JP2007090927A - 自動走行装置 - Google Patents

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Masahiro Kobayashi
昌弘 小林
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Abstract

【課題】 1つの電動キャスタを用いて、進行方向を自由に変え、且つ進行方向を任意の向きに固定し、安定した状態で走行させることができる自動走行装置を提供する。
【解決手段】
椅子本体1と、この椅子本体の中心部の脚部5に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタ16と、これ以外の複数の脚部5にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタ7と、椅子本体1の進行方向を指示するための操作部8と、この操作部8からの指示に基づいて電動キャスタ6を制御して椅子本体1の走行を制御する制御部9とを備えた。従って、複数の補助キャスタ7で安定して支持された椅子本体1を1つの電動キャスタ6で走行させることができ、且つ操作部8を操作して椅子本体1の進行方向を指示すると、この操作部8からの指示に基づいて制御部9が電動キャスタ6を制御し、これにより椅子本体1を走行させることができる。
【選択図】 図1

Description

この発明は、椅子や台車などの移動体に用いられて自動的に走行する自動走行装置に関する。
例えば、台車においては、その走行に応じて向きが自由に変わるキャスタを複数個設け、人力で押しながら走行するように構成されているため、人力で押さなければ台車を動かすことができず、体力を必要とする。
そこで、このような不都合を解消するために、台車のキャスタとして、特許文献1に記載されているように、電動キャスタを用いたものがある。この電動キャスタは、台車の下面に取り付けられる取付部材にフレームを回転自在に取り付け、このフレームに一対の車輪を取り付け、この一対の車輪をそれぞれモータで個別に駆動することにより、台車を自動的に走行させるように構成されている。
特開2004−106613号
すなわち、この電動キャスタは、一対の車輪を個別に駆動する一対のモータを1個のインバータに並列に接続し、一方のモータとインバータとの間に切換器を設け、この状態で一対のモータを同方向に正回転または逆回転させることにより、台車を前後方向に直進移動させ、またインバータを正回転側にし、切換器を逆回転側に設定して、一対のモータを互いに逆方向に回転させて一対の車輪をその場で旋回させることにより、一対の車輪の向きを90度回転させ、この状態で一対のモータを同方向に正回転または逆回転させることにより、台車を左右方向に直進移動させるように構成されている。
しかしながら、このような従来の電動キャスタでは、一対の車輪の向きがストッパ部材によって90度の回転角度に限定されているため、一対の車輪の向きをインバータと切換器とによって90度ごとに変えるだけで、一対の車輪の向きを任意の向きに自由に向けて走行させることができず、このため台車を前後方向と左右方向との限られた方向にしか走行させることができないという不都合がある。
また、この電動キャスタを用いた台車では、台車の下面に複数の電動キャスタを設けているため、複数の電動キャスタの制御が複雑になり、製作コストが高くなるという問題もある。
この発明が解決しようとする課題は、1つの電動キャスタを用いて、進行方向を自由に変えることができ、且つ進行方向を任意の向きに固定して安定させた状態で走行させることができる自動走行装置を提供することである。
この発明は、上記課題を解決するために、次のような構成要素を備えている。
なお、各構成要素には、後述する実施形態の項で説明される各要素に付されている図面の参照番号などを括弧と共に付す。
請求項1に記載の発明は、図1〜図16に示すように、装置本体(椅子本体1)と、
この装置本体のほぼ中心部に位置する箇所の下部に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタ(6)と、
前記装置本体のほぼ中心部以外の複数箇所の下部にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタ(7)と、
前記装置本体の進行方向を指示するための操作部(8)と、
この操作部からの指示に基づいて前記電動キャスタを制御して前記装置本体の走行を制御する制御部(9)と
を備えたことを特徴とする自動走行装置である。
請求項2に記載の発明は、図1〜図16に示すように、背当部(3)を有する座部(2)、この座部の両側に設けられた肘掛部(4)、および前記座部の下部に設けられた複数の脚部(5)を備えた椅子本体(1)と、
前記複数の脚部のうち、前記座部の中心部に位置する前記脚部の下端部に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタ(6)と、
前記座部の中心部に位置する脚部を除く他の複数の脚部の各下端部にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタ(7)と、
前記肘掛部に設けられて前記椅子本体の進行方向を指示するための操作部(8)と、
前記座部の下面に設けられて前記操作部からの指示に基づいて前記電動キャスタを制御して前記装置本体の走行を制御する制御部(9)と
を備えたことを特徴とする自動走行装置である。
請求項3に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記電動キャスタ(6)が、前記装置本体(椅子本体1)のほぼ中心部に位置する箇所の下部または前記椅子本体(1)の中心部に位置する脚部の下端部に取り付けられた取付部材(取付支持軸10)と、この取付部材に回転自在に取り付けられた回転部材(回転支持軸11およびフレーム12)と、この回転部材にそれぞれ回転自在に取り付けられた一対の車輪(13、14)と、前記回転部材に設けられて前記一対の車輪をそれぞれ個別に回転させる一対のモータ(15、16)と、前記回転部材を前記取付部材に対し回転可能な状態と固定状態とに切り替えるクラッチ機構部(18)とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動走行装置である。
請求項4に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記クラッチ機構部(18)が、前記取付部材(取付支持軸10)に設けられた電磁クラッチ(33)と、前記回転部材(回転支持軸11)に設けられた連動歯車(34)とを備え、前記電磁クラッチが、前記取付部材に固定されて通電時に磁界を発生する本体部(クラッチ本体36)と、この本体部に対し回転自在に設けられたクラッチ板(37)と、このクラッチ板に設けられて前記連動歯車に噛み合って回転するクラッチ歯車(38)とからなり、前記本体部が通電されて磁界を発生したときに、その磁力によって前記本体部が前記クラッチ板を吸着して前記クラッチ歯車を固定することを特徴とする請求項3に記載の自動走行装置である。
請求項5に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記電動キャスタ(6)が、前記取付部材(取付支持軸10)に対する前記回転部材(取付支持軸10)の回転角度を検出する回転角度検出部(ロータリーエンコーダ17)を備えていることを特徴とする請求項3に記載の自動走行装置である。
請求項6に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記回転角度検出部(ロータリーエンコーダ17)が、発光機能部および受光機能部を有する光学素子を集積したモジュール(30)と、角度ごとに角度データコードが設けられた円板(31)とを備え、前記モジュールを前記取付部材(取付支持軸10)と前記回転部材(回転支持軸11)との一方に設け、前記円板を前記取付部材と前記回転部材との他方に設け、この状態で前記モジュールの前記光学素子で前記円板の前記角度データコードを読み取って、前記取付部材に対する前記回転部材の回転角度の絶対位置を検出することを特徴とする請求項5に記載の自動走行装置である。
請求項7に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記電動キャスタ(6)が、前記取付部材(取付支持軸10)と前記回転部材(取付支持軸10)とに対し回転可能に設けられ、且つ前記一対のモータ(15、16)に接続されて前記回転部材側から前記取付部材側に導かれる接続線(リード線19)の途中が電気的に接続される回転接続部材(スリップリング20)を備えていることを特徴とする請求項3に記載の自動走行装置である。
請求項8に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記回転接続部材(スリップリング20)が、前記取付部材(取付支持軸10)の内部に配置されて前記回転部材(回転支持軸11)と共に回転する回転体(25)と、この回転体の外周にそれぞれリング状に設けられた複数の接続端子(26)と、前記取付部材に固定されて前記回転体が非接触状態で挿入する固定筒体(27)と、この固定筒体に設けられて前記回転体の前記複数の接続端子にそれぞれ接触した状態で前記回転体に対し相対的に回転する複数の接触子(28)とを備えた構成であることを特徴とする請求項7に記載の自動走行装置である。
請求項9に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記操作部(8)が、電源スイッチ(41)と操舵レバー(ジョイスティックレバー40)とを備え、前記操舵レバーが、前後左右方向および斜め前方向に傾き操作されることにより、その傾き方向に応じて進行方向を指示することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の自動走行装置である。
請求項10に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記操作部(8)が、前記電動キャスタ(6)をその場で旋回させる動作指令を出力する旋回スイッチ(46)を備えていることを特徴とする請求項9に記載の自動走行装置である。
請求項11に記載の発明は、図1〜図16に示すように、前記制御部(9)が、前記操作部(8)からの指示に基づいて前記電動キャスタ(6)の向きを制御するときに、前記回転角度検出部(ロータリーエンコーダ17)で検出された回転角度データに基づいて前記電動キャスタの向きを制御して前記操作部で指示された進行方向に向け、且つ前記クラッチ機構部(18)を制御して前記回転部材(回転支持軸11)を前記取付部材(取付支持軸10)に対し回転可能な状態から固定状態に切り替えて走行させることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の自動走行装置である。
請求項1に記載の発明によれば、装置本体と、この装置本体のほぼ中心部に位置する箇所の下部に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタと、装置本体のほぼ中心部以外の複数箇所の下部にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタとを備えているので、装置本体を複数の補助キャスタで安定した状態で支持することができると共に、1つの電動キャスタで装置本体の移動を駆動することができ、これにより装置全体の構造の簡素化および電動キャスタの制御の簡素化を図ることができる。
この場合、特に装置本体の進行方向を指示するための操作部と、この操作部からの指示に基づいて電動キャスタを制御して装置本体の走行を制御する制御部とを備えているので、操作部を操作して装置本体の進行方向を指示すると、この操作部からの指示に基づいて制御部が電動キャスタを制御し、これにより装置本体を操作部で指示された進行方向に自由に向けることができると共に、電動キャスタの向きを固定して所望する方向に装置本体を安定した状態で良好に走行させることができる。
請求項2に記載の発明によれば、背当部を有する座部、この座部の両側に設けられた肘掛部、および座部の下部に設けられた複数の脚部を備えた椅子本体と、座部の中心部に位置する脚部の下端部に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタと、この座部の中心部に位置する脚部を除く他の複数の脚部の各下端部にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタとを備えているので、請求項1に記載の発明と同様、椅子本体を複数の補助キャスタで安定した状態で支持することができると共に、1つの電動キャスタで椅子本体の移動を駆動することができ、これにより装置全体の構造の簡素化および電動キャスタの制御の簡素化を図ることができる。
この場合、特に椅子本体の進行方向を指示するための操作部と、この操作部からの指示に基づいて電動キャスタを制御して椅子本体の走行を制御する制御部とを備えているので、請求項1に記載の発明と同様、操作部を操作して椅子本体の進行方向を指示すると、この操作部からの指示に基づいて制御部が電動キャスタを制御し、これにより椅子本体を操作部で指示された進行方向に自由に向けることができると共に、電動キャスタの向きを固定して所望する方向に椅子本体を安定した状態で良好に走行させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、電動キャスタが、装置本体のほぼ中心部に位置する箇所の下部または椅子本体の中心部に位置する脚部の下端部に取り付けられた取付部材と、この取付部材に回転自在に取り付けられた回転部材と、この回転部材にそれぞれ回転自在に取り付けられた一対の車輪と、回転部材に設けられて一対の車輪をそれぞれ個別に回転させる一対のモータと、回転部材を取付部材に対し回転可能な状態と固定状態とに切り替えるクラッチ機構部とを備えていることにより、一対の車輪を一対のモータでそれぞれ個別に回転させる際、回転部材が取付部材に対する回転規制を受けないため、一対の車輪の向きが制限されず、自由に向きを変えることができ、且つクラッチ機構部によって回転部材を取付部材に対し回転可能な状態から固定状態に切り替えることにより、一対の車輪を任意の向きに固定することができ、これにより装置本体または椅子本体を安定させた状態で良好に走行させることができる。
請求項4に記載の発明によれば、クラッチ機構部が、取付部材に設けられた電磁クラッチと、回転部材に設けられた連動歯車とを備え、電磁クラッチが、取付部材に対し固定されて通電時に磁界を発生する本体部と、この本体部に対し回転自在に設けられたクラッチ板と、このクラッチ板に設けられて連動歯車に噛み合って回転するクラッチ歯車とからなり、本体部が通電されて磁界を発生したときに、その磁力によって本体部がクラッチ板を吸着してクラッチ歯車を固定することにより、電磁クラッチの本体部を通電状態にしたときに、回転部材を取付部材に対して固定することができ、また電磁クラッチの本体部を非通電状態にしたときに、回転部材を取付部材に対して回転可能な状態にすることができる。
請求項5に記載の発明によれば、電動キャスタが取付部材に対する回転部材の回転角度を検出する回転角度検出部を備えていることにより、一対の車輪を一対のモータでそれぞれ個別に回転させて、一対の車輪の向きを変えるときに、取付部材に対する回転部材の回転角度を回転角度検出部でリアルタイムで検出することができ、この回転角度検出部によって検出された回転角度に基づいて一対の車輪の向きを正確に制御することができる。
請求項6に記載の発明によれば、回転角度検出部が、発光機能部および受光機能部を有する光学素子を集積したモジュールと、角度ごとに角度データコードが設けられた円板とを備え、モジュールを取付部材と回転部材との一方に設け、円板を取付部材と回転部材との他方に設け、この状態でモジュールの光学素子で円板の角度データコードを読み取って、取付部材に対する回転部材の回転角度の絶対位置を検出することにより、回転角度検出部で取付部材に対する回転部材の回転角度を絶対位置として正確に検出することができる。
請求項7に記載の発明によれば、電動キャスタが、一対のモータに接続されて回転部材側から取付部材側に導かれる接続線の途中を回転接続部材に電気的に接続したので、回転接続部材が接続線同士の接続を図った状態で取付部材と回転部材とに対して回転することにより、取付部材に対し回転部材が回転しても、接続線がねじれないようにすることができ、これにより取付部材に回転自在に取り付けられた回転部材に一対のモータを設けても、接続線によって取付部材の外部の制御部と回転部材の内部のモータとを確実に且つ良好に接続することができる。
請求項8に記載の発明によれば、回転接続部材が、取付部材の内部に配置されて回転部材と共に回転する回転体と、この回転体の外周にそれぞれリング状に設けられた複数の接続端子と、取付部材に固定されて回転体が非接触状態で挿入する固定筒体と、この固定筒体に設けられて回転体の複数の接続端子にそれぞれ接触した状態で回転体に対し相対的に回転する複数の接触子とを備えているので、回転部材側の接続線を回転体の複数の接続端子に接続し、取付部材側の接続線を複数の接触子に接続することにより、回転部材側の接続線と取付部側の接続線とを回転接続部材で確実に電気的に接続することができる。
すなわち、取付部材に対し回転部材が回転しても、この回転部材と共に回転接続部材の回転体が固定筒体内で回転し、これに伴って固定筒体の接触子が回転体の接続端子に接触した状態で相対的に回転するので、回転部材に一対のモータを設け、これら一対のモータが取付部材に対し回転しても、接続線がねじれないようにすることができ、これにより接続線によって取付部材の外部の制御部と回転部材の内部のモータとを確実に且つ良好に接続することができる。特に、この回転接続部材によれば、接続端子と接触子との数を増やすだけで、多数の接続線をねじれることなく接続することができる。
請求項9に記載の発明によれば、操作部が電源スイッチと操舵レバーとを備え、この操舵レバーが前後左右方向および斜め前方向に傾き操作されると、その傾き方向に応じて進行方向を指示することにより、電源スイッチをオンさせて操舵レバーを前後左右方向および斜め前方向に傾け操作するだけで、所望する進行方向を簡単に指示することができる。例えば、操舵レバーを前方に傾けると前方への進行を指示することができ、後方に傾けると後方への進行を指示することができ、右方に傾けると右方向への進行を指示することができ、左方に傾けると左方向への進行を指示することができ、また操舵レバーを斜め右前方に傾けると斜め右前方への進行を指示することができ、斜め左前方に傾けると斜め左前方への進行を指示することができる。
請求項10に記載の発明によれば、操作部が電動キャスタをその場で旋回させる動作指令を出力する旋回スイッチを備えていることにより、この旋回スイッチをオンさせて操舵レバーを左右方向に傾けると、その傾き方向に向けて電動キャスタを旋回させる指示を与えることができる。例えば、旋回スイッチをオンさせて操舵レバーを右方向に傾けると、電動キャスタを右回りに旋回させる指示を与えることができ、また操舵レバーを左方向に傾けると、電動キャスタを左回りに旋回させる指示を与えることができ、これにより従来の電動車椅子などよりも、小回りが効き、良好に走行させることができる。
請求項11に記載の発明によれば、操作部からの指示に基づいて電動キャスタを駆動するときに、制御部が回転角度検出部で検出された回転角度データに基づいて電動キャスタの向きを制御して操作部で指示された進行方向に向け、且つクラッチ機構部を制御して回転部材を取付部材に対し回転可能な状態から固定状態に切り替えるので、回転角度検出部で検出された回転角度データに基づいて一対の車輪を操作部で指示された進行方向に正確に向けることができると共に、クラッチ機構部によって一対の車輪を操作部で指示された向きに固定することができ、これにより装置本体の向きを操作部で指示された進行方向に向けて安定させた状態で良好に走行させることがでる。
以下、図1〜図16を参照して、この発明を自動走行椅子に適用した一実施形態について説明する。
図1〜図3は自動走行椅子の全体を示した各外観図、図4は自動走行椅子の補助キャスタを示した斜視図、図5〜図8は自動走行椅子の電動キャスタを示した各外観図、図9は図6のA−A矢視における拡大断面図、図10は図7のB−B矢視における拡大断面図、図11は図6のC−C矢視における断面図である。
この自動走行椅子は、図1〜図3に示すように、椅子本体1を備えている。この椅子本体1は、座部2と、この座部2の後部(図2では右側)に設けられた背当部3と、座部2の両側(図1では左右方向の両側)に設けられた肘掛部4と、座部2の下部に設けられた複数の脚部5とを備えている。この場合、椅子本体1の複数の脚部5のうち、座部2の中心部に位置する脚部5の下端部には、電動キャスタ6が設けられており、この中心部以外の各脚部5の各下端部には、それぞれ通常の補助キャスタ7が椅子本体1の中心部を中心とする同一円上に沿って等間隔で設けられている。また、両側の肘掛部4のうち、一方の肘掛部4には操作部8が設けられており、座部2の下面には制御部9が設けられている。
複数の補助キャスタ7は、図4に示すように、脚部5の下端部にほぼ垂直に取り付けられる取付軸7aと、この取付軸7aに回転自在に取り付けられた回転連結部7bと、この回転連結部7bに外周面が取り付けられた円板状の支持体7cと、この支持体7cの中心部に回転自在に取り付けられた一対の車輪7d、7dとで構成されている。すなわち、これら補助キャスタ7は、通常のキャスタであり、一対の車輪7d、7dが支持体7cを中心に回転しながら、取付軸7aを中心に旋回することにより、自由に向きを変えながら走行するように構成されている。
電動キャスタ6は、図5〜図11に示すように、椅子本体1の中心部に位置する脚部5の下端部に取り付けられる取付支持軸10と、この取付支持軸10に回転支持軸11を介して回転自在に取り付けられたフレーム12と、このフレーム12にそれぞれ回転自在に取り付けられた一対の車輪13、14と、これら一対の車輪13、14をそれぞれ個別に回転させる一対のモータ15、16と、取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度を検出するロータリーエンコーダ17と、回転支持軸11のフレーム12を取付支持軸10に対し回転可能な状態と固定状態とに切り替えるクラッチ機構部18と、一対のモータ15、16に接続されて回転支持軸11側から取付支持軸10側に導かれるリード線19の途中が電気的に接続されるスリップリング20とを備えている。
この場合、フレーム12は、図5〜図11に示すように、取付支持軸10および一対のモータ15、16を収納するほぼ箱形状の収納部12aを備えている。この収納部12a内の底部には、図9および図10に示すように、回転支持軸11が取付板11aを介して起立した状態で設けられており、この収納部12aの両側には、図9および図11に示すように、一対の車輪13、14をそれぞれ覆う車輪カバー部12bが設けられている。
取付支持軸10は、図9および図10に示すように、フレーム12の収納部12aにおける内部の幅よりも少し小さい大径のほぼ円筒形状に形成され、フレーム12の収納部12aの内面に接触せずに収納部12a内に挿入されていると共に、その上部がフレーム12の上方に突出し、この状態でフレーム12に対して配置されるように構成されている。また、回転支持軸11は、図9および図10に示すように、取付支持軸10の内径よりも十分に小さい小径の円筒形状に形成され、フレーム12の収納部12a内における底部側に設けられた取付板11aに起立した状態で設けられ、この状態で取付支持軸10内の中心部に挿入するように構成されている。
そして、取付支持軸10と回転支持軸11とは、図9および図10に示すように、その両者の上下部がそれぞれ支持用ベアリング21によって互いに回転自在に取り付けられている。この場合、上下の各支持用ベアリング21は、外側の各受部21aがそれぞれ取付支持軸10に取付片10aによって取り付けられ、内側の各受部21bがそれぞれ回転支持軸11に取り付けられている。これにより、取付支持軸10と回転支持軸11とは、上下の各支持用ベアリング21によって回転自在に連結され、回転支持軸11に取り付けられたフレーム12が取付支持軸10に対して回転するように構成されている。
一対の車輪13、14は、図9に示すように、フレーム12の収納部12aの両側の車輪カバー部12bに架け渡された車軸22、23にそれぞれ回転自在に取り付けられており、これら車輪13、14の各外周面には、ゴム部材13a、14aがそれぞれ設けられている。この場合、各車軸22、23は、その各両端部がフレーム12の両側の車輪カバー部12bにそれぞれ取り付けられた状態で、各車輪13、14が車軸用ベアリング22a、23aによってそれぞれ回転自在に取り付けられている。また、これら車軸20、21には、図9に示すように、一対の車輪13、14と共に回転する減速歯車24がそれぞれ取り付けられている。
一対のモータ15、16は、それぞれステップモータからなり、図11に示すように、フレーム12の収納部12a内に設けられ、その出力軸が収納部12a内から両側の各車輪カバー部12b内に挿入し、この挿入した出力軸の先端部に小径の駆動歯車15a、16aがそれぞれ設けられ、これら駆動歯車15a、16aが各車軸22、23の各減速歯車24にそれぞれ噛み合って回転することにより、各モータ15、16の回転がそれぞれ各減速歯車24によって減速されて一対の車輪13、14に伝達され、これにより各車輪13、14を個別に回転させるように構成されている。
この場合、一対のモータ15、16には、図9〜図11に示すように、各リード線19がそれぞれ接続されている。これらリード線19は、各モータ15、16に接続された状態で、フレーム12の収納部12a内に設けられた回転支持軸11内を通り、この回転支持軸11と取付支持軸10との間に設けられた接続用のスリップリング20を介して取付支持軸10内から外部に導かれ、この外部に導かれた各リード線19が後述する制御部9に電気的に接続され、これにより制御部9から電力が供給されるように構成されている。
すなわち、接続用のスリップリング20は、図9および図10に示すように、取付支持軸10の内部における取付支持軸10と回転支持軸11との間に配置されている。このスリップリング20は、図13(a)および図13(b)に示すように、回転支持軸11の上端部に取り付けられて回転支持軸11と共に回転する回転体25と、この回転体25の外周にリング状に設けられた複数の接続端子26と、取付支持軸10に固定されて回転体25が非接触状態で挿入する固定筒体27と、この固定筒体27に設けられて回転体25の複数の接続端子26にそれぞれ接触した状態で回転体25に対し相対的に回転する複数の接触子28とを備えている。
また、このスリップリング20は、図13(a)および図13(b)に示すように、一対のモータ15、16に接続された回転支持軸11側のリード線19がフレーム12の収納部12a内に設けられた回転支持軸11内を通り、回転体25の内部に挿入されて各接続端子26に内側から接続され、且つ制御部9に接続される取付支持軸10側のリード線19が外部から取付支持軸10内に挿入されて固定筒体27の外周面から突出した各接触子28にそれぞれ接続され、これにより回転支持軸11側のリード線19と取付支持軸10側のリード線19とを電気的に接続するように構成されている。
従って、このスリップリング20は、回転支持軸11が取付支持軸10に対し相対的に回転すると、この回転支持軸11と共に回転体25が固定筒体27内で回転し、この回転体25に設けられた複数の接続端子26に固定筒体27に設けられた複数の接触子28がそれぞれ接触した状態で各接続端子26に沿って相対的に回転移動することにより、回転支持軸11と取付支持軸10とが相対的に回転しても、常に固定筒体27の各接触子28が回転体25の各接続端子26に接触して電気的に接続されていることにより、各リード線19がねじれないように構成されている。
ところで、取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度を検出するロータリーエンコーダ17は、アブソリュートタイプのもので、図9、図10、および図12に示すように、発光機能部および受光機能部を有する光学素子を集積したモジュール30と、角度ごとに角度データコード(図示せず)が設けられた円板31とを備え、モジュール30が断面コ字状に形成されて取付支持軸10側に固定され、円板31がモジュール30内に回転可能に挿入された状態で回転支持軸11側に固定された構成になっている。
すなわち、このロータリーエンコーダ17は、モジュール30が取付支持軸10と共に回転し、円板31が回転支持軸11と共に回転し、このときに円板31の角度データコードをモジュール25の光学素子で順次読み取ることにより、取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度の絶対位置をリアルタイムで検出するように構成されている。この場合、光学素子は、発光機能部と受光機能部とが円板31を挟んで互いに対向する透過型のものであっても良く、また発光機能部と受光機能部とを円板31の片面側に対向した状態で並べて配置した反射型のものであっても良い。
クラッチ機構部18は、図5、図6および図10に示すように、取付支持軸10の上部側面に設けられたほぼ円筒状のクラッチ収納部32内に設けられた電磁クラッチ33と、回転支持軸11の上部に設けられた連動歯車34とを備えている。電磁クラッチ33は、クラッチ収納部32内に設けられた固定軸35に固定されたクラッチ本体36と、固定軸35に回転自在に設けられたクラッチ板37と、このクラッチ板37に一体的に設けられて回転支持軸11の連動歯車34に噛み合って回転するクラッチ歯車38とを備えている。
従って、この電磁クラッチ33は、クラッチ本体36のコイル部(図示せず)が通電されると、コイル部に磁界が発生し、その磁力によってクラッチ板37がクラッチ本体36に吸着されてクラッチ歯車38を固定し、且つコイル部への通電が断たれると、コイル部の磁力によるクラッチ板37の吸着が解除されて、クラッチ板37とクラッチ歯車38とが固定軸35に対して回転可能な状態になるように構成されている。
これにより、クラッチ機構部18は、図10に示すように、クラッチ本体36のコイル部が通電されてクラッチ板37がクラッチ本体36に磁力によって吸着されると、クラッチ板37のクラッチ歯車38がクラッチ本体36に対し固定され、このクラッチ歯車38に噛み合って回転する回転支持軸11の連動歯車34も固定され、これにより回転支持軸11を取付支持軸10に対し固定するように構成されている。また、このクラッチ機構部18は、クラッチ本体36のコイル部への通電が断たれると、クラッチ板37がクラッチ本体36に対し回転可能な状態になり、これによりクラッチ歯車38と、これに噛み合う回転支持軸11の連動歯車34とが回転可能な状態になり、回転支持軸11が取付支持軸10に対し回転するように構成されている。
一方、椅子本体1の肘掛部4に設けられた操作部8は、図1〜図3に示すように、椅子本体1の進行方向を指示するジョイスティックレバー40、電源をオン−オフする電源スイッチ41、および椅子本体1をその場で旋回させるための旋回スイッチ46などの各種のスイッチを備えている。ジョイスティックレバー40は、それを前後左右に傾けることにより、その傾きに応じた方向に椅子本体1を進行させる指示を制御部9に出力するように構成されている。すなわち、このジョイスティックレバー40は、これを前方に傾けると前進方向の指示を出力し、後方に傾けると後進方向の指示を出力し、右方に傾けると右旋回方向の指示を出力し、左方に傾けると左旋回方向の指示を出力するほか、その傾き角度に応じて走行速度の指示をも出力するように構成されている。
次に、この自動走行椅子の回路構成について、図14に示したブロック図を参照して説明する。制御部9は、記憶部42に記憶されたプログラムに従って回路全体を制御する。操作部8は、各種のスイッチ操作に応じて制御部9に動作指令を与える。電動キャスタ6のロータリーエンコーダ17は、取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度を一対の車輪13、14の向きとして検出し、この検出した回転角度データをリアルタイムで制御部9に与える。
制御部9は、操作部8からの動作指令に基づいて各電動キャスタ6の各一対のモータ駆動回路43、44にそれぞれ駆動信号を与えて各一対のモータ15、16をそれぞれ駆動すると共に、ロータリーエンコーダ17で検出された回転角度データに基づいて電動キャスタ6の一対のモータ駆動回路43、44にそれぞれ駆動信号を与えて一対のモータ15、16をそれぞれ駆動して、一対の車輪13、14の向きを制御するように構成されている。
また、この制御部9は、一対の車輪13、14の向きが制御されると、クラッチ駆動回路45に駆動信号を与えて、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33を駆動させて回転支持軸11を取付支持軸10に対し回転可能な状態から固定状態に切り替え、この状態で一対の車輪13、14を同じ速度で回転させ、これにより椅子本体1を走行させる。また、この制御部9は、椅子本体1を走行させた後に、再びクラッチ駆動回路45に駆動信号を与えて、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33を駆動させて回転支持軸11を取付支持軸10に対し回転可能な状態にするように構成されている。なお、この制御部9は、制御ボックス内に収納され、この制御ボックス内に設けられた電源部(図示せず)から電源が供給されるように構成されている。
次に、この制御部9の動作フローについて、図15および図16を参照して説明する。
まず、操作部8の電源スイッチ41が操作されて電源がオンすると、図15に示す動作フローがスタートし、操作部8のジョイスティックレバー40が操作されたかを判断する(ステップS1)。このときに、ジョイスティックレバー40が操作されていなければ、操作されるまで待機し、ジョイスティックレバー40が操作されると、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオフにし、回転支持軸11を取付支持軸10に対し回転可能な状態にして電動キャスタ6の向きが自由に変わるようにし(ステップS2)、ステップS3に進む。
このステップS3では、ジョイスティックレバー40が前方に傾いているかを判断し、前方に傾いていると、前進動作と判断され、電動キャスタ6の一対のモータ15、16を駆動し、一対の車輪13、14をそれぞれ個別に回転させて、電動キャスタ6が前方を向くように制御する(ステップS4)。このときには、電動キャスタ6のロータリーエンコーダ17が取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度データをリアルタイムで検出し、これらロータリーエンコーダ17からの回転角度データに基づいてそれぞれの電動キャスタ6の向きを判断する(ステップS5)。
このとき、電動キャスタ6が前方を向いていなければ、ステップS4に戻って電動キャスタ6が前方を向くまで一対のモータ15、16の回転数を個別に制御する。そして、電動キャスタ6が前方を向くと、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオンにしてクラッチ板37を固定し、このクラッチ板37のクラッチ歯車38に噛み合って回転する回転支持軸11の連動歯車34の回転を規制し、回転支持軸11を取付支持軸10に対し固定する(ステップS6)。
この状態で、一対のモータ15、16の回転数を同じ回転数に保って正回転させる(ステップS7)。すると、電動キャスタ6の一対の車輪13、14が同じ回転速度で回転するので、椅子本体1が一定の速度で前進する。このときに、ジョイスティックレバー40の前方への傾き角度が小さければ、一対のモータ15、16の回転数を低くして前進速度を遅くし、逆にジョイスティックレバー40の前方への傾き角度が大きければ、一対のモータ15、16の回転数を高くして前進速度を速くする。この後、ステップS1に戻り、ステップS1〜S7の動作を繰り返す。
また、ステップS3でジョイスティックレバー40が前方に傾いていなければ、ステップS8に進んで、ジョイスティックレバー40が後方に傾いているかを判断し、後方に傾いていると、後進動作と判断され、電動キャスタ6の一対のモータ15、16を駆動して一対の車輪13、14をそれぞれ個別に回転させる(ステップS9)。このときにも、電動キャスタ6のロータリーエンコーダ17が取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度データをリアルタイムで検出し、ロータリーエンコーダ17からの回転角度データに基づいて電動キャスタ6の向きを判断する(ステップS10)。
このとき、電動キャスタ6が前方(つまり、後進動作は一対のモータ15、16を逆回転させれば良いので、必ずしも電動キャスタ6を後方に向ける必要はなく、前方に向ければ良い。)を向いていなければ、ステップS8に戻って電動キャスタ6が前方を向くまで一対のモータ15、16の回転数を個別に制御する。そして、電動キャスタ6が前方を向くと、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオンにしてクラッチ板37を固定し、このクラッチ板37のクラッチ歯車38に噛み合って回転する回転支持軸11の連動歯車34の回転を規制し、回転支持軸11を取付支持軸10に対して固定する(ステップS11)。
この状態で、一対のモータ15、16の回転数を同じ回転数に保って逆回転させる(ステップS12)。すると、電動キャスタ6の一対の車輪13、14が同じ回転速度で逆回転するので、椅子本体1が一定の速度で後進する。このときにも、ジョイスティックレバー40の後方への傾き角度が小さければ、一対のモータ15、16の回転数を低くして後進速度を遅くし、逆にジョイスティックレバー40の後方への傾き角度が大きければ、一対のモータ15、16の回転数を高くして後進速度を速くする。この後、ステップS1に戻り、ステップS1〜S12の動作を繰り返す。
また、ステップS8でジョイスティックレバー40が後方に傾いていなければ、ステップS13に進んで、ジョイスティックレバー40が左右方向のうち、右方向に傾いているかを判断し、右方向に傾いていると、右方への動作と判断され、電動キャスタ6の一対のモータ15、16を駆動し、一対の車輪13、14をそれぞれ個別に回転させて電動キャスタ6が右方向を向くように制御する(ステップS14)。
このときにも、電動キャスタ6のロータリーエンコーダ17が取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度データをリアルタイムで検出し、ロータリーエンコーダ17からの回転角度データに基づいてそれぞれの電動キャスタ6の向きを判断する(ステップS15)。このとき、電動キャスタ6がジョイスティックレバー40の右方向への傾きに対応する向きでなければ、ステップS14に戻って電動キャスタ6がジョイスティックレバー40の右方向への傾きに対応する向きになるように、一対のモータ15、16の回転数を個別に制御する。
そして、電動キャスタ6が右方向に向くと、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオンにしてクラッチ板37を固定し、このクラッチ板37のクラッチ歯車38に噛み合って回転する回転支持軸11の連動歯車34の回転を規制し、回転支持軸11を取付支持軸10に対して固定する(ステップS16)。この状態で、一対のモータ15、16の回転数を同じ回転数に保って正回転させる(ステップS17)。すると、電動キャスタ6の一対の車輪13、14が右方向に向いた状態で同じ回転速度で正回転するので、椅子本体1が一定の速度で右方向に進む。
このときにも、ジョイスティックレバー40の右方向への傾き角度が小さければ、一対のモータ15、16の回転数を低くして右方向への速度を遅くし、逆にジョイスティックレバー40の右方への傾き角度が大きければ、一対のモータ15、16の回転数を高くして右方向への速度を速くする。この後、ステップS1に戻り、ステップS1〜S17の動作を繰り返す。
この場合、ジョイスティックレバー40が右斜め前方に向けて傾いているときには、ステップS14〜S17と同様に、電動キャスタ6がジョイスティックレバー40の右方向への傾きに対応する向きになるように、一対のモータ15、16の回転数を個別に制御し、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオンにして回転支持軸11を取付支持軸10に対して固定し、この状態で一対のモータ15、16の回転数を同じ回転数に保って正回転させる。これにより、電動キャスタ6の一対の車輪13、14が右斜め前方に向いた状態で同じ回転速度で正回転するので、椅子本体1が一定の速度で右斜め前方に進む。
また、ステップS13でジョイスティックレバー40が右方向に傾いていなければ、ステップS18に進んで、左方向に傾いているかを判断する。このとき、ジョイスティックレバー40が左方向に傾いていなければ、ステップS1に戻って、上記ステップS1〜S17までの動作を繰り返す。また、ステップS18でジョイスティックレバー40が左方向に傾いていると、左方向への動作と判断され、電動キャスタ6の一対のモータ15、16を駆動し、一対の車輪13、14をそれぞれ個別に回転させて電動キャスタ6が右方向を向くように制御する(ステップS19)。
このときにも、電動キャスタ6のロータリーエンコーダ17が取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度データをリアルタイムで検出し、ロータリーエンコーダ17からの回転角度データに基づいてそれぞれの電動キャスタ6の向きを判断する(ステップS20)。このとき、電動キャスタ6がジョイスティックレバー40の左方向への傾きに対応する向きでなければ、ステップS15に戻って電動キャスタ6がジョイスティックレバー40の左方向への傾きに対応する向きになるように、一対のモータ15、16の回転数を個別に制御する。
そして、電動キャスタ6が左方向を向くと、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオンにしてクラッチ板37を固定し、このクラッチ板37のクラッチ歯車38に噛み合って回転する回転支持軸11の連動歯車34の回転を規制し、回転支持軸11を取付支持軸10に対して固定する(ステップS21)。この状態で、一対のモータ15、16の回転数を同じ回転数に保って正回転させる(ステップS22)。すると、電動キャスタ6の一対の車輪13、14が左方向に向いた状態で同じ回転速度で正回転するので、椅子本体1が一定の速度で左方向に進む。
このときにも、ジョイスティックレバー40の左方向への傾き角度が小さければ、一対のモータ15、16の回転数を低くして左方向への速度を遅くし、逆にジョイスティックレバー40の左方への傾き角度が大きければ、一対のモータ15、16の回転数を高くして左方向への速度を速くする。この後、ステップS1に戻り、ステップS1〜22の動作を繰り返す。
この場合、ジョイスティックレバー40が左斜め前方に向けて傾いているときには、ステップS19〜22と同様に、電動キャスタ6がジョイスティックレバー40の左斜め前方への傾きに対応する向きになるように、一対のモータ15、16の回転数を個別に制御し、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオンにして回転支持軸11を取付支持軸10に対して固定し、この状態で一対のモータ15、16の回転数を同じ回転数に保って正回転させる。これにより、電動キャスタ6の一対の車輪13、14が左斜め前方に向いた状態で同じ回転速度で正回転するので、椅子本体1が一定の速度で左斜め前方に進む。なお、電源スイッチ41がオフになると、ステップS1〜S22の動作フローを終了する。
次に、椅子本体1をその場で旋回させる回転動作処理について、図16を参照して説明する。まず、操作部8の各種のスイッチのうち、電源スイッチ41が操作されて電源がオンした状態で、操作部8の旋回スイッチ46が操作されると、ステップS1〜S22に割り込んで回転動作処理を開始する。このときには、まず、ジョイスティックレバー40が左右のいずれの方向に傾き操作されたかを判断し(ステップS30)、ジョイスティックレバー40が左右のいずれの方向に傾き操作されていなければ、傾き操作されるまで待機する。
このステップS30で、ジョイスティックレバー40が左右のいずれの方向に傾き操作されると、クラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオンにしてクラッチ板37を固定し、このクラッチ板37のクラッチ歯車38に噛み合って回転する回転支持軸11の連動歯車34の回転を規制し、回転支持軸11を取付支持軸10に対して固定し(ステップS31)、ジョイスティックレバー40が右方向に傾き操作されたかを判断する(ステップS32)。
そして、ジョイスティックレバー40が右方向に傾き操作されていると、電動キャスタ6の一対のモータ15、16を互いに異なる方向、つまりモータ15、16の一方(例えば右側のモータ15)を正回転させ、他方(例えば左側のモータ16)を逆回転させ、電動キャスタ6の一対の車輪13、14を移動させずに回転させて椅子本体1をその場で右方向に旋回させる(ステップS33)。この状態で、椅子本体1がジョイスティックレバー40の操作に応じて旋回すると、モータ15、16を停止させてクラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオフにし、回転支持軸11を取付支持軸10に対し回転可能な状態にし(ステップS34)、ステップS30に戻って、ステップS31〜S33の動作を繰り返す。
また、ステップS32でジョイスティックレバー40が右方向に傾き操作されていなければ、左方向に傾き操作されているかを判断し(ステップS35)、左方向に傾き操作されていると、電動キャスタ6の一対のモータ15、16を互いに異なる方向、つまりモータ15、16の一方(例えば左側のモータ16)を正回転させ、他方(例えば右側のモータ15)を逆回転させて、電動キャスタ6の一対の車輪13、14を移動させずに回転させて椅子本体1をその場で左方向に旋回させる(ステップS36)。
この状態で、椅子本体1がジョイスティックレバー40の操作に応じて旋回すると、モータ15、16を停止させてクラッチ機構部18の電磁クラッチ33をオフにし、回転支持軸11を取付支持軸10に対し回転可能な状態にし(ステップS34)、ステップS30に戻って、ジョイスティックレバー40が操作されなくなるまで、ステップS30〜S35の動作を繰り返す。そして、操作部8の旋回スイッチ46が操作されてオフになると、この回転動作処理を終了する。
このように、この自動走行椅子によれば、椅子本体1の座部2に使用者が座った状態で、椅子本体1の肘掛部4に設けられた操作部8を操作して、椅子本体1の複数の脚部5のうち、中心部の脚部5の下端部に設けられた電動キャスタ6の進行方向を制御部9に指示すると、この制御部9が操作部8からの指示に基づいて電動キャスタ6を制御するので、椅子本体1を操作部8からの指示に応じた進行方向に向けることができると共に、電動キャスタ6を椅子本体1に対し回転することなく固定することができ、これにより椅子本体1を操作部8からの指示に応じた進行方向に正確に向けて自動的に且つ安定させて走行させることができる。
この場合、この自動走行椅子は、椅子本体1の座部2の中心部に位置する脚部5の下端部に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタ6と、この座部2の中心部に位置する脚部5を除く他の複数の脚部5の各下端部にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタ7とを備えているので、椅子本体1を複数の補助キャスタ7で安定した状態で支持することができると共に、1つの電動キャスタ6で椅子本体1の移動を駆動することができ、これにより椅子全体の構造の簡素化および電動キャスタ6の制御の簡素化を図ることができる。
特に、この自動走行椅子は、椅子本体1の進行方向を指示するための操作部8と、この操作部8からの指示に基づいて電動キャスタ6を制御して椅子本体1の走行を制御する制御部9とを備えているので、操作部8を操作して椅子本体1の進行方向を指示すると、この操作部8からの指示に基づいて制御部9が電動キャスタ6を制御し、これにより椅子本体1を操作部8で指示された進行方向に自由に向けることができると共に、電動キャスタ6の向きを固定して所望する方向に椅子本体1を安定した状態で良好に走行させることができる。すなわち、電動キャスタ6を操作部8で指示された進行方向に向けて固定することにより、椅子本体1を前後左右方向および斜め前方に直進移動させることができるほか、椅子本体1をその場で旋回させることができ、これにより従来の電動車椅子よりも小回りが効き、任意の方向に良好に走行させることができる。
また、電動キャスタ6は、椅子本体1の脚部5に設けられた取付支持軸10に回転支持軸11を回転自在に取り付け、この回転支持軸11のフレーム12に一対の車輪13、14をそれぞれ回転自在に取り付け、これら一対の車輪13、14を一対のモータ15、16でそれぞれ個別に回転させる際、回転支持軸11が取付支持軸10に対する回転規制を受けないため、一対の車輪13、14の向きが制限されず、自由に向きを変えることができると共に、取付支持軸10に設けられたクラッチ機構部18によって回転支持軸11を取付支持軸10に対し回転可能な状態から固定状態に切り替えるので、一対の車輪13、14を任意の向きに固定することができ、これにより椅子本体1を良好に且つ安定させて走行させることができる。
特に、クラッチ機構部18は、取付支持軸10に設けられた電磁クラッチ33と、回転支持軸11に設けられた連動歯車34とを備え、電磁クラッチ33は、通電時に磁界を発生するクラッチ本体35と、このクラッチ本体35に対し回転自在に設けられたクラッチ板37と、このクラッチ板37に設けられて回転支持軸11の連動歯車34に噛み合って回転するクラッチ歯車38とを備え、クラッチ本体35が通電状態のときに磁界を発生し、磁力によってクラッチ本体35がクラッチ板37を吸着してクラッチ歯車38を固定し、且つ非通電状態のときに磁力によるクラッチ板37の吸着を解除してクラッチ歯車38を回転可能な状態にすることができる。
このため、このクラッチ機構部18によれば、電磁クラッチ33のクラッチ本体35を通電状態したときに、回転支持軸11を取付支持軸10に対し確実に固定することができ、また電磁クラッチ33のクラッチ本体35を非通電状態にしたときに、回転支持軸11を取付支持軸10に対して回転可能な状態にすることができる。これにより、電磁クラッチ33を非通電状態にすると、電動キャスタ6が複数のキャスタ7と同様、自由に向きを変えることができるので、通常のキャスタ付き椅子として使用することができる。
また、この電動キャスタ6では、ロータリーエンコーダ17が、発光機能部および受光機能部を備えた光学素子を集積したモジュール30と、角度ごとに角度データコードが設けられた円板31とを備え、モジュール30を取付支持軸10に設け、円板6を回転支持軸11に設け、この状態で取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度の絶対位置を検出するので、このロータリーエンコーダ17で一対の車輪13、14の向きをリアルタイムで検出することができ、これにより検出した回転角度データに基づいて電動キャスタ6の向きをリアルタイムで制御することができるので、電動キャスタ6の進行方向を正確に制御することができる。
この場合、ロータリーエンコーダ17は、取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度の絶対位置を検出するので、取付支持軸10に対する回転支持軸11の相対的な回転角度を検出するもののように、電源投入時に原点復帰作業を必要とせず、回転支持軸11の回転角度の絶対位置を検出して電動キャスタ6の向きをリアルタイムで正確に知ることができるほか、取付支持軸10に対する回転支持軸11の相対的な回転角度を検出するものに比べて、回路構成が簡単になるばかりか、取付時における位置調整も不要であるため、組立作業も容易にできる。
また、この電動キャスタ6は、回転支持軸11のフレーム12に、一対の車輪13、14をそれぞれ回転自在に取り付けると共に、これら一対の車輪13、14をそれぞれ個別に回転させる一対のモータ15、16を設け、これら一対のモータ15、16に接続されて回転支持軸11側から取付支持軸10側に導かれるリード線19の途中を電気的に接続するスリップリング20を取付支持軸10と回転支持軸11とに対し回転可能に設けたので、取付支持軸10に対し回転支持軸11が回転しても、スリップリング20がリード線19同士の接続を図った状態で、取付支持軸10と回転支持軸11とに対し回転する。
このため、取付支持軸10に対し回転支持軸11が回転しても、一対のモータ15、16に接続されて回転支持軸11側から取付支持軸10側に導かれるリード線19がねじれないようにすることができる。これにより、取付支持軸10に回転自在に取り付けられた回転支持軸11のフレーム12に一対のモータ15、16を設けても、リード線19によって取付支持軸10の外部に配置された制御部9から一対のモータ15、16に電力を確実に且つ良好に供給することができる。
この場合、スリップリング20は、取付支持軸10の内部に配置されて回転支持軸11と共に回転する回転体25と、この回転体25の外周にリング状に設けられた複数の接続端子26と、取付支持軸10に固定されて回転体25が非接触状態で挿入する固定筒体27と、この固定筒体27に設けられて回転体25の複数の接続端子26にそれぞれ接触した状態で回転体25に対し相対的に回転する複数の接触子28とを備えた構成であるから、回転支持軸11側のリード線19を回転体25の複数の接続端子26に接続し、取付支持軸10側のリード線19を複数の接触子28に接続することにより、回転支持軸11側のリード線19と取付支持軸10側のリード線19とをスリップリング20で確実に電気的に接続することができる。
このため、取付支持軸10に対し回転支持軸11が回転すると、この回転支持軸11と共に回転体25が固定筒体27内で回転すると共に、固定筒体27の各接触子28が回転体25の各接続端子26に接触した状態で各接続端子26に沿って相対的に回転移動するので、取付支持軸10に対し回転支持軸11が回転して、一対のモータ15、16が取付支持軸10に対し回転しても、リード線19がねじれないようにすることができる。従って、このスリップリング20は、接続端子26と接触子28との数を増やすだけで、多数のリード線19をねじれることなく接続することができる。
また、この自動走行椅子では、操作部8の電源スイッチ41をオフにすると、電磁クラッチ33がオフになるので、上述したように通常のキャスタ付きの椅子として使用することができる。すなわち、この自動走行椅子に用いられた電動キャスタ6は、一対の車輪13、14を駆動する一対のモータ15、16がそれぞれステップモータであり、このステップモータとして、電源からの電力が断たれて励磁されないときに、負荷トルクが極めて小さいものを使用することにより、通常のキャスタ付きの椅子としても、良好に使用することができる。
なお、上記実施形態では、ロータリーエンコーダ17が、発光機能部および受光機能部を備えた光学素子を集積したモジュール30と、角度ごとに角度データコードが設けられた円板31とを備え、モジュール30を取付支持軸10に設け、円板31を回転支持軸11に設け、この状態で取付支持軸10に対する回転支持軸11の回転角度の絶対位置を検出する構成になっているが、これに限らず、取付支持軸10に対する回転支持軸11の相対的な回転角度を検出するインクリメンタルタイプのロータリーエンコーダを用いても良い。この場合には、円板に角度ごとのスリットを設ければ良いので、円板の構造を簡単にすることができる。
また、上記実施形態では、電動キャスタ6を椅子本体1の脚部5に取り付けた自動走行椅子に適用した場合について述べたが、必ずしも電動キャスタ6を自動走行椅子に用いる必要はなく、台車などの移動体に設けた自動走行装置に広く適用することができる。
この発明の自動走行椅子の一例を示した外観正面図である。 図1の自動走行椅子の外観側面図である。 図1の自動走行椅子を斜め上から見た外観斜視図である。 図1の補助キャスタを示した斜視図である。 図1の電動キャスタを斜め上から見た斜視図である。 図5の電動キャスタの平面図である。 図5の電動キャスタの正面図である。 図5の電動キャスタの側面図である。 図6のA−A矢視における拡大断面図である。 図7のB−B矢視における拡大断面図である。 図6のC−C矢視における断面図である。 図9のロータリーエンコーダを拡大して示した分解斜視図である。 図10のスリップリングを示し、(a)は図10の状態における内部構造を示した拡大断面図、(b)はそのD−D矢視における拡大断面図である。 図1の自動走行椅子の回路構成を示したブロック図である。 図14の自動走行椅子の動作フローを示した図である。 図14の自動走行椅子における回転動作処理の動作フローを示した図である。
符号の説明
1 椅子本体
2 座部
3 背当部
4 肘掛部
5 脚部
6 電動キャスタ
7 補助キャスタ
8 操作部
9 制御部
10 取付支持軸
11 回転支持軸
12 フレーム
13、14 車輪
15、16 モータ
17 ロータリーエンコーダ
18 クラッチ機構部
19 リード線
20 スリップリング
21 支持用ベアリング
22、23 車軸
25 回転体
26 接続端子
27 固定筒体
28 接触子
30 モジュール
31 円板
33 電磁クラッチ
34 連動歯車
35 クラッチ本体
37 クラッチ板
38 クラッチ歯車
40 ジョイスティックレバー
41 電源スイッチ
46 回転動作用のスイッチ

Claims (11)

  1. 装置本体と、
    この装置本体のほぼ中心部に位置する箇所の下部に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタと、
    前記装置本体のほぼ中心部以外の複数箇所の下部にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタと、
    前記装置本体の進行方向を指示するための操作部と、
    この操作部からの指示に基づいて前記電動キャスタを制御して前記装置本体の走行を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする自動走行装置。
  2. 背当部を有する座部、この座部の両側に設けられた肘掛部、および前記座部の下部に設けられた複数の脚部を備えた椅子本体と、
    前記複数の脚部のうち、前記座部の中心部に位置する前記脚部の下端部に取り付けられて進行方向が自由に変わって固定される1つの電動キャスタと、
    前記座部の中心部に位置する前記脚部を除く他の複数の脚部の各下端部にそれぞれ取り付けられて自由に向きが変わる複数の補助キャスタと、
    前記肘掛部に設けられて前記椅子本体の進行方向を指示するための操作部と、
    前記座部の下面に設けられて前記操作部からの指示に基づいて前記電動キャスタを制御して前記椅子本体の走行を制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする自動走行装置。
  3. 前記電動キャスタは、前記装置本体のほぼ中心部に位置する箇所の下部または前記椅子本体の中心部に位置する脚部の下端部に取り付けられた取付部材と、この取付部材に回転自在に取り付けられた回転部材と、この回転部材にそれぞれ回転自在に取り付けられた一対の車輪と、前記回転部材に設けられて前記一対の車輪をそれぞれ個別に回転させる一対のモータと、前記回転部材を前記取付部材に対し回転可能な状態と固定状態とに切り替えるクラッチ機構部とを備えていることを特徴とする請求項1または2に記載の自動走行装置。
  4. 前記クラッチ機構部は、前記取付部材に設けられた電磁クラッチと、前記回転部材に設けられた連動歯車とを備え、前記電磁クラッチは、前記取付部材に対し固定されて通電時に磁界を発生する本体部と、この本体部に対し回転自在に設けられたクラッチ板と、このクラッチ板に設けられて前記連動歯車に噛み合って回転するクラッチ歯車とからなり、前記本体部が通電されて磁界を発生したときに、その磁力によって前記本体部が前記クラッチ板を吸着して前記クラッチ歯車を固定することを特徴とする請求項3に記載の自動走行装置。
  5. 前記電動キャスタは、前記取付部材に対する前記回転部材の回転角度を検出する回転角度検出部を備えていることを特徴とする請求項3に記載の自動走行装置。
  6. 前記回転角度検出部は、発光機能部および受光機能部を有する光学素子を集積したモジュールと、角度ごとに角度データコードが設けられた円板とを備え、前記モジュールを前記取付部材と前記回転部材との一方に設け、前記円板を前記取付部材と前記回転部材との他方に設け、この状態で前記モジュールの前記光学素子で前記円板の前記角度データコードを読み取ることにより、前記取付部材に対する前記回転部材の回転角度の絶対位置を検出することを特徴とする請求項5に記載の自動走行装置。
  7. 前記電動キャスタは、前記取付部材と前記回転部材とに対し回転可能に設けられ、且つ前記一対のモータに接続されて前記回転部材側から前記取付部材側に導かれる接続線の途中が電気的に接続される回転接続部材を備えていることを特徴とする請求項3に記載の自動走行装置。
  8. 前記回転接続部材は、前記取付部材の内部に配置されて前記回転部材と共に回転する回転体と、この回転体の外周にそれぞれリング状に設けられた複数の接続端子と、前記取付部材に固定されて前記回転体が非接触状態で挿入する固定筒体と、この固定筒体に設けられて前記回転体の前記複数の接続端子にそれぞれ接触した状態で前記回転体に対し相対的に回転する複数の接触子とを備えていることを特徴とする請求項7に記載の自動走行装置。
  9. 前記操作部は、電源スイッチと操舵レバーとを備え、前記操舵レバーは、前後左右方向および斜め前方向に傾け操作することにより、その傾き方向に応じて進行方向を指示することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の自動走行装置。
  10. 前記操作部は、前記電動キャスタをその場で旋回させる動作指令を出力する旋回スイッチを備えていることを特徴とする請求項9に記載の自動走行装置。
  11. 前記制御部は、前記操作部からの指示に基づいて前記電動キャスタの向きを制御するときに、前記回転角度検出部で検出された回転角度データに基づいて前記電動キャスタの向きを制御して前記操作部で指示された進行方向に向け、且つ前記クラッチ機構部を制御して前記回転部材を前記取付部材に対し回転可能な状態から固定状態に切り替えて走行させることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の自動走行装置。
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