JP2007091236A - 光学フィルム包装体及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 光学フィルムの水分率を一定に保ったまま輸送・保管することができ、もってその品質を一定に保つことができる光学フィルム包装体及びその製造方法を提供する。
【解決手段】 防湿性の容器15内に、水分量を調整するための調湿剤11及び気体12とともに、光学フィルム10を封入密閉してなる光学フィルム包装体であって、その調湿剤11及び気体12は、封入後に容器内が目標相対湿度に達するように調整した状態で封入されている。防湿性の容器15内に、水分量を調整するための調湿剤11及び気体12とともに光学フィルムを封入密閉する際、調湿剤11及び気体12は、封入後に容器15内が目標相対湿度に達するように調整した状態で容器15内に入れ、その容器15を密閉する方法も提供される。

【選択図】 図1

Description

本発明は、偏光板などの光学フィルムを任意の一定水分率に保ったまま輸送・保管等できるようにするための包装体及びその製造方法に関するものである。本発明はまた、光学フィルムの包装方法にも関係している。
一般に、水分により品質が変化してしまうような物品を輸送・保管する場合、さまざまな手段がとられている。例えば、密閉容器に対象物品とともに乾燥剤を封入することで水分量を非常に少なくして輸送・保管する手法や、真空引きをして水分量を減らした密閉容器内に対象物品を入れて保管する手法、あるいは、ドライ状態の不活性ガス(例えば窒素など)を封入して水分量を低く保つ手法などである。
相対湿度が高い状態で不具合を生じる物品の場合には、上記のような真空引きや、乾燥剤、不活性ガス等を封入する手段により、乾燥状態に調湿することで、品質の変化を防ぐことができる。しかしながら、水分の吸収・放出が大きく、相対湿度が高い状態でも低い状態でも不具合を生じるような物品の場合には、このような真空引きや、乾燥剤、不活性ガスの封入といった手法では、乾燥状態になってしまうために、品質の変化を起こしてしまう問題がある。
また、真空引きや、乾燥剤の封入などの処理をせずに、ある程度の温度と相対湿度を持った気体を封入した場合には、外界との水分のやり取りがないために、温度が変化することで相対湿度が大きく変化してしまい、品質の変化を引き起こしてしまう問題がある。
そこで、特開 2000-42345 号公報(特許文献1)には、温度変化に伴う湿度の変動を考慮して、気密空間や小空間を所望する湿度に調整するために必要な吸湿・脱湿性材料の使用量を算出する手法が示されており、吸湿・脱湿性材料として、ポリアクリル酸ソーダ繊維やポリアルギン酸ソーダ粉末が用いられている。また、特開 2000-203649号公報(特許文献2)には、靴、鞄、衣類等の皮革製品を容器内に収納する際、その容器に調湿剤を一緒に入れて湿度一定の雰囲気を形成し、これら皮革製品を保存する手法が示されており、調湿剤の例として、シリカゲル、ゼオライト、活性白土、ポリビニルアルコールなどが挙げられ、具体的には、湿度約40%〜60%の雰囲気下で熟成された活性白土が用いられている。
このような吸湿・脱湿性材料又は調湿剤を用いれば、相対湿度をほぼ一定に保つことができる。しかしながら、特に光学フィルムを輸送・保管する場合においては、含有水分量が周囲の相対湿度に依存して大きく変わるため、変形を伴い、吸湿・脱湿によってカールと呼ばれる反りが起こってしまい、さらに他の部材と積層・組み立てする際にさまざまな不具合を生じやすい。このため、光学フィルムの包装容器に調湿剤を入れただけでは、このようなカールを有効に防止することは難しかった。
特開2000−42345号公報 特開2000−203649号公報
本発明者は、光学フィルムの水分率を一定に保ったまま輸送・保管する手法を開発するべく、鋭意研究を行った結果、本発明に至った。そこで本発明の目的は、光学フィルムの水分率を一定に保ったまま輸送・保管することができ、もってその品質を一定に保つことができる光学フィルム包装体及びその製造方法を提供することにある。また、本発明のもう一つの目的は、光学フィルムの水分率を一定に保ったまま輸送・保管することができるような光学フィルムの包装方法を提供することにもある。
すなわち本発明によれば、輸送・保管前の品質検査を行った環境(温度及び相対湿度)と同じ状態の雰囲気を封じ込めた密閉容器内に、調湿機能を有する薬剤(調湿剤)を、包装されるべき光学フィルムと一緒に封入して包装することで、検査時の品質を維持した光学フィルム包装体が提供される。この光学フィルム包装体は具体的には、防湿性の容器内に、水分量を調整するための調湿剤及び気体とともに光学フィルムを封入密閉してなり、その調湿剤及び気体は、封入後に容器内が目標相対湿度に達するように調整した状態で封入されているものである。ここで調湿剤は、品質検査を行った環境(温度及び相対湿度)と同じ環境下において十分に調湿しておくことが重要である。
また本発明によれば、防湿性の容器内に、水分量を調整するための調湿剤及び気体とともに光学フィルムを封入密閉する光学フィルム包装体の製造方法であって、調湿剤及び気体は、封入後に容器内が目標相対湿度に達するように調整した状態で前記容器内に入れ、その容器を密閉する方法も提供される。
さらに本発明によれば、光学フィルムを任意の水分率に保って保管できるように包装する方法であって、水分量を調整するための調湿剤及び気体を、封入後に目標相対湿度に達するように調整した状態で、光学フィルムとともに防湿性の容器内に入れ、その容器を密閉する方法も提供される。
本発明の光学フィルム包装体を採用すれば、包装された光学フィルムの水分率を一定に保つことができるため、水分に影響されて品質が変化しやすい光学フィルムについて、検査時の品質を保ったまま、輸送・保管することができる。また、この包装体から開梱された光学フィルムは、出荷時の品質がほぼそのまま保たれているので、それを液晶セルなどに貼合することで、液晶表示装置などの最終製品を高品質・高収率で製造できることにもつながる。さらに、本発明による光学フィルム包装体の製造方法又は光学フィルムの包装方法を採用すれば、光学フィルムの水分率、延いては品質を一定に保って輸送・保管できるようになる。
以下、本発明の実施の形態を、適宜添付の図面も参照しながら詳細に説明する。本発明に係る光学フィルム包装体の一例を概略図で図1に示す。この図に示すように、本発明に係る梱包の形態は、包装されるべき光学フィルム10と、十分に調湿された調湿剤11とを、目的の温度及び相対湿度を有する気体12とともに防湿性の容器15の中に入れて、密閉するものである。
本発明で包装の対象とする光学フィルム10は、ある種の光学的性質が付与されたフィルムであるが、水分によってその品質が変化するようなものに対して、本発明は効果的である。例えば、吸湿性の高分子樹脂を主たる成分とする光学フィルムは、周囲の相対湿度に依存して含有水分量が変わりやすく、変形を伴うことで品質変化を起こしやすい。具体的には、吸湿・脱湿によってカールと呼ばれる反りが起こってしまい、さらに他の部材と積層・組み立てする際にさまざまな不具合を生じることがある。このような、吸湿・脱湿によって不具合を生じやすい光学フィルムに対して、本発明は特に有効である。
光学フィルムは、主に液晶ディスプレイなどに用いられる部材である。その具体例として、視野角拡大フィルム、輝度向上フィルム、プリズムシート、偏光板、あるいはこれらの2枚又はそれ以上が積層された積層フィルムなどがある。
視野角拡大フィルムとは、液晶表示装置を画面の垂直方向からではなく、やや斜め方向から見た場合でも、画像が鮮明に見えるように視野角を拡大するためのフィルムである。かかる視野角拡大フィルムには、例えば、トリアセチルセルロースフィルムなどの透明基板にディスコティック液晶やネマティック液晶を塗工して配向させたものや、一軸性又は二軸性の延伸樹脂フィルムからなる位相差板などがある。
輝度向上フィルムとは、そこに入射する自然光のうち、特定の性質を有する偏光を反射し、それと反対の性質を有する偏光を透過するフィルムである。液晶表示装置のバックライトや裏側からの反射により入射する自然光のうち、所定の偏光を透過し、他の偏光を反射してバックライトや反射板側へ戻し、その反射した光を再利用することにより液晶表示装置の輝度を向上させる役割を果たすことから、その名がある。かかる輝度向上フィルムには、例えば、誘電体の多層薄膜や屈折率異方性が異なる2種以上の薄膜フィルムからなる多層積層体のように、所定偏光軸の直線偏光を反射し、他の直線偏光を透過する直線偏光分離フィルム、また、コレステリック液晶層を透明基材フィルム上に支持したもののように、左回り又は右回り円偏光を反射し、他の円偏光を透過する円偏光分離フィルムなどがある。
プリズムシートとは、光源から発せられる光を集光する機能を有するシートである。例えば、プラスチックシート上に微細な多数のプリズムを形成したもの、凸レンズや凹レンズを敷き詰めたマイクロレンズアレイなどがある。
偏光板とは、所定の偏光軸を有する直線偏光を透過し、それと直交する偏光軸を有する直線偏光を吸収するフィルムである。一般には、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムに二色性のヨウ素又は有機染料を吸着配向させたものを偏光子として、その片面又は両面に透明な保護フィルムを積層した形になっている。この際、一方の保護フィルムは、位相差板を兼ねることもある。特にポリビニルアルコール系偏光子フィルムの両面に異なる種類の保護フィルムを積層した場合には、それぞれの保護フィルムの吸湿性が異なることに起因して、輸送・保管中の水分率の変化により一方の側に反る現象、いわゆるカールが発生することがあるが、このような場合に、本発明を適用すれば、かかるカールの発生を有効に防ぐことができる。
本発明では、以上説明したような光学フィルム10を包装の対象とし、水分量を調整するための調湿剤11及び気体12とともに、防湿性の容器15に入れて、密封する。光学フィルム10は、密閉容器15内に少なくとも1枚封入されるが、輸送の効率性なども加味すれば、一つの容器15内に、複数枚、例えば、10枚前後、あるいは数十枚程度、重ねて入れることが多い。
調湿剤11は、周囲の環境が高い相対湿度を示す場合には水分を吸収し、低い相対湿度を示す場合には水分を放出するような物質のことである。具体的には例えば、B型シリカゲルなどがこれに相当する。非常に微細で多孔質な毛細管構造になっているA型シリカゲルは、水分を吸収する機能しか持たないため、本発明に使用することはできない。B型シリカゲルは、A型に比べて毛細管の径が大きいので、湿度が高いときに大きな吸着能力を発揮し、一方で環境雰囲気が乾燥したときには吸着した水分を放出する働きをし、環境雰囲気に応じて吸脱着を自然に繰り返すことから、本発明における調湿剤11として、好適に用いることができる。その他、前記特許文献2に記載されるような、活性白土、ゼオライト、ポリビニルアルコールなども、周囲環境の相対湿度に対応して水分を吸収又は放出する性質を有するものであれば、調湿剤11として用いることができる。
光学フィルム10の種類にもよるところではあるが、調湿剤11をそのままの形で容器15の中に入れても問題ない場合は、そのまま封入してもよいし、一方で、水分を透過しうる透湿性の包材、例えば、不織布や高分子繊維などからなる袋に調湿剤11パックした状態で、容器15の中に入れることもできる。また、光学フィルム10をクリーン環境下で検査し、包装する場合には、クリーン仕様の素材(無塵タイプのもの)を用いることができる。
容器15の中に封入する気体12は、包装されるべき光学フィルム10にとって適切な温度及び相対湿度を保つことができるものであれば、その場の雰囲気(空気)であっても構わない。製品の品質管理という面からは、出荷前検品を行う雰囲気の空気を封入することが好ましい。一方で、包装されるべき光学フィルム10が特定の気体に対して弱いというような場合には、適切な温度及び相対湿度にコントロールされた別種の気体を封入することで代用しても構わない。
調湿剤11を何の調整もなくそのまま封入したのでは、封入後の調湿剤が水分を吸収又は放出することによって、密閉容器15内部の相対湿度が大きく変動してしまう。そのため本発明においては、調湿剤11は、封入する雰囲気と同じ雰囲気(温度及び相対湿度)の下で、平衡状態に達するまで十分に調湿しておくことが重要となる。具体的には、封入後の目標相対湿度で調湿剤11を十分に調湿してから、封入後の目標相対湿度を有する気体12とともに容器15内に入れるのが好ましい。
もちろん、封入後に目的の相対湿度になるように水分量を計算し、封入する気体の温度及び相対湿度、並びに調湿剤を調湿する際の温度及び相対湿度を別々に設定してやってもよいが、封入する調湿剤の重量の誤差、温度及び相対湿度の誤差によって、目的の相対湿度からズレを生じやすい難点がある。
調湿剤11が、封入する気体12の温度及び相対湿度と同じ環境下で水分率の平衡状態にない場合には、容器内の相対湿度を適切に保つことができない。例えば、封入する雰囲気下での平衡状態よりも水分率が低くなっている調湿剤11を封入した場合には、密封した後に、調湿剤11が水分を吸っていくため、内部の相対湿度が目的の数値より低くなってしまう。逆に、水分率が平衡状態よりも高い場合には、水分を放出していくため、内部の相対湿度が目的の相対湿度より高くなってしまう。
密閉容器15は、容器内部と外部の水分の出入りを抑制したものである必要があり、そのために防湿性のもので構成するが、その機能さえ有していれば、材質は特に限定されるものではない。具体的には、防湿機能を持った箱のようなものでも構わないし、袋状のもの、例えば、アルミニウム薄膜を防湿層とするレトルト袋のようなものであっても構わない。レトルト袋とは、防湿層を有し、他の層がラミネートされた袋であり、例えば、適当な仕様のものが、カイト化学工業株式会社などから入手できる。
密閉は、容器15が箱状のものであれば、開放部をふさぎ、隙間を防湿性の粘着テープなどで封止する方法などにより、また容器15が袋状のものであれば、内容物を封入後、開口部を融着させる方法などにより、行うことができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
[実施例1]
B型シリカゲル〔ピアテック(有)製〕を、温度23℃、相対湿度50%の環境下で重量変化がなくなるまで十分に調湿し、その 5.0gを不織布からなる袋にパックした。アルミニウム薄膜を防湿膜とする600mm×800mmのレトルト袋〔カイト化学工業(株)製〕に、温湿度計〔(株)ティアンドディ製の温湿度データロガー TR-72U 〕と、上の不織布にパックされた調湿済みB型シリカゲル 5.0gを、温度23℃、相対湿度50%の少量の空気とともに封入し、密封した。このレトルト袋を40℃及び5℃の環境下でそれぞれ保管して、袋内の温度と湿度を観測し、その結果を図2に示した。図2中、(A)は40℃で保管したときの温度と湿度の変化を示し、(B)は5℃で保管したときの温度と湿度の変化を示す(それぞれ温度は細線、湿度は太線で表示)。図2からわかるように、レトルト袋内部の相対湿度は、封入直後の23℃における値から若干上下する程度で変化し、ほぼ一定に保つことができた。
[実施例2]
実施例1と同様の条件で十分に調湿したB型シリカゲルの 5.0gを、不織布からなる袋にパックした。一方、相対湿度によってカールの状態が変わりやすい偏光板〔住友化学(株)製の“SRD341A ”〕を、温度23℃、相対湿度50%で十分に調湿した。この調湿済み偏光板5枚と、上の不織布にパックされた調湿済みB型シリカゲル 5.0gとを、実施例1で用いたのと同じレトルト袋に、温度23℃、相対湿度50%の空気とともに封入し、密封した。このレトルト袋を40℃及び5℃の環境下で、それぞれ200時間保管した。その後、この偏光板を袋から取り出し、カール状態を観察した。その結果、40℃保管品及び5℃保管品のいずれも、封入前とほとんど変わらない状態を保っていた。なお、ここで用いた偏光板は、ポリビニルアルコール−ヨウ素系偏光子の片面にノルボルネン系樹脂フィルムが貼合され、他面にトリアセチルセルロースフィルムが貼合されたものである。
[実施例3]
実施例1と同様の条件で十分に調湿したB型シリカゲルの 5.0gを、不織布からなる袋にパックした。一方、温度23℃、相対湿度50%で十分に調湿したトリアセチルセルロースフィルム〔富士写真フィルム(株)製の“TDY80UL ”〕及び上の不織布にパックされた調湿済みB型シリカゲル 5.0gを、実施例1で用いたのと同じレトルト袋に、温度23℃、相対湿度50%の空気とともに封入し、密封した。1枚の袋には、50mm角のトリアセチルセルロースフィルム10枚を重ねて入れた。このレトルト袋を40℃及び5℃の環境下でそれぞれ保管し、トリアセチルセルロースの含有水分率の経時変化を追った。その結果を図3に示した。図3中、(A)は40℃で保管したときの水分率変化を示し、(B)は5℃で保管したときの水分率変化を示す。水分率の単位%は、重量基準であり、以下においても同様である。図3からわかるように、40℃保管、5℃保管のいずれにおいても、トリアセチルセルロースフィルムの含有水分率はほとんど変化しなかった。
[比較例1]
実施例1で用いたのと同じB型シリカゲルを、温度23℃、相対湿度50%で水分率が平衡状態となるようにした後、これを真空乾燥し、水分量を減らした状態とした。この水分量を減らしたB型シリカゲルの 5.0gを、不織布からなる袋にパックした。実施例1で用いたのと同じレトルト袋に、温湿度計〔(株)ティアンドディ製の温湿度データロガー TR-72U 〕と、上の不織布にパックされたB型シリカゲル 5.0gを、温度23℃、相対湿度50%の空気とともに封入し、密封した。このレトルト袋を40℃の環境下で所定時間保管し、その後、環境温度を5℃に下げてさらに保管して、袋内の温度と湿度を観測した。その結果を図4に示した。図4中、(A)は40℃で保管したときの温度と湿度の変化を示し、(B)は5℃で保管したときの温度と湿度の変化を示す(それぞれ温度は細線、湿度は太線で表示)。図4からわかるように、レトルト袋内部の相対湿度は、40℃保管で27%前後と非常に低い値となってしまい、また5℃保管では90%以上と非常に高い値になってしまった。
[比較例2]
実施例2で用いたのと同じ偏光板を、温度23℃、相対湿度50%で十分に調湿した。実施例1で用いたのと同じレトルト袋にこの偏光板を5枚入れ、真空引きしながら密封した。温度40℃及び5℃の環境下で200時間保管後に偏光板を袋から取り出して、カール形状を観察したところ、40℃保管品及び5℃保管品とも、カールの状態が変化していた。40℃保管品のほうが、カールは大きかった。
[比較例3]
実施例3で用いたのと同じトリアセチルセルロースフィルムを、温度23℃、相対湿度50%で十分に調湿した。実施例1で用いたのと同じレトルト袋にこのフィルムを入れ、真空引きしながら密封した。1枚の袋には、50mm角のトリアセチルセルロースフィルム10枚を重ねて入れた。このレトルト袋を23℃の恒温室に保管し、トリアセチルセルロースフィルムの含有水分率の経時変化を追った。その結果を図5に示した。図5からわかるように、トリアセチルセルロースフィルムの含有水分率は、時間の経過とともに減少していった。
本発明に係る光学フィルム包装体を説明するための概要図である。 実施例1における袋内の相対湿度の経時変化を示すグラフである。 実施例3で袋内に密閉されたトリアセチルセルロースフィルムの水分率の経時変化を示すグラフである。 比較例1における袋内の相対湿度の経時変化を示すグラフである。 比較例3で袋内に密閉されたトリアセチルセルロースフィルムの水分率の経時変化を示すグラフである。
符号の説明
10……包装される光学フィルム、
11……調湿済みの調湿剤、
12……封入する気体、
15……包装用の防湿性容器。

Claims (10)

  1. 防湿性の容器内に、水分量を調整するための調湿剤及び気体とともに光学フィルムを封入密閉してなり、該調湿剤及び気体は、封入後に該容器内が目標相対湿度に達するように調整した状態で封入されていることを特徴とする光学フィルム包装体。
  2. 光学フィルムは、液晶ディスプレイに用いられる部材である請求項1に記載の光学フィルム包装体。
  3. 光学フィルムが偏光板である請求項2に記載の光学フィルム包装体。
  4. 調湿剤がB型シリカゲルである請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルム包装体。
  5. 調湿剤は、透湿性の包材にパックされている請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルム包装体。
  6. 防湿性の容器は、アルミニウム膜を防湿層とするレトルト袋である請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルム包装体。
  7. 防湿性の容器内に、水分量を調整するための調湿剤及び気体とともに光学フィルムを封入密閉する光学フィルム包装体の製造方法であって、該調湿剤及び気体は、封入後に該容器内が目標相対湿度に達するように調整した状態で前記容器内に入れ、該容器を密閉することを特徴とする光学フィルム包装体の製造方法。
  8. 調湿剤は、封入後の目標相対湿度で十分に調湿してから、封入後の目標相対湿度を有する気体とともに容器内に入れる請求項7に記載の方法。
  9. 調湿剤がB型シリカゲルである請求項7又は8に記載の方法。
  10. 光学フィルムを任意の水分率に保って保管できるように包装する方法であって、水分量を調整するための調湿剤及び気体を、封入後に目標相対湿度に達するように調整した状態で、光学フィルムとともに防湿性の容器内に入れ、該容器を密閉することを特徴とする光学フィルムの包装方法。
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