JP2013086992A - 水素生成装置およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 製造工数を減らし、低コストで製造可能な水素生成装置を提供すること。
【解決手段】 深さが異なる複数の容器を、順次深さが浅くなるように重ね合わせることにより、隣接する容器の底部間に形成された1つ以上の反応室を備え、前記反応室の少なくとも1つに触媒が収容され、前記複数の容器の開口周縁部を接合したことを特徴とする、炭化水素系燃料から水素リッチな改質ガスを生成する水素生成装置。
【選択図】図1
【解決手段】 深さが異なる複数の容器を、順次深さが浅くなるように重ね合わせることにより、隣接する容器の底部間に形成された1つ以上の反応室を備え、前記反応室の少なくとも1つに触媒が収容され、前記複数の容器の開口周縁部を接合したことを特徴とする、炭化水素系燃料から水素リッチな改質ガスを生成する水素生成装置。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、水素生成装置およびその製造方法に関する。
従来、炭化水素系燃料から改質ガスを生成する水素生成装置は、改質触媒を収容する改質器と、その改質反応に必要な水蒸気を生成する蒸気発生器と、また改質反応によって改質器から出てくる改質ガス中のCO濃度を低減するCO変成触媒を収容するCO変成器と、さらに空気を導入してCOを選択的に酸化燃焼させてCO2にすることでCOを除去するCO選択酸化触媒を収容するCO除去器と、各反応器の動作温度を所定の温度に調整するために各種熱交換器や加温用のヒータなどを備える構成を有している。
このような水素生成装置では、各触媒反応器や熱交換器は、できるだけ共用できる構造にするとコストダウン化を図ることができるために、反応器ごとに必要な処理空間が違っても容器自体は同じ形状にし、その容器をいくつ用意するかで処理空間を調整し、各々の容器を配管等で接続することも提案されている。
しかし、このように同形状の容器を重ね合わせ、接合して装置を製造する場合、接合箇所が多く、水素生成装置を低コストで製造することが困難であった。
本発明が解決しようとする課題は、コンパクトな構造を有し、低コストで製造可能な水素生成装置及びその製造方法を提供することである。
実施形態の水素生成装置は、深さが異なる複数の容器を、順次深さが浅くなるように重ね合わせることにより、隣接する容器の底部間に形成された1つ以上の反応室を備え、前記反応室の少なくとも1つに触媒が収容され、前記複数の容器の開口周縁部を接合したことを特徴とする。
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態に係る燃料電池システムの水素生成装置は、図1に示すような、深さが異なる4枚の容器1a,1b,1c,1d及び1枚のプレート1eを重ね合わせ、隣接する2つの容器等の間に4つの空間2a,2b,2c,2dを形成する反応装置1を備えている。これら4つの空間は、その中に触媒3a,3b,3cを収容することにより、触媒反応室2a,2c,2dを構成し、伝熱促進体4を収容することにより、熱交換室2bを構成する。
容器1a,1b,1c及び1枚のプレート1eを重ね合わせることにより触媒反応室2a,2c及び熱交換室2bを構成するためには、プレート1eの一方の側の容器1a,1b,1cの深さは、それらが入れ子状態になって、それらの間に所定の空間を形成するように、容器1aの深さ>容器1bの深さ>容器1cの深さの関係にある必要がある。また、隣接する容器の深さの差は、形成する空間に触媒又は伝熱促進体を充填する量に応じて適宜選定される。
具体的には、必要とされる触媒の量から、最も深い容器1aの深さは、例えば、40〜50mm程度とすることができる。容器1b及び1cの深さは、充填される伝熱促進体及び触媒の量に応じて、容器1aの深さよりも浅い深さに適宜選定される。また、プレート1eの他方の側の容器1dの深さは、容器1a,1b,1cの深さに係わらず、必要とされる触媒量に応じて選定される。
容器1a,1b,1c,1dまたはプレート1eには、必要に応じて、隣り合う触媒充填空間(反応室)あるいは伝熱促進体充填空間(熱交換室)との間でガスを通ずるための開口部が設けられていてもよい。開口部の形状については、図2に示すように、ガスの流れを阻害しないよう大きな開口面積を有するスリット状の開口5aとすることも可能であるし、また充填した触媒などが隣接した部屋間での移動を抑止したいのであれば、図3のように触媒径よりも小さい孔5bを複数個設けることも可能である。なお、図2及び図3では、上面図、底面図、側面図も示されている。参照符号7は、後述する切り欠きを示す。
図4(a)に示すように、各容器1a,1b,1c,1dは、開口端部にフランジ6a,6b,6c,6dが形成されており、その長さが、プレート1eより外側に位置する容器のフランジほど小さく形成されている。なお、プレート1eの端部が最も長く、フランジから突出している。そのため、容器1a,1b,1c,1d及びプレート1eを組合せた場合のフランジの端部は、段違いになり、露出している。
従って、図4(b)に示すように、この露出部に接合処理を施して、接合部8を形成することにより、容器1a,1b,1c,1d及びプレート1eの接合を容易に行うことが可能である。また、一度の接合で、各空間の気密性を保持した反応装置を製造することが可能である。接合処理としては、溶接、ろう付け、はんだ付け、拡散接合、接着剤を用いた接着等を挙げることが出来る。
また、図5(a)に示すように、各容器には、外部との間でガスを流通させる配管9を取り付けるための切欠き7が設けられている。これら切欠き7についても、外側の容器の切欠き7ほど大きく形成することで、各容器を組合せた際に接合部が段違いになるので、図5(b)に示すように、フランジの露出部とともに切欠き7の周辺の各容器の露出部に溶接等を施すことにより、一度の接合で各容器の切欠き7と配管9とを接合することができ、容器内の気密性も持たせることができる。
なお、一般に、反応装置では、反応室内間を流れるガスが偏流しないようにガス分散板を設置し、ガス拡散を積極的に実施する必要がある。また、圧損が大きくならないように容器の出入口にバッファ要素を備える必要があり、容器そのものをコンパクト化できない要因となっている。
これに対し、本実施形態に係る反応装置では、隣接する反応室又は熱交換室間の容器の底部に開口5a,5bを設けることにより、ガスの偏流がなくなり、ガス分散板などの部品点数を削減することができる。また、容器に切り欠き7を設けて配管9と接合することにより、容器間を接続する配管の本数を減らすことができる。
なお、容器1a,1b,1c,1dのフランジ及びプレート1eの端部の露出部6、及び切欠き7の周辺の各容器の露出部の合わせ目の寸法差d(図4(a)に示す)は、2mm以下であることが望ましい。dが2mmを超えると、露出部の合わせ目の隙間が大きくなり過ぎて、一度に接合処理を施すことが困難となる。
次に、本実施形態に係る水素生成装置の製造方法について、図6及び図7を参照して説明する。
図1に示すような4つの部屋からなる反応器を製造する場合について説明する。まず、図6(a)示すように、一番容器が深い容器1a内に触媒3aを収容した後、その上に容器1bを重ね(図6(b))、その中に伝熱促進体4を収容する。次いで、その上に容器1cを重ね(図6(c))、その中に触媒3bを充填した後、その上にプレート1eを重ねる(図6(d))。
次に、同様に、図7(a)に示すように、プレート1e上に触媒3cを収容する容器1dを重ねる。最後に、図7(b)に示すように、容器1a〜1dのフランジおよびプレート1eの周縁部を全周にわたって溶接し、接合部8を形成し、また、必要に応じて配管を取付けた後に、配管9と切り欠き7の周囲の溶接を行うことで、容器外部へ気密性はもちろん、隣接した容器間についてはガス流路のための開口部以外の箇所での気密性を、同時に得ることができる。
なお、以上の実施形態では、プレート1e上に1つの容器1eのみを重ねているが、1つに限らず、その中に触媒又は伝熱促進体を収容する複数の容器を重ねることも可能である。
また、図1に示した反応器の構成は、あくまでもその一例であり、容器の枚数を更に増やしたり、触媒や伝熱促進体を収容する容器の組み合わせを変えたりするなど、自由に構成することができる。
次に、以上説明した反応器を用いることができる水素生成装置について、図8を参照して説明する。
図8に示すように、水素生成装置11は、脱硫器12と、改質器13と、水蒸気発生器14と、CO変成器15と、CO除去器16とを備えている。このような水素生成装置11において、原燃料、例えば炭化水素系ガスが脱硫器12において脱硫された後、熱交換器を経て、水蒸気発生器14から供給された水蒸気と混ざり、改質器13に導入される。改質器13内には改質触媒が収容されており、水素と一酸化炭素に改質する。なお、水蒸気発生器14では、起動時はヒータにより昇温させるが、運転中は燃焼排ガスの熱交換により加熱して水蒸気を発生させ、改質器13に送る。
水素と一酸化炭素を含む改質ガスは、CO変成触媒を収容するCO変成器15に送られ、そこで改質ガス中のCO量が低減される。このCO変成器15では、改質ガス中の10%前後のCOが0.5%程度まで低減される。CO量が低減された改質ガスは、CO除去器16に送られる。CO除去器16にはCO選択酸化触媒が収容されていて、CO除去器16に空気を導入することにより、改質ガス中のCOを選択的に酸化燃焼してCO2にすることで、改質ガスからCOを除去する。このCO除去器16では、改質ガス中のCOは、10ppm程度にまで除去される。
なお、改質器の動作温度は600℃〜700℃程度、CO変成器15の動作温度は150℃〜350℃、CO除去器16の温度は120℃〜200℃である。各反応装置をこれらの温度に加熱又は冷却するために、熱交換器が用いられる。
このようにして、COを含まない水素濃度の高い改質ガスが得られ、回収された改質ガスは、燃料電池へ供給される。
以上説明した図8に示す水素生成装置において、内部に触媒を収容する反応装置、例えばCO変成器15及びCO除去器16に、上記実施形態に係る反応装置の反応室2a,2cを適用することが可能である。また、触媒反応に必要な温度に反応物質を加熱又は冷却するための熱交換器に、上記実施形態に係る反応装置の熱交換室2bを適用することが可能である。
なお、改質器12は、600℃〜700℃程度の動作温度を維持するため、バーナ燃焼により運転中、高温に曝される。また起動停止の熱サイクルにより過大な応力が局所的に容器に発生するため、改質器13に上記反応室2a,2c,2dを適用することは困難である。
また、熱交換室2b内に収容される伝熱促進体4としては、アルミナボールやステンレス製のウール状のような充填物や、板金加工でガス流路を形成した邪魔板を用いることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、深さが異なる複数枚の容器やプレートを重ね合わせて、それらの開口周縁部を接合することにより、一度の接合処理で、各部の気密性を保持した水素生成装置を、低コストで製造することができる。また、容器に切り欠きを設けて配管と接合することにより、容器間を接続する配管を減らし、ガス偏流もなくなるので、ガス分散板など部品点数を削減することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…反応装置、1a,1b,1c,1d…容器、1c…プレート、2a,2b,2c,2d…空間(触媒反応室、熱交換室)、3a,3b,3c…空間、4…伝熱促進体、5a…スリット状開口、5b…孔、6a,6b,6c,6d…フランジ、7…切り欠き、8…接合部、9…配管。
Claims (5)
- 深さが異なる複数の容器を、順次深さが浅くなるように重ね合わせることにより、隣接する容器の底部間に形成された1つ以上の反応室を備え、
前記反応室の少なくとも1つに触媒が収容され、
前記複数の容器の開口周縁部を接合したことを特徴とする、炭化水素系燃料から水素リッチな改質ガスを生成する水素生成装置。 - 前記複数の容器は3つ以上であり、前記触媒を収容する反応室に隣接して、他の触媒又は伝熱促進体を収容する他の反応室を具備し、前記隣接する反応室間にガスを通ずるための開口部を前記隣接する反応室間の容器の底部に設けたことを特徴とする請求項1に記載の水素生成装置。
- 前記複数の容器の開口周縁にフランジが設けられており、これらフランジの外縁の大きさが、容器を重ねる方向に順次小さく又は大きく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の水素生成装置。
- 前記フランジに、反応室内にガスを流通させるための配管を通るための切り欠きが設けられており、これら切り欠きのサイズが、容器を重ねる方向に順次小さく又は大きく形成されていることを特徴とする請求項3に記載の水素生成装置。
- 少なくとも1つに触媒を収容する、深さが異なる複数の容器を、順次深さが浅くなるように重ね合わせる工程、及び
前記複数の容器の開口周縁部を接合し、隣接する容器の底部間に、触媒を収容する1つ以上の反応室を形成する工程
を具備することを特徴とする、炭化水素系燃料から水素リッチな改質ガスを生成する水素生成装置の製造方法。
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JPS5130925U (ja) * | 1974-08-30 | 1976-03-05 | ||
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JP2007326764A (ja) * | 2006-06-09 | 2007-12-20 | Chofu Seisakusho Co Ltd | 改質器のエレメントケース |
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- 2011-10-14 JP JP2011226835A patent/JP2013086992A/ja active Pending
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