JP2009173068A - 搬送装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造コスト及び省電力化を図った上で、電動キャスタにより安定した走行が得られるとともに、走行の自由度を向上させることができる搬送装置を提供する。
【解決手段】車体2に電動キャスタ21が取り付けられた搬送車1において、電動キャスタ21は、一対の駆動輪32,33を備え、これら駆動輪32,33のそれぞれにモータ45が内蔵されて独立して駆動可能で、一対の駆動輪32,33の回転差によって走行方向を変更可能に構成され、電動キャスタ21には、電動キャスタ21の駆動を車体2へ伝達し、または切り離し可能な電磁クラッチ70が連結されていることを特徴とする。
【選択図】図3
【解決手段】車体2に電動キャスタ21が取り付けられた搬送車1において、電動キャスタ21は、一対の駆動輪32,33を備え、これら駆動輪32,33のそれぞれにモータ45が内蔵されて独立して駆動可能で、一対の駆動輪32,33の回転差によって走行方向を変更可能に構成され、電動キャスタ21には、電動キャスタ21の駆動を車体2へ伝達し、または切り離し可能な電磁クラッチ70が連結されていることを特徴とする。
【選択図】図3
Description
本発明は、搬送装置に関するものである。
従来から、電動キャスタを用いて自走可能にした電動車椅子や、倉庫等に保管された部品を搬送する搬送車等が知られている。この電動キャスタは、シャーシ部(車体)に回転自在に取付けられた支柱の一端に一対の駆動輪を備えたものである。これら駆動輪には、小型化を図るためにそれぞれ電動モータが内蔵され、各々駆動輪が独立して駆動することができるようになっている。そして、各駆動輪の回転差によって電動車椅子や搬送車の走行方向を変更可能にしている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特許文献1によれば、前記電動キャスタを車体の前下部または、後下部に1つ配置し、それぞれ後部または前部に車体安定のための従動輪を配置する構造が開示されているとともに、これに加えて、電動キャスタを車体の中央下部に1つ配置することにより回転半径ゼロの旋回(芯地回転)を行える技術も開示されている。
また、特許文献2によれば、前記電動キャスタを車体の前後に1つずつ設けることにより、搬送車の直進や、カーブ、芯地旋回等を安定して行うことを可能にしている。
特開2004−90903号公報
特開平11−11318号公報
また、特許文献2によれば、前記電動キャスタを車体の前後に1つずつ設けることにより、搬送車の直進や、カーブ、芯地旋回等を安定して行うことを可能にしている。
しかしながら、特許文献1において電動キャスタを車体の中央下部に設ける構造にあっては、前述した芯地回転を行えるものの、カーブ等の旋回作動を行う場合、電動キャスタの作動に車体が追従することができない。すなわち、車体の向きが変更されずに電動キャスタのみの向きが変更してしまうため、カーブ等の旋回作動を行うことができず、また、直進走行においても安定性が悪いという問題がある。
また、特許文献2に示す搬送車にあっては、電動キャスタを車体の前後に1つずつ配置することにより、搬送車の直進や、カーブ、芯地旋回等を安定して行うことを可能にしているが、電動キャスタを前後に1つずつ配置することにより、製造コスト及び消費電力が増加してしまうという問題がある。
また、特許文献2に示す搬送車にあっては、電動キャスタを車体の前後に1つずつ配置することにより、搬送車の直進や、カーブ、芯地旋回等を安定して行うことを可能にしているが、電動キャスタを前後に1つずつ配置することにより、製造コスト及び消費電力が増加してしまうという問題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、低コスト化及び省電力化を図った上で、安定した走行が得られるとともに、走行の自由度を向上させることができる搬送装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の請求項1に係る発明は、車体に電動キャスタが取り付けられた搬送装置において、前記電動キャスタは、一対の駆動輪を備え、これら駆動輪のそれぞれにモータが内蔵されて独立して駆動可能で、前記一対の駆動輪の回転差によって走行方向を変更可能に構成され、前記電動キャスタには、該電動キャスタの駆動力を前記車体へ伝達し、または切り離し可能な駆動力制御手段が連結されていることを特徴とする。
この搬送装置は、電動キャスタに駆動力制御手段を設けることにより、電動キャスタから駆動力を車体へ伝達し、または切り離すことができる。つまり、直進またはカーブ等を行う場合、駆動力制御手段により電動キャスタの駆動力を車体に伝達することで、電動キャスタと車体とが一体化し、電動キャスタの駆動に車体が追従するように作動するため、直進または旋回等を安定して行うことができる。
また、駆動力制御手段により電動キャスタの駆動力を切り離すことで、電動キャスタのみの向きを変更することができるため、車体の向きを維持した状態で芯地旋回や斜め走行等を安定して行うことができる。
この搬送装置は、電動キャスタに駆動力制御手段を設けることにより、電動キャスタから駆動力を車体へ伝達し、または切り離すことができる。つまり、直進またはカーブ等を行う場合、駆動力制御手段により電動キャスタの駆動力を車体に伝達することで、電動キャスタと車体とが一体化し、電動キャスタの駆動に車体が追従するように作動するため、直進または旋回等を安定して行うことができる。
また、駆動力制御手段により電動キャスタの駆動力を切り離すことで、電動キャスタのみの向きを変更することができるため、車体の向きを維持した状態で芯地旋回や斜め走行等を安定して行うことができる。
請求項2に記載した発明は、前記電動キャスタは、前記車体の重心に1つ設けられ、前記電動キャスタの周囲には、前記電動キャスタの駆動に対して従動する複数のフリーキャスタが配置されていることを特徴とする。
この搬送装置は、駆動輪の回転差で走行方向を変更するときに、フリーキャスタの向きが走行方向と異なって抵抗になった場合でも、電動キャスタが車体の重心に配置されているので、安定して走行させることができる。
また、電動キャスタを1つにすることで低コスト化及び省電力化を図ることができるとともに、装置のコンパクト化を図ることができる。
この搬送装置は、駆動輪の回転差で走行方向を変更するときに、フリーキャスタの向きが走行方向と異なって抵抗になった場合でも、電動キャスタが車体の重心に配置されているので、安定して走行させることができる。
また、電動キャスタを1つにすることで低コスト化及び省電力化を図ることができるとともに、装置のコンパクト化を図ることができる。
請求項3に記載した発明は、前記駆動力制御手段は、電磁クラッチであることを特徴とする。
この搬送装置は、電磁クラッチに通電し、励磁または非励磁に切り替えることで、電動キャスタの駆動力を車体へ伝達し、または切り離しを行うことができる。
この搬送装置は、電磁クラッチに通電し、励磁または非励磁に切り替えることで、電動キャスタの駆動力を車体へ伝達し、または切り離しを行うことができる。
本発明によれば、電動キャスタに駆動力制御手段を設けることにより、電動キャスタから駆動力を車体へ伝達し、または切り離すことができる。したがって、電動キャスタが1つのみの場合でも、芯地旋回、カーブ等の旋回動作を含む全方向の安定した走行が可能になるため、低コスト化及び省電力化を図った上で、走行の自由度を向上させることができる。
次に、発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施の形態で同じ構成要素には、同一の符号を付してある。また、重複する説明は省略する。
図1,2に示すように、搬送装置(以下、搬送車という)1は、矩形の平板状の車体2を有する。車体2は、その上面が部品等を搭載可能な載置スペースになっている。車体2の下面には、電動キャスタ21と、フリーキャスタ22,23,24,25と、制御装置26及びバッテリ27が配設されている。
電動キャスタ21は、車体2の2つの角部を通る2つの対角線の交点、すなわち車体重心C1(車体2の重心)上に配置されている。フリーキャスタ22〜25は、車体2の角部であって、車体2の2つの角部を通る2つの対角線上に配置されており、かつ車体重心C1に対して略対称な位置に設けられている。フリーキャスタ22〜25は、車体2に支柱31が鉛直軸を中心に360°回転自在に支持され、1つの車輪が支柱31に対して回転自在に取り付けられている。なお、各キャスタ21〜25を駆動させたときの軌跡は、平面視で車体2の外側には突出しない。
図3に示すように、電動キャスタ21は、支柱31に支持されている。この支柱31は、車体2の下側から開口部2aを鉛直上方向に挿通され、後述するベアリング16,17,18により鉛直軸を中心に360°回転自在に支持されている。支柱31の下端部は水平方向に分岐しており、一対の駆動輪32,33がベアリング35でそれぞれが回転自在に取り付けられている。駆動輪32,33は、支柱31に回転自在に支持された有底筒状のホイール41を有し、ホイール41の開口部を蓋部42で覆うとともに、ホイール41の外周部分に床面などに接地する車輪43がボルトで固定されている。ホイール41と蓋部42が形成する内部空間には、モータ45が1つずつ内蔵されており、各々の駆動輪32,33を独立して回転駆動できるようになっている。
モータ45は、支柱31に固定されたブラケット51と、ブラケット51に固定されたヨーク52とを有し、ブラケット51及びヨーク52でアーマチュア53を略水平に、かつ回転自在に支持している。ブラケット51には、ベアリング54が圧入されるとともに、ブラシホルダ55が固定されている。ブラシホルダ55には、給電用のブラシ56が収容されている。ブラシ56には、ブラケット51内を通る通電線によって電流が供給されるようになっている。さらに、ブラケット51の周縁部には、ヨーク52の開口部が固定されている。ヨーク52は有底筒形状を有し、底部52Aに形成された孔にベアリング57が圧入されている。さらに、ヨーク52の内周面には複数のマグネット58が接着材等で固定されている。アーマチュア53は、2つのベアリング54,57に支持される回転軸59に、コンミテータ60とコア61が固定されている。コア61にはコイル62が巻装されており、コイル62の巻線はコンミテータ60の外周に配列されたセグメントに固定されている。セグメントはブラシ56に摺接している。
回転軸59は、ヨーク52の底部52Aから突出し、減速機構65に噛合されている。
減速機構65は、回転軸59に噛合され歯数の異なる2つの平歯車を同軸上に備えた段付平歯車66と、車輪43の蓋部42に一体に形成され段付平歯車66に噛合される内歯歯車68とで構成されている。段付平歯車66は、ヨーク52の底部52Aに突設されている不図示の支柱に回転自在に支持されている。この不図示の支柱は、段付歯車66を貫通し、車輪43の蓋部42側に突出している。この支柱が突出した部位には、支持部材67が取付けられている。この支持部材67は、軸受け69を介して蓋部42を回転自在に支持している。このように、アーマチュア53の出力軸59は、減速機構65を介して車輪43と連係した状態になっている。
減速機構65は、回転軸59に噛合され歯数の異なる2つの平歯車を同軸上に備えた段付平歯車66と、車輪43の蓋部42に一体に形成され段付平歯車66に噛合される内歯歯車68とで構成されている。段付平歯車66は、ヨーク52の底部52Aに突設されている不図示の支柱に回転自在に支持されている。この不図示の支柱は、段付歯車66を貫通し、車輪43の蓋部42側に突出している。この支柱が突出した部位には、支持部材67が取付けられている。この支持部材67は、軸受け69を介して蓋部42を回転自在に支持している。このように、アーマチュア53の出力軸59は、減速機構65を介して車輪43と連係した状態になっている。
制御装置26と、バッテリ27は、搬送車1の車体重心C1が車体2の中心に略一致するように配置されている。
制御装置26は、不図示の操作部からの入力を受けて各電動キャスタ21の一対のモータ45の回転数、回転数の比、回転方向を演算する運転制御部と、運転制御部の演算結果に応じて各モータ45を駆動させるドライバ回路とを有し、各モータ45毎に回転制御できるようになっている。
不図示の操作部としては、車体2に操作ハンドルを取り付けた場合に操作ハンドルに設けられたり、有線又は無線で搬送車1に接続されたりする。操作部としては、走行方向に合わせて傾倒可能な操作レバーや、移動方向に対応して配設されたボタンなどを使用できる。
制御装置26は、不図示の操作部からの入力を受けて各電動キャスタ21の一対のモータ45の回転数、回転数の比、回転方向を演算する運転制御部と、運転制御部の演算結果に応じて各モータ45を駆動させるドライバ回路とを有し、各モータ45毎に回転制御できるようになっている。
不図示の操作部としては、車体2に操作ハンドルを取り付けた場合に操作ハンドルに設けられたり、有線又は無線で搬送車1に接続されたりする。操作部としては、走行方向に合わせて傾倒可能な操作レバーや、移動方向に対応して配設されたボタンなどを使用できる。
一方、支柱31の上端部には電磁クラッチ70(駆動力伝達手段)が連結されている。この電磁クラッチ70は、電動キャスタ21の水平方向の回動力を車体2へ伝達し、または車体2から切り離すものであり、この電動クラッチ70のケーシング2を介して支柱31が車体2に水平方向に回動可能に支持されている。
具体的には、ケーシング2は、支柱31の軸線方向であって車体2を境にして下側の第1分割体3と上側の第2分割体4とに分割構成され、第2分割体4の開口縁4aを支柱31が挿通される車体2の開口部2aに固定し、第1分割体3のフランジ部3aを車体2の裏面に固定して、これら第1分割体3と第2分割体4とで収納部15が形成されるものである。なお、各分割体3,4はアルミニウムなどの金属で成形されている。各分割体3,4はそれぞれ向き合う側が開放された略凹状断面形状の部材で、第1分割体3の端板部3bに設けたベアリング16,17と、第2分割体4の端板部4bに設けたベアリング18とにより支柱31を車体2に対して回転可能に支持している。
支柱31のケーシング2内に位置する部位には、ホイール6の胴部6aが一体的に固定されている。
ホイール6の胴部6aの外周部には第2分割体4との間に、円環状の励磁コイル7及びその励磁コイル7を保持する円環状のヨーク8が支柱31と同軸で第2分割体4に固定されている。ヨーク8及び励磁コイル7には第2分割体4の端板部4b側に入力側部材9が固定されている。この入力側部材9は、磁性体から形成された断面コの字状に形成された環状の部材であり、外周部分と内周部分が励磁コイル7の内周と外周の一部を囲むようになっている。
ホイール6の胴部6aの外周部には第2分割体4との間に、円環状の励磁コイル7及びその励磁コイル7を保持する円環状のヨーク8が支柱31と同軸で第2分割体4に固定されている。ヨーク8及び励磁コイル7には第2分割体4の端板部4b側に入力側部材9が固定されている。この入力側部材9は、磁性体から形成された断面コの字状に形成された環状の部材であり、外周部分と内周部分が励磁コイル7の内周と外周の一部を囲むようになっている。
入力側部材9と第2分割体4の端板部4bとの間には、円盤状の板磁性体からなる出力側回転部材11が互いに重ね合わされた2枚の板ばね12を介して支柱31に一体固定されている。したがって、支柱31が車体2に対して回動すると出力側回転部材11が回動するが、励磁コイル7が通電されると、入力側部材9が磁化し、これに出力側回転部材11が吸着することにより支柱31つまり電動キャスタ21の支柱31を中心にした回動力に制動力が付与される。
なお、支柱31の車体2に対する支持部分は中空に形成され、内部にハーネス挿通され、支柱31の上端部から外部に引き出され外部の電子回路に接続されている。ここで、電磁クラッチ70の制御は、前述した制御装置26により、電動キャスタ21の制御と共有して行えるようになっている。
なお、支柱31の車体2に対する支持部分は中空に形成され、内部にハーネス挿通され、支柱31の上端部から外部に引き出され外部の電子回路に接続されている。ここで、電磁クラッチ70の制御は、前述した制御装置26により、電動キャスタ21の制御と共有して行えるようになっている。
次に、作用について説明する。
搬送車1が前進するときは、電磁クラッチ70を通電し、励磁コイル7を励磁することで、出力側回転部材11及びヨーク8、入力側部材9に磁束が通り、出力側回転部材11が入力側部材9に吸着する。これにより、電動キャスタ21の支柱31の鉛直軸を中心とした水平方向の回動力に制動力が付与され、その回動力が車体2に伝達される状態となる(以下、駆動力伝達状態という)。そして、制御装置26の運動制御部が各モータ45を同じ回転速度(回転比=1)で、かつ前進する方向に正転させる。すると、モータ45のアーマチュア53が回転し、減速機構65で減速された回転数で電動キャスタ21が駆動し、フリーキャスタ22〜25が従動して搬送車1が前進する。
搬送車1が前進するときは、電磁クラッチ70を通電し、励磁コイル7を励磁することで、出力側回転部材11及びヨーク8、入力側部材9に磁束が通り、出力側回転部材11が入力側部材9に吸着する。これにより、電動キャスタ21の支柱31の鉛直軸を中心とした水平方向の回動力に制動力が付与され、その回動力が車体2に伝達される状態となる(以下、駆動力伝達状態という)。そして、制御装置26の運動制御部が各モータ45を同じ回転速度(回転比=1)で、かつ前進する方向に正転させる。すると、モータ45のアーマチュア53が回転し、減速機構65で減速された回転数で電動キャスタ21が駆動し、フリーキャスタ22〜25が従動して搬送車1が前進する。
搬送車1が後退するときは、モータ45が逆転する他は前進時と同様の動作をする。
なお、操作部として操作レバーを使用して操作する場合には、操作レバーを傾倒させることで、制御装置26が走行方向を決定する。さらに、操作レバーの傾斜角度で、走行速度を決定する。すなわち、操作レバーの傾斜角度が小さいときは、モータ45の回転速度が小さくなる。傾斜角度が大きいときは、モータ45の回転速度が大きくなる。
なお、操作部として操作レバーを使用して操作する場合には、操作レバーを傾倒させることで、制御装置26が走行方向を決定する。さらに、操作レバーの傾斜角度で、走行速度を決定する。すなわち、操作レバーの傾斜角度が小さいときは、モータ45の回転速度が小さくなる。傾斜角度が大きいときは、モータ45の回転速度が大きくなる。
搬送車1を右旋回(カーブ)させるときは、電磁クラッチ70を駆動力伝達状態とし、電動キャスタ21の回動力が車体2に伝達されるようにする。そして、制御装置26が電動キャスタ21において前進方向の左側にあるモータ45を所定の回転数で正転させ、右側にあるモータ45の回転数をゼロ又は左側より小さい回転数に設定する。これにより、左側の駆動輪33が所定の回転数で回転するのに対して、右側の駆動輪32はほとんど回転しないので、電動キャスタ21の一対の駆動輪32,33の間に回転差が生じ、搬送車1が右側に旋回する。
この時、車体2と電動キャスタ21とは、電磁クラッチ70により駆動力伝達状態とされているため、電動キャスタ21と車体2とが一体化し、車体2が電動キャスタ21の旋回方向(右方向)に追従するように旋回することとなる。搬送車1を左旋回させるときは、電動キャスタ21の左右のモータ45の動作が逆転する他は右旋回時と同様の動作をする。
搬送車1を静止位置で右回りに回転(芯地回転)させるときは、まず電磁クラッチ70の励磁コイル7を非励磁状態とすることで、入力側部材9と出力側回転部材11とが切り離され、電動キャスタ21の支柱31の鉛直軸を中心とした回動力が車体2に伝達されない状態とする。そして、制御装置26が電動キャスタ21の前進方向で左側にあるモータ45を正転させ、右側にあるモータ45を停止させる。
これにより、電動キャスタ21の一対の駆動輪32,33の間に回転差が生じ、電動キャスタ21が車体2に対して回動する。つまり、搬送車1が停止し、車体2の向きを維持した状態で電動キャスタ21のみの向きが変わる。一対の駆動輪32,33が回転方向に向いたら、電磁クラッチ70駆動力伝達状態とし、電動キャスタ21の駆動を車体2に伝達させる。そして、制御装置26が各駆動輪32,33を同じ回転数で、かつ同じ方向に回転させる。これによって、搬送車1がその場で回転する。電動キャスタ21の向きを変更するときは、一対の駆動輪32,33の一方を正転させ、他方を逆転させても良い。
搬送車1を斜め方向や、横方向に移動させるときも、同様にして、電動キャスタ21の回動力を電磁クラッチ70により伝達し、または切り離し、電動キャスタ21内の2つの駆動輪32,33を所定の回転数比で回転させて、電動キャスタ21,23の向きを斜め方向や、横方向に移動させてから、駆動輪32,33を同じ回転数で駆動さても良い。
したがって、上述の実施の形態によれば、電動キャスタ21に電磁クラッチ70を設けることにより、電動キャスタ21の支柱31の鉛直軸を中心とした水平方向の回動力を車体2へ伝達し、または切り離すことができる。つまり、搬送車1が直進またはカーブ等を行う場合、電磁クラッチ70を駆動力伝達状態とし、電動キャスタ21の駆動を車体2に伝達することで、電動キャスタ21と車体2とが一体化し、電動キャスタ21の駆動に車体2が追従するように作動するため、搬送車1の直進またはカーブ等の移動を安定して行うことができる。また、電磁クラッチ70により電動キャスタ21の駆動を切り離すことで、電動キャスタ21のみの向きを変更することができるため、車体2を静止した状態で、芯地旋回、斜め方向等の移動を安定して行うことができる。
したがって、電動キャスタ21が1つのみの場合でも、芯地旋回、カーブ等の旋回動作を含む全方向の走行が可能になり、走行の自由度を向上させることができる。また、電動キャスタ21を1つにすることで、低コスト化及び省電力化を図ることができるとともに、搬送車1自体のコンパクト化を図ることができる。
さらに、駆動輪32,33の回転差で走行方向を変更するときに、フリーキャスタ22〜25の向きが走行方向と異なって抵抗になった場合でも、電動キャスタ21が車体重心C1に配置されているので、安定して走行させることができる。
したがって、電動キャスタ21が1つのみの場合でも、芯地旋回、カーブ等の旋回動作を含む全方向の走行が可能になり、走行の自由度を向上させることができる。また、電動キャスタ21を1つにすることで、低コスト化及び省電力化を図ることができるとともに、搬送車1自体のコンパクト化を図ることができる。
さらに、駆動輪32,33の回転差で走行方向を変更するときに、フリーキャスタ22〜25の向きが走行方向と異なって抵抗になった場合でも、電動キャスタ21が車体重心C1に配置されているので、安定して走行させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、本実施形態においては、駆動力制御手段として電磁クラッチを用いた場合について説明したが、電磁クラッチ以外のクラッチ機構を用いてもよく、電磁ブレーキ等のブレーキ機構を用いてもよい。
また、電動キャスタを複数設けてもよく、この場合、1つのみの電動キャスタに電磁クラッチを連結し、それ以外の電動キャスタを支柱の鉛直軸を中心に回転自在に構成してもよい。
また、電動キャスタを複数設けてもよく、この場合、1つのみの電動キャスタに電磁クラッチを連結し、それ以外の電動キャスタを支柱の鉛直軸を中心に回転自在に構成してもよい。
さらに、車体上に部品等を載置する他の載置スペースを設けたり、多段に部品を配置できるように構成しても良い。部品の落下を防止する柵を設けても良い。
また、実施形態で搬送車は、荷物を搭載可能な台車として使用する場合を例にして説明したが、電動ベッドや電動歩行器、電動車椅子など、種々に応用することができる。
また、実施形態で搬送車は、荷物を搭載可能な台車として使用する場合を例にして説明したが、電動ベッドや電動歩行器、電動車椅子など、種々に応用することができる。
また、アーマチュアの回転軸は、減速機構を介して車輪と連係した状態になっている場合について説明したが、これに限られるものではなく、減速機構に代えて遊星減速機構としてもよい。この場合、段付歯車を回転軸に噛合って自転すると共に、回転軸を中心に公転可能な遊星歯車に代えればよい。
1 搬送車(搬送装置) 2 車体 21 電動キャスタ 22,23,24,25 フリーキャスタ 32,33 駆動輪 45 モータ 70 電磁クラッチ(駆動力制御手段) C1 車体重心
Claims (3)
- 車体に電動キャスタが取り付けられた搬送装置において、
前記電動キャスタは、一対の駆動輪を備え、これら駆動輪のそれぞれにモータが内蔵されて独立して駆動可能で、前記一対の駆動輪の回転差によって走行方向を変更可能に構成され、
前記電動キャスタには、該電動キャスタの駆動力を前記車体へ伝達し、または切り離し可能な駆動力制御手段が連結されていることを特徴とする搬送装置。 - 前記電動キャスタは、前記車体の重心に1つ設けられ、前記電動キャスタの周囲には、前記電動キャスタの駆動に対して従動する複数のフリーキャスタが配置されていることを特徴とする請求項1記載の搬送装置。
- 前記駆動力制御手段は、電磁クラッチであることを特徴とする請求項1または請求項2記載の搬送装置。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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