JP2007088447A5 - - Google Patents

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[3]また、上記目的は、吐出口に連通する個別液室と、該個別液室に対応して設けられた圧電素子を有し、前記個別液室内の液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、前記圧電素子が上記本発明の圧電素子であることを特徴とする液体吐出ヘッドによって達成される。
[5]また、上記目的は、吐出口に連通する個別液室と、該個別液室に対応して設けられた圧電素子を有し、前記個別液室内の液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドを有する液体吐出装置であって、上記本発明の液体吐出ヘッドを有することを特徴とする液体吐出装置によって達成される。
本発明における、バルク状の圧電体とは、セラミックスの製造方法として一般的に用いられる、焼結法、加圧焼結法により得られる圧電体をさす。また、バインダーを加熱除去後に焼結を行う、グリーンシートを用いて得られた圧電体も広義にバルク状の圧電体とみなす。
図1の曲線ABCに示されているように、ABO3で構成されるペロブスカイト型構造を有するPZTは、バルク状態の場合、Zr、Tiの元素比によって230℃から490℃のキュリー温度Tc0を持つ。
ここで、本発明の実施形態において、Zr、Tiの元素比Zr/(Zr+Ti)が0.2以上0.8以下で、圧電体のキュリー温度Tcと該圧電体のZr、Tiの元素比に於けるバルク状態でのキュリー温度Tc0がTc>Tc0+50℃の関係を満たす場合は、次のような現象が考えられる。つまり、圧電体のPb、Zr、Tiの元素比Pb/(Zr+Ti)が1.05以上であっても、過剰Pbがリークサイトとしては働かず、リーク電流が増大することがない為、より過剰にPbを含有させることが出来るようになる。その結果、PbのAサイト欠陥がより少なくなり、圧電性が向上するもの等が例えば考えられる。本発明の圧電体のTcの上昇はこの過剰Pbがリークサイトとしては働かない状態になっていることによると考えられる。
本実施形態の液体吐出ヘッドは、吐出口に連通する個別液室と、該個別液室に対応して設けられた圧電素子を有し、前記個別液室内の液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、前記圧電素子が、本実施形態の圧電素子であることを特徴とする。より詳細には、本実施形態の液体吐出ヘッドは、吐出口と、吐出口に連通する個別液室と、個別液室に対応して設けられた圧電素子と、前記個別液室と前記圧電素子との間に設けられた振動板と、を有する。さらに、前記振動板により生じる前記個別液室内の体積変化によって前記個別液室内の液体を前記吐出口から吐出し、前記圧電素子が本実施形態の圧電素子であることを特徴とする。

Claims (12)

  1. 圧電体が、
    Pb(ZrxTi1-x)O3 (1)
    (式中、xは、Zr、Tiの元素比Zr/(Zr+Ti)を表す。)
    で表されるペロブスカイト型構造を有するジルコン酸チタン酸鉛を主成分とし、かつ該圧電体のPb、Zr、Tiの元素比Pb/(Zr+Ti)が1.05以上であり、Zr、Tiの元素比Zr/(Zr+Ti)が0.2以上0.8以下であり、かつ該圧電体のキュリー温度Tcと該圧電体のZr、Tiの元素比に於けるバルク状態でのキュリー温度Tc0がTc>Tc0+50℃の関係を満たすことを特徴とする圧電体。
  2. 前記圧電体の膜厚が1μm以上10μm以下であることを特徴とする請求項1記載の圧電体。
  3. 前記圧電体の格子定数a、cが1.005<c/a<1.05の関係を満たすことを特徴とする請求項1又は2記載の圧電体。
  4. 前記圧電体が1軸配向結晶又は単結晶であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の圧電体。
  5. 前記圧電体が<100>配向であることを特徴とする請求項4記載の圧電体。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の圧電体と、該圧電体に接する一対の電極とを有することを特徴とする圧電素子。
  7. 前記電極の少なくとも一方が<100>配向したペロブスカイト型構造の酸化物電極を含むことを特徴とする請求項6に記載の圧電素子。
  8. 吐出口に連通する個別液室と、該個別液室に対応して設けられた圧電素子を有し、前記個別液室内の液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドであって、
    前記圧電素子は、請求項6または7に記載の圧電素子であることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  9. 基板上又は基板上に形成されたバッファー層の上に第一の電極膜を形成する工程と、前記第一の電極膜の上に圧電体を形成する工程と、前記圧電体の上に第二の電極膜を形成する工程と、を有する圧電素子の製造方法であって、
    前記圧電体がジルコン酸チタン酸鉛を主成分とするターゲットを用いてスパッタリング法により形成され、該圧電体のPb、Zr、Tiの元素比Pb/(Zr+Ti)が、ターゲットのPb、Zr、Tiの元素比{Pb/(Zr+Ti)}ターゲットに対しPb/(Zr+Ti)>{Pb/(Zr+Ti)}ターゲットの関係を満たすことを特徴とする圧電素子の製造方法。
  10. 前記圧電体は、ターゲット密度が90%以下であるジルコン酸チタン酸鉛を主成分とするターゲットを用いたスパッタリング法により形成されることを特徴とする請求項9記載の圧電素子の製造方法。
  11. 前記圧電体のPb、Zr、Tiの元素比Pb/(Zr+Ti)が1.05以上であり、
    前記圧電体のZr、Tiの元素比Zr/(Zr+Ti)が0.2以上0.8以下であり、
    前記圧電体のキュリー温度Tcと該圧電体のZr、Tiの元素比に於けるバルク状態でのキュリー温度Tc0がTc>Tc0+50℃の関係を満たすことを特徴とする請求項9又は10記載の圧電素子の製造方法。
  12. 吐出口に連通する個別液室と、該個別液室に対応して設けられた圧電素子を有し、前記個別液室内の液体を前記吐出口から吐出する液体吐出ヘッドを有する液体吐出装置であって、請求項8記載の液体吐出ヘッドを有することを特徴とする液体吐出装置。
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