JP2008070372A - 物体追跡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 超音波信号を使用する物体追跡に関する。送信機から送信された信号を受信する受信機を提供する。
【解決手段】 受信機は、受信された信号に基づいて少なくとも2つの解析信号を形成する少なくとも2つの受信素子を使用する。受信機は、位相検出器などの検出器を有し解析信号を評価して解析信号間の差に関する表示を形成する。表示は、たとえば解析信号間の位相差を示す。送信された信号は、変調超音波信号であり、受信機はその信号を復調し変調信号を回復させる。表示を使用して追跡対象物体の方向角情報を決定することができる。方向角情報は、送信機に対する物体の方向でもよい。方向角情報を使用して、たとえば聴取用に形成される音声信号の補正処理を行うことができる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、送信機からの信号を受信し、受信された信号に基づいて解析信号を形成し、解析信号を解析することによって物体の方向角を決定する受信機に関する。また、本発明は、送信機からの信号を受信し、受信された信号に基づいて解析信号を形成する受信機と、解析信号を解析することによって物体の方向角を決定する解析素子とを備える物体追跡装置に関する。本発明は、信号を送信する送信機と、送信機から送信された信号を受信し、受信された信号に基づいて解析信号を形成する受信機と、解析信号を解析することによって物体の方向角を決定する解析素子とを備えるシステムに関する。さらに、本発明は、送信機からの信号を送信することと、信号を受信することと、受信された信号に基づいて解析信号を形成することと、解析信号を解析することによって物体の方向角を決定することとを含む物体追跡方法に関する。
アプリケーションによっては、物体の方向角、すなわち基準点に対する物体の方向を決定することが求められる。一般に、物体の方向角は、物体周辺の任意点に対して決定するとよい。また、物体の動きを検知することによって、検知された物体の方向角および/または動きに基づく任意動作を行ってもよい。このようなアプリケーションの中には、人物に対して音声信号を発生させる際、人物の頭部の方向角や動きを考慮に入れるようにした音声信号発生に関するものもある。人物は、ヘッドホンを使用して音声信号、たとえば音楽やTV番組、映画、ゲームの音声などを聴いてもよい。一般に、この種の聴取体験は、視覚効果が、TV、コンピュータ画面、スクリーン、(映画館内のような)部屋の1つまたは複数の壁などに映し出されるように、部屋の中で行われる。このような視覚効果は、ビデオ、映画、TV番組、テレビゲームの動作、静止画像、コンピュータプログラムの動作などを含んでもよい。上述される例は、これに限定されないだけでなく、他の視覚情報および音声情報が、物体の方向角を決定する必要があるアプリケーションによって形成されてもよいことは明らかである。
方向角の決定は、1方向または2方向で行うことができる。方向角の1方向の決定は、たとえば水平または垂直方向で行われる。水平方向の決定では、通常、アジマスと呼ばれる水平角が規定される。また、垂直方向の決定では、通常、仰角と呼ばれる垂直角が規定される。
物体、たとえば人物の頭部の方向角が決定されない場合、その人物が頭部を動かすと、音声信号が自然に聞こえない場合がある。たとえばその人物がスクリーン上の映画を見ており、ヘッドホンを使用して映画に関係する音声信号を聞いている場合、スクリーン上の異なる音声の発生源を識別特定できるように音声を再生するには、人物の頭部をスクリーンに対して一定の方向角に保つほうがよい。言い換えれば、映画の音声を出来るだけ自然に体験できるようにするには、人物の頭部の方向角は聴取体験に影響を及ぼさないほうがよい。
人物の頭部などの物体の方向角を追跡するシステムの開発に成功した。この解決策は、通常、超音波または光信号の送信および受信に基づくか、慣性センサに基づいている。また、2つ以上の異なる技術が組合わされた複合システムも開発された。超音波システムおよび光システムでは、信号は、1つまたは複数の送信機によって送信され、1つまたは複数の受信機によって受信される。たとえば特許文献1では、3つの超音波送信機が、超音波信号を送信し、追跡対象の物体に装着される、またはその物体によって運ばれる受信機によって受信される。送信機は、受信機から分かる固定位置に設置される。受信機は、送信器からの信号の伝搬時間の差を検出し、三角測量を使用して物体の位置を計算する。各送信機は類似の種類のパルスを送信する。したがって、受信機は、どの送信機がパルス信号を送信したかを識別するほうがよい。特許文献1明細書のシステムでは、送信機からの信号の送信を監視することによってこれを実現している。したがって、一度に1つの送信機だけが信号を送信するほうがよい。この種の従来システムにはある問題がある。たとえば三角測量を可能にするためには2つ以上の送信機が必要となる。さらに、監視の原理から、送信機の送信信号は、重複を避けるために互いに同期させる必要がある。三角測量に基づく位置特定法では、送信機の位置が周知であることが必要である。
光システムでは、送信機と受信機との間が直接視界に入るほうがよく、さもなければ、追跡が中断されるか、または完全に不可能になる。波形(光信号、音響信号、または無線信号)のコヒーレント検出に基づくシステムは、障害および他の誤差要因に対して敏感である。エラーの影響が蓄積されることによって、追跡情報に対する補正値が増加する。
米国特許第5107746号明細書
本発明は、信号送信および信号受信に基づく新しい物体追跡原理である。本発明の背景にある基本的な考え方は、送信機ごとに変調超音波信号送信機を使用して、送信された信号を受信する複数の受信機によって形成された複数の信号の差を表示することである。
本発明は、送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて解析信号を形成する受信機であって、
送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成する第1の受信素子と、
送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成する第2の受信素子と、
第1の解析信号と第2の解析信号との間の差に基づく表示を与える検出器と、
表示を解析して、物体の方向角を決定する解析素子と
を備えることを特徴とする受信機である。
また本発明は、第1のスケーリング素子と、第2のスケーリング素子と、表示を入力する入力部と、第1のスケーリング素子および第2のスケーリング素子のスケーリングパラメータを調整する制御素子とを有することを特徴とする。
また本発明は、解析素子が、物体の方向角についての1つまたは複数の見積もりを記憶するメモリをさらに含み、解析素子が、表示の信頼性の判断において、表示と1つまたは複数の見積もりのうちの少なくとも1つとを使用するように構成されてなることを特徴とする。
また本発明は、第1の受信素子は、受信された信号を変調して第1の解析信号を形成する第1の検出器を含み、第2の受信素子は、受信された信号を変調して第2の解析信号を形成する第2の検出器を含むことを特徴とする。
また本発明は、第1の解析信号と第2の解析信号との間の位相差を示す信号を生成するように構成されてなる位相検出器を有することを特徴とする。
また本発明は、送信機から変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成する第1の受信素子と、
送信機から変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成する第2の受信素子と、
第1の解析信号と第2の解析信号との間の差に基づく表示を与える検出器と、
表示を解析して物体の方向角を決定する解析素子とを備えることを特徴とする物体追跡装置である。
また本発明は、変調信号を送信する送信機と、
送信機から送信された変調信号を受信して、受信された信号に基づいて解析信号を形成する受信機と、
第1の解析信号および第2の解析信号を解析して、物体の方向角を決定する解析素子とを備え、
受信機が、
送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成する第1の受信素子と、
送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成する第2の受信素子と、
第1の解析信号と第2の解析信号との間の差に基づく表示を与える検出器とを備え、解析素子が、物体の方向角を決定する解析において表示を使用するように構成されてなることを特徴とするシステムである。
また本発明は、解析素子が、第1のスケーリング素子と、第2のスケーリング素子と、表示を入力する入力部と、第1のスケーリング素子と第2のスケーリング素子のスケーリングパラメータを調整する制御素子とを有することを特徴とする。
また本発明は、解析素子が、物体の方向角について1つまたは複数の見積もりを記憶するメモリをさらに有し、解析素子が、表示の信頼性の判断において、表示と、1つまたは複数の見積もりのうちの少なくとも1つとを使用するように構成されてなることを特徴とする。
また本発明は、受信された信号を復調して、第1の解析信号を形成する第1の検出器を有する第1の受信素子と、受信された信号を復調して、第2の解析信号を形成する第2の検出器を有する第2の受信素子とをさらに備えることを特徴とする。
また本発明は、第1の解析信号と第2の解析信号との間の位相差を示す信号を生成するように構成されてなる位相検知器をさらに備えることを特徴とする。
また本発明は、変調信号が、第1の周波数を有する搬送波を有し、搬送波が、第2の周波数を有する変調信号によって変調されることを特徴とする。
また本発明は、第2の周波数が、第1の周波数よりも10倍以上低いことを特徴とする。
また本発明は、第1の周波数が、30kHz〜50kHzの範囲内にあり、第2の周波数が、800Hz〜1000Hzの範囲内にあることを特徴とする。
また本発明は、第2の変調信号を送信する第2の送信機を備え、受信機が、さらに第2の変調信号を受信するように構成されてなることを特徴とする。
また本発明は、変調信号を受信し、別の物体の方向角を決定するように構成されてなる第2の受信機をさらに備えることを特徴とする。
また本発明は、送信機からの変調信号を送信することと、
変調信号を受信することと、
受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成することと、
受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成することと、
第1の解析信号および第2の解析信号を検証し、第1の解析信号と記第2の解析信号との間の差に基づく表示を与えることと、
表示を解析し、物体の方向角を決定することとを含む物体追跡方法である。
また本発明は、解析が、
第1のスケーリングパラメータを形成することと、
第2のスケーリングパラメータを形成することと、
位相差に関する表示に基づいて概算見積もりを形成することと、
概算見積もりを1つまたは複数の以前の見積もりと比較して、表示の信頼性を決定することと、
比較によって表示に信頼性があることが示された場合、第1のスケーリング素子および第2のスケーリング素子に基づいて第1のスケーリングパラメータおよび第2のスケーリングパラメータを調整することとを含むことを特徴とする。
また本発明は、表示に信頼性があると判断された場合、該表示を方向角の現在の表示として記憶することをさらに含むことを特徴とする。
また本発明は、評価が、第1の解析信号と第2の解析信号との位相差を示す信号を形成することと、信号を表示として使用することとを含むことを特徴とする。
また本発明は、送信が、第1の周波数を有する搬送波を、第2の周波数を有する変調信号によって変調することを含むことを特徴とする。
本発明は、従来の物体追跡システムおよび物体追跡方法と比較して利点がある。本発明を利用することによって、待ち時間(検出における遅延時間)を適正に低く保ちながら、なお多くのアプリケーションについて充分な精度が実現できる。本発明は、コヒーレント検出を使用するシステムで発生することのある累積誤差の影響を受けない。誤りを含む検出であっても、システムを使用不可にさせるのではなく、誤差から早急に回復することが可能である。すなわちシステムが誤差に強い。変調周波数が搬送周波数よりもかなり低いとすると、搬送周波数および変調周波数は非常に広い帯域から選択可能である。変調周波数は、搬送周波数に比較して10倍以上下げるのが好ましい。また、送信機から変調超音波信号以外のいずれの情報も送信する必要はない。本発明を利用して、物体の方向に関する生の見積もり(捕捉)および、物体の追跡、すなわち1方向または複数方向の動きの追跡を行うことが可能である。
以下に、添付図面を参照しながら本発明をさらに詳しく説明する。
図1は、物体1が追跡される状況の例を示す。この例における物体1は、人物の頭部であるが、本発明を利用して他の物体を追跡してもよいのは明らかである。本明細書で追跡という用語は、物体1の方向角の決定、および必要に応じて、物体1の動きの決定を意味する。物体の追跡は、発信機2などの任意点に対する物体の方向の決定を含んでもよい。状況によっては、物体1の追跡は、水平面に対する物体の傾き(傾斜角、仰角)の決定を含んでもよい。言い換えれば、物体1の方向の決定は、通常、任意点に対する物体1の水平回転角または垂直回転角の1次元決定、または物体1の水平方向角と垂直方向角の両方に関する2次元決定である。物体の動きの決定は、物体の1つまたは複数の方向角の変化の決定を含んでもよい。また、任意点に対する物体の位置および/または物体の位置の変更の決定を含んでもよい。上述する追跡原理は、本出願において後でさらに詳しく説明する。
図1に示される状況の例では、送信機2の送信素子2.4が部屋3の第1の壁3.1近くに位置する。この例では、この部屋は、第2の壁3.2および第3の壁3.3などの他の壁も含むが、壁の数は本発明の実施に関係がない。第1の壁3.1は、ビデオプロジェクタ、映写機などの視覚信号生成装置5で生成される視覚信号を投影するために使用される。視覚信号は、TV番組、ビデオ、コンピュータのアプリケーション、映画、カメラなどに関連してもよい。したがって、視覚信号生成装置5は、第1の壁3.1上に示される外部装置6からの情報を受信することができるか、またはその情報は、視覚信号生成装置5で生成されてもよい。ここで、実際は、視覚信号が投影される壁3.1上にスクリーン4があるか、またはその壁または部屋の他の場所に、視覚情報を表示するディスプレイ(たとえばコンピュータのモニタまたはTV)がある。以下、スクリーンという用語は、視覚情報を表示可能な物体または装置を説明する一般用語として使用される。
送信素子2.4の位置が、スクリーンの上述する付近とは異なる可能性があるのは明らかである。スクリーン3.4の中央などの基準点または基準線に対する送信素子2.4の位置が分かれば、制御素子7が送信素子2.4に対する物体1の方向を把握する場合、制御素子7は補正処理を施して基準点に対する物体1の実際の方向を決定することができる。
人物1は、音声処理装置7によって生成された音声信号から耳で聞くことのできる可聴信号を生成するスピーカまたはイヤホーンなどの2つ以上の電気音響変換器8.1,8.2を含むヘッドホン8などの受信装置9を携行している。音声処理装置7は、音源10からの音声情報を受信するが、音源10は外部装置6の一部であってもよく、または視覚信号生成装置5で実施されてもよい。音源10から音声処理装置9に送信される音声情報は、通常、視覚信号生成装置5によって生成される視覚信号に関連する。たとえば視覚信号が映画の視覚情報である場合、音声情報における音声信号は映画のものとなる。音声処理装置7は、受信装置9から制御信号も受信する。
また、受信装置9は、送信機2から送信される超音波信号を受信する第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2を含む。第1の受信素子9.1は、追跡対象の物体1の一方側に位置し、第2の受信素子9.2は、追跡対象の物体1の他方側に位置する。第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2は、物体を間にして反対側に位置するのが好ましい。たとえば第1の受信素子9.1は、受信装置9の第1の音響変換器8.1の近くに固定され、第2の受信素子9.2は、受信装置9の第2の音響変換器8.2の近くに固定される。但し、受信素子9はヘッドホンに固定される必要はなく、分離された装置として形成されてもよい。
次に、図2のシステムにおける本発明の実施形態に従う方法の動作を、図4のフローチャートを参照してさらに詳しく説明する。ここで、人物1が見たり聞いたりする視聴覚情報が生成されるとする。言い換えれば、人物1は、視覚情報を見て、視覚情報に関連する音声情報を聞いている。たとえば人物は映画に記録された音声を有する映画を見ている。音声信号は、モノラル、ステレオ、または多チャンネルの音声信号であってもよい。多チャンネルの音声信号はサラウンドサウンドとしても知られる。一般に、音声信号が少なくともステレオ(2チャンネル音声)の場合、異なる音源を通常少なくとも粗い精度で決定することができる。例として、車がスクリーン(たとえば部屋4の第1の壁3.1)上を1点から他の点に走行している場合、ヘッドホンでその音声を聞いている人物1は、車の音が移動していることを認識するはずである(すなわち車の音はスクリーン上の車の移動に「追随」するはずである)。
上述の内容は、人物が顔をスクリーンに向けた状態、すなわち目がスクリーンを直接見ている(方向角がほぼ一定の)場合に当てはまる。頭部が異なる方向に回転すると、ヘッドホンで生成された音声(可聴信号)は、音声が頭部の動きに追従している感覚を避けるように処理される必要がある。したがって、頭部が向いている方向の変化を検出する必要があり、人物が音声信号源とスクリーン上の位置との間の関係状況をそれでもなお感じられるように、可聴信号に対してある種の補正を施すほうがよい。もちろん、すべての音声信号がスクリーン上に表示される音源をそれぞれ有しているわけではないが、それでも音声信号はそれが聞こえてくる任意の方向(人物の前方から、両側から、および/または後方から)を有している。たとえば上述する例において、車はスクリーン上に見えない場合もあるが、音声は聞くことができるので、ヘッドホンによって生成された可聴信号が、決定された方向および/または人物の頭部の位置に基づいて補正される場合、その音声が聞こえてくると思われる方向を人物が決定することができる。
以下に、超音波信号の生成および受信について、図2を参照してさらに詳しく説明する。送信機2は、人間の耳で聞こえる周波数帯域を超える周波数、すなわち20kHz超を有する超音波信号を生成する。たとえばその周波数は30kHzから50kHzの帯域であるが、この周波数帯域を超える周波数であっても使用可能であるのは明らかである。送信機2は、所望の周波数、たとえば40kHzを有する搬送波信号を形成する搬送波発生器2.1を含む。搬送波信号の波形は正弦波であることが好ましいが、他の波形を使用してもよい。送信機2は、変調信号を生成する変調信号発生器2.2も含む。変調信号の周波数は、搬送波信号の周波数よりも大幅に低く、たとえば800kHzから1000kHzの範囲内である。搬送波信号は、混合器2.3の第1の入力2.31に接続され、変調信号は、混合器2.3の第2の入力2.32に接続される。混合器2.3は、変調電気信号に基づいて超音波を生成可能な超音波共振器または別の種類の電気音響変換素子などの送信素子2.4に接続可能な変調信号を生成する。超音波共振器が使用される場合、搬送波の周波数は超音波共振器の共振周波数とほぼ同じにするほうがよい。変調は、たとえば増幅変調、周波数変調または位相変調であってもよい。送信素子2.4は変調信号を送信する(図4のブロック401)。
変調超音波は、受信装置9の第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2によって受信される(ブロック402)。受信素子9.1,9.2は、送信機2の超音波共振器に類似な超音波共振器、または超音波に基づいて電気信号を生成可能な他の音響電気変換素子であってもよい。第1の受信素子9.1によって生成された電気信号は、必要に応じて、第1の増幅器9.3によって増幅され、第1のアナログ−デジタル変換器(ADC)9.5で第1のデジタル信号に変換される。また、第1の受信素子9.2によって生成された電気信号は、必要に応じて、第2の増幅器9.4によって増幅され、第2のアナログ−デジタル変換器(ADC)9.6で第2のデジタル信号に変換される。第1のデジタル信号は、第1の検出器9.7に接続されて信号が復調される。第1の検出器9.7は、たとえば第1のデジタル信号に対して乗算操作を行う第1の乗算器9.7.1、および乗算信号すなわち第1の乗算器によって形成される信号にフィルタをかける第1のフィルタ9.7.2を含む。第1の検出器9.7は第1の復調信号を生成する。
第1の受信チャネル9aおよび第2の受信チャネル9bはほぼ同一なので、第2のデジタル信号は第2の検出器9.8に接続され信号が復調される。第2の検出器は、たとえば第2の増幅器9.8.1および第2のフィルタ9.8.2を含み、第2の復調信号を生成する。
第1のフィルタ9.7.2および第2のフィルタ9.8.2は、変調情報を乗算器9.7.1および乗算器9.8.1の信号から分離可能な、ローパスフィルタ、バンドパスフィルタ、ノッチフィルタ、または他の種類のフィルタである。
乗算器9.7.1,9.8.1は、入力信号の絶対値を示す信号を生成する絶対値演算素子(図示せず)と置き換えてもよい。当業者に周知な検出器を実施する他の代替方法もある。
第1および第2の変調信号は、理想的な環境では送信機2の変調信号に相当する信号である。実際には、システムの障害、システム部品の精度誤差、周囲の外乱などによって変調信号と復調信号との間に何らかの差が生じる可能性がある。しかしながら、本発明では、通常、このような誤差は復調信号にそれほど大きな影響を与えない。
位相が異なる可能性はあるけれども、同一信号が受信され復調されるため、検知器9.7,9.8以降の復調信号の周波数は、変調信号の周波数とほぼ同じである。しかし、送信機2の送信素子2.4に対する受信素子9.1,9.2の距離の差に応じて位相が異なる場合もある。
第1の復調信号は、本発明のシステムにおいて第1の解析信号として使用され、第2の復調信号は、本発明のシステムにおいて第2の解析信号として使用される。第1の解析信号は、位相検知器9.9の第1の入力9.9.1に接続され、第2の解析信号は、位相検知器9.9の第2の入力9.9.2に接続される。位相検知器9.9は、第1の解析信号と第2の解析信号との間の位相差、すなわち方向角の概算見積もりを示す信号を生成する(ブロック403)。この表示信号は、送信機2に対する物体(図1の人物の頭部)の方向角を決定することによって物体追跡を行う解析素子11に導かれる。
位相検出器9.9によって生成された信号は、解析素子11によって受信され、解析されて特に送信機2に対する物体の方向を決定する。図2では、特に限定されないが、解析素子11が示される。位相検知器9.9から受信された信号は、スケーリングファクタ(l−g)によって入力信号をスケーリングする(乗算する)第1のスケーリング素子11.1に伝達される。スケーリングされた信号は、加算素子11.2に供給され、スケーリングされたフィードバック項が加算される。フィードバック項とは、第2のスケーリング素子11.4において第2のスケーリングファクタgによってスケーリングされた見積もりバッファ11.3の出力信号である。加算素子11.2の出力は、送信機2に対する物体の角度を示す。また、別のタイミングで加算素子11.2から出力された出力信号も見積もりバッファ11.3に供給され、見積もりバッファ11.3で収集された情報に基づいて補正項が形成される。また、見積もりバッファ11.3は、モーションロジック・ステップ調整素子11.4に情報を供給して、検出された物体の動き(たとえば物体の角度の変化)に基づいて第1のスケーリングファクタおよび/または第2のスケーリングファクタの調整を実施する。解析素子11の上述の動作は、角度見積もりに関する適応IIR(無限インパルス応答)フィルタリング動作として知られる。
第1および第2のスケーリングファクタを選択することによって、物体の動きの特性を考慮に入れることができる。たとえば人物の頭部が追跡される場合、たとえば動作速度に関するある仮定を行うことができる。上述のフィルタリング(スケーリングおよび加算)の目的は、システムのノイズの影響を低減させ、起り得る誤検出(個々の位相検出に含まれる誤差)の影響を低減させることでもある。スケーリングファクタを選択することは、精度と速度との間のある種の妥協点を見つけることである。レベルの低い(弱い)フィルタリングを用いると、より速いシステムが実現できる(すなわち待ち時間が短い)が精度も悪くなる。レベルの高い(強い)フィルタリングは精度を向上させるが持ち時間を増加させる。したがって、スケーリングファクタの選択は、本発明に従う物体追跡が使用されるアプリケーションに少なくとも一部依存する。
解析素子11は異なる種類の条件に一層対応するために、フィルタリング特性を適応させることができるようにしてもよい。たとえばその時々で精度の向上が必要とされてもよく、または待ち時間の低減が必要とされてもよい。
また、解析素子11は、概算見積もりの信頼性を評価し、それを1つまたは複数の以前の見積もりと比較することができる(ブロック404)。その概算見積もりが信頼性なしと評価された場合、比較された以前の見積もりが使用される(ブロック409)。必要に応じて、比較された以前の見積もりが、新しい(現在の)見積もりのために用意された記憶場所に記憶される。ただし、比較された以前の見積もりは、通常、最後に承認された見積もりであって、現在の見積もりのために用意された記憶場所に以前記憶されたものである。したがって、比較された以前の見積もりを再度記憶する必要はない。
概算見積もりが信頼できると評価された状況において、概算見積もりを1つまたは複数の以前の見積もりと比較し(ブロック405)、物体の動き(たとえば方向角の変化)の速度を決定することができる。この比較が遅い動きを示す場合、フィルタリングの平均化特性を増加させる(ブロック407)ことによって、通常、見積もりの誤差を低減させる、すなわちさらに正確にすることが可能である。一方、この比較が速い動きを示す場合、フィルタリングの平均化特性を減少させる(ブロック406)ことによって、通常、見積もりの遅延を小さくする、すなわち見積もりをさらに早急に変更し物体の動きにさらに早急に追従させることが可能である。
見込まれるフィルタ特性の調整を行った後、概算見積もりはフィルタをかけられ新しい見積もりを形成(ブロック408)し、新しい見積もりは現在の見積もり用に用意された記憶場所に記憶される。
ここで、角度情報は制御素子、たとえば音声処理装置7に供給され、可聴信号に必要なすべての補正処理を行うことができる。たとえば制御素子は、ヘッドホンの電気音響変換器8.1,8.2に向かう信号の1つについて、他の電気音響変換器8.1,8.2に向かう他の信号に対して、信号間の位相差を変化させるように遅延させることができる。位相差の変更は、それが物体1の方向の変化を完全にまたは部分的に補償するようにすることができる。制御素子の詳細は、物体追跡が使用されるアプリケーションに依存するため本明細書に開示されていない。
アナログ−デジタルコンバータ9.4以降の信号はデジタル形式である。したがって、検出器9.7,9.8、位相検出器9.9および解析素子11は、すべてソフトウェアとして、すなわち処理素子12によって実行される場合、所望の信号処理タスクを実行するプログラムインストラクションとして実施することができる。処理素子12は、デジタル信号プロセッサ、縮小命令セットプロセッサ(RISC)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラなどでもよい。また、動作によっては、たとえば特定用途向け集積回路(ASIC)におけるロジック回路によって実施されてもよい。
送信機2が振幅変調信号を送信するように構成される場合、第1の検出器9.7および第2の検出器9.8は、たとえば包絡線検出器であってもよいが、他の検出器でも適用可能である。
受信装置9の素子は、すべてを同一の物理的本体で実施する必要はないが、幾つかの方法で分離することができる。たとえば電気音響変換器8.1,8.2、第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2を1つの本体として形成することができるのに対し、システムの他の素子は1つまたは複数の他の本体となって配置される。このように分離された構成要素間の通信は、有線または無線による方法で多くの手段によって形成することができる。特に限定されないが、無線通信には、光送受信、音響送受信、誘導送受信および無線周波数(RF)信号送受信がある。
図5aには、送信機2の混合器2.3の実施形態が示される。搬送波発生器2.1によって生成された搬送波信号は第1の入力In1に入力され、変調信号発生器2.2によって生成された変調信号は第2の入力In2に入力される。搬送波信号は、たとえば人間の耳に聞こえる周波数帯域を超える周波数、すなわち20kHz超の周波数を有する方形波であってもよい。たとえば周波数は約40kHzであるが、他の周波数も使用可能であるのは明らかである。変調信号は、たとえば方形波であってもよい。変調信号の周波数は搬送波信号の周波数よりも大幅に低く、たとえば約1000Hzである。混合器2.3は、トランジスタなどの混合素子T1を含む。本実施形態では、搬送波信号は抵抗R1を介して混合素子T1のベースに接続される。変調信号は、抵抗R2を介して混合素子T2のエミッタに接続される。混合素子のコレクタは、抵抗R5を介して増幅素子T2のベースに接続された混合結果を提供する。増幅素子は、たとえばトランジスタであってもよい。増幅素子は、増幅信号をそこから送信素子2.4に接続することができる出力Outに増幅信号を供給する。上述のように、混合器2.3は、コンデンサC1,C2および他の抵抗R3,R4,R5をさらに含む。
図5bは、アナログ−デジタル変換を必要としない受信装置500の別の実施形態である。変調超音波が、受信装置500の第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2によって受信される。第1の受信素子9.1によって生成された電気信号は、第1の増幅器9.3によって増幅され、また、第2の受信素子9.2によって生成された電気信号は、第2の増幅器9.4によって増幅される。第1の増幅器9.3からの増幅信号は第1の検出器501に接続され、第2の増幅器9.4からの増幅信号は第2の検出器502に接続される。第1の検出器501および第2の検出器502は、たとえば図5bに示される包絡線検出器であってもよいが、他のタイプのアナログ検出器を使用してもよい。第1の検出器501からの信号は第1のバッファ素子503に接続され、第2の検出器502からの信号は第2のバッファ素子504に接続される。第1のバッファ素子503および第2のバッファ素子504は、たとえば共通コレクタ構成のトランジスタである。第1のバッファ素子503を通過した信号は、第1のバンドパスフィルタ505に接続され、第2のバッファ素子504を通過した信号は、第2のバンドパスフィルタ506に接続される。
第1および第2のバンドパスフィルタ505,506は、変調信号の周波数近くに中心周波数があり、たとえば約1kHzである。次に、バンドパスフィルタ505,506の通過帯域にある信号は、バンドパスフィルタの通過帯域を通過し、通過帯域外にある信号は減衰する。第1および第2のバンドパスフィルタ505,506は、高い応答倍率を有することが可能であり、第1および第2のバンドパスフィルタ505,506は非常に弱い入力信号でも飽和する。飽和の目的は、ゼロクロス検出器507,508におけるゼロクロス検出感度を向上させることである。言い換えれば、第1のバンドパスフィルタ505によって出力された信号は、第1のゼロクロス検出器507に入力され、第2のバンドパスフィルタ506によって出力された信号は、第2のゼロクロス検出器508に入力する。
第1および第2のゼロクロス検出器507,508は、バンドパスフィルタを通過した信号が、ゼロ地点を通過する瞬間、すなわち信号振幅が正の値から負の値に減少する、および信号振幅が負の値から正の値に増加する(振幅がその符号を変える)瞬間を検出する。この瞬間は変調信号の値がハイからロー(たとえば論理“1”から論理“0”、またはローからハイ(たとえば論理“0”から論理“1”)に変化する時間を示す。上述したように、変調信号はたとえば方形波であり、ゼロクロス検出器507,508は、受信信号が変調信号のエッジを有する瞬間に表示を形成する。したがって、送信素子から第1の受信素子9.1に向かう信号の伝搬時間が送信素子から第2の受信素子9.2に向かう信号の伝搬時間と異なる場合、ゼロクロス検出器507はゼロクロス検出器508と異なる時間で表示を与える。以下に説明するように、この時間差は追跡対象物体の位置の決定に使用することができる。
第1のゼロクロス検出器507の出力は、位相検出器9.9の第1の入力9.9.1に接続され、また、第2のゼロクロス検出器508の出力は、位相検出器9.9の第2の入力9.9.2に接続される。位相検出器9は、第1の解析信号と第2の解析信号との間の位相差を示す信号を生成する。位相検出器9.9によって生成された信号は、解析素子11によって受信され、解析されて特に送信機2に対する物体の方向を決定する。
位相検出器9.9および解析素子11は、図2に示される第1の実施形態の位相検出器9.9および解析素子11と同様であってもよい。
図5bに示す受信機には、抵抗およびコンデンサが多数あり、その目的についてこの説明の中で詳しく説明しないが、本分野の専門家であれば各抵抗およびコンデンサの意味を理解することができる。
以下に、本発明に従う物体追跡の動作原理を、図3(a)〜図3(c)を参照して説明する。超音波信号は空気中を伝わるので、その信号速度は約340m/sである。第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2は、互いに距離sだけ離れている。その距離の最大値は、以下の式で計算することができる。
Figure 2008070372
たとえば変調信号の周波数が800Hzの場合、最大距離は0.21mである。信号が空気中を伝播する場合、信号速度は約340m/sとする。
送信機2の位置(実際は、送信素子2.4の位置)、第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2は、仮想レベルを規定する(3点がレベルを規定する)。送信機2に関する物体1の方向は、第1の受信素子9.1および第2の受信素子9.2との間の(仮想)線(図3(a)および図3(b)の符号Cで示される)に対する法線(図3(a)および図3(b)の符号Nで示される)と見なすことができる。角度θは、法線Nと線Cの中点(図3(a)および図3(b)の文字Mで示される)から送信素子2.4に向かう線とがなす角度である。
必要な送信機2は1つのみで、受信素子9.1,9.2は同一信号(信号経路は異なるけれども同時に送信された信号)を受信するため、受信機9に信号の伝送時間を連絡する必要はない。両方の受信素子が送信機から等距離にある場合(図3(a))、物体1は直接送信機2の方を向いているとする。方向角θは0度であると規定することができる。物体1が回転すると、方向角θが変化し、送信機2から第1の受信素子9.1の距離が送信機2から受信素子9.2の距離と異なってくる(図3(b))。したがって、第1の受信素子9.1は、送信機2から送信された同じ信号を第2の受信素子9.2とは異なる時間で受信する。図3(b)の説明を使うと、第1の受信素子9.1(物体1の右側に示される)は第2の受信素子9.2より送信機2に近い。したがって、受信された信号に基づいて第1の受信素子9.1によって生成された信号の位相は、受信された信号に基づいて第2の受信素子9.2によって生成された信号の位相よりも進んでいる。この位相差Dが図3(c)に示され、Aは第1の受信素子の信号を示し、Bは第2の受信素子の信号を示す。位相差Dが大きいほど受信素子9.1,9.2と送信機2との間の距離の差が大きい。また、距離の差が大きいほど方向角θが大きいことを意味する。
送信機2と受信素子9.1,9.2との間の絶対距離は、位相差に何も大きな影響を与えない。したがって、位相検出動作は基本的に物体が送信機2からどのくらい遠いかまたは近いかに依存しない。もちろん、実際は、距離に制限(最小距離および最大距離)があるが、本発明が適用されるアプリケーションの詳細にも依存する。
また、物体1は上記で規定した面とは異なる面で回転することができる。たとえば頭部をうなずかせたり、または横向けたりする場合がある。このような状況では、送信機2から受信機9.1,9.2の距離の差は変化しない場合がある。したがって、このような変化も検出する必要がある場合、第3の受信素子および/または第2の送信機(図示せず)が必要とされてもよい。その場合でも、動作原理、すなわち変調超音波の使用や受信した超音波信号の位相差の検出は同様のままである。
また、2次元または3次元追跡が必要な場合、部屋の異なる位置に置かれた2つ以上の送信機が必要とされてもよい。この場合、各送信機は異なる変調周波数を使用してもよく、受信機は異なる変調周波数を有する信号を復調するようになっている異なる受信経路を有してもよい。
上述の説明では、ヘッドホンによって生成された可聴信号を補正する物体追跡が行われると考えられた。本発明は、物体追跡が必要とされる場合のある他の種類のアプリケーションに関連して使用されてもよい。たとえば角度情報を使用してスクリーン上のカーソルの移動を制御することができる。頭部を回転させることによってカーソルを動かしてもよい。2次元検出または3次元検出が使用される場合、たとえば頭部をうなずかせることによって他の動作を起動させることもできる。したがって、本発明のシステムは、たとえばコンピュータのポインティングデバイス(マウス)として使用してもよい。
追跡対象の物体は、人物の頭部である必要はない。たとえば物体は、カメラ、テスト環境の動物などの方向を追跡するような装置であってもよい。
ここで同じ送信機2に基づいて物体追跡を行う2つ以上の受信機があってもよいことを述べたほうがよい。受信器はそれほど著しく互いを妨害せず、また互いのまたは送信機との間に物理的または論理的な接続なしで作動することができる。さらに、変調超音波信号の他に送信機2から何の情報も送信する必要がない。
環境によっては、たとえば部屋の壁3.1〜3.3からのエコーがシステムの動作に影響を及ぼす場合がある。したがって、送信素子2.4および/または受信機9.1,9.2の方向性を向上させる必要がある場合があり、または解析素子11で補正処理が実施されてもよい。
物体の位置が追跡必要である状況の例を示す図である。 本発明の実施形態に従うシステムを大略的に示すブロック図である。 図3(a)〜図3(c)は、受信された信号の差を検出する原理を示す図である。 本発明の実施形態に従う方法を大略的に示すフローチャートである。 図5(a)は本発明の実施形態に従う送信機用混合回路の例を大略的に示すブロック図であり、図5(b)は本発明の実施形態に従う受信機を大略的に示すブロック図である。
符号の説明
1 物体
2 送信機
2.1 搬送波発生器
2.2 変調信号発生器
2.3 混合器
2.4 送信素子
3 部屋
3.1 第1の壁
3.2 第2の壁
3.3 第3の壁
4 スクリーン
5 視覚信号生成装置
6 外部装置
7 制御素子
8.1 第1の電気音響変換器
8.2 第2の電気音響変換器
9 受信装置
9.1 第1の受信素子
9.2 第2の受信素子
9.3 第1の増幅器
9.4 第2の増幅器
9.5 第1のアナログ−デジタル変換器
9.6 第2のアナログ−デジタル変換器
9.7 第1の検出器
9.7.1 第1の乗算器
9.7.2 第1のフィルタ
9.8 第2の検出器
9.8.1 第2の乗算器
9.8.2 第2のフィルタ
9.9 位相検出器
9.9.1 第1の入力
9.9.2 第2の入力
9a 第1の受信チャンネル
9b 第2の受信チャンネル
10 音源
11 解析素子
11.1 第1のスケーリング素子
11.2 加算素子
11.3 見積もりバッファ
11.4 第2のスケーリング素子
11.5 モーションロジック・ステップ調整素子
12 処理素子
501 第1の検出器
502 第2の検出器
503 第1のバッファ素子
504 第2のバッファ素子
505 第1のバンドパスフィルタ
506 第2のバンドパスフィルタ
507 第1のゼロクロス検出器
508 第2のゼロクロス検出器

Claims (21)

  1. 送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて解析信号を形成する受信機であって、
    送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成する第1の受信素子と、
    送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成する第2の受信素子と、
    第1の解析信号と第2の解析信号との間の差に基づく表示を与える検出器と、
    表示を解析して、物体の方向角を決定する解析素子と
    を備えることを特徴とする受信機。
  2. 第1のスケーリング素子と、第2のスケーリング素子と、表示を入力する入力部と、第1のスケーリング素子および第2のスケーリング素子のスケーリングパラメータを調整する制御素子とを有することを特徴とする請求項1記載の受信機。
  3. 解析素子が、物体の方向角についての1つまたは複数の見積もりを記憶するメモリをさらに含み、解析素子が、表示の信頼性の判断において、表示と1つまたは複数の見積もりのうちの少なくとも1つとを使用するように構成されてなることを特徴とする請求項2記載の受信機。
  4. 第1の受信素子は、受信された信号を変調して第1の解析信号を形成する第1の検出器を含み、第2の受信素子は、受信された信号を変調して第2の解析信号を形成する第2の検出器を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の受信機。
  5. 第1の解析信号と第2の解析信号との間の位相差を示す信号を生成するように構成されてなる位相検出器を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の受信機。
  6. 送信機から変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成する第1の受信素子と、
    送信機から変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成する第2の受信素子と、
    第1の解析信号と第2の解析信号との間の差に基づく表示を与える検出器と、
    表示を解析して物体の方向角を決定する解析素子とを備えることを特徴とする物体追跡装置。
  7. 変調信号を送信する送信機と、
    送信機から送信された変調信号を受信して、受信された信号に基づいて解析信号を形成する受信機と、
    第1の解析信号および第2の解析信号を解析して、物体の方向角を決定する解析素子とを備え、
    受信機が、
    送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成する第1の受信素子と、
    送信機からの変調信号を受信し、受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成する第2の受信素子と、
    第1の解析信号と第2の解析信号との間の差に基づく表示を与える検出器とを備え、解析素子が、物体の方向角を決定する解析において表示を使用するように構成されてなることを特徴とするシステム。
  8. 解析素子が、第1のスケーリング素子と、第2のスケーリング素子と、表示を入力する入力部と、第1のスケーリング素子と第2のスケーリング素子のスケーリングパラメータを調整する制御素子とを有することを特徴とする請求項7記載のシステム。
  9. 解析素子が、物体の方向角について1つまたは複数の見積もりを記憶するメモリをさらに有し、解析素子が、表示の信頼性の判断において、表示と、1つまたは複数の見積もりのうちの少なくとも1つとを使用するように構成されてなることを特徴とする請求項8記載のシステム。
  10. 受信された信号を復調して、第1の解析信号を形成する第1の検出器を有する第1の受信素子と、受信された信号を復調して、第2の解析信号を形成する第2の検出器を有する第2の受信素子とをさらに備えることを特徴とする請求項7〜9のいずれか1項に記載のシステム。
  11. 第1の解析信号と第2の解析信号との間の位相差を示す信号を生成するように構成されてなる位相検知器をさらに備えることを特徴とする請求項7〜10のいずれが1項に記載のシステム。
  12. 変調信号が、第1の周波数を有する搬送波を有し、搬送波が、第2の周波数を有する変調信号によって変調されることを特徴とする請求項7〜11のいずれか1項に記載のシステム。
  13. 第2の周波数が、第1の周波数よりも10倍以上低いことを特徴とする請求項12記載のシステム。
  14. 第1の周波数が、30kHz〜50kHzの範囲内にあり、第2の周波数が、800Hz〜1000Hzの範囲内にあることを特徴とする請求項13記載のシステム。
  15. 第2の変調信号を送信する第2の送信機を備え、受信機が、さらに第2の変調信号を受信するように構成されてなることを特徴とする請求項7〜14のいずれか1項に記載のシステム。
  16. 変調信号を受信し、別の物体の方向角を決定するように構成されてなる第2の受信機をさらに備えることを特徴とする請求項7〜15のいずれか1項に記載のシステム。
  17. 送信機からの変調信号を送信することと、
    変調信号を受信することと、
    受信された信号に基づいて第1の解析信号を形成することと、
    受信された信号に基づいて第2の解析信号を形成することと、
    第1の解析信号および第2の解析信号を検証し、第1の解析信号と記第2の解析信号との間の差に基づく表示を与えることと、
    表示を解析し、物体の方向角を決定することとを含む物体追跡方法。
  18. 解析が、
    第1のスケーリングパラメータを形成することと、
    第2のスケーリングパラメータを形成することと、
    位相差に関する表示に基づいて概算見積もりを形成することと、
    概算見積もりを1つまたは複数の以前の見積もりと比較して、表示の信頼性を決定することと、
    比較によって表示に信頼性があることが示された場合、第1のスケーリング素子および第2のスケーリング素子に基づいて第1のスケーリングパラメータおよび第2のスケーリングパラメータを調整することとを含むことを特徴とする請求項17記載の方法。
  19. 表示に信頼性があると判断された場合、該表示を方向角の現在の表示として記憶することをさらに含むことを特徴とする請求項18記載の方法。
  20. 評価が、第1の解析信号と第2の解析信号との位相差を示す信号を形成することと、信号を表示として使用することとを含むことを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 送信が、第1の周波数を有する搬送波を、第2の周波数を有する変調信号によって変調することを含むことを特徴とする請求項17〜20のいずれか1項記載の方法。
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