JP2007089062A - 音響システム - Google Patents

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Abstract

【課題】予め聴取者とスピーカとの距離を測定した結果を音場形成に利用する音響システムにおいて、その測定を誤った場合に、測定の誤りを検知し修正することにより、妥当でない音場を形成してしまうことを事前に防止する音響システムを提供する。
【解決手段】
スピーカアレイ20と、音響システム本体へ所定の信号を送信するリモコン10とを備える。前記音声出力手段は、テスト音を発生させるテスト音発生機能を有している。前記リモコンは、そのテスト音の発生を検知するマイク12を設ける。リモコン内には、テスト音の発生を前記音響システム本体に送信する赤外線信号機能を有している。前記テスト音発生機能によりテスト音を発した時刻と、前記赤外線信号手段が前記テスト音を受信した時刻との差から、2つのスピーカからリモコンまでの距離を計算し、その距離X1、X2が予め定めた条件を満たさない場合は、上記テスト音の発生を再試行する。
【選択図】図1

Description

聴取者の位置を測定し、これを基にして音場形成を図る音響システムに関する。
従来、聴取者の位置を測定し、これを基にして音場形成を図る音響システムが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1では、左右のスピーカからリモコンへ到達する伝搬時間差と前記各トーン信号がリモコン4へ到達したときの音量差を測定するために、所定の測定手段をリモコンに設け、測定された伝搬時間差と音量差に基づいて、音場再生機器1から左右スピーカに供給される再生信号の遅延と音量調整が行われることが開示されている。
この距離の測定によって、聴取者の位置を正しく計測できるから、音量バランスや適切なモデル頭部伝達関数(スピーカから耳までの空間伝搬特性を模擬した伝達関数)を選択でき、またスピーカアレイを用いて聴取位置に指向性制御できるので、自由自在な音場形成が可能となる。
特開2004−356958号公報
しかしながら、特許文献1等に開示されている音響システムにおいて、テスト音をスピーカから出力して、スピーカから聴取者までの距離測定する際に、周囲の雑音に敏感であるという問題があった。このような測定は、スピーカから所定の音を発して、手元にあるマイクで音声を収音して、その音の遅延を計測することにより、聴取者までの距離を測定するものである。したがって、スピーカから所定の音を発した際に周囲のノイズがあれば、距離測定を誤ってしまい、不適切な音場形成を行ってしまうことがありうる。従来、このような測定の誤りは、たとえ、テスト音を相当量の大きな音量で鳴らしても、生じる恐れがあった。係る距離測定を誤ってしまった場合、音響システムの再生が開始され、聴取者が異常に気付いてはじめて距離測定が誤っていることが分かるという問題があった。
そこで、本発明は、予め聴取者とスピーカとの距離を測定した結果を音場形成に利用する音響システムにおいて、その測定を誤った場合に、測定の誤りを検知し修正することにより、妥当でない音場を形成してしまうことを事前に防止する音響システムの提供を目的とする。
本発明は、上述の課題を解決するための手段を以下のように構成している。
(1)本発明は、
複数のスピーカと、
前記複数のスピーカのそれぞれに順次テスト信号を入力して、テスト音を発生させるテスト音発生部と、
利用者が操作するリモコン装置であって、前記テスト音を受信する受信手段と、受信したとき受信確認信号を赤外線信号で返信する機能と、を備えたリモコン装置と、
前記リモコン装置の前記赤外線信号を受信するリモコン受信部と、
前記テスト音を発生させた後、前記リモコン受信部が受信確認信号を受信するまでの伝達時間を計測する計測手段と、
各スピーカから前記リモコン装置までの伝搬時間に基づいて前記リモコン装置の位置を算出する位置算出手段と、
を備えた音響システムであって、
前記位置算出手段は、前記各スピーカから前記リモコン装置までの伝搬時間が数学的に1つの位置を割り出す条件を満たさないとき、上記テスト音の発生を再試行することを特徴とする。
このように構成すれば、前記テスト音発生手段、計測手段によって計測した伝搬時間に音速を乗ずることで、前記位置算出手段が前記スピーカとリモコンとの距離を測定できる。その際、その測定した距離が所定の数学的条件を満たさない場合、前記位置検出手段は、前記測定した伝搬時間が適正でないと判断することができる。その場合は、前記位置算出手段は、上記テスト音の発生を再試行することになる。したがって、本発明の音響システムでは、誤った距離測定に基づいて、妥当でない音場を形成してしまうことを事前に防止することができる。
なお、「数学的に1つの位置を割り出す条件」、即ち、係る距離測定が適正であるかの条件は、例えば、後述(2)の構成のように、スピーカとリモコンとの間の距離についての条件である聴取者と2つのスピーカで形成される三角形が成立するための条件とすることができる。
(2)本発明は、
前記位置算出手段の前記数学的に1つの位置を割り出す条件は、
前記スピーカのうち前記リモコン装置の位置を算出した前記距離X1、X2との差の絶対値が、前記2つのスピーカの間隔X0と予め定めた距離αとの和である距離(X0+α)より小さいという第1の条件、
前記距離X1、X2の和が、前記2つのスピーカの間隔X0と予め定めた距離βとの和である距離(X0+β)より大きいという第2の条件、
あるいは、前記第1の条件、前記第2の条件を前記伝播時間の条件にそれぞれ置き換えた第3の条件、第4の条件のうち、少なくとも1以上であることを特徴とする。
前記第1の条件、第2の条件は、聴取者と2つのスピーカで形成される三角形が成立するための条件を表している。また、第3の条件、第4の条件は、第1の条件、第2の条件において、それぞれの比較対象を、音速Vで除算したものに相当し、第1の条件、第2の条件と同等の条件を表している。このような第1〜第4の条件のいずれかを用いれば、前記計測手段が測定した距離が適正でない場合に、簡易に適正でないことが判断できる。そして、前記測定した距離が適正でない値となった場合には、測定をやり直すことにより、妥当でない音場を形成してしまうことを事前に防止することができる。
本発明によれば、計算により求めたスピーカから聴取者までの間の音声の伝搬時間が適正でない旨を判断することが可能となる。したがって、本発明の音響システムでは妥当でない音場を形成してしまうことを事前に防止することができる。
図1、図2を用いて、本実施形態の音響システムの構成について説明する。図1は、本実施形態の音響システムの概要を表した概念図である。また、図2は、本実施形態の音響システムの内部構成図である。本実施形態の音響システムは、図1に示すように、リモコン10と、複数のスピーカSP1〜SP5を直線的に配列したスピーカアレイ20とを含んでいる。
まずリモコン10の構成について説明する。このリモコン10は、ソースの選択や音量の調整等をスピーカアレイ20に指示する赤外線リモコンであり、この通常の機能に加えて、さらに以下の構成および機能を備えている。図1に示すように、リモコン10の上面には、通常機能用の操作子(図1では図示省略。図2参照。)に加えて、位置検出開始ボタン101を有している。また、リモコン10の前面にはマイク12と、赤外線発光部13とを備えている。また、図2に示すように、リモコン10の内部には、複数の操作子101〜1xx(xxは整数)の入力を受け付け、その入力に対応する信号を生成し、赤外線発光部13に送るリモコン制御回路11と、リモコン制御回路11の生成した信号に基づいて赤外線を生成する赤外線発光部13とを含んでいる。そして、同じく図2に示すように、マイク12と波形判定回路14とを備えている。以下それぞれの構成を説明する。
マイク12は、スピーカアレイ20から出力されたテスト音(詳細は後述する。)を電気信号に変換するマイクであり、リモコン10に搭載できる小型のものである。
波形判定回路14は、このテスト音の周波数のみを通過させるフィルタと、通過した信号をDC検波してエンベロープを検出する検出回路と、エンベロープをI/Oの信号に量子化する量子化回路を備える。検出回路には、このテスト音の周波数のみが入力されテスト音が入力されたことを検出する。量子化回路は、テスト音が入力された旨の信号を1、0で伝達する。
操作子102〜1xxは、位置検出開始ボタン101を含む操作ボタンであり、リモコン制御回路11に指示を送る。
リモコン制御回路11は、操作子102〜1xxの指示に従い、システムコントローラ22に伝達するための赤外線信号のパターンを生成する。
赤外線発光部13は、例えば、発光ダイオード等で構成する。リモコン制御回路11の制御電流が入力され、各種の信号を赤外線として発光することにより送信する。
次に、スピーカアレイ20の構成について説明する。図1に示すように、スピーカアレイ20の前面には、5つのスピーカSP1〜SP5と、リモコン10付属の赤外線発光部13から発せられた赤外線を受光する赤外線受光部21(詳細は後述する。)を備えている。また、図2に示すように、スピーカアレイ20の内部には、入力インターフェース24からの入力をスピーカSP1〜SP5に出力する回路部を含んでいる。即ち、オーディオ入力制御部25と、音場形成を行うイコライザ回路26と、スピーカ制御回路23と、スピーカ制御回路23で生成した信号を増幅してスピーカSP1〜SP5それぞれに出力するアンプA1〜A5を備えている。また、前述の赤外線受光部21の入力を受けて、スピーカアレイ20の動作全体を制御するシステムコントローラ22を備えている。以下、それぞれその構成について説明する。
図1に示すスピーカSP1〜SP5は、ダイナミックスピーカ等で構成でき、スピーカアレイ20として、音響システム1にアレイ状に固定する。
赤外線受光部21は、赤外線受光素子、例えば、フォトダイオード等で構成する。
図2のオーディオ入力制御部25は、各種の音声入力系統を選択するセレクタ等を含む。
イコライザ回路26は、FIRフィルタの畳み込み演算等を行い、オーディオ入力制御部25から得た音声入力の音場を調整する。
図2のスピーカ制御回路23は、リングバッファ用メモリとこの読み出しの制御を行なうICと、このICの制御パラメータを格納するバッファ等で構成でき、それぞれのスピーカSP1〜SP5の入力タイミング(ディレイ)調整や音量調整等を行う。また、D/Aコンバータを含んでおり、スピーカ制御回路23内部で加工したディジタル音声信号をアナログ信号に変換する。
図2のアンプA1〜A5は、FETの増幅段等を備え、オーディオ入力制御部25で得られたアナログ信号を増幅する。または、オーディオ入力制御部25がディジタル信号を出力し、それをして、D/A変換器に変換する前にディジタル振幅を増幅して、その後高周波を取り除くことによりアナログ信号を得る、いわゆるディジタルアンプで構成しても良い。
以上、図1、図2で説明した構成のうち、スピーカSP1〜SP5のうち少なくとも2以上の独立の音声信号系統を備えるようにする。後述するように、本実施形態の装置では、互いに間隔が離れたSP1〜SP5のうちの2つから音声を出力して、リモコン10とスピーカアレイ20との位置関係を測定するからである。本実施形態の装置では、信号処理スピーカ制御回路23内の信号処理系等、D/A変換器と、アンプA1〜A5、それぞれ独立して音声を出力できるようにする。
システムコントローラ22は、オーディオ入力制御部25とスピーカ制御回路23を制御する。即ち、システムコントローラ22は、リモコン10の操作子101〜1xxの操作に基づいて、赤外線受光部21を介して指示を受付けて、前述の各部を制御する。例えば、後述図3、図4で示すフローの動作を行なう。
なお、本実施形態のシステムは、スピーカアレイ20にスピーカSP1〜SP5を設けているが、スピーカの数は5つに限られない。また、スピーカアレイでなくとも、2つ以上独立に出力できるスピーカシステムであれば本発明を適用可能である。また、赤外線受光部21は、スピーカアレイ20に設置しているが、システムコントローラ22に指示を伝達できるのであれば、設置場所は自由に決めることができる。
また、図1で示したスピーカアレイ20には、スピーカSP1〜SP5が入っている必要があるが、図2で示した内部構成のすべてが入っている必要はなく、別筐体で構成しても良い。
次に、同じく図1、図2を用いて、本実施形態の音響システム1の機能について説明する。この音響システム1は、システムコントローラ22の制御により、入力インターフェース24から得た音声入力をイコライザ回路26でイコライズして、スピーカ制御回路23でスピーカ間のタイミング、音量等を調整し、アンプA1〜A5を介して、スピーカSP1〜SP5に出力して音声を発生させる。このとき、タイミングやイコライズによって、聴取者に対して様々な音場感を与えることができる。本実施形態の音響システム1は、このような基本的機能に加えて、聴取者が手に持っているリモコンの位置を検出し、この位置情報を基に聴取者の位置、即ちリスニングポイントを推定し、このリスニングポイントでバランスする音場情報を与えて音場形成を行う機能を備えている。ここで、この音場形成を行う機能は、種々提案されている。そこで、以下、当該機能のうち、このリモコンの位置の検出手段について詳しく説明する。
図1に示すリモコン10の位置検出開始ボタン101が押下げられると、図2に示すリモコン制御回路11は、赤外線発光部13が位置検出開始ボタン101が押し下げられた旨を伝達するための特定のパターンで、赤外線を発光するよう指示を送る。赤外線発光部13が赤外線を発光させると、赤外線受光部21は、位置検出開始ボタン101が押し下げられた旨の信号を受光し、この信号がシステムコントローラ22に伝達される。そうすると、図2のシステムコントローラ22は、スピーカ制御回路23にアンプA1を介してスピーカSP1に、予め設定した周波数の位置検出パルス音(以下、「テスト音」という。)を出力するよう制御する。スピーカSP1からテスト音が発せられると、リモコン10に内蔵したマイク12は、このテスト音を音声信号に変換して、波形判定回路14に出力する。波形判定回路14はこのテスト音の音声信号から特定の周波数の信号を抽出し、テスト音が伝達された旨の信号をリモコン制御回路11に伝達する。そして、リモコン制御回路11は、波形判定回路14の量子化回路からテスト音を意味する”1”が検出されたとき、検知信号を赤外線発光部13に出力する。赤外線発光部13は、この検知信号を赤外線発光部13から赤外線信号として発信する。この赤外線信号は、スピーカアレイ20の赤外線受光部21に受光され、システムコントローラ22に伝達される。システムコントローラ22は、前述のテスト音の出力を指示してから、リモコン10がテスト音を受信して、赤外線受光部21を介して検知信号がシステムコントローラ22に伝達されるまでの時間T1[s]を計測する。この計測は、パルス音の出力を指示したときにスタートさせたタイマに基づいて行う。
そして、この計測が終わると、システムコントローラ22は、スピーカ制御回路23にアンプA5を介してスピーカSP5にテスト音を出力するよう制御する。スピーカSP1からのテスト音を発した場合と同様、システムコントローラ22は、前述のテスト音の出力を指示してから、リモコン10がテスト音を受信して、赤外線受光部21を介して検知信号がシステムコントローラ22に伝達されるまでの時間T2[s]を計測する。この計測は、パルス音の出力を指示したときにスタートさせたタイマに基づいて行う。
これらT1、T2[s]それぞれから、システムコントローラ22は、前述の位置検出パルス音の出力を指示してからスピーカアレイ20に出力されるまでの遅延時間と、リモコン10で生ずる遅延時間、赤外線受光部21からシステムコントローラ22に伝達されるまでの遅延時間を差し引くと、スピーカアレイ20からリモコン10に到達するまでの時間t1、t2を計測できる(ただし、赤外線発光部13から赤外線受光部21までの伝搬時間は伝搬速度が光速だから、伝搬時間のオーダが音速に対して相対的に極めて小さいので無視する。)。この時間t1、t2[s]に音速V[m/s]を積算したものは、スピーカSP1、SP5からの距離X1、X2となる。したがって、スピーカSP1、SP5に対する聴取者の位置をスピーカSP1、SP5からリモコンまでの距離X1、X2により求めることが可能となる。
しかしながら、現実には、リモコン10のマイク12が、周囲から収音したノイズの中には、テスト音と同じ周波数の音が含まれる場合がある。そうするとシステムコントローラ22は、このノイズに反応してしまい、誤った時間t1、t2の測定を行って、誤ったリモコン位置(即ち聴取位置)を算出してしまう可能性がある。そのため本実施形態のシステムでは、この測定した結果が適切かを判断することにより、誤った聴取位置を基準として音場形成することを防ぐ機能を備えている。この機能は、予め定めた距離α、βを用いて、以下の条件式を満たすか否かで測定が誤ったことを判断する。
|X1−X2|<X0+α(不等式1)
X1+X2>X0+β(不等式2)
この条件は、図1に示すスピーカSP1、SP5の間隔X0と、距離X1、X2で形成される三角形が成立するための条件を利用するものであって、係る条件を満たしていない場合には、X1、X2が妥当でないことになる。
ここで、α、βは、理想条件であれば必要がなく、α=0、β=0に設定すればよいが、CPUのトリガータイミングや音響条件によっては、正確な距離測定が困難なためそのマージンとして必要になる定数である。
この不等式1,2の両辺を計算しても良いが、実際には、この条件式をt1、t2の条件式に変換して求める方が計算上効率が良い。なぜなら、音速V[m/s]を乗じて距離を計算するまでもなく、測定した結果が適切かを判断することができるからである。そこで、先ほどの条件式は、前述の音速V[m/s]を用いて、以下のとおりt1、t2の式に変換できる。
|t1−t2|<(X0+α)/V(不等式3)
t1+t2>(X0+β)/V(不等式4)
本実施形態のシステムでは、スピーカアレイ20の間隔は固定であるから、(X0+α)/V、(X0+β)/Vは、固定値となる。この固定値を予め記憶しておけば、距離X1、X2を求めるまでもなく、t1、t2を用いて妥当かどうか判断できる。なぜなら、X0は固定である場合が多いからである。即ち、聴取者の位置が変動しうるに対し、スピーカ間の距離は頻繁に移動するものはない場合が多いから、X0+α、X0+βは固定値となるからである。この条件式を用いれば、システムコントローラ22が誤ったリモコン位置(即ち聴取位置)を算出したか否かを簡易に判断できる。
次に、図3を用いて、以上で説明した本実施形態のシステムにおける距離測定の処理のフローを、図2を参照しつつ説明する。図3は、当該距離測定の処理のフローを表す図である。図3のフロー図は、図1の位置検出開始ボタン101が押され、図2のシステムコントローラ22に指示がなされたことを前提としており、制御主体はシステムコントローラ22である。
図3のS1において、スピーカ制御回路23に対し、SP1からテスト音を出力するよう制御する。スピーカ制御回路23は、図外のメモリからテスト音のディジタルデータを読み出して、スピーカ制御回路23内の図示しないD/A変換器でアナログ信号に変換して、アンプA1を介してスピーカSP1からテスト音を出力する。
図3のS2において、リモコン10に内蔵しているマイク12は、S1で出力したテスト音を受音して音声信号に変換し、その音声信号は、波形判定回路14でテスト音が入力されたかどうか判定され、その中の量子化回路は、テスト音が入力された旨の信号を通してリモコン制御回路11に送られる。リモコン制御回路11は、テスト音を受音したことを判断して、その旨の赤外線信号を赤外線発光部13から発信する。そして、赤外線受光部21は、リモコン10がテスト音を受信した旨の赤外線信号をシステムコントローラ22に伝達する。
図3のS3において、スピーカSP1からテスト音が出力されてから、マイク12に到達するまでの時間t1を計算する。その方法は、以下のとおりである。即ち、システムコントローラ22は、前述のテスト音の出力を指示してから、リモコン10から赤外線信号受信して、赤外線受光部21を介して検知信号がシステムコントローラ22に伝達されるまでの時間(図2の説明で前述。)を計算する。そして、図2の説明で前述したように、時間差T1から、システムコントローラ22からスピーカSP1に出力されるまでの遅延時間と、マイク12から赤外線発光部13に出力され、赤外線受光部21からシステムコントローラ22に伝達されるまでの遅延時間を予め計算しておいて、T1からこれらの遅延時間を差し引いた時間t1を計算する。また、後述するS4でSP5から、新たなテスト音を出す前に、SP1から出力していたテスト音の出力を停止する。
図3のS4〜S6は、S1〜S3に対応しており、S4〜S6のステップは、S1〜S3のステップを、SP1→SP5、T1→T2、t1→t2として、適応できる。そこで、図3のS4〜S6の説明は省略する。
図3のS7において、t1、t2が、上述した以下の式を満たしているか判断する。
|t1−t2|<(X0+α)/V(不等式3)
t1+t2>(X0+β)/V(不等式4)
即ち、この不等式の両辺を計算する。
図3のS8において、S7の不等式を満たしている場合には、YとなりS9へ移動する。満たしていない場合には、後述する図4のフローへ移動する。
図3のS9において、t1、t2にそれぞれ音速Vを乗算して、スピーカSP1、SP5からリモコン10、即ち聴取者の位置までの距離X1、X2(図1に図示。)を測定する。その後、図3のフローは終了する。
図3のフローをまとめると、以下のとおりとなる。即ち、SP1からテスト音を出力してからリモコン10のマイク12に到達するまでの時間t1を測定する(S1〜S3)。同様に、SP5でテスト音を出力してから、リモコン10のマイク12に到達するまでの時間t2を測定する(S4〜S6)。S7で、t1、t2を用いて前述S7で説明した条件式を満たしているか判断する。S7の条件式を満たしていれば(S8のY)、S9でX1、X2を計算する。また、S7の条件式を満たしていなければ(S8のN)、後述する図4のフローを実行する。
図3のフローがS9のステップの後に正常終了した場合には、図3のS9で計算したX1、X2を基に、スピーカSP1〜SP5とリモコン10の位置、即ち聴取者の位置関係を計算して、これを基に、システムコントローラ22は、その計算したリモコン位置(即ち、聴取位置)で効果を発揮する音場環境を作出するよう、スピーカ制御回路23に指示する。これを受けて、スピーカ制御回路23は、与えられたX1、X2の情報から、適切な音場環境を作出する周波数イコライザのパラメータ、または指向性制御のための遅延パラメータを決定する。スピーカ制御回路23内のメモリ(図示省略。)には、係るパラメータに対応する音場作成用周波数ゲインのデータテーブル、例えばモデル頭部伝達関数のデータが保存されており、メモリからこの周波数ゲインを読み出して、イコライザ回路26に設定する。
なお、図1のSP1〜SP5は、それぞれ本発明の「複数のスピーカ」のいずれかに相当する。図1のSP1、SP5は、本発明で「テスト音を発生させる」のに用いるスピーカに相当する。また、本発明で「テスト音を発生させる」のに用いるのに用いるスピーカは、SP1、SP5の組み合わせでなくとも、他の組み合わせでも良い。また、図3のフロー図では、SP1を用いてS1〜S3を、SP5を用いるS4〜S6より先に行なっているが、順序が逆でもよい。さらに、可能であれば、図3で示した順序は異なっていても良い。
また、前述の不等式1を満たさないことは、本発明の「第1の条件」を満たさないことに相当する。不等式2〜4と、本発明の「第2の条件」〜「第4の条件」との関係も同様である。
また、図3のS7において、前述した第1の条件、第2の条件を、このS7で用いた第3の条件、第4の条件の代わりに用いても良い。
さらに、図3の処理は、例えば、ディスク装置の起動をリモコン10の操作子1xxにより指示した時に、同時に行っても良い。そうすれば、図3の距離測定は、1秒程度で終了する一方、ディスク装置の起動には、ディスク選別、チルト設定等で数秒かかるから、互いに時間を重ねることができる。
次に、図4を用いて、図3の計測結果が妥当でない場合の処理について説明する。図4は、当該妥当でない場合の処理を表すフロー図であり、図3のS8において、Nとなった場合の処理を行う。なお、この処理の制御主体は、システムコントローラ22である。
図4のS11において、図3のS7、S8で判断した結果、距離測定が妥当でないと判断した回数、即ち測定に失敗した回数をカウントする。
図4のS12において、S11でカウントした回数が所定の回数Nに到達しているか判断する。到達している場合には、Yとなり、S13へ移動する。S11でカウントした回数が所定の回数Nに到達していない場合にはNとなり、S15へ移動し、距離測定をやり直す旨のエラーを検出する。図4のS15において、図3の計測結果が妥当でない場合に所定の方法で、距離測定をやり直す旨の警告を発生させる。例えば警告音を出したり、スピーカアレイ20の図示しない表示器に警告表示を行う。その後、図3のS1に戻って、距離測定をやり直す(S16)。
図4のS13への分岐は、予め定めた所定の回数(N回)、図3の測定を行っても、なお測定データが妥当でない場合に生じる。そこで、予め定めた所定の(N回)で打ち切るため、図4のS13では、測定不能である旨の告知を行う。例えば警告音を出したり、スピーカアレイ20の図示しない表示器に警告表示を行う。なお、S11の警告を省略して、S13とまとめて別の警告を行っても良い。
図4のS14において、リモコンの位置を、スピーカアレイ20の中央の位置から見て前方の所定の距離離れたデフォルト位置にあると推定して、その位置で効果を発揮するようにスピーカ制御回路23は、イコライザ回路26を設定する。その後、図4のフローは終了する。
本実施形態の音響システムの概要を表した概念図である。 本実施形態の音響システムの内部構成図である。 本実施形態の音響システムにおける距離測定の処理のフローを表す図である。 本実施形態の音響システムにおける距離測定の処理が不適切であった場合のフローを表す図である。
符号の説明
1−音響システム
10−リモコン
11−リモコン制御回路
12−マイク
13−赤外線発光部
14−波形判定回路
101−位置検出開始ボタン
102〜1xx−操作子
20−スピーカアレイ
21−赤外線受光部
22−システムコントローラ
23−スピーカ制御回路
24−入力インターフェース
25−オーディオ入力制御部
26−イコライザ回路
SP1〜SP5−スピーカ
A1〜A5−アンプ
X0−間隔
X1、X2−距離

Claims (2)

  1. 複数のスピーカと、
    前記複数のスピーカのそれぞれに順次テスト信号を入力して、テスト音を発生させるテスト音発生部と、
    利用者が操作するリモコン装置であって、前記テスト音を受信する受信手段と、受信したとき受信確認信号を赤外線信号で返信する機能と、を備えたリモコン装置と、
    前記リモコン装置の前記赤外線信号を受信するリモコン受信部と、
    前記テスト音を発生させた後、前記リモコン受信部が受信確認信号を受信するまでの伝達時間を計測する計測手段と、
    各スピーカから前記リモコン装置までの伝搬時間に基づいて前記リモコン装置の位置を算出する位置算出手段と、
    を備えた音響システムであって、
    前記位置算出手段は、前記各スピーカから前記リモコン装置までの伝搬時間が数学的に1つの位置を割り出す条件を満たさないとき、上記テスト音の発生を再試行する音響システム。
  2. 前記位置算出手段の前記数学的に1つの位置を割り出す条件は、
    前記スピーカのうち前記リモコン装置の位置を算出した前記距離X1、X2との差の絶対値が、前記2つのスピーカの間隔X0と予め定めた距離αとの和である距離(X0+α)より小さいという第1の条件、
    前記距離X1、X2の和が、前記2つのスピーカの間隔X0と予め定めた距離βとの和である距離(X0+β)より大きいという第2の条件、
    あるいは、前記第1の条件、前記第2の条件を前記伝播時間の条件にそれぞれ置き換えた第3の条件、第4の条件のうち、少なくとも1以上である請求項1に記載の音響システム。
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