JP2008042656A - 聴取位置特定システム及び聴取位置特定方法 - Google Patents

聴取位置特定システム及び聴取位置特定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ユーザに不快感を与えることがなく、周囲の環境音に応じて音量レベルを調整した測定用音声を放音させることができる聴取位置特定方法及び聴取位置特定システムを提供する。
【解決手段】オーディオシステム1では、聴取位置を特定するための測定用音声をスピーカアレイ装置3のスピーカユニットSP1,SPnから放音する前に、聴取位置に設置したリモコン装置5のマイクロフォンMIC31で周囲の暗騒音を収音してその音量レベルを測定し、暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定する。そして、2つのスピーカユニットSP1,SPnから放音した測定用音声をマイクロフォンMIC31で収音して、2つのスピーカSP1,SPnから放音された測定用音声をマイクロフォンMIC31が収音するまでの到達時間に基づいて聴取位置を算出する。
【選択図】図1

Description

この発明は、スピーカユニットから放音された測定用音声をマイクロフォンで収音し、この測定用音声の到達時間を用いて聴取者の聴取位置の測定を行う聴取位置特定システム及び聴取位置特定方法に関する。
従来、マルチチャンネル音声を出力するオーディオ装置(マルチチャンネルオーディオシステム)やスピーカアレイ装置等、複数のスピーカユニットから聴取者の聴取位置に応じた音量や遅延時間で音声を出力するものが知られている。例えば、マルチチャンネルオーディオシステムの場合には、聴取者の周囲に複数のスピーカユニットを配置して、各スピーカユニットから放音する音声の音量レベルや遅延時間を調整することで、聴取者の周囲に音場を形成する。また、スピーカアレイ装置の場合には、パネル板にマトリックス状に配置された複数のスピーカユニットの各スピーカユニットから音声を出力するタイミングや音量レベルを調整して複数の音声ビームを形成し、部屋の壁等に反射させた音声ビームや直接放音した音声ビームにより、聴取者の周囲に音場を形成する。これらの装置では、特定のチャンネルだけが突出せずに、聴取位置において聴取者が音場に包まれていると感じるように、各チャンネルのオーディオ信号の音量レベルや出力タイミング(遅延時間)がバランス良く調整される。
オーディオ装置やスピーカアレイ装置では、上記のように音量レベルや出力タイミングを調整するためには、聴取位置を予め取得しておく必要がある。そこで、従来、聴取者の聴取位置を自動的に検出する音質調整装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平4−370000号公報
特許文献1に記載の音質調整装置は、Lチャンネル用及びRチャンネル用の2つのスピーカユニットとマイクロフォンを備えている。聴取位置の測定の際には、マイクロフォンを予め聴取位置に配置して、測定用音声を2つのスピーカユニットから順番に放音させて、この測定用音声をマイクロフォンで収音させる。音質調整装置は、2つのスピーカユニットの各々からマイクロフォンに測定用音声が到達するまでの時間を測定し、この測定時間に基づいてスピーカユニットからマイクロフォン(聴取位置)までの距離を算出する。
上記従来の音質調整装置では、ある程度の騒音下でも確実に聴取位置を検出できるようにするために、測定用音声の音量レベルを常に高レベルに設定していた。しかしながら、このように測定用音声の音量レベルを高レベルに設定すると、暗騒音レベルの低い環境や残響レベルの高い環境で測定を行った場合には、測定用音声が必要以上に高い音量レベルとなるため、聴取者に不快感を与えてしまうという問題があった。
そこで、この発明は、ユーザに不快感を与えることがなく、周囲の環境音に応じて音量レベルを調整した測定用音声を放音させることができる聴取位置特定システム及び聴取位置特定方法を提供することを目的とする。
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
(1)複数のスピーカユニットから放音される音声を聴取する聴取位置に設置され、測定用音声を収音するマイクロフォンと、前記マイクロフォンが前記測定用音声を収音したときに検出通知信号を送信する第1通信部と、を備えた測定端末装置と、
複数のスピーカユニットと、前記複数のスピーカユニットのうち少なくとも2つのスピーカユニットからそれぞれ測定用音声を順に放音させる制御部と、前記検出通知信号を受信する第2通信部と、前記各スピーカユニットから測定用音声を放音させてから前記第2通信部が検出通知信号を受信するまでの到達時間に基づいて前記聴取位置を算出する演算部と、を備えた音声出力装置と、を含む聴取位置特定システムにおいて、
前記測定端末装置は、前記マイクロフォンで収音した暗騒音の音量レベルを検出する信号レベル検出部を備え、
前記第1通信部は、前記信号レベル検出部で検出した暗騒音の音量レベルを出力し、
前記制御部は、前記暗騒音の音量レベルに基づいて前記測定用音声の音量レベルを設定することを特徴とする。
この構成においては、聴取位置を特定するための測定用音声を放音する前に、聴取位置に設置したマイクロフォンで周囲の暗騒音を収音してその音量レベルを測定し、暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定し、2つのスピーカユニットから測定用音声を順に放音して、検出通知信号を受信するまでの到達時間に基づいて聴取位置を算出する。したがって、暗騒音に紛れることなくマイクロフォンで確実に収音でき、かつ、聴取者に不快感を与えることのない低い音量レベルに設定することで、聴取位置の周囲の環境音に合わせた適切な音量レベルの測定用音声により、聴取位置を特定することが可能となる。
(2)前記音声出力装置は、前記到達時間及び一定時間を計時する計時部を備え、
前記制御部は、前記計時部が一定時間を計時しても、前記第2通信部が前記検出通知信号を受信しない場合には、前記測定用音声の音量レベルを一定量大きくして前記2つのスピーカユニットから放音させることを特徴とする。
聴取位置が想定外の位置であったり想定外の環境下であったりすると、周囲の暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定しているにもかかわらず、測定用音声が暗騒音に紛れてマイクロフォンで収音できずに、エラーとなる。この構成においては、一定時間が経過しても、前記第2通信部が前記検出通知信号を受信しない場合には、測定用音声を収音できていないので、測定用音声が収音できるまで、一定時間毎に測定用音声の音量レベルを一定量ずつ大きくして測定用音声の収音を繰り返す。したがって、予め測定用音声を大きな音量レベルに設定するのではなく、測定用音声の音量レベルを徐々に大きくして、マイクロフォンで収音できる音量レベルに設定するので、聴取者に不快感を与えることなく測定用音声の音量レベルを設定できる。
(3)前記制御部は、前記測定用音声の音量レベルを大きくしてから第1時間が経過すると、前記測定用音声の音量レベルを初期値に戻すことを特徴とする。
この構成においては、レベル変更手順が第1時間以上実行されないと、前記測定用音声の音量レベルを初期値に戻す。したがって、聴取位置を特定してからしばらくして聴取者が移動して聴取位置が変わっていたり周囲の暗騒音レベルが変わっていたりしても、第1時間が経過すると測定用音声の音量レベルが初期値に戻されるので、測定用音声の音量レベルが小さくなり、視聴者に不快感を与えることがない。
(4)前記制御部は、前記暗騒音の音量レベルに基づいて前記測定用音声の検出閾値を設定することを特徴とする。
聴取位置特定システムでは、暗騒音の音量レベルに基づいて前記測定用音声の音量レベルを設定するが、測定用音声の検出閾値が一定値であると、測定用音声を検出できない場合が有り得る。この構成においては、制御部は、測定用音声を検出するための検出閾値を、暗騒音の音量レベルに基づいて設定する。したがって、暗騒音の音量レベルに応じて測定用音声検出用の検出閾値を変更することで、暗騒音の音量レベルにかかわらず確実に測定用音声を検出できる。
(5)前記音声出力装置を設置する室内空間において予め測定した残響レベルを記憶する記憶部を備え、
前記制御部は、前記記憶部が記憶する残響レベルに基づいて、前記各測定用音声の放音時間を設定することを特徴とする。
人間の聴感は、音のレベルだけでなく、その継続時間により積分して全体の音量レベルを認知するので、音声の音量レベルが同じでも、室内空間の残響レベルが高く残響時間が長いほど音声の音量レベルを高いと感じる。この構成においては、音声出力装置を設置する室内空間の残響レベルに基づいて、音声出力装置の2つのスピーカユニットから順に放音させる各測定用音声の放音時間を設定する。したがって、音声出力装置を設置する室内空間の残響レベルが高いほど、音声出力装置の2つのスピーカユニットから順に放音させる各測定用音声の放音時間を短くすることで、聴取者が感じる音量レベルを抑えることができるので、聴取者に不快感を与えることなく、聴取位置を特定できる。
(6)前記制御部は、前記記憶部が記憶する残響レベルに基づいて、前記音声出力装置の2つのスピーカユニットから順に放音させる各測定用音声の放音間隔を設定することを特徴とする。
音声出力装置は2つのスピーカユニットから測定用音声を順に放音させるが、音声出力装置を設置する室内空間の残響レベルが高いほど、測定用音声の残響時間が長くなるので、2つの測定用音声を放音させる間隔が短いと、場合によっては2つの測定用音声がつながってしまい、測定用音声を誤検出して聴取位置の特定を誤ってしまう可能性がある。この構成においては、音声出力装置を設置する室内空間の残響レベルに基づいて、2つのスピーカユニットから放音させる各測定用音声の放音間隔を設定する。したがって、音声出力装置を設置する室内空間の残響レベルが高いほど、2つのスピーカユニットから放音させる各測定用音声の放音間隔時間を長くすることで、2つの測定用音声がつながるのを防止でき、かつ、2つの測定用音声を確実に収音できるので、聴取位置を確実に特定できる。
(7)複数のスピーカユニットから放音される音声を聴取する聴取位置に設置したマイクロフォンで暗騒音を収音して、この暗騒音の音量レベルを検出する手順、
前記暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定する手順、
前記複数のスピーカユニットのうち少なくとも2つのスピーカユニットから前記音量レベルの測定用音声をそれぞれ放音する放音手順、
前記マイクロフォンで各測定用音声を収音する収音手順、
各測定用音声を前記2つのスピーカユニットが放音してから前記マイクロフォンが収音するまでの両到達時間に基づいて聴取位置を算出する手順、
を備えたことを特徴とする。
この構成においては、聴取位置を算出するための測定用音声を放音する前に、聴取位置に設置したマイクロフォンで暗騒音を収音してその音量レベルを測定し、暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定する。そして、複数のスピーカユニットのうち少なくとも2つのスピーカユニットから放音した測定用音声をマイクロフォンで収音して、各スピーカユニットから放音された測定用音声をマイクロフォンが収音するまでの両到達時間に基づいて聴取位置を算出する。したがって、暗騒音に紛れることなくマイクロフォンで確実に収音でき、かつ、聴取者に不快感を与えることのない低い音量レベルに設定することで、聴取位置の周囲の環境音に合わせた適切な音量レベルの測定用音声により、聴取位置を特定することが可能となる。
本発明によれば、聴取位置を特定するための測定用音声を放音する前に、聴取位置に設置したマイクロフォンで暗騒音を収音してその音量レベルを測定し、この暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定する。そして、2つのスピーカユニットから放音した測定用音声をマイクロフォンで収音して、2つのスピーカユニットから放音された測定用音声をマイクロフォンが収音するまでの到達時間に基づいて聴取位置を算出する。これにより、測定用音声が暗騒音に紛れることなくマイクロフォンで確実に収音でき、かつ、測定用音声の音量レベルを聴取者に不快感を与えることのない低い音量レベルに設定することができ、聴取位置の周囲の環境音に合わせた適切な音量レベルの測定用音声により、聴取位置を特定することが可能となる。
図1は、オーディオシステムの概略構成を示すブロック図である。聴取位置特定システムであるオーディオシステム1は、スピーカアレイ装置3と、測定端末装置であるリモコン装置5から成る。
スピーカアレイ装置3は、入力部11、信号処理部(デコーダ)12、ビーム形成部13、n個のD/Aコンバータ15(15−1〜15−n)、n個のアンプ17(17−1〜17−n)、及びスピーカユニットSP1〜SPnから成るスピーカアレイ19を備えている。また、スピーカアレイ装置3は、IR信号受信部21、システム制御部23、操作部25、表示部27、及び記憶部29を備えている。また、システム制御部23は、測定用音声処理部231及び位置検出処理部233を備えている。また、位置検出処理部233は、計時部235、時間記憶部237、及び演算部239を備えている。
リモコン装置5は、マイクロフォンMIC31、アンプ33、A/Dコンバータ35、信号レベル検出部37、表示部39、操作部41、制御部43、IRコード送出部45を備えている。
スピーカアレイ装置3において、入力部11は、不図示の外部機器から出力されたサラウンド音声信号のインタフェース回路であり、外部入力端子111から入力されたサラウンド音声信号は、信号処理部12を経由してデコード及びポストプロセッシングを施されて、ビーム形成部13に出力される。
信号処理部(デコーダ)12は、測定用音声生成部121を備えており、システム制御部23からの制御信号に基づいて、測定用音声であるテスト音声信号を生成してビーム形成部13に出力する。
ビーム形成部13は、聴取者が聴取位置において最適にサラウンド音声を聴取できるように、入力部11から送られてきたサラウンド音声信号から音声ビームを生成して、各D/Aコンバータ15−1〜15−nに出力する。ビーム形成部13は、システム制御部23から出力されたディレイ制御値(聴取位置情報)に基づいて、各チャンネルの音声ビームを形成する。また、ビーム形成部13は、システム制御部23から測定用音声1・2を放音する制御信号を受け取った場合には、信号処理部12の測定用音声生成部121から出力されたテスト音声信号をD/Aコンバータ15−1またはD/Aコンバータ15−nに出力する。このテスト音声信号としては、例えば正弦波信号やインパルス信号等を用いると良い。
D/Aコンバータ15−1〜15−nは、ビーム形成部13から出力されたデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換して、各アンプ17−1〜17−nに出力する。
アンプ17−1〜17−nは、D/Aコンバータ15−1〜15−nから出力されたアナログ音声信号を増幅して、スピーカアレイ19の各スピーカユニットSP1〜SPnに出力する。
スピーカアレイ19は、アンプ17−1〜17−nで増幅されたサラウンド音声信号を音声に変換して放音する。
IR信号受信部21は、リモコン装置5から出力されたIR信号(赤外光信号)を受信すると、電気信号に変換してシステム制御部23に出力する。
システム制御部23は、スピーカアレイ装置3の入力を切り替えて測定用音声生成部121からのテスト音声データを、ビーム形成部13に出力させる。
また、このとき、測定用音声処理部231は、リモコン装置5が測定した周囲の暗騒音の音量レベル(IRコード)に基づいて、測定用音声1・2の音量レベルを測定用信号生成部121に設定する。
また、位置検出処理部233は、スピーカアレイ19のスピーカユニットSP1及びSPnから測定用音声1・2を放音させてから、リモコン装置5がこの測定用音声1・2を収音したことを伝えるために送出したIRコードを受信するまでの到達時間t1・t2を計時部235で計時し、時間記憶部237でこのt1・t2を記憶する。そして、演算部239でこの到達時間t1・t2に基づいてリモコン装置5の位置(聴取位置)を算出して、この聴取位置情報をビーム形成部13に出力する。
操作部25は、ユーザがスピーカアレイ装置3の動作を制御するための操作を行うためのものである。
表示部27は、スピーカアレイ装置3に設定されているモードやエラーなどのメッセージを表示する。
記憶部29は、システム制御部23で実行するプログラムや、プログラムを実行するための設定値等を記憶する。
リモコン装置5において、マイクロフォンMIC31は、指向性のマイクロフォンであり、周囲から伝搬する音声を収音して、音声信号をアンプ33に出力する。
アンプ33は、マイクロフォンMIC31が出力した音声信号を増幅して、A/Dコンバータ35に出力する。
A/Dコンバータ35は、アンプ33で増幅されたアナログ音声信号をデジタル音声信号に変換(サンプリング)して、信号レベル検出部37に出力する。
信号レベル検出部37は、A/Dコンバータ35から出力された音声信号のレベル(音量レベル)に応じた音量レベル信号を制御部43へ出力する。
表示部39は、実行中のモードやエラー等のメッセージを表示する。
操作部41は、聴取者の操作を受け付ける。
制御部43は、リモコン装置5の各部を制御する。
IRコード送出部45は、制御部43から出力された信号に応じた赤外光信号を出力する。
次に、オーディオシステム1において、聴取位置を特定する方法について説明する。特定の聴取者のみがスピーカアレイ装置3からの所望の音声(オーディオコンテンツ)を聴くためには、聴取者の聴取位置から各スピーカユニットSP1〜SPnまでの距離に基づいた各オーディオ信号への遅延時間がスピーカアレイ装置3に予め設定されなくてはならない。
スピーカアレイ装置3は、この遅延時間を設定するために、聴取位置から両端のスピーカユニットSP(SP1,SPn)までの距離を測定して聴取位置を検出する処理(位置検出処理)を実行する。そして、スピーカアレイ装置3は、この聴取位置に各スピーカユニットSP1〜SPnからの音声が同時に到達するような遅延時間を算出し、オーディオ信号に付与する遅延時間として設定する。
図2は、オーディオシステムが実行する位置検出処理を説明するための概念図である。オーディオシステム1において、位置検出処理を実行する際には、聴取者がスピーカアレイ装置3から放音された音声を聴取する位置(聴取位置)にリモコン装置5を予め配置しておく。このとき、リモコン装置5のマイクロフォンMIC31を、スピーカアレイ装置3のスピーカアレイ19の方向に向けて配置する。
スピーカアレイ装置3は、位置検出処理を開始すると、両端のスピーカユニットSP1,SPnから順番に測定用音声を出力する。リモコン装置5は、マイクロフォンMIC31から測定用音声を収音すると、その旨を通知する検出通知信号をスピーカアレイ装置3に送信する。
スピーカアレイ装置3は、スピーカユニットSP1が測定用音声を放音してからリモコン装置5が測定用音声を収音し、直ちに送信した検出通知信号を受信するまでの到達時間t1(第1到達時間)を計時する。また、スピーカユニットSPnが測定用音声を放音してから検出通知信号を受信するまでの到達時間t2(第2到達時間)を計時する。スピーカアレイ装置3は、この到達時間t1及び到達時間t2を用いて聴取位置を算出する。なお、リモコン装置5が測定用音声を収音してから、スピーカアレイ装置3が検出通知信号を受信するまでの時間は僅かであるため、無視するものとする。但し、無視できないほど時間を要するシステム遅延に関しては、この時間分の補正を行って到達時間t1,t2を求める。
また、この聴取位置の算出方法は、特許文献1などに記載されている周知の方法(三角測量法)を用いる。以下に、図2に基づいて聴取位置を算出する演算方法について説明する。
ここで、説明の便宜を図るために、スピーカユニットSPの配列方向をX軸、このX軸に直交し、かつ水平方向と平行な軸をY軸とする。X軸は、スピーカアレイ装置3に向かって右側、すなわちスピーカユニットSPn側を正の方向とする。Y軸は、スピーカユニットSPからの音声信号の出力方向、すなわちユーザ側を正の方向とする。X軸とY軸の交点、すなわちX軸とY軸の原点はスピーカユニットSP1〜SPnの中央とする。
到達時間t1と到達時間t2とが等しい場合には、リモコン装置5とスピーカユニットSP1の距離と、リモコン装置5とスピーカユニットSPnの距離とが等しいことを意味する。したがって、図2中のY軸上、すなわちスピーカアレイ装置3の中央正面(図2に示す真ん中のリモコン装置5の位置)にリモコン装置5が位置する。この場合、演算部239は、到達時間t1または到達時間t2と、音速cと、スピーカユニットSP1及びスピーカユニットSPnの距離(x1−x2)とから、下記式(1)によりリモコン装置5とスピーカアレイ装置3との距離yを算出する。なお、スピーカユニットSP1のX軸の座標をx1、スピーカユニットSPnのx軸上の座標をx2とする。
y=[(c・t1)−{(x2−x1)/2}]1/2
=[(c・t2)−{(x2−x1)/2}]1/2・・・式(1)
また、到達時間t1’が到達時間t2’よりも長い場合には、リモコン装置5とスピーカユニットSP1の距離が、リモコン装置5とスピーカユニットSPnの距離よりも長いことを意味する。したがって、リモコン装置5がスピーカアレイ装置3の中央よりもスピーカユニットSPn側、すなわち図2を正面視した際にリモコン装置5がY軸よりも右側(図2に示す右端のリモコン装置5の位置)に位置する。この場合には、演算部239は、リモコン装置5のX軸上の座標x’及びリモコン装置5とスピーカアレイ装置3との距離y’を、下記式(2),(3)により算出する。
x’=[(c・t1’)−(c・t2’)+(x2)−(x1)]/[2(x2−x1)]・・・式(2)
y’=[(c・t2’)−(x2−x’)]1/2
=[(c・t1’)−(x’−x1)]1/2・・・式(3)
また、到達時間t1”が到達時間t2”よりも短い場合には、リモコン装置5とスピーカユニットSP1の距離がリモコン装置5とスピーカユニットSPnの距離よりも短いことを意味する。したがって、リモコン装置5がスピーカアレイ装置3の中央よりもスピーカユニットSP1側、すなわち図2を正面視した際にリモコン装置5がY軸よりも左側(図2に示す左端のリモコン装置5の位置)に位置する。この場合には、演算部239は、リモコン装置5のX軸上の座標x”及びリモコン装置5とスピーカアレイ装置3との距離y”を、下記式(4)(5)により算出する。
x”=[(c・t1”)−(c・t2”)+(x2)−(x1)]/[2(x2−x1)]・・・式(4)
y”=[(c・t2”)−(x2−x”)]1/2
=[(c・t1”)−(x”−x1)]1/2・・・式(5)
次に、オーディオシステム1では、上記のように聴取位置を特定する際には、聴取位置検出処理を行う前に、まず周囲の暗騒音の音量レベルを測定し、この暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定して、測定用音声を放音する位置検出処理を行う。すなわち、リモコン装置5を設置した聴取位置の周囲の暗騒音が小さい場合には、スピーカアレイ装置3のスピーカユニットSP1,SPnから放音する測定用音声の音量も小さくして、暗騒音に紛れることなく測定用音声をマイクロフォンMIC31で収音できる音量レベルにする。また、リモコン装置5を設置した聴取位置の周囲の暗騒音が大きい場合には、スピーカアレイ装置3のスピーカユニットSP1,SPnから放音する測定用音声の音量も大きくして、暗騒音に紛れることなく測定用音声をマイクロフォンMIC31で収音できる音量レベルにする。このようにすることで、スピーカアレイ装置3から放音する測定用音声の音量レベルを、周囲の暗騒音の影響を受けずにマイクロフォンMIC31で収音(検出)でき、かつ、聴取者に不快感を与えることのない適切な音量レベルに設定することができる。
また、オーディオシステム1では、上記のように聴取位置を特定する際には、聴取位置検出処理を行う前に、周囲の暗騒音の音量レベルを測定して、この暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の検出閾値を決定(設定)してから、測定用音声を放音する位置検出処理を行う。すなわち、リモコン装置5を設置した聴取位置の周囲の暗騒音が小さい場合には、スピーカアレイ装置3のスピーカユニットSP1,SPnから放音する測定用音声の検出閾値も小さくして、暗騒音レベルに応じて測定用音声の音量が小さく設定された際に、測定用音声を確実に検出できる値に設定する。また、リモコン装置5を設置した聴取位置の周囲の暗騒音が大きい場合には、スピーカアレイ装置3のスピーカユニットSP1,SPnから放音する測定用音声の検出閾値も大きくして、暗騒音レベルに応じて測定用音声の音量が大きく設定された際に、測定用音声を確実に検出できる値に設定する。このようにすることで、暗騒音の音量レベルにかかわらず確実に測定用音声を検出できる。
リモコン装置5は、聴取者が操作部41を操作して聴取位置特定モードを設定したことを検出すると、マイクロフォンMIC31で周囲の暗騒音を収音する。そして、リモコン装置5は、信号レベル検出部37で、この暗騒音の音量レベルを検出し、この暗騒音の音量レベルに応じた信号(IRコード)をIRコード送出部45から出力する。
図3は、暗騒音のレベルとIRコードとの関係を示す表である。図3には、説明を簡略化するために、暗騒音の音量レベルを4段階に分類した例を示している。リモコン装置5は、暗騒音の音量レベルが小さい場合には、IRコードAを送出し、計測時の暗騒音の音量レベルが大きくなるにつれて、その音量レベルに応じて順に、IRコードB,C,Dを送出する。
スピーカアレイ装置3は、アンプ17−1〜17−nにより測定用音声の音量レベルを調整して、IR信号受信部21で受信したIRコードに応じた音量レベルで、スピーカアレイ19から測定用音声を放音する。すなわち、スピーカアレイ装置3は、IRコードAを受信した場合には、音量レベルを最も小さくして測定用音声を放音させる。また、スピーカアレイ装置3は、受信したIRコードが順にB,C,Dとなるにつれて、音量レベルを大きくして測定用音声を放音させる。
次に、オーディオシステム1では、上記のように、測定用音声の音量レベルを、リモコン装置5を設置した聴取位置における暗騒音の音量レベルに応じて設定するが、スピーカアレイ装置3に対する聴取位置によっては、測定用音声の音量レベルを適正な値に設定できないことがあり得る。すなわち、測定用音声の音量レベルは、部屋の中央付近等の想定される聴取位置で適正になるように予め設定されている。しかし、聴取位置が部屋の端等の想定外の位置であったり想定外の環境下であったりすると、周囲の暗騒音の音量レベルに基づいて音量レベルを設定した測定用音声を、リモコン装置5のマイクロフォンMIC31で収音(検出)することができずに、エラーとなることがある。そこで、オーディオシステム1では、予め設定された第1時間内であれば、当初割り当てられていた暗騒音レベルに対する測定用音声の音量レベルを、マイクロフォンMIC31で収音できるまで、一定量ずつ大きくして再測定を行うように設定している。
これにより、再測定時の測定成功確率を改善することができ、様々な環境下での動作を保証できる。また、上記音量レベルオフセットは、第1時間測定が行われなければ、ゼロにクリアされる(初期値に戻される)ので、測定環境が通常レベルに戻った場合には、必要以上の音量レベルで測定が行われることを防止できる。
オーディオシステム1は、具体的には、以下のように処理を行う。図4は、暗騒音の音量レベルと測定用音声の音量レベルの関係を示す図である。ここで、図4では、暗騒音、測定音とも、音量レベルの最小値を1とし、大きくなるにつれて数値が大きくなるものとする。
オーディオシステム1において、スピーカアレイ装置3のシステム制御部23は、一例として、暗騒音が音量レベル1のときには、測定用音声の音量レベルを1に設定し(図4(A)参照)、スピーカユニットSP1,SPnから音量レベル1の測定用音声を放音させる。しかし、システム制御部23は、リモコン装置5がマイクロフォンMIC31で測定用音声を収音できず、一定時間が経過しても応答がない場合には、測定用音声の音量レベルを1段階上げて音量レベルを2に設定し(図4(B)参照)、スピーカユニットSP1,SPnから音量レベル2の測定用音声を放音させる。
システム制御部23は、リモコン装置5がマイクロフォンMIC31で音量レベル2の測定用音声を収音できず、さらに一定時間が経過しても応答がない場合には、測定用音声の音量レベルをさらに1段階上げて音量レベルを3に設定して(図4(C)参照)、スピーカユニットSP1,SPnから測定用音声を放音させる。また、システム制御部23は、測定用音声の音量レベルを3に設定しても、リモコン装置5のマイクロフォンMIC31で収音できず、さらに一定時間が経過しても応答がない場合には、測定用音声の音量レベルをさらに1段階上げて音量レベルを4に設定して(図4(D)参照)、スピーカユニットSP1,SPnから測定用音声を放音させる。
このように、システム制御部23は、測定用音声を検出できるまで、測定用音声の音量レベルを1段階ずつ(一定量ずつ)大きくする。これにより、予め測定用音声を大きな音量レベルに設定するのではなく、測定用音声の音量レベルを徐々に大きくして、マイクロフォンで収音できる音量レベルに設定するので、聴取者に不快感を与えることなく測定用音声の音量レベルを設定できる。
また、スピーカアレイ装置3は、測定用音声の再測定を繰り返してから第1時間(上記の一定時間よりも長い時間)が経過した場合には、測定用音声の音量レベルを1に戻す。これにより、聴取者が移動して聴取位置が変わっていたり暗騒音の音量レベルが変化したりしても、第1時間が経過すると測定用音声の音量レベルが元の値(初期値)に戻されるので、測定用音声の音量レベルが小さくなり、視聴者に不快感を与えることがない。
なお、測定用音声の音量レベルを大きくする一定量は、予め実験等を行って設定しておくと良い。
次に、オーディオシステム1を設置する場所の残響レベルが異なると、測定用音声の音量レベルが同じであっても、異なる音量に聞こえるため、聴取者に不快感を与えてしまう場合がある。図5は、残響レベルと経過時間の関係、及び残響時間と発音時間の関係を示す図である。例えば、図5(A)に示すように、残響レベルが高い室内空間で測定用音声を放音すると、残響時間が長いので、聴取者は音量レベルが大きく感じる。これは、以下の理由による。すなわち、人間は、音のレベルだけでなく、その継続時間により積分して全体の音量レベルを認知するので、音声の音量レベルが同じでも、室内空間の残響レベルが高いほど音声の音量レベルを高いと感じるからである。そこで、オーディオシステム1では、図5(B)に示すように、スピーカアレイ装置3を設置する室内空間の残響時間が長いほど(残響レベルが高いほど)、スピーカアレイ装置3の2つのスピーカから順に放音させる各測定用音声の放音時間を短くする。これにより、聴取者に不快感を与えることなく、聴取位置を特定できる。
また、室内空間の残響レベルが高いほど、音声は長時間残響する。そのため、オーディオシステム1では、図5(C)に示すように、室内空間の残響時間が長いほど(残響レベルが大きいほど)、測定用音声1と測定用音声2の放音間隔(放音開始間隔)を長くする。例えば、残響レベルが小さい場合には測定用音声1と測定用音声2の放音間隔をtcに設定し、残響レベルが大きくなるに連れて、測定用音声1と測定用音声2の放音間隔を長くしてtbやtaに設定する。これにより、測定用音声1の残響が消える前に測定用音声2を放音して、2つの音声が重なるのを防止できるので、測定用音声1・2に基づいて確実に聴取位置を特定できる。
なお、室内空間の残響レベルは変動しないので、予め室内空間の残響レベルを測定して記憶部29に記憶させておき、聴取位置特定処理時にこの残響レベルを読み出し、この残響レベルに応じた放音時間で測定用音声を放音すると良い。また、室内の残響レベルの測定方法としては、例えば、特開平8−247837号公報に記載されているような残響時間自動測定方法を用いると良い。
次に、オーディオシステム1において、聴取位置の特定処理を行うときの動作について、フローチャートに基づいて説明する。図6は、オーディオシステムを構成するリモコン装置及びスピーカアレイ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
ここで、オーディオシステム1は、設置直後に室内の残響レベルを測定して記憶部29に記憶させており、聴取位置の特定処理を行うときには、記憶部29から読み出した残響レベルに基づいて、測定用音声の放音時間や放音間隔を設定する。
図6に示すように、リモコン装置5の制御部43は、ユーザが操作部41を操作して聴取位置特定処理を実行するように設定したことを検出すると(s1)、聴取位置特定処理の開始を伝えるIRコードをIRコード送出部45から送出する(s2)。
スピーカアレイ装置3のシステム制御部23は、IR信号受信部21でIRコードを受信したことを検出すると(s51)、聴取位置特定処理の開始を受け付けて、初期設定を行う(s52)。
リモコン装置5の制御部43は、ステップs2に続いて、マイクロフォンMIC31で周囲の暗騒音を収音して、その音量レベルを信号レベル検出部37で検出する(s3)。そして、制御部43は、信号レベル検出部37が検出した暗騒音の音量レベルに応じたIRコードをIRコード送出部45から送出する(s4)。また、制御部43は、測定用音声1の検出処理を開始する(s5)。
スピーカアレイ装置3のシステム制御部23は、IR信号受信部21で暗騒音の音量レベルに応じたIRコードに基づいて、測定用音声処理部231で、暗騒音の音量レベルに応じた測定用音声の音量レベル及び測定用音声の検出閾値を決定して、アンプ17−1の増幅率を変更して、測定用音声1をスピーカユニットSP1から放音させる(s53)。このとき、測定用音声1の放音時間は、オーディオシステム1を設置した室内空間の残響レベルに基づいて設定される。また、システム制御部23は、測定用音声1の放音開始と同時に計時部235で計時を開始する(s54)。
リモコン装置5の制御部43は、暗騒音に紛れることなくマイクロフォンMIC31で測定用音声1を収音・検出できた場合には(s6)、直ちに測定用音声1を検出したことを伝えるIRコード(測定用音声1の検出通知信号)をIRコード送出部45から送出する(s7)。
スピーカアレイ装置3のシステム制御部23は、IR信号受信部21でIRコード(測定用音声1の検出通知信号)を受信すると(s55)、計時部235を確認して、測定用音声1を放音してからIRコードを受信するまでの到達時間t1を、時間記憶部237に記憶させる(s56)。
一方、リモコン装置5の制御部43は、暗騒音に紛れて測定用音声1を検出できない場合には(s6)、スピーカアレイ装置3に対して応答できず、引き続き測定用音声1の検出を続ける。
システム制御部23は、リモコン装置5からのIRコード(測定用音声1の検出通知信号)を受信できず(s55)、計時部235で計時を開始してから一定時間が経過した場合には(s57)、リモコン装置5が測定用音声1を検出できていないと判断して、計時部235をリセットするとともに、測定用音声1の音量レベルを1段階上げて、再度測定用音声1を放音する(s58)。また、このとき、システム制御部23は、測定用音声1の放音開始と同時に計時部235で計時を開始する(s54)。
リモコン装置5の制御部43は、測定用音声1を検出できるまで、ステップs6の処理を続けて、測定用音声1を検出すると、直ちに測定用音声1を検出したことを伝えるIRコード(測定用音声1の検出通知信号)をIRコード送出部45から送出する(s7)。また、制御部43は、測定用音声2の検出処理を開始する(s10)。
システム制御部23は、リモコン装置5からのIRコード(測定用音声1の検出通知信号)を受信するまで、ステップs54→s55→s57→s58→s54の処理を繰り返し、IRコードを受信すると(s55)、計時部235を確認して、測定用音声1を放音してからIRコードを受信するまでの到達時間t1を、時間記憶部237に記憶させる(s56)。
続いて、スピーカアレイ装置3のシステム制御部23は、計時部235を確認して、測定用音声1を放音してから室内空間の残響レベルに応じて設定された放音間隔分の時間が経過していない場合には、この放音間隔分の時間が経過するまで待機する。システム制御部23は、放音間隔分の時間が経過すると(s60)、ステップs53で決定した測定用音声の音量レベルで、測定用音声2をスピーカユニットSP1から放音させる(s61)。このとき、システム制御部23は、測定用音声2の放音開始と同時に計時部235で計時を開始する(s62)。
リモコン装置5の制御部43は、暗騒音に紛れることなくマイクロフォンMIC31で測定用音声2を収音・検出できた場合には(s11)、直ちに測定用音声2を検出したことを伝えるIRコード(測定用音声2の検出通知信号)をIRコード送出部45から送出する(s12)。そして、制御部43は、聴取位置の特定処理を終了する。
スピーカアレイ装置3のシステム制御部23は、IR信号受信部21でIRコード(測定用音声2の検出通知信号)を受信すると(s63)、計時部235を停止して、測定用音声2を放音してからIRコードを受信するまでの到達時間t2を、時間記憶部237に記憶させる(s64)。また、計時部235をリセットして計時を停止させる。
一方、リモコン装置5の制御部43は、暗騒音に紛れて測定用音声2を検出できない場合には(s11)、スピーカアレイ装置3に対して応答できず、引き続き測定用音声2の検出を続ける。
システム制御部23は、リモコン装置5からのIRコード(測定用音声2の検出通知信号)を受信できず(s63)、計時部235で計時を開始してから一定時間が経過した場合には(s65)、リモコン装置5が測定用音声2を検出できていないと判断して、計時部235をリセットするとともに、測定用音声2の測定信号レベルを1段階上げて、再度測定用音声2を放音する(s66)。また、このとき、システム制御部23は、測定用音声2の放音開始と同時に計時部235で計時を開始する(s62)。
リモコン装置5の制御部43は、測定用音声2を検出できるまで、ステップs11の処理を続けて、測定用音声2を検出すると、直ちに測定用音声2を検出したことを伝えるIRコード(測定用音声2の検出通知信号)をIRコード送出部45から送出する(s12)。そして、制御部43は、聴取位置の特定処理を終了する。
また、システム制御部23は、リモコン装置5からのIRコード(測定用音声1の検出通知信号)を受信するまで、ステップs62→s63→s65→s66→s62の処理を繰り返し、IRコードを受信すると(s62)、計時部235を停止して、測定用音声2を放音してからIRコードを受信するまでの到達時間t2を、時間記憶部237に記憶させる(s63)。また、計時部235をリセットして計時を停止させる。
続いて、スピーカアレイ装置3のシステム制御部23は、時間記憶部237から到達時間t1・t2を読み出して、これらの到達時間に基づいて、上述したような式(1)〜式(5)の演算を行うことで、スピーカユニットSP1・SPnから聴取位置までの距離を算出する(s67)。
そして、システム制御部23は、この聴取位置に音声ビームが指向するようなディレイ制御値をビーム形成部13に設定して(s68)、聴取位置の特定処理を終了する。
なお、上記の説明において、ステップs61では、ステップs53で決定した暗騒音に基づいた測定用音声の音量レベルで、測定用音声2をスピーカユニットSP1から放音させるようにしたが、ステップs55においてIRコードを受信した際に、その直前の測定用音声1の音量レベルに基づいて、測定用音声2の音量レベルを設定しても良い。例えば、測定用音声2の音量レベルを、測定用音声1の最終的な音量レベルと同じ音量レベルに設定しても良い。
また、以上の説明では、リモコン装置5に設けたマイクロフォンMIC31で暗騒音及び測定用音声1・2を収音する構成としたが、これに限るものではなく、聴取位置に設置したワイヤードマイクロフォンのケーブルをスピーカアレイ装置3に接続し、このマイクロフォンで収音した暗騒音や測定用音声1・2の処理をスピーカアレイ装置3で行う構成であっても良い。また、マイクロフォンは、ワイヤレス(無線型)でもワイヤード(有線型)でも良く、マイクロフォンの形態に応じてスピーカアレイ装置3を構成すると良い。
また、上記の説明では、スピーカユニットSP1,SPnから測定用音声を放音させる構成としたが、これに限定されず、他のスピーカユニットSPに測定用音声を放音させる構成であっても良い。スピーカユニットSP1,SPnから測定用音声を放音させる構成としたが、さらに、別のスピーカユニットからも測定用音声を放音させる構成とすることも可能である。
また、スピーカアレイ装置3は、スピーカアレイ19を一体的に備える構成としたがこれに限定されない。例えば、スピーカアレイ19と、オーディオ信号に遅延時間や出力レベルを調整する信号処理を施す機能部とを別体として備えた構成に代えて用いても良い。
また、本発明は、スピーカアレイ装置3とリモコン装置5から成るオーディオシステム1のみに適用されるものではなく、例えば、スピーカユニットを複数備えたマルチチャンネルオーディオシステム等にも適用できる。
オーディオシステムの概略構成を示すブロック図である。 オーディオシステムが実行する位置検出処理を説明するための概念図である。 暗騒音のレベルとIRコードとの関係を示す表である。 暗騒音の音量レベルと測定用音声の音量レベルの関係を示す図である。 残響レベルと経過時間の関係、及び残響時間と発音時間の関係を示す図である。 オーディオシステムを構成するリモコン装置及びスピーカアレイ装置の動作を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
1−オーディオシステム 3−スピーカアレイ装置 5−リモコン装置 11−入力部 13−ビーム形成部 15−D/Aコンバータ 17,33−アンプ 19−スピーカアレイ 21−IR信号受信部 23−システム制御部 25−操作部 27−表示部 29−記憶部 35−A/Dコンバータ 37−信号レベル検出部 39−表示部 41−操作部 43−制御部 45−IRコード送出部 111−外部入力端子 231−測定用音声処理部 233−位置検出処理部 235−計時部 237−時間記憶部 239−演算部 MIC31−マイクロフォン SP、SP1〜SPn−スピーカユニット

Claims (7)

  1. 複数のスピーカユニットから放音される音声を聴取する聴取位置に設置され、測定用音声を収音するマイクロフォンと、前記マイクロフォンが前記測定用音声を収音したときに検出通知信号を送信する第1通信部と、を備えた測定端末装置と、
    複数のスピーカユニットと、前記複数のスピーカユニットのうち少なくとも2つのスピーカユニットからそれぞれ測定用音声を順に放音させる制御部と、前記検出通知信号を受信する第2通信部と、前記各スピーカユニットから測定用音声を放音させてから前記第2通信部が検出通知信号を受信するまでの到達時間に基づいて前記聴取位置を算出する演算部と、を備えた音声出力装置と、を含む聴取位置特定システムにおいて、
    前記測定端末装置は、前記マイクロフォンで収音した暗騒音の音量レベルを検出する信号レベル検出部を備え、
    前記第1通信部は、前記信号レベル検出部で検出した暗騒音の音量レベルを出力し、
    前記制御部は、前記暗騒音の音量レベルに基づいて前記測定用音声の音量レベルを設定する聴取位置特定システム。
  2. 前記音声出力装置は、前記到達時間及び一定時間を計時する計時部を備え、
    前記制御部は、前記計時部が一定時間を計時しても、前記第2通信部が前記検出通知信号を受信しない場合には、前記測定用音声の音量レベルを一定量大きくして前記2つのスピーカユニットから放音させる請求項1に記載の聴取位置特定システム。
  3. 前記制御部は、前記測定用音声の音量レベルを大きくしてから第1時間が経過すると、前記測定用音声の音量レベルを初期値に戻す請求項2に記載の聴取位置特定システム。
  4. 前記制御部は、前記暗騒音の音量レベルに基づいて前記測定用音声の検出閾値を設定する請求項1乃至3のいずれかに記載の聴取位置特定システム。
  5. 前記音声出力装置を設置する室内空間において予め測定した残響レベルを記憶する記憶部を備え、
    前記制御部は、前記記憶部が記憶する残響レベルに基づいて、前記各測定用音声の放音時間を設定する請求項1乃至4のいずれかに記載の聴取位置特定システム。
  6. 前記制御部は、前記記憶部が記憶する残響レベルに基づいて、前記音声出力装置の2つのスピーカユニットから順に放音させる各測定用音声の放音間隔を設定する請求項5に記載の聴取位置特定システム。
  7. 複数のスピーカユニットから放音される音声を聴取する聴取位置に設置したマイクロフォンで暗騒音を収音して、この暗騒音の音量レベルを検出する手順、
    前記暗騒音の音量レベルに基づいて測定用音声の音量レベルを設定する手順、
    前記複数のスピーカユニットのうち少なくとも2つのスピーカユニットから前記音量レベルの測定用音声をそれぞれ放音する放音手順、
    前記マイクロフォンで各測定用音声を収音する収音手順、
    各測定用音声を前記2つのスピーカユニットが放音してから前記マイクロフォンが収音するまでの両到達時間に基づいて聴取位置を算出する手順、
    を備えた聴取位置特定方法。
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