JP2004115320A - 改質装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】熱交換器に予備的に水蒸気と燃料ガスを加熱する熱交換部を設け、その熱交換部の下部の熱交換部に水滴がつかないようにして、耐久性のよい熱交換器を提供する。
【解決手段】燃料電池用の燃料生成系20に使用される改質ガスを生成する改質器30と改質ガスを冷却し水蒸気を加熱する熱交換器40を有する改質装置であって、その熱交換器は上下2つの熱交換部からなり、上部の熱交換部は水蒸気を上記改質ガスに対して水平に流して燃料と水蒸気を予備加熱して、下部の熱交換部は予備加熱された燃料と水蒸気を上記改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱するものである。
【選択図】 図2
【解決手段】燃料電池用の燃料生成系20に使用される改質ガスを生成する改質器30と改質ガスを冷却し水蒸気を加熱する熱交換器40を有する改質装置であって、その熱交換器は上下2つの熱交換部からなり、上部の熱交換部は水蒸気を上記改質ガスに対して水平に流して燃料と水蒸気を予備加熱して、下部の熱交換部は予備加熱された燃料と水蒸気を上記改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱するものである。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質ガスと改質器に導入する水蒸気と燃料の混合ガスとの間で熱交換する熱交換器を備えた改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池に必要な水素ガスを生成する燃料生成系の一つとして、都市ガス、LPG、灯油などの燃料を改質する改質装置1と、改質装置1から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素シフト反応装置2と、一酸化炭素シフト反応装置2から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素をさらに除去する一酸化炭素選択酸化反応装置3から構成されたものが知られている。この燃料生成系により一酸化炭素を10ppm以下に低減された水素ガスが燃料電池に供給されている(特許文献1参照)。
【0003】
この改質装置1は図6に示すように水蒸気と燃料を反応させて主として水素と一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質器4と、改質器4から供給された改質ガスを蒸発器5から供給された水蒸気と燃料の混合ガスにより降温する熱交換器6からなる。熱交換器6は改質器4上に設置され、熱交換器6上に一酸化炭素シフト反応装置2が設置されている。
【0004】
熱交換器6は、その内部を上下方向に気密に仕切る2枚の仕切り板6a,6bが設けられており、下から順番に下室6c、中室6d、上室6eが形成されている。熱交換器6には2枚の仕切り板6a,6bを貫通し下室6cと上室6eとを連通する複数のパイプ7が並設されている。パイプ7は仕切り板6a,6bに溶接により固定されている。下室6cおよび上室6eはそれぞれ改質器4の出口および一酸化炭素シフト反応装置2の入口に接続されており、下室6cに供給された改質ガスはパイプ7内を上方に流れて上室6eを通って一酸化炭素シフト反応装置2に供給される。また中室6dの上部および下部は蒸発器5の出口および改質器4の入口に接続されており、中室6dに供給された混合ガスは中室6d内であってパイプ7の間を下方に流れて改質器4に供給される。
【0005】
したがって、熱交換器6においてはパイプ7を介して高温の改質ガス(600〜700℃)と低温の混合ガス(約120℃)との間で熱交換が行われて、改質ガスは降温されて一酸化炭素シフト反応装置2に供給され、混合ガスは昇温されて改質器4に供給される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−163601号公報(第3−4頁、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した熱交換6においては、中室6dに導入される混合ガスは約100〜120℃であり、完全に蒸気化していない場合がある。かかる場合は、導入された混合ガスの中に水滴が残っており、その水滴は中室6d内を落下して中空体42aの外壁に付着して外壁面を流れて仕切り板6aに到達したり、直接仕切り板6aに到達したりする。
【0008】
このとき上記のとおり改質器4から供給される改質ガスは600℃以上の高温であるため、パイプ7や仕切り板6aは水滴の蒸発により急冷され、水滴の蒸発後は急熱されることとなる。この急冷と急熱が繰り返されると、局所的に熱応力が集中し、特にパイプ7と仕切り板6aの溶接部にひび割れ等が生じてガス漏れの原因となる場合があり、改質装置25の耐久性が低下する場合があった。
【0009】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、熱交換器の上部で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に水蒸気を改質ガスに対して水平に流して燃料と水蒸気を予備加熱する第1熱交換部を設け、第1熱交換部の下方で改質器との間に、予備加熱された燃料と水蒸気を改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えた熱交換器を有する改質装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、この改質器からの改質ガスを降温し同改質器への混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、熱交換器は、混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部と、予備加熱された前記混合ガスを前記改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことである。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、この改質器からの改質ガスを降温し同改質器への混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、熱交換器は、この熱交換器の上部で混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部と、熱交換器の下部で予備加熱された混合ガスを改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことである。
【0012】
上記課題を解決するため、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、この改質器からの改質ガスを降温し同改質器への混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、熱交換器は、改質器と一酸化炭素シフト反応装置の間に設け、熱交換器の上部で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部を設け、この第1熱交換部の下方で改質器との間に、予備加熱された混合ガスを改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことである。
【0013】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱することができ、混合ガスが十分加熱されて混合ガス中の水蒸気が完全に気化されるため、水蒸気が蒸発不十分のため水滴となって熱交換器内の下方に落下することが無く、熱交換器が局所的に熱応力を受けることが無いため、耐久性が向上する。
【0014】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、熱交換器の上部で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱することができ、混合ガスが十分加熱されて気化が完全になされるため、水蒸気が蒸発不十分のため水滴となって熱交換器内の下方に落下することが無く、熱交換器が局所的に熱応力を受けることが無いため、耐久性が向上する。
【0015】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項2の発明と同様に混合ガスが十分加熱されて気化が完全になされるため、水蒸気が蒸発不十分のため水滴となって熱交換器の下方に落下することが無く、熱交換器が局所的に熱応力を受けることが無いため、耐久性が向上する。さらに、熱交換器の上方で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部を設けたため、一酸化炭素シフト反応装置の反応に適した温度まで確実に降温されるとともに、降温された改質ガスを直接そのまま一酸化炭素シフト反応装置に導入することができるため、装置がコンパクトになり、改質ガスの温度管理が確実にすることができる。
【0016】
さらに、改質ガスを発生する改質器の上方に第2熱交換部を設けたため、改質ガスをすぐに第2熱交換部に導入することができ、装置をコンパクトにすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による熱交換器を適用した燃料電池システムについて説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図であり、図2は改質装置25における水蒸気と燃料の混合ガスの流れおよび改質ガスの流れを示す図である。
【0018】
この燃料電池システムは燃料電池10と燃料電池10に必要な水素ガスを生成する燃料生成系20とを備えている。燃料生成系20は、図1に示すように、都市ガス、LPG、灯油などの燃料を水素ガスに改質する改質装置25と、改質装置25から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素シフト反応装置50と、一酸化炭素シフト反応装置50から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素をさらに除去する一酸化炭素選択酸化反応装置60から構成されている。この燃料生成系20により生成された水素ガスいわゆる水素リッチガスを供給された燃料電池10は、この水素ガスと酸素ガスとの反応により発電するようになっている。なお、本実施の形態において使用する燃料は都市ガス(メタンガスを主成分とする)である。
【0019】
改質装置25の改質器30は、触媒31aが充填された反応室31と、この反応室31に密接して設けられて反応室31を加熱する加熱室32と、加熱室32に高温の燃焼ガスを供給するバーナ33から構成されている。
【0020】
反応室31には燃料供給源が燃料供給管31bを介して接続されており、燃料供給源から燃料が供給されている。燃料供給管31bには給水源が給水管70b、蒸発器70および水蒸気供給管70aを介して接続されており、燃料供給管31bの燃料に蒸発器70から供給された水蒸気が混合され、この混合ガスが反応室31に供給される。なお、蒸発器70には加熱室32から高温の燃焼ガスを排気する排気管32aが経由しており、給水管70bを介して供給された給水源からの水が排気管32aにより加熱され水蒸気となって水蒸気供給管70aを介して燃料供給管31bに導出される。また、蒸発器70の上流に位置する給水管70bは加熱室32の外周に巻きつけられ、給水源からの水は加熱室32により予熱される。
【0021】
燃料供給管31bの水蒸気供給管70aとの合流点より下流には熱交換器40が設けられている。この熱交換器40は、主として図1に示すように、改質器30と一酸化炭素シフト反応装置50の間に配置されており、改質器30から供給された改質ガスを降温して一酸化炭素シフト反応装置50に供給するものである。この熱交換器40は、改質器30上に設置された第2熱交換部42とこの第2熱交換部42上に設置された第1熱交換部41とから構成されている。第1熱交換部41上に一酸化炭素シフト反応装置50が設置されている。
【0022】
第2熱交換部42は、図3および図4に示すように、断面四角状の筒体42aを備えている。筒体42aの内部には上下方向に気密に仕切る2枚の仕切り板42b,42cが設けられており、下から順番に下室42d、中室42e、上室42fが形成されている。第2熱交換部42には2枚の仕切り板42b,42cを上下方向に貫通し下室42dと上室42fとを連通する複数の板状管43が間をおいて水平方向に並設されている。板状管43は仕切り板42b,42cに溶接により固定されている。下室42dの下端開口42d1および上室42fの上端開口42f1はそれぞれ改質器30の上面に設けた出口および第1熱交換部41の下端開口41dに接続されており、下室42dに供給された改質ガスは板状管43内を上方に流れて上室42fを通って第1熱交換部41に供給される。なおこの改質ガスの流れを図2において実線矢印で示す。
【0023】
第2熱交換部42の中室42eの側壁(例えば左側壁)上端部には水平方向に細長い導入口42e1が設けられ、この導入口42e1を覆うように中空の導入用張り出し部42gが設けられている。第2熱交換部42の中室42eの側壁(例えば右側壁)下端部にも水平方向に細長い導出口42e2が設けられ、この導出口42e2を覆うように中空の導出用張り出し部42hが設けられている。導入用張り出し部42gは第1熱交換部41に設けられた複数の熱交換パイプ44(後述)を介して第1燃料供給管31bに接続されており、燃料供給管31bから供給された混合ガスは、第1熱交換部41の熱交換パイプ44、導入用張り出し部42g、導入口42e1を通って第2熱交換部42の中室42e内に供給され、板状管43の間を下方に流れ、導出口42e2、導出用張り出し部42h、第2燃料供給管31cを通って改質器30に供給される。なおこの混合ガスの流れを図2において破線矢印で示す。
【0024】
第1熱交換部41は、図3および図5に示すように、断面四角状の筒体41aを備えている。筒体41aの下端面は筒体42aの上端面に密接して固定されている。互いに対向する筒体41aの左右側壁41a1,41a2の外壁面には気密な左右側室41b,41cがそれぞれ設けられている。左右側室41b,41cはほぼ水平方向に延在させて左端および右端が左右側室41b,41cに気密に固定された複数の熱交換パイプ44によって連通している。右側室41cには第1燃料供給管31bが接続され、左側室41bには一端が第2熱交換部42の導入用張り出し部42gに接続された接続管45の他端が接続されており、燃料供給管31bから供給された混合ガスは、右側室41a、熱交換パイプ44、左側室41b、接続管45を通って第2熱交換部42の中室42eに供給される。
【0025】
なお、板状管43の内壁および熱交換パイプ44の外壁には図示しないフィンが設けられている。これにより、熱交換の効率を向上させることができる。また、第1熱交換部41と第2熱交換部42はステンレス材で形成されることが好ましい。これにより、耐久性を向上させることができる。
【0026】
熱交換器40から反応室31内に供給された混合ガスのうち燃料(メタンガス)は、触媒31aにより水蒸気と反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスとになる(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に反応室31内では、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素ガスは水蒸気と反応して水素ガスと二酸化炭素ガスに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成したガス(改質ガス)は熱交換器40を介して一酸化炭素シフト反応装置50に導出される。
【0027】
一酸化炭素シフト反応装置50は、内部に充填された触媒により、熱交換器40から導入された改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とを水素ガスと二酸化炭素とに変成いわゆる一酸化炭素シフト反応させて一酸化炭素濃度を低減して導出する。
【0028】
一酸化炭素シフト反応装置50から導出された一酸化炭素濃度が低減された改質ガスは、一酸化炭素選択酸化反応装置60に供給される。一酸化炭素選択酸化反応装置60は、内部に充填された触媒により、供給された改質ガスに残留している一酸化炭素を、別に供給された酸化空気と反応させて二酸化炭素とする。したがって、一酸化炭素選択酸化反応装置60からは一酸化炭素濃度が10ppm以下である改質ガスが導出され、この水素リッチガスが燃料電池10に供給される。
【0029】
一酸化炭素選択酸化反応装置60は水素ガス供給管61を介して燃料電池10の燃料極に接続されている。水素ガス供給管61にはオフガス燃焼器(図示省略)に接続された排気ガス導出管63が接続された切換装置62が設けられており、切換装置62は燃料電池システムの起動時には一酸化炭素選択酸化反応装置60をオフガス燃焼器に接続し、定常時には一酸化炭素選択酸化反応装置60を燃料電池10に接続するようになっている。
【0030】
燃料電池10はその燃料極および空気極にそれぞれ水素ガスおよび空気が供給されると、所定の反応を起こして発電する。このとき、燃料電池10の燃料極および空気極からはそれぞれオフガスおよび水(気体)が導出される。
【0031】
なお、バーナ33には燃料電池10に接続されたオフガス供給管33aが接続されており、燃料電池10にて反応に使われなかった水素ガス(オフガス)が供給されて燃焼される。またバーナ33には燃料供給源が燃焼用燃料供給管33bを介して接続され、空気供給源が燃焼用空気供給管33cを介して接続されており、燃焼用燃料および燃焼用空気が供給され燃焼される。いずれの場合にも高温の燃焼ガスが発生し、この燃焼ガスが加熱室32に供給されて反応室31が加熱されることにより触媒31aが加熱される。
【0032】
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。燃料電池システムを起動する際には、切換装置62により一酸化炭素選択酸化反応装置60をオフガス燃焼器に接続するとともに改質器30のバーナ33を着火して燃焼用燃料を燃焼させる。これにより、改質器30内の触媒31aおよび蒸発器70が加熱される。蒸発器70が所定温度まで加熱されると蒸発器35への水の供給が開始され、蒸発器70にて生成された水蒸気が改質器30に供給される。その後、改質器30への燃料の供給が開始され水蒸気と燃料が混合され、この混合ガスが熱交換器40を通って昇温されて改質器30に供給される。改質器30では上述した水蒸気改質反応および一酸化炭素シフト反応が生じる。
【0033】
そして、改質器30から導出された改質ガスは、熱交換器40を通って降温されて一酸化炭素シフト反応装置50および一酸化炭素選択酸化反応装置60に順次供給され、これら装置50,60により一酸化炭素ガスを低減されて、一酸化炭素選択酸化反応装置60から導出される。その後、導出された改質ガス中の一酸化炭素濃度が所定値以下となれば、切換装置62により一酸化炭素選択酸化反応装置60を燃料電池10に接続して、起動運転を終了して定常運転を開始する。
【0034】
このように作動している燃料電池システムのうち、熱交換器40における混合ガスおよび改質ガスの流れについて図2を参照して説明する。第1熱交換部41においては、第1熱交換部41の右側室41a内に供給された混合ガス(100〜120℃)は各熱交換パイプ44に均一に分配されて熱交換パイプ44を通って左側室41bに流出する。一方、第2熱交換部42の上室42fから流入した改質ガス(約300℃)は筒体41aの内部を下から上に貫通して流れて一酸化炭素シフト反応装置50に流出する。このとき、熱交換パイプ44においては混合ガスより高温である改質ガスの熱が熱交換パイプ44を介して混合ガスに伝達して、左側室41bに供給される混合ガスは約200℃に昇温され、一酸化炭素シフト反応装置50に供給される改質ガスは約200℃に降温される。これにより、左側室41b内に流入した混合ガスは完全に気化されるので、水滴を含むことはない。
【0035】
また、第2熱交換部42においては、第2熱交換部42の導入用張り出し部42gに供給された混合ガス(約200℃)は導入口42e1を通って第2熱交換部42の中室42e内に供給され、筒体42a内を板状管43の間を通って下方に流れ導出口42e2を通って第2熱交換部42の導出用張り出し部42hに流出する。一方、改質器30から供給された改質ガス(600〜700℃)は下室42dに流入し、各板状管43に均一に分配されて板状管43内を上方に流れて上室42fに流出する。このとき、板状管43においては混合ガスより高温である改質ガスの熱が板状管43を介して混合ガスに伝達して、導出用張り出し部42hに供給される混合ガスは約550℃に昇温され、上室42fに供給される改質ガスは約300℃に降温される。
【0036】
上述した説明から明らかなように、本実施の形態においては、燃料と水蒸気の混合ガスを改質器30の反応室31に供給するべく事前に熱交換器40にて目的とする温度まで昇温する際に、混合ガスを第1熱交換部41にて予備加熱することにより混合ガスが十分加熱されて混合ガスに含まれる水滴を完全に気化させることができる。そして、完全に気化され水滴を含まない混合ガスが第2熱交換部42の中室42eに供給されるので、中室42e内においては水滴が滴下しないので、熱交換器40が局所的に熱応力を受けることを防止することができる。したがって、熱交換器40の耐久性を向上させることができる。
【0037】
また、熱交換器40の上方で一酸化炭素シフト反応装置50との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して混合ガス(燃料と水蒸気)を予備加熱する第1熱交換部41を設けたため、一酸化炭素シフト反応装置50の反応に適した温度まで確実に降温されるとともに、降温された改質ガスを直接そのまま一酸化炭素シフト反応装置50に導入することができるため、装置がコンパクトになり、改質ガスの温度管理を確実にすることができる。さらに、改質器30の上方に第2熱交換部42を設けたため、改質ガスをすぐに第2熱交換部42に導入することができ、装置をコンパクトにすることができる。
【0038】
なお、上述した実施の形態において、第2熱交換部42の板状管43を円筒状のパイプに代えてもよい。また、第2熱交換部42の下に第1熱交換部41を設置するようにしてもよい。
【0039】
また、上述した実施の形態において、蒸発器70から流出した気液混合水(水蒸気)は直接第1熱交換部41に導入されていたが、この気液混合水を一酸化炭素選択酸化反応装置60の温度制御のため同装置60の冷却側を通流した後に第1熱交換部41に導入するようにしてもよい。この場合、第1熱交換部41に導入される混合ガスは、一酸化炭素選択酸化反応装置60での熱交換により、液滴の割合は少ないが本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱交換器の実施の態様を適用した燃料電池システムの概要を示す概略図である。
【図2】図1に示す改質装置の改質器と熱交換器の断面を示すとともに一酸化炭素シフト反応装置との関係を示す概略図である。
【図3】図2に示した熱交換器の詳細な縦断面図である。
【図4】図3に示した第1熱交換部の横断面図である。
【図5】図3に示した第2熱交換部の横断面図である。
【図6】従来技術による熱交換器の断面を示すとともに改質器と一酸化炭素シフト反応装置との関係を示す概略図である。
【符号の説明】
10…燃料電池、20…燃料生成系、25…改質装置、30…改質器、40…熱交換器、41…第1熱交換部、42…第2熱交換部、50…一酸化炭素シフト反応装置、70…蒸発器
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質ガスと改質器に導入する水蒸気と燃料の混合ガスとの間で熱交換する熱交換器を備えた改質装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
燃料電池に必要な水素ガスを生成する燃料生成系の一つとして、都市ガス、LPG、灯油などの燃料を改質する改質装置1と、改質装置1から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素シフト反応装置2と、一酸化炭素シフト反応装置2から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素をさらに除去する一酸化炭素選択酸化反応装置3から構成されたものが知られている。この燃料生成系により一酸化炭素を10ppm以下に低減された水素ガスが燃料電池に供給されている(特許文献1参照)。
【0003】
この改質装置1は図6に示すように水蒸気と燃料を反応させて主として水素と一酸化炭素を含む改質ガスを生成する改質器4と、改質器4から供給された改質ガスを蒸発器5から供給された水蒸気と燃料の混合ガスにより降温する熱交換器6からなる。熱交換器6は改質器4上に設置され、熱交換器6上に一酸化炭素シフト反応装置2が設置されている。
【0004】
熱交換器6は、その内部を上下方向に気密に仕切る2枚の仕切り板6a,6bが設けられており、下から順番に下室6c、中室6d、上室6eが形成されている。熱交換器6には2枚の仕切り板6a,6bを貫通し下室6cと上室6eとを連通する複数のパイプ7が並設されている。パイプ7は仕切り板6a,6bに溶接により固定されている。下室6cおよび上室6eはそれぞれ改質器4の出口および一酸化炭素シフト反応装置2の入口に接続されており、下室6cに供給された改質ガスはパイプ7内を上方に流れて上室6eを通って一酸化炭素シフト反応装置2に供給される。また中室6dの上部および下部は蒸発器5の出口および改質器4の入口に接続されており、中室6dに供給された混合ガスは中室6d内であってパイプ7の間を下方に流れて改質器4に供給される。
【0005】
したがって、熱交換器6においてはパイプ7を介して高温の改質ガス(600〜700℃)と低温の混合ガス(約120℃)との間で熱交換が行われて、改質ガスは降温されて一酸化炭素シフト反応装置2に供給され、混合ガスは昇温されて改質器4に供給される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−163601号公報(第3−4頁、図4)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した熱交換6においては、中室6dに導入される混合ガスは約100〜120℃であり、完全に蒸気化していない場合がある。かかる場合は、導入された混合ガスの中に水滴が残っており、その水滴は中室6d内を落下して中空体42aの外壁に付着して外壁面を流れて仕切り板6aに到達したり、直接仕切り板6aに到達したりする。
【0008】
このとき上記のとおり改質器4から供給される改質ガスは600℃以上の高温であるため、パイプ7や仕切り板6aは水滴の蒸発により急冷され、水滴の蒸発後は急熱されることとなる。この急冷と急熱が繰り返されると、局所的に熱応力が集中し、特にパイプ7と仕切り板6aの溶接部にひび割れ等が生じてガス漏れの原因となる場合があり、改質装置25の耐久性が低下する場合があった。
【0009】
本発明は、上述した問題を解消するためになされたもので、熱交換器の上部で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に水蒸気を改質ガスに対して水平に流して燃料と水蒸気を予備加熱する第1熱交換部を設け、第1熱交換部の下方で改質器との間に、予備加熱された燃料と水蒸気を改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えた熱交換器を有する改質装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、この改質器からの改質ガスを降温し同改質器への混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、熱交換器は、混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部と、予備加熱された前記混合ガスを前記改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことである。
【0011】
上記課題を解決するため、請求項2に係る発明の構成上の特徴は、供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、この改質器からの改質ガスを降温し同改質器への混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、熱交換器は、この熱交換器の上部で混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部と、熱交換器の下部で予備加熱された混合ガスを改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことである。
【0012】
上記課題を解決するため、請求項3に係る発明の構成上の特徴は、供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、この改質器からの改質ガスを降温し同改質器への混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、熱交換器は、改質器と一酸化炭素シフト反応装置の間に設け、熱交換器の上部で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部を設け、この第1熱交換部の下方で改質器との間に、予備加熱された混合ガスを改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことである。
【0013】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱することができ、混合ガスが十分加熱されて混合ガス中の水蒸気が完全に気化されるため、水蒸気が蒸発不十分のため水滴となって熱交換器内の下方に落下することが無く、熱交換器が局所的に熱応力を受けることが無いため、耐久性が向上する。
【0014】
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、熱交換器の上部で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱することができ、混合ガスが十分加熱されて気化が完全になされるため、水蒸気が蒸発不十分のため水滴となって熱交換器内の下方に落下することが無く、熱交換器が局所的に熱応力を受けることが無いため、耐久性が向上する。
【0015】
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、請求項2の発明と同様に混合ガスが十分加熱されて気化が完全になされるため、水蒸気が蒸発不十分のため水滴となって熱交換器の下方に落下することが無く、熱交換器が局所的に熱応力を受けることが無いため、耐久性が向上する。さらに、熱交換器の上方で一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部を設けたため、一酸化炭素シフト反応装置の反応に適した温度まで確実に降温されるとともに、降温された改質ガスを直接そのまま一酸化炭素シフト反応装置に導入することができるため、装置がコンパクトになり、改質ガスの温度管理が確実にすることができる。
【0016】
さらに、改質ガスを発生する改質器の上方に第2熱交換部を設けたため、改質ガスをすぐに第2熱交換部に導入することができ、装置をコンパクトにすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による熱交換器を適用した燃料電池システムについて説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図であり、図2は改質装置25における水蒸気と燃料の混合ガスの流れおよび改質ガスの流れを示す図である。
【0018】
この燃料電池システムは燃料電池10と燃料電池10に必要な水素ガスを生成する燃料生成系20とを備えている。燃料生成系20は、図1に示すように、都市ガス、LPG、灯油などの燃料を水素ガスに改質する改質装置25と、改質装置25から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素を除去する一酸化炭素シフト反応装置50と、一酸化炭素シフト反応装置50から導出された水素ガスに含まれる一酸化炭素をさらに除去する一酸化炭素選択酸化反応装置60から構成されている。この燃料生成系20により生成された水素ガスいわゆる水素リッチガスを供給された燃料電池10は、この水素ガスと酸素ガスとの反応により発電するようになっている。なお、本実施の形態において使用する燃料は都市ガス(メタンガスを主成分とする)である。
【0019】
改質装置25の改質器30は、触媒31aが充填された反応室31と、この反応室31に密接して設けられて反応室31を加熱する加熱室32と、加熱室32に高温の燃焼ガスを供給するバーナ33から構成されている。
【0020】
反応室31には燃料供給源が燃料供給管31bを介して接続されており、燃料供給源から燃料が供給されている。燃料供給管31bには給水源が給水管70b、蒸発器70および水蒸気供給管70aを介して接続されており、燃料供給管31bの燃料に蒸発器70から供給された水蒸気が混合され、この混合ガスが反応室31に供給される。なお、蒸発器70には加熱室32から高温の燃焼ガスを排気する排気管32aが経由しており、給水管70bを介して供給された給水源からの水が排気管32aにより加熱され水蒸気となって水蒸気供給管70aを介して燃料供給管31bに導出される。また、蒸発器70の上流に位置する給水管70bは加熱室32の外周に巻きつけられ、給水源からの水は加熱室32により予熱される。
【0021】
燃料供給管31bの水蒸気供給管70aとの合流点より下流には熱交換器40が設けられている。この熱交換器40は、主として図1に示すように、改質器30と一酸化炭素シフト反応装置50の間に配置されており、改質器30から供給された改質ガスを降温して一酸化炭素シフト反応装置50に供給するものである。この熱交換器40は、改質器30上に設置された第2熱交換部42とこの第2熱交換部42上に設置された第1熱交換部41とから構成されている。第1熱交換部41上に一酸化炭素シフト反応装置50が設置されている。
【0022】
第2熱交換部42は、図3および図4に示すように、断面四角状の筒体42aを備えている。筒体42aの内部には上下方向に気密に仕切る2枚の仕切り板42b,42cが設けられており、下から順番に下室42d、中室42e、上室42fが形成されている。第2熱交換部42には2枚の仕切り板42b,42cを上下方向に貫通し下室42dと上室42fとを連通する複数の板状管43が間をおいて水平方向に並設されている。板状管43は仕切り板42b,42cに溶接により固定されている。下室42dの下端開口42d1および上室42fの上端開口42f1はそれぞれ改質器30の上面に設けた出口および第1熱交換部41の下端開口41dに接続されており、下室42dに供給された改質ガスは板状管43内を上方に流れて上室42fを通って第1熱交換部41に供給される。なおこの改質ガスの流れを図2において実線矢印で示す。
【0023】
第2熱交換部42の中室42eの側壁(例えば左側壁)上端部には水平方向に細長い導入口42e1が設けられ、この導入口42e1を覆うように中空の導入用張り出し部42gが設けられている。第2熱交換部42の中室42eの側壁(例えば右側壁)下端部にも水平方向に細長い導出口42e2が設けられ、この導出口42e2を覆うように中空の導出用張り出し部42hが設けられている。導入用張り出し部42gは第1熱交換部41に設けられた複数の熱交換パイプ44(後述)を介して第1燃料供給管31bに接続されており、燃料供給管31bから供給された混合ガスは、第1熱交換部41の熱交換パイプ44、導入用張り出し部42g、導入口42e1を通って第2熱交換部42の中室42e内に供給され、板状管43の間を下方に流れ、導出口42e2、導出用張り出し部42h、第2燃料供給管31cを通って改質器30に供給される。なおこの混合ガスの流れを図2において破線矢印で示す。
【0024】
第1熱交換部41は、図3および図5に示すように、断面四角状の筒体41aを備えている。筒体41aの下端面は筒体42aの上端面に密接して固定されている。互いに対向する筒体41aの左右側壁41a1,41a2の外壁面には気密な左右側室41b,41cがそれぞれ設けられている。左右側室41b,41cはほぼ水平方向に延在させて左端および右端が左右側室41b,41cに気密に固定された複数の熱交換パイプ44によって連通している。右側室41cには第1燃料供給管31bが接続され、左側室41bには一端が第2熱交換部42の導入用張り出し部42gに接続された接続管45の他端が接続されており、燃料供給管31bから供給された混合ガスは、右側室41a、熱交換パイプ44、左側室41b、接続管45を通って第2熱交換部42の中室42eに供給される。
【0025】
なお、板状管43の内壁および熱交換パイプ44の外壁には図示しないフィンが設けられている。これにより、熱交換の効率を向上させることができる。また、第1熱交換部41と第2熱交換部42はステンレス材で形成されることが好ましい。これにより、耐久性を向上させることができる。
【0026】
熱交換器40から反応室31内に供給された混合ガスのうち燃料(メタンガス)は、触媒31aにより水蒸気と反応し改質されて水素ガスと一酸化炭素ガスとになる(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に反応室31内では、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素ガスは水蒸気と反応して水素ガスと二酸化炭素ガスに変成するいわゆる一酸化炭素シフト反応が生じている。これら生成したガス(改質ガス)は熱交換器40を介して一酸化炭素シフト反応装置50に導出される。
【0027】
一酸化炭素シフト反応装置50は、内部に充填された触媒により、熱交換器40から導入された改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気とを水素ガスと二酸化炭素とに変成いわゆる一酸化炭素シフト反応させて一酸化炭素濃度を低減して導出する。
【0028】
一酸化炭素シフト反応装置50から導出された一酸化炭素濃度が低減された改質ガスは、一酸化炭素選択酸化反応装置60に供給される。一酸化炭素選択酸化反応装置60は、内部に充填された触媒により、供給された改質ガスに残留している一酸化炭素を、別に供給された酸化空気と反応させて二酸化炭素とする。したがって、一酸化炭素選択酸化反応装置60からは一酸化炭素濃度が10ppm以下である改質ガスが導出され、この水素リッチガスが燃料電池10に供給される。
【0029】
一酸化炭素選択酸化反応装置60は水素ガス供給管61を介して燃料電池10の燃料極に接続されている。水素ガス供給管61にはオフガス燃焼器(図示省略)に接続された排気ガス導出管63が接続された切換装置62が設けられており、切換装置62は燃料電池システムの起動時には一酸化炭素選択酸化反応装置60をオフガス燃焼器に接続し、定常時には一酸化炭素選択酸化反応装置60を燃料電池10に接続するようになっている。
【0030】
燃料電池10はその燃料極および空気極にそれぞれ水素ガスおよび空気が供給されると、所定の反応を起こして発電する。このとき、燃料電池10の燃料極および空気極からはそれぞれオフガスおよび水(気体)が導出される。
【0031】
なお、バーナ33には燃料電池10に接続されたオフガス供給管33aが接続されており、燃料電池10にて反応に使われなかった水素ガス(オフガス)が供給されて燃焼される。またバーナ33には燃料供給源が燃焼用燃料供給管33bを介して接続され、空気供給源が燃焼用空気供給管33cを介して接続されており、燃焼用燃料および燃焼用空気が供給され燃焼される。いずれの場合にも高温の燃焼ガスが発生し、この燃焼ガスが加熱室32に供給されて反応室31が加熱されることにより触媒31aが加熱される。
【0032】
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。燃料電池システムを起動する際には、切換装置62により一酸化炭素選択酸化反応装置60をオフガス燃焼器に接続するとともに改質器30のバーナ33を着火して燃焼用燃料を燃焼させる。これにより、改質器30内の触媒31aおよび蒸発器70が加熱される。蒸発器70が所定温度まで加熱されると蒸発器35への水の供給が開始され、蒸発器70にて生成された水蒸気が改質器30に供給される。その後、改質器30への燃料の供給が開始され水蒸気と燃料が混合され、この混合ガスが熱交換器40を通って昇温されて改質器30に供給される。改質器30では上述した水蒸気改質反応および一酸化炭素シフト反応が生じる。
【0033】
そして、改質器30から導出された改質ガスは、熱交換器40を通って降温されて一酸化炭素シフト反応装置50および一酸化炭素選択酸化反応装置60に順次供給され、これら装置50,60により一酸化炭素ガスを低減されて、一酸化炭素選択酸化反応装置60から導出される。その後、導出された改質ガス中の一酸化炭素濃度が所定値以下となれば、切換装置62により一酸化炭素選択酸化反応装置60を燃料電池10に接続して、起動運転を終了して定常運転を開始する。
【0034】
このように作動している燃料電池システムのうち、熱交換器40における混合ガスおよび改質ガスの流れについて図2を参照して説明する。第1熱交換部41においては、第1熱交換部41の右側室41a内に供給された混合ガス(100〜120℃)は各熱交換パイプ44に均一に分配されて熱交換パイプ44を通って左側室41bに流出する。一方、第2熱交換部42の上室42fから流入した改質ガス(約300℃)は筒体41aの内部を下から上に貫通して流れて一酸化炭素シフト反応装置50に流出する。このとき、熱交換パイプ44においては混合ガスより高温である改質ガスの熱が熱交換パイプ44を介して混合ガスに伝達して、左側室41bに供給される混合ガスは約200℃に昇温され、一酸化炭素シフト反応装置50に供給される改質ガスは約200℃に降温される。これにより、左側室41b内に流入した混合ガスは完全に気化されるので、水滴を含むことはない。
【0035】
また、第2熱交換部42においては、第2熱交換部42の導入用張り出し部42gに供給された混合ガス(約200℃)は導入口42e1を通って第2熱交換部42の中室42e内に供給され、筒体42a内を板状管43の間を通って下方に流れ導出口42e2を通って第2熱交換部42の導出用張り出し部42hに流出する。一方、改質器30から供給された改質ガス(600〜700℃)は下室42dに流入し、各板状管43に均一に分配されて板状管43内を上方に流れて上室42fに流出する。このとき、板状管43においては混合ガスより高温である改質ガスの熱が板状管43を介して混合ガスに伝達して、導出用張り出し部42hに供給される混合ガスは約550℃に昇温され、上室42fに供給される改質ガスは約300℃に降温される。
【0036】
上述した説明から明らかなように、本実施の形態においては、燃料と水蒸気の混合ガスを改質器30の反応室31に供給するべく事前に熱交換器40にて目的とする温度まで昇温する際に、混合ガスを第1熱交換部41にて予備加熱することにより混合ガスが十分加熱されて混合ガスに含まれる水滴を完全に気化させることができる。そして、完全に気化され水滴を含まない混合ガスが第2熱交換部42の中室42eに供給されるので、中室42e内においては水滴が滴下しないので、熱交換器40が局所的に熱応力を受けることを防止することができる。したがって、熱交換器40の耐久性を向上させることができる。
【0037】
また、熱交換器40の上方で一酸化炭素シフト反応装置50との接続付近に混合ガスを改質ガスに対して水平に流して混合ガス(燃料と水蒸気)を予備加熱する第1熱交換部41を設けたため、一酸化炭素シフト反応装置50の反応に適した温度まで確実に降温されるとともに、降温された改質ガスを直接そのまま一酸化炭素シフト反応装置50に導入することができるため、装置がコンパクトになり、改質ガスの温度管理を確実にすることができる。さらに、改質器30の上方に第2熱交換部42を設けたため、改質ガスをすぐに第2熱交換部42に導入することができ、装置をコンパクトにすることができる。
【0038】
なお、上述した実施の形態において、第2熱交換部42の板状管43を円筒状のパイプに代えてもよい。また、第2熱交換部42の下に第1熱交換部41を設置するようにしてもよい。
【0039】
また、上述した実施の形態において、蒸発器70から流出した気液混合水(水蒸気)は直接第1熱交換部41に導入されていたが、この気液混合水を一酸化炭素選択酸化反応装置60の温度制御のため同装置60の冷却側を通流した後に第1熱交換部41に導入するようにしてもよい。この場合、第1熱交換部41に導入される混合ガスは、一酸化炭素選択酸化反応装置60での熱交換により、液滴の割合は少ないが本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による熱交換器の実施の態様を適用した燃料電池システムの概要を示す概略図である。
【図2】図1に示す改質装置の改質器と熱交換器の断面を示すとともに一酸化炭素シフト反応装置との関係を示す概略図である。
【図3】図2に示した熱交換器の詳細な縦断面図である。
【図4】図3に示した第1熱交換部の横断面図である。
【図5】図3に示した第2熱交換部の横断面図である。
【図6】従来技術による熱交換器の断面を示すとともに改質器と一酸化炭素シフト反応装置との関係を示す概略図である。
【符号の説明】
10…燃料電池、20…燃料生成系、25…改質装置、30…改質器、40…熱交換器、41…第1熱交換部、42…第2熱交換部、50…一酸化炭素シフト反応装置、70…蒸発器
Claims (3)
- 供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、該改質器からの前記改質ガスを降温し同改質器への前記混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、前記熱交換器は、前記混合ガスを前記改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部と、予備加熱された前記混合ガスを前記改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことを特徴とする改質装置。
- 供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、該改質器からの前記改質ガスを降温し同改質器への前記混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、前記熱交換器は、同熱交換器の上部で前記混合ガスを前記改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部と、前記熱交換器の下部で予備加熱された前記混合ガスを前記改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことを特徴とする改質装置。
- 供給された水蒸気と燃料との混合ガスから改質ガスを生成して燃料電池に供給する改質器と、該改質器からの前記改質ガスを降温し同改質器への前記混合ガスを昇温する熱交換器を有する改質装置であって、前記熱交換器は、前記改質器と一酸化炭素シフト反応装置の間に設け、前記熱交換器の上部で前記一酸化炭素シフト反応装置との接続付近に前記混合ガスを前記改質ガスに対して水平に流して予備加熱する第1熱交換部を設け、該第1熱交換部の下方で前記改質器との間に、予備加熱された前記混合ガスを前記改質ガスと上下方向の対向流方向に流して加熱する第2熱交換部を備えたことを特徴とする改質装置。
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