<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る遊技機の第1の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機PMを図面に沿って説明する。図1はパチンコ機PMの外部構造を示す正面図、図2はパチンコ機PMの背面構造を示す背面図である。
なお、後述する実施の形態では、本発明の遊技機を、いわゆる第1種特別電動役物の機能と第2種特別電動役物の機能の双方を使用したパチンコ機(いわゆる1種2種パチンコ遊技機)に適用した例を挙げて説明するが、要は、いわゆる第2種特別電動役物の機能を有する遊技機であれば本発明を適用可能であり、従って、第2種特別電動役物の機能のみ有する第2種パチンコ遊技機や、第2種及び第3種特別電動役物双方の機能を有するパチンコ遊技機、或いは、第1種、第2種及び第3種特別電動役物すべての機能を有するパチンコ遊技機にも適用可能であることは勿論である。
パチンコ機(遊技機)PMは、図1に示すように、外郭方形枠サイズに構成されて縦向きの固定保持枠をなす外枠1の開口前面に、これに合わせた方形枠サイズに構成される開閉搭載用の前枠2の左側上下部に対向するように配設されたヒンジ部材3a,3bで横開き開閉及び着脱が可能に取り付けられ、右側中央部に設けられた施錠装置4を利用して常には外枠1と係合された閉鎖状態に保持される。
前枠2の各部には、パチンコ遊技を展開する遊技展開部材として、前枠2の前側面域に合わせた方形状のガラス扉5及び球皿6が正面左側部に設けられたヒンジ機構7a,7b,7cを利用して横開き開閉及び着脱が可能に組付けられ、球皿6の右側下部には遊技球の発射操作を行う操作ハンドル8が装備されている。前枠2の中央部から上部にかけて後方に突出する方形枠状の収容枠(図示せず)が前枠2と一体に形成されており、この収容枠に所定のゲージ設定で構成された遊技盤10が着脱可能にセット保持され、常には閉鎖保持されるガラス扉5に遊技盤10正面の遊技領域PAを臨ませている。
遊技盤10の遊技領域PAには、図示しない障害釘が多数打ち込まれており、遊技領域PAの中央部近傍には、センター飾り100が配設されている。このセンター飾り100内には、遊技に関する演出表示を行う装飾図柄表示装置(図柄表示装置)12が開口部11から露出されるように配設され、この装飾図柄表示装置12と透明板47,52とが対向するように配設されている。また、遊技領域PAの下部には、通過始動口13aを有する始動入賞装置13が設けられている。通過始動口13aを遊技球が通過すると、この遊技球は、始動入賞装置13内に設けられた入賞検出センサ23(図3参照)で検出された後、遊技盤10の裏面側へ排出される。
更に、始動入賞装置13の下方には、開放始動口14aを有する普通電動役物14が設けられている。開放始動口14aを遊技球が通過すると、この遊技球は、普通電動役物14内に設けられた入賞検出センサ24(図3参照)で検出された後、遊技盤10の裏面側へ排出される。普通電動役物14は、始動入賞装置13の下方に隣接して設けられた開閉型の入賞装置であり、この普通電動役物14が閉鎖状態にあるときには、その入口部分が始動入賞装置13に塞がれ、遊技球は普通電動役物14に入賞できず、普通電動役物14が開放状態にあるときには、遊技球が普通電動役物14に入賞できるようになっている。
また、普通電動役物14の左方には、遊技球が通過可能な普通図柄作動ゲート15が設けられ、普通電動役物14の下方には、第1大入賞口16aを開閉可能な第1大入賞装置16が設けられる。第1大入賞装置16は、大当たり遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利となる特別遊技の実行中に、第1大入賞口ソレノイド26(図3参照)によって第1大入賞口16aを開放し、遊技球を第1大入賞口16aに対して通過容易にする。
第1大入賞口16aは、遊技領域PAの下部に設けられた横長の矩形形状を呈した入賞口であり、第1大入賞口16aが閉鎖状態にあるときには、遊技球は第1大入賞口16aを通過することができず、第1大入賞口16aが開放状態になったときに、遊技球が第1大入賞口16aを通過することが可能となる。遊技球が、第1大入賞口16aを通過すると、第1大入賞装置16内に設けられた入賞検出センサ27(図3参照)に検出された後、遊技盤10の裏面側へ排出される。
また、遊技領域PAの左下部には、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過を契機として行われる抽選の結果に基づいて普通図柄を変動表示する普通図柄表示装置17が設けられる。更に、遊技領域PAの左右下部には、普通入賞口18aを有する複数の普通入賞装置18が設けられ、流下してくる遊技球が普通入賞口18aを通過すると、普通入賞装置18内に設けられた入賞検出センサ(図示せず)で検出された後、遊技盤10の裏面側へ排出される。また、遊技領域PAの下端には、遊技領域PAに打ち出された後、いずれの入賞装置にも入賞せずに落下してきた遊技球を遊技盤10の裏面側へ排出させるアウト口19が設けられている。
前枠2の裏面側には、図2に示すように、中央に前後連通する窓口を有して前枠2よりもやや小型の方形枠状に形成された裏セット盤30が、前枠2の裏面に設けられた複数のレバーL,L…を利用して着脱可能にセット保持されている。裏セット盤30の各部には、遊技球を貯留する球貯留タンク31、タンクレール32、整列待機通路33、賞球カセット34、賞球排出通路35などの賞球装置が装備されると共に、裏面各部に電源基板40や主基板50等の各種制御基板及び電子部品等が取り付けられ、これらの各機器及び遊技盤10の裏面に取り付けられたサブ制御基板60が、不図示のワイヤーハーネスで接続されている。
球皿6に前面側が覆われた前枠2の下部領域には、遊技補助盤(図示せず)と称される補助機構部が形成されており、この遊技補助盤の各部には、打球発射装置(図示せず)や、裏セット盤30側の賞球排出通路35と連絡され、球皿6に排出できない遊技球を一時貯留する貯留カセット(図示せず)などが設けられている。
次に、上記したセンター飾り100について図4ないし図8を参照して説明する。図4はセンター飾り100の全体を示す正面図、図5はセンター飾り100内に配置される遊技球連動演出装置22を分解して示す概略図、図6は図5に示した遊技球連動演出装置22を同図A-A線に沿って切断して矢視方向に見た状態で示す側面断面図、図7はスペーサ部材を主に示す概略図であり、同図(a)は傾斜案内板53aの正面図、同図(b)は(a)の矢視V方向に見た状態で示す側面図、図8は移動路53を備えた透明板52を拡大して示す正面図である。
すなわち、図4に示すように、センター飾り100は、樹脂材料を用いて射出成形等により一体的に形成された種々の構成部品からなり、遊技盤10の中央部に取り付けられている。このセンター飾り100は、開口部11を中央部に有する略筒状の枠体40を備えており、枠体40の周囲には、その外方に張り出すようにブラケット部41が形成されている。このブラケット部41には、枠体40を遊技盤10に埋め込んだ形でネジ止めするために表裏貫通した孔41aが形成されている。
センター飾り100は、遊技球ステージSの左右端中央近傍の両側にワープ導入口42,42をそれぞれ有しており、これらワープ導入口42,42及び遊技球ステージSにて囲まれる位置に、装飾図柄表示装置12の表示面12aを露出する開口部11を有している。つまり、センター飾り100は、開口部11の下部に遊技球ステージSを有し、かつ該ステージSの左右略中央部にワープ導入口42,42を有しており、遊技球ステージSの左右下部には、ワープ導入口42,42にそれぞれ連通しこれら導入口42,42から導入した遊技球をステージS上に放出する放出口43,43を有している。
ステージSは、左右幅方向の両端側から中央に向けて下降するように傾斜されており、その中央部は、前面側(図4の紙面手前側)へ向かうにつれて下方へ傾斜するように形成されている。そして、ワープ導入口42,42から入球して放出口43,43を介してステージS上に放出された遊技球は、該ステージS上に停留するように左右へ転動するなどした後、ステージSの中央部やその付近から落下する。その際、当該落下遊技球は、遊技領域PAの下部側に設けられた始動入賞装置13へ向けて落下することとなる。
ステージSの直上方には、センター飾り100の左右幅方向に延在するステージ形状の球受け通路45が設けられており、該球受け通路45の左端部には、後述する案内路56から直接的に落下してくる遊技球を排出するための排出口69が設けられている。また、球受け通路45の中央部には、後述する球送り装置57から落下してくる遊技球をセンター飾り100、つまり遊技盤10の背面側へと排出させる中央入賞口46が設けられている。該球受け通路45は、左右端側から中央部に位置する中央入賞口46に向けて遊技球が転動する程度に緩く傾斜しており、更に球受け通路45の前面から背面側(図4の紙面奥行き側)に向けても同程度に傾斜するように形成されている。そして、この中央入賞口46に遊技球が入球した際には、該中央入賞口46内に設けられた入賞検出センサ(図示せず)に検出された後、遊技盤10の背面側へと排出される。
センター飾り100の中央後部には、開口部11から表示面12aを露出させるように装飾図柄表示装置12が配設されており、その前面側には、表示面12aと略々平行となるように対向配置されたアクリル樹脂からなる透明板(第2板状部材)47及び透明板(第1板状部材)52が配設されている。これにより、装飾図柄表示装置12の表示面12aは、透明板47及び透明板52や、空間ないしガラス扉5等を通じて外部(図4の紙面手前側)から視認可能に構成されている。
装飾図柄表示装置12は、液晶ディスプレイ等から構成されており、例えば装飾図柄表示装置12の表示面12aの隅部分(上端もしくは左右端のいずれかの部分)には、後述する第1抽選手段212による抽選(以下、第1の抽選と称する)の結果に基づいて特別図柄(図示せず)を変動表示する特別図柄表示部が設けられていると共に、特別図柄と連動して装飾図柄(図示せず)をその特別図柄表示部以外の表示面12aに変動表示する。特別図柄は、始動入賞装置13(通過始動口13a)への遊技球の入賞を契機として行われる第1の抽選の結果に基づいて表示される図柄であり、大当たりを発生させるか否かを示す役割を持つ。また、装飾図柄は、特別図柄で示される第1の抽選の結果表示を視覚的に演出するための図柄であり、例えば、左右方向での複数列の変動図柄として表示面12aに表示される。
遊技球連動演出装置22には、図5に示すように、装飾図柄表示装置12、透明板47,52、該透明板47に支持されるセンサ装置(遊技球検出部)20、透明板47と透明板52との間で構成されて遊技球移動部をなす移動路53、が前後方向に積層されるように配されている。センサ装置20は、矩形形状を呈する透明板47を支持板とし、その隣り合う2辺(上辺(辺)47a及び左辺(辺)47b)側には、赤外線発光ダイオード(以下、赤外線LEDという)からなる複数の発光素子49が一定間隔でそれぞれに配設されている。また、透明板47の他の2辺(右辺(辺)47c及び下辺(辺)47d)側には、フォトトランジスタやフォトダイオード等からなる複数の受光素子51が一定間隔で発光素子49のそれぞれと対向する位置となるように配設されている。
これら発光素子49は、例えば、透明板47の上辺47a上で60箇所、左辺47b上で45箇所に配設され、それらの照射光(光)49aは、透明板47の表面から約2〜3[mm]の高さであって該透明板47と平行に保たれた状態で、それぞれに対向する受光素子51に照射される。このように照射される照射光49aは、上記した上辺47a及び左辺47bを直交する軸とし、かつ移動路53を囲むような矩形形状の領域に、全体として縦横の格子状となるように張り巡らされる。従って、移動路53上を遊技球が転動する際には、該遊技球は上述したような格子状に張り巡らされた照射光49aを遮蔽しながら転動落下することとなる。センサ装置20は、この格子状の照射光49aが遮蔽された位置(例えば座標値)を検出する、いわゆる光遮断方式のセンサからなる。
そして、図5及び図6に示すように、装飾図柄表示装置12とセンサ装置20とは、センター飾り100の背面側にネジ留めされ、層状であって互いに近接した位置に配置されるように組み付けられる。このように装飾図柄表示装置12とセンサ装置20とが層状に配設されることによって、センサ装置20を支持している透明板47は、装飾図柄表示装置12の表示面12aを保護するカバーとしての機能をも果たしている。
また、透明板47と透明板52との間は、遊技球が移動可能となる程度(例えば16〜17[mm])の間隙が空けられ、後述する球送り装置57から解放されて送られる遊技球は、上記間隙を移動路53に当接或いは転動しながら流下することとなる。図6に示すように、移動路53は、透明板47と透明板52とを結ぶように形成され、両透明板の間に導入された遊技球を当接或いは転動させる球流れルート21を形成している。この移動路53は、透明板47,52と同様の透明なアクリル樹脂材からなり、透明板47,52と一体に成型されることによって各接合部分が滑らかとなり、更に、透明板47,52にそれぞれ移動路53を後付けして嵌め込むなどして形成した場合に比して接合部での色の濁り等が少なく光透過性が高く保たれている。
また、上記移動路53は、図4に示すように、球送り装置57の回転体62の遊技球保持穴63から落下する遊技球Baを表示面12aの中央上部付近に案内する傾斜案内板53cと、該案内板53cの先端部から落下する遊技球Baを当接させて下方に導く一対の傾斜案内板53a,53aと、該案内板53aにより案内されて落下する遊技球Baを左右方向に振りつつ落下させる3個の湾曲案内板53bとから構成されている。これら湾曲案内板53bは、傾斜案内板53a,53aの間を抜けて落下する遊技球Baを一旦受け止めて曲面に沿わせて左右いずれかに転動させる位置と、該転動して落下する遊技球Baを左右いずれかの位置で受け止めて同様に左右に振りつつ落下させる位置と、にそれぞれ配置される。
そして、移動路53は、例えば図7(a),(b)に示す傾斜案内板53aのように、細長い板状の傾斜部(案内部材)79と直方体形状の複数のスペーサ部材80とから構成されている。傾斜部79は、透明板52の面上に、該透明板52から透明板47側に向かって下降(5°程度)するように形成されている。また、スペーサ部材80は、傾斜部79と透明板47との間の空間領域を確保するように、傾斜部79の透明板47側の面上に、全体として階段状となるような、各スペーサ部材80の面の向きが整列された状態で一体に形成され、傾斜部79と透明板47とにそれぞれ垂直となるように接合されている。このとき、スペーサ部材80により形成される傾斜部79と透明板47との間の距離dis(図6参照)は約5mm程度の幅となる。
なお、スペーサ部材80には、透明なアクリル樹脂材を用いるとして前述したが、ガラス部材等の透明度が高く、入射する光の直進性が優れている材質のものであればよく、特にアクリル樹脂材に限定されるものではない。更に、各スペーサ部材80は、図7(a),(b)に示すように、例えば、矢印L1で示す上辺47aからの照射光49aと、矢印L2で示す左辺47bからの照射光49aとが、それぞれ垂直に入出射する角度に各外壁面(面)80aが向くように配設されている。ここで、上記矢印L1及び矢印L2に示される照射光49aは、移動路53を囲むような矩形形状の領域に格子状となるように照射されるものである。従って、スペーサ部材80によって確保される透明板47及び透明板52の間の空間領域に、これらスペーサ部材80が配された場合にあっても、上記空間領域においては、センサ装置20が有する複数の発光素子49からの照射光49aが有効に通過し得る光路として形成されることとなる。
そして、このスペーサ部材80の直上方(図6の紙面上側)であり、透明板47と移動路53の先端とでおおよそ囲まれている空間には溝部67が形成されている。このような構造から、遊技球は、球送り装置57から送られてくると、透明板47,52、移動路53の各傾斜部79等に対して当接しながらも、溝部67の上方を透明板47に頻繁に接した状態、つまり透明板47に寄りかかった状態で転動することとなる。このように、球流れルート21に導入された遊技球は、透明板47に接しながら流下することによって、センサ装置20からの照射光49aをより確実に遮蔽するようになるため、センサ装置20における遊技球の検出をより精度良く行うことができるようになる。
なお、前述したスペーサ部材80の幅となる距離disは5mmとし、遊技球の半径を超えないものとするのがよい。この距離disを遊技球の半径以下の長さとした場合には、遊技球の外面が溝部67内に落ち込まず、更には、遊技球の重心cgの位置が溝部67の幅より外側(透明板52側)に逃がされることとなる。これにより、球流れルート21を移動する遊技球が移動路53の傾斜部79と透明板47との間で転動する際に、これら両者から挟持される力や、両者の間に押し込まれるような力を受けることが少なくなり、いわゆる移動路53の傾斜部79と透明板47との間を転動する際に生じ得る球詰りの予防をすることが可能となる。
一方、図4に示すように、上述した遊技球連動演出装置22と、センター飾り100における装飾図柄表示装置12の上側に配設された開閉装置55と、該開閉装置55から連通するようにセンター飾り100に形成された案内路56と、該案内路56からの遊技球を1球ずつ球流れルート21に解放して送る球送り装置57とによって、第2大入賞装置28(図3も併せて参照)が構成されている。
開閉装置55は、案内路56の開口端である第2大入賞口59の下部にヒンジ(図示せず)を介して開閉自在に取り付けられた開閉部材55aと、該開閉部材55aを図4の実線位置と二点鎖線位置とに開閉動作させる第2大入賞口ソレノイド135(図3参照)と、第2大入賞口59の近傍に配置されて該入賞口59を通過して案内路56内部に達した遊技球を検出する入賞検出センサ123と、を備えている。
球送り装置57は、後述する駆動モータ138(図3参照)の駆動により軸61を中心として矢印B方向に回転する略々円板状の回転体62を有しており、該回転体62には、例えば周方向の均等位置4箇所に、軸61から外径方向に放射状となるように切り欠かれた遊技球保持穴63が形成されている。この遊技球保持穴63は、略々円筒形状でそれぞれに遊技球が1つずつ入球し得る大きさに形成されている。
回転体62は、1つの遊技球保持穴63に案内路56から進入する遊技球を1つずつ順に保持し、そのまま矢印Bの向きに回転することによって、保持した遊技球を球流れルート21に放出口77から解放させる。1つの遊技球を球流れルート21に解放すると、案内路56の傾斜によって下方側に転動してくる次の遊技球が自然に入球可能となるような角度に次の遊技球保持穴63を向けた状態で停止する。
そして、遊技球保持穴63には、それぞれ遊技球検知センサ65(図3参照)が設けられており、該検知センサ65によって遊技球が検知された際には、回転体62が該遊技球を球流れルート21に解放するべく所定の契機で回転される。ここで、所定の契機とは、回転体62から球流れルート21に解放された遊技球が球流れルート21を通過した後、すなわちセンサ装置20において遊技球が検出されず、球流れルート21内に遊技球がなくなった時点をいうものとする。
更に、前述した球送り装置57にあっては、例えば、案内路56上に9個、遊技球保持穴63に1個の合計10個分の遊技球を保持可能とする通路状の保留空間が設けられている。ここで、遊技球が、上記保留空間に対して10個を越えて入球した際には、該遊技球は、案内路56から遊技盤10背面側に分岐する不図示の排出路へと導入され、該排出路に連通した排出口69から球受け通路45上へと導入される。また、回転体62の前面側は、透明ないし半透明に形成されるか、或いは透明ないし半透明の板状部材が配置されるなどして、入球して回転体62に保持される遊技球を遊技者が視認し得るように構成されている。
ところで、装飾図柄表示装置12には、前述した第1の抽選における特別図柄及び装飾図柄が表示される以外に、図1及び図3に示す普通電動役物14が開放状態になったとき、該役物14内へ遊技球が入球したことを契機として表示される図柄がある。この図柄は、図8に示すように、遊具としての風船を描いた風船図柄66であり、装飾図柄表示装置12の表示面12a下部を矢印Ea,Ebに示すような左右幅方向に不規則な速度で往復移動するように(つまり、風船がフワフワと風に漂うように)表示されるものである。
前述したように、装飾図柄表示装置12と球送り装置57とは層状に近接して配置されているため、表示面12a上の風船図柄66と、球送り装置57から解放落下されてくる遊技球とは、遊技者側から見た場合、前後に重なるような位置関係を有する。このことにより、風船図柄66と遊技球とは、その動作において連係性を生じるものとなる。従って、第2大入賞装置28における大当たりの抽選処理は、この風船図柄66と遊技球との連係性の多寡によって大当たりが決定され、この連係性の多寡の判定は、遊技球が風船図柄66に仮想的に当接したか否か、つまり遊技球が風船図柄66の上(図8の紙面手前側)を通過したか否かによって行われる。具体的には、遊技球が風船図柄66の上を通過した(図8の矢印C参照)際には大当たりとなり、遊技球が風船図柄66の上を通過しなかった(図8の矢印D参照)際にはハズレとなるものである。
このとき、風船図柄66の位置(座標)データとしては、後述する表示制御手段230(図3参照)の表示制御時の値が抽出され、遊技球の位置データとしては、センサ装置20によって検出される値が抽出される。そして、後述する大当り判定手段215(図3参照)は、これら両者の値に基づいて遊技球が風船図柄66の上を通過したか否かの判定を行い、これが実質的な大当たりの抽選となる(以下、第2の抽選と称する)。そして、上述した風船図柄66を用いた抽選処理は、第2種パチンコ遊技機における、いわゆるVゾーン入賞の意味合いを有するものであり、上記風船図柄66の表面には「V」の文字が描かれている。
続いて、パチンコ機PMに設けられる遊技制御装置200について図3を参照して説明する。ここで、図3は遊技制御装置200の概要を示すブロック図である。この遊技制御装置200は、図2で説明した主基板50やサブ制御基板60等から構成される(図3においては不図示)。
遊技制御装置200には、始動入賞装置13、普通図柄作動ゲート15、普通電動役物14、第1大入賞装置16、第2大入賞装置28、装飾図柄表示装置12、普通図柄表示装置17、センサ装置20等が電気的に接続されて、各種検出信号及び制御信号の送受信が行われるようになっている。
また、遊技制御装置200は、各入賞装置への入球(入賞)を判定する入球判定手段210と、始動入賞装置13(通過始動口13a)への遊技球の入賞に基づき特別図柄抽選(第1の抽選)を実行する第1抽選手段212と、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過に基づき普通図柄抽選を実行する第2抽選手段214と、風船図柄66と球流れルート21における遊技球とのそれぞれの位置データ(位置情報)に基づいて大当り抽選を実行する大当り判定手段215と、特別図柄、装飾図柄、普通図柄の変動表示パターンを保持するパターン記憶手段216と、図柄変動における停止図柄及び変動表示の表示パターンを決定する図柄決定手段220と、図柄等の表示を制御する表示制御手段230と、大当たり遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利な特別遊技を制御する特別遊技制御手段240と、確率変動遊技等の通常遊技よりも遊技者に有利な特定遊技を制御する特定遊技制御手段260と、第1大入賞装置16や第2大入賞装置28等の開閉制御を行う開閉制御手段270と、球送り装置57が有する回転体62を駆動する駆動モータ138の回転制御を行う回転制御手段280とを備えて構成される。
始動入賞装置13の入賞検出センサ23は、始動入賞装置13への遊技球の入球(入賞)を検出し、第1始動入賞情報を出力する。入球判定手段210は、第1始動入賞情報を受信すると遊技球が通過始動口13aを通過して始動入賞装置13に入球したことを判定する。始動入賞装置13への入球が判定されると、第1抽選手段212は、保留球数が上限に達しているか否かを調べる。例えば、保留球数の上限は4つに設定されている。保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段210が第1始動入賞情報を受信したタイミングで、第1抽選手段212は始動入賞に対する乱数を取得する。なお、第1抽選手段212は、数学的に乱数を生成して取得してもよく、また図示しないカウンタにより生成されるカウント値を乱数として取得してもよい。このようにして取得した乱数に基づいて、第1抽選手段212は特別図柄抽選(第1の抽選)の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウエアを利用して行われる。抽選乱数が当たりであった場合、第1抽選手段212は確率変動付きの当たりであるか否かを決定する。
図柄決定手段220における特別図柄決定手段222及び装飾図柄決定手段224は、第1抽選手段212による判定結果に応じた停止図柄と、図柄変動の表示パターンとを決定する。停止図柄は、図柄変動の終了時に表示するべき図柄である。パターン記憶手段216は、特別図柄や装飾図柄を変動表示させるときの表示パターンとして複数種のパターンを保持する。表示パターンには、通常の外れ図柄を表示するときのパターンと、リーチ状態を経て大当たり図柄を表示するときのパターンとが含まれる。また、リーチ状態を経るときのパターンとして、長短様々な表示時間をもつパターンが含まれる。各表示パターンは、その図柄変動の終了条件として表示時間がそれぞれ定められており、その表示時間が経過すると、図柄変動が停止される。
特別図柄決定手段222は、第1抽選手段212による抽選結果に応じてパターン記憶手段216からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた特別図柄の停止図柄を決定する。装飾図柄決定手段224は、特別図柄決定手段222により選択された表示パターンに応じたパターンをパターン記憶手段216から選択し、抽選結果に応じた特別図柄の停止図柄を決定する。
普通図柄作動ゲート15には通過検出センサ25が設けられており、普通図柄作動ゲート15での遊技球の通過を検出し、第2始動入賞情報を出力するようになっている。入球判定手段210は、第2始動入賞情報を受信すると遊技球が普通図柄作動ゲート15を通過したことを判定する。普通図柄作動ゲート15の通過が判定されると、第2抽選手段214は、第1抽選手段212と同様に、保留球数が上限に達しているか否かを調べ、保留球数が上限に達していない場合、入球判定手段210が第2始動入賞情報を受信したタイミングで、始動入賞に対する乱数を取得する。このようにして取得した乱数に基づいて、第2抽選手段214は普通図柄抽選(第2の抽選)の当否を判定する。なお、抽選の当否判定は、乱数の取得と同時に行われてもよく、また、特別図柄の変動を開始する直前に行われてもよく、所定の抽選ソフトウエアを利用して行われる。
図柄決定手段220における普通図柄決定手段226は、第2抽選手段214による抽選結果に応じてパターン記憶手段216からいずれかのパターンを選択し、抽選結果に応じた普通図柄の停止図柄を決定する。普通図柄決定手段226により決定された停止図柄が特定の図柄であった場合、開閉制御手段270が普通電動役物14を所定時間だけ拡開作動させる。
表示制御手段230は、特別図柄、装飾図柄、及び風船図柄66を変動表示させる第1表示制御手段231と、普通図柄を変動表示させる第2表示制御手段232と、風船図柄66が表示される座標位置を検出する表示位置検出手段233とを有して構成される。
第1表示制御手段231は、特別図柄決定手段222において決定された変動パターン及び停止図柄をもとに、装飾図柄表示装置12の特別図柄表示部に特別図柄を表示させる。また同時に、第1表示制御手段231は、装飾図柄決定手段224において決定された変動パターン及び停止図柄をもとに、装飾図柄表示装置12に装飾図柄を表示させる。更に、第1表示制御手段231は、開閉制御手段270によって普通電動役物14が開放状態とされ、該普通電動役物14内に遊技球が入球した際には、装飾図柄表示装置12に風船図柄66を表示させる。第1表示制御手段231により特別図柄を表示させる機能は主基板50側の処理として実行され、装飾図柄及び風船図柄66を表示させる機能はサブ制御基板60側の処理として実行される。
第2表示制御手段232は、普通図柄決定手段226において決定された変動パターン及び停止図柄をもとに、普通図柄表示装置17に普通図柄を表示させる。
表示位置検出手段233は、風船図柄66(図8参照)が表示されている際の装飾図柄表示装置12の表示面12a上における座標位置を位置データとして検出し、その検出データを第2特別遊技実行手段250へと送信する。
特別遊技制御手段240は、条件保持手段242、条件判定手段246、特別遊技実行手段248、及び作動回避手段252を有しており、2種類の特別遊技を選択的に実行することができる。
条件保持手段242は、第1条件保持手段243及び第2条件保持手段244を有しており、2種類の特別遊技の作動条件を保持する。
第1条件保持手段243は、第1の特別遊技を実行するための条件である第1作動条件を保持している。本実施形態において第1作動条件は、第1表示制御手段231により変動表示される特別図柄が所定の図柄で停止されたことに設定される。また、第2条件保持手段244は、第2の特別遊技を実行するための条件である第2作動条件を保持している。本実施形態において第2作動条件は、普通電動役物14に遊技球が入賞(入球)したことに設定される。
条件判定手段246は、遊技情報を監視し、特別遊技への移行条件である第1作動条件または第2作動条件の成立の可否を判定する。また、条件判定手段246は、それぞれの作動条件の判定結果をもとに、各種作動フラグのオンまたはオフの設定を行う。
特別遊技実行手段248は、第1特別遊技実行手段249及び第2特別遊技実行手段250を有しており、所定の作動条件が成立したことに基づいて特別遊技を実行する。
第1特別遊技実行手段249は、第1作動条件が成立すると、第1の特別遊技を実行する。ここで、第1の特別遊技は、第1大入賞装置16による第1大入賞口16aの開閉操作を複数回連続して継続する遊技であり、第1の特別遊技に移行すると、遊技者は特別遊技が行われていることを容易に認識することができると共に、相当数の賞球を期待することができる。このとき、第1特別遊技実行手段249は、開閉制御手段270に第1大入賞口16aの開閉制御を行わせる。開閉制御手段270は、第1の特別遊技中、第1大入賞装置16の第1大入賞口ソレノイド26に開放作動信号(もしくは、閉鎖作動信号)を出力し、第1大入賞口16aを開放(もしくは、閉鎖)させる。
第2特別遊技実行手段250は、第2作動条件が成立すると、第2の特別遊技を実行する。ここで、第2の特別遊技は、第1段階と第2段階の2段階に分けられる。第1段階では、第2特別遊技実行手段250は、開閉制御手段270に第2大入賞口59を所定時間だけ開放する制御を行わせる。このとき、開閉制御手段270は、開閉装置55の第2大入賞口ソレノイド135に開放作動信号を出力し、開閉部材55aを回動させて第2大入賞口59を開放させる。
また、第2大入賞口59から入賞した遊技球が、回転体62の遊技球保持穴63に入球した際には、それぞれに設けられている遊技球検知センサ65によってその旨が検知され、回転制御手段280が駆動モータ138を制御して回転体62を回転させる。更に、第1段階において、大当り判定手段215から大当たりの旨の信号を受信すると、第2段階へと移行する。
第2の特別遊技における第2段階は、開閉装置55による開閉部材55aの開閉操作を複数回連続して継続する段階(遊技者に有利な状態)であり、第2段階(遊技者に有利な状態)に移行すると、遊技者は、第1の特別遊技と同様に、相当数の賞球を期待することができる。このとき、第2特別遊技実行手段250は、開閉制御手段270に第2大入賞口59の開閉制御を行わせる。開閉制御手段270は、第2段階の間、開閉装置55の第2大入賞口ソレノイド135に開放作動信号(もしくは、閉鎖作動信号)を出力し、第2大入賞口59を開放(もしくは、閉鎖)させる。また、第2大入賞口59から入賞した遊技球が回転体62の遊技球保持穴63に入球した際には、回転制御手段280が駆動モータ138を制御することによって回転体62を回転させ、該遊技球を解放して送り出す。
特別遊技制御手段240における作動回避手段252は、第1作動条件及び第2作動条件のいずれか一方の作動条件が成立したとき、他方の作動条件の成立を回避させる機能を有する。本実施形態おいて、第2作動条件の成立は、第2の特別遊技の第1段階への移行条件が成立したことを示し、第1段階及び第2段階を通して第2の特別遊技が続く限り第2作動条件が成立しているものとする。したがって、第2作動条件の成立中であって、第2の特別遊技における第1段階または第2段階が実行されている間は、第1作動条件の成立が回避される。一方、第1作動条件の成立中は、第2作動条件の成立が回避されるので、第2の特別遊技における第1段階及び第2段階のいずれも実行されない。
特定遊技制御手段260は、特別遊技とは異なる遊技者に有利な特定遊技、例えば確率変動遊技の実行を制御する。本実施形態において、大当たり抽選は、第1抽選手段212による特別図柄抽選(第1の抽選)を指すものであり、この際の図柄抽選に対して確率変動遊技が設定可能とされる。
特定遊技制御手段260は、特定遊技実行手段262を有している。特定遊技実行手段262は、第1抽選手段212による抽選結果に基づいて、特別図柄の確率変動遊技を実行する。例えば、特別図柄の停止図柄が奇数であるときに、第1の特別遊技の終了後、特別図柄の確率変動遊技が実行される。なお、特別図柄の確率変動遊技における当たりの割合は、通常遊技のときよりも高く設定される。
開閉制御手段270は、上述したように、普通電動役物14を所定時間だけ拡開作動させ、第1大入賞口16aを開放又は閉鎖させ、或いは、開閉部材55aを回動させて第2大入賞口59を開放又は閉鎖させる制御を行う。
回転制御手段280は、上述したように、駆動モータ138を制御することによって回転体62を回転させる。
以上の構成を有するパチンコ機PMにおいては、開閉装置55(開閉部材55a)により第2大入賞口59が開放されたときに第2の抽選を行うことが可能となり、第1抽選手段212を用いた第1の遊技(抽選)と、第2大入賞装置28を用いた第2の遊技(抽選)とをそれぞれ独立して行う。従って、2種類の遊技を効果的に組み合わせることが可能となり、それぞれの遊技によってもたらされるべき遊技性を十分に発揮させることができ、従って、遊技性を向上させることが可能になる。
なお、第1の抽選が所定の抽選ソフトウエアを利用して行われ、第2の抽選が第2大入賞口59に入球したハードウエアとしての遊技球と装飾図柄表示装置12に表示されるソフトウエアとしての図柄との連係動作を利用して相補的に行われるため、1つのパチンコ機PMにおいて異なる種類の抽選(遊技)を行うことが可能となり、遊技性を更に向上させることができる。
そして、このような構成を有するパチンコ機PMは、図1に示すように、前枠2、ガラス扉5及び球皿6がともに閉止され施錠された状態で遊技に供され、球皿6に遊技球を貯留させて操作ハンドル8を回動操作することにより遊技が開始される。操作ハンドル8が回動操作されると、球皿6に貯留された遊技球が打球発射装置により1球ずつ遊技盤10の遊技領域PAに打ち出され、以降パチンコゲーム(弾球遊技)が展開される。
遊技領域PAに打ち出された遊技球が、通過始動口13aを通過して始動入賞装置13に入賞すると、第1抽選手段212により所定の抽選ソフトウエアを利用した特別図柄抽選(第1の抽選)が行われ、装飾図柄表示装置12において特別図柄及び装飾図柄が所定時間だけ変動表示される。変動停止時の特別図柄が大当たりを示す図柄であった場合には、第1の特別遊技に移行する。特別図柄が大当たりの図柄で停止するとき、装飾図柄表示装置12の表示面12aには、3つの図柄を一致させるような表示態様が表示される。
第1の特別遊技においては、第1大入賞装置16の作動により第1大入賞口16aが開放される。そして、第1大入賞口16aが約30秒間開放された後、または9球以上の遊技球が第1大入賞口16aを通過して第1大入賞装置16に入賞した後、第1大入賞口16aが一旦閉鎖され、このような開閉動作が所定回数継続して繰り返される。
なお、遊技球がセンター飾り100のワープ導入口42を通過してステージSに到達した場合には、遊技球がステージSの上を一時的に停留するように左右へ転動し、最終的にはステージSの中央部から始動入賞装置13の方に向けて落下する。これにより、始動入賞装置13に入賞する期待感を向上させている。
一方、遊技領域PAに打ち出された遊技球が、普通図柄作動ゲート15を通過した際には、第2抽選手段214により所定の抽選ソフトウエアを利用した普通図柄抽選(第2の抽選)が行われ、普通図柄表示装置17において普通図柄が所定時間だけ変動表示される。なお、普通図柄は、例えば、装飾図柄表示装置12における表示面12aの隅の方に(装飾図柄とは別に)変動表示させてもよく、また、他の表示装置において変動表示させるようにしてもよい。そして、変動停止時の普通図柄が所定の図柄(当たりを示す図柄)である場合には、普通電動役物14が所定時間だけ開放される。
遊技球が、開放された上記普通電動役物14に入賞(開放始動口14aを通過)すると、第2の特別遊技における第1段階に移行し、第2大入賞口ソレノイド135の作動により開閉部材55aが開放され、第2大入賞口59が所定時間だけ開放状態となる。この第2大入賞口59が開放状態となった際に遊技球が第2大入賞口59から入球すると、該遊技球は案内路56の傾斜に沿って転動移動し、案内路56からの遊技球が入球可能な角度に状態保持されている回転体62の遊技球保持穴63へと入球する。
この遊技球保持穴63に設けられた遊技球検知センサ65が、遊技球の入球を検知すると、回転制御手段280が、該遊技球を球流れルート21に解放するべく駆動モータ138を回転制御し、回転体62を矢印B方向へ所定角度(90°)だけ回転させる。また、それと同時に装飾図柄表示装置12の表示面12a下部には、第1表示制御手段231によって風船図柄66が左右幅方向に往復移動するように表示される。
上記したように、遊技球は、回転体62の回転によって球流れルート21に解放されると、傾斜案内板53c上へ着地し、該傾斜案内板53cの傾斜(図4の左側への下降)に沿った転動を開始する。このとき、遊技球は、傾斜案内板53cの奥側(図4の奥方向)に下降する傾斜部79によって透明板47側へと引き寄せられることとなり、図6の遊技球Baの位置に示されるような、透明板47に接した状態で転動する。そして、該遊技球は、傾斜案内板53cから、傾斜案内板53a,53aの方向へ放出されると、「逆ハの字」状に配設された傾斜案内板53a,53aの間を交互に繰り返し跳躍するなどし、徐々に落下速度が弱められながら、直下方に配設された湾曲案内板53bへ落下する。
遊技球が湾曲案内板53bへ到達すると、落下した際の速度、方向、回転等によって、湾曲案内板53bの左方(図4の左方)あるいは右方(図4の右方)のいずれかの進行方向に振り分けられ、上記した傾斜案内板53cのときと同様、湾曲案内板53bの奥側(図4の奥方向)に下降する傾斜部79によって、透明板47に接した状態にて転動し、湾曲案内板53bの左右いずれかの端から落下する。更に、該遊技球は、透明板52の面上に上記湾曲案内板53bと交互となるように配設された他の湾曲案内板53bを順に通過し、進行方向が振り分けられながら同様に落下する。
上記した移動路53をなす傾斜案内板53a,53c及び湾曲案内板53bには、透明板47の面上近傍における距離disの位置から該透明板47に向かって、その外壁面80aが垂直に接合されるようなスペーサ部材80が形成されている。このスペーサ部材80は、透明で光透過性が高い部材からなると共に、該スペーサ部材80を形成する矩形形状の外壁面80aが、上辺47a及び左辺47bに配設された発光素子49からの照射光49aを垂直に通過させる、つまり垂線方向に入出射させる角度となるように配設されている。このため、発光素子49からの照射光49aが、その照射途中で妨げられることなく受光素子51へと到達するようになる。また、遊技球が球流れルート21内で移動する際には、透明板47に接する状態が維持されて転動することにより、発光素子49からの照射光49aを移動中の遊技球が受け易くなり、センサ装置20による遊技球の検出精度を上げることができるようになる。
次いで、球流れルート21内を移動してきた遊技球が、湾曲案内板53bから落下し、表示面12a下部の前面側を通過する際には、該表示面12aに表示されている風船図柄66の上(図8の紙面手前側)を通過したか否かが大当り判定手段215によって判定される。
このとき、遊技球が、風船図柄66の上を通過したと判定された際には、第2大入賞口59が複数回に亘って継続して開閉動作される大当たりが決定される。また、遊技球が、風船図柄66の上を通過していないと判定された際には、いわゆるハズレが決定される。上記大当たりが決定されると、第2の特別遊技における第2段階へと移行し、第2大入賞口ソレノイド135の作動によって開閉部材55aの開閉動作が開始される。このときの開閉動作は、第2特別遊技実行手段250によって実行制御され、開閉部材55aが、所定時間(例えば3秒)の開放と所定時間(例えば1秒)の閉鎖とを所定回数(例えば15回)だけ繰り返す。
大当り判定手段215により、上記したような大当りが決定されると、開閉部材55aの開閉動作が開始され、遊技者によって打ち出された遊技球のいくつかが第2大入賞口59から案内路56へと入球し得るものとなる。但し、この案内路56内で回転体62へと向かうべく保留される遊技球の最大数は10個までとなっており、10個を超える遊技球が入球した際には、該遊技球は10個目に保留されている遊技球に当接した後、案内路56から分岐するように設けられた不図示の排出路から遊技盤10の背面側へと排出される。そして、この遊技球は、排出口69から球受け通路45に排出されると、球受け通路45を介して中央入賞口46へと入球する。
更に、前述した大当り判定手段215によって大当たり或いはハズレのいずれかの判定がなされた場合にあっても、回転体62から落下した遊技球は、球流れルート21を介して球受け通路45に到達し、該球受け通路45上を転動するなどして中央入賞口46へと入球することにより、そのまま遊技盤10の背面側へと排出される。この中央入賞口46内には入賞検出センサ(不図示)が設けられており、該入賞検出センサが遊技球を検出した際には、遊技者に対して所定数(例えば3個)の賞球が払い出される。
一方、上記した球送り装置57における回転体62は、2次元平面領域をなす間隙67において、センサ装置20の発光素子49及び受光素子51によって遊技球の位置データが検出されている間、すなわち遊技球が球流れルート21に存在している間は、案内路56に遊技球を保留した状態にあっても次の遊技球を放出しないよう停止状態に保たれる。
そして、球流れルート21にある遊技球が球受け通路45上に落下することで、発光素子49及び受光素子51が遊技球を検出しなくなった時点を契機として、回転体62は回転駆動され、次の遊技球保持穴63に保留されている遊技球が球流れルート21に解放して送られることとなる。これにより、第2大入賞口59から案内路56を介して回転体62へと入球した遊技球は、複数が保留状態となっている際にあっても、球流れルート21には常に1球ずつ解放されることとなり、装飾図柄表示装置12の表示面12a下部に表示される風船図柄66とで行われる大当たり抽選が見易くかつ確実に行われることとなる。
以上説明した第1の実施形態では、パチンコ機PMが、装飾図柄表示装置12に対向配置された透明板47,52の間の移動路53と、該移動路53を移動する遊技球を検出するセンサ装置20とを備えている。更に、透明板52には遊技球を案内する傾斜部79が設けられ、該傾斜部79と透明板47との間にはセンサ装置20からの照射光49aの光路を確保するスペーサ部材80が設けられ、該スペーサ部材80は照射光49aを透過する透過部材により形成されてなる。これにより、透明板52と透明板47との間に配設されるスペーサ部材80が、センサ装置20からの照射光49aの光路を確保するので、センサ装置20からの照射光49aの直進性及び光透過性を妨げることなく、センサ装置20により遊技球の動作を障害無く検出することができる。
また、第1の実施形態では、透明板52に設けられた遊技球を案内する傾斜部79が、スペーサ部材80を介して透明板47と接合されるので、移動路53が全体として堅固に固定されるようになり、移動路53にて遊技球を案内する際に生じ得る歪や損傷等を予防することができるようになる。
<第2の実施の形態>
ついで、本発明に係る第2の実施形態について図9を参照して説明する。同図は、本実施の形態におけるセンター飾り100の全体を示す正面図である。なお、本実施形態において先の第1の実施形態と同様な部分は、同一符号を付してその説明を省略する。
すなわち、本第2の実施形態における遊技球連動演出装置22では、主に、図4に示した透明板47と透明板52との間に構成されていた傾斜案内板53a、湾曲案内板53b及び傾斜案内板53cからなる移動路53が、上部から下部へ順に配設される傾斜案内板54,70a,70b,70cからなる移動路(遊技球移動部)75として設けられている。
傾斜案内板54は、球送り装置57の回転体62の遊技球保持穴63から落下する遊技球Baを表示面12aの中央側に向けて落下させ得るように、回転体62の直下方にて図8の左斜め下方を向くように傾斜して配置されている。傾斜案内板70aは、傾斜案内板54から落下した遊技球Ba1を受けて表示面12aの左方に向けて転動させるように、表示面12aの左端部に向かって下降するように傾斜している。傾斜案内板70bは、傾斜案内板70aの左端部にて上下方向に貫通形成された落下開口71から落下した遊技球Ba2を受けて表示面12aの右方に向けて転動させるように、表示面12aの右端部に向かって下降するように傾斜している。傾斜案内板70cは、傾斜案内板70bの右端部にて上下方向に貫通形成された落下開口71から落下した遊技球Ba3を受けて表示面12aの左方に向けて転動させるように、表示面12aの左端部に向かって下降するように傾斜している。傾斜案内板70cは、その左端部にて上下方向に貫通形成された落下開口71を有し、該落下開口71から球受け通路45上に遊技球Baを落下させる。
また、上記した移動路75をなす傾斜案内板54,70a,70b,70cはそれぞれ、第1の実施の形態における移動路53と同様、透明板52から透明板47側に向かって下降(5°程度)する傾斜部79と、該傾斜部79から透明板47に向かって垂直に配設される直方体形状のスペーサ部材80とから構成されている。
更に、上記傾斜案内板54,70a,70b,70cが前面側に配置された表示面12aには、特別図柄決定手段222にて選択された表示パターンに応じたパターンをパターン記憶手段216から装飾図柄決定手段224が選択して、抽選結果に応じて決定された停止図柄として、例えば装飾図柄72,73,74が表示されている。
本第2の実施形態における表示制御手段230では、前述した第1の実施形態と同様に、第2表示制御手段232により普通図柄を変動表示させると共に第1表示制御手段231により特別図柄を表示するが、該第1の実施形態の第1表示制御手段231が行っていた風船図柄66の変動表示は行わず、装飾図柄72,73,74や、該装飾図柄72が遊技球Baの見かけ上の当接により変動する過程及びその結果変化した装飾図柄72aを、第1表示制御手段231が表示する。また、本第2の実施形態の表示制御手段230では、装飾図柄72,72a,73,74が表示されている表示面12a上での座標位置を、表示位置検出手段233により位置座標データとして検出し、その検出信号を第2特別遊技実行手段250へと送信する。
上述のように、装飾図柄決定手段224により決定された装飾図柄72,73,74がそれぞれ「3」「2」「3」として表示される表示面12aの前面側に、上方から下方に向かってジグザグ状に傾斜案内板70a,70b,70cが配置された状態で、回転体62の回転により遊技球保持穴63から傾斜案内板54上に遊技球が放出されると、この遊技球(Ba1)は、まず、傾斜案内板70a裏面に位置している装飾図柄72に対して見かけ上接触するように通過する。その際、装飾図柄72の位置(座標)データとして、表示制御手段230の表示制御時の値が抽出され、かつ遊技球(Ba1)の座標位置データとして、センサ装置20によって検出される値が抽出される。
これにより、表示面12a上では、例えば、通過する際の遊技球(Ba1)に衝突されて左方に押しやられ、形状が大きく変化するが数値はそのままの「3」である装飾図柄72aが表示される。その後、遊技球(Ba1)は、傾斜案内板70aの落下開口71から傾斜案内板70b側に落下して流下し(Ba2)、傾斜案内板70b裏面に位置している装飾図柄73に対して見かけ上接触するように通過する(Ba3)。その際、装飾図柄決定手段224の決定に基づく表示制御手段230の制御により、装飾図柄73がそのままの位置及びサイズとされ、或いは、装飾図柄72aの場合のように位置やサイズが変更されて表示される。更に、遊技球は、傾斜案内板70bの落下開口71から傾斜案内板70c側に落下して流下し、傾斜案内板70c裏面に位置している装飾図柄74に対して見かけ上接触するように通過する。その際、装飾図柄決定手段224の決定に基づく表示制御手段230の制御により、装飾図柄74がそのままの位置及びサイズとされ、或いは、装飾図柄72aの場合のように位置やサイズが変更されて表示される。
上記表示において、装飾図柄72,73,74は、第1表示制御手段231が第1抽選手段212による抽選結果に基づいて表示するものであるから、この抽選結果で大当たりに当選していれば、表示面12a上にて装飾図柄73の「2」が最終的に「3」に変化して、大当たり有効ライン上に「333」が揃った大当たり表示となる。
一方、移動路75と透明板47とに接合されるスペーサ部材80は、透明で光透過性が高い部材からなると共に、該スペーサ部材80を形成する矩形形状の外壁面80aが、第1の実施形態のときと同様にセンサ装置20からの照射光49aを垂直に通過させる、つまり垂線方向に入出射させる角度となるように配設されている。これにより、上述したような遊技球連動演出装置22において大当たり抽選の演出処理が行われている際には、センサ装置20からの照射光49aが照射途中で妨げられることなく受光素子51へと到達し、センサ装置20による遊技球の検出を精度良く行うことができるようになる。
また、移動路75を構成する各案内板は、透明板52の奥側(図9の紙面奥側)に向かって下方に傾斜しているため、球送り装置57から送り込まれてきた遊技球は、各案内板上において奥側(図9の紙面奥側)に片寄り、透明板47に略々接した状態で転動することとなる。これにより、球流れルート21を移動中の遊技球が、発光素子49からの照射光49aを確実に受けることとなり、センサ装置20による検出の精度向上を図ることができるようになる。
また、上述したような遊技球連動演出装置22における大当たり抽選の処理を行う際にあっては、球送り装置57における回転体62は、センサ装置20の発光素子49及び受光素子51によって遊技球の位置データが検出されている間に、保留状態にある次の遊技球を放出しないよう停止状態が保たれる。このことによって、第2大入賞口59から案内路56を介して回転体62へと入球した遊技球は、複数が保留状態となっている場合にあっても、球流れルート21には常に1球ずつ解放されることとなり、装飾図柄表示装置12に表示される装飾図柄72,73,74と遊技球とにより演出表示される大当たり抽選が見易くかつ確実に行われることとなる。
以上説明した第2の実施形態では、パチンコ機PMが、装飾図柄表示装置12に対向配置された透明板47,52の間の移動路75と、該移動路75を移動する遊技球を検出するセンサ装置20とを備えている。更に、透明板52には遊技球を案内する傾斜部79が設けられ、該傾斜部79と透明板47との間にはセンサ装置20からの照射光49aの光路を確保するスペーサ部材80が設けられ、該スペーサ部材80は照射光49aを透過する透過部材により形成されてなる。これにより、透明板52と透明板47との間に配設されるスペーサ部材80が、センサ装置20からの照射光49aの光路を確保するので、センサ装置20からの照射光49aの直進性及び光透過性を妨げることなく、センサ装置20により遊技球の動作を障害無く検出することができる。
また、第2の実施形態では、透明板52に設けられた遊技球を案内する傾斜部79が、スペーサ部材80を介して透明板47と接合されるので、移動路53が全体として堅固に固定されるようになり、移動路75にて遊技球を案内する際に生じ得る歪や損傷等を予防することができるようになる。
また、以上説明した第1及び第2の実施形態では、傾斜部79が、透明板52から透明板47に向かって下降するように傾斜してなるので、移動路53(第2の実施形態にあっては移動路75)を移動する際の遊技球は、透明板47に接するような状態を維持しながら移動することとなる。これにより、球流れルート21に導入された遊技球は、傾斜部79と透明板47との間の照射光49aの光路を有効に遮蔽し、センサ装置20は精度良く該遊技球を検出することができるようになる。
また、第1及び第2の実施形態では、スペーサ部材80が、センサ装置20からの光を垂直に通過させ得る外壁面80aを有するので、該スペーサ部材80が透過部材であることにより光を透過させるだけでなく、スペーサ部材80に入射及び出射する際の光の反射及び屈折を可及的に抑制し、センサ装置20からの照射光49aを有効に透過することにより、センサ装置20による遊技球の検出動作を精度良く行わせることができるようになる。
更に、第1及び第2の実施形態では、センサ装置20が、移動路53(第2の実施形態にあっては移動路75)を囲む矩形状の領域であって、該領域の各対向する二辺から発光素子49と受光素子51とをそれぞれで向かい合うように発光及び受光させることにより、照射光49aの光路を全体的に格子状に形成してなるので、センサ装置20が、例えば赤外線等の光を照射して該光が遮断された位置の座標値を検出するようなセンサであった場合に、センサ装置20が移動路53を囲む矩形状の領域内全体に照射光49aを照射できるようになり、移動路53を移動する遊技球を精度良く有効に検出することができるようになる。
なお、以上説明した第1及び第2の実施の形態において、スペーサ部材80は直方体形状であるとして説明を行ったが、円及び楕円を底面とした円柱のような形状であってもよい。但し、この場合には、発光素子49からの光が、各スペーサ部材80における中心軸を通過するように透明板52上に配設するようにするとよい。