JP2007090321A - 流体処理装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】流体を処理する処理空間Sを形成する複数の容器Bが並べられ、それら複数の容器Bを容器並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で容器並び方向両側から押し付ける押し付け手段Hが設けられ、容器Bが、容器並び方向に位置する一対の容器形成部材51を、その周辺部を溶接接続して構成され、一対の容器形成部材51の少なくとも一方が、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成された流体処理装置であって、複数の容器Bのうちの少なくとも一つが、皿状の容器形成部材51の背部に積層状態に位置させる、1つ又は容器並び方向に並ぶ複数の皿状の補助容器形成部材53を、その周辺部を隣接するものの背部に溶接接続することにより、容器並び方向に複数の処理空間Sを形成する多処理空間型の容器Bmに構成されている。
【選択図】図3
Description
それら複数の容器を容器並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で前記容器並び方向両側から押し付ける押し付け手段が設けられ、
前記容器が、前記容器並び方向に位置する一対の容器形成部材を、その周辺部を溶接接続して構成され、
前記一対の容器形成部材の少なくとも一方が、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成された流体処理装置及びその製造方法に関する。
従って、多数の処理空間を必要とする流体処理装置ほど、容器の設置個数が多くなって、流体処理装置における容器並び方向での形状が大型化すると共に、重量が増大するという問題が生じ、又、熱容量が大きくなるので、処理空間を所定の温度にまで加熱するのに要する起動時間が長くなるという問題も生じることになる。
それら複数の容器を容器並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で前記容器並び方向両側から押し付ける押し付け手段が設けられ、
前記容器が、前記容器並び方向に位置する一対の容器形成部材を、その周辺部を溶接接続して構成され、
前記一対の容器形成部材の少なくとも一方が、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成されたものであって、
その第1特徴構成は、前記複数の容器のうちの少なくとも一つが、前記皿状の容器形成部材の背部に積層状態に位置させる、1つ又は前記容器並び方向に並ぶ複数の皿状の補助容器形成部材を、その周辺部を隣接するものの背部に溶接接続することにより、容器並び方向に複数の処理空間を形成する、又は、前記皿状の容器形成部材の内部を仕切るように位置させる、一つ又は前記容器並び方向に並ぶ複数の隔壁部材を、その周辺部を前記皿状の容器形成部材の内周面に溶接接続することにより、前記容器並び方向に複数の処理空間を形成する多処理空間型の容器に構成されている点を特徴とする。
あるいは、皿状の容器形成部材の内部に、一つ又は容器並び方向に並ぶ複数の隔壁部材を、その周辺部を皿状の容器形成部材の内周面に溶接接続する状態で設けることにより、隔壁部材にて仕切られる状態で、容器並び方向に複数の処理空間が形成される。
従って、流体処理装置における容器並び方向での形状の小型化を図ると共に、流体処理装置の軽量化を図ることができ、又、熱容量を少なくすることができるので、起動時間の短縮化を図ることができる。
要するに、耐久性を確保しながら、小型化、軽量化並びに起動時間の短縮化を図り得る流体処理装置を提供することができるようになった。
それら複数の容器を容器並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で前記容器並び方向両側から押し付ける押し付け手段が設けられ、
前記容器が、前記容器並び方向に位置する一対の容器形成部材を、その周辺部を溶接接続して構成され、
前記一対の容器形成部材の少なくとも一方が、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成されたものであって、
その特徴構成は、前記複数の容器のうちの少なくとも一つにおいて、前記一対の容器形成部材の少なくとも一方が深底容器形成部材として構成され、周囲を湾曲させた少なくとも一つの補助容器形成プレートを前記深底容器形成部材の開口部から内挿し、当該補助容器形成プレートの外周部を前記深底容器形成部材の内周面に溶接接続することにより、前記容器並び方向に複数の処理空間を形成する多処理空間型の容器に構成されている点にある。
また、最終的な流体処理装置の容器の匡体は、単一の深底容器形成部材だけで構成されることになるため、内挿する補助容器形成プレートには高度な加工精度は要求されない。このため、補助容器形成プレートをプレス加工等によって比較的簡単に作製することができる。
さらに、補助容器形成プレートを深底容器形成部材の内周面に略当接させた状態で溶接することができるので、複数の補助容器形成プレートを深底容器形成部材の内周面の所定位置に配置しておけば連続的に溶接することも可能である。従って、溶接作業の自動化が容易であり、製造コストの低減に有効である。
前記深底容器形成部材に前記補助容器形成プレートを複数内挿する場合において、前記補助容器形成プレートの外周部が、後続の補助容器形成プレートに当接して当該後続の補助容器形成プレートの内挿位置を規定する位置決め部として機能するように構成されている点にある。
前記深底容器形成部材は開口部側から底部側に向けて先細りとなるテーパー状に構成され、前記補助容器形成プレートの外周部がテーパー状にされた前記深底容器形成部材の内周面に当接した状態で溶接接続されている点にある。
前記複数の容器のうちの少なくとも一つが、前記一対の容器形成部材の夫々を前記皿状の容器形成部材とする状態に形成され、且つ、前記一対の容器形成部材の間に仕切り部材を位置させた状態で周辺部が溶接接続されて、前記仕切り部材の両側に前記処理空間を備えるように構成されている点にある。
又は、一対の皿状の容器形成部材夫々の内部に、一つ又は容器並び方向に並ぶ複数の隔壁部材を、その周辺部を皿状の容器形成部材の内周面に溶接接続する状態で設けることにより、容器並び方向に隣接する処理空間同士を、1枚の仕切り部材あるいは1枚の隔壁部材にて仕切る状態で、より多くの処理空間を容器並び方向に備えた多処理空間型の容器を構成することができる。
そして、そのようにより多くの処理空間を容器並び方向に備えた多処理空間型の容器を用いることにより、容器並び方向に隣接する処理空間同士を1枚の部材にて仕切る状態となる箇所をより多くすることが可能となるので、流体処理装置を構成するための装置構成部材の数をより一層少なくすることができる。
従って、流体処理装置の小型化、軽量化並びに起動時間の短縮化をより一層図ることができるようになった。
前記複数の容器のうちで前記容器並び方向に複数の処理空間を備えるもののうちの少なくとも一つが、容器内部において前記容器並び方向に隣接する処理空間を連通する流体通過部を備える状態に形成されている点にある。
そして、その流体通過部を、例えば容器並び方向に隣接する処理空間を仕切る皿状の容器形成部材、皿状の補助容器形成部材、隔壁部材又は仕切り部材に開口させる状態で設けることにより、その流体通過部の断面積を大きくすることができるので、その流体通過部を通過する流体の圧損を小さくすることができる。
ちなみに、容器内部において容器並び方向に隣接する処理空間同士を、外部において管部材にて接続して、その管部材を通して、隣接する処理空間の間で流体を移動させることが想定されるが、管部材の径を大きくするのに限度があるので、管部材を通過する流体の圧損が大きくなる。
従って、流体を複数の処理空間にわたって通流させて処理するに当たって、その流体の圧損を小さくすることができるので、その流体を圧送するためのポンプ等の消費電力を小さくすることができるようになり、流体の処理コストを低減することができるようになった。
前記複数の容器が、伝熱量を調節する必要のある容器同士の間に伝熱量調節用の断熱材を介在させた状態で並設されている点にある。
つまり、容器並び方向に並ぶ複数の容器のうち、少なくとも一つの容器の処理空間の温度は、例えばその処理空間を加熱する加熱手段の加熱能力の調節等により調節する必要があるものの、他の容器の処理空間の温度は、その容器に隣接する容器との間の断熱材による伝熱量の調節により、成り行きにて適切な温度に調節することが可能となる。
従って、処理空間の温度を調節するための温度制御構成を簡略化することができるので、流体処理装置の低廉化を図ることができるようになった。
前記複数の容器にて形成される複数の処理空間のうちの一部が、炭化水素系の原燃料を水蒸気を用いて水素ガスと一酸化炭素ガスとを少なくとも含むガスに改質処理する改質反応用触媒が充填されて、改質反応部に構成され、
前記複数の処理空間のうちの一部が、一酸化炭素ガスを水蒸気を用いて二酸化炭素ガスに変成処理する変成反応用触媒が充填されて、変成反応部に構成され、
原燃料が前記改質反応部に供給されて改質処理され、その改質処理後のガスが前記変成反応部に供給されて変成処理されて、水素ガスを含む水素含有ガスが生成されるように構成されている点にある。
つまり、このような炭化水素系の原燃料を用いて一酸化炭素ガス含有量の少ない水素含有ガスを生成する流体処理装置においては、装置の起動及び停止の繰り返しによる装置構成部材の膨張収縮や、各処理空間の処理温度の違いによる各装置構成部材の膨張量の違いにより応力が発生し易いものであるが、このような流体処理装置に本発明を適用することにより、応力の発生を充分に抑制して耐久性を確保することができるのである。
従って、炭化水素系の原燃料と水蒸気を用いて一酸化炭素ガス含有量の少ない水素含有ガスを生成する流体処理装置において、耐久性を確保しながら、小型化、軽量化並びに起動時間の短縮化を図ることができるようになった。
その第1特徴構成は、前記複数の容器のうちで、その容器が備える複数の処理空間のうちに流体供給用又は流体排出用の管部材が溶接接続される触媒充填用の処理空間を備える容器について、
前記管部材を接続する前に、その管部材を接続するための管部材接続口を通して前記触媒充填用の処理空間に触媒を充填し、
続いて、前記管部材接続口に前記管部材を溶接接続する点を特徴とする。
る。
しかも、容器を製作した後に触媒充填用の処理空間へ触媒を充填するにしても、流体供給用又は流体排出用の管部材を接続するための管部材接続口を利用して行うので、別途、触媒充填のための充填口を設ける必要が無く、価格の上昇を回避することができる。
しかしながら、触媒を収容した状態の皿状の補助容器形成部材の周辺部を皿状の容器形成部材の背部に溶接接続する作業、又は、内部に触媒を収容した状態の皿状の容器形成部材の内周面に、隔壁部材の周辺部を溶接接続する作業は、触媒をこぼさない状態で行う必要がある等、行い難いものである。
従って、容器並び方向に複数の処理空間を備えた多処理空間型の容器を備えながらも、価格の上昇を回避しながら簡単に製造することができる流体処理装置の製造方法を提供することができるようになった。
前記触媒充填用の処理空間に、その内部の触媒の酸化を防止するための酸化防止用ガスを供給しながら、前記管部材接続口に前記管部材を溶接接続する点にある。
つまり、管部材を管部材接続口に溶接接続するときには、処理空間内の触媒は高温の雰囲気に曝されるが、その処理空間に酸化防止用ガスを供給しながら行うことにより、その処理空間内に酸化防止用ガスを満たして、触媒を酸化防止用ガスにて充分に覆うことができるので、触媒の劣化を充分に抑制することができる。
従って、流体の処理能力を向上し得る流体処理装置の製造方法を提供することができるようになった。
前記複数の容器のうちで、その容器が備える複数の処理空間のうちに触媒充填用の処理空間を備える容器に、その触媒充填用の処理空間に触媒を充填するための触媒充填口を備えさせ、
その触媒充填口を通して前記触媒充填用の処理空間に触媒を充填し、
続いて、前記触媒充填口を閉じる蓋部材を前記容器に溶接接続する点にある。
従って、容器並び方向に複数の処理空間を備えた多処理空間型の容器を備えながらも、簡単に製造することができる流体処理装置の製造方法を提供することができるようになった。
ちなみに、この水素含有ガス生成用の流体処理装置は、例えば、燃料電池に発電反応用として供給する燃料ガスの生成用として用いる。
〔第1実施形態〕
図3及び図19に示すように、流体処理装置Pは、天然ガス等の炭化水素系の原燃料ガスを脱硫処理する脱硫反応部1と、供給される水を加熱により蒸発させて水蒸気を生成する水蒸気生成部2と、脱硫反応部1で脱硫処理された原燃料ガスを水蒸気生成部2で生成された水蒸気を用いて水素ガスと一酸化炭素ガスとを少なくとも含むガスに改質処理する改質反応部3と、その改質反応部3から供給される改質処理ガス中の一酸化炭素ガスを水蒸気を用いて二酸化炭素ガスに変成処理する変成反応部4と、その変成反応部4から供給される改質処理ガス中に残っている一酸化炭素ガスを選択的に酸化処理する選択酸化反応部5等を備えて構成して、一酸化炭素ガス含有量の少ない水素含有ガスを生成するように構成してある。
前記容器Bは、図4ないし図8にも示すように、前記容器並び方向に位置する一対の容器形成部材51を、その周辺部を溶接接続して構成し、前記一対の容器形成部材51の少なくとも一方を、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成してある。
尚、7個の容器Bの区別が明確になるように、便宜上、容器を示す符合Bの後に、図1及び図3において左からの並び順を示す符合1,2,3……………7を付す。
つまり、左から3個目の容器B3の左端の処理空間S内に、燃焼用ガスを噴出するガス噴出孔(図示省略)を列状に形成した燃焼用ガス噴出管17と、燃焼用空気を噴出する空気噴出孔(図示省略)を列状に形成した燃焼用空気噴出管18を設けて、その処理空間S内にて、燃焼用ガス噴出管17から噴出される燃焼用ガスを燃焼用空気噴出管18から噴出される燃焼用空気にて燃焼させるように構成してある。
ちなみに、詳細は後述するが、この第1実施形態では、この左から5個目の容器B5にて構成する変成反応部4を1段目として、変成反応部4を4段に設けるので、以下、この左から5個目の容器B5にて構成する変成反応部4を1段目の変成反応部4と記載する場
合がある。
つまり、1段目の変成反応部4を前記下流側熱交換用通流部12として兼用するように構成して、前記脱硫前原燃料通流部13と下流側熱交換用通流部12とにより、前記脱硫前原燃料用熱交換器Ebを構成してある。
つまり、複数の容器Bを、伝熱量を調節する必要のある容器B同士の間に伝熱量調節用の断熱材23を介在させた状態で並設してある。
この押し付け手段Hは、上述のように複数の容器Bを並設した状態で、その並び方向両端に夫々当て付けて配置する一対の保持板71と、それら一対の保持板71を連結する6組のネジ式連結手段を備えて構成してある。
ネジ式連結手段は、ボルト72、一対のナット73及び一対のスプリングワッシャ74から成る。
各保持板71は、L字状に形成すると共に、各保持板71は、2本の補強用リブ75にて補強してある。
そして、一対の保持板71にボルト72を挿通した状態で、そのボルト72の両側からスプリングワッシャ74を介してナット73にて締め付けることにより、複数の容器Bを並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で並び方向両側から押し付けるようにしてある。又、スプリングワッシャ74の伸縮作用により、各容器Bの並び方向での膨張収縮も許容するようにしてある。
尚、一対の保持板71を立設して、その一対の保持板71にて支持する状態で、流体処理装置Pを設置する。
2段目の脱硫反応部1と前記脱硫後原燃料通流部11とを接続するガス処理流路32には、脱硫後の原燃料ガスに水蒸気を混合させるためのエジェクタ35を設けてある。
用送風機36からの空気が酸素極に供給されて、燃料ガス中の水素と空気中の酸素との電気化学反応により発電されることになる。ちなみに、この燃料電池Gとしては、例えば、電解質層として高分子膜を用いた高分子型のものを用いる。
又、改質反応部3及び水蒸気生成部2夫々を加熱する必要があるものの、水は原燃料と水蒸気とが改質反応する温度よりも低い温度で蒸発することを利用して、燃焼反応部6を改質反応部3に隣接して設けて、その燃焼反応部6にて改質反応部3を高温に加熱し、その燃焼反応部6から排出される燃焼排ガスを水蒸気生成部2に隣接する加熱用排ガス通流部8に通流させて水蒸気生成部2を加熱するようにしてある。
つまり、一つの燃焼反応部6により、改質反応部3と水蒸気生成部2の両方を夫々に適した温度に加熱するので、装置の低廉化並びに消費エネルギーの低減化を図ることができる。
尚、以下では、処理空間Sを前記容器並び方向に4個備えた多処理空間型の容器Bmである左から5個目の容器B5を例にして、容器Bの製造方法を説明する。
従って、左側の皿状の補助容器形成部材53の側周壁の下部、右側の皿状の容器形成部材51の側周壁の上部、並びに、右側の皿状の補助容器形成部材53の側周壁の上部及び下部の夫々に、予め、前記管部材接続口56を形成する。
4を設けるものである場合は、前記流体通流部54にて連通させる両側の処理空間Sを仕切る皿状の容器形成部材51、仕切り部材52又は皿状の補助容器形成部材53に、予め、前記流体通流部54を形成する。
又、1段目の脱硫反応部1を構成する左から2個目の処理空間Sと2段目の脱硫反応部1を構成する左端の処理空間Sとを夫々の上部にて連通させるので、それら左から2個目の処理空間Sと左端の処理空間Sとを仕切る左側の皿状の容器形成部材51の上部に、多数の孔からなる前記流体通過部54を形成する。
例えば、左から5個目の容器B5では、前記一対の皿状の容器形成部材51に両方に対して、夫々の背部に補助容器形成部材53の周辺部をTIG溶接等にて接続することにより、前記容器並び方向に4個の処理空間Sを備える多処理空間型の容器Bmを形成することになる。
複数の容器Bのうちで、その容器Bが備える複数の処理空間Sのうちに流体供給用又は流体排出用の管部材55が溶接接続される触媒充填用の処理空間Sを備える容器Bについて、前記管部材55を接続する前に、その管部材55を接続するための管部材接続口56を通して前記触媒充填用の処理空間Sに触媒を充填し、続いて、前記管部材接続口56に前記管部材55を溶接接続することにより製造する。
又、前記触媒充填用の処理空間Sに、その内部の触媒の酸化を防止するための酸化防止用ガスを供給しながら、前記管部材接続口56に前記管部材55を溶接接続する。
又、前記触媒充填用の処理空間Sに、その内部の触媒の酸化を防止するための酸化防止用ガスを供給しながら、前記容器Bに前記蓋部材60を溶接接続する。
以下、図面に基づいて、第2実施形態を説明するが、この第2実施形態では、主として、多処理空間型の容器Bmの構成が異なる以外は、上記の第1実施形態と同様に構成してあるので、第1実施形態と同じ構成要素や同じ作用を有する構成要素については、重複説明を避けるために、同じ符号を付すことにより説明を簡略にし、主として、第1実施形態と異なる多処理空間型の容器Bmの構成を説明する。
前記容器Bは、図13ないし図15にも示すように、前記容器並び方向に位置する一対の容器形成部材51を、その周辺部を溶接接続して構成し、前記一対の容器形成部材51の少なくとも一方を、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成してある。
尚、7個の容器Bの区別が明確になるように、便宜上、容器を示す符合Bの後に、図11及び図12において左からの並び順を示す符合1,2,3……………7を付す。
つまり、複数の容器Bを、伝熱量を調節する必要のある容器B同士の間に伝熱量調節用の断熱材23を介在させた状態で並設してある。
前記押し付け手段Hは、第1実施形態と同様に構成してあるので、説明を省略する。
尚、以下では、処理空間Sを前記容器並び方向に4個備えた多処理空間型の容器Bmである左から5個目の容器B5を例にして、容器Bの製造方法を説明する。
従って、右側の皿状の容器形成部材51の側周壁には、左から3個目の処理空間Sの上部に対応する位置、右端の処理空間Sの上部及び下部の夫々に対応する位置に位置させて、予め、前記管部材接続口56を形成し、左側の皿状の容器形成部材51の側周壁には、左端の処理空間Sの下部に対応する位置に位置させて、予め、前記管部材接続口56を形成する。
4を設けるものである場合は、前記流体通流部54にて連通させる両側の処理空間Sを仕切る皿状の仕切り部材52又は隔壁部材61に、予め、前記流体通流部54を形成する。
又、1段目の脱硫反応部1を構成する左から2個目の処理空間Sと2段目の脱硫反応部1を構成する左端の処理空間Sとを夫々の上部にて連通させるので、それら左から2個目の処理空間Sと左端の処理空間Sとを仕切る左側の隔壁部材61の上部に、多数の孔からなる前記流体通過部54を形成する。
又、前記隔壁部材61を設けない基本型の容器Bsの製造方法は、上記の第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
例えば、左から5個目の容器B5では、左端の処理空間S及び左から2個目の処理空間Sには、前記触媒充填口58から脱硫反応用触媒20を充填し、右端の処理空間Sには、上部の管部材接続口56から変成反応用触媒21を充填する。
例えば、左から5個目の容器B5では、左端、左から2個目の処理空間Sについては、左端の処理空間Sの下部の管部材接続口56から酸化防止用ガスを供給しながら、夫々の上部の触媒充填口58を塞ぐように蓋部材60を溶接接続し、右端の処理空間Sについては、その右端の処理空間Sの下部の管部材接続口56からその処理空間Sに酸化防止用ガスを供給しながら、その処理空間Sの上部の管部材接続口56に管部材55を溶接接続する。
次に別実施形態を説明する。
(イ) 容器並び方向に複数の処理空間Sを形成する多処理空間型の容器Bmの構成としては、上記の各実施形態において例示した構成に限定されるものではない。
例えば、図20に示すように、前記皿状の容器形成部材51の背部に積層状態に位置させる、前記容器並び方向に並ぶ複数の皿状の補助容器形成部材53を、その周辺部を隣接するものの背部に溶接接続することにより、多処理空間型の容器Bmを構成しても良い。
この場合、例えば、左から5個目の容器B5のように、容器並び方向に4個の処理空間Sを形成するときは、一対の皿状の容器形成部材51の間に仕切り部材52を位置させた状態で周辺部を溶接接続して、前記仕切り部材52の両側に前記処理空間Sを備えるように構成し、更に、一対の皿状の容器形成部材51のうちの一方(図20では左側)の背部に、容器並び方向に並ぶ2枚の皿状の補助容器形成部材53を、その周辺部を隣接するものの背部に溶接接続する状態で、積層状態に設ける。
例えば、左から3個目の容器B3のように、容器並び方向に3個の処理空間Sを形成するときは、皿状の容器形成部材51の背部に、容器並び方向に並ぶ2枚の皿状の補助容器形成部材53を、その周辺部を隣接するものの背部に溶接接続する状態で、積層状態に設ける。
この場合、例えば、左から5個目の容器B5のように、容器並び方向に4個の処理空間Sを形成するときは、一対の容器形成部材51の夫々を皿状の容器形成部材51とする状態に形成し、その一方の皿状の容器形成部材51の内部に、2枚の隔壁部材61を容器並び方向に間隔を開けて並べた状態で、夫々の周辺部を皿状の容器形成部材51の内周面に溶接接続して設け、それら一対の皿状の容器形成部材51の間に仕切り部材52を位置させた状態でそれらの周辺部を溶接接続する。
例えば、左から3個目の容器B3のように、容器並び方向に3個の処理空間Sを形成するときは、皿状の容器形成部材51の内部に、2枚の隔壁部材61を容器並び方向に間隔を開けて並べた状態で、夫々の周辺部を皿状の容器形成部材51の内周面に溶接接続して状態で設け、そして、その皿状の容器形成部材51と板状の容器形成部材51の周辺部を溶接接続する。
、その周辺部を皿状の容器形成部材51の内周面に溶接接続することにより、容器並び方向に複数の処理空間Sを形成したものの両方を用いて、流体処理装置を構成しても良い。
この場合、補助容器形成プレート80は深底容器形成部材51aの断面形状と略同じ形状または僅かに小さい形状に成形されて、図25に示すように、複数の補助容器形成プレート80が深底容器形成部材51aの開口部から順次内挿される。内挿された補助容器形成プレート80の外周と深底容器形成部材51aの内周とは全周に亘って略隙間なく接触する。この接触部をシーム溶接等によって接続することにより、処理空間Sが形成されるのである。その後、仕切り部材52を介在させた状態で他方の容器形成部材51を重ね合わせ、深底容器形成部材51aと容器形成部材51との開口部側の周辺部を溶接接続すれば、多処理空間型の容器Bmが完成する。
また、図26に示すように、深底容器形成部材51aに複数の補助容器形成プレート80を内挿して形成した多処理空間型の容器Bmを二つ作製し、仕切り部材52を介在させた状態で両者の開口部側の周辺部を互いに合わせて溶接接続すれば、より多数の処理空間Sを有する多処理空間型の容器にすることができる。
このように、深底容器形成部材51aに複数の補助容器形成プレート80を内挿する構成であれば、深底容器形成部材51aの内周面に溶接した後の補助容器形成プレート80において、深底容器形成部材51aとの接続部であるプレート周囲の湾曲部がある程度の弾性を有することになる。このため、流体処理装置の温度変化等によって歪みが生じ得るような場合であっても、前記湾曲部が弾性変形することにより、その歪を吸収することができる。
また、最終的な流体処理装置の容器の匡体は、単一の深底容器形成部材51aだけで構成されることになるため、内挿する補助容器形成プレート80には高度な加工精度は要求されない。このため、補助容器形成プレート80をプレス加工等によって比較的簡単に作製することができる。
さらに、補助容器形成プレート80を深底容器形成部材51aの内周面に略当接させた状態で溶接することができるので、複数の補助容器形成プレート80を深底容器形成部材51aの内周面の所定位置に配置しておけば連続的に溶接することも可能である。従って、溶接作業の自動化が容易であり、製造コストの低減に有効である。
流体処理装置に複数の処理空間Sを形成する場合、複数の補助容器形成プレート80を深底容器形成部材51aの内周において適切な間隔で配置することが必要となる。このような場合、例えば、補助容器形成プレート80の外周部近傍を深底容器形成部材51aの内周面に接触させ、さらに外周部の先端縁部を前記内周面から離間させて開口側に突出させておけば、後続の補助容器形成プレート80はやがて前記先端縁部に当接し、当該後続の補助容器形成プレート80はそれ以上奥に進むことはできない。従って、前記先端縁部を所望の形状およびサイズに形成して位置決め部81としておけば、後続の補助容器形成プレート80の内挿位置を規定することができるのである。
この場合、複数の補助容器形成プレート80を深底容器形成部材51aに内挿すると、やがて補助容器形成プレート80の外周部がテーパー状にされた深底容器形成部材51aの内周面に当接する。この状態で両者を溶接すれば、補助容器形成プレート80を確実に深底容器形成部材51aの内周面に固定することができるのである。すなわち、図29に示すように、深底容器形成部材51aと補助容器形成プレート80との溶接部Wの領域を比較的広く確保することができるので、両者の一体性が高まり、剛性が増す。しかも、複数の補助容器形成プレート80の大きさを深底容器形成部材51aのテーパーに合わせて段階的に適切に変えておけば、各補助容器形成プレート80の内挿位置を容易に規定することもできるのである。
4 変成反応部
19 改質反応用触媒
21 変成反応用触媒
23 断熱材
51 容器形成部材
52 仕切り部材
53 皿状の補助容器形成部材
54 流体通過部
55 管部材
56 管部材接続口
58 触媒充填口
60 蓋部材
61 隔壁部材
80 補助容器形成プレート
B 容器
Bm 多処理空間型の容器
H 押し付け手段
S 処理空間
Claims (11)
- 流体を処理する処理空間を形成する複数の容器が並べられ、
それら複数の容器を容器並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で前記容器並び方向両側から押し付ける押し付け手段が設けられ、
前記容器が、前記容器並び方向に位置する一対の容器形成部材を、その周辺部を溶接接続して構成され、
前記一対の容器形成部材の少なくとも一方が、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成された流体処理装置であって、
前記複数の容器のうちの少なくとも一つが、前記皿状の容器形成部材の背部に積層状態に位置させる、1つ又は前記容器並び方向に並ぶ複数の皿状の補助容器形成部材を、その周辺部を隣接するものの背部に溶接接続することにより、容器並び方向に複数の処理空間を形成する、又は、前記皿状の容器形成部材の内部を仕切るように位置させる、一つ又は前記容器並び方向に並ぶ複数の隔壁部材を、その周辺部を前記皿状の容器形成部材の内周面に溶接接続することにより、前記容器並び方向に複数の処理空間を形成する多処理空間型の容器に構成されている流体処理装置。 - 流体を処理する処理空間を形成する複数の容器が並べられ、
それら複数の容器を容器並び方向に直交する方向での相対移動を許容する状態で前記容器並び方向両側から押し付ける押し付け手段が設けられ、
前記容器が、前記容器並び方向に位置する一対の容器形成部材を、その周辺部を溶接接続して構成され、
前記一対の容器形成部材の少なくとも一方が、周辺部を接続代として中央部が膨出する皿状に形成された流体処理装置であって、
前記複数の容器のうちの少なくとも一つにおいて、前記一対の容器形成部材の少なくとも一方が深底容器形成部材として構成され、周囲を湾曲させた少なくとも一つの補助容器形成プレートを前記深底容器形成部材の開口部から内挿し、当該補助容器形成プレートの外周部を前記深底容器形成部材の内周面に溶接接続することにより、前記容器並び方向に複数の処理空間を形成する多処理空間型の容器に構成されている流体処理装置。 - 前記深底容器形成部材に前記補助容器形成プレートを複数内挿する場合において、前記補助容器形成プレートの外周部が、後続の補助容器形成プレートに当接して当該後続の補助容器形成プレートの内挿位置を規定する位置決め部として機能するように構成されている請求項2に記載の流体処理装置。
- 前記深底容器形成部材は開口部側から底部側に向けて先細りとなるテーパー状に構成され、前記補助容器形成プレートの外周部がテーパー状にされた前記深底容器形成部材の内周面に当接した状態で溶接接続されている請求項2に記載の液体処理装置。
- 前記複数の容器のうちの少なくとも一つが、前記一対の容器形成部材の夫々を前記皿状の容器形成部材とする状態に形成され、且つ、前記一対の容器形成部材の間に仕切り部材を位置させた状態で周辺部が溶接接続されて、前記仕切り部材の両側に前記処理空間を備えるように構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の流体処理装置。
- 前記複数の容器のうちで前記容器並び方向に複数の処理空間を備えるもののうちの少なくとも一つが、容器内部において前記容器並び方向に隣接する処理空間を連通する流体通過部を備える状態に形成されている請求項1〜5のいずれか一項に記載の流体処理装置。
- 前記複数の容器が、伝熱量を調節する必要のある容器同士の間に伝熱量調節用の断熱材を介在させた状態で並設されている請求項1〜6のいずれか1項に記載の流体処理装置。
- 前記複数の容器にて形成される複数の処理空間のうちの一部が、炭化水素系の原燃料を水蒸気を用いて水素ガスと一酸化炭素ガスとを少なくとも含むガスに改質処理する改質反応用触媒が充填されて、改質反応部に構成され、
前記複数の処理空間のうちの一部が、一酸化炭素ガスを水蒸気を用いて二酸化炭素ガスに変成処理する変成反応用触媒が充填されて、変成反応部に構成され、
原燃料が前記改質反応部に供給されて改質処理され、その改質処理後のガスが前記変成反応部に供給されて変成処理されて、水素ガスを含む水素含有ガスが生成されるように構成されている請求項1〜7のいずれか1項に記載の流体処理装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体処理装置の製造方法であって、
前記複数の容器のうちで、その容器が備える複数の処理空間のうちに流体供給用又は流体排出用の管部材が溶接接続される触媒充填用の処理空間を備える容器について、
前記管部材を接続する前に、その管部材を接続するための管部材接続口を通して前記触媒充填用の処理空間に触媒を充填し、
続いて、前記管部材接続口に前記管部材を溶接接続する流体処理装置の製造方法。 - 前記触媒充填用の処理空間に、その内部の触媒の酸化を防止するための酸化防止用ガスを供給しながら、前記管部材接続口に前記管部材を溶接接続する請求項9に記載の流体処理装置の製造方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の流体処理装置の製造方法であって、
前記複数の容器のうちで、その容器が備える複数の処理空間のうちに触媒充填用の処理空間を備える容器に、その触媒充填用の処理空間に触媒を充填するための触媒充填口を備えさせ、
その触媒充填口を通して前記触媒充填用の処理空間に触媒を充填し、
続いて、前記触媒充填口を閉じる蓋部材を前記容器に溶接接続する流体処理装置の製造方法。
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