JP5553515B2 - 精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法、精神的ストレス抑制もしくは増強物質スクリーニング用キット、哺乳動物の精神的ストレスの判定方法、患者のうつ病の判定又は同病からの回復の判定の際に使用するデータの収集方法、及び、精神的ストレスまたはうつ病の判定キット - Google Patents

精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法、精神的ストレス抑制もしくは増強物質スクリーニング用キット、哺乳動物の精神的ストレスの判定方法、患者のうつ病の判定又は同病からの回復の判定の際に使用するデータの収集方法、及び、精神的ストレスまたはうつ病の判定キット Download PDF

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Description

本発明は、精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法、精神的ストレスの判定方法ならびに精神的ストレス判定用キット等に関する。
WHOの統計によれば、我が国には300万人以上の「うつ病」羅患者がいると推定され、大きな社会問題となりつつある。また、このうつ病が原因で自殺に至るケースがここ数年2万件を超えており、交通事故での死亡者数の3倍以上に達しており、個人の技量に頼るカウンセリングとは別の、精神的ストレスやうつ病を定量的に検知する効果的なマーカーの出現が待たれている。
またこうした社会状況を反映して新規抗うつ薬や抗ストレス性食品の開発が盛んになっており、そのため被験物質の精神的ストレスを緩和する機能を動物実験により迅速かつ定量的に評価するシステムの開発が求められている。
生体が有害な環境や因子に曝されたときに生じる非特異的な反応が「ストレス」と定義されている。今日まで、数多くの疾患について、その疾患の原因となるストレス誘導性因子が同定され、ストレスと病態との関連が指摘されているが、未だに精神的ストレスおよび、それが主要因となるうつ病の程度を正確に評価する方法は確立されていない。この理由は、精神的ストレスの評価には臨床心理学、社会学、生理学、臨床医学など多角的な評価が要求され、しかもそれぞれの評価法に確実な指標を欠いているためである。またその性質上、うつ病の評価は特に困難であるとされてきた。
例えば、従来、個人のストレス評価法として、ライフイベントのストレッサーの評価、性格判定テストなどの個人の生物学的特徴の評価が行われ、一定の成果を挙げてきた。しかし、これらの評価には膨大な時間と労力が必要であり、さらに定量性や客観性に問題が残されている。
また、個体のストレス評価法として、ストレスホルモンなどの限られた因子を測定する方法、例えば、副腎又は下垂体における一酸化窒素合成酵素の活性を測定する方法(特許文献1)、体液中のクロモグラミンAの濃度を定量する方法(特許文献2)、唾液中のコ
ルチゾール濃度を測定する方法(特許文献3)、モノアミン類の濃度変化率を測定する方法(特許文献4)、V-1蛋白質量を測定する方法(特許文献5)、perl遺伝子とper2遺伝
子の発現レベルを指標とする方法(特許文献6)など、多くの方法が提案されている。
しかしながらこれらの方法は実用面で次のような幾つかの問題を抱えており、未だその利用は限られている。第1にこれらの方法の多くは単独のマーカーだけによるストレスの診断法であり、内分泌・神経・免疫による複雑系の反応である精神的ストレスをそのような単独の指標だけで評価することは困難である。
第2に一酸化窒素(特許文献1)、モノアミン(特許文献4)あるいはV-1蛋白質(特
許文献5)については、脳その他の臓器の摘出が必要であり、操作の複雑さが問題となる。またヒトには適用できないという大きな欠点を持っている。
第3に、体内での安定性が低いクロモグラニンA(特許文献2)、コルチゾール(特許
文献3)あるいはPer遺伝子mRNA等には、分析試料採取のタイミングに細かな制限を設け
る必要がある。さらにPer遺伝子mRNAについては調製方法が他の蛋白質マーカーに比べ格
段に難易度が高くなるという欠点もある。
現在特に課題となっているのは長期に持続する精神的ストレスの評価方法である。一過性のストレスの場合においても極端に強度のストレスに曝された場合は、心的外傷後ストレス障害(PTSD)に陥る場合もあるが、日常生活で遭遇するほとんどの一過性ストレスは原因となるストレッサーがなくなるともとの状態に戻る。これに反して、ストレッサーに長期間持続的に曝される精神的ストレスは、精神的ストレスに起因する代表的な疾患、例えば、うつ病などの精神疾患や、がん、アレルギー疾患などの発症の原因となり、生活習慣病など、多くの疾患の増加と密接に結びついている。この長期間持続的に曝される精神的ストレスの状態を簡便かつ的確に評価できれば、個人のうつ病診断や職場の健康指導に利用でき、定期健康診断における重要な検査項目となると考えられるので、精神的ストレスの簡便かつ的確な評価は、予防医学の分野で国民生活の向上と医療費削減への貢献に資すること大なることが期待される課題である。
精神的ストレスおよびうつ病評価のためのマーカーを用いる例は極めて少ないが、末梢血由来のメッセンジャーRNA(mRNA)を用いてマーカー遺伝子数十種類の発現に基づき被験
者の慢性ストレス、うつ病の評価を行う方法が提唱されている(特許文献7、特許文献8)。しかし、この方法は難易度の高いmRNAの調製を必要とするばかりでなく、高額なDNA
マイクロアレイ及び測定器が必要になるという点においても、精神科医が日常の診断に利用するために簡便で有効な方法とは言い難い。また用いられるほとんどのマーカーがストレスによって高々50%程度の幅でしか増減を示しておらず、信頼できる診断をするために
は極めて高い分析技術が要求されるという難点も見られる。
特開平8-262025号公報 特開平11-23572号公報 特開2000-275248号公報 特開2002−156378号公報 特開2003−61654号公報 特開2005−143420号公報 特開2005−312435号公報 特開2007−306883号公報
本発明の課題は、新規な精神的ストレスバイオマーカーを利用した簡便で信頼性のある精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法および精神的ストレスの判定方法、あるいは精神的ストレス判定用キット等を提供することである。
本発明者らは、精神的ストレスに関与する有効なバイオマーカーを探索するため、マウスに精神的ストレス負荷をかける前後において、二次元電気泳動法により血液中の発現タンパク質の解析を行い、精神的ストレス負荷の前後で、異なるスポット群の発現を確認した。このスポット群は数種類見出され、これらのスポットのうち精神的ストレスの負荷により特に大きな増大が見られ且つ再現性に優れた3つのスポット群を等電点4.5〜6.4、分子量9〜27kDa付近に見出し、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖と同定して、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の事項に関する。
(1)精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血清、あるいは血漿中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質のうちのいずれか1種以
上を定量し、その量を、前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血清あるいは血漿中の前記3種のタンパク質の量と比較して前記被験物質を評価することを特徴とする精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法。
(2)精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体,ハプトグロビンα鎖に結合する抗
体のうちのいずれか1種以上を定量し、その量を、前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の前記抗体の量と比較して前記被験物質を評価することを特徴とする精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法。
(3)血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖のうちのいずれか1種以上のタンパク質、あるいはこれらのいずれかに結合する抗体又はそれらの標識物
を備えたことを特徴とする、精神的ストレス抑制もしくは増強物質スクリーニング用キット。
(4)哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖3種のタンパク質のうちのいずれか1種以上を定量
し、その量を、健常な哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の前記3種のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする前記哺乳動物の精神的ストレスの判定方法。
(5)哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体,ハプトグロビンα鎖に結合する抗体の
いずれか1種以上を定量し、その量を、健常な哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の前記抗体の量と比較・評価することを特徴とする前記哺乳動物の精神的ストレスの判定方法。
(6)患者から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖3種のタンパク質のうちのいずれか1種以上を定量し
、その量を、健常なヒトから採取された血液、血漿、あるいは血清中の前記3種のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする前記患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定方法。
(7)患者から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体,ハプトグロビンα鎖に結合する抗体のいず
れか1種以上を定量し、その量を、健常なヒトから採取された血液、血漿、あるいは血清中の前記抗体の量と比較・評価することを特徴とする前記患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定方法。
(8)血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖のうちのいずれか
1種以上のタンパク質、あるいはこれらのいずれかに結合する抗体又はそれらの標識物を備えたことを特徴とする精神的ストレスまたはうつ病の判定用キット。
本発明の精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法は、精神的ストレスを負荷させて被験物質を投与した哺乳動物の極微量な血清中の特定のタンパク質を定量することにより行うため、試験動物を殺すことなく精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質をスクリーニングすることができる。上記精神的ストレス抑制物質は精神的ストレス治療剤、うつ病治療剤として有用であり、精神的ストレス増強物質は精神的ストレス発症の機構、うつ病発症の機構を解明する上で有用である。
また、本発明の判定方法によれば、精神的ストレスを負荷した際に血液での発現量が増加する新規ストレスバイオマーカー又はそれに対する抗体を検出することで、低侵襲的に精神的ストレスの判定が可能であるため、簡便かつ迅速に実験動物やペット、ヒト等の精神的ストレスを判定することができる。また前記新規精神的ストレスバイオマーカーまたはそれに結合する抗体を含有する精神的ストレス判定用キットは汎用性に富み、高精度かつ高感度で精神的ストレスを判定することができる。
図1は実施例1において、Wet Floor法でストレスを負荷したマウスと負荷しないマウスの血清を、イムノグロブリン及びアルブミンを除いた後に2次元電気泳動で分析した画像を示す。蛋白質は銀染色で検出した。 図2は実施例1において、Wet Floor法でストレスを負荷したマウスと負荷しないマウスの血清を、イムノグロブリンおよびアルブミンを除く前処理なしに2次元電気泳動で分析した画像を示す。蛋白質はクマシーブルー染色で検出した。 図3は実施例2において、ストレス負荷をしたマウス(+)としないマウス(−)の血清を分子量マーカー(左端のパネル)と共に電気泳動後、抗血清アミロイドA1抗体(右端のパネル)、抗血清アミロイドP抗体(右から2番目のパネル)および抗ハプトグロビン抗体(右から3番目のパネル)によって検出した画像を示す。 図4は実施例3において、マウスのストレス負荷有無でのハプトグロビンα鎖(左パネル)および血清アミロイドP(右パネル)の発現量および経口投与された抗うつ薬の効果を示す。グラフは、各群3匹のマウスでの平均と標準偏差を示す。FLV, フルボキサミン投与群;DES, デシプラミン投与群;H2O, 薬剤の溶媒である水投与群(コントロール)。 図5は実施例3において、血清アミロイドA1のストレス負荷の有無での発現量変化および経口投与した抗うつ薬の効果を示す。グラフは各群3匹のマウスでの平均と標準偏差を示す。FLV、フルボキサミン投与群;DES、デシプラミン投与群;H2O, 薬剤の溶媒である水投与群(コントロール)。 図6は実施例4において、ストレス負荷の有無およびジアゼパム投与の有無により3群のマウスの血清を用いて、ハプトグロビンα鎖(左半分)及び血清アミロイドP(右半分)の発現量を調べた結果を示す。グラフは各群3匹のマウスの平均と標準偏差で示している。DAZP、 ジアゼパム。 図7は過密飼育によるストレスを負荷したマウス3匹から血清を採取し、抗体によって血清アミロイドPを定量した結果を示す(Small Cage)。比較対照として通常飼育したマウス3匹の血清を分析した結果(Regular Cage)も示す。グラフは各群3匹のマウスの平均と標準偏差で示す。
[本発明のスクリーニング方法]
本発明の精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法においては、(1)精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血清、あるいは血漿中の、血清アミ
ロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質のうちのいずれ
か1種以上を定量し、その量(以下単に「量1」ともいう)を、前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血清あるいは血漿中の前記3種のタンパク質の量(以下単に「量2」ともいう)と比較して前記被験物質を評価するか(以下、このような方法をスクリーニング方法[1]ともいう。)、あるいは、
精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血漿あるいは血清中の、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体,ハプトグロビンα鎖に結合する抗体のうち
のいずれか1種以上を定量し、その量(以下単に「量1」ともいう)を、前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血漿あるいは血清中の前記抗体の量(以下単に「量2」ともいう)と比較して前記被験物質を評価する(以下、このような方法をスクリーニング方法[2]ともいう。)。
上記哺乳動物としては、ヒト、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サル等を挙げることができる。
上記精神的ストレスを負荷する方法としては、弱いけれども継続的なストレス負荷である、後述のWet Floor法や過密飼育法などが特に有効な方法として挙げることができる。
さらに水浸法、拘束法、水浸拘束法、床電撃法等の公知のストレス負荷方法も挙げることができる。
精神的ストレスを負荷される前とは、通常精神的ストレスを負荷される1日〜7日前、
好ましくは精神的ストレスを負荷される1日〜14日前である。
上記被験物質としては、ペプチド、タンパク質、核酸、合成化合物、微生物発酵物、海洋生物抽出物、植物抽出物、原核細胞抽出物、真核単細胞抽出物、動物細胞抽出物等を挙げることができる。
前記被験物質の投与方法に特に制限はなく、たとえば経口投与、腹腔内投与、血管内投与が挙げられる。
スクリーニング方法[1]において、上記量1とは上記3種の蛋白質のいずれか1種以上を定量して得られたデータであり、たとえば濃度や重量のデータ(濃度や重量に換算可能なデータ、たとえば吸光度、発色強度、発光強度などを含む)として得られる。上記量2についても同様である。なお、量2は量1が示すタンパク質と対応する(同じ)タンパク質の量であり、たとえば量1が血清アミロイドPの量を示しているのであれば、量2も
同じく血清アミロイドPの量を示す。すなわち、精神的ストレスを負荷され、被験物質を
投与された哺乳動物由来の血液、血清、あるいは血漿中の血清アミロイドPを定量した場
合には、被験物質を投与されず、精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血清、あるいは血漿中の血清アミロイドPを定量する。そして得られた二つの量を比較・評価
する。
用いる被験動物は各条件で少なくとも3個体は必要である。量1と量2とを比較して被
験物質を評価するとは、量1の個体間での平均値が量2の個体間での平均値よりも統計学的に有意に高い、すなわち被験物質を投与しない場合と比較して、被験物質を投与した場合に、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の発現量の個体間での平均値が95%以上の確率で増加したと言えるときは、被験物質が精神的ストレス増強物
質であると評価する。他方、量1の個体間での平均値が量2の個体間での平均値よりも統計学的に有意に小さい、すなわち被験物質を投与しない場合と比較して、被験物質を投与した場合に、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の発現量が95
%以上の確率で減少したと言えるときは、被験物質が精神的ストレス抑制物質であると評
価するということである。ここで述べた確率とは、統計学上の常法であるt検定を用いて
評価されるもので、例えば宮原英夫・白鷹増男、医学統計学、朝倉書店、1992年、等の教科書に説明されている。
上記スクリーニング方法[1]における3種のタンパク質を定量する方法としては、タンパク質を定量するあらゆる方法を採用することができる。そのような方法としてたとえば、二次元電気泳動、光学的測定、クロマトグラフィーおよび質量分析が挙げられる。
前記二次元電気泳動法としては、タンパク質の有する2つの物性面から分離を行う方法であれば特に制限されるものではなく、前記2つの物性として、例えば等電点と分子量が挙げられる。
二次元電気泳動法では、一般的には、まずキャピラリーゲルや市販のストリップゲルなどを分離媒体として等電点電気泳動を行い、泳動を終了したゲルを第2の平面状のSDS−
ポリアクリルアミドゲル(slab gel)に載せ、等電点電気泳動の展開方向に対して直角の方向に電気泳動することにより行うことができる。タンパク質の定量は、たとえば下記実施例に記載したタンパク質の増減を視覚化・定量する方法により行うことができる。
具体的には、二次元電気泳動で分離された血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖(スポットとして現れる)の発現量の定量は、クマシーブルー等での染色や銀染色、あるいはCy2、Cy3、Cy5等の蛍光物質にてスポットを視覚化し、その発行量
等を光学的手段により測定することで容易に行うことができる。また前記スポットを切り出し、トリプシン等のプロテアーゼで消化し抽出された成分を質量分析等により直接定量することにより行うこともできる。
また、前述のスクリーニング方法[2]のように、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体,ハプトグロビンα鎖に結合する抗体のいずれか一種以上を定量することにより、精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニングをすることも可能である。精神的ストレスの負荷によって血清アミロイドP、
血清アミロイドA1、ハプトグロビンα鎖の発現量が増加するのに伴って、これらに結合
する抗体の量も増加すると考えられるからである。
本発明に使用する血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖のいずれかに結合する抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、キメラ抗体、一本鎖抗体、ヒト化抗体等の免疫特異的な抗体を具体的に挙げることができ、これらは上記血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖を抗原として用いて常法により作製することができる。これらの中でもモノクローナル抗体がその特異性の点でより好ましい。
血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖に対する抗体は慣用のプロトコールを用いて、動物に該血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖、これらのエピトープの断片、又は、該タンパク質を膜表面に発現した細胞を投与することにより産生され、例えばモノクローナル抗体の調製には、連続培養系の細胞により産生される抗体をもたらすハイブリドーマ法(Nature 256, 495-497, 1975)、トリオー
マ法、ヒトB細胞ハイブリドーマ法及びEBV−ハイブリドーマ法など任意の方法を用いる
ことができる。
スクリーニング方法[2]において、上記量1とは上記3種の抗体のいずれか1種以上を定量して得られたデータであり、たとえば濃度や重量のデータ(濃度や重量に換算可能
なデータ、たとえば吸光度、発色強度、発光強度などを含む)として得られる。上記量2についても同様である。なお、量2は量1が示す抗体と対応する(同じ)抗体の量であり、たとえば量1が血清アミロイドPに結合する抗体の量を示しているのであれば、量2も
同じく血清アミロイドPに結合する抗体の量を示す。すなわち、精神的ストレスを負荷さ
れ、被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の血清アミロイドPに結合する抗体を定量した場合には、被験物質を投与されず、精神的ストレスを負荷さ
れた哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の血清アミロイドPに結合する抗体を定
量する。
そして、スクリーニング方法[1]と同様に量1と量2を比較して、被験物質が精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質に該当するかを評価する。前述のように、たとえば血清アミロイドPの発現量が増加すれば、血清アミロイドPに結合する抗体の量も増えると考えられるからである。なお、精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質であると判断する統計学的数値の基準もスクリーニング方法[1]における数値基準と同様である。
血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖のいずれかのタンパク質に結合する抗体の定量方法は特に制限されないが、具体的には、抗原(血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の3種の蛋白質)と抗体の結合反応を利用した免疫学的定量法等を好適に挙げることができる。例えばイムノクロマト法、ELISA法、ウ
ェスタンブロット法等の免疫学的検出法を挙げることができる。これらの方法に用いられる標識物質としては、アルカリフォスファターゼ、HRP(西洋わさび由来ペルオキシダー
ゼ)等の酵素、抗体のFc領域、GFP等の蛍光物質などを具体的に挙げることができる。ま
たペプチドタグとしては、HA、FLAG、Myc等のエピトープタグや、GST、マルトース結合タンパク質、ビオチン化ペプチド、オリゴヒスチジン等の親和性タグなどの従来知られているペプチドタグを具体的に例示することができる。
このように血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質、ならびにこれらのいずれかに結合する抗体の双方が精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニングに使用できる。すなわち、上記3種のタンパク質は上記抗体で検出・定量でき、かつ上記抗体は上記3種の蛋白質で検出・定量できるので、これらの蛋白質または抗体は、精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング用キットとして有用である。また前記抗体はあらかじめ上記に例示したような標識物質で標識された標識物であってもよい。3種のタンパク質に結合する抗体の調製方法は前述のとおりである。また3種のタンパク質のアミノ酸配列はすでに公知であり、たとえばGenBank; http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Genbank/において前記アミノ酸配列
が公開されているため、前記3種の蛋白質は容易に合成することができる。
なお、後述の実施例から明らかなように、血清アミロイドPや血清アミロイドA1は広い
範囲の精神的ストレス抑制物質の効果を反映する、つまり多様な精神的ストレス抑制物質によって精神的ストレスを負荷された際の発現量の増加が抑制されるので、本発明のスクリーニング方法においては、まずこれらの蛋白質またはそれに結合する抗体を定量することが好ましい。
[本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定方法および患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定方法]
本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定方法では、哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質のうちのいずれか1種以上を定量し、その量(以下単に「量3」ともいう)を、健常な哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の前記3種のタンパク質
の量(以下単に「量4」ともいう)と比較・評価する(以下、このような方法を精神的ストレスの判定方法[1]ともいう。)か、あるいは、
哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体,ハプトグロビンα鎖に結合する抗体のいずれか1種以上を定量し、その量を、健常な哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の前記抗体の量と比較・評価する(以下、このような方法を精神的ストレスの判定方法[2]ともいう。)。これらの抗体の調製方法は、前述のとおりである。
精神的ストレスの判定方法[1]において、上記量3とは上記3種の蛋白質のいずれか1種以上を定量して得られたデータであり、たとえば濃度や重量のデータ(濃度や重量に換算可能なデータ、たとえば吸光度、発色強度、発光強度などを含む)として得られる。上記量4についても同様である。なお、量4は量3が示すタンパク質と対応する(同じ)タンパク質の量であり、たとえば量3が血清アミロイドPの量を示しているのであれば、
量4も同じく血清アミロイドPの量を示す。すなわち、精神的ストレスを判定しようとす
る哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の血清アミロイドPを定量した場合
には、健常な哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の血清アミロイドPを定
量する。あるいは予め健常な哺乳動物由来の血液、血漿あるいは血清中の血清アミロイドPの量のデータを取っておき、そのデータと量3とを比較してもよい。
精神的ストレスの判定方法[2]において、上記量3とは上記3種の抗体のいずれか1種以上を定量して得られたデータであり、たとえば濃度や重量のデータ(濃度や重量に換算可能なデータ、たとえば吸光度、発色強度、発光強度などを含む)として得られる。上記量4についても同様である。なお、量4は量3が示す抗体と対応する(同じ)抗体の量であり、たとえば量3が血清アミロイドPに結合する抗体の量を示しているのであれば、
量4も同じく血清アミロイドPに結合する抗体の量を示す。すなわち、精神的ストレスを
判定しようとする哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の血清アミロイドP
に結合する抗体を定量した場合には、健常な哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の血清アミロイドPに結合する抗体を定量する。あるいは予め健常な哺乳動物由来
の血液、血漿あるいは血清中の血清アミロイドPに結合する抗体の量のデータを取ってお
き、そのデータと量3とを比較してもよい。
精神的ストレスの判定方法[1]や精神的ストレスの判定方法[2]において、上記3種のタンパク質またはこれらのいずれかに結合する抗体の定量は、上述した本発明のスクリーニング方法における3種の蛋白質またはこれらのいずれかに結合する抗体の定量法と同様の方法によって行うことができる。
また、本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定方法に用いる比較対照試料としての健常な哺乳動物の血液、血漿あるいは血清は、精神的ストレスとなる要因(例えば不適当な飼育温度、騒音、運動不足、過密な飼育、不規則な給餌、頻繁な移動、外敵の存在など)を取り除いた環境で飼育され、年齢(マウスの場合は週齢)と性別が同じ哺乳動物の血液、血漿あるいは血清である。なお、哺乳動物がヒトである場合、健常なヒトとは、国際的に認められている2種のアンケート調査票、GHQ30(Goldberg, D.P., The detection of psychiatric illness by questionnaire, Maudsley Monographs 21, Oxford University Press, London, 1972.)及びSDS(Zung, W.W.K., A self-rating depression scale, Arch Gen. Psychiat. 12, 63-70, 1965.)によって調査し、両テストで精神的ストレスが正
常範囲内と判定される者である。尚、アンケート調査の性格上、理解力が不足している幼年(0-4歳)については正常範囲の判定は困難である。
また血液、血漿あるいは血清中の前記3種の蛋白質またはこれらのいずれかに結合する抗体の量は、年齢層や性別によって異なることが予想される。そこで、厚生労働省による
分類に従い、少年(5-14歳)、青年(15-24歳)、壮年(25-44歳)、中年(45-64歳)
、高年(65歳以上)という年齢層別に上記アンケート調査を行い、健常者と判断された男女各50名程度を調査して得られる3種の蛋白質またはこれらのいずれかに結合する抗体の量の平均値を、健常なヒトから採取された血液、血漿、あるいは血清中の3種の蛋白質またはこれらのいずれかに結合する抗体の量とする。
本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定方法においては、上記量3(判定対象である哺乳動物の血液、血漿あるいは血清中の上記3種の蛋白質またはこれらのいずれかに結合する抗体の量)と上記量4(健常な哺乳動物の血液、血漿あるいは血清中の上記3種の蛋白質またはこれらのいずれかに結合する抗体の量)とを比較し、量3が量4よりも有意に大きければ(量3が「量4の平均値+標準偏差×2」より大きい場合)、判定対象の哺乳動物は精神的ストレスを受けており、量3と量4とに有意な差がなければ、判定対象の哺乳動物は精神的ストレスを受けていないと判定される。
本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定方法を用いると、例えば精神的ストレスに起因するうつ病、あるいは胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などを早期に発見することができる。特に、信頼できるマーカーのないうつ病の早期発見には本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定方法は効果的であり、現在、経験豊富な医師等のカウンセリングに頼っているうつ病の早期発見に有益である。
またこのような精神的ストレスの判定方法は、患者の、精神的ストレスに起因するうつ病等の疾患の判定およびそのような疾患からの回復度の判定に応用することができる。
本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定方法や患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定方法において必要な血液、血漿あるいは血清の量は非常に少なく、後述のように数μLで十分であるため、採血の侵襲性は極めて低い。
以上説明したように、血清アミロイドP,血清アミロイドA1,ハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質、ならびにこれらのいずれかに結合する抗体の双方が精神的ストレスの判定方法に使用でき、上記3種のタンパク質は上記抗体で検出・定量でき、かつ上記抗体は上記3種の蛋白質で検出・定量できるので、これらの蛋白質または抗体は、哺乳動物の精神的ストレスや患者のうつ病の判定用キットとして有用である。また前記抗体はあらかじめ上記に例示したような標識物質で標識された標識物であってもよい。
本発明の哺乳動物の精神的ストレスの判定用キットおよび患者のうつ病の判定用キットは、ヒト、ペット等のストレス性疾患、例えば精神的ストレスに起因する、うつ病、胃潰瘍、過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎等の消化器系疾患、高血圧症、狭心症、心筋梗塞、不整脈等の心血管系の疾患、筋肉疲労、慢性関節リウマチ、腰痛症、片頭痛、緊張性頭痛等の筋骨格系の疾患、気管支喘息、過呼吸症候群等の呼吸器系の疾患、種々の糖尿病合併症、脳神経疾患などの早期発見用検査キットとして有用である。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの具体的な例に限定されるものではない。
[実施例1]
(試験動物へのストレス負荷及び採血)
[濡れたケージでの飼育によるストレス負荷]
5週齢のCD1(ICR)雄性マウス(体重26-31g)を1ケージ当たり3匹入れて7日間予備飼育を行う。最小規模の試験では2ケージ6匹の飼育が必要である。飼育ケージ(28cm x 17cm
)には床敷を入れ、マウスには通常の固形飼料と水を自由に摂取させた。飼育8日目から10日目にかけて、1台のケージのみ床敷の代わりに水深2mm程度の浅い水(25℃)を張り、マウスを昼間10-12時間だけこのケージに移すことにより弱いストレスを負荷した。この
間も餌と水は自由摂取させた。夜間は通常のケージに戻して飼育した。以下ではこの方法をWet Floor法と呼ぶ。なお、2台目のケージに入れたマウスについては、通常通りの飼育を継続した(ストレス無負荷)。
[採血]
ストレス負荷期間(3日間)が終了した翌日にマウスをエーテル麻酔し、心臓より全血採取した。低侵襲的な採血が必要な場合には、尾静脈からの微量採血も可能である。
またストレスを負荷していないケージのマウスからも採血を行った。得られた血液は室温で1時間静置した後、遠心分離(11,000 x g、10分)し、その上清を血清として-80℃で保存した。
(分析試料の調製)
[調製法1]
得られた血清をAlbumine/IgG Removal Kit(Calbiochem社)に通して、血清中のアルブミンとイムノグロブリンを除去した後、ろ過濃縮した。濃縮液200μLにProtein Precipitation Reagent(以後PPRと表記、メルク社)を800μL加え、-20℃で1時間静置した。得
られた蛋白質の沈殿物を遠心分離(15,000 x g, 10分)により回収した。回収した沈殿物にSoluble Protein Resuspension Reagent(以後SPRRと表記、シグマ社)を100μL加え、沈殿物を完全に溶解させた後、2次元電気泳動(図1)に用いた。
[調製法2]
前述のようなアルブミンとイムノグロブリンを除く操作は必ずしも特異的ではなく、この操作により幾つかの他の蛋白質も同時に除かれてしまう可能性がある。そこで、この操作を省略した解析も行った。この場合には血清26μLに前述のPPRを26μL加えることに
より蛋白質を沈殿させ、沈殿物を前述のSPRR40μLに溶解させた。得られた分析試料は後述する2次元電気泳動(図2)に用いた。
(ストレスマーカーの探索)
[2次元電気泳動による血清蛋白質の分離]
2次元電気泳動はToda, T. and Kimura, N. (1997) Jpn. J. Electroph. 41, 13-19.
に記載の方法に準じて行った。
前述のように調製した分析試料の、各血清(ストレスを負荷されたマウス由来の血清とストレスを負荷されていないマウス由来の血清)について2次元電気泳動を行い比較した。
1次元目の等電点電気泳動は固定化pH勾配ゲルストリップImmobiline DryStrip (pH3-10, 18cm, GEヘルスケアバイオサイエンス)を用いて行った。各ゲルストリップは予めゲル膨潤液(超純水2.5mL, 尿素2.5g, 10%Triton 0.25mL, Pharmalyte (pH3-10, GEヘルスケ
アバイオサイエンス) 0.025mL, dithiothreitol 10mg, 0.1%Orange G 0.125mL, 0.1M酢酸
0.125mL)の中で1晩膨潤させた。泳動には等電点電気泳動装置CoolPhoreStar (アナテック社)を用い、20℃に保たれたシリコンオイルの中に前記ゲルストリップを配置し、等電点電気泳動を行った。
分析試料20-40μLを5mm四方の濾紙に沁みこませ、ゲルの陰極付近に固定して泳動を開
始した。泳動電圧は次のプログラムによって変化させた:(1)500V, 2時間;(2)700V, 1時間;(3)1000V, 1時間;(4)1500V, 1時間;(5)2000V, 1時間;(6)2500V, 1時間;(7)3000V, 1時間;(8)3500V, 10時間。
泳動終了後に各ゲルストリップをSDS処理液(尿素 3.625g, dithiothreitol 50mg, 0.5M Tris-HCl pH6.8 1ml, 10%SDS 2mL, 0.1%bromophenol blue 0.25mL, 50%グリセロール 5mL)に浸して40分間、室温で平衡化し(SDS処理)、2次元目の泳動に進んだ。
2次元目の泳動にはSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(以後SDS-PAGE)を用いた。ポリアクリルアミドゲル(17.5cmx17cmx1mm)は、終濃度7.4%のアクリルアミド、終濃度0.24%のビスアクリルアミド、終濃度8.5%のグリセロール、終濃度0.38Mの Tris-HCl(pH8.8
)を含む溶液を重合させて作製した。
このポリアクリルアミドゲルの上端にSDS処理をした1次元目ゲルストリップを載せて泳動した。泳動用バッファーとして陽極側に0.2M Tris-HCl( pH8.8)溶液、陰極側に0.1M Tris, 0.1M Tricine溶液を用いて、200Vで泳動した。
[分離された蛋白質の検出と比較]
2次元目の泳動後のゲルを、分析する蛋白質総量に応じて銀染色あるいはクマシーブルー染色によって染色して蛋白質を検出した。前者は比較的少量の血清の分析によるマーカー蛋白質の探索のために用いた。後者は、マーカー蛋白質の同定のため、比較的多量の蛋白質を泳動する場合に用いた。銀染色は銀染色キット(和光)、クマシーブルー染色はCBB染色キット(和光)により、メーカーのプロトコールに従って行った。
染色後のゲルをCanoScan600(キャノン)でスキャンしてその画像をPCに取り込んだ。
ストレス無負荷のマウスから得られる画像、ストレスを負荷したマウスから得られる画像を比較し、スポットの濃さが両者間で顕著な違いを示すスポットA(図1、銀染色)、B及
びC(図2、クマシーブルー染色)をピックアップした。図1において○で囲んだものが
スポットAであり、ストレスを負荷していないマウスでは非常に薄い。図2において○で
囲んだものがスポットB,Cであり、ストレスを負荷していないマウスでは非常に薄い。2
回の実験即ち6匹ずつのマウスの比較で再現性のある蛋白質については、部分的なアミノ酸配列の解析からその同定を行った。
[蛋白質の同定]
クマシーブルー染色(銀染色で検出されたスポットAについては、蛋白量を増やして再
泳動し、クマシーブルー染色をした)をしたゲル上の蛋白質スポットA,B,Cをトリプシン
で消化した。その結果生ずるペプチドをnanoESI-MS/MS(エレクトロスプレーイオン化タ
ンデム質量分析装置)であるQ-Tof Ultima Global (Waters社製)によって分析してその分子量とアミノ酸配列を決定した。得られたペプチドの分子量とアミノ酸配列の情報を基にして遺伝子情報データーベースNCBInrを検索した。検索ソフトMASCOT(Matrix Science社)を用い、Peptide Mass Tolerance ±0.8Da、Maximum Missed Cleavage 1、Fragment Mass Tolerance ±0.02Daの条件でマッチする蛋白質を検索した。
検索の結果ヒットした蛋白質を表1にまとめた。
[実施例2]
(抗体を用いた血清アミロイドP、ハプトグロビンα鎖及び血清アミロイドA1の検出とストレス負荷に依存した発現)
[ストレス負荷と採血]
マウスにWet Floor法で1日当たり12時間ずつ3日間ストレスを負荷した。ストレスから
解放した1日後に採血し、血清中の3種のマーカー(血清アミロイドP、ハプトグロビン
α鎖、及び血清アミロイドA1)の検出を行った。比較対照のため、ストレスを負荷しないマウスの血清も分析した。
[血清の電気泳動とブロッティング]
血清1.1μLをSDS-ポリアクリルアミド電気泳動(12.5%アクリルアミド)により分離し
た。泳動後のゲルをニトロセルロース膜に密着させ、Protein Transfer Buffer(25mM Tris, 192mM Glycine, 20%メタノール)の中で、30Vの電圧をゲル表面に対して垂直方向に
加え13時間の泳動により蛋白質をニトロセルロース膜上に移動(ブロッティング)させた。
[抗体によるマーカーの検出]
ブロッティングしたニトロセルロース膜を、ブロッキング溶液(2%スキムミルクを含むTBS Buffer(50mM Tris-HCl pH7.6, 150mM NaCl))中に1時間浸してブロッキングした後、抗体を1:1000で含むブロッキング溶液中で1時間反応させた。ここで用いた抗体は、抗
ハプトグロビン抗体(ニワトリ・ポリクローナルIgY、Abcam社)、抗血清アミロイドP抗
体(ヤギ・ポリクローナルIgG、Santa Cruz社)あるいは抗血清アミロイドA1抗体(ヤギ
・ポリクローナルIgG、R&D Systems社)である。
抗体と反応させた膜を洗浄後、IgYに対するHRP(西洋わさび由来ペルオキシダーゼ)標識された抗IgY抗体(ヤギ・ポリクローナル、Santa Cruz社)、IgGに対するHRP標識され
たProtein Gを各1:1000で含むブロッキング溶液中で45分間反応させた後、0.1%Tween20を含む前述のTBS Bufferで洗浄した。
膜上のHRPが存在する場所を、HRP活性を利用した化学発光試薬ECL(GEライフサイエンス社)による発光によって検出した。発光はフォトンカウンティングによる高感度カメラARGUS(浜松ホトニクス社)により撮影し検出した(図3)。2次元電気泳動による分析を裏付けるように、3種のマーカーは、ストレス負荷をした場合のみ顕著なレベルにまで増加する。マーカー蛋白質の存在量は、各バンドの濃さ(光の強さ)を定量ソフトNIH Imageに
よって評価することにより得られる。なお、図3の右から3番目のパネルにおいては、用いた抗ハプトグロビン抗体がポリクローナルであり、抗原特異性が低いため、α鎖以外に高分子量のβ鎖との交差反応が見られる。
[実施例3]
(マーカー蛋白質増加に対する抗うつ薬による抑制効果)
[抗うつ薬投与とストレス負荷]
現在うつ病の治療に用いられている薬剤は、脳内のノルアドレナリン濃度の低下を防ぐ効果のあるもの(例えばデシプラミン)、あるいはセロトニン濃度の低下を防ぐ効果のあるもの(例えばフルボキサミン)等が代表的である。そこでデシプラミンまたはセロトニンをマウスに経口投与して、ストレス負荷への影響を調べた。抗うつ薬は効果が見られるまでには少なくとも1〜2週間を要するため、ストレス負荷の7日前から15mg/kg/dayの量で前投与した。ストレス負荷は1日12時間のWet Floor法による負荷を3日間繰り返した。この期間も抗うつ薬の投与は継続して行った。
[採血とマーカーの検出]
ストレス負荷終了の翌日にマウスから採血を行い、前述の抗体を用いた方法で3種のマーカーを検出・定量した。デシプラミン(シグマ社)はストレスによるハプトグロビンα鎖と血清アミロイドPの増加を有意に抑制した(図4、t検定でp<0.05であり、即ち95%以
上の確率で抑制効果があると言える)が、同じ条件下でフルボキサミン(シグマ社)は有意な抑制効果を示さなかった(図4)。したがってこれら2つのマーカーは、ストレスが、主としてノルアドレナリンが関与する神経経路に作用して増加するものと考えられる。
一方、血清アミロイドA1の増加に対し、両抗うつ薬は顕著な抑制効果を示した(図5、t検定でp<0.01であり、即ち99%以上の確率で抑制効果があると言える)。したがってこれら3種のマーカーを指標とすれば、それぞれの神経経路あるいはその両方に作用する新規
抗うつ薬や抗ストレス機能性食品等のスクリーニングを行うことが可能である。
[実施例4]
(抗不安薬による血清アミロイドP及びハプトグロビンα鎖の増加抑制効果)
[抗不安薬投与とストレス負荷]
不安の抑制物質としてGABAが脳内に存在する。そのGABAの働きを増強することで知られている抗不安薬ジアゼパムをマウスに経口投与した。ジアゼパム(和光純薬工業)は 10mg/kg/dayの量で、ストレス負荷開始前日からストレス負荷期間(3日)にかけて経口投与した。
[採血とマーカーの検出]
ストレス負荷終了の翌日にマウスから採血を行い、前述の抗体を用いた方法でマーカーを検出した(図6)。ジアゼパムは血清アミロイドPの増加を有意に抑制したが(t検定でp<0.05であり、即ち95%以上の確率で抑制効果があると言える)、ハプトグロビンα鎖の
増加は抑制しなかった。この結果から、両マーカーは共にノルアドレナリンが関与する神経経路によって増加するものの、GABAの関与の仕方は異なっていることが分かる。図4,5,6で示した結果を総合すると、ハプトグロビンα鎖、血清アミロイドP、血清アミロ
イドA1をストレスマーカーとして利用すると、広い範囲の向精神薬のスクリーニングに有効であると考えられる。
[実施例5]
(過密飼育ストレスによる血清アミロイドPの増加)
[ストレス負荷と採血]
3匹のマウスは通常28cm x 17cmのケージで飼育するが、これを1日当り8時間だけ10cm x
5cmの狭いケージに移すことによって過密飼育のストレスを負荷した。このケージは3匹
のマウスが互いに接触しながらようやく動いたり眠ったりが可能な大きさであり、完全に拘束されてはいないためストレスとしては軽度な負荷であると考えられる。このストレス負荷を1日1回、6日間に亘り行い、飼育7日目に血清を採取して分析した。コントロールとして、狭いケージに移さず、ストレスを負荷しないマウスについても血清を採取して分
析した。
[血清アミロイドPおよびハプトグロビンα鎖の検出]
血清1.1μL中のマーカーを前述のように抗体により検出した結果を図7に示す。過密飼育ストレスにより、血清アミロイドPの増加が見られた。他方、ハプトグロビンα鎖の増
加は見られなかったので、図7には示していない。このことからも、実施例4で述べたように、両マーカーは異なる神経経路によって支配されているという考えが支持される。したがって、これらのマーカーを併用することによって、ストレスを2種に分類することも可能である。すなわち、Wet Floor法のような血清アミロイドP、血清アミロイドA1およびハプトグロビンα鎖の3種の蛋白質すべての発現量を増加させるストレスと、過密飼育のような、血清アミロイドPの発現量は増加させるが、ハプトグロビンα鎖の発現量は増加
させないストレスとに分類することが可能である。

Claims (15)

  1. 精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血清、あるいは血漿中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1およびハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質を定量し、その量を、
    前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血清あるいは血漿中の前記3種のタンパク質の量と比較して、前記被験物質を評価することを特徴とする精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法。
  2. 精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1およびハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質を、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体およびハプトグロビンα鎖に結合する抗体を用いて定量し、その量を、
    前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の、前記3種類の抗体を用いて定量した前記3種のタンパク質の量と比較して前記被験物質を評価することを特徴とする精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法。
  3. ヒトを除く哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1およびハプトグロビンα鎖3種のタンパク質を定量し、その量を、
    ヒトを除く健常な哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の前記3種のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする前記哺乳動物の精神的ストレスの判定方法。
  4. ヒトを除く哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1およびハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質を、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体およびハプトグロビンα鎖に結合する抗体を用いて定量し、その量を、
    ヒトを除く健常な哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、前記3種類の抗体を用いて定量した前記3種のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする前記哺乳動物の精神的ストレスの判定方法。
  5. 患者から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1およびハプトグロビンα鎖3種のタンパク質を定量し、その量を、
    健常なヒトから採取された血液、血漿、あるいは血清中の前記3種類のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする、前記患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定の際に使用するデータの収集方法。
  6. 患者から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドP,血清アミロイドA1およびハプトグロビンα鎖の3種のタンパク質を、血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体およびハプトグロビンα鎖に結合する抗体を用いて定量し、その量を、
    健常なヒトから採取された血液、血漿、あるいは血清中の、前記3種類の抗体を用いて定量した前記3種のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする前記患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定の際に使用するデータの収集方法。
  7. 精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血清、あるいは血漿中の、血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質を定量し、その量を、
    前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血清あるいは血漿中の血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質の量と比較して、前記被験物質を評価することを特徴とする精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法。
  8. 精神的ストレスを負荷され、該精神的ストレスを負荷される前から負荷中に亘り被験物質を投与された哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質を、血清アミロイドPに結合する抗体または血清アミロイドA1に結合する抗体を用いて定量し、その量を、
    前記被験物質が投与されず、前記精神的ストレスを負荷された哺乳動物由来の血液、血漿、あるいは血清中の、前記抗体を用いて定量した前記血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1の量と比較して前記被験物質を評価することを特徴とする精神的ストレス抑制物質又は精神的ストレス増強物質のスクリーニング方法。
  9. ヒトを除く哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の、血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質を定量し、その量を、
    ヒトを除く健常な哺乳動物から採取された血液、血漿あるいは血清中の血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする前記哺乳動物の精神的ストレスの判定方法。
  10. ヒトを除く哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1を、血清アミロイドPに結合する抗体,または、血清アミロイドA1に結合する抗体を用いて定量し、その量を、
    ヒトを除く健常な哺乳動物から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、前記抗体を用いて定量した血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1の量と比較・評価することを特徴とする前記哺乳動物の精神的ストレスの判定方法。
  11. 患者から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質を定量し、その量を、
    健常なヒトから採取された血液、血漿、あるいは血清中の血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質の量と比較・評価することを特徴とする、前記患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定の際に使用するデータの収集方法。
  12. 患者から採取された血液、血漿、あるいは血清中の、血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1のタンパク質を、血清アミロイドPに結合する抗体または血清アミロイドA1に結合する抗体を用いて定量し、その量を、
    健常なヒトから採取された血液、血漿、あるいは血清中の、前記抗体を用いて定量した血清アミロイドPまたは血清アミロイドA1の量と比較・評価することを特徴とする前記患者のうつ病の判定または同病からの回復の判定の際に使用するデータの収集方法。
  13. 定量した前記3種のタンパク質の量を併用して、精神的ストレスの分類を含む前記比較・評価を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  14. 血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1に結合する抗体、およびハプトグロビンα鎖に結合する抗体のいずれか1種以上、又はその標識物を備え、請求項1,2,7または8に記載のスクリーニング方法に用いられることを特徴とする、精神的ストレス抑制もしくは増強物質スクリーニング用キット。
  15. 血清アミロイドPに結合する抗体,血清アミロイドA1結合する抗体、およびハプトグロビンα鎖に結合する抗体のいずれか1種以上、又はその標識物を備え、請求項3〜6、9〜12のいずれか一項に記載の方法に用いられることを特徴とする精神的ストレスまたはうつ病の判定用キット。
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