JP2007092993A - ポリウレタン製歯付ベルト及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト歯部の中で最も圧縮応力を受けるベルト歯元部とそれを含む領域を補強して高負荷伝動を可能にし、しかも製造の容易なポリウレタン製歯付ベルトとその製造方法を提供する。
【解決手段】長さ方向に沿って歯部2と溝部3を交互に形成し、心線5を背部4に埋設したベルトであって、前記歯部2に不織布11を埋設した歯付ベルトにおいて、該不織布11が芯部25と表面部26からなり、少なくとも表面部26の短繊維14をバインダー処理せずに形成し、さらに前もって圧力を掛け一定の厚みとしたものであって、上記表面部26の短繊維が芯部25から分離して動力伝達領域7に拡散し、芯部25が該動力伝達領域7に残存しているポリウレタン製歯付ベルト及びその製造方法。
【選択図】図4
【解決手段】長さ方向に沿って歯部2と溝部3を交互に形成し、心線5を背部4に埋設したベルトであって、前記歯部2に不織布11を埋設した歯付ベルトにおいて、該不織布11が芯部25と表面部26からなり、少なくとも表面部26の短繊維14をバインダー処理せずに形成し、さらに前もって圧力を掛け一定の厚みとしたものであって、上記表面部26の短繊維が芯部25から分離して動力伝達領域7に拡散し、芯部25が該動力伝達領域7に残存しているポリウレタン製歯付ベルト及びその製造方法。
【選択図】図4
Description
本発明はポリウレタン製歯付ベルト及びその製造方法に係り、ベルト歯部を補強したポリウレタン製歯付ベルト及びその製造方法に関する。
従来の歯付ベルトは、加硫ゴムから成形されたものや液状ポリウレタン等を原料として形成されたものが知られている。このうち、ポリウレタン製歯付ベルトは、耐候性と耐摩耗性に優れているために、屋外で使用される自転車等の動力伝動装置に装着されている。このポリウレタン製歯付ベルトは、ベルト長手方向に一定ピッチで歯部と溝部を交互に有し、ピッチライン上にガラス繊維やアラミド繊維等のロープからなる心線を背部に埋設した構成からなっている。
しかし、この歯付ベルトは溝部の歯底面に補強材が存在しないために、歯底面が摩耗して心線の損傷が起こりやすくなっていた。具体的には、駆動中に埃、砂等の異物がプーリ歯部表面とベルト歯底面の間にかみ込み、ベルト歯底面が擦られて摩耗しやすくなり、心線を露出させていた。その結果、心線は水分を吸収して強度低下を起こし、ベルトを早期に切断させていた。
この点を改善するために、荒目の織布をベルト歯底面に沿って配置したポリウレタン製歯付ベルトが特許文献1に提案され、またエラストマー材料を含浸した不織布をベルト歯底面に沿って配置したポリウレタン製歯付ベルトが特許文献2に記載されている。
実公昭46−6412号公報
実開昭63−66648号公報
更に、高負荷伝動の能力を持つベルトとして、心線にグレーグフィラメントの引張弾性率が約1.3×106kg/cm2のアラミド2型コード材料を使用し、ベルト歯部と歯底面に帆布を被覆したポリウレタン製歯付ベルトが、特許文献3に開示されている。更に、他のポリウレタン製歯付ベルトとして、ベルト歯底面にエラストマー材料を含浸し薄く圧縮された圧縮不織布を設け、歯部内ではこの圧縮不織布と連続する不織布が非加圧の拡散状態として分散され、歯部を補強した構成のものが、特許文献4に開示されている。
特公平3−9335号公報
特公平5−62657号公報
しかし、従来のベルト歯部と歯底面に帆布を被覆したポリウレタン製歯付ベルトは、帆がベルト歯部と歯底面を充分に保護しているために、心線の損傷が小さくて高負荷伝動を可能にしている。しかし、このベルトを製造する場合、帆布を予め金型の溝部に沿わせておかないと、帆布が歯部表面に密着することができなかった。
本発明はこのような問題点を改善するものであり、特にベルト歯部の中で最も圧縮応力を受けるベルト歯元部とそれを含む領域を補強して高負荷伝動を可能にし、しかも製造の容易なポリウレタン製歯付ベルトとその製造方法を提供することを目的とする。
本発明はこのような問題点を改善するものであり、特にベルト歯部の中で最も圧縮応力を受けるベルト歯元部とそれを含む領域を補強して高負荷伝動を可能にし、しかも製造の容易なポリウレタン製歯付ベルトとその製造方法を提供することを目的とする。
本願請求項1記載の発明は、長さ方向に沿って歯部と溝部を交互に形成し、心線を背部に埋設したベルトであって、前記歯部に不織布を埋設した歯付ベルトにおいて、該不織布が芯部と表面部からなり、少なくとも表面部の短繊維をバインダー処理せずに形成し、さらに前もって圧力を掛け一定の厚みとしたものであって、上記表面部の短繊維が芯部から分離して動力伝達領域に拡散し、芯部が該動力伝達領域に残存しているポリウレタン製歯付ベルトにある。
請求項2に記載の発明は、不織布の厚みが1.0〜2.0mmである請求項1に記載のポリウレタン製歯付ベルトにある。
請求項3に記載の発明は、前記動力伝達領域が、心線からベルト歯部先端に至るまでの高さをHとした場合に、心線からHの2/3付近までの動力伝達領域である請求項1又は2のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルトにある。
請求項4に記載の発明は、前記不織布の表面部が芯部に比べて大きい目付量を有している請求項1から3のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルトにある。
請求項5に記載の発明は、前記不織布の芯部の目付量が20〜50g/m2で、各表面部の目付量が50〜100g/m2である請求項4に記載のポリウレタン製歯付ベルトにある。
請求項6に記載の発明は、溝部を所定の間隔で設けた内金型の外周面に不織布を装着し、そして心線を巻き付けた後、この内金型を外金型に挿入して液状ポリウレタンを内金型と外金型の間の空間部に充満させ、硬化させて得られたベルトである、長さ方向に沿ってベルト歯部とベルト溝部を交互に形成し、心線を背部に埋設した形状のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法において、上記不織布として芯部と表面部からなり、少なくとも表面部の短繊維をバインダー処理せずに形成し、さらに前もって圧力を掛けることによってその厚みを調整したものであって、そして上記表面部の短繊維が液状ポリウレタンの流動中に芯部から分離して動力伝達領域に拡散し、芯部が該動力伝達領域に残存するものを使用するポリウレタン製歯付ベルトの製造方法にある。
請求項7に記載の発明は、不織布の表面部が芯部に比べて大きい目付量を有している請求項6記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法にある。
請求項8に記載の発明は、不織布の芯部の目付量が20〜50g/m2で、各表面部の目付量が50〜100g/m2である請求項7に記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法にある。
請求項9に記載の発明は、不織布の厚みが1.0〜2.0mmである請求項6から8のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法にある。
請求項10に記載の発明は、ベルト歯部の心線に近い領域が、心線からベルト歯部先端に至るまでの高さをHとした場合に、心線からHの2/3付近までの動力伝達領域である請求項6から9のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法にある。
本発明のポリウレタン製歯付ベルト及びその製造方法では、芯部と表面部を持つ不織布を使用し、成形時の液状ポリウレタンの流動中に不織布の表面部の短繊維を芯部から分離拡散させベルト歯部の中で最も圧縮応力を受けるベルト歯元部とこれを含む動力伝達領域に残存させることによって、ベルト歯部の中で最も圧縮応力を受けるベルト歯元部とこれを含む動力伝達領域を補強することができ、耐久性に優れ、高負荷伝動を可能にする歯付ベルトを得ることができる。
又、従来のようにベルト歯部全体を補強する場合に比べて、ベルト歯先部に補強材となる短繊維を存在させる必要がないために、使用する不織布を減量することができる。又、製造も容易である。
又、従来のようにベルト歯部全体を補強する場合に比べて、ベルト歯先部に補強材となる短繊維を存在させる必要がないために、使用する不織布を減量することができる。又、製造も容易である。
以下、本発明の実施例を添付図面に従って説明する。図1及び図3は本発明に係る歯付ベルトの製造方法を示す概略図である。これによると歯付ベルトは以下の通り製造される。
まず、不織布11は、圧縮ロール13間で力30〜50Nで加圧され、厚さ1.0〜2.0mmで厚み調整した連続した不織布11を、溝部21を有する内金型20の外面に配置した後、その上から心線5を巻き付けて不織布11をさらに圧縮する。このとき、不織布11は少し溝部21へ入り込む。
まず、不織布11は、圧縮ロール13間で力30〜50Nで加圧され、厚さ1.0〜2.0mmで厚み調整した連続した不織布11を、溝部21を有する内金型20の外面に配置した後、その上から心線5を巻き付けて不織布11をさらに圧縮する。このとき、不織布11は少し溝部21へ入り込む。
上記心線5としては、パラ系アラミド繊維(商品名:トワロン、ケブラー、テクノーラ)或いはガラス繊維(Eガラス、高強度ガラス)のいずれでも良く、その構成、太さ、撚り数等には左右されない。
又、ここで使用する不織布11は、長さ5〜60mmのポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、アクリル、ガラス等の繊維を素材とし、例えばウェブ中の繊維を機械的な作用により絡み合わせ、交絡させて強力を生じさせるニードルパンチ等により成形され、バインダー処理をしていない。構成している短繊維14は分離可能になっている。この不織布11は、図2に示すように、芯部25と表面部26の2層から形成され、表面部26の目付量は、芯部25のそれより大きくなっている。即ち、表面部26は多くの短繊維14を含み、液状ポリウレタンの流動中に芯部25から分離分散しやすくなっている。不織布の芯部25の目付量が20〜50g/m2で、各表面部26の目付量が50〜100g/m2である。
成形する前の不織布の厚みは、JISL1085に基づいて測定すると1.0〜2.0mmである。不織布11の厚みが2.0mmを超えると、歯底面から心線中心位置までのPLDが大きくなり、又不織布14の芯部25から分離し拡散した短繊維14がベルト歯先部8まで分散し、目的とする領域内での短繊維14の分散密度が小さくなって補強効果が小さくなる。一方、不織布11の厚みが1.0mm未満になると、不織布11の芯部25から分散する短繊維14の量が少なくなって、目的とする領域を充分に補強できなくなる。
芯部25と表面部26の比率については、特に制限はない。表面部26の厚みと目付量は、短繊維14の分離拡散する量やその拡散範囲を調節することができる。
尚、芯部25は短繊維14を分離拡散する必要が無い為、バインダー処理をしても良いが、不織布11が硬くなるためにバインダー処理をしないほうが好ましい。
芯部25と表面部26の比率については、特に制限はない。表面部26の厚みと目付量は、短繊維14の分離拡散する量やその拡散範囲を調節することができる。
尚、芯部25は短繊維14を分離拡散する必要が無い為、バインダー処理をしても良いが、不織布11が硬くなるためにバインダー処理をしないほうが好ましい。
このうち金型20を予め所定量の液状ポリウレタンを注入した外金型22内に挿入し、金型内を密閉して減圧して液状ポリウレタン内の気泡を除去した後に液状ポリウレタンを上方へ流動させて不織布11に浸透させる。このときの液状ポリウレタンの乱流によって不織布11の表面部26の短繊維14が芯部25から分離し所定領域内に拡散する。
尚、液状ポリウレタンを予め外金型に注型しておく必要はなく、内金型20を外金型22に設置した後、注型してもよい。
尚、液状ポリウレタンを予め外金型に注型しておく必要はなく、内金型20を外金型22に設置した後、注型してもよい。
液状ポリウレタンが上昇し終わると、金型内を開けて空気を入れて加圧し、所定温度で液状ポリウレタンを硬化させる。この時に金型温度は80〜150°Cである。硬化後にベルトスリーブを内金型20から抜き取り、輪状に切断して歯付ベルトが得られる。
図4は本発明に係る歯付ベルトの要部断面図であり、図4は図3に示す歯付ベルトの歯部の拡大図である。本発明の歯付ベルト1は、ベルト長手方向(図中矢印)に沿って複数の歯部2と溝部3とを交互に有し、背部4に心線5を埋設している。
上記歯部2は、心線5の外面Lからベルト歯部先端6に至るまでの領域を2つに区分され、心線5に近い領域がプーリからの大きな圧縮応力を受けて動力の伝達を担う動力伝達領域7になり、ベルト歯部先端6に至る領域をベルト歯先部8になる。
ベルト歯元部9は動力伝達領域7の一部となり、最も圧縮応力を受ける箇所になっている。動力伝達領域7とベルト歯先部8との境界線Bは、心線5の外面LからHの2/3付近、好ましくは1/2付近にある。
ベルト歯元部9は動力伝達領域7の一部となり、最も圧縮応力を受ける箇所になっている。動力伝達領域7とベルト歯先部8との境界線Bは、心線5の外面LからHの2/3付近、好ましくは1/2付近にある。
エラストマー材料を含浸した不織布11は、溝部の歯底面12と動力伝達領域7内に連続して配置されている。動力伝達領域7内の不織布11は、歯底面12のそれよりやや薄くなって心線5から垂れ下がった状態となり、動力伝達領域7を補強している。更に、上記動力伝達領域7内では、短繊維14が不織布11から分離して拡散し、動力伝達領域7の補強を助長している。
ベルト歯元部9では、他の動力伝達領域7に比べると不織布11及び短繊維14の添加量を多くして、補強強化を向上させている。
又、短繊維14の分散状態は、均一或いは不均一でも良い。
ベルト歯元部9では、他の動力伝達領域7に比べると不織布11及び短繊維14の添加量を多くして、補強強化を向上させている。
又、短繊維14の分散状態は、均一或いは不均一でも良い。
短繊維14を不均一に分散させた実施例が図5に示される。この歯付ベルト1では、短繊維14の分散密度がベルト歯元部9付近で最も高くなり、ベルト歯元部9を局部的に補強して、ベルト歯元部9の亀裂発生とその伝播を阻止することができる。
即ち、図6に示すように、ベルト歯部2において心線5の位置からベルト歯部先端6に至るまでの領域は、力学的にベルト歯部2の高さ方向に2つに分割される。心線5に近い動力伝達領域7は、図中矢印方向へ回転しているプーリ17からベルト歯元部9付近で大きな圧縮応力Fを受け、ベルト歯先部8に向かって徐々に小さな圧縮応力を受けている。ベルト歯元部9は図に示すように大きな圧縮歪みを受けている。
即ち、図6に示すように、ベルト歯部2において心線5の位置からベルト歯部先端6に至るまでの領域は、力学的にベルト歯部2の高さ方向に2つに分割される。心線5に近い動力伝達領域7は、図中矢印方向へ回転しているプーリ17からベルト歯元部9付近で大きな圧縮応力Fを受け、ベルト歯先部8に向かって徐々に小さな圧縮応力を受けている。ベルト歯元部9は図に示すように大きな圧縮歪みを受けている。
この動力伝達領域7とベルト歯先部8の境界線Bは、心線5の下面Lからベルト歯部先端6に至るまでの高さをHとした場合に、心線5の下面LからHの約2/3付近にある。
この動力伝達領域7に不織布11を配置するとともに、この不織布11から分離拡散した短繊維14をこの領域7内のみに存在させることで、集中的に動力伝達領域7を補強することができる。ベルト歯先部8は、圧縮応力を受けているが、補強材となる短繊維14を存在させる必要がなく、エラストマー材料で充分である。
又、動力伝達領域7内で拡散した短繊維14の分散密度をベルト歯元部9付近で最も高くすることで、ベルト歯元部9をさらに補強して亀裂発生を阻止することができる。
この動力伝達領域7に不織布11を配置するとともに、この不織布11から分離拡散した短繊維14をこの領域7内のみに存在させることで、集中的に動力伝達領域7を補強することができる。ベルト歯先部8は、圧縮応力を受けているが、補強材となる短繊維14を存在させる必要がなく、エラストマー材料で充分である。
又、動力伝達領域7内で拡散した短繊維14の分散密度をベルト歯元部9付近で最も高くすることで、ベルト歯元部9をさらに補強して亀裂発生を阻止することができる。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。
芯部の目付量30g/m2、各表面部の目付量70g/m2、厚さ2.3mmで、ニードルパンチにより成形され、バインダー処理がされていない6・6ナイロン繊維からなる不織布を、圧縮ロール間で力30〜50Nを加え加圧した。そして、厚さを1.8mmに調節した。そして、圧縮済の不織布を溝部を有する内金型の外面に装着した。
次に、この上に、アラミド繊維(商品名:トワロン:エンカ社製)1,090デニール/5本(5,450デニール)を引き揃え、S方向に11回/10cm、Z方向に25回/10cmの割合で撚られたS、Z一対の撚りコードとし、この撚りコードをスピニングした。心線占有率は90.0〜94.2%である。
芯部の目付量30g/m2、各表面部の目付量70g/m2、厚さ2.3mmで、ニードルパンチにより成形され、バインダー処理がされていない6・6ナイロン繊維からなる不織布を、圧縮ロール間で力30〜50Nを加え加圧した。そして、厚さを1.8mmに調節した。そして、圧縮済の不織布を溝部を有する内金型の外面に装着した。
次に、この上に、アラミド繊維(商品名:トワロン:エンカ社製)1,090デニール/5本(5,450デニール)を引き揃え、S方向に11回/10cm、Z方向に25回/10cmの割合で撚られたS、Z一対の撚りコードとし、この撚りコードをスピニングした。心線占有率は90.0〜94.2%である。
上記内金型を予め所定量の液状ポリウレタン原料(プレポリマー100質量部、3,3´−ジシクロ4,4アミノジフェニルメタンである硬化剤で20質量部、可塑剤20質量部、着色剤0.5質量部)を注型した外金型内に挿入して、金型内を密閉して減圧し液状ポリウレタンを上昇させて不織布内に浸透させた。液状ポリウレタンが上昇し終わると、金型内を開けて空気を入れて加圧し、金型温度110°Cで液状ポリウレタンを硬化させた。ポリウレタンの硬度は92°(JIS−A)であった。硬化後にベルトスリーブを内金型から抜き取り、輪状に切断して歯付ベルトを得た。得られたベルトサイズは、ベルトの歯型:S8M(STPD)、歯数:156、ベルト幅:12mm、歯ピッチ:8mmであった。
ベルトは、図5に示すように、エラストマー材料を含浸した不織布が溝部の歯底面と動力伝達領域内に連続して配置され、動力伝達領域内に位置する不織布の芯部から拡散した表面部の短繊維が該動力伝達領域内のみに存在していた。
ベルトは、図5に示すように、エラストマー材料を含浸した不織布が溝部の歯底面と動力伝達領域内に連続して配置され、動力伝達領域内に位置する不織布の芯部から拡散した表面部の短繊維が該動力伝達領域内のみに存在していた。
次に、このベルトを2軸走行試験機に取り付けて走行させ、耐久試験を行った。この走行試験は、ベルト駆動プーリ(歯数36)と従動プーリ(歯数36)に巻き付け、室温の雰囲気環境温度で駆動プーリの回転数1,200rpm、負荷4.8kw、ベルト初張力48kgで走行させた。その結果、ベルトは788時間で歯欠けを起こした。
尚、比較例1として、実施例1と同様の方法で作製した不織布を使用しない歯付ベルトを用いた場合には、17時間で切断した。
又、比較例2として、不織布の代わりに、厚さ0.4mmの6ナイロン繊維からなる織布を用いて、実施例1と同様の方法で作製した歯付ベルトは162時間で歯欠けを起こした。
尚、比較例1として、実施例1と同様の方法で作製した不織布を使用しない歯付ベルトを用いた場合には、17時間で切断した。
又、比較例2として、不織布の代わりに、厚さ0.4mmの6ナイロン繊維からなる織布を用いて、実施例1と同様の方法で作製した歯付ベルトは162時間で歯欠けを起こした。
1 歯付ベルト
2 歯部
3 溝部
4 背部
5 心線
6 ベルト歯部先端
7 動力伝達領域
8 ベルト歯先部
9 ベルト歯元部
11 不織布
12 歯底面
13 圧縮ロール
14 短繊維
20 内金型
21 溝部
22 外金型
25 芯部
26 表面部
2 歯部
3 溝部
4 背部
5 心線
6 ベルト歯部先端
7 動力伝達領域
8 ベルト歯先部
9 ベルト歯元部
11 不織布
12 歯底面
13 圧縮ロール
14 短繊維
20 内金型
21 溝部
22 外金型
25 芯部
26 表面部
Claims (10)
- 長さ方向に沿って歯部と溝部を交互に形成し、心線を背部に埋設したベルトであって、前記歯部に不織布を埋設した歯付ベルトにおいて、該不織布が芯部と表面部からなり、少なくとも表面部の短繊維をバインダー処理せずに形成し、さらに前もって圧力を掛け一定の厚みとしたものであって、上記表面部の短繊維が芯部から分離して動力伝達領域に拡散し、芯部が該動力伝達領域に残存していることを特徴とするポリウレタン製歯付ベルト。
- 不織布の厚みが1.0〜2.0mmである請求項1に記載のポリウレタン製歯付ベルト。
- 前記動力伝達領域が、心線からベルト歯部先端に至るまでの高さをHとした場合に、心線からHの2/3付近までの動力伝達領域である請求項1又は2のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルト。
- 前記不織布の表面部が芯部に比べて大きい目付量を有している請求項1から3のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルト。
- 前記不織布の芯部の目付量が20〜50g/m2で、各表面部の目付量が50〜100g/m2である請求項4に記載のポリウレタン製歯付ベルト。
- 溝部を所定の間隔で設けた内金型の外周面に不織布を装着し、そして心線を巻き付けた後、この内金型を外金型に挿入して液状ポリウレタンを内金型と外金型の間の空間部に充満させ、硬化させて得られたベルトである、長さ方向に沿ってベルト歯部とベルト溝部を交互に形成し、心線を背部に埋設した形状のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法において、上記不織布として芯部と表面部からなり、少なくとも表面部の短繊維をバインダー処理せずに形成し、さらに前もって圧力を掛けることによってその厚みを調整したものであって、そして上記表面部の短繊維が液状ポリウレタンの流動中に芯部から分離して動力伝達領域に拡散し、芯部が該動力伝達領域に残存するものを使用することを特徴とするポリウレタン製歯付ベルトの製造方法。
- 不織布の表面部が芯部に比べて大きい目付量を有している請求項6記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法。
- 不織布の芯部の目付量が20〜50g/m2で、各表面部の目付量が50〜100g/m2である請求項7に記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法。
- 不織布の厚みが1.0〜2.0mmである請求項6から8のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法。
- ベルト歯部の心線に近い領域が、心線からベルト歯部先端に至るまでの高さをHとした場合に、心線からHの2/3付近までの動力伝達領域である請求項6から9のいずれかに記載のポリウレタン製歯付ベルトの製造方法。
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JP2015048179A (ja) * | 2013-08-30 | 2015-03-16 | 東芝エレベータ株式会社 | エレベータ装置 |
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