WO2019012671A1 - 認知機能障害疾患のバイオマーカーおよび該バイオマーカーを用いる認知機能障害疾患の検出方法 - Google Patents

認知機能障害疾患のバイオマーカーおよび該バイオマーカーを用いる認知機能障害疾患の検出方法 Download PDF

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    • G01N33/68Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing involving proteins, peptides or amino acids

Abstract

従来のアルツハイマー病等の認知機能障害疾患の診断基準による医師の判断に加えて、被検者の生体試料中の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1種又は2種以上の測定結果を参照することにより、認知機能障害疾患の検出精度を向上させる方法、及び被検者の生体試料中の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1種又は2種以上の測定結果のみでも、認知機能障害疾患を精度よく検出する方法を提供する。 被検者の生体試料中の以下の(a)~(g)から選択される1種又は2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを測定する。 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、 (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、 (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、 (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー

Description

認知機能障害疾患のバイオマーカーおよび該バイオマーカーを用いる認知機能障害疾患の検出方法
 本発明は、軽度認知障害およびアルツハイマー病を含む認知機能障害疾患の検出に用い得るペプチドであるバイオマーカーおよび該バイオマーカーを用いた認知機能障害疾患の検出方法に関する。
 アルツハイマー病を主とする認知機能障害疾患は、我が国においても近年の高齢化に伴って急激に増加している。1995年に約130万人であったが、2010年には約280万人となり、2020年には約410万人に達すると予想されている。アルツハイマー病は認知機能障害疾患の60~90%を占めると言われている。本疾患は患者の記憶を喪失させるのみでなく人格をも崩壊して患者の社会生活機能を喪失させてしまうことから、社会問題化しつつある。
 本邦においては1999年末に抗アセチルコリンエステラーゼ阻害薬である塩酸Donepezilが認可を受け、早期に投与されれば高い確率で認知機能の低下を「遅らせる」ことができるようになった。アルツハイマー病においては、現状の治療法やこれから開発される治療薬効果をあげるためには早期に診断することが最重要の課題となっている。
 米国精神医学会によるアルツハイマー病の主たる診断基準(DSM IV)を以下に示す。
 A.多彩な認知欠損の発現で、以下の両方により明らかにされる。
(1)記憶障害(新しい情報を学習したり、以前に学習した情報を想起する能力の障害)
(2)以下の認知障害の一つ又はそれ以上
  a)失語(言語の障害)
  b)失行(運動機能の障害がないにもかかわらず、動作を行う能力の障害)
  c)失認(感覚機能の障害がないにもかかわらず、対象を認識又は同定する能力の障害)
  d)実行能力(計画を立てる・組織化する・順序だてる・抽象化する)の障害
 B.基準A(1)およびA(2)の認知欠損は、その各々が社会的又は職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準から著しい低下を示す(非特許文献1)。
 アルツハイマー病(Alzheimer disease)(AD)の関連疾患にはいろいろなものがある。ADなどの認知症は徐々に認知機能の低下が出現するため、認知症の前駆状態と呼ぶべき状態が存在する。このような状態を軽度認知障害(mild cognitive impairment)(MCI)と呼んでいる。米国のデータでは物忘れ外来を受診したMCIのうち、1年に10-15%、4年間でおよそ50%がADに移行するという。ADの前駆状態の大部分は健忘型MCIに含まれる。
 現在の定義によると、MCIは認知機能の低下に関する訴えが聞かれるが、基本的な日常生活には支障がない状態とされる。前頭側頭型認知症(FTD)は認知機能低下とともに周囲を気にせずわが道を行く行動が特徴的で、周囲に合わせようとするADと対照的である。FTDには大脳皮質に組織学的にPick球の存在を認めるPick病が含まれる。
 レビー小体型認知症(DLB)は、記憶障害が進行性であり幻視などの視覚認知障害があることを特徴としている。臨床症状からの診断では認知症の10~30%がDLBであり、老年期の変性性認知症疾患ではアルツハイマー型認知症(AD)に次いで2番目に多いとされる。組織学的には大脳におけるレビー小体の存在を特徴とする。FTD及びDLBは認知症を認め痴呆型であるので痴呆型神経疾患とも呼ばれる(非特許文献1)。
 認知症の診断に広く用いられている検査は、改訂長谷川式知能評価スケール(HDS-R)とMMSE (Mini-Mental State Examination)で、被験者への問診を行い、その結果から判断するものである。HDSは1991年に改訂されてHDS-Rと称されるようになった。
 これは9項目の質問からなり、見当識、記銘力、計算能力、記憶・想起および常識をテストするものである。30点満点で23点以下を認知症の疑いありとする。また、MMSEは痴呆の診断のために米国で考案されたもので、見当識、記憶力、計算力、言語的能力、図形的能力などをカバーする。30点満点で11の質問からなり、HDS-Rと同様に23点以下で認知症の疑いありとする。両テストの結果は割合によく一致するとされている。これらの問診法はあくまでスクリーニングの目的で用いられ、確定診断に至ることはないし、HDS-R、MMSEともに重症度分類に用いられることはない(非特許文献1)。
 画像診断法としては、脳萎縮・脳溝脳室拡大など、脳の形態的異常を見るCT・MRIと脳血流量を見る脳血流シンチグラフィ(SPECT)および酸素消費量・ブドウ糖消費量を見るポジトロン断層法(PET)がある。SPECTおよびPETは核医学的方法で、形態的異常の起きる前に異常を検出することができるとされている(非特許文献1)。しかし、これらの画像診断は特殊な設備を必要とするため、すべての医療機関で実施することができないという欠点を有する。また画像を見る医師によって判断が異なることがあり、客観性に欠ける。
 このようにADを含む認知症の診断は、客観性を欠く、かつ高価な装置の使用を前提とした方法に依存しているのが現状であり、疾患発見のためのスクリーニングは不可能である。ここに血液(血清、血漿を含む)のような容易に得られる患者の試料を用いて客観的診断を可能にするバイオマーカーが見出されるならば、スクリーニングを行うことによって、現在最重要の課題となっている認知機能障害疾患の早期発見が可能となる。
 特許文献1には、認知機能障害疾患のためのバイオマーカーとして、Neurexin-2-beta precursor、Prothrombin precursor、Pendrin、Coatomer subunit zeta-1、Retinoic acid receptor responder protein 2 precursor、Gelsolin precursor、Clusterin precursor、Eukaryotic translation initiation factor 3 subunit J、及びLeucine-rich repeat-containing protein 27のタンパク質又はこれらのタンパク質由来のペプチドが開示されている。
 特許文献2には、認知機能障害疾患のためのバイオマーカーとして、Complement C3、Transcription factor AP-2 gamma、Synapsin-3、Oxytocin receptor、Inter-alpha-trypsin inhibitor heavy chain H5-like protein、E3 ubiquitin-protein ligase HERC2、Prothrombin、Transthyretin、Tumor necrosis factor receptor superfamily member 16、Complement C4-A、Complement C4-B、Fibrinogen alpha chain (isoform 1)、及びFibrinogen alpha chain (isoform 2)のタンパク質又はこれらのタンパク質由来のペプチドが開示されている。
 特許文献3には、認知機能障害疾患のためのバイオマーカーとして、Apolipoprotein A1、Transthyretin及びComplement C3のタンパク質又はこれらのタンパク質由来のペプチドを挙げ、バイオマーカーを2種以上組み合わせることによって、認知機能障害疾患の判断の正答率を向上させることが開示されている。
国際公開第2010/134308号パンフレット 国際公開第2012/086197号パンフレット 国際公開第2014/207888号パンフレット 特開2004-333274号公報 特開2006-308533号公報
中野今治、水澤英洋編集:よくわかるアルツハイマー病、2004、永井書店 N. Benkiraneら、J. Biol. Chem. Vol. 268, 26279-26285, 1993.
 本発明は、認知機能障害疾患検出のためのバイオマーカーの新規組み合わせを提供することにより、認知機能障害疾患の検出を補助し、診断の正答率の向上に寄与することを主目的とする。
 本発明者らは、非認知機能障害被験者及び認知機能障害疾患患者における、存在の有無及び存在量が異なるタンパク質及びその部分ペプチドを探索した。
 そして、本発明者らは、鋭意検討を行った結果、認知機能障害疾患を検出することができる7種のペプチドを血清中に見出した。
 当該7種のペプチドは、
 (a)Complement C4に由来する、配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチド、
 (b)Prothrombinに由来する、配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチド、
 (c)Complement C3に由来する、配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチド、
 (d)Prothrombinに由来する、配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチド、
 (e)Prothrombinに由来する、配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチド、
 (f)Prothrombinに由来する、配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチド、及び
 (g)Gelsolinに由来する、配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチド
であった。
 さらに、本発明者らは、認知機能障害疾患の検出の際に正答率の高いバイオマイカーの組み合わせについてロジスティック回帰分析で解析した。この結果、特定のバイオマーカーを組み合わせることにより、認知機能障害疾患(特に軽度認知機能障害及びアルツハイマー病)の検出精度を高めることができることを見出した。
 本技術において、非認知機能障害被験者(NDC)は、健常人を含み、何らかの疾患に羅患してもよいが認知機能障害疾患には羅患していない被験者(non-demented control)を意味する。
 また、本技術において、認知機能障害疾患と総称するとき、軽度認知機能障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)及び痴呆型神経疾患を含むものとする。本技術によれば、軽度認知機能障害(MCI)、アルツハイマー病(AD)を好適に検出することができる。
 本技術において見出された当該ペプチドは、血清中のみならず、血液、血清、血漿、脳髄膜液、尿等の他の生体試料中に検出される場合もバイオマーカーとして意義をもつものである。同時に、これらペプチドの起源であるタンパク質も、バイオマーカーとしての意義を持つ。
 すなわち、本発明は、以下の(a)~(g)から選択される1種又は2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを提供する。
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む由来ペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
 ここで、前記認知機能障害疾患は、例えば、アルツハイマー病又は軽度認知障害である。
 また、本発明は、被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)~(g)から選択される1種又は2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、認知機能障害疾患の検出方法を提供する。
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
 また、本発明は、被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)、(d)及び(f)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、軽度認知障害の検出方法を提供する。
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
 更に、本発明は、被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)及び(d)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、アルツハイマー病の検出方法を提供する。
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
 更に、本発明は、被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)~(g)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、軽度認知障害とアルツハイマー病とを区別する方法を提供する。
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
 また、本発明は、前記(a)~(g)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーに対する抗体又はアプタマーを含む、認知機能障害疾患の検出キットを提供する。
 更に、本発明は、複数の生体試料中の、以下の(a)~(g)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー:
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
を測定すること、
 前記2種以上のバイオマーカーの測定結果をロジスティック回帰分析で解析すること、
 前記複数の生体試料中の解析結果に基づき認知機能障害疾患の正答率の高い前記バイオマーカーの組み合わせを選定すること、及び
 前記被験者の測定結果及び前記バイオマーカーの組み合わせ選定結果に基づき、前記被験者を、軽度認知機能障害、アルツハイマー病又は非認知機能障害の健常者に区別すること、
を含む、認知機能障害疾患の検出精度を向上させる方法を提供する。
 本発明によれば、被検者における、従来のアルツハイマー病等の認知機能障害疾患の診断基準による医師の判断に加えて、被検者の生体試料中の前記(a)~(g)のバイオマーカーの1種又は2種以上の測定結果を参照すれば、認知機能障害疾患の検出精度を向上させることができる。
 また、被検者の生体試料中の前記(a)~(g)のバイオマーカーの1種又は2種以上の測定結果のみでも、認知機能障害疾患を精度よく検出することができる。
 なお、ここに記載された効果は、必ずしも限定されるものではなく、本明細書中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
ペプチドバイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSのNDC, MCI, ADの血清中の量の変化を示す図である。 NDC対MCIにおけるペプチドバイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSのROC解析結果を示す図である。 NDC対ADにおけるペプチドバイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSのROC解析結果を示す図である。 MCI対ADにおけるペプチドバイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSのROC解析結果を示す図である。 NDCとMCIのマルチマーカー解析の結果を示す図である:A)3マーカーの定量値をLASSO回帰式に代入して得られた(y)をNDCとMCIでプロットした図。B)3マーカーでのROC曲線。C)3マーカーを組み合わせた時の性能。(感度、特異度、陽性的中度、陰性的中度、判別精度) NDCとADのマルチマーカー解析の結果を示す図である:A)2マーカーの定量値をLASSO回帰式に代入して得られた(y)をNDCとADでプロットした図。B)2マーカーでのROC曲線。C)2マーカーを組み合わせた時の性能。(感度、特異度、陽性的中度、陰性的中度、判別精度) MCIとADのマルチマーカー解析の結果を示す図である:A)7マーカーの定量値をLASSO回帰式に代入して得られた(y)をMCIとADでプロットした図。B)7マーカーでのROC曲線。C)7マーカーを組み合わせた時の性能。(感度、特異度、陽性的中度、陰性的中度、判別精度)
 本技術において、以下の(a)~(g)記載のペプチドから選択される1種以上のバイオマーカーを、認知機能障害疾患を検出するために用い得る。
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列(APLQPVTPLQLFEGRRN)を含むペプチド(Complement C4由来ペプチド CO4)からなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列(TATSEYQTFFNPRTFGSGEAD)を含むペプチド(Prothrombin由来ペプチド THRB-1)からなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列(APVIHQEMIGGLRN)を含むペプチド(Complement C3由来ペプチド CO3)からなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列(GLDEDSDRAIEG)を含むペプチド(Prothrombin由来ペプチド THRB-2)からなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列(GLDEDSDRAIEGR)を含むペプチド(Prothrombin由来ペプチド THRB-3)からなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列(TATSEYQTFFNPR)を含むペプチド(Prothrombin由来ペプチド THRB-4)からなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列(GLGLSYLSSHIANVERVPFD)を含むペプチド(Gelsolin由来ペプチド GELS)からなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
 本技術は、被験者が認知機能障害疾患に羅患しているときに、生体試料中の、前記(a)~(g)記載のうちの少なくとも1つのペプチドの種類及び量をそれぞれ検出することができる。
 さらに、本技術は、生体試料中の前記(a)~(g)記載のうちの少なくとも1つ又は2つ以上のペプチドを検出すると同時に、これらの種類と量の変動を測定することにより、被検者が認知機能障害疾患に羅患しているかどうかをより精度よく診断することができる。
 本技術は、生体試料中の前記(a)~(g)のバイオマーカーから選ばれる1種又は2種以上を測定することで、精度及び特異性の両方が極めて高い診断等のシステムを提供することができる。これによって、認知機能障害疾患に対して精度の高い診断等を行うことができる。さらに、本技術のバイオマーカーは、薬剤効果判定においても有用性が高い。
 また、本技術は、前記(a)~(g)の各バイオマーカーの量を計測することにより、被験者の生体試料中の前記(a)~(g)のペプチドの出現又は増加する場合には、当該被験者は軽度の認知障害又はアルツハイマー病を含む認知機能障害疾患に羅患していると、検出、評価、判別、診断又は検査等を行うことができる。また、本技術は、さらに非認知機能障害被験者の生体試料と比較することにより、被験者が認知機能障害疾患に羅患しているかどうかをより精度よく診断等を行うことができる。
 好ましくは、前記(a)~(g)のバイオマーカーを2種又は3種以上組み合わせて認知機能障害疾患を検出することが、認知機能障害疾患の検出精度が向上するので、好適である。複数のバイオマーカーを検出した場合には、認知機能障害疾患であると精度よく検出又は診断することができる。
 より好ましくは、前記(a)バイオマーカー、前記(d)バイオマーカー及び前記(f))バイオマーカーを測定するのが、軽度認知障害の検出精度が向上するので、好適である。
 また、前記(a)バイオマーカー及び前記(d)バイオマーカーを測定するのがアルツハイマー病の検出精度が向上するので好適である。
 さらに、前記(a)~(g)バイオマーカーを測定するのが、軽度認知障害とアルツハイマー病との区別の精度が向上するので好適である。
 ここで、本技術の「ペプチド」には、「オリゴペプチド」が含まれる意味である。
 当該「オリゴペプチド」は一般的には分子量1万以下のアミノ酸が結合したものをいい、又はアミノ酸残基の数として数個~50個以下程度のものをいう。
 ペプチドは、転写・翻訳による発現合成過程で部分ペプチドとして生成される場合と、インタクトなタンパク質として合成された後に、生体内で分解を受けて分解産物ペプチドとして生成される場合がある。この原因として、生体が認知機能障害疾患等の正常以外の状態にあるときに、タンパク質の合成及び制御機構が脱制御されることが挙げられる。よって、認知機能障害疾患の状態に依存して、前記ペプチドの増減が起こり得る。
 本技術は、生体内タンパク質の発現合成及び/又は分解を指標として被験者が正常状態であるか認知機能障害疾患に羅患しているかを評価、判別等を行うことができ、また認知機能障害疾患に羅患している場合の進行度をも評価、判別等を行うことができる。
 本技術における「認知機能障害疾患の検出」とは、被験者が認知機能障害疾患に羅患しているかどうかの検出であり、この他評価、判別、診断又は検査等であってもよい。また、本技術の認知機能障害疾患の検出は、被験者がより重篤な認知機能障害に羅患するリスクの評価等も含み得る。
 本技術において、前記認知機能障害疾患検出のためのバイオマーカーが依拠するタンパク質は、例えば、Complement C4、Prothrombin、Complement C3、及びGelsolinが挙げられる。これらのタンパク質も、認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーとして用い得る。
 また、前記Complement C4、Prothrombin、Complement C3、及びGelsolinのタンパク質並びに前記(a)~(g)に記載のペプチドの各アミノ酸配列において、1個又は数個のアミノ酸が欠失、置換、付加したアミノ酸配列からなるタンパク質又はペプチドをバイオマーカーとして用いることができる。
 ここで、「1個又は数個」とは、「1~3個」、「1又は2個」、「1個」をいう。
 本技術において、認知機能障害疾患検出のためのバイオマーカーとして、配列番号1~7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドのみならず、前記Complement C4、Prothrombin、Complement C3、及びGelsolinのタンパク質の部分ペプチド、及びこれらから生じるアミノ酸残基5個以上のペプチド断片も用い得る。
 なお、本技術における「アミノ酸残基5個以上のペプチド断片」において「アミノ酸残基5個以上」とした理由は、非特許文献2の記載による。当該非特許文献2は、ヒストンH3のC端(130~135)のアミノ酸残基配列IRGERAについてRをKに置換したペプチドおよびIRを欠失させ、代わりにCGGをGERAに結合させたペプチドCGGGERAがペプチドIRGERAを免疫原として得た抗体によって認識されたとの報告である。これは、抗原性の認識が4個以上のアミノ酸残基からなるペプチドによってなされることを示している。
 本技術では、ヒストンH3のC端以外にも一般性を持たせるために、残基数を1つ増やして、5個以上としたが、このような低分子のペプチドをも対象とすることは、イムノ・ブロット法、ELISA法、immunoMS法などのような免疫学的手法を用いて検出及び分別する方法を用いるときに重要である。
 なお、本技術における「アミノ酸残基5個以上のペプチド断片」において「アミノ酸残基5個以上」とした理由は、非特許文献2の記載による。当該非特許文献2は、ヒストンH3のC端(130~135)のアミノ酸残基配列IRGERAについてRをKに置換したペプチドおよびIRを欠失させ、代わりにCGGをGERAに結合させたペプチドCGGGERAがペプチドIRGERAを免疫原として得た抗体によって認識されたとの報告である。これは、抗原性の認識が4個以上のアミノ酸残基からなるペプチドによってなされることを示している。
 本技術では、ヒストンH3のC端以外にも一般性を持たせるために、残基数を1つ増やして、5個以上としたが、このような低分子のペプチドをも対象とすることは、イムノ・ブロット法、ELISA法、immunoMS法などのような免疫学的手法を用いて検出及び分別する方法を用いるときに重要である。
 なお、前記タンパク質又はペプチドに糖鎖が付加されることがある。これらの糖鎖が付加したタンパク質及び部分ペプチドも認知機能障害疾患検出のためのバイオマーカーとして用い得る。
 本技術においては、バイオマーカーを定量してもよいし、定性により存在若しくは非存在を決定してもよい。このとき、バイオマーカー濃度が所定の測定値以上であった場合又は非認知機能疾患患者群の標準値以上であった場合には、認知機能障害疾患であると検出、診断等を行うことができる。また、バイオマーカー定性により、陽性-陰性と検出、診断等を行うことができ、例えば、バイオマーカーと反応し発色等を示したときは、陽性とする。
 本技術で血清等の生体試料中のバイオマーカーを分離する方法としては、2次元電気泳動又は2次元クロマトグラフィー(2D-LC)を用い得る。2次元クロマトグラフィーに用いるクロマトグラフィーは、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、ゲルろ過クロマトグラフィー等の公知のクロマトグラフィーから選択すればよい。
 また、本技術でバイオマーカーを分離する方法として、クロマトグラフィー(LC)と三連四重極質量分析を組み合わせたLC-MSを用いたSRM/MRM法で定量することもできる。この時用いるLCは1次元のLCでもよい。
 さらに、本技術でバイオマーカーを分離する方法として、本発明者が開発したビーズ(磁気ビーズを含む)に対象となるタンパク質またはペプチドに対する抗体を結合させ、これにより測定したいタンパク質又はペプチドを捕捉したのち、ビーズから溶出して質量分析により測定するimmunoMS法(特許文献4参照)を用いれば、2次元電気泳動又はクロマトグラフィーを用いることなく、簡便に目的のタンパク質、タンパク質断片、ペプチドの有無あるいは量を評価することができる。
 生体試料中の1種又は2種以上のタンパク質又はペプチドの種類及び量は、種々の方法で、同時又は別々に測定することができる。対象となるタンパク質又はペプチドが特定されていて、それに対する抗体(1次抗体)が得られている場合は、以下の方法を用いることができる。
 本技術は、イムノ・ブロット法;ウェスタン・ブロット法;酵素若しくは蛍光若しくは放射性物質標識法;質量分析法;immunoMS法;表面プラズモン共鳴法の何れか1つ以上の方法により測定することが好適である。
 また、本技術のバイオマーカーは、種類や量が異なる場合でも、同時又は別々に測定することが可能である。
 本技術は、これらタンパク質やペプチドを、2次元クロマトグラフィーと質量分析を組み合わせた2D-LC-MALDI-TOF-MS法、SRM/MRM法、immunoMS法を用いることにより、一度に多数のタンパク質又はペプチドを測定することがより好適である。
 ここで、本技術において、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA; Enzyme Linked Immmunosorbent Assay)、化学発光測定法(CLIA; ChemiLuminescent Immunoassay)、放射性免疫測定法(RIA; RadioImmunoassay)、酵素活性測定法等を用いる方法を酵素若しくは蛍光若しくは放射性物質の標識法」という。抗体を用いるこれらの方法を「酵素若しくは蛍光若しくは放射性物質標識抗体法」という。
1.イムノ・ブロット法
 最も単純な方法である。数段階に希釈した被験血清を用意し、その一定量(1マイクロリットル前後)をニトロセルローズ・メンブレンなどの適当なメンブレンに滴下し、風乾する。BSAなどのタンパク質を含むブロッキング溶液で処理した後、洗浄し、1次抗体を反応させ、洗浄後1次抗体を検出するための標識された2次抗体を反応させる。メンブレンを洗浄後、標識を可視化して濃度を測定する。
2.ウェスタン・ブロット法
 等電点又はSDS-PAGEを含む1次元若しくは2次元ゲル電気泳動を行った後で、分離されたタンパク質又はペプチドを一旦、PVDFメンブレンなどの適当なメンブレンに転写し、1次抗体と標識された2次抗体を用いて上述のイムノ・ブロット法と同様に操作して、目的のタンパク質又はペプチドの存在量を測定する。
3.ELISA法
 タンパク質又はペプチドに対する抗体をあらかじめ特殊な化学修飾をしたマイクロタイタープレート等の担体に結合させ、試料を段階希釈後、抗体を結合させたマイクロタイタープレートにこれを適当量加えてインキュベーションする。その後洗浄し、捕捉されなかったタンパク質及びペプチドを除く。次に、蛍光若しくは化学発光物質又は酵素を結合させた2次抗体を加えインキュベーションする。
 検出は、それぞれの基質を加えた後、蛍光若しくは化学発光物質又は酵素反応による可視光を計測することによって評価判定を行う。抗体の代わりにタンパク質又はペプチドに結合し得る物質を用いてもよい。例えば、アプタマー等を用いることができる。
 本技術は、前記(a)~(g)に記載のバイオマーカーに対する物質(例えば、抗体又はアプタマー等)を用いることが好適である。
 さらに以下に方法(特許文献5参照)を例示するが、それらには限定されない。
4.マイクロアレイ(マイクロチップ)を用いた方法
 マイクロアレイとは、担体(基板)上に測定しようとする物質に結合し得る物質を整列(アレイ)固定化させたデバイスを総称していう。本技術の場合、タンパク質又は部分ペプチドに対する抗体又はアプタマーを整列固定化させて用いればよい。
 測定は、固相化した抗体等に、生体試料を添加し、マイクロアレイ上に測定しようとするタンパク質又は部分ペプチドを結合させ、次に蛍光若しくは化学発光の物質又は酵素を結合させた2次抗体を加えインキュベーションする。検出はそれぞれの基質を加えた後、蛍光もしくは化学発光物質または酵素反応による可視光を計測すればよい。
5.質量分析法
 質量分析法においては、例えば、特定のタンパク質又はその部分ペプチドに対する抗体をあらかじめ特殊な化学修飾をしたマイクロビーズ若しくは基板(プロテインチップ)に結合させる。マイクロビーズは磁気ビーズであってもよい。基板の素材は問わない。
 使用する抗体は(1)特定のタンパク質の完全長のみを認識する抗体、(2)部分ペプチドのみを認識する抗体、(3)特定のタンパク質とその部分ペプチドの両方を認識する抗体のすべて、又は上記(1)と(2)、(1)と(3)、若しくは(2)と(3)の組み合わせでもよい。
 試料を、原液又は緩衝液で段階希釈後、抗体を結合させたマイクロビーズ又は基板にこれを適当量加え、インキュベーションする。その後洗浄し、捕捉されなかったタンパク質及び部分ペプチドを除く。その後、マイクロビーズ又は基板上に捕捉されたタンパク質及び部分ペプチドをMALDI-TOF-MS、SELDI-TOF-MSなどを用いた質量分析によって分析し、タンパク質、タンパク質断片及び部分ペプチドのピークの質量数とピーク強度を計測する。適当な内部標準物質をもとの生体試料に一定量加えておき、そのピーク強度を測定して、対象となる物質のピーク強度との比を求めることにより、もとの生体試料中の濃度を知ることができる。この方法をimmunoMS法という。
 また、試料を原液または緩衝液で希釈又は一部のタンパク質を除去した後、HPLCで分離、エレクトロスプレーイオン化(ESI)法を用いた質量分析によって定量することができる。その際に、同位体標識した内部標準ペプチドを用いたSRM/MRM法による絶対定量によって資料中の濃度を知ることができる。
 さらに、上記の方法の他、2次元電気泳動を用いた方法、表面プラズモン共鳴を用いた方法等によっても、タンパク質及びペプチドを解析することが可能である。
 本技術は、被検者から採取した生体試料を2次元電気泳動若しくは表面プラズモン共鳴法に供し、前記バイオマーカーの有無又は量を指標に認知機能障害疾患を検出する方法をも包含する。
 本技術は、上述した生体試料中のバイオマーカーを検出することができる装置(例えば、検出装置、測定装置、解析装置等)をも含む。当該本技術の装置は、抗体又はアプタマー固定部(捕捉部)及び測定部を備えるのが望ましい。抗体又はアプタマー固定部は、抗体又はアプタマーを固定化したスライドガラス、96ウェルタイタープレート等の固相担体を有するものであるのが好適である。また、測定部には、分光光度計、蛍光分光計等の検出対象に対応する光検出手段を設けるのが好適である。
 さらに、本技術の装置は、得られたデータを解析する解析部を含んでもよく、解析部はデータ処理装置及び解析用ソフトウェアを含むのが好適である。
 さらに、本開示の装置に備えられるCPU等を含む制御部又はこれに接続可能なシステム(例えば、パーソナルコンピュータ、コンピュータ・ネットワークシステム等)には、上述した本技術の認知機能障害疾患の検出、診断等の方法を実行可能なプログラム又はこのプログラムを格納した記憶部若しくはシステム等が設けられている。
 本技術によれば、被検者の認知機能障害を判定することができる。さらに、本技術によれば、被検者の認知機能障害が軽度の段階で評価することもでき、予防医学にも有用である。さらに、認知機能障害疾患に罹患した患者に心理療法や薬物療法を行った場合、障害の進行が抑制されるならば、血清などの生体試料中のタンパク質/ペプチドの量にも反映される。これを測定することにより、治療効果の評価と判定を行うこともでき、創薬ターゲット生体分子をスクリーニングすることもできる。
 後記実施例に示すように、本発明者は、多数のペプチドを準備し、各ペプチドに対する各抗体を作成した。これら抗体を用いて、知機能障害疾患の検出用のバイオマーカーの探索を行った。この際、受信者操作特性曲線(ROC曲線)による分析を用いて、各バイオマーカーの有用性について評価を行った。この結果、配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるComplement C4由来ペプチド、配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むProthrombin由来ペプチド、配列番号3で表されるアミノ酸配列からなるComplement C3由来ペプチド、配列番号4で表されるアミノ酸配列からなるProthrombin由来ペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるProthrombin由来ペプチド、配列番号6で表されるアミノ酸配列からなるProthrombin由来ペプチド、配列番号5で表されるアミノ酸配列からなるGelsolin由来ペプチドが、受信者操作特性曲線(ROC曲線)による分析においてAUC 0.6以上示すマーカーであることを見出した。
 さらに、マルチマーカーによる認知機能障害疾患(MCI及びAD)と、非認知機能障害の健常者とが区別できるかどうかを検討した。このとき、ロジスティック回帰分析を利用して検討を行った。
 ロジスティック回帰分析の解析結果、Complement C4、Prothrombin、Complement C3、及びGelsolinのタンパク質をマルチマーカーとすることで、又は前記前記配列番号1~7のペプチドをマルチマーカーとすることで、ほぼ9割と非常に精度の高い認知機能障害疾患の検出を可能とした。
 すなわち、本技術は、
(i)健常者群及び認知機能障害疾患罹患者群の生体試料中の前記(a)~(g)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを測定すること、
(ii)前記2種以上のバイオマーカーの測定結果をロジスティック回帰分析で解析すること、
(iii)前記複数の生体試料中の解析結果に基づき認知機能障害疾患の正答率の高い前記バイオマーカーの組み合わせを選定すること、及び
(iv)前記被験者の測定結果及び前記バイオマーカーの組み合わせ選定結果に基づき、前記被験者を、軽度認知機能障害、アルツハイマー病又は非認知機能障害の健常者に区別すること、
を行い、正答率が高い正答率が高い複数の認知機能障害疾患検出用バイオマーカーの組み合わせを選定し、認知機能障害疾患の検出精度を向上させることができる。
 このとき、ロジスティック回帰分析を用い、NDCとMCIを比して、MCIと区別する正答率が、好ましくは80%以上、より好ましくは85%以上であるとき、又は、NDCとADを比較して、ADと区別する正答率が、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上であるとき、MCI又はADであると区別しこれらを検出するためのバイオマーカーとして選択するのが好適である。
 また、前記(i)の前に、被検者の生体試料中の認知機能障害疾患に関するタンパク質又はそのペプチドを、ROC曲線による分析に基づき、AUCが高いものを認知機能障害疾患検出用のバイオマーカーとして選定することができる。AUCが0.6以上となるタンパク質又はそのペプチドを、認知機能障害疾患検出用のバイオマーカーとするのが、有益である。
 なお、ROC曲線及びロジスティック回帰曲線については、後記実施例で説明する。
 これにより、最適なバイオマーカーの組み合わせを選出することができ、そのことで認知機能障害疾患の検出又は診断等の正答率が高くなる。よって、選定された複数のバイオマーカーを測定することで、より客観的により精度よく認知機能障害疾患を検出、診断等することが可能となる。
 この組み合わせのうち、例えば、前記(a)バイオマーカー、(d)バイオマーカー及び(f)バイオマーカーを同時又は別々に測定し、これら測定結果に基づき軽度認知障害の検出、診断等に用い得るのが、正答率が高いので、好適である。
 また、例えば、前記(a)バイオマーカー及び(d)バイオマーカーを同時又は別々に測定し、これら測定結果に基づきアルツハイマー病の検出、診断等に用い得るのが、正答率が高いので、好適である。
 更に、例えば、前記(a)~(g)バイオマーカーをを同時又は別々に測定し、これら測定結果に基づき軽度認知障害とアルツハイマー病との区別、診断等に用い得るのが、正答率が高いので、好適である。
 本技術の方法は、CPU等を含む制御部及び記憶媒体(USBメモリ、HDD、CD、DVD等)を備えるハードウエア資源にプログラムとして格納し、検査装置や選定装置等の制御部によって、実行されることが可能である。
 本技術は、前記(a)~(g)記載のバイオマーカーを用いる認知機能障害疾患の検出キットとしても利用することができる。
 本技術は、前記(a)~(g)から選択される1種又は2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを測定するための認知機能障害疾患の検出キットとすることができる。
 例えば、軽度認知障害検出用キットは、(a)バイオマーカー、(d)バイオマーカー及び(f)バイオマーカーを組み合わせた検出キットが好適である。
 また、アルツハイマー病検出用キットは、(a)バイオマーカー及び(d)バイオマーカーを組み合わせた検出キットが好適である。
 更に、軽度認知障害とアルツハイマー病との区別用キットは、(a)~(g)バイオマーカーを組み合わせた検出キットが好適である。
 また、本技術の検出キットは、これらを同時に又は別々に検出できるように、前記(a)~(g)のバイオマーカー検出可能な試薬全てを一緒に含む一液型の認知機能障害用検出キットとしてもよいし、又は、各バイオマーカーを検出可能な試薬を別々の容器に存在させた複数(2又は3以上の)の検出キットを有する認知機能障害疾患用検出キットとしてもよい。
 また、この検出キットには、本技術の各バイオマーカーに対する抗体又はアプタマーを含むことが好適である。
 本技術の認知機能障害疾患の検出方法として、生体試料中の、前記(a)~(g)のバイオマーカーから選択される1種又は2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定するのが好適である。
 本技術の認知機能障害疾患の検出方法として、
(i)被検者の生体試料中の前記(a)~(g)のバイオマーカーから選択される2種又は3種の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定すること、
(ii)少なくとも2種以上のバイオマーカーの測定結果が認知機能障害疾患に分類される場合、被検者を認知機能障害疾患と判定することを含むのが、より好適である。
 本技術は、以下の構成を採用することもできる。
[1] 被検者の生体試料中の、以下の(a)~(g)のバイオマーカー:
 (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む由来ペプチドからなる認知機能障害疾患のためのバイオマーカー、
 (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
 (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
 (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
から選択される2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを、同時又は別々に測定することを含み、
 該測定は、前記(a)~(g)のそれぞれのバイオマーカーに対応する抗体又はアプタマーを用いて行う、認知機能障害疾患の検出の検出精度を向上させる方法。
[2] 前記認知機能障害疾患は、軽度認知障害又はアルツハイマー病である、[1]1に記載の認知機能障害疾患の検出の検出精度を向上させる方法。
[3] 前記軽度認知障害が疑われる被検者の生体試料中の前記(a)バイオマーカー、前記(d)バイオマーカー、及び前記(f)バイオマーカーを測定することを含む、[2]に記載の認知機能障害疾患の検出の検出精度を向上させる方法。
[4] 前記アルツハイマー病が疑われる被検者の生体試料中の前記(a)バイオマーカー及び前記(d)バイオマーカーを測定することを含む、[2]に記載の認知機能障害疾患の検出精度を向上させる方法。
[5] 認知機能障害疾患を診断又は診断を補助し、治療する方法であって、
 a.被検者から生体試料を採取すること、
 b.抗体産生動物(例えば、マウス、ウサギ)に配列番号1~7で表されるペプチドを免疫することにより製造された抗体又は配列番号1~7で表されるペプチドと特異的に結合するアプタマーを、任意に1つ又は2つ以上選択して、選択された抗体又はアプタマーを前記生体試料に接触させて、前記生体試料中における配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1つ又は2つ以上の存在を検出すること、
 ここで、前記配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーは、
  (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む由来ペプチドからなる認知機能障害疾患のためのバイオマーカー、
  (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
  (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
であり、
 c.前記生体試料中における配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1つ又は2つ以上の存在が検出されたときに、認知機能障害疾患に罹患している又はその可能性が高いと診断すること、
 d.前記認知機能障害疾患に罹患している又はその可能性が高いと診断された被検者に抗アセチルコリンエステラーゼ阻害薬を投与すること
を含む、方法。
[6] 前記認知機能障害疾患は、軽度認知障害又はアルツハイマー病である、[5]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法。
[7] 前記生体試料は、血液、血漿又は血清である、[5]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法。
[8] 認知機能障害疾患を診断又は診断を補助し、治療する方法であって、
 a.被検者から生体試料を採取すること、
 b.抗体産生動物(例えば、マウス、ウサギ)に配列番号1~7で表されるペプチドを免疫することにより製造された抗体又は配列番号1~7で表されるペプチドと特異的に結合するアプタマーを、任意に1つ又は2つ以上選択して、選択された抗体又はアプタマーを前記生体試料に接触させて、前記生体試料中の配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1つ又は2つ以上を測定すること、
 ここで、前記配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーは、
  (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む由来ペプチドからなる認知機能障害疾患のためのバイオマーカー、
  (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
  (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
であり、
 c.予め測定しておいた正常人の前記認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの存在量と比較して、前記被検者の前記認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの存在量が多い場合に、認知機能障害疾患に罹患している又はその可能性が高いと診断すること
 d.前記認知機能障害疾患に罹患している又はその可能性が高いと診断された被検者に抗アセチルコリンエステラーゼ阻害薬を投与すること
を含む、方法。
[9] 前記認知機能障害疾患は、軽度認知障害又はアルツハイマー病である、[8]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助し、治療する方法。
[10] 前記生体試料は、血液、血漿又は血清である、[8]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助し、治療する方法。
[11] 認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法であって、
 a.被検者から生体試料を採取すること、
 b.抗体産生動物(例えば、マウス、ウサギ)に配列番号1~7で表されるペプチドを免疫することにより製造された抗体又は配列番号1~7で表されるペプチドと特異的に結合するアプタマーを、任意に1つ又は2つ以上選択して、選択された抗体又はアプタマーを前記生体試料に接触させて、前記生体試料中における配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1つ又は2つ以上の存在を検出すること、
 ここで、前記配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーは、
  (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む由来ペプチドからなる認知機能障害疾患のためのバイオマーカー、
  (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
  (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
であり、
 c.前記生体試料中における配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1つ又は2つ以上の存在が検出されたときに、認知機能障害疾患に罹患している又はその可能性が高いと診断すること
を含む、方法。
[12] 前記認知機能障害疾患は、軽度認知障害又はアルツハイマー病である、[11]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法。
[13] 前記生体試料は、血液、血漿又は血清である、[12]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法。
[14] 認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法であって、
 a.被検者から生体試料を採取すること、
 b.抗体産生動物(例えば、マウス、ウサギ)に配列番号1~7で表されるペプチドを免疫することにより製造された抗体又は配列番号1~7で表されるペプチドと特異的に結合するアプタマーを、任意に1つ又は2つ以上選択して、選択された抗体又はアプタマーを前記生体試料に接触させて、前記生体試料中の配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの1つ又は2つ以上を測定すること、
 ここで、前記配列番号1~7で表される認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーは、
  (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む由来ペプチドからなる認知機能障害疾患のためのバイオマーカー、
  (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
  (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
であり、
 c.予め測定しておいた正常人の前記認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの存在量と比較して、前記被検者の前記認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーの存在量が多い場合に、認知機能障害疾患に罹患している又はその可能性が高いと診断すること
を含む、方法。
[15] 前記認知機能障害疾患は、軽度認知障害又はアルツハイマー病である、[14]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法。
[16] 前記生体試料は、血液、血漿又は血清である、[14]に記載の認知機能障害疾患を診断又は診断を補助する方法。
[17] 認知機能障害疾患が疑われる被検者の生体試料中の以下の(a)~(g)のバイオマーカーを測定することを含む、軽度認知機能障害とアルツハイマー病とを区別する方法:
  (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含む由来ペプチドからなる認知機能障害疾患のためのバイオマーカー、
  (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
  (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
  (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
 以下、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明する。なお、以下に説明する実施例は、本発明の代表的な実施例の一例を示したものであり、これにより本発明の範囲が狭く解釈されることはない。
(実施例1)
<LC-MS/MSアッセイ法による認知機能障害疾患マーカーの検出>
 アルツハイマー病を含む神経変性疾患に関わるペプチドバイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSを用いて、被験者から採取した生体試料をLC-MSに供してマーカーの有無ないし量を指標に、アルツハイマー病(AD)ないしは軽度認知障害(MCI)を検出した。
 検出方法として、生体試料から複数のマーカー(アナライト)を同時に検出するMultiple reaction monitoring法(MRM法)によるLC-MS/MSアッセイ法を用いた。
(1)血清試料
 統計的に差が無くなるように年齢をそろえた、AD 115例、MCI 126例およびNDC (認知機能が正常な被験者) 125例の血清を用いた。表1に臨床情報を示す。NDC、MCI、ADの平均年齢と性別(M/F)はそれぞれ75.4±4.5才(57/68)、75.4±4.2才(62/64)、76±5.2才(39/76)であった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(2)方法
(2-1)スタンダードサンプルの調製
 定量用標準曲線作成用のスタンダードサンプルは10段階の段階希釈で作成した。すなわち 400 fmol/μlスタンダードペプチドを最高濃度とし、別のチューブに一部を取り0.1%TFA, 5%ACN溶媒で希釈した。さらに、希釈した溶液を別のチューブに取り、0.1%TFA, 5%ACN溶媒で希釈した。これを合計10回繰り返した。スタンダードペプチドの濃度系列は400, 200, 80, 40, 20, 10, 5, 2.5, 1.25, 0.625, 0.3125 fmol/μl である。
(2-2)サンプルの前処理
 血清およびスタンダードペプチドサンプル各々25 μlを96穴ディーププレートに入れ、475 μlの0.1%トリフルオロ酢酸(TFA)と500 fmolのマーカーペプチドの安定同位体ペプチド(SI)を加え、アルミシールをした後、100℃で15分間煮沸した。その後、ペプチド画分を回収するためにOasis HLB μElution plate(Waters社)を用いて固相抽出を行った。最終的に、0.1% TFA, 50%アセトニトリル(ACN)で回収したペプチド画分をLC-MS/MSに供与した。
(2-3)ペプチドバイオマーカーの測定
 ペプチドバイオマーカーの測定は超高速LCと三連四重極質量分析計を組み合わせたLC-MS装置(LCMS-8060, 島津製作所)を用いた。LCに供与したサンプルを逆相カラムで分離し、バイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSそれぞれのペプチドのMRMトランジッションを用いて検出を行った。血中サンプル中のペプチドバイオマーカーの定量解析は、LabSolutions, バージョン5.82 (島津製作所)の「解析ツール」を用いて、スタンダードサンプルから求められた標準曲線を用いて定量した。
 ペプチドバイオマーカーの疾患間での解析は、OriginPro 2016J (OriginLab Corporation)を用いた。AD, MCI, NDCの3つの群間でのペプチドバイオマーカーの量の有意差はKruskal-Wallis ANOVAで検定した。ペプチドバイオマーカーの臨床有効性の評価は、受信者操作特性曲線(receiver operating characteristic curve, ROC曲線)による解析で行った。ROC解析はMedCalc , version 17.6(MedCalc Software社)を用いた。
(3)結果
 図1はそれぞれの疾患においてペプチドバイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSの量的変化をボックスチャートで示した図である。ボックス中の太線は中央値、細線は平均値を示す。ヒゲはSDの1.5倍を示し、△は最小、最大値を示している。グラフ中のP値はKruskal-Wallis検定によるP値を示している。バイオマーカーCO4、THRB-1、THRB-3、THRB-4はNDCからADと病態が進むにつれてそれぞれの量が有意に増加しており、 THRB-2、CO3は病態が進むにつれてその量が有意に減少していることが分かった。GELSはNDCとADで定量値が減少する傾向が見られた。
 検出したペプチドバイオマーカーがどの程度に有用であるかを評価するために、受信者操作特性曲線(receiver operating characteristic curve, ROC曲線)による分析を行った。ROC曲線の下部の面積値(AUC of ROC)(以下、AUCという)が1に近いほどバイオマーカーとしての有用性が高くなる。図2、図3、図4はNDC対MCI、NDC対ADおよびMCI対ADの比較におけるペプチドバイオマーカーのROC曲線を示した。図2のNDC対MCIにおいて、AUCが0.6以上のマーカーはCO4、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4であり、特にTHRB-2はNDCとMCIを区別するのに有用性が高いマーカーであることを示した(AUC 0.73)。図3のNDC対ADにおいて、AUCが0.6以上のマーカーはCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4であり、特にTHRB-2はNDCとADを区別するのに有用性が高いマーカーであることを示した(AUC 0.86)。図4のMCI対ADにおいて、AUCが0.6以上のマーカーはCO4、THRB-2、THRB-3、THRB-4であった。
 これらCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELS の7つのペプチドバイオマーカーについて、NDCに対してMCI、ADをまたはMCIとADをより精度よく区別するようなマルチマーカー解析を実施した(実施例2)。
(実施例2)
<LASSO回帰分析を用いたマルチマーカーによるMCI、ADの区別>
(1)LASSO回帰分析の原理
 症例数(n)に比べてバイオマーカー数、すなわち独立変数の数(p)が大きい"p>>n"の状況下での統計解析において、回帰係数のL1ノルムを罰則項として利用した回帰分析手法として、Tibshirani (1996)によって提唱されたLASSO (Least Absolute Shrinkage and Selection Operator)がある。この方法は縮小推定により、多くの回帰係数の推定値を正確に"0"にでき、モデル推定と変数選択を同時に実行できる手法である。
 LASSO回帰では目的変数Yと以下の独立変数
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000002
に関してn組のデータ
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000003
が得られた時、次の線形回帰式モデルを想定する。
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000004
 LASSOでは回帰係数(coefficient) βの推定式は、罰則項
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000005
を含めた(2)で与えられおり、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000006
データを式(2)に当てはめ、正則化パラメータγを変化させて、いくつかの回帰係数を"0"と推定して除外していき、目的変数と関連の強い回帰係数を推定する。
(1-1)正答率を求める方法
 正答率とは元来属する群に属すると正しく判定された率をいう。LASSO回帰式モデルの正答率を以下の式(3)によって定義する。
 まず、LASSO回帰式から得られた目的変数yに対してROC (Receiver Operating Characteristic曲線を作成する。感度(sensitivity)と特異度(specifisity)を求め、偽陽性と偽陰性を最小に抑える閾値(criterion)を求める。
 正答の判別は被験者の二つのカテゴリー(例えばNDCとMCI)のうちのどちらに属するかを推定することによって行われる。被験者のカテゴリーをi(例えばMCI)とし、ROCのcriterionに対して、LASSO回帰式から得られたyの値が大きいときiと正しく診断されたとみなす。カテゴリーiの総被験者数をNi、正しくiと診断された被験者数をCiとして、
Figure JPOXMLDOC01-appb-M000007
と、正答率が表わされる。
 実施例1において、LC-MS/MSアッセイ法で測定したペプチドバイオマーカーCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSのLC-MS/MS定量データを用いて、NDC対MCI、NDC対ADおよびMCI対ADでLASSO解析を行い、LASSO回帰式(1)の回帰係数(βj)を求めた。回帰式より、目的変数yを求め、ROC曲線から閾値を算出した。
 LASSO回帰分析はR言語 3.1.0のLASSO回帰分析パッケージ「glmnet 1.9-5」を用いて解析を行った。ROC曲線の描写はMedCalc, version 17.6 (MedCalc Software社)を用いて実行した。
(3)結果
 表2にNDCとMCI、NDCとAD、およびMCIとADを区別するペプチドバイオマーカーの組み合わせを示した表中の(○)マルチマーカーとして寄与していることを示している。NDCとMCIを区別するペプチドバイオマーカーの組み合わせはCO4、THRB-2、THRB-4の3つであり、NDCとADを区別するペプチドバイオマーカーの組み合わせはCO4、THRB-2の2つであり、MCIとADを区別するペプチドバイオマーカーの組み合わせはCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELSの7つであった。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000008
(3-1)NDCとMCIを区別するペプチドマーカーの組み合わせ
 LASSO解析により、NDCとMCIを区別する回帰式に寄与するマーカーとしてCO4、THRB-2、THRB-4の3マーカーが明らかになった。これら3マーカーの回帰係数を用いてLASSO回帰式に3マーカーの定量値を代入して目的変数yを求め、NDCとMCIでプロットした図を図5(A)に、ROC曲線を図5(B)に示す。AUC = 0.75を示し、NDCとMCIを区別する閾値(cutoff revel)は0.52であった。図5(C)にマルチマーカーでNDCとMCIを区別した時の感度、特異度、陽性的中度(Positive predictive value)、陰性的中度(Negative predictive value)を示す。感度(正答率)は75.4%であり、特異度は62.4%、マルチマーカー解析で正しくMCIと判断されたとする陽性的中度は66.9%、マルチマーカー解析で正しくNDCと判断されたとする陰性的中度は71.6%であり、診断精度は68.9%であった。
(3-2)NDCとADを区別するペプチドマーカーの組み合わせ
 LASSO解析により、NDCとADを区別する回帰式に寄与するマーカーとしてCO4、THRB-2の2マーカーが明らかになった。これら2マーカーの回帰係数を用いてLASSO回帰式に2マーカーの定量値を代入して目的変数yを求め、NDCとADでプロットした図を図6(A)に、ROC曲線を図6(B)に示す。AUC = 0.89を示し、NDCとADを区別する閾値(cutoff revel)は0.49であった。図6(C)にマルチマーカーでNDCとADを区別した時の感度、特異度、陽性的中度(Positive predictive value)、陰性的中度(Negative predictive value)を示す。感度(正答率)は96.5%であり、特異度は67.2%、陽性的中度は73.0%、陰性的中度は95.5%であり、診断精度は81.3%であった。
(3-3)MCIとADを区別するペプチドマーカーの組み合わせ
 LASSO解析により、MCIとADを区別する回帰式に寄与するマーカーとしてCO4、CO3、THRB-1、THRB-2、THRB-3、THRB-4、GELS CO4、THRB-2の7マーカーが明らかになった。これら7マーカーの回帰係数を用いてLASSO回帰式に7マーカーの定量値を代入して目的変数yを求め、MCIとADでプロットした図を図7(A)に、ROC曲線を図7(B)に示す。AUC = 0.73を示し、MCIとADを区別する閾値(cutoff revel)は0.47であった。図7(C)にマルチマーカーでMCIとADを区別した時の感度、特異度、陽性的中度(Positive predictive value)、陰性的中度(Negative predictive value)を示す。感度(正答率)は83.5%であり、特異度は52.4%、陽性的中度は61.5%、陰性的中度は77.6%であり、診断精度は67.2%であった。

Claims (9)

  1.  以下の(a)~(g)から選択される1種又は2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー。
     (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
     (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
  2.  前記認知機能障害疾患は、アルツハイマー病又は軽度認知障害である、請求項1に記載のバイオマーカー。
  3.  被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)~(g)から選択される1種又は2種以上の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、認知機能障害疾患の検出方法。
     (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
     (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
  4.  前記認知機能障害疾患は、アルツハイマー病又は軽度認知障害である、請求項3に記載の認知機能障害疾患の検出方法。
  5.  被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)、(d)及び(f)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、軽度認知障害の検出方法。
     (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
     (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
  6.  被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)及び(d)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、アルツハイマー病の検出方法。
     (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
     (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
  7.  被検者から採取された生体試料中の、以下の(a)~(g)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカーを同時又は別々に測定することを含む、軽度認知障害とアルツハイマー病とを区別する方法。
     (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
     (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
  8.  請求項1に記載のバイオマーカーに対する抗体又はアプタマーを含む、認知機能障害疾患の検出キット。
  9.  複数の生体試料中の、以下の(a)~(g)の認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー:
     (a)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (b)配列番号2で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (c)配列番号3で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (d)配列番号4で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (e)配列番号5で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、
     (f)配列番号6で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー、及び
     (g)配列番号7で表されるアミノ酸配列を含むペプチドからなる認知機能障害疾患を検出するためのバイオマーカー
    を測定すること、
     前記2種以上のバイオマーカーの測定結果をロジスティック回帰分析で解析すること、
     前記複数の生体試料中の解析結果に基づき認知機能障害疾患の正答率の高い前記バイオマーカーの組み合わせを選定すること、及び
     前記被験者の測定結果及び前記バイオマーカーの組み合わせ選定結果に基づき、前記被験者を、軽度認知機能障害、アルツハイマー病又は非認知機能障害の健常者に区別すること、
    を含む、認知機能障害疾患の検出精度を向上させる方法。
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