JP6947451B2 - バイオマーカー、診断用組成物、及び診断用キット - Google Patents

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本発明は、特にバイオマーカー、診断用組成物、及び診断用キットに関する。
急性脳症は、小児期に多く発症する脳症である。我が国における急性脳症の定義は、Japan Coma Scale 20以上(Glasgow Coma Scale 10〜11以下)の意識障害が急性に発症し、24時間以上持続することである。急性脳症は、(1)ほとんどは、インフルエンザ、HHV−6(突発性発疹)、ロタウィルス、RSウィルス等の感染症の経過中に発症する、(2)多くは頭部CT、MRIで脳浮腫が描出される、(3)脳炎、髄膜炎等の他の疾患が否定される(髄液中の細胞数増加がない)という特徴がある。
急性脳症では、多くが死亡したり後遺症を生じたりするため、医学的、社会的に大きな問題を生じている。
ここで、急性脳症には、重篤な脳症である急性壊死性脳症(Acute Necrotizing Encepahlopathy、以下「ANE」と記載する。)、予後が比較的良好な脳梁膨大部脳症(Clinically mild encephalitis/encephalopathy with a reversible splenial lesion、以下、「MERS」と記載する。)、及び、けいれん重積型(二相性)急性脳症(Acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion、以下「AESD」と記載する。)と呼ばれる症候群が存在する。また、症候群として確立していないが、「一相性脳症」と考えられる、感染症による発熱後、けいれんを発症し、その後長時間(概ね24時間以上)にわたり意識障害が遷延するが、時間経過とともに意識障害が改善する脳症が存在する。
これらのうち一相性脳症及びAESDでは、感染症により急激に発症して、けいれん及び意識障害を呈する1回目の発作が生じる。その後、一相性脳症では、自然軽快することが期待できるのに対し、AESDでは、1回目の発作からの数日後に、2回目のけいれん及び意識障害を呈する発作を起こすことが、臨床的な特徴である。すなわち、発作が1回だけ(一相性)の一相性脳症に対して、AESD(二相性)では2回目の発作が起こる。そして、AESDは、罹病率が我が国で年間400〜700人と少ないものの、患者には、その後、麻痺、知的障害、てんかん等の厳しい神経学的後遺症が生じることが多いという問題があった。
ここで、従来の急性脳症の診断方法として、特許文献1を参照すると、(1)脳症が疑われる患者から採取した血液中のキノリン酸含有量及び/又はキヌレニン含有量を測定する、及び(2)前記キノリン酸含有量及び/又はキヌレニン含有量を、脳症非発症者又は脳症発症者の基準レベルと比較することで脳症を簡易かつ迅速に検出する技術が開示されている(以下、従来技術1とする。)。
特開2014−194396号公報
ここで、上述のように、病初期の1回目の発作では一相性脳症及びAESD共に、発熱、けいれん、意識障害を呈するものの、上述のように、予後が比較的良好な一相性脳症と異なり、AESDは、重篤な後遺症を残すことが多い。
しかしながら、AESD用の診断用マーカーは知られておらず、従来技術1の診断方法でも、一相性脳症とAESDとを区別することはできなかった。
このため、病初期にAESDであることを検出することは難しかった。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、上述の問題を解消することを目的とする。
発明のバイオマーカーは、けいれん重積型(二相性)急性脳症の診断用のバイオマーカーであって、髄液中のα2−Macroglobulinのタンパク質マーカーであることを特徴とする。
本発明の診断用組成物は、けいれん重積型(二相性)急性脳症を診断するための診断用組成物であって、α2−Macroglobulinのタンパク質に特異的に結合する抗体を含むことを特徴とする。
本発明の診断用キットは、けいれん重積型(二相性)急性脳症を診断するための診断用キットであって、α2−Macroglobulinのタンパク質に特異的に結合する抗体を含むことを特徴とする。
本発明によれば、α2−Macroglobulinのタンパク質の髄液中での発現量変化を指標とすることで、病初期にAESDであることを検出するのに役立つバイオマーカーを提供することができる。
本発明の実施例に係る髄液の2D−DIGE法のプロット結果を示す写真である。
<実施の形態>
本発明の発明者らは、一相性脳症と、二相性のAESDとを病初期に判別するバイオマーカーを探索するため、鋭意実験を行った。その結果、髄液中に発現するタンパクのうち、いくつかのものの発現量が変化することを早期診断マーカーとして用いることで脳症を検出する方法を見いだし、本発明を完成するに至った。
具体的には、本発明の発明者らは、AESD患者3名と一相性脳症患者3名の病初期に採取したヒト髄液中で、プロテオーム解析を行った。髄液は1回目の発作から10時間以内に集められた。この髄液について、ゲル電気泳動法(2D−DIGE)を使用し、発現が変化しているタンパク質を2D−DIGE法によって確認した。この結果として、AESD患者からの髄液では、Monocyte differentiateon antigen CD14及び免疫グロブリンの発現が上昇していた。これらは、免疫応答に関連するタンパク質であった。また、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinの発現が減少していた。これら発現が減少したタンパク質は、後述するようにアポトーシス、免疫学的応答、及び神経修復に関係していた。
患者の髄液中で、これらのタンパク質をバイオマーカーとして発現の定性、定量を行うことでAESDの早期診断、早期治療が可能となることが期待される。
より具体的に説明すると、本発明の実施の形態に係る脳症の検出方法、バイオマーカー、診断用組成物、及び診断用キットの対象となる脳症は、けいれん重積型(二相性)急性脳症(AESD)である。上述したように、AESDは、発熱に伴い、けいれん重積(1回目の発作)を起こした後に、一時的に意識状態が改善した後、2〜4日後に、再度けいれん発作や意識障害(2回目の発作)を起こす二相性の経過を示し、麻痺、知的障害やてんかん等の後遺症を残すことが多い疾患である。
本実施形態に係る脳症の検出方法の被験者は、急性脳症が疑われる患者であり、脳症非発症者、急性でない脳症発症者、及び脳症を引き起こす各種感染症の患者を含む。
また、本実施形態においては、上述のように、初回けいれん発症(1回目の発作)後、早期に髄液を採取し、この髄液中内で発現が変化しているタンパク質の発現量を、プロテオーム解析にて同定した。プロテオームは、特定の細胞若しくは生体試料が特定条件下に置かれた時に、その中に存在する全てのタンパク質を意味する。プロテオーム解析は、タンパク質の機能や各タンパク質が構築する機能ネットワークを明らかにする研究手法であり、こうして得られた知見は、疾病の早期診断や病態の解明、さらには創薬研究へと応用されている。
本発明の実施の形態に係るプロテオーム解析には、二次元電気泳動(Two−dimensional electrophoresis、2−DE)と質量分析(mass spectrometry、MS)を基礎としたプロテオーム解析を用いることが可能である。二次元電気泳動は、個々のタンパク質が持つ等電点の違いを利用した等電点電気泳動と、分子量の違いを利用したポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)とを組み合わせることによって、タンパク質を分離する方式である。これにより数百から数千種類のタンパク質を同時に分離し、タンパク質スポットとして可視化することができる。このタンパク質スポットは、酵素処理を行いペプチド断片とした後に、後述する質量分析にて、ペプチド断片の質量データ(MSスペクトル)を計測する。ペプチドフィンガープリント法により、このMSスペクトラムを、既存のデータベースに登録されているタンパク質のMSスペクトラムと照合し、タンパク質の同定を行うことが可能である。また、タンデムマス質量分析(MS/MS)装置を用いることでより詳細な情報(MS/MSスペクトル)を取得でき、高精度にタンパク質の同定が可能となる。
また、本発明の実施の形態に係るプロテオーム解析には、特に、蛍光標識二次元ディファレンスゲル電気泳動(2−Dimensional Fluorescence Difference Gel Electrophoresis、2D−DIGE法)を用いることが好適である。2D−DIGE法では、異なる蛍光波長を持つ色素(CyDye:Cy2,Cy3,Cy5)を用い、泳動する前に各サンプルのタンパク質をあらかじめ標識(Cy3,Cy5)することで、同一のゲルで2群の発現量比較を行う。また、比較するサンプルを等量ずつ混合した内部標準(Cy2)を用いる。これにより、従来の二次元電気泳動法に比べて、2D−DIGE法では、ゲル間での泳動誤差が改善され、高感度で高精度に発現差異を解析可能である。さらに、2D−DIGEではタンパク質を直接蛍光色素標識することで、比較的少量のタンパク質量でもスポットとして検出することが可能である。
本実施形態において、2D−DIGE法による急性脳症患者髄液を用いたプロテオーム解析により、初回けいれん後、早期に二相性の脳症を発症するリスクを判定するバイオマーカーを同定することが可能となった。
これにより、髄液内で変化している分子を測定することで、AESDの発症機序と病態を解明することが可能となる。
なお、本実施形態のプロテオーム解析として、その他の高性能な分析機器を駆使した解析法を用いてもよい。
具体的には、本発明の実施の形態に係る脳症の検出方法は、Monocyte differentiation antigen CD14、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinからなる群の一種以上のタンパク質の髄液中での発現量変化を指標として、けいれん重積型(二相性)急性脳症であることを検出することを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係る脳症の検出方法は、指標として、Monocyte differentiation antigen CD14については発現量が増加し、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinについては発現量が減少することに基づくことを特徴とする。
なお、本実施形態において、「一種以上」とは、各構成のうち一つ又は複数の組み合わせのいずれかであることを示す。すなわち、いずれか一つを用いてもよいし、これらのうち二つ〜全てについての任意の組み合わせを含む。
つまり、上述の脳症の検出方法の例においては、Monocyte differentiation antigen CD14、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinからなる群のタンパク質については、一つ又は複数のタンパク質の組み合わせのいずれかの変動を検出する。
また、本発明の実施の形態に係るバイオマーカーは、けいれん重積型(二相性)急性脳症の診断用のバイオマーカーであって、髄液中のMonocyte differentiation antigen CD14、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinからなる群の一種以上であることを特徴とする。
ここで、本発明の実施の形態に係るバイオマーカーとして、AESDで発現量が増加していたMonocyte differentiateon antigen CD14(以下、「CD14」と記載する。)は、中枢神経系の感染及び傷害に対するマイクログリア応答に対応する重要なタンパクである。具体的に、CD14は、TLR(トール様受容体)4の補助受容体であり、LPS(リポ多糖類)に対する応答を促進する。また、CD14は、TLR4及び関連する免疫受容体の機能を組み合わせて、TLR及び非TLRの系により制御される。これにより、CD14は、中枢神経系の感染及び無感染時のミクログリアのダメージ検出の機能を微調整し、ミクログリア活性化を補助する。
また、本発明の実施の形態に係るバイオマーカーとして、AESDで発現量が減少していたApolipoprotein E(以下、「ApoE」と記載する。)は、アストロサイトやミクログリアでも産生、分泌されるタンパクである。また、ApoE受容体は、ニューロン、アストロサイト及びミクログリアの中で広く発現している。ApoEは、髄液中のリポタンパクと結合し、神経細胞内に取り込まれる。すなわち、ApoEは、神経細胞損傷後の修復期に必要なコレステロール等の脂質の神経細胞への輸送に関与している。また、コレステロール及び他の脂質はシナプス構造及び修復に重要な役割を果たす。具体的に、コレステロールは、薄膜とミエリン鞘の需要な原料であり、シナプスの完全性及び神経機能には必須の化合物である。
また、本発明の実施の形態に係るバイオマーカーとして、AESDで発現量が減少していたGelsolinは、細胞分化や接着、アポトーシスに関係しているタンパクである。
また、本発明の実施の形態に係るバイオマーカーとして、AESDで発現量が減少していたClusterin(以下、「CLU」と記載する。)は、免疫グロブリンや補体等と複合体を形成する糖タンパク質である。CLUは、脳を含む多くの組織で広く発現され、マクロファージの誘引、補体攻撃抑制、アポトーシス阻害、膜の再形成等に関連する。また、CLUは、けいれん誘発性の神経細胞障害に対する保護に関連している。
これらをまとめると、従来、AESDの病理的な機構は、ニューロンの興奮毒性であると考えられていた。
これに対して、本実施形態によれば、AESDの免疫学的応答の関与が機構のうちの1つであることを示唆した。すなわち、脳症の初期で大量のステロイドを投与するステロイドパルス療法及び免疫抑制療法により、AESDの2回目の発作を抑える療法の開発が期待できる。
一方、本実施形態によれば、AESDでは、発現量減少したタンパク質はアポトーシス、免疫学的応答及び神経修復に関係していた。このため、AESD患者においては、神経修復能力が他の脳症患者より低い可能性が示唆される。このため、各種の神経修復を促進する薬剤による治療により、AESDの後遺症を抑制することが期待できる。
なお、本実施形態のバイオマーカーは、患者がAESDを発症していることを確認する発症マーカー、又は患者がAESDを発症していないことを確認する健常マーカーのいずれとしても使用可能である。
また、本発明の実施の形態に係る診断用組成物は、けいれん重積型(二相性)急性脳症を診断するための診断用組成物であって、Monocyte differentiation antigen CD14、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinからなる群の一種以上のタンパク質に特異的に結合する抗体を含むことを特徴とする。
また、本発明の実施の形態に係る診断用キットは、けいれん重積型(二相性)急性脳症を診断するための診断用キットであって、Monocyte differentiation antigen CD14、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinからなる群の一種以上のタンパク質に特異的に結合する抗体を含むことを特徴とする。
ここで、従来、AESDにおいては、二相性の経過を見ないと診断が困難であるが、2回目のけいれん、意識障害の発症後に治療しても、予後の改善が見られないことが多かった。
これに対して本実施形態の診断用組成物、診断用キットにより、病初期の1回目のけいれん等の発作後に、髄液中のMonocyte differentiateon antigen CD14、Apolipoprotein E、Gelsolin、Clusterin、及びα2−Macroglobulinの一種以上の発現変化を診断し、早期治療を行うことで、予後の改善が得られる可能性がある。すなわち、髄液を取得して、本実施形態のバイオマーカーを計測することで、AESDの早期診断により適切な治療が行われ、後遺症が抑えられる可能性がある。
また、従来、AESDの治療は大量のステロイドを投与するステロイドパルス療法が適応であるものの、本実施形態の診断用組成物、診断用キットによりAESDでなく「一相性脳症」であると診断された場合、自然軽快が期待される。このため、副作用の可能性のあるステロイドパルス療法をしなくてもよくなる。
ここで、本実施形態の診断用組成物及び診断用キットにおいて、バイオマーカーの各タンパク質の含有量は、公知の測定方法で測定可能である。この測定方法は、抗体を用いた方法及び質量分析法を用いることが可能である。
本実施形態のバイオマーカーの含有量を測定する際に抗体を用いる方法としては、例えば、一般的な、ウェスタンブロッティングやELISA(酵素免疫吸着測定法)を用いることが可能である。ウェスタンブロッティングは、髄液を必要に応じ緩衝液で希釈し、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を含むバッファーで溶解し、髄液をSDS−PAGEで電気泳動して分子量に応じて分離する方式である。ゲル上の分離したタンパク質をニトロセルロース膜やPVDF膜等に転写し、転写した膜をこれに一次抗体および二次抗体を添加し、二次抗体の識別標識を検出することにより、本実施形態のバイオマーカーのタンパク質を検出することが可能である。
また、ELISA法は、検出対象タンパク質について、特異的に結合する一次抗体と、この一次抗体に特異的に結合し、かつ標識(ラベル)する二次抗体により検出する方式である。検出は、例えば、それぞれの基質を加えた後、蛍光若しくは化学発光物質または酵素反応による可視光を計測する。
ここで、本実施形態のバイオマーカーのタンパク質を検出する抗体は、ポリクローナル抗体でも、モノクローナル抗体でも、VH領域やVL領域のみ合成された抗体、VH領域や接着部位だけ合成された抗体様ペプチド等であってもよい。また、動物由来の抗体の場合には、例えば、ウサギ、ヤギ、マウス、ラット、ブタ、ヒツジ、イヌ、トリ、昆虫、その他の脊椎動物及び無脊椎動物等のものであってもよい。また、植物、酵母、古細菌、及び真正細菌、in vitroの合成系等により合成された抗体を用いてもよい。また、抗体の作製は、本実施形態のバイオマーカーのタンパク質を用い、一般の方法で、動物を免疫して作成可能である。また、抗体としてモノクローナル抗体を用いる場合には、ハイブリドーマやファージディスプレイ法等により、一般的な方法で作成することが可能である。
また、本実施形態のバイオマーカーの含有量を測定する際に質量分析法を用いる場合には、高速液体クロマトグラフィー−質量分析計(LC−MS)法、ガスクロマトグラフィー−質量分析計(GC−MS)法、キャピラリー電気泳動−質量分析計(CE−MS)法、MS/MS分析、MALDI/TOFMS分析、NMR分析、酸アルカリ中和滴定、アミノ酸分析、酵素法、比色定量法、高速液体クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー等の各種の手法を用いることが可能である。
また、本実施形態のバイオマーカーの含有量は、上述の各タンパク質の濃度が上昇しているか、減少しているかについて、特定の閾値や統計的有意性を基に判定することが可能である。この判定により、AESDとして2回目の発作が生じるか否かの危険性を推定することも可能である。
この本実施形態のバイオマーカーの特定の閾値は、例えば、LC−MS法を用いた測定で得られるグラフのピーク面積を標準化した値について、AESDと診断された患者が閾値以上に特定の割合で含まれ、一相性の患者が閾値未満に特定の割合で含まれ、カイ二乗検定値が最も有意となるような値を、各種統計分析プログラム等で算出可能である。また、本実施形態のバイオマーカーの各タンパク質の統計的有意差がある組み合わせについて算出し、この組み合わせについての閾値を設定してもよい。
また、本実施形態の特定の閾値の設定により、バイオマーカーの感度及び特異度を算出してもよい。この場合の感度とはAESDを正常に検出する割合であり、特異度は偽陽性の割合である。感度が低いと実際にAESDである患者を正常と判定し辛くなり、得意度が低いとAESDを誤判定することが多くなる。また、閾値、感度及び偽陽性率から、受診者動作特性(ROC)曲線を求めてもよい。ROC曲線の曲線下面積(ROC−AUC)は、バイオマーカーの性能を示す値である。このROC−AUCのp値をz検定により算出してもよい。
なお、本実施形態のAESDを発症する実験動物(モデル動物)により、AESDの治療に効果がある低分子の化合物等の薬剤をスクリーニングすることも可能である。すなわち、このモデル動物に治療薬の候補である化合物を投与し、投与前後で髄液を取得し、バイオマーカーの各タンパク質の発現量を測定し、比較する。そして、化合物の投与後に、バイオマーカーの各タンパク質の発現量が非AESDの患者の範囲に近づけば、投与した化合物は脳症の治療に効果的に用いられる可能性がある。
このように、本実施形態のバイオマーカーを用いることで、効果がある化合物を容易にスクリーニングすることも可能となる。
次に図面に基づき本発明を実施例によりさらに説明するが、以下の具体例は本発明を限定するものではない。
〔実験方法〕
(髄液サンプル)
対象は、患者の親権者のインフォームドコンセントを得たAESDが3例(年齢:11か月〜1歳3か月)の髄液(S1〜S3)であった。また、比較対象(control)は、一相性脳症が3例(年齢:11か月〜2歳0か月)の髄液(C1〜C3)であった。髄液は、初回けいれん後、10時間以内(2時間〜10時間)に採取した。髄液のタンパク濃度は採取直後に計測した。
各患者の臨床症状の特徴は、下記の表1の通りであった。
Figure 0006947451
(2D−DIGE用タンパク質サンプルの調整)
2D−DIGEに適したタンパク質サンプルとするため、タンパク質30μg分の髄液を2−D Clean−up Kit(GE Healthcare社製)を用いて、塩等の夾雑物を除去した。タンパク質サンプルは6μlのLysis Buffer[30mM Tris−HCl(pH 8.5),7M Urea,2M Thiourea,4%(w/v)CHAPS]で再溶解し、タンパク濃度5μg/μlとした。
(タンパク質サンプルの蛍光標識)
蛍光試薬として、CyDye DIGE fluor minimal dye −for 2−D fluorescence difference gel electrophoresis(GE Healthcare社製)を用い、標準的なプロトコルに従って、タンパク質サンプルの蛍光標識を行った。各15μg(3μl)のタンパク質サンプルに対して、400pmolのCy3標識試薬乃至Cy5標識試薬を0.3μlずつ混合し、暗所、氷上で30分間静置して標識反応を行った。さらに内部標準として、全てのタンパク質サンプルから5μgずつ集めた内部標準サンプルプールを作製し、内部標準サンプル30μg(6μl)に対して、400pmolのCy2標準試薬を0.6μl混和し、同様に標識反応を行った。標識反応後のサンプルは、10mMリジンを蛍光標識試薬と等量添加し、氷上で10分以上静置して反応を停止した。
同一ゲルに添加するタンパク質サンプルを、下記の表2のように混合した。
Figure 0006947451
(2D−DIGE法)
標識反応後、混合した2D−DIGEサンプルは、2x sample buffer[7M Urea,2M Thiourea,4%(w/v)CHAPS,1%(v/v)IPG Buffer pH 3−11 NL(GE Healthcare社製), 2%(w/v)DTT]を添加し、氷上で10分間静置した。これに膨潤buffer[7M Urea,2M Thiourea,4%(w/v)CHAPS,0.5%(v/v)IPG Buffer pH 3−11 NL(GE Healthcare社製),0.2%(w/v)DTT,0.0004%BPB]を添加し、総タンパク質量150μgに対して、総液体量が350μlとなるように調整した。
このサンプルを固定化pH勾配(IPG)ゲルであるImmobiline Drystrip 18cm pH 3−11 NL(GE Healthcare社製)に添加し、等電点電気泳動を行った。等電点電気泳動には、Ettan IPGphor Isoelectric Focusing Unit(Amersham Biosciences社製)を用い、サンプルを添加したIPGゲルを20℃、12時間膨潤させた後、(1)500V,1時間、(2)1000V,1時間、(3)8000V,8時間のプログラムで37.5kVhrに達するまで泳動した。
等電点電気泳動を行ったIPGゲルは、SDS化/還元処理Buffer[50mM Tris−HCl,6M Urea,30%(v/v)Glycerol,1%(w/v)SDS,0.25%(w/v)DTT]中で、15分間、振盪した後、さらにSDS化/アルキル化処理Buffer[50mM Tris−Hcl,6M Urea,30%(v/v)Glycerol,1%(w/v)SDS,4.5%(w/v)Iodoacetamide,0.001%(v/v)BPB]中で15分間振盪し、SDS化と還元アルキル化を行った。
2次元目のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動には、SE600 Vertical Electrophoresis System(Hoefer社製)を用いた。無蛍光ガラスプレート(18cm×16cm)を用いて作製した12%SDS−ポリアクリルアミドゲル上に一次元展開したIPGゲルを設置し、0.5%アガロースゲルで封入した。(1)800V,20mA,15分間、(2)1000V,60mA,5時間のプログラムで、泳動の先端がゲルの底面に達するまで泳動を行った。
(画像解析及び発現差異解析)
2D−DIGEゲルは、Typhoon 9410(Amersham Biosciences社製)を用いて、Cy2、Cy3、Cy5の蛍光色素に対応する励起光/蛍光フィルター(Excitation/Emission Cy2=488/522nm, Cy3=532/580 nm,Cy5=633/670nm)で蛍光標識タンパク質ゲル画像を取得した(Pixel Size=100μm)。
画像解析には、二次元電気泳動ゲル画像解析ソフトウェアであるProgenesis SameSpots(Nonlinear Dynamics社製)を用い、ゲル画像の歪み補正とゲル間のスポットマッチングを行った。スポットマッチングとは、複数のゲルで同一位置に存在するスポットを検出することであり、対応するスポットがないものや適切なスポットの形態をなしていないものは解析から除外した。最終的にすべてのスポットについて、適切なマッチングができているか手動で確認した。そして、すべてのゲル画像に共通して存在するスポットを同定し、内部標準サンプルを介した定量値の標準化、Anovaによる有意差検定を行った。
(質量分析用サンプルの調整とゲル内消化)
2D−DIGE解析に使用したサンプルと同様に調整したタンパク質サンプル150μgを用いて、上述の方法で二次元電気泳動を行い、質量分析用ゲルを作成した。質量分析用ゲルは、固定液[40%(v/v)ethanol、10%(v/v)acetic acid]中で18時間振盪し、固定した後、Flamingo Fluorscent Gel Stain(Bio−Rad Laboratories社製)染色液(1x)中で3時間、遮光、振盪して、染色した。次に染色後の質量分析用ゲルから、FluoroPhorestar 3000(Anatech社製)を用いて、タンパク質スポットの切り出しを行った。発現差異のあったタンパク質スポットを直径1.8mmのゲルピッカーで切り出し、回収した。ゲル片は超純水とアセトニトリルで洗浄した後、減圧下で乾燥させた。次にゲル片に10mM DTT/100mM NH4HCO3溶液を加え、56度で45分間反応させた後、55mM Iodoacetamide/100mM NH4HCO3溶液を加え、室温で30分間反応させ、還元アルキル化を行った。ゲル片を再度、超純水、アセトニトリル、100mM NH4HCO3で洗浄、乾燥させた後、トリプシン溶液(12.5ng/μl トリプシン、50mM NH4HCO3)を添加し、氷上で45分間静置した。続いて溶液を除去し、50mM NH4HCO3を加えて、37℃で16時間反応させた。トリプシンによってゲル内で消化されたペプチド断片は、25mM NH4HCO3、アセトニトリル、5%(v/v)ギ酸で回収し、減圧下で乾燥させた。
(LC−MS/MSとMS/MS ion searchによるタンパク質同定)
ペプチド断片抽出液は、液体クロマトグラフ/タンデム質量分析装置として高速液体クロマトグラフ Paradigm MS4(Michrom BioResources社製)及び質量分析装置 Finnigan LTQ(Thermo Fisher Scientific社製)を使用して、抽出液に含まれるペプチド断片の質量分析を行った。サンプルは、トラップカートリッジ(Peptide Cap Trap, Michrom BioResources社製)によりオンラインで脱塩・濃縮処理を行った後、LC部に導入した。LC部では、流速150μl/minで、固定相にL−column Micro(0.1×50mm、3μm、12nm、化学物質評価研究機構社製)、移動相にA溶媒(2%アセトニトリル、0.1%ギ酸)とB溶媒(90%アセトニトリル、0.1%ギ酸)を使用し、B溶媒の濃度を5%(0min)から45%(20min)まで直線勾配で上げ、ペプチド断片を連続的に溶出した。ペプチド断片は、MS部において、エレクトロスプレー法によるイオン化を行った後、イオントラップによって分離し、MSスペクトル(質量範囲m/z 450−2000)を取得した。さらに特定のm/zのイオン(プリカーサーイオン)を選択し、このイオンの衝突誘起解離によって生じるプロダクトイオンのMS/MSスペクトル(MS/MS解析)を取得した。得られたMSスペクトル及びMS/MSスペクトルについては、タンパク質同定解析ソフトMASCOTTM(Matrix Science社製)に供し、MS/MS ion searchによるタンパク質同定を行った。なおタンパク質データベースとして、Swiss−Protを使用した。
(候補タンパク質抽出)
同定タンパク質をAESDで増加したタンパク質、減少したタンパク質に分け、Scaffold(Proteome Software, Inc., http://www.proteomesoftware.com)を用いて、GO(Gene Ontology)解析を行いこれらがどのような機能、特徴を有するかを検討し、バイオマーカーの候補となるタンパク質を抽出した。
〔結果〕
(2D−DIGEを用いた網羅的なタンパク質発現解析と有意差を示すタンパク質スポットの同定)
図1に示すように、上記方法にてAESD症例の髄液、一相性脳症症例の髄液から抽出したタンパク質を2D−DIGEによって分離し、Cy2、Cy3、Cy5の蛍光色素に対応する励起画像を取得した結果、それぞれのゲル画像においてタンパク質スポットを検出した。この検出スポットについて、スポットマッチングを行い、すべてのゲル画像において共通して存在するタンパク質スポット(マッチングスポット)を1163個同定した。
このマッチングスポットについて、発現差異解析を行ったところ、AESDと一相性脳症との間に1.3倍以上の発現量の有意差を認めたタンパク質スポットを21個同定した。また、目視で2群に差があると思われたタンパク質スポットを2個、計23個を同定した。
(AESD髄液で発現差異を認めたタンパク質の同定)
発現差異を認めたタンパク質スポットについては、質量分析用ゲルからスポットの切り出しを行い、LC−MS/MSとMS/MS ion researchによるタンパク質同定を行った。発現差異を認めた23個のタンパク質スポットのうち、16個のスポットで解析が可能であった。同定したタンパク質の重複を除いた11種類のタンパク質について、解析ソフトウェア「Scaffold」を用いてGO解析を行った。7種類はAESDで発現が増加し、他の4種類のタンパク質はAESDで発現が減少していた。
これらのタンパク質、発現増加の割合、anovaの算出結果等を、下記の表3に示す:
Figure 0006947451
具体的には、AESDで発現が上昇したタンパク質は、Monocyte differentiation antigen CD14(図1の符号E、UniProtKB/Swiss−Prot:P08571)、Ig γ−1 chain C region(図1の符号A、UniProtKB/Swiss−Prot:P01857.1)、Ig γ−2 chain C region(図1の符号B、UniProtKB/Swiss−Prot:P01859.2)、Ig κ chain V−I region(図1の符号C)、Ig κ chain V−III region(図1の符号C、UniProtKB/Swiss−Prot:P01620.1)、Ig λ−2 chain C region(図1の符号D、UniProtKB/Swiss−Prot:P0CG05.1)、Ig heavy chain V−III region(PIR:S34012)であった。
また、AESDで低下したタンパク質は、Apolipoprotein E(図1の符号a、UniProtKB/Swiss−Prot:P02649)、Gelsolin(図1の符号b、UniProtKB/Swiss−Prot:P06396)、Clusterin(図1の符号c、UniProtKB/Swiss−Prot:P10909)、α2−Macroglobulin(図1の符号d、UniProtKB/Swiss−Prot:P01023)であった。
以下に同定されたタンパク質の特徴を示す。
いずれのタンパク質も細胞外に局在する性質を有した。特にAESDで上昇したタンパク質群は、炎症(免疫応答)に関連するタンパク質であった。一方、AESDで低下するタンパク質群として、GSN(Gelsolin)は繊毛形成に関与し、CLU(Clusterin)は細胞外シャペロンとして働き、ストレス誘導性のタンパク質凝集を阻害する。ApoE(Apolipoprotein E)は抗酸化作用を示し、アミロイドβやtauの重合を阻害する。A2M(α2−Macroglobulin)はプロテアーゼの阻害作用を有する。興味深いことにApoEとA2Mは同じレセプターLRP−1(UniProt ID: Q07954)を共有している。LRP−1は肝臓、肺臓以外に脳にも多く発現しており、神経機能にも関与している。
なお、上記実施の形態の構成及び動作は例であって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して実行することができることは言うまでもない。
本発明の脳症の検出方法、バイオマーカー、診断用組成物、及び診断用キットは、医師以外の検査技師等がAESDの検出に用いることができ、産業上に利用することができる。

Claims (3)

  1. けいれん重積型(二相性)急性脳症の診断用のバイオマーカーであって、
    髄液中のα2−Macroglobulinのタンパク質マーカーである
    ことを特徴とするバイオマーカー。
  2. けいれん重積型(二相性)急性脳症を診断するための診断用組成物であって、
    α2−Macroglobulinのタンパク質に特異的に結合する抗体を含む
    ことを特徴とする診断用組成物。
  3. けいれん重積型(二相性)急性脳症を診断するための診断用キットであって、
    α2−Macroglobulinのタンパク質に特異的に結合する抗体を含む
    ことを特徴とする診断用キット。
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