JP2000002302A - 動力伝動用ベルト - Google Patents

動力伝動用ベルト

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JP2000002302A
JP2000002302A JP16761098A JP16761098A JP2000002302A JP 2000002302 A JP2000002302 A JP 2000002302A JP 16761098 A JP16761098 A JP 16761098A JP 16761098 A JP16761098 A JP 16761098A JP 2000002302 A JP2000002302 A JP 2000002302A
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JP
Japan
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rubber layer
rubber
power transmission
cog
transmission belt
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JP16761098A
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Takehiko Ito
武彦 伊東
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Mitsuboshi Belting Ltd
Original Assignee
Mitsuboshi Belting Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コグが完全にランダムに配置され騒音を低減
した動力伝動用ベルトを提供する。 【解決手段】 圧縮ゴム層2と伸張ゴム層3からなるゴ
ム層の少なくとも一方にコグ部を配設し、心線4が接着
ゴム層5内に埋設された動力伝動用ベルト1において、
上記コグ部のコグ6を少なくとも3種類のピッチ間隔で
長手方向にランダムに配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は動力伝動用ベルトに
係り、詳しくはコグが完全にランダムに配置され騒音を
低減させた動力伝動用ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】ローエッジVベルトで、耐屈曲疲労性の
向上及び小プーリ径での伝達容量を上げる為にベルト内
周面にコグを設けている。しかし、現状では該コグを等
ピッチで設けている為にコグがプーリと干渉し騒音が発
生していた。また、コグピッチが等間隔である為、上記
騒音は一定間隔で発生し同一周波数のみ増幅され音圧が
高くなっていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の発明
者はコグピッチの水準を5mmから10mmの6水準に
振ってベルトを作製した。しかし、完全にランダムに配
置しなければ、一定間隔のピッチの連続したコグ部分が
一周内に何箇所か存在したため、ベルトを走行させると
やはりその連続した同一ピッチのコグ部分の発音が増幅
されて騒音となっていた。これらは実開昭58−600
43号公報、実開昭52−117751号公報に記載さ
れているが、上記考案も一定の同一ピッチのコグ部分を
含んだものであったため、やはり騒音の問題は解決しな
かった。ここで本発明の目的はコグが完全にランダムに
配置され騒音を低減した動力伝動用ベルトを提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】さらに本発明者は同一ピッ
チの連続したコグが存在すれば、特定の周波数域で音圧
が増幅され、さらにコグピッチに規則性があれば共鳴し
やすい。ことを判明し、コグピッチの水準を7水準とし
て完全にランダマイズにしてベルト長手方向に配列した
ことにある。つまり、圧縮ゴム層と伸張ゴム層からなる
ゴム層の少なくとも一方にコグ部を配設し、心線が接着
ゴム層内に埋設された動力伝動用ベルトにおいて、上記
コグ部のコグを少なくとも3種類のピッチ間隔で長手方
向にランダムに配置した動力伝動用ベルトにある。上記
コグ部のコグを少なくとも3種類のピッチ間隔で長手方
向にランダムに配置したことから、ベルトコグ底面とプ
ーリとの接触音が特定の周波数域で増幅されずに共鳴も
することがない為に、ピークの音圧が低減されることに
より耳障りな音とならない効果がある。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明の動力伝動用ベルトのコグ
ピッチは少なくとも3種類で、好ましくは3〜8種類で
ある。コグピッチの種類が2種類であれば同一周波数と
なる箇所が多くなり、騒音低減の効果がない。また8種
類を越えると、最もピッチが大きいコグであれば、耐屈
曲疲労性に劣るようになる。上記コグピッチの水準は、
0.5〜12mmの範囲内で振るのが好ましい。コグピ
ッチの水準が0.5mmより小さくなるとコグの加工が
しにくくなり、12mmより大きくなるとコグ底面の長
さが大きくなりすぎ、耐屈曲疲労性に劣る。あるいは小
径のプーリでは伝達容量が小さくなる。そして上記コグ
ピッチの配列は乱数表を利用してランダマイズに並べ
る。
【0006】本発明の動力伝動用ベルトの圧縮ゴム層及
び伸張ゴム層には、天然ゴム、スチレン−ブタジエンゴ
ム、クロロプレンゴム、アルキル化クロロスルフォン化
ポリエチレン、水素化ニトリルゴム、水素化ニトリルゴ
ムと不飽和カルボン酸金属塩との混合ポリマー等のゴム
材の単独、またはこれらの混合物に、例えばパラ系アラ
ミド繊維(商品名:トワロン、ケブラー、テクノーラ)
単独、あるいはパラ系アラミド繊維とナイロン、ポリエ
ステル、ビニロン、綿、メタ系アラミド繊維(商品名:
コーネックス)等の短繊維を混合してベルト幅方向へ配
向している。具体的には、パラ系アラミド繊維とナイロ
ンとの混合したものがゴム中に混入され、ベルト幅方向
へ配向している。この短繊維の添加量は、ゴム100重
量部に対して5〜40重量部、好ましくは8〜15重量
部である。また、接着ゴム層には、上記短繊維を含めて
も良いが好ましくは含めない。
【0007】また上記の心線4としては、ポリエステ
ル、脂肪族ポリアミド、芳香族ポリアミド、レーヨン、
ガラス繊維、スチールワイヤー等の低伸度高強度のもの
を用いることができる。
【0008】また、伸張ゴム層3と圧縮ゴム層2には、
表面に沿って補強布10及び11を積層して耐屈曲疲労
性を高め、剪断力や引き裂き力に耐えることができる。
補強布10及び11としては、綿、ポリエステル繊維、
ナイロン等からなり、平織、綾織、朱子織等に製織した
布で、経糸と緯糸の交差角が90〜120°程度の広角
度帆布でも良い。上記補強布はRFL処理した後、ゴム
組成物をフリクション・コーチングしてゴム付帆布とす
る。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物
をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラ
テックスとしてはクロロプレン、スチレン・ブタジエン
・ビニルピリジン三元共重合体、水素化ニトリル、NB
Rなどである。
【0009】次に本発明の動力伝動用ベルトの製造方法
について説明する。本発明の図1に示す動力伝動用ベル
トの製造方法については、まず図4に示すような平坦な
プレス金型に乱数表を使用してランダムなピッチで配列
したコグを形成する溝10を刻設する。上記プレス金型
に刻設する溝の寸法は、製品としてのコグ部の寸法と比
べて相似形で1.02〜1.1倍の大きさに形成してお
くのが好ましい。ここで、プレス金型に刻設する溝の寸
法が製品のコグ部の寸法の1.02倍よりも小さければ
ゴムの収縮によって製品寸法よりも小さいコグができ、
一方刻設する溝の寸法を1.1倍よりも大きく設定する
と設計された寸法よりも製品としてのコグ寸法が大きく
なる。そして、上記溝が刻設したプレス金型に未加硫の
ゴムシートを載置し図4のようにプレス型13と押さえ
型14との間でゴムシートをプレスすることによって母
型ができるものである。このときのプレス条件は、温度
50〜90°C、プレス圧10〜15MPa、プレス時
間1〜5分が好ましい。
【0010】そして、成形機(図示せず)にモールドを
装着し、モールドの外周面に歯部と溝部を交互に有する
母型を嵌挿した後、補強布11、圧縮ゴム層2、接着ゴ
ム層5、心線4、伸張ゴム層3、そして補強布10をそ
れぞれ積層して外周面にジャケットを被せ加硫缶に入れ
加硫を行なう。加硫は通常の方法(160°C×40
分)で行なう。加硫した後、円筒状のスリーブをモール
ドから抜き取り、得られたベルトスリーブを所定幅に切
断してその後研磨を行ない動力伝動用ベルトを作製し
た。
【0011】また、他の製造方法としては、モールドの
表面に補強布10、伸張ゴム層3、接着ゴム層5、心線
4、圧縮ゴム層2、そして補強布11をそれぞれ積層し
て成形体を逆成形で作製し、内周面にピッチ間隔がラン
ダムに配列された歯部と溝部を交互に有する前もって作
製された外母型を嵌挿した後、ジャケットを嵌入し、加
硫するスパンコグ法によりベルトスリーブを作製するこ
ともできる。加硫は通常の方法(160°C×40分)
で行ない、加硫こした後得られたベルトスリーブを所定
幅に切断した後、研磨を行ない動力伝動用ベルトを作製
しても良い。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1、比較例 心線として、110デニールのポリエチレンテレフタレ
ート繊維を上撚り数8.8回/10cm、下撚り数2
1.0回/10cmで上下逆方向に撚糸して2×3の撚
り構成とし、トータルデニール6600の未処理コード
を準備した。当実施例はローエッジコグベルトであり、
上幅13.3mm、厚み8.7mm、長さ1055m
m、コグ部の深さ3mmであり、コグ部ピッチは、4m
m、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10m
mの7水準とした。
【0013】そして、コグの配置の方法としては、「日
科技連 数値表A」の乱数表を用いた。方法としては次
の通りである。 ページの選び方 目をつぶり乱数表の上に鉛筆を落として当たった数が1
〜6なら当たった数字の頁を選択し、当たった数字が0
または7〜9のいずれかの数字ならやり直す。 出発点の決定 目をつぶって乱数表の上に鉛筆を落し、当たったところ
にある2桁の数が01〜50ならそのまま、その他のと
きは50を引くかあるいは加えて行を決める。次に同様
にして列を決める。 ランダム配置 出発点から各ピッチの数字を決め、むだを取り去って出
てきた順番に並べた。
【0014】上記の方法で決めたコグの配列を予備成形
で母型を形成するプレス金型13の2500mmの長さ
に配列して刻設した後、その金型を用いて母型を形成し
てベルトの長さの分だけ残し後は取り除いた。そして成
形機にモールドを装着し、補強布、圧縮ゴム層、接着ゴ
ム層、心線、伸張ゴム層、そして補強布をそれぞれ積層
して成形体を正成形で作製し、外周面にジャケットを嵌
入し加硫した。加硫した後、円筒状のスリーブをモール
ドから抜き取り、得られたベルトスリーブを所定幅にV
形状に切断して動力伝動用ベルトを得た。
【0015】比較例1 実施例1とベルト材料及びベルトサイズは同じでコグの
端面をトリミングし、コグ部の角度を36°から60°
に広げコグ先端がプーリと接触しないようにしたものを
準備した。 比較例2 実施例1とベルト材料及びベルトサイズは同じでコグピ
ッチを5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10
mmの6水準に振り適当にコグピッチをランダマイズし
て振り分けた結果、一定間隔のピッチの連続したコグ部
分が一周内に何箇所か存在した。そして、上記実施例、
比較例1、比較例2で騒音の実験を行なった。試験条
件、レイアウトは図3に、試験結果は表1及び図5に示
す。
【0016】
【表1】
【0017】表1及び図5の結果より実施例の発音は各
周波数で起こっており、特定の周波数で大きくはなって
いない。このことより、最大音圧が低くなり、比較例1
及び2と比べて耳障りではないことがわかる。
【0018】
【発明の効果】以上のように本発明では、コグ部のコグ
を少なくとも3種類のピッチ間隔で長手方向にランダム
に配置したことにより、ベルトコグ底面とプーリとの接
触音が特定の周波数域で増幅されずさらに共鳴もするこ
とがない為に、ピークの音圧が低減されることにより耳
障りな音とならない効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動力伝動用ベルトの斜視図であ
る。
【図2】本発明に係る動力伝動用ベルトの側面図であ
る。
【図3】騒音試験を行なったレイアウト図である。
【図4】本発明の実施の形態の一例に使用するプレス型
と押さえ型を示す斜視図である。
【図5】騒音試験を行なった結果のグラフで周波数と音
圧の関係を表したグラフである。
【図6】金型に母型を被せた斜視図である。
【図7】比較例1の動力伝動用ベルトの斜視図である。
【図8】比較例2の動力伝動用ベルトの側面図である。
【符号の説明】
1 動力伝動用ベルト 2 圧縮ゴム層 3 伸張ゴム層 4 心線 5 接着ゴム層 6 コグ 8 駆動プーリ 9 従動プーリ 10 補強布 11 補強布 12 従動プーリ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧縮ゴム層と伸張ゴム層からなるゴム層
    の少なくとも一方にコグ部を配設し、心線が接着ゴム層
    内に埋設された動力伝動用ベルトにおいて、上記コグ部
    のコグを少なくとも3種類のピッチ間隔で長手方向にラ
    ンダムに配置したことを特徴とする動力伝動用ベルト。
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