JP2007092166A - 薄膜堆積装置、薄膜堆積方法及び化合物薄膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数種類の原料ガスを用いて薄膜を堆積する場合において、各原料ガスを効率的に分解可能とする。
【解決手段】 原料ガスを触媒体8で接触分解して生成した分解種により基板2上に薄膜を堆積させる薄膜堆積装置である。2種類以上の原料ガスを導入する原料ガス導入機構(シャワーヘッド4)と、構成材料が異なり原料ガスの分解に対して選択性を有する少なくとも2種類の触媒体8X,8Yとを備える。2種類以上の触媒体としては、例えばニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体である。第1の原料ガスとしてヘキサフルオロプロピレンオキサイドを導入し、第2の原料ガスとして水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種を導入することで、ポリテトラフルオロエチレン薄膜が堆積される。
【選択図】 図7

Description

本発明は、例えば半導体デバイスや食品包装、機械部品、繊維、一般有機基材等のコート膜として利用可能な高機能薄膜等を効率的に成膜可能とする薄膜堆積装置、薄膜形成方法に関するものであり、さらにはこれらを利用して形成される化合物薄膜に関する。特に、加熱した触媒体と原料ガスとの接触分解反応により薄膜を低温で堆積させる触媒化学気相堆積法の改良に関する。
触媒化学気相堆積法(Catalytic Chemical Vapor Deposition 法:Cat-CVD法)は、加熱した触媒体に原料ガスを接触させることで分解種を生成し、薄膜を堆積させる化学気相堆積方法であり、プラズマを用いないで薄膜を低温で成膜できること、プラズマによる基板への損傷を与えることなく原料ガスの分解種を堆積できること等の利点を有する薄膜堆積方法として知られている。この方法は、原料ガスの利用効率が高く、薄膜を高速で堆積でき、堆積領域の大面積化も可能であるので、太陽電池や液晶ディスプレイ用薄膜トランジスタ等の大面積デバイスの形成法として期待されている。また、さらにプラズマ損傷がないことから表面の脆弱な化合物半導体用の薄膜形成法として実用化されつつある。
例えば、この方法により、シラン(SiH4)ガスを原料ガスとし、1600℃以上に加熱されたタングステン(W)線を触媒体とすることで、アモルファスシリコン(a−Si)膜を成膜することが可能である。同様に、SiH4にアンモニア(NH3)を混合したものを原料ガスとし、同じくWを触媒体として窒化シリコン(SiNx)膜を成膜することが可能であり、さらには、トリメチルアルミニウム(TMA:Tri-Methyl-Aluminium)と酸素(O2)の混合ガスを原料ガスとし、イリジウム(Ir)を触媒体とすることで、酸化アルミニウム(Al2O3)を成膜することができることも知られている。
あるいは、前記のような無機薄膜に限らず、有機薄膜の成膜も検討されている。例えば、ヘキサフルオロプロピレンオキシド(HFPO:Hexa-Fluoro-Propylene-Oxide)を原料ガスとし、500℃前後に加熱されたニクロム(NiCr)線を触媒体とすることで、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜を形成することができることが知られている。
ところで、従来の触媒化学気相堆積法では、複数種類の原料ガスを用いる場合でも、1種類の触媒体でこれら複数の原料ガスを分解するのが一般的であり、したがって、単一の触媒体を複数の原料ガスの分解に共用することになる。そのため、原料ガスの種類によっては、全ての原料ガスを効率的に分解することができず、薄膜堆積に支障をきたすという問題が生じている。例えば、SiH4とNH3との混合ガスをW触媒体により接触分解する場合には、SiH4がNH3の分解に対して触媒毒として働き、NH3の分解効率をそれが単独で存在する場合に較べ1/10程度にも低下させるという問題がある。
そこで、このような問題を解決するため、複数の原料ガスを導入するに際して、各原料ガスの導入経路を空間的に分離することが提案されている(例えば、特許文献1等を参照)。特許文献1記載の発明では、シランガスとアンモニアガスの導入口手段を別々に設けるとともに、各導入口手段の導入口毎に発熱体(触媒体に相当する。)を配置し、これによってシラン及びアンモニアが熱分解され活性種が生成するようにしている。
特開2004−211160号公報
しかしながら、前記特許文献1記載の発明のように、複数の原料ガスに対してそれぞれ導入口手段を設置し、分離した空間から個別に原料ガスを導入する構造を採用したとしても、実際には分離した空間から十分な量の分解種を導出するのは困難である。例えば、特許文献1記載の発明では、各導入口手段の導入口にそれぞれ発熱体を設置しているが、基本的にはこれら発熱体は同一の発熱体である。特許文献1記載の発明では、各発熱体の温度を変えることにより各原料ガスに対する分解効率を最適化しようとしているが、温度制御だけで様々な種類の原料ガスに対応することは難しく、十分に分解効率を向上することができない可能性が高い。また、分離が不完全になれば結局双方のガスが漏れあってしまい、現実的には前記触媒毒による分解効率の低下を完全に回避することは難しく、全ての原料ガスの効率的な分解を実現することは困難である。
本発明は、このような従来の実情に鑑みて提案されたものであり、複数種類の原料ガスを用いて薄膜を堆積する場合において、各原料ガスを効率的に分解することが可能で、効率的な薄膜堆積を実現することが可能な薄膜堆積装置及び薄膜堆積方法を提供することを目的とする。また、本発明は、各原料ガスに対する触媒体を最適化することにより、様々な種類の原料ガスの組み合わせによる薄膜堆積を実現することが可能で、あらゆる種類の薄膜を良質に形成することが可能な薄膜堆積装置及び薄膜堆積方法を提供することを目的とする。
前述の目的を達成するために、本発明に係る薄膜堆積装置は、原料ガスを触媒体で接触分解して生成した分解種により基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積装置であって、2種類以上の原料ガスを導入する原料ガス導入機構と、構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体とを備え、前記少なくとも2種類の触媒体が同一空間に設置されるとともに、当該空間に前記2種類以上の原料ガスが混合して導入され、前記少なくとも2種類の触媒体は、それぞれ互いに異なる原料ガスの分解を選択的に行うことを特徴とする。
また、本発明に係る薄膜堆積方法は、原料ガスを触媒体で接触分解して生成した分解種により基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法であって、構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体を同一空間に設置するとともに、当該空間に2種類以上の原料ガスを混合して導入し、前記構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体により、それぞれ互いに異なる原料ガスの分解を選択的に行い、これにより生成する分解種により基板上に化合物薄膜を堆積形成することを特徴とする。
本発明においては、前記の通り、2種類以上の原料ガスを用いて薄膜を形成する際に、構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体を用いる。例えば、2種類の原料ガスを用いる場合に、構成材料が異なる2種類の触媒体を用いる。これにより、各原料ガスにとって最適な触媒体材料及び触媒体温度の選定が可能となり、各原料ガスが効率的に接触分解される。
例えば、原料ガスAは触媒体Xとの反応により効果的に分解されるが触媒体Yでの分解効率が低く、逆に、原料ガスBは触媒体Xでは効率良く分解できないが触媒体Yとの反応により効果的に分解されるような場合、触媒体X,Yを併用すれば、いずれの原料ガスA,Bも効果的に分解されることになる。このとき、例えば原料ガスAは触媒体Yに対してはほとんど解離吸着せず、一方原料ガスBは触媒体Xに対してほとんど解離吸着しない。すなわち、原料ガスAが触媒体Yに対する触媒毒となることはなく、原料ガスBが触媒体Xに対する触媒毒となることもない。したがって、原料ガスAと原料ガスBの導入に際して、空間分離しなくとも分解効率が触媒毒によって低下することはない。
従来技術は、原料ガスの一つが他の原料ガスの分解を妨げる等の問題や、空間的に分離するとの手法が実際は効果的ではないとの問題を抱えているが、本発明では、前記構成によりこれらの問題がいずれも解消される。
本発明によれば、複数種類の原料ガスを用いて薄膜を堆積する場合において、各原料ガスを効率的に分解することが可能で、効率的な薄膜堆積を実現することが可能である。また、各原料ガスの導入に際して、これらを空間的に分離する必要がないので、装置構成を簡略化することができる。さらに、各原料ガスに対して触媒体を最適化することが可能であるので、様々な種類の原料ガスの組み合わせによる薄膜堆積を実現することが可能で、あらゆる種類の薄膜を良質に形成することが可能である。
以下、本発明を適用した薄膜堆積装置及び薄膜堆積方法、さらにはそれにより形成される化合物薄膜について、詳細に説明する。
先ず、触媒化学気相堆積法により薄膜の堆積を行う薄膜堆積装置の基本構造について説明する。触媒化学気相堆積法により薄膜の堆積を行う薄膜堆積装置は、例えば図1に示すように、成膜空間を構成する減圧チャンバ1と、薄膜が堆積形成される基板2を載置する基板ホルダ3と、原料ガスを供給するシャワーヘッド4と、供給された原料ガスと接触しこれを分解する触媒体ユニット5とから構成されている。
本例の場合、赤外線サーモメータ6を備えた減圧チャンバ1内において、基板ホルダ3が底部近傍に上下動可能に配置されるとともに、当該基板ホルダ3の近傍に触媒体5を設置した構造を有している。前記基板ホルダ3は、基板(ウエハ)2をセッティングする際には下降し、ロボット等により搬送された基板2が載置される。基板2をセッティングした後、前記基板ホルダ3は上昇し、基板2を前記触媒体ユニット5に接近させる。また、前記シャワーヘッド4は、前記基板ホルダ3上の基板2と対向する形で設置されており、したがってシャワーヘッド4と基板2の間の空間に前記触媒体ユニット5が配置された構造を有し、シャワーヘッド4から供給される原料ガスは、前記触媒体ユニット5の枠体7に張り渡された触媒体ワイヤ8と接触して分解された後、前記基板2上に到達することになる。
本発明においては、前記構造の薄膜堆積装置において、シャワーヘッド4から複数種類原料ガスを導入するとともに、これら複数種類の原料ガスに対応して構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体を用いてこれら複数の原料ガスを接触分解することが大きな特徴である。
例えば、前記シャワーヘッド4から2種類の原料ガスを導入する薄膜堆積装置においては、構成材料が異なる2種類の触媒体ワイヤを備えた触媒体ユニット5を配置する。図2は、構成材料が異なる2種類の触媒体ワイヤを備えた触媒体ユニット5の一例を示すものであり、本例の場合、第1の触媒体材料からなる触媒体ワイヤ8Xと、第2の触媒体材料からなる触媒体ワイヤ8Yとが枠体7に交互に張り渡されている。このような2種類の触媒体ワイヤ8X,8Yを備えた触媒体ユニット5を前記触媒体ユニットとして用いれば、2種類の原料ガスをこれら2種類の触媒体ワイヤ8X,8Yで接触分解することが可能である。
あるいは、図3に示すように、2種類の触媒体ワイヤ8X,8Yをそれぞれ張り渡した2種類の触媒体ユニット5A,5Bを重ねて配置するようにしてもよい。この場合にも、2種類の原料ガスは、これら触媒体ユニット5A,5Bによって順次接触分解される。
前述のように、2種類の原料ガスを導入する薄膜堆積装置において、構成材料が異なる2種類の触媒体ワイヤ8X,8Yを設置する場合、各触媒体ワイヤ8X,8Yの構成材料は任意に選択することができるが、これら触媒体ワイヤ8X,8Yには、互いに異なる原料ガスの分解を選択的に行い得るような構成材料を選択する必要がある。例えば、触媒体として触媒体ワイヤ8X及び触媒体ワイヤ8Yを備えるとともに、原料ガスとして第1の原料ガスA及び第2の原料ガスBが導入される場合、前記第1の原料ガスAの分解は触媒体ワイヤ8Xが選択的に行い、第2の原料ガスBの分解は触媒体ワイヤ8Yが選択的に行うようにそれぞれの構成材料を選択する。この場合、触媒体ワイヤ8Xによる第1の原料ガスAの分解効率は、触媒体ワイヤ8Xによる第2の原料ガスBの分解効率の2倍以上であることが好ましく、触媒体ワイヤ8Yによる第2の原料ガスBの分解効率は、触媒体ワイヤ8Yによる第1の原料ガスAの分解効率の2倍以上であることが好ましい。
なお、前記触媒体ワイヤ8X,8Yの原料ガス分解における選択性は、同一条件での薄膜の堆積速度から判断することが可能である。例えば、触媒体ワイヤ8Xのみを用いて原料ガスA,Bの分解反応による薄膜堆積を行い、さらに触媒体ワイヤ8Yのみを用いて原料ガスA,Bの分解反応による薄膜堆積を行う。この時の薄膜堆積速度をそれぞれS1,S2とする。次いで、触媒体8X,8Yを用いて原料ガスA,Bの分解反応による薄膜堆積を行い、この時の薄膜堆積速度をS3とする。2種類の触媒体ワイヤ8X,8Yを用いた場合の薄膜堆積速度S3がいずれか一方の触媒体ワイヤを用いて薄膜堆積を行った場合の薄膜堆積速度S1,S2よりも大きければ、前記選択性があるものと判断する。また、前記薄膜堆積速度S3が前記薄膜堆積速度S1,S2の2倍以上であれば、2倍以上の選択性(触媒体ワイヤ8Xによる第1の原料ガスAの分解効率が、触媒体ワイヤ8Xによる第2の原料ガスBの分解効率の2倍以上であり、触媒体ワイヤ8Yによる第2の原料ガスBの分解効率が、触媒体ワイヤ8Yによる第1の原料ガスAの分解効率の2倍以上である。)を有するものとする。
前記触媒体ワイヤ8X,8Yの具体的な構成材料としては、例えば、ニッケルを含有する触媒体材料や、白金を含有する触媒体材料、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選ばれる少なくとも1種を含有する触媒体材料等を使用することが可能である。具体的には、ニッケルを含有する触媒体材料としては、ニッケル、ニクロム、インコネル等を挙げることができ、白金を含有する触媒体材料としては、白金、白金パラジウム、白金イリジウム、白金ロジウム等を挙げることができる。これらの中から、導入する原料ガスの種類に応じて、最適な触媒体材料(すなわち各原料ガスを効果的に分解できる触媒体材料)を2種類選択し、これらを組み合わせて用いればよい。例えば、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体の組み合わせや、白金を含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体の組み合わせ等が好適である。
これら触媒体材料の中から各原料ガスに最適な触媒体材料を選択し、前記触媒体ワイヤ8X,8Yに用いればよい。なお、触媒体材料は2種類に限られるものではなく、例えば3種類以上の原料ガスを用いる場合には、これに対応して3種類以上の触媒体材料を選択することも可能である。具体的には、3種類の原料ガスを導入する場合に、構成材料の異なる3種類の触媒体ワイヤ8X,8Y,8Zを用いる。4種類の原料ガスを導入する場合に、構成材料の異なる4種類の触媒体ワイヤ8X,8Y,8Z,8Wを用いる。
なお、前記のように各原料ガスに対応して触媒体材料を選定するのが理想的であるが、例えば3種類以上の原料ガスを用いる場合に、一部原料ガスにおいて触媒体を共用することも可能である。例えば、3種類の原料ガスA,B,Cを導入する場合、構成材料の異なる2種類の触媒体ワイヤ8X,8Yを用い、触媒体ワイヤ8Xで原料ガスA,Bを分解し、触媒体ワイヤYで原料ガスCを分解するようにすることが可能である。
以上が、本発明を適用した薄膜堆積装置の構成であるが、本発明装置の構成が前記構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。例えば、前記薄膜堆積装置では、触媒体として触媒体ワイヤを備えた触媒体ユニットを設置するようにしたが、シャワーヘッドに触媒体を組み込むことも可能である。
図4は、触媒体を組み込んだシャワーヘッドを用いた薄膜堆積装置の概略図である。この薄膜堆積装置は、減圧チャンバ11の中に基板ホルダ12、減圧チャンバ11内部に一端を開口する多数の孔17aを有するシャワーヘッド15、処理済ガスを排気する排気口14、及びシャワーヘッド15に原料ガスを供給する原料ガス供給手段である配管(図示せず)を備えたものである。基板ホルダ12上には試料基板13が置かれ、加熱・冷却機構を備えた基板ホルダ12により最適温度に保たれる。シャワーヘッド15の内部は、原料ガスがシャワーヘッド15内で均一に分布し、これによりガスがシャワーヘッド15から均一に放出されるように、例えば拡散板16等が取り付けられ、そのシャワーヘッド15からの原料ガスの放出口である孔には、筒状の触媒体が取り付けられているが、本発明の場合、触媒体として構成材料が異なる2種類の触媒体17X,17Yが取り付けられている。
このため、このシャワーヘッド15の孔17aからは、例えば2種類の原料ガスがそれぞれ前記触媒体17X,17Yで接触分解された分解種が減圧チャンバ11内へ矢印で示すガス流となって放出される。また、シャワーヘッド15の原料ガスが通過した後に放出される側の面、つまりシャワーヘッド15の外壁下面側において、前記細孔以外の部分が石英、テフロン(登録商標)等のラジカル又は分解種との反応を起こし難い材料からなる保護材18が取り付けられており、分解種の密度をそれらが外壁下面と衝突することにより低下させないようにしている。この保護材18としては、前記細孔以外の部分の全域に配することも可能である。
図5は、前記シャワーヘッド15の内部、特に筒状の触媒体周辺の詳しい断面図である。この図5は、図4における筒状の触媒体17X,17Y部分のみを拡大して示すものである。触媒体17X,17Yは、前記の通り、2種類の原料ガスに対応してそれぞれ最適な触媒体材料により形成され、シャワーヘッド15に多数形成された孔17aの内壁を被覆するような筒状体として形成されている。筒状体の形状は、多角形状、円筒状等、任意であるが、製作が容易であることから円筒状とすることが好ましい。触媒体17X,17Yは、ステンレス製の構造板21との熱絶縁を図るためのタングステン製薄板22と、同様な目的の下面のタングステン製薄板25に挟まれて固定されている。下面の薄板25は冷却液32が内部に流せる冷却板26により固定されている。これにより、シャワーヘッド15の下面が加熱されてそこから輻射熱が試料基板13の方向に放散されることを防いでいる。
なお、薄板22,25はタングステン以外に、所定の温度で溶融したり機械的強度が低下したり汚染物質を放出しない金属ならば基本的には任意の金属が使用でき、具体的にはモリブデン、タンタル、場合によってはステンレス等も使用できる。
また、孔17aや触媒体17X,17Yの寸法は、孔17aを通過するガスの流速を上昇させることにより他のガスがこの細孔近傍に近づくことを抑止し得る程度とすることが好ましい。具体的には、孔17aの内径は0.01mm以上、3mm以下であることが好ましい。なお、孔17aの内壁は前記触媒体17X,17Yで被覆されているので、触媒体17X,17Yの内径を、ここでいう孔17aの内径とする。孔17aの内径を小さく抑えることで、孔17aを通過する原料ガスの流速を上げ、他のガスがその細孔17aへ近づくことを抑止し、触媒上の活性点を占有するいわゆる触媒毒となるガスの影響を避けて任意のガスの分解を効率良くなすことを可能にする効用が生じる。ただし、孔17aの内径が0.01mm未満であると、孔17a内部に触媒体17X,17Yを配置することが物理的に困難となるおそれがある。また、触媒体17X,17Yの内径と孔17aの長さとの比に関しては、孔17aの長さが触媒体17X,17Yの内径の2倍以上、1000倍以下であることが好ましい。前記範囲とすることで、孔中を流れるガスの速度を適切なものとすることができる。ただし、孔17aの長さが前記内径の1000倍以上とすると、例えば前記内径が1mmである場合に孔17aの長さ(シャワーヘッド15厚み)が1000mm以上にもなり、現実的でない。
シャワーヘッド15内の拡散板16で均一化された、領域Aにおける原料ガスの流れは、矢印に示すようなものであり、さらに加熱された筒状の触媒体17X,17Yの中を矢印に示すように流れ、加熱された触媒体17X,17Y内壁との接触分解反応により分解種となり、矢印に示すように流れて領域Cの減圧チャンバ11内に放出される。シャワーヘッド15の下面には、放出された分解種が消滅しないように石英板27が固定されている。この石英板27は、図4の保護材18に対応するものである。領域Bは筒状の触媒体17X,17Yが保持されている絶縁空間である。
前記構造のシャワーヘッド15においては、上面の構造板21等と下面の冷却板26等との間に電源31より電圧を印加し、筒状の触媒体17X,17Yを通じて電流を流す。電圧は電圧計29により、電流は電流計30により計測される。これにより、筒状の触媒体17X,17Yの長さ方向に電流が流れ、筒状の触媒体17X,17Yが通電加熱される。この時の触媒体の加熱温度は発生する分解種の密度を決定する第一の要因であり、したがって各触媒体17X,17Y毎に最適化することが好ましい。このため、触媒体17X,17Y毎に前記加熱機構を独立して設けることが好ましい。
通電加熱により触媒体17X,17Yを加熱することで、加熱領域が筒状の孔部分のみに限定される。この結果、筒状の触媒体17X,17Yの内面同士が相互に輻射熱を照射して加熱し合うので、輻射熱の放出方向に極端な異方性が生じ、基板への輻射熱を低減できるという効果も生じる。このことは、80℃以下の低温で膜堆積を行う必要のある有機材料上への薄膜堆積には特に有効である。
前述のように、シャワーヘッド15に触媒体17X,17Yを組み込む場合、原料ガス流路を空間的に分離し、各原料ガスの流路に対応して触媒体17X,17Yを設けるようにすることも可能である。図6は、複数ガスの分解を独立に行えるように工夫したシャワーヘッドの構造の概略を示したものである。なお、ここでは電源等の図示及び説明を省略しているが、複数の原料ガスに対応するような構造とされること以外は、図3乃至図5に示した構造を流用することができる。
図6のシャワーヘッド41においては、原料ガス毎に独立した流路が内部に設けられており、その出口である孔も独立した構造となっている。図6に示すシャワーヘッド41においては、A,B2種類の原料ガスの使用が想定されている。原料ガスAはシャワーヘッド41内の流路42の中を流れ、孔43から流れ出る。一方、原料ガスBは流路44の中を流れ、孔45から流れ出る。そして、各孔43,45には、それぞれ各原料ガスに対して最適な触媒46X,46Yが設けられており、これにより、2種類の原料ガスは独立に接触分解反応により分解されて減圧チャンバの中に放出される。
次に、前述の薄膜堆積装置を用いた薄膜堆積方法について説明する。図1に示す薄膜堆積装置を用いて化合物薄膜を形成する場合には、例えばシャワーヘッド4から2種類の原料ガスを導入するとともに、これら原料ガスを構成材料が異なる2種類の触媒体8X,8Yで接触分解する。
成膜する化合物薄膜は、無機化合物薄膜であってもよいし、有機化合物薄膜であってもよい。そして、前記シャワーヘッド4から導入する原料ガスは、成膜する化合物薄膜の種類に応じて選定すればよい。
導入可能な原料ガスを例示するならば、1,3,5−トリビニル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチルシクロトリシロキサン、1,3,5−トリエチル−1,3,5−トリメチルシクロトリシロキサン、ビニルアルキルシロキサン(例えば、1,3,5−トリメチル−1,3,5−トリビニルシクロトリシロキサン)、ビニルアルキルシラン、1,3,5,7−テトラビニル−1,3,5,7−テトラメチルシクロトリシロキサン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、アリルジクロロシラン、アリルジメトキシシラン、アリルジメチルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルトリメトキシシラン、ビス(ジメチルアミノ)ビニルメチルシラン、パラ−(t−ブチルジメチルシロキシ)スチレン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジエチルシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルシラン、ジビニルテトラメチルシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン、エチルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5,−ヘキサメチルトリシロキサン、ヘキサビニルジシロキサン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルシラン、テトラエトキシシラン、テトラエチルシクロテトラシロキサン、テトラエチルシラン、テトラメトキシシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、テトラメチルシラン、テトラビニルシラン、トリメチルシラン、ビニルジメチルシラン、ビニルメチルビス(トリメチルシロキシ)シラン、3−ビニルヘプタメチルトリシロキサン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルオキシトリメチルシラン、ビニルペンタメチルジシロキサン、ビニルテトラメチルジシロキサン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、C、C、CFH、CF、CF、CFCOCF、CFClCOCFCl、CFClCOCFCl、CFCOOH、ジフルオロハロメタン(CFBr、CFHBr、CFHCl、CFCl、CFFCl等)、ジフルオロシクロプロパン(C、C、CCl、CCl、CCl)、トリフルオロメチルフルオロフォスファン[(CFPF、(CFPF、(CF)PF]、トリフルオロメチルフォスフィノ化合物[(CFP、(CFP−−P(CF、(CFPX、CFPX(ただし、XはF、 Cl、またはHである。)]等を挙げることができる。
以上は、主に無機化合物薄膜(シリコン系薄膜)を成膜するための原料ガス種であるが、本発明では有機化合物薄膜の成膜も可能である。この場合、使用する原料ガスとしては、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(第1の原料ガス)と水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種(第2の原料ガス)の組み合わせや、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(第1の原料ガス)とジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、CF2=CF(CF2)nCOOR(ただし、式中のnは任意の整数であり、Rはアルキル基を表す。)、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、ヘキサフルオロアセトンから選ばれる少なくとも1種(第2の原料ガス)の組み合わせ、さらには1,3,5−トリオキサン、トリエチルアミン、t−ブチルパーオキサイドから選ばれる少なくとも1種(第1の原料ガス)と水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種(第2の原料ガス)の組み合わせ等を例示することができる。これら原料ガスの組み合わせにより、ポリテトラフルオロエチレン(1番目の組み合わせ)や、フッ素を主骨格に含む共重合体の薄膜(2番目の組み合わせ)、ポリオキシメチレンまたはポリグリシジルメタクリレートの薄膜(3番目の組み合わせ)が成膜される。
前記原料ガスを使用する場合、原料ガスに応じて触媒体を選択することが重要であり、例えば、第1の原料ガスとしてヘキサフルオロプロピレンオキサイドを導入するとともに、第2の原料ガスとして水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種を導入し、ポリテトラフルオロエチレンの薄膜を堆積させる場合には、前記2種類の触媒体として、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体との組み合わせとするのが良い。同様に、第1の原料ガスとしてヘキサフルオロプロピレンオキサイドを導入するとともに、第2の原料ガスとしてジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、CF2=CF(CF2)nCOOR(ただし、式中のnは任意の整数であり、Rはアルキル基を表す。)、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、ヘキサフルオロアセトンから選ばれる少なくとも1種を導入し、フッ素を主骨格に含む共重合体の薄膜を堆積させる場合にも、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体の組み合わせが好適である。第1の原料ガスとして1,3,5−トリオキサン、トリエチルアミン、t−ブチルパーオキサイドから選ばれる少なくとも1種を導入するとともに、第2の原料ガスとして水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種を導入し、ポリオキシメチレンまたはポリグリシジルメタクリレートの薄膜を堆積させる場合にも、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体の組み合わせが好適である。
前記の組み合わせで原料ガスをシャワーヘッド4から導入すると、各原料ガスがそれぞれを分解するのに最適な触媒体によって接触分解される。例えば、前記ポリテトラフルオロエチレン薄膜を成膜する場合、第1の原料ガスであるヘキサフルオロプロピレンオキサイドは、ニッケルを含有する第1の触媒体により接触分解され、第2の原料ガスである水素やアンモニアは、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体により分解される。
触媒体ユニットを通過することで前記接触分解により生成した分解種は、基板2上に到達し、所定の化合物薄膜(例えばポリテトラフルオロエチレン薄膜)を形成する。成膜されるポリテトラフルオロエチレン薄膜は、表面性等に優れた良質な薄膜である。
以下、本発明の実施例について、具体的な実験結果を基に説明する。
触媒体の種類による原料ガス分解能の検証
触媒体としてニクロム(NiCr)、インコネル600、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、2%トリエテッドタングステン各材料を触媒体とし、ヘキサフルオロプロピレンオキサイド(以下、HFPOと称する。)ガスを原料ガスとしてポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEとい称する。)膜をシリコン基板上に室温で堆積することを試みた。図7は、堆積を試みた試料の赤外吸収スペクトルを測定した結果を示すものである。触媒体温度はほぼ800℃前後としている。この図7において、赤外吸収のピークが小さいか見られない試料は、シリコン基板上にPTFE膜がほとんど堆積していないことを示している。すなわち、図7は、HFPO原料ガスを800℃程度の触媒体温度で分解できる触媒体材料が限られていること、及び分解できる触媒体材料は全てNi成分を含む材料であることを示している(インコネルはNiを含む。)。例えば、NiCr線を用いてPTFE膜は形成できるが、W線を用いたのではHFPOからPTFE膜を作れない。また、別の実験によれば、W触媒体では1800℃まで触媒体温度を上げてもPTFE膜は形成できなかった。この実験結果は、PTFEの製膜機構が単なる熱分解によるものではなく、触媒反応に基づくものであることを明確に示している。
一方、図8は、水素分子ガスを原料ガスとし、NiCrとWを触媒体とした時の、質量分析計で測定した水素原子シグナルの大きさを触媒体温度の関数として示したものである。水素原子の発生は、触媒体温度が900℃を超えるとわずかに見られるようになり、1000℃を超える特にW触媒体を用いた場合に顕著となる。
これら2つの図は、本発明に至る根幹的データを示すものである。PTFE膜形成の場合を例に取れば、HFPOは800℃のNiCr線により分解するが、WはHFPOを触媒分解することができない。一方、W温度を1000℃以上にすると水素分子は分解されて水素原子になるが、HFPOはW上では分解されない。すなわち、HFPOを原料ガスA、触媒体XをNiCr線とし、水素分子ガスを原料B、触媒体YをWとする系では、選択性はほぼ無限大倍で完全選択性を有し、それぞれの原料ガスに対応する触媒体がそれぞれ独立に分解反応に寄与し、薄膜形成が可能となるものと考えられる。
PTFE薄膜の堆積
HFPOを原料ガスとし、800℃のNiCr線を単一の触媒体とする従来からの触媒化学気相堆積法、及びNiCr線を800℃、W線を1800℃とし、原料ガスとしてHFPOと水素分子ガスを用いた本発明の触媒化学気相堆積法により、それぞれPTFE膜を成膜した。成膜に際しては、図1に示す薄膜堆積装置を用いた。
図9(a)は、従来からの触媒化学気相堆積法により室温で形成されたPTFE膜の表面の微細な凹凸を原子間力顕微鏡(AFM)で観察した結果を示すものである。また、図9(b)は、複数材料触媒体を用いた本発明の触媒化学気相堆積法により室温で形成されたPTFE膜の表面を同様にAFMで観察したものである。図9(a)にあった表面の細かな凹凸は、図9(b)に示すように水素添加で消滅し、PTFE膜が表面平坦性が高く、均質な膜になったことを示している。これは、本発明によりPTFE膜を成膜することの効用を示す一例である。
薄膜堆積装置の構成の一例を模式的に示す図である。 触媒体ユニットの一例を示す概略平面図である。 触媒体ユニットの他の例を示す概略斜視図である。 シャワーヘッドに触媒体を組み込んだ薄膜堆積装置の一例を模式的に示す図である。 シャワーヘッドを一部拡大して示す概略断面図である。 原料ガスA,Bの流路を空間的に分離したシャワーヘッドの例を模式的に示す断面図である。 触媒体材料相違による試料の吸収スペクトルの相違を示す図である。 触媒体温度と質量分析計で測定された水素原子シグナルの大きさの関係を示す特性図である。 成膜されたPTFE膜の表面のAFM像であり、(a)は従来法により成膜されたPTFE膜のAFM像、(b)は本発明法により成膜されたPTFE膜のAFM像である。
符号の説明
1,11 減圧チャンバ、2 基板、3,12 基板ホルダ、4,15 シャワーヘッド、5 触媒体ユニット、6 赤外線サーモメータ、7 枠体、8,8X,8Y 触媒体ワイヤ、17X,17Y,46X,46Y 触媒体

Claims (26)

  1. 原料ガスを触媒体で接触分解して生成した分解種により基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積装置であって、
    2種類以上の原料ガスを導入する原料ガス導入機構と、構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体とを備え、
    前記少なくとも2種類の触媒体が同一空間に設置されるとともに、当該空間に前記2種類以上の原料ガスが混合して導入され、
    前記少なくとも2種類の触媒体は、それぞれ互いに異なる原料ガスの分解を選択的に行うことを特徴とする薄膜堆積装置。
  2. 前記触媒体として第1の触媒体及び第2の触媒体を備えるとともに、原料ガスとして第1の原料ガス及び第2の原料ガスが導入され、
    前記第1の原料ガスの分解は第1の触媒体が選択的に行い、前記第2の原料ガスの分解は第2の触媒体が選択的に行うことを特徴とする請求項1記載の薄膜堆積装置。
  3. 前記第1の触媒体による第1の原料ガスの分解効率は、第1の触媒体による第2の原料ガスの分解効率の2倍以上であり、
    前記第2の触媒体による第2の原料ガスの分解効率は、第2の触媒体による第1の原料ガスの分解効率の2倍以上であることを特徴とする請求項2記載の薄膜堆積装置。
  4. 前記2種類以上の触媒体として、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の薄膜堆積装置。
  5. 前記第1の触媒体が、ニッケル、ニクロム、インコネルから選択される1種により形成されていることを特徴とする請求項4記載の薄膜堆積装置。
  6. 前記2種類以上の触媒体として、白金を含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体とを備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の薄膜堆積装置。
  7. 前記第1の触媒体が、白金、白金パラジウム、白金イリジウム、白金ロジウムから選択される1種により形成されていることを特徴とする請求項6記載の薄膜堆積装置。
  8. 第1の原料ガスとしてヘキサフルオロプロピレンオキサイドが導入されるとともに、第2の原料ガスとして水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種が導入されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の薄膜堆積装置。
  9. 堆積される薄膜がポリテトラフルオロエチレンの薄膜であることを特徴とする請求項8記載の薄膜堆積装置。
  10. 第1の原料ガスとしてヘキサフルオロプロピレンオキサイドが導入されるとともに、第2の原料ガスとしてジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、CF2=CF(CF2)nCOOR(ただし、式中のnは任意の整数であり、Rはアルキル基を表す。)、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、ヘキサフルオロアセトンから選ばれる少なくとも1種が導入されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の薄膜堆積装置。
  11. 堆積される薄膜がフッ素を主骨格に含む共重合体の薄膜であることを特徴とする請求項10記載の薄膜堆積装置。
  12. 第1の原料ガスとして1,3,5−トリオキサン、トリエチルアミン、t−ブチルパーオキサイドから選ばれる少なくとも1種が導入されるとともに、第2の原料ガスとして水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種が導入されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の薄膜堆積装置。
  13. 堆積される薄膜がポリオキシメチレンまたはポリグリシジルメタクリレートの薄膜であることを特徴とする請求項12記載の薄膜堆積装置。
  14. 前記2種類以上の原料ガスを細孔を通じて放出するシャワーヘッドを備え、前記細孔部分が前記2種類以上の触媒体により構成されていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項記載の薄膜堆積装置。
  15. 前記構成材料が異なる2種類以上の触媒体は、一体化されていることを特徴とする請求項1から14のいずれか1項記載の薄膜堆積装置。
  16. 合金化により構成材料が異なる2種類以上の触媒体が一体化されていることを特徴とする請求項15記載の薄膜堆積装置。
  17. 原料ガスを触媒体で接触分解して生成した分解種により基板上に薄膜を堆積させる薄膜堆積方法であって、
    構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体を同一空間に設置するとともに、当該空間に2種類以上の原料ガスを混合して導入し、
    前記構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体により、それぞれ互いに異なる原料ガスの分解を選択的に行い、これにより生成する分解種により基板上に化合物薄膜を堆積形成することを特徴とする薄膜堆積方法。
  18. 2種類の原料ガスを用い、これら原料ガスに対応して構成材料が異なる2種類の触媒体を用いることを特徴とする請求項17記載の薄膜堆積方法。
  19. 前記触媒体として第1の触媒体及び第2の触媒体を用いるとともに、原料ガスとして第1の原料ガス及び第2の原料ガスを導入し、
    前記第1の原料ガスの分解は第1の触媒体が選択的に行い、前記第2の原料ガスの分解は第2の触媒体が選択的に行うことを特徴とする請求項18記載の薄膜堆積方法。
  20. 前記第1の触媒体による第1の原料ガスの分解効率は、第1の触媒体による第2の原料ガスの分解効率の2倍以上であり、
    前記第2の触媒体による第2の原料ガスの分解効率は、第2の触媒体による第1の原料ガスの分解効率の2倍以上であることを特徴とする請求項19記載の薄膜堆積方法。
  21. 第1の原料ガスとしてヘキサフルオロプロピレンオキサイドを導入するとともに、第2の原料ガスとして水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種を導入し、
    且つ前記2種類の触媒体として、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体とを用い、
    ポリテトラフルオロエチレンの薄膜を形成することを特徴とする請求項18から20のいずれか1項記載の薄膜堆積方法。
  22. 第1の原料ガスとしてヘキサフルオロプロピレンオキサイドを導入するとともに、第2の原料ガスとしてジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、CF2=CF(CF2)nCOOR(ただし、式中のnは任意の整数であり、Rはアルキル基を表す。)、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロイソブテン、ヘキサフルオロアセトンから選ばれる少なくとも1種を導入し、
    且つ前記2種類の触媒体として、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体とを用い、
    フッ素を主骨格に含む共重合体の薄膜を形成することを特徴とする請求項18から20のいずれか1項記載の薄膜堆積方法。
  23. 第1の原料ガスとして1,3,5−トリオキサン、トリエチルアミン、t−ブチルパーオキサイドから選ばれる少なくとも1種を導入するとともに、第2の原料ガスとして水素及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種を導入し、
    且つ前記2種類の触媒体として、ニッケルを含有する第1の触媒体と、タングステン、タンタル、モリブデン、イリジウム、レニウムから選択される少なくとも1種を含有する第2の触媒体とを用い、
    ポリオキシメチレンまたはポリグリシジルメタクリレートの薄膜を形成することを特徴とする請求項18から20のいずれか1項記載の薄膜堆積方法。
  24. 前記2種類以上の原料ガスをシャワーヘッドの細孔を通じて放出するとともに、前記シャワーヘッドの細孔部分に形成された前記2種類以上の触媒体により原料ガスを接触分解することを特徴とする請求項17から23のいずれか1項記載の薄膜堆積方法。
  25. 構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体を同一空間に設置するとともに、当該空間に2種類以上の原料ガスを混合して導入し、
    前記構成材料が異なる少なくとも2種類の触媒体により、それぞれ互いに異なる原料ガスの分解を選択的に行い、これにより生成する分解種により基板上に堆積形成されたことを特徴とする化合物薄膜。
  26. 請求項1から16のいずれか1項記載の薄膜堆積装置を用いて堆積形成されたことを特徴とする請求項25記載の化合物薄膜。
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