JP2004119214A - 燃料電池システム - Google Patents
燃料電池システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004119214A JP2004119214A JP2002281714A JP2002281714A JP2004119214A JP 2004119214 A JP2004119214 A JP 2004119214A JP 2002281714 A JP2002281714 A JP 2002281714A JP 2002281714 A JP2002281714 A JP 2002281714A JP 2004119214 A JP2004119214 A JP 2004119214A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gas
- fuel cell
- carbon monoxide
- supplied
- combustion gas
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/30—Hydrogen technology
- Y02E60/50—Fuel cells
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/10—Process efficiency
Abstract
【課題】燃料電池システムの起動時にオフガス燃焼器からの燃焼ガスを一酸化炭素シフト反応部に供給して、エネルギー効率を低下させることなくかつ簡単な構成で一酸化炭素シフト反応部を触媒の温度活性域まで加熱する。
【解決手段】燃料電池システムは、改質部22から供給された改質ガスの一酸化炭素を低減するCOシフト部25を備えた改質装置20と、この改質装置20からの改質ガスが供給される燃料電池10と、起動時に改質装置20から供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを導出するオフガス燃焼器31と、起動時にオフガス燃焼器31から供給された燃焼ガスと燃料電池10を循環する燃料電池暖気用水との間で熱交換することにより燃焼ガスを降温して導出する熱交換器32からなる。熱交換器32によって降温された燃焼ガスをCOシフト部25に供給し、この燃焼ガスによりCO選択酸化部25内を昇温する。
【選択図】 図1
【解決手段】燃料電池システムは、改質部22から供給された改質ガスの一酸化炭素を低減するCOシフト部25を備えた改質装置20と、この改質装置20からの改質ガスが供給される燃料電池10と、起動時に改質装置20から供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを導出するオフガス燃焼器31と、起動時にオフガス燃焼器31から供給された燃焼ガスと燃料電池10を循環する燃料電池暖気用水との間で熱交換することにより燃焼ガスを降温して導出する熱交換器32からなる。熱交換器32によって降温された燃焼ガスをCOシフト部25に供給し、この燃焼ガスによりCO選択酸化部25内を昇温する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質装置により生成された改質ガスを燃焼電池に供給して発電させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、燃料電池システムを構成する改質装置は、改質ガスを生成する改質部と、この改質部から供給された改質ガスから一酸化炭素を低減する一酸化炭素シフト反応部等を備えてなり、一酸化炭素の低減された改質ガスを燃料電池に供給している。燃料電池システムは、起動時に改質装置から供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを導出するオフガス燃焼器と、このオフガス燃焼器から供給された燃焼ガスと燃料電池を循環する燃料電池暖気用水との間で熱交換することにより燃焼ガスを降温して導出する熱交換器をさらに設けている。
【0003】
改質装置の改質部および一酸化炭素シフト反応部にはそれぞれ触媒が充填されており、これら触媒により、いわゆる水蒸気改質反応および一酸化炭素シフト反応が生じて改質ガスが生成されている。また、燃料電池にも触媒が充填されており、この触媒により、水素ガスと酸素ガスを化学反応させて発電している。したがって、改質部、一酸化炭素シフト反応部および燃料電池をそれぞれの触媒の活性温度域に制御する必要がある。
【0004】
改質部は、空気を含む燃料ガスを燃焼して燃焼ガスを導出する燃焼部から供給された燃焼ガスにより活性温度域まで加熱され、一酸化炭素シフト反応部は、改質部を通過した燃焼ガスにより活性温度域まで加熱される(例えば、特許文献1の図1参照)。また、これら改質部と一酸化炭素シフト反応部の間に設けられた燃焼ガス流路に、水供給ポンプで供給された水が流れる水路を備えた熱交換器が備えられ、この熱交換器において燃焼ガスの熱が水に伝達し、燃焼ガスが降温される(例えば、特許文献1の図3参照)。
【0005】
また燃料電池は、オフガス燃焼器からの燃焼ガスにより熱交換器で加熱された水が燃料電池を循環して活性温度域まで加熱される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−163601号公報(第3−4頁、第1図、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1の図1に示される一酸化炭素シフト反応部において、この一酸化炭素シフト反応部に供給された燃焼ガス(約650度)は、改質部を通過して降温されるものの一酸化炭素シフト反応部に充填された触媒の活性温度域(200〜250℃)よりかなり高温であるため、この熱により同触媒が劣化するという問題があった。また、特許文献1の図3に示される一酸化炭素シフト反応部において、改質部を通過した燃焼ガスは熱交換器により降温されて一酸化炭素シフト反応部に供給されるが、適温とするには熱交換器の熱容量を確保するため熱交換器が大きくなるという問題があった。さらに、起動時にはオフガス燃焼器から供給された燃焼ガスは、熱交換器に供給されてこの熱交換器と燃料電池との間で循環される水を加熱した後に外部に排気されており、燃料電池システム全体から見るとエネルギー効率が悪くなっていた。
【0008】
本発明は、上述した各問題を解消するためになされたもので、燃料電池システムの起動時にオフガス燃焼器からの燃焼ガスを一酸化炭素シフト反応部に供給して、エネルギー効率を低下させることなくかつ簡単な構成で一酸化炭素シフト反応部を触媒の温度活性域まで加熱することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、改質部から供給された改質ガスの一酸化炭素を低減する一酸化炭素シフト反応部を備えた改質装置と、この改質装置からの改質ガスが供給される燃料電池と、起動時に改質装置から供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを導出するオフガス燃焼器と、起動時に該オフガス燃焼器から供給された燃焼ガスと燃料電池を循環する燃料電池暖気用水との間で熱交換することにより燃焼ガスを降温して導出する熱交換器からなる燃料電池システムにおいて、熱交換器によって降温された燃焼ガスを一酸化炭素シフト反応部に供給し、この燃焼ガスにより一酸化炭素シフト反応部内を昇温することである。
【0010】
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、熱交換器はオフガス燃焼器から供給された燃焼ガスを一酸化炭素シフト反応部内に充填された触媒の活性温度域まで降温することである。
【0011】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、燃料電池システムの起動時に、従来オフガス燃焼器から熱交換器に供給されてこの熱交換器と燃料電池との間で循環される水を加熱した後に外部に排気されていた燃焼ガスを、外部に排気せずに一酸化炭素シフト反応部に供給する。したがって、燃焼ガスのエネルギーを有効に活用することができるので、エネルギー効率を低下させることなく一酸化炭素シフト反応部を触媒の温度活性域まで加熱することができる。また、一酸化炭素シフト反応部を加熱する構成、装置を別に設けることなく、既存の構成を利用して一酸化炭素シフト反応部を加熱することができるので、簡単な構成で一酸化炭素シフト反応部を触媒の温度活性域まで加熱することができる。
【0012】
また、上記のように構成した請求項2に係る発明においては、オフガス燃焼器から供給された燃焼ガスは一酸化炭素シフト反応部内に充填された触媒の活性温度域まで熱交換器により降温された後で、一酸化炭素シフト反応部に供給される。これにより、一酸化炭素シフト反応部の触媒の劣化を少なく抑えることができるので、一酸化炭素シフト反応部の寿命を延ばすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による燃料電池システムの一実施の形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは燃料電池10と燃料電池(燃料電池スタック)10に必要な水素ガスを生成する改質装置20を備えている。
【0014】
改質装置20は、燃焼部21、改質部22、蒸発部23、熱交換部24、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)25および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)26から構成されている。
【0015】
燃焼部21は、起動時に外部から燃焼用燃料ガスおよび燃焼用空気が供給され、または定常時に燃料電池10からオフガス(燃料電池に供給され使用されずに排出された改質ガス)が供給され、供給された各ガスを燃焼して燃焼ガスを改質部22に導出するものである。この燃焼ガスは改質部22を(同改質部22の触媒の活性温度域となるように)加熱した後、蒸発部23に導出されこの蒸発部23に供給された水を加熱して水蒸気とし、その後外部に排気される。
【0016】
改質部22は、外部から供給された燃料ガス(例えば、都市ガス、LPG)に蒸発部23からの水蒸気を混合した混合ガスが熱交換部24によって予熱されて供給され、この混合ガスを改質部22に充填された触媒により改質して水素ガスと一酸化炭素ガスを生成している(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気を水素ガスと二酸化炭素とに変成している(いわゆる一酸化炭素シフト反応が)。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は熱交換部24に導出される。このときの改質ガスは約650℃である。
【0017】
熱交換部24においては、改質ガスと混合ガスとの間で熱交換が行われて、改質ガスは約650℃から200〜300℃まで降温され、混合ガスは約100℃から550℃まで昇温される。
【0018】
COシフト部25は、改質部22から供給されて熱交換部24にて降温された改質ガスが供給され、この改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気をCOシフト部25に充填された触媒により反応させて水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度が低減されて導出される。また燃料電池システムの起動時には、COシフト部25にオフガス燃焼器31にて生成された燃焼ガスが熱交換器32を介して供給され、COシフト部25の触媒を加熱した後で外部に排気される。
【0019】
CO選択酸化部26は、COシフト部25から一酸化炭素濃度の低減された改質ガスが供給され、さらに外部から空気も供給され、改質ガスに残留している一酸化炭素と空気をCO選択酸化部26に充填された触媒により反応させて二酸化炭素を生成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)導出される。
【0020】
上述した改質装置20により生成された改質ガスは、燃料電池システムを起動してしばらくの間(起動時)は、COシフト部25とCO選択酸化部26の各触媒はその活性温度域に達していないので、改質ガスに含まれる一酸化炭素が低減できないため、燃料電池スタック10に供給されずにバルブ41,44を通ってオフガス燃焼器31に供給される。一方、COシフト部25とCO選択酸化部26の各触媒がその活性温度域に達すると、改質ガスに含まれる一酸化炭素が低減されるので、バルブ42を通って燃料電池スタック10に供給される(定常時)。なお、起動時にはバルブ42,43,45が閉じられ、定常時にはバルブ41,44が閉じられる。
【0021】
オフガス燃焼器31は、起動時にCO選択酸化部26からの改質ガスが供給され、さらに外部から空気も供給され、供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを熱交換器32に導出するものである。
【0022】
熱交換器32においては、起動時には燃焼ガスと、熱交換器32、燃料電池スタック10およびラジエータ33を循環する水(加熱用水)との間で熱交換が行われて、燃焼ガスは約900℃から200〜300℃まで降温され、加熱用水は約20℃から80℃まで昇温される。そして、加熱用水によって燃料電池スタックが加熱される。
【0023】
燃料電池スタック10は、定常時にCO選択酸化部26から一酸化炭素が低減された改質ガスが供給され、さらに外部から空気も供給され、改質ガス中の水素ガスと空気中の酸素ガスとの反応により発電するようになっている。なお、定常時には燃料電池スタック10は水素ガスと酸素ガスの反応に伴う熱により加熱されるので、熱交換器32、燃料電池スタック10およびラジエータ33を循環する水(加熱用水)はラジエータ33により冷却されるようになっている。
【0024】
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。まず起動時について説明すると、バルブ42,43,45が閉じられ、バルブ41,44が開けられる。燃焼部21には燃焼用燃料ガスと燃焼用空気が供給されて燃焼され、燃焼ガスは改質部22を加熱し、蒸発部23にて水を加熱して水蒸気を生成した後に排気される。改質部22には熱交換部24で加熱された混合ガスが供給され、触媒により改質ガスが生成される。改質ガスは熱交換部24にて混合ガスとの間で熱交換されて降温され、COシフト部25、CO選択酸化部26によって一酸化炭素を除去された後、バルブ41,44を介してオフガス燃焼器31に供給される。オフガス燃焼器31に供給された改質ガスが燃焼され、燃焼ガスは熱交換器32にて燃料電池スタックとの間で循環される加熱水との間で熱交換されて降温された後、COシフト部25を加熱した後に排気される。
【0025】
定常時においては、バルブ41,44が閉じられ、バルブ42,43,45が開けられる。燃焼部21には燃料電池スタック10からバルブ43,45を介してオフガスが供給されて燃焼され、燃焼ガスは改質部22を加熱し、蒸発部23にて水を加熱して水蒸気を生成した後に排気される。改質部22には熱交換部24で加熱された混合ガスが供給され、触媒により改質ガスが生成される。改質ガスは熱交換部24にて混合ガスとの間で熱交換されて降温され、COシフト部25、CO選択酸化部26によって一酸化炭素を除去された後、バルブ42を介して燃料電池スタック10に供給される。
【0026】
上述した説明から理解できるように、この実施の形態においては、燃料電池システムの起動時に、従来オフガス燃焼器31から熱交換器32に供給されてこの熱交換器32と燃料電池10との間で循環される水を加熱した後に外部に排気されていた燃焼ガスを、外部に排気せずにCOシフト部25に供給する。したがって、燃焼ガスのエネルギーを有効に活用することができるので、エネルギー効率を低下させることなくCOシフト部25を触媒の温度活性域まで加熱することができる。また、COシフト部25を加熱する構成、装置を別に設けることなく、既存の構成を利用してCOシフト部25を加熱することができるので、簡単な構成でCOシフト部25を触媒の温度活性域まで加熱することができる。
【0027】
また、オフガス燃焼器31から供給された燃焼ガスはCOシフト部25内に充填された触媒の活性温度域まで熱交換器32により降温された後で、COシフト部25に供給される。これにより、COシフト部25の触媒の劣化を少なく抑えることができるので、COシフト部25の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料電池システムの一実施の形態の概要を示す概要図である。
【符号の説明】
10…燃料電池、20…改質装置、21…燃焼部、22…改質部、23…蒸発部、24…熱交換部、25…一酸化炭素シフト反応部(COシフト部)、26…一酸化炭素選択酸化反応部(CO選択酸化部)、31…オフガス燃焼器、32…熱交換器、41〜45…バルブ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、改質装置により生成された改質ガスを燃焼電池に供給して発電させる燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、燃料電池システムを構成する改質装置は、改質ガスを生成する改質部と、この改質部から供給された改質ガスから一酸化炭素を低減する一酸化炭素シフト反応部等を備えてなり、一酸化炭素の低減された改質ガスを燃料電池に供給している。燃料電池システムは、起動時に改質装置から供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを導出するオフガス燃焼器と、このオフガス燃焼器から供給された燃焼ガスと燃料電池を循環する燃料電池暖気用水との間で熱交換することにより燃焼ガスを降温して導出する熱交換器をさらに設けている。
【0003】
改質装置の改質部および一酸化炭素シフト反応部にはそれぞれ触媒が充填されており、これら触媒により、いわゆる水蒸気改質反応および一酸化炭素シフト反応が生じて改質ガスが生成されている。また、燃料電池にも触媒が充填されており、この触媒により、水素ガスと酸素ガスを化学反応させて発電している。したがって、改質部、一酸化炭素シフト反応部および燃料電池をそれぞれの触媒の活性温度域に制御する必要がある。
【0004】
改質部は、空気を含む燃料ガスを燃焼して燃焼ガスを導出する燃焼部から供給された燃焼ガスにより活性温度域まで加熱され、一酸化炭素シフト反応部は、改質部を通過した燃焼ガスにより活性温度域まで加熱される(例えば、特許文献1の図1参照)。また、これら改質部と一酸化炭素シフト反応部の間に設けられた燃焼ガス流路に、水供給ポンプで供給された水が流れる水路を備えた熱交換器が備えられ、この熱交換器において燃焼ガスの熱が水に伝達し、燃焼ガスが降温される(例えば、特許文献1の図3参照)。
【0005】
また燃料電池は、オフガス燃焼器からの燃焼ガスにより熱交換器で加熱された水が燃料電池を循環して活性温度域まで加熱される。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−163601号公報(第3−4頁、第1図、第3図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述した特許文献1の図1に示される一酸化炭素シフト反応部において、この一酸化炭素シフト反応部に供給された燃焼ガス(約650度)は、改質部を通過して降温されるものの一酸化炭素シフト反応部に充填された触媒の活性温度域(200〜250℃)よりかなり高温であるため、この熱により同触媒が劣化するという問題があった。また、特許文献1の図3に示される一酸化炭素シフト反応部において、改質部を通過した燃焼ガスは熱交換器により降温されて一酸化炭素シフト反応部に供給されるが、適温とするには熱交換器の熱容量を確保するため熱交換器が大きくなるという問題があった。さらに、起動時にはオフガス燃焼器から供給された燃焼ガスは、熱交換器に供給されてこの熱交換器と燃料電池との間で循環される水を加熱した後に外部に排気されており、燃料電池システム全体から見るとエネルギー効率が悪くなっていた。
【0008】
本発明は、上述した各問題を解消するためになされたもので、燃料電池システムの起動時にオフガス燃焼器からの燃焼ガスを一酸化炭素シフト反応部に供給して、エネルギー効率を低下させることなくかつ簡単な構成で一酸化炭素シフト反応部を触媒の温度活性域まで加熱することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、請求項1に係る発明の構成上の特徴は、改質部から供給された改質ガスの一酸化炭素を低減する一酸化炭素シフト反応部を備えた改質装置と、この改質装置からの改質ガスが供給される燃料電池と、起動時に改質装置から供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを導出するオフガス燃焼器と、起動時に該オフガス燃焼器から供給された燃焼ガスと燃料電池を循環する燃料電池暖気用水との間で熱交換することにより燃焼ガスを降温して導出する熱交換器からなる燃料電池システムにおいて、熱交換器によって降温された燃焼ガスを一酸化炭素シフト反応部に供給し、この燃焼ガスにより一酸化炭素シフト反応部内を昇温することである。
【0010】
また請求項2に係る発明の構成上の特徴は、熱交換器はオフガス燃焼器から供給された燃焼ガスを一酸化炭素シフト反応部内に充填された触媒の活性温度域まで降温することである。
【0011】
【発明の作用・効果】
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、燃料電池システムの起動時に、従来オフガス燃焼器から熱交換器に供給されてこの熱交換器と燃料電池との間で循環される水を加熱した後に外部に排気されていた燃焼ガスを、外部に排気せずに一酸化炭素シフト反応部に供給する。したがって、燃焼ガスのエネルギーを有効に活用することができるので、エネルギー効率を低下させることなく一酸化炭素シフト反応部を触媒の温度活性域まで加熱することができる。また、一酸化炭素シフト反応部を加熱する構成、装置を別に設けることなく、既存の構成を利用して一酸化炭素シフト反応部を加熱することができるので、簡単な構成で一酸化炭素シフト反応部を触媒の温度活性域まで加熱することができる。
【0012】
また、上記のように構成した請求項2に係る発明においては、オフガス燃焼器から供給された燃焼ガスは一酸化炭素シフト反応部内に充填された触媒の活性温度域まで熱交換器により降温された後で、一酸化炭素シフト反応部に供給される。これにより、一酸化炭素シフト反応部の触媒の劣化を少なく抑えることができるので、一酸化炭素シフト反応部の寿命を延ばすことができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による燃料電池システムの一実施の形態について説明する。図1はこの燃料電池システムの概要を示す概要図である。この燃料電池システムは燃料電池10と燃料電池(燃料電池スタック)10に必要な水素ガスを生成する改質装置20を備えている。
【0014】
改質装置20は、燃焼部21、改質部22、蒸発部23、熱交換部24、一酸化炭素シフト反応部(以下、COシフト部という)25および一酸化炭素選択酸化反応部(以下、CO選択酸化部という)26から構成されている。
【0015】
燃焼部21は、起動時に外部から燃焼用燃料ガスおよび燃焼用空気が供給され、または定常時に燃料電池10からオフガス(燃料電池に供給され使用されずに排出された改質ガス)が供給され、供給された各ガスを燃焼して燃焼ガスを改質部22に導出するものである。この燃焼ガスは改質部22を(同改質部22の触媒の活性温度域となるように)加熱した後、蒸発部23に導出されこの蒸発部23に供給された水を加熱して水蒸気とし、その後外部に排気される。
【0016】
改質部22は、外部から供給された燃料ガス(例えば、都市ガス、LPG)に蒸発部23からの水蒸気を混合した混合ガスが熱交換部24によって予熱されて供給され、この混合ガスを改質部22に充填された触媒により改質して水素ガスと一酸化炭素ガスを生成している(いわゆる水蒸気改質反応)。これと同時に、水蒸気改質反応にて生成された一酸化炭素と水蒸気を水素ガスと二酸化炭素とに変成している(いわゆる一酸化炭素シフト反応が)。これら生成されたガス(いわゆる改質ガス)は熱交換部24に導出される。このときの改質ガスは約650℃である。
【0017】
熱交換部24においては、改質ガスと混合ガスとの間で熱交換が行われて、改質ガスは約650℃から200〜300℃まで降温され、混合ガスは約100℃から550℃まで昇温される。
【0018】
COシフト部25は、改質部22から供給されて熱交換部24にて降温された改質ガスが供給され、この改質ガスに含まれる一酸化炭素と水蒸気をCOシフト部25に充填された触媒により反応させて水素ガスと二酸化炭素ガスとに変成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度が低減されて導出される。また燃料電池システムの起動時には、COシフト部25にオフガス燃焼器31にて生成された燃焼ガスが熱交換器32を介して供給され、COシフト部25の触媒を加熱した後で外部に排気される。
【0019】
CO選択酸化部26は、COシフト部25から一酸化炭素濃度の低減された改質ガスが供給され、さらに外部から空気も供給され、改質ガスに残留している一酸化炭素と空気をCO選択酸化部26に充填された触媒により反応させて二酸化炭素を生成している。これにより、改質ガスは一酸化炭素濃度がさらに低減されて(10ppm以下)導出される。
【0020】
上述した改質装置20により生成された改質ガスは、燃料電池システムを起動してしばらくの間(起動時)は、COシフト部25とCO選択酸化部26の各触媒はその活性温度域に達していないので、改質ガスに含まれる一酸化炭素が低減できないため、燃料電池スタック10に供給されずにバルブ41,44を通ってオフガス燃焼器31に供給される。一方、COシフト部25とCO選択酸化部26の各触媒がその活性温度域に達すると、改質ガスに含まれる一酸化炭素が低減されるので、バルブ42を通って燃料電池スタック10に供給される(定常時)。なお、起動時にはバルブ42,43,45が閉じられ、定常時にはバルブ41,44が閉じられる。
【0021】
オフガス燃焼器31は、起動時にCO選択酸化部26からの改質ガスが供給され、さらに外部から空気も供給され、供給された改質ガスを燃焼して燃焼ガスを熱交換器32に導出するものである。
【0022】
熱交換器32においては、起動時には燃焼ガスと、熱交換器32、燃料電池スタック10およびラジエータ33を循環する水(加熱用水)との間で熱交換が行われて、燃焼ガスは約900℃から200〜300℃まで降温され、加熱用水は約20℃から80℃まで昇温される。そして、加熱用水によって燃料電池スタックが加熱される。
【0023】
燃料電池スタック10は、定常時にCO選択酸化部26から一酸化炭素が低減された改質ガスが供給され、さらに外部から空気も供給され、改質ガス中の水素ガスと空気中の酸素ガスとの反応により発電するようになっている。なお、定常時には燃料電池スタック10は水素ガスと酸素ガスの反応に伴う熱により加熱されるので、熱交換器32、燃料電池スタック10およびラジエータ33を循環する水(加熱用水)はラジエータ33により冷却されるようになっている。
【0024】
次に、上述した燃料電池システムの作動について説明する。まず起動時について説明すると、バルブ42,43,45が閉じられ、バルブ41,44が開けられる。燃焼部21には燃焼用燃料ガスと燃焼用空気が供給されて燃焼され、燃焼ガスは改質部22を加熱し、蒸発部23にて水を加熱して水蒸気を生成した後に排気される。改質部22には熱交換部24で加熱された混合ガスが供給され、触媒により改質ガスが生成される。改質ガスは熱交換部24にて混合ガスとの間で熱交換されて降温され、COシフト部25、CO選択酸化部26によって一酸化炭素を除去された後、バルブ41,44を介してオフガス燃焼器31に供給される。オフガス燃焼器31に供給された改質ガスが燃焼され、燃焼ガスは熱交換器32にて燃料電池スタックとの間で循環される加熱水との間で熱交換されて降温された後、COシフト部25を加熱した後に排気される。
【0025】
定常時においては、バルブ41,44が閉じられ、バルブ42,43,45が開けられる。燃焼部21には燃料電池スタック10からバルブ43,45を介してオフガスが供給されて燃焼され、燃焼ガスは改質部22を加熱し、蒸発部23にて水を加熱して水蒸気を生成した後に排気される。改質部22には熱交換部24で加熱された混合ガスが供給され、触媒により改質ガスが生成される。改質ガスは熱交換部24にて混合ガスとの間で熱交換されて降温され、COシフト部25、CO選択酸化部26によって一酸化炭素を除去された後、バルブ42を介して燃料電池スタック10に供給される。
【0026】
上述した説明から理解できるように、この実施の形態においては、燃料電池システムの起動時に、従来オフガス燃焼器31から熱交換器32に供給されてこの熱交換器32と燃料電池10との間で循環される水を加熱した後に外部に排気されていた燃焼ガスを、外部に排気せずにCOシフト部25に供給する。したがって、燃焼ガスのエネルギーを有効に活用することができるので、エネルギー効率を低下させることなくCOシフト部25を触媒の温度活性域まで加熱することができる。また、COシフト部25を加熱する構成、装置を別に設けることなく、既存の構成を利用してCOシフト部25を加熱することができるので、簡単な構成でCOシフト部25を触媒の温度活性域まで加熱することができる。
【0027】
また、オフガス燃焼器31から供給された燃焼ガスはCOシフト部25内に充填された触媒の活性温度域まで熱交換器32により降温された後で、COシフト部25に供給される。これにより、COシフト部25の触媒の劣化を少なく抑えることができるので、COシフト部25の寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による燃料電池システムの一実施の形態の概要を示す概要図である。
【符号の説明】
10…燃料電池、20…改質装置、21…燃焼部、22…改質部、23…蒸発部、24…熱交換部、25…一酸化炭素シフト反応部(COシフト部)、26…一酸化炭素選択酸化反応部(CO選択酸化部)、31…オフガス燃焼器、32…熱交換器、41〜45…バルブ。
Claims (2)
- 改質部から供給された改質ガスの一酸化炭素を低減する一酸化炭素シフト反応部を備えた改質装置と、該改質装置からの前記改質ガスが供給される燃料電池と、起動時に前記改質装置から供給された前記改質ガスを燃焼して燃焼ガスを導出するオフガス燃焼器と、前記起動時に該オフガス燃焼器から供給された燃焼ガスと前記燃料電池を循環する燃料電池暖気用水との間で熱交換することにより前記燃焼ガスを降温して導出する熱交換器からなる燃料電池システムにおいて、
前記熱交換器によって降温された前記燃焼ガスを前記一酸化炭素シフト反応部に供給し、該燃焼ガスにより一酸化炭素シフト反応部内を昇温することを特徴とする燃料電池システム。 - 請求項1において、前記熱交換器は前記オフガス燃焼器から供給された燃焼ガスを前記一酸化炭素シフト反応部内に充填された触媒の活性温度域まで降温することを特徴とする燃料電池システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002281714A JP2004119214A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 燃料電池システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002281714A JP2004119214A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 燃料電池システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004119214A true JP2004119214A (ja) | 2004-04-15 |
Family
ID=32276092
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002281714A Pending JP2004119214A (ja) | 2002-09-26 | 2002-09-26 | 燃料電池システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004119214A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005353348A (ja) * | 2004-06-09 | 2005-12-22 | Aisin Seiki Co Ltd | 燃料電池システム |
KR100837394B1 (ko) | 2006-08-17 | 2008-06-12 | 삼성에스디아이 주식회사 | Co 제거유닛의 워밍업 구조가 개선된 연료개질기 및 그운영방법 |
US7534512B2 (en) | 2004-04-29 | 2009-05-19 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Fuel cell system |
GB2460689A (en) * | 2008-06-05 | 2009-12-09 | Voller Energy Ltd | Method for heating and temperature regulation of a CO clean up reactor |
KR101219809B1 (ko) * | 2010-10-04 | 2013-01-08 | 현대하이스코 주식회사 | 보조 열교환기를 이용한 연료전지용 개질 장치의 운전 개시 방법 |
-
2002
- 2002-09-26 JP JP2002281714A patent/JP2004119214A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7534512B2 (en) | 2004-04-29 | 2009-05-19 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Fuel cell system |
US7985509B2 (en) | 2004-04-29 | 2011-07-26 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Fuel cell system |
JP2005353348A (ja) * | 2004-06-09 | 2005-12-22 | Aisin Seiki Co Ltd | 燃料電池システム |
KR100837394B1 (ko) | 2006-08-17 | 2008-06-12 | 삼성에스디아이 주식회사 | Co 제거유닛의 워밍업 구조가 개선된 연료개질기 및 그운영방법 |
US8142529B2 (en) | 2006-08-17 | 2012-03-27 | Samsung Sdi Co., Ltd. | Fuel processor having carbon monoxide removing unit and method of operating the same |
GB2460689A (en) * | 2008-06-05 | 2009-12-09 | Voller Energy Ltd | Method for heating and temperature regulation of a CO clean up reactor |
KR101219809B1 (ko) * | 2010-10-04 | 2013-01-08 | 현대하이스코 주식회사 | 보조 열교환기를 이용한 연료전지용 개질 장치의 운전 개시 방법 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2003226507A (ja) | 燃料処理装置の急速始動のための段階化リーン燃焼 | |
US20190190050A1 (en) | Solid oxide fuel cell system | |
JP3943405B2 (ja) | 燃料電池発電システム | |
JP2889807B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP3704299B2 (ja) | 固体酸化物形燃料電池と燃焼を利用する産業プロセスとのコンバインドシステムとその運転方法 | |
JP3960002B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2003017098A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2004119214A (ja) | 燃料電池システム | |
JP5102510B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2014182923A (ja) | 燃料電池システム及びその運転方法 | |
JP5324752B2 (ja) | 水素含有ガス生成装置 | |
JPH11260387A (ja) | Co除去装置およびco除去装置の運転方法 | |
JP2001313053A (ja) | 燃料電池システム | |
JP2004115321A (ja) | 改質装置 | |
JP4176130B2 (ja) | 燃料電池発電システム | |
JP5102511B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP2007314419A (ja) | 水素含有ガス生成装置の運転制御方法 | |
JP2003317778A (ja) | 燃料電池の排ガス燃焼器、及び燃料電池発電システム | |
JP4128803B2 (ja) | 燃料電池システム | |
JP3960001B2 (ja) | 一酸化炭素除去器及び燃料電池システム | |
JPH10324501A (ja) | 一酸化炭素除去装置及び一酸化炭素除去装置の起動方法 | |
JP2000294264A (ja) | 高分子電解質型燃料電池システム | |
JP2003317772A (ja) | 燃料電池発電システム | |
JP2004164868A (ja) | コージェネレーションシステムにおける貯湯方法及びその装置 | |
JP4917791B2 (ja) | 燃料電池システム |