、マトリックスと混合し、MALDI−TOF/MAS(Matrix Assisted Laser Desorption Ionization-Time of Flight / Mass Spectrometry;マトリックス支援レーザ脱離イオン化−飛行時間型質量分析法)(Bruker Daltonics K.K.社製)により分解成分の分子量を測定した。次に、分解成分の分子量を基に、Mascotデータベースで、Database1:NCBInr、Peptide Mass Tolerance:±0.1〜1.0Da、Fragment Mass Tolerance:±0.5〜1.0Da、Max Missed Clevages:1の検索条件によりコンビネーションサーチを行い、切り出したスポットの成分を同定した。その結果、pH7.0〜8.5付近、分子量45〜50kDa付近に現れたスポットがエノラーゼβであることがわかった。また、上記画像解析結果から、エノラーゼβと同定されたスポットはストレス負荷により21.44倍増加した(図7)。
以上の結果を表1にまとめた。
(ELISAによるアポリポタンパク質Hの測定)
1.走行試験
被験者(A、B、C、D)4名で2km、約20分間のジョギング試験を実施した。
2.採血
ジョギング前後に被験者の上腕静脈より採血を行った。得られた血液を4℃で、一晩静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。
3.ELISAによるアポリポタンパク質Hの検出
10倍希釈した血清を固相に、抗体にAnti-Apolipoprotein H, Mouse-Mono(1D2) MA1-25289(フナコシ株式会社製)を用いたダイレクトELISAにより、ジョギング前後の被験者A、B、C、Dの血清中におけるアポリポタンパク質Hを測定した。その結果、ジョギング後にアポリポタンパク質Hが一様に増加した(図8)。実施例1のラットの水浸拘束試験の結果ではアポリポタンパク質Hは減少したが、この違いはストレスの種類の差異、あるいは対象種の差異が考えられ、一定の動物種で一定のストレスを負荷することにより、一様に増加あるいは減少するマーカーであると考えられた。以上のことから、アポリポタンパク質Hのストレスマーカーとしての有効性が明らかとなった。また、抗アポリポタンパク質H抗体を用いたELISAや、さらに簡易なイムノクロマト法などにより、ストレス負荷個体の血清から容易にアポリポタンパク質Hが測定可能であり、その増減によりストレス負荷の判定できると考えられる。
(ELISAによるフェチュインβの測定)
1.走行試験
被験者(A、B、C、D)4名で2km、約20分間のジョギング試験を実施した。
2.採血
ジョギング前後に被験者の上腕静脈より採血を行った。得られた血液を4℃で、一晩静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。
3.ELISAによるフェチュインβの検出
10倍希釈した血清を固相に、抗体にAnti-Fetuin B, Mouse-Mono(212621) MAB1725(フナコシ株式会社製)を用いたダイレクトELISAにより、ジョギング前後の被験者A、B、C、Dの血清中におけるフェチュインβを測定した。その結果、被験者Cを除いたA、B、Dでは、実施例1のラットの水浸拘束試験の結果と同様に、ジョギング後にフェチュインβが減少した。(図9)。以上のことから、フェチュインβのストレスマーカーとしての有効性が明らかとなった。また、抗フェチュインβ抗体を用いたELISAや、さらに簡易なイムノクロマト法などにより、ストレス負荷個体の血清から容易にフェチュインβが測定可能であり、その増減によりストレス負荷の判定できると考えられる。
(ELISAによるアクチンβの測定)
1.走行試験
被験者(A、B、C、D)4名で2km、約20分間のジョギング試験を実施した。
2.採血
ジョギング前後に上腕静脈より採血を行った。得られた血液を4℃で、一晩静置した後、遠心分離(3000rpm、15分)し、その上清を血清として−40℃で保管した。
3.ELISAによるアクチンβの検出
固相化抗体にAnti-Actin β, Mouse-Mono(B11V08) AM00194PU-N(フナコシ株式会社製)を、HRP標識抗体にMouse monoclonal(mAbcam8226) to beta Actin-Loading Control (HRP)(アブカム株式会社製)を用いたサンドイッチELISAにより、ジョギング前後の被験者A、B、C、Dの血清中におけるアクチンを測定した。その結果、実施例1のラットの水浸拘束試験の結果と同様に、ジョギングによりアクチンの増加が認められた(図10)。以上のことから、アクチンβのストレスマーカーとしての有効性が明らかとなった。また、抗アクチンβ抗体を用いたELISAや、さらに簡易なイムノクロマト法などにより、ストレス負荷個体の血清から容易にアクチンβが測定可能であり、その増減によりストレス負荷の判定できると考えられる。
本発明の5時間ストレス負荷後の全血清を二次元電気泳動に供試した結果を示す図である。図中A及びBはアポリポタンパク質H、Cはフェチュインβ、Dはアクチンβの各スポットを示す。 スポットA(アポリポタンパク質H)の水浸拘束ストレス時の0〜5時間後までの経時的変化を示す図である。 スポットB(アポリポタンパク質H)の水浸拘束ストレス時の0〜5時間後までの経時的変化を示す図である。 スポットC(フェチュインβ)の水浸拘束ストレス時の0〜5時間後までの経時的変化を示す図である。 スポットD(アクチンβ)の水浸拘束ストレス時の0〜5時間後までの経時的変化を示す図である。 本発明のストレス負荷前後の血清を二次元電気泳動に供試した結果を示す図である。図中の矢印の先端がエノラーゼβのスポットを示す。 水浸拘束ストレス0及び10時間後のエノラーゼβの変化を示す図である。 ジョギング前後のヒト血清中のアポリポタンパク質Hの変化を示す図である。 ジョギング前後のヒト血清中のフェチュイン量の変化を示す図である。 ジョギング前後のヒト血清中のアクチン量の変化を示す図である。

Claims (5)

  1. 非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清を二次元電気泳動に供試して、ストレスを負荷する前後にその発現量が変化するタンパク質であるエノラーゼβを検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法。
  2. 非ヒト哺乳動物に、ストレスを負荷する前後又は同時に、被験物質を投与し、該被験物質を投与した非ヒト哺乳動物の血清からエノラーゼβ、又はエノラーゼβに特異的に結合する抗体を検出し、被験物質を投与しない場合と比較・評価することを特徴とするストレス抑制物質又はストレス増強物質のスクリーニング方法。
  3. 哺乳動物から採取した血清を二次元電気泳動に供試して、ストレスを負荷する前後にその発現量が変化するタンパク質であるエノラーゼβを検出し、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較・評価することを特徴とするストレスの判定のためのデータを収集する方法。
  4. 哺乳動物から採取した血清中のエノラーゼβ、又はエノラーゼβに特異的に結合する抗体を検出し、健常な哺乳動物から採取した血清の場合と比較・評価することを特徴とするストレスの判定のためのデータを収集する方法。
  5. ノラーゼβ、若しくはエノラーゼβに特異的に結合する抗体、又はそれらの標識物を備えたことを特徴とするストレス断するためのキット。
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