JP5200784B2 - スピーカ診断装置および音響システム - Google Patents

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Description

この発明は、音響空間内に設けられた複数のスピーカからの放音の有無を診断する技術に関する。
コンサートホールなどの音響空間における各スピーカは、音響空間内において狙いとする音響特性を実現するのに理想的な位置を選んで固定されており、それらのスピーカが一部でも故障してしまうと、狙いとする音響特性を実現できなくなる。このため、音響空間の保守管理を行う保守管理者は、その保守管理業務の1つとして、音響空間内に固定されたスピーカからの放音の有無を確認する確認作業を行なう必要がある。この確認作業は、音響空間内における各スピーカに可聴周波数帯域の成分を含むテスト音の信号を入力し、そのテスト音の各スピーカからの放音の有無を保守管理者自らの耳により確認したり、各スピーカに非可聴周波数帯域の成分(たとえば、20kHzのサイン波)のみを有するテスト音の信号を入力し、そのテスト音の各スピーカから放音の有無を専用の音波検出器により確認する、といった手法により行われることが多い。なお、このスピーカの放音の有無の確認作業にかかわる技術を開示した文献としては、特許文献1がある。
特開2006−279755号公報
ところで、音響空間内に固定されたスピーカからの放音の有無を確認する作業を、その音響空間内において演奏が行われている最中に行わねばならないこともある。当然ながら、この場合、可聴周波数帯域の成分を含むテスト音の放音の有無を保守管理者の耳により確認するという手法は採り難い。一方、非可聴周波数帯域の成分のみを含むテスト音の放音の有無を専用の音波検出器により確認するという手法であれば、演奏音でない音が音響空間内の受聴者に聞こえることもないため、演奏が行われている最中に行っても差し支えない。しかしながら、この手法による確認作業を行うためには、音響空間内に固定された複数のスピーカの各々に、非可聴周波数帯域の成分(たとえば、20kHzのサイン波)を有する音を検出するための音波検出器を一つずつ備え付けねばならず、また、各音波検出器が各々と対をなすスピーカ以外のスピーカから放音された音を拾わないように、各々の位置や出力レベルを細かく調整せねばならない。
本発明は、このような背景の下に案出されたものであり、大がかりな装置構成を採ることなく、音響空間に設けられた複数のスピーカからの放音の有無を判定できるようにすることを目的とする。
この発明は、擬似ノイズ信号を発生し、発生した擬似ノイズ信号を複数のスピーカへ出力する擬似ノイズ発生手段と、前記複数のスピーカとの間の距離を異にする位置のマイクロホンから入力される入力音声信号と前記擬似ノイズ発生手段が発生した擬似ノイズ信号との相互相関値を算出し、算出した相互相関値を出力する相関算出手段と、前記相関算出手段から出力される相互相関値の波形に基づいて、前記複数のスピーカからの放音の有無を判定する判定手段を具備するスピーカ診断装置を提供する。
このスピーカ診断装置は、音響空間内に設けられた複数のスピーカに擬似ノイズ信号を出力することにより、擬似ノイズ信号の成分を含む音をそれらのスピーカから放音させ、それらのスピーカからの距離を異にする位置のマイクロホンから入力される入力音声信号と擬似ノイズ発生手段が発生した擬似ノイズ信号との相互相関値を算出し、その相互相関値の波形に基づいて複数のスピーカからの放音の有無を判定する。擬似ノイズ信号の成分を含む音が、複数のスピーカのすべてから放音されている場合、入力音声信号と擬似ノイズ信号との相互相関値の波形には、スピーカと同数のピークが出現し、一部のスピーカからしか放音されていない場合、入力音声信号と擬似ノイズ信号との相互相関値の波形にはその放音されているスピーカと同数のピークだけが出現する。本発明は、このような特徴を有する入力音声信号と擬似ノイズ信号の相互相関値の波形を利用することにより、大がかりな装置構成をとることなく、音響空間に設けられた複数のスピーカからの放音の有無を判定することができる。
また、この発明は、擬似ノイズ信号を発生し、発生した擬似ノイズ信号を複数のスピーカへ出力する擬似ノイズ発生手段と、前記複数のスピーカとの間の距離を異にする位置のマイクロホンから入力される第1の入力音声信号と、前記マイクロホンから入力される第2の入力音声信号との相互相関値を算出し、算出した相互相関値の波形に基づいて、前記複数のスピーカからの放音の有無を判定する判定手段とを具備するスピーカ診断装置を提供する。
このスピーカ診断装置は、音響空間内に設けられた複数のスピーカに擬似ノイズ信号を出力することにより、擬似ノイズ信号の成分を含む音をそれらのスピーカから放音させ、それらのスピーカからの距離を異にする位置のマイクロホンから入力される第1の入力音声信号と第2の入力音声信号との相互相関値を算出し、算出した相互相関値の波形に基づいて複数のスピーカからの放音の有無を判定する。擬似ノイズ信号の成分を含む音が複数のスピーカのすべてから放音されているときにマイクロホンから入力された2つの入力音声信号が第1および第2の入力音声信号として得られた場合、この第1および第2の入力音声信号の相互相関値の波形には、それらのスピーカと同数のピークが出現する。一方、複数のスピーカのすべてから放音されているときにマイクロホンから入力された入力音声信号が第1の入力音声信号として得られ、複数のスピーカの一部からしか放音されていないときにマイクロホンから入力された入力音声信号が第2の入力音声信号として得られた場合、第1および第2の入力音声信号の相互相関値の波形には、その放音されているスピーカと同数のピークだけが出現する。本発明は、このような特徴を有する2つの入力音声信号間の相互相関値の波形を利用することにより、大がかりな装置構成をとることなく、音響空間に設けられた複数のスピーカからの放音の有無を判定することができる。
(第1実施形態)
以下、図面を参照し、この発明の第1実施形態を説明する。
図1は、この発明の第1実施形態であるスピーカ診断装置25を含む音響システム20の構成を示す図である。図1において、マイクロホン10は、音響空間90内におけるステージ91上に設置され、スピーカ11−k(k=1〜4)は、音響空間90内の側壁や天井に間隔を空けて固定される。
音響システム20は、マイクロホン10、スピーカ11−k(k=1〜4)、音場支援装置21、加算器22−k(k=1〜4)、アンプ23−k(k=1〜4)、スピーカ診断装置25を有する。音場支援装置21は、音響空間90内の音響特性を制御する役割を果たす。音場支援装置21には、マイクロホン10から当該マイクロホン10が収音した音を示すアナログ信号が入力される。音場支援装置21は、マイクロホン10から入力されたアナログ信号をデジタル形式に変換し、そのデジタル形式の信号に所望の音響空間の残響効果を付与するためのフィルタ係数列を畳み込み、フィルタ係数列を畳み込んだ信号(「残響音信号」という)をアナログ形式に変換して出力する。この残響音信号のアナログ信号は、アンプ23−k(k=1〜4)による増幅を経てスピーカ11−k(k=1〜4)の各々に入力され、スピーカ11−k(k=1〜4)に入力された信号が示す音がそれらのスピーカ11−k(k=1〜4)から音響空間90内に帰還される。この、音響空間90→マイクロホン10→音場支援装置21→スピーカ11−k(k=1〜4)→音響空間90という閉ループを音が循環することにより、所望の音響空間で演奏が行われているかのような音響特性が得られる。
マイクロホン15は、スピーカ11−k(k=1〜4)の各々から異なる距離だけ離れた位置に置いて使用される。スピーカ診断装置25は、マイクロホン15とともに使用される装置であり、音響空間90に設けられたスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無を診断する役割を果たす。
スピーカ診断装置25において、M系列発生器31は、擬似ノイズ信号を発生して出力する擬似ノイズ発生手段である。M系列発生器31は、診断ボタン60によってスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の診断の指示が下されると、擬似ノイズ信号として、一定の符号周期をもったPN符号を出力する。擬似ノイズ信号は、音として出力されたときの聴感上の影響を少なくするため、特定の周波数帯域に偏ることなく広い周波数帯域にパワースペクトルが分布した信号であることが好ましく、そのためには擬似ノイズ信号であるPN符号の符号周期は十分な長さをもっていることが必要である。M系列発生器31は、擬似ノイズ信号の符号周期に同期して、符号周期の開始を示すタイミング信号を出力する。
カウンタ32は、所定周波数のクロックのカウントを行う手段である。このカウンタ32のカウント値は、M系列発生器31が発生するタイミング信号により「0」に初期化されるようになっている。従って、このカウンタ32から出力されるカウント値は、M系列発生器31が各符号周期の擬似ノイズ信号の出力を開始してからの経過時間を示している。
N倍オーバーサンプリング部33は、M系列発生器31が出力する擬似ノイズ信号(PN符号のビット列)を、そのビット周波数のN倍の周波数のサンプリングクロックによりオーバーサンプリングして出力する。このN倍オーバーサンプリング部33は、擬似ノイズ信号の1符号周期分の時間長を変えることなく1符号周期当たりのサンプル数を増加させ、自己相関係数を高めるために設けたものである。M系列発生器31の発生する擬似ノイズ信号の1符号周期当たりのサンプル数が多い場合にはこのN倍オーバーサンプリング部33は不要である。
HPF(High Pass Filter;高域通過フィルタ)34は、N倍オーバーサンプリング部33が出力する擬似ノイズ信号における所定のカットオフ周波数以上の帯域の信号を通過させる。好ましい態様において、HPF34のカットオフ周波数は、スピーカ11−k(k=1〜4)が出力可能な最高周波数より十分低く、人間の聴覚が聴き取り難い高域の周波数であることが好ましい。一例として、HPF34のカットオフ周波数は、10kHzである。
D/A変換器35は、HPF34を通過した擬似ノイズ信号をアナログ形式に変換して出力する手段である。診断ボタン60によってスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の診断の指示が下されると、M系列発生器31が発生した擬似ノイズ信号がこのD/A変換器35によってアナログ信号に変換され、擬似ノイズ信号のアナログ信号が加算器22−k(k=1〜4)に入力される。そして、加算器22−k(k=1〜4)では、音場支援装置21から出力される残響音信号に擬似ノイズ信号が加算され、その加算結果であるアナログ信号がアンプ23−k(k=1〜4)による増幅を経てスピーカ11−k(k=1〜4)へ入力される。
スピーカ11−k(k=1〜4)から放音された音は、マイクロホン10,15によって収音される。マイクロホン10によって収音された音を示すアナログ信号が音場支援装置21に入力され、音場支援装置21による処理を経た残響音信号がスピーカ11−k(k=1〜4)から音響空間90内に帰還されることは、上述した通りである。マイクロホン15によって収音された音を示すアナログ信号は、スピーカ診断装置25に入力される。スピーカ診断装置25のアンプ36は、マイクロホン15から入力されるアナログ信号を増幅する。A/D変換器37は、アンプ36から出力されるアナログ信号をN倍オーバーサンプリング部33と同じ周波数のサンプリングクロックによりサンプリングし、時系列の音声サンプルであるデジタル形式の音声信号に変換して出力する。以降は、A/D変換器37が出力するデジタル形式の信号を入力音声信号という。
HPF38は、HPF34と同じ通過帯域を有するHPFである。A/D変換器37から得られる入力音声信号が残響音信号と擬似ノイズ信号の成分を含む場合、後者の擬似ノイズ信号の成分は、HPF34の通過帯域内の成分であるため、HPF34と同じ通過帯域を有するHPF38を通過する。
伝搬時間メモリ39は、スピーカ11−k(k=1〜4)からマイクロホン15までの音の伝搬に要する伝搬時間t(k=1〜4)を予め記憶したメモリである。これらの伝搬時間t(k=1〜4)は、スピーカ11−k(k=1〜4)からマイクロホン15までの距離d(k=1〜4)の実測値に音速を乗じることにより求まる時間である。
相関算出部40は、M系列発生器31が出力する1周期分の擬似ノイズ信号(PN符号列)を受け取り、N倍オーバーサンプリングを行って記憶し、この1周期分の擬似ノイズ信号とHPF38を通過した入力音声信号との相互相関値を算出する手段である。さらに詳述すると、この相関算出部40は、記憶した擬似ノイズ信号の1符号周期の時間長をTとした場合に、HPF38から所定の単位時間分の入力音声信号(例えば1サンプル)が出力されるたびに、それまでにHPF38から出力された最新の時間長T分の入力音声信号と1周期分の擬似ノイズ信号との相互相関値を算出し、算出した相互相関値の波形にピークが出現したときにピーク検出信号を出力する。
ここで、上述したように、マイクロホン15は、スピーカ11−k(k=1〜4)の各々から異なる距離d(k=1〜4)だけ離れた位置に置いて使用される。よって、擬似ノイズ信号の成分を含む音がスピーカ11−k(k=1〜4)のすべてから放音された場合、擬似ノイズ信号とHPF38を通過した入力音声信号の相互相関値の波形には、図2に示すように、スピーカ11−k(k=1〜4)の数と同じ4つのピークp(k=1〜4)がそれらのスピーカ11−k(k=1〜4)からマイクロホン15までの距離d(k=1〜4)に応じた時間差をもって順に出現する。また、この場合の相互相関値の波形において、M系列発生器31による擬似ノイズ信号の出力の開始からそれらの4つのピークp(k=1〜4)の出現時刻までの時間は、それらのスピーカ11−k(k=1〜4)からマイクロホン15までの音の伝搬時間t(k=1〜4)と同じになる。これに対し、スピーカ11−k(k=1〜4)の一部からしか放音されていない場合、入力音声信号と擬似ノイズ信号の間の相互相関値の波形にはその放音されているスピーカ11−kと同数のピークだけが出現する。
判定部41は、相関算出部40が算出した相互相関値に基づいて、スピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無を判定する。より詳細に説明すると、判定部41は、相関算出部40からのピーク検出信号を出力を監視し、ピーク検出信号と同時にカウンタ32から出力されたカウント値を記憶する。そして、判定部41は、記憶したカウント値の数が4つである場合はスピーカ11−k(k=1〜4)のすべてから放音されていると判定し、カウント値の数が3つ以下である場合はスピーカ11−k(k=1〜4)の一部から放音されていないと判定する。
さらに、判定部41は、スピーカ11−k(k=1〜4)の一部から放音されていないと判定した場合、ピーク検出信号と同時にカウンタ32から出力されたカウント値を、M系列発生器31が擬似ノイズ信号の出力を開始してからの経過時間に換算し、カウント値を換算した経過時間と伝搬時間メモリ39に記憶された伝搬時間t(k=1〜4)とを比較することにより、放音されていないスピーカ11−k(k=1〜4)を決定する。より具体的には、カウント値を換算した経過時間のなかにスピーカ11−1からマイクロホン15までの音の伝搬時間t1と同じものがない場合はスピーカ11−1から放音されていないとみなし、スピーカ11−2からマイクロホン15までの音の伝搬時間t2と同じものがない場合はスピーカ11−2から放音されていないとみなす。また、カウント値を換算した経過時間のなかにスピーカ11−3からマイクロホン15までの音の伝搬時間t3と同じものがない場合はスピーカ11−3から放音されていないとみなし、スピーカ11−4からマイクロホン15までの音の伝搬時間t4と同じものがない場合はスピーカ11−4から放音されていないとみなす。
以上説明したように、本実施形態では、診断ボタン60によってスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の診断の指示が下されると、M系列発生器31が発生した擬似ノイズ信号の成分を含む音をスピーカ11−k(k=1〜4)から放音させる。そして、以降にマイクロホン15が収音した音を示す入力音声信号が得られると、相関算出部40は、その入力信音声信号とM系列発生器31が発生した擬似ノイズ信号との相互相関値を算出し、算出した相互相関値を出力する。判定部41は、相関算出部40から出力された相互相関値の波形にスピーカ11−k(k=1〜4)と同数の4つのピークが出現した場合には、スピーカ11−k(k=1〜4)のすべてから放音されていると判定し、3つ以下のピークしか出現していない場合には、スピーカ11−k(k=1〜4)の一部からしか放音されていないと判定する。そして、この場合、判定部41は、系列発生器31が擬似ノイズ信号の出力を開始してから相互相関値の波形にピークが出現するまでの経過時間と、伝搬時間メモリ39に記憶された伝搬時間t(k=1〜4)とを比較することにより、放音されていないスピーカ11−kを決定する。この実施形態によると、大がかりな装置構成をとることなく、音響空間90に設けられた複数のスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無を判定することができる。
また、本実施形態では、スピーカ診断装置25におけるM系列発生器31とスピーカ11−k(k=1〜4)との間に高域の擬似ノイズ信号のみを通過させるHPF34を介在させており、擬似ノイズ信号における人の耳に聞こえにくい高域の周波数成分だけが、スピーカ11−k(k=1〜4)から音響空間90に放音される。よって、音響空間90内で演奏が行われている最中に、その音響空間90内の受聴者に気づかれることなくスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無を判定することができる。
(第2実施形態)
以下、図面を参照し、この発明の第2実施形態を説明する。
図3は、この発明の第2実施形態であるスピーカ診断装置25Aを含む音響システム20の構成を示す図である。図3において、上記第1実施形態(図1)の音響システム20の各部と共通する部分には同一の符号が付されている。
図3に示すスピーカ診断装置25Aにおいて、M系列発生器31、カウンタ32、N倍オーバーサンプリング部33、HPF34,38、D/A変換器35、アンプ36、A/D変換器37の役割は、上記第1実施形態(図1)のものと同じである。
また、スピーカ診断装置25Aにおける擬似ノイズ発生ボタン62は、M系列発生器31による擬似ノイズ信号の発生を指示するボタンであり、記憶先選択ボタン61は、2つのメモリ42,43のうち一方の選択を指示するボタンであり、診断ボタン60は、スピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の判定を指示するボタンである。
メモリ42,43は、HPF38を通過した入力音声信号を記憶する手段であり、スイッチ44は、メモリ42,43のうち一方を入力音声信号の記憶先として選択する手段である。スイッチ44は、記憶先選択ボタン61によってメモリ42の選択が指示されると、HPF38とメモリ42を接続し、記憶先選択ボタン61によってメモリ43の選択が指示されると、HPF38とメモリ43を接続する。HPF38と接続されたメモリ42,43は、カウンタ32のカウント値が「0」に初期化されると、自らの書き込み先アドレスを歩進させつつ、HPF38から出力される入力音声信号をその書き込み先アドレスに書き込んでいく。
本実施形態では、音響空間90の保守管理を行う保守管理者は、保守管理者自らの耳による確認などを通じてスピーカ11−k(k=1〜4)のすべてから放音されているとの確証を得ているときに、記憶先選択ボタン61によりメモリ42を記憶先として選択してから擬似ノイズ発生ボタン62により擬似ノイズ信号の発生を指示する操作を行い、入力音声信号をメモリ42に記憶させる。そして、以後、スピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の確認を行う際は、記憶先選択ボタン61によりメモリ43を記憶先として選択してから擬似ノイズ発生ボタン62により擬似ノイズ信号の発生を指示する操作を行い、入力音声信号をメモリ43に記憶させ、診断ボタン60によってスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の診断を指示する操作を行う。
判定部41は、診断ボタン60によってスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の診断が指示されたときに、その指示が下された時点においてメモリ42,43に記憶されている入力音声信号の相互相関値に基づいてスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無を判定する手段である。
ここで、擬似ノイズ信号の成分を含む音がスピーカ11−k(k=1〜4)のすべてから放音されたときの入力音声信号がメモリ43に記憶された場合、そのメモリ43における入力音声信号とメモリ42に記憶済みの入力音声信号との相互相関値の波形には、第1実施形態における擬似ノイズ信号と入力音声信号の相互相関値の波形と同じような特徴が現れる。つまり、この場合、メモリ42,43にそれぞれ記憶された入力音声信号の相互相関値の波形には、図2に示したように、スピーカ11−k(k=1〜4)の数と同じ4つのピークp(k=1〜4)がそれらのスピーカ11−k(k=1〜4)からマイクロホン15までの距離d(k=1〜4)に応じた時間差をもって順に出現する。
そこで、判定部41は、以下のようにしてスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無を判定する。まず、判定部41は、メモリ42に記憶された入力音声信号とメモリ43に記憶された入力音声信号との相互相関値を算出する。より具体的には、判定部4142は、メモリ42,43に記憶されている入力音声信号を、メモリ42,43における読み出し開始位置を各々の先頭のアドレスから後方に1アドレスずつシフトしながら時間長T分ずつ読み出し、メモリ42,43の各々から時間長T分の入力音声信号を読み出すたびに、それらの時間長T分の入力音声信号同士の相互相関値を算出していく。そして、この相互相関値の波形にスピーカ11−k(k=1〜4)の数と同じ4つのピークp(k=1〜4)が出現した場合、スピーカ11−k(k=1〜4)のすべてから放音されているとみなす。
また、メモリ42,43に記憶された入力音声信号の相互相関値の波形に3つ以下のピークしか出現していない場合、判定部41は、スピーカ11−k(k=1〜4)の一部から放音されていないとみなし、相互相関値の波形に出現したピークとその波形に出現するはずであるのに出現しなかったピークとの前後関係に基づいて、放音されていないスピーカ11−kを決定する。この放音されていないスピーカ11−kの決定は、いくつかの態様により実現できる。
第1の態様としては、図2に示した相互相関値の波形を正常時の波形として図示せぬ波形記憶メモリに記憶しておき、メモリ42,43に記憶された入力音声信号の相互相関値の波形に3つ以下のピークしか出現していない場合には、その波形と正常時の波形とを比較し、その比較した結果に基づいて放音されていないスピーカ11−kを決定する、という態様がある。たとえば、判定部41は、図2におけるピークp(k=1〜4)のうちピークp,p,pが出現し、ピークpとピークpの間に出現するはずであったピークpが出現していない場合、マイクロホン15との距離が2番目に短いスピーカ11−2からの放音がないと判定する。
第2の態様としては、スピーカ11−k(k=1〜4)とマイクロホン15と間の距離d(k=1〜4)の実測値を図示せぬメモリに記憶しておき、メモリ42,43に記憶された入力音声信号の相互相関値の波形に3つ以下のピークしか出現していない場合に、相互相関値がピークになる時間長T分の入力音声信号が書き込まれていたメモリ42,43の書き込み先アドレスを音の伝播時間に換算し、その伝播時間に音速を乗じることにより、放音しているスピーカ11−kからマイクロホン15までの距離を算出し、算出した距離と距離d(k=1〜4)の実測値とを比較し、その比較の結果に基づいて放音されていないスピーカ11−kを決定する、という態様がある。たとえば、判定部41は、音の伝搬時間から3種類の距離が得られ、それらの3種類の距離の各々が距離d,d,dの実測値と同じであった場合、マイクロホン15との距離が3番目に短いスピーカ11−3からの放音がないと判定する。
以上説明したように、本実施形態では、擬似ノイズ発生ボタン62によって擬似ノイズ信号の発生が指示されると、M系列発生器31が発生した擬似ノイズ信号の成分を含む音をスピーカ11−k(k=1〜4)から放音させ、以降にマイクロホン15が収音した音を示す入力音声信号を、メモリ42,43のうち記憶先選択ボタン61によって選択された方に記憶させる。さらに、診断ボタン60によってスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無の診断が指示されると、判定部41は、メモリ42,43に記憶された入力音声信号の相互相関値を算出し、算出した相互相関値の波形にスピーカ11−k(k=1〜4)と同数の4つのピークが出現した場合には、スピーカ11−k(k=1〜4)のすべてから放音されていると判定し、3つ以下のピークしか出現していない場合には、スピーカ11−k(k=1〜4)の一部からしか放音されていないと判定する。そして、この場合、判定部41は、相互相関値の波形に出現したピークとその波形に出現するはずであるのに出現しなかったピークとの前後関係に基づいて、放音されていないスピーカ11−kを決定する。この実施形態によると、大がかりな装置構成をとることなく、音響空間90に設けられた複数のスピーカ11−k(k=1〜4)からの放音の有無を判定することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明には他にも実施形態があり得る。例えば、以下の通りである。
(1)上記第1および第2実施形態において、擬似ノイズ信号の自己相関係数が十分に高く、A/D変換器37から得られる入力音声信号に埋もれた擬似ノイズ信号を高い検出精度で検出することができる場合には、HPF38を省略してもよい。
(2)上記第1および第2実施形態において、スピーカ診断装置25は、PN符号を出力するM系列発生器31の代わりに、Gold系列を発生するGold系列発生器を具備し、このGold系列発生器が発生したGold系列をスピーカに出力してもよい。
(3)上記第1および第2実施形態において、スピーカ11の数を2つや3つにしてもよいし、5つ以上にしてもよい。この場合でも、それらの複数のスピーカ11からの距離を異にする位置にマイクロホン15を置いて使用するようにすれば、それらの複数のスピーカ11の各々からの放音の有無を個別に判定することが可能である。
本発明の第1実施形態であるスピーカ診断装置を含む音響システムの構成を示すブロック図である。 本発明の第1および第2実施形態におけるスピーカ診断装置が算出する相互相関値の波形の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態であるスピーカ診断装置を含む音響システムの構成を示すブロック図である。
符号の説明
10,15…マイクロホン、11…スピーカ、20…音響システム、21…音場支援装置、22…加算器、23,36…アンプ、25…スピーカ診断装置、31…M系列発生器、32…カウンタ、33…N倍オーバーサンプリング部、34,38…HPF、35…D/A変換器、37…A/D変換器、39…伝搬時間メモリ、40…相関算出部、41…判定部、42,43…メモリ、44…スイッチ、60…診断ボタン、61…記憶先選択ボタン、62…擬似ノイズ発生ボタン、90…音響空間、91…ステージ。

Claims (8)

  1. 擬似ノイズ信号を発生する擬似ノイズ発生手段と、
    前記擬似ノイズ発生手段が発生した擬似ノイズ信号を、そのビット周波数より高い周波数のサンプリングクロックによりオーバーサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段によりオーバーサンプリングされた擬似ノイズ信号の高域の信号のみを通過させ、複数のスピーカに供給する高域通過フィルタと、
    前記複数のスピーカとの間の距離を異にする位置のマイクロホンから入力される入力音声信号と前記擬似ノイズ発生手段が発生した擬似ノイズ信号との相互相関値を算出し、算出した相互相関値を出力する相関算出手段と、
    前記相関算出手段から出力される相互相関値の波形に基づいて、前記複数のスピーカからの放音の有無を判定する判定手段と
    を具備することを特徴とするスピーカ診断装置。
  2. 前記判定手段は、前記相関算出手段から出力される相互相関値の波形に前記複数のスピーカと同数のピークが出現しないとき、前記複数のスピーカの一部から放音されていないと判定することを特徴とする請求項1に記載のスピーカ診断装置。
  3. 前記判定手段は、前記擬似ノイズ信号が出力された時刻から前記相互相関値の波形にピークが出現した時刻までの経過時間に基づいて、前記複数のスピーカの各々の放音の有無を判定することを特徴とする請求項1または2に記載のスピーカ診断装置。
  4. 擬似ノイズ信号を発生する擬似ノイズ発生手段と、
    前記擬似ノイズ発生手段が発生した擬似ノイズ信号を、そのビット周波数より高い周波数のサンプリングクロックによりオーバーサンプリングするサンプリング手段と、
    前記サンプリング手段によりオーバーサンプリングされた擬似ノイズ信号の高域の信号のみを通過させ、複数のスピーカに供給する高域通過フィルタと、
    前記複数のスピーカとの間の距離を異にする位置のマイクロホンから入力される入力音声信号と、前記マイクロホンから入力される前記複数のスピーカのすべてから放音されたときの入力音声信号との相互相関値を算出し、算出した相互相関値の波形に基づいて、前記複数のスピーカからの放音の有無を判定する判定手段と
    を具備することを特徴とするスピーカ診断装置。
  5. 前記判定手段は、前記マイクロホンから入力される入力音声信号と、前記マイクロホンから入力される前記複数のスピーカのすべてから放音されたときの入力音声信号との相互相関値の波形に前記複数のスピーカと同数のピークが出現しないとき、前記複数のスピーカの一部から放音されていないと判定することを特徴とする請求項4に記載のスピーカ診断装置。
  6. 前記判定手段は、前記マイクロホンから入力される入力音声信号と、前記マイクロホンから入力される前記複数のスピーカのすべてから放音されたときの入力音声信号との相互相関値の波形と所定の波形とを比較し、この比較の結果に基づいて前記複数のスピーカの各々の放音の有無を判定することを特徴とする請求項4または5に記載のスピーカ診断装置。
  7. 前記判定手段は、前記マイクロホンから入力される入力音声信号と、前記マイクロホンから入力される前記複数のスピーカのすべてから放音されたときの入力音声信号との相互相関値の波形に出現したピークに基づいて前記複数のスピーカのうち放音しているスピーカからマイクロホンまでの距離を算出し、算出した距離と所定の距離を比較し、この比較の結果に基づいて前記スピーカの各々の放音の有無を判定することを特徴とする請求項4または5に記載のスピーカ診断装置。
  8. 前記擬似ノイズ発生手段から出力された擬似ノイズ信号を音として放音する複数のスピーカと、
    前記複数のスピーカの各々との間の距離を異にする位置に置かれる1つのマイクロホンと、
    請求項1から7のいずれか1の請求項に記載のスピーカ診断装置と
    を具備することを特徴とする音響システム。
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