JP2007087967A - プラズマディスプレイ装置 - Google Patents

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JP2007087967A JP2006350843A JP2006350843A JP2007087967A JP 2007087967 A JP2007087967 A JP 2007087967A JP 2006350843 A JP2006350843 A JP 2006350843A JP 2006350843 A JP2006350843 A JP 2006350843A JP 2007087967 A JP2007087967 A JP 2007087967A
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Keizo Suzuki
敬三 鈴木
Kirin Ka
希倫 何
Hiroshi Kajiyama
博司 梶山
Tatsuya Miyake
竜也 三宅
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Abstract

【課題】 発光効率が高く放電電圧の低いプラズマディスプレイ装置を実現する

【解決手段】 すくなくとも複数の放電セルを構成要素とするプラズマディスプ
レイパネルを有するプラズマディスプレイ装置の、上記放電セルは、該放電セル
に電圧を印加するための電極と、該電極を少なくとも部分的に覆う保護膜と、放
電を形成するための放電ガスを少なくとも構成要素の一部とし、上記放電ガスは
、キセノン(Xe)ガスを少なくとも構成要素の一部とし、上記保護膜のXe+イオ
ンに関する2次電子放出係数gXe+が0.05以上と大きな保護膜を用いる。
【効果】 高画質で安価なプラズマディスプレイ装置を実現できる。
【選択図】 図1

Description

本発明はプラズマディスプレイパネル(以降PDPと略す)を用いたプラズマデ
ィスプレイ装置に関する。
近年、大型でかつ厚みの薄いカラー表示装置として、プラズマディスプレイ装
置が期待されている。特にAC面放電型PDPは、構造の単純さと高信頼性のために
最も実用化の進んでいる方式である。以下、AC面放電型PDPを主たる従来技術と
して本発明の説明を行うが、本発明の内容は広くプラズマディスプレイ装置全体
に適用できるものである。
プラズマディスプレイ装置とは、すくなくとも複数の放電セルを構成要素とす
るプラズマディスプレイパネルを有しており、上記放電セル内で放電によりプラ
ズマを形成し、このプラズマの効果により可視光を形成して画像表示を行う装置
である。プラズマの効果で可視光を形成する方法には、プラズマから直接発光す
る可視光を利用する方法と、プラズマから発光する紫外線により蛍光体を発光さ
せこの可視光を利用する方法がある。通常は、後者の方法が用いられる。
このプラズマディスプレイ装置において、技術改善が最も強く望まれるのが発
光効率である。発光効率とは、表示画面の光束(輝度と表示面積の積に比例)を
その表示を行うためにパネルに投入した電力で割った値である。通常は、lm/Wの
単位で表す。発光効率が高いほど、小さなパネル投入電力で明るい表示画面を実
現できる。すなわち、プラズマディスプレイ装置においてはより高い発光効率が
望まれる。
また、プラズマディスプレイ装置においてその装置コスト(その装置を製造、
形成するための費用)を低減することも重要な課題である。プラズマディスプレ
イ装置のコストを低減するためには駆動回路系のコストを低減することが特に重
要であり、このためには放電電圧を低減することが重要である。さらに、プラズ
マディスプレイ装置の寿命(使用可能期間)を長くすることも重要であり、この
ためにもやはり放電電圧を低減することが重要となる。
本発明の目的は、発光効率が高くかつ放電電圧の低いプラズマディスプレイ装
置を実現することである。
PDPの放電ガスは、通常キセノン(Xe)ガスをその構成要素の少なくとも一部と
して含んでいる。これは、プラズマ中の励起Xeガスから発光する紫外線が蛍光体
発光に適しているからである。通常は、ネオンガスとキセノンガスとの混合ガス
(Ne+Xe)が用いられ、さらに他のガスが添加される場合もある。
PDPの発光効率を増大するには、紫外線発生効率を増大することが有効であり
、キセノンガスの組成比aXeを増大させるか、放電プラズマの電子温度Teを減少
させることが最も有効である。このことは、文献、Keizo Suzuki, Yoshimi Kawa
nami, Shirun Ho, Norihiro Uemura, Yusuke Yajima, Noriyuki Kouchi and Yos
hihiko Hatano: “Theoretical formulation of the VUV production efficien
cy in a plasna display panel”, J. Appl. Phys., Vol. 88, pp. 5605-5611 (
2000)、に示されている。特にキセノンガスの組成比aXeを増大させる方法は、手
段が簡単であるため実用的価値が大きい。キセノンガスの組成比aXeを増大させ
ることにより発光効率が増大するのは、放電ガス中に占めるXe原子の割合が大き
くなり蛍光体を発光させる紫外線がより多く形成されるからである。すなわち紫
外線発生効率が増大するからである。
ところが、キセノンガスの組成比aXeを増大させると放電に必要な印加電圧が
増大する。この理由は以下の通りである。PDPでは通常グロー放電が用いられて
おり、陰極表面にイオンが入射するときに発生する2次電子が放電発生と放電継
続を支援している。陰極表面の2次電子発生性能は、陰極表面に一個のイオンが
入射するときに発生する2次電子の個数で表現され、2次電子放出係数と呼ばれ
る。また、通常PDPでは電極は保護膜で覆われており、上記の陰極表面は保護膜
表面となる。通常のPDPでは、ネオン(Ne)ガスとキセノン(Xe)ガスを混合したガ
ス(Ne+Xe)が放電ガスとして用いられる。ネオンガスを組成成分として用いるの
は、陰極にネオンイオンNe+が入射したときの2次電子放出係数gNe+が大きく、
これにより放電電圧が低くなるからである。キセノンガスを組成成分として用い
るのは、上記したごとくプラズマ中の励起Xeガスから発光する紫外線が蛍光体発
光に適しているからである。さて、このようなPDPにおいてキセノンガスの組成
比aXeを増大させると陰極に入射するイオンに占めるキセノンイオンXe+の割合が
増大する。ところが、陰極にキセノンイオンNe+が入射したときの2次電子放出
係数gXe+がgNe+に比べて極めて小さいため、キセノンガスの組成比aXeの増大に
より放電電圧が増大してしまう。たとえば、保護膜として酸化マグネシウム(MgO
)を用いた場合、概略gNe+=0.25〜0.5、gXe+≦0.035である。このことは、文献、
S. Ho, M. Saji, S. Ihara, M. Shiiki, K. Suzuki, A. Yuhara, A. Yokoyama,
M. Ishigaki, R. Sato, N. Kouchi and Y. Hatano: “Numerical analysis of
discharge voltage and light emission efficiency in AC-PDPs”, IDW'98, P
DP1-2, pp. 479-482 (1998)に示されている。
本発明者らは、研究により、保護膜へのXe+イオン入射による2次電子放出係
数gXe+を増大すると放電電圧が低減することを明らかにした。また、2次電子放
出係数gXe+の値と放電電圧の関係を定量的に明らかにした。さらに、2次電子放
出係数gXe+を増大して放電電圧を低減することにより、放電の電子温度が低下し
て発光効率がさらに増大することも明らかにした。このような効果は、放電ガス
中のキセノンガスの組成比aXeを増大すると、一層顕著になることも明らかにし
た。特にaXeが8%以上において上記の効果は顕著である。
本発明の本質は、上記研究成果に基づき、低放電電圧、低コストで高発光高率
なPDPを実現する具体的技術を明らかにしたことである。
すなわち、本発明の特徴は、
(1)すくなくとも複数の放電セルを構成要素とするプラズマディスプレイパネル
を有するプラズマディスプレイ装置の、
上記放電セルは、該放電セルに電圧を印加するための電極と、該電極を少なくと
も部分的に覆う保護膜と、放電を形成するための放電ガスを少なくとも構成要素
の一部とし、
上記放電ガスは、キセノン(Xe)ガスを少なくとも構成要素の一部とし、
上記保護膜のXe+イオンに関する2次電子放出係数gXe+が0.05以上であるプラズ
マディスプレイ装置にある。
(2)上記保護膜のXe+イオンに関する2次電子放出係数gXe+が0.2以上であるこ
とがさらに好ましい。
(3)上記放電ガス中の上記Xeガスの組成比が8%以上であることが好ましい。
また、本発明の特徴は、
(4)すくなくとも複数の放電セルを構成要素とするプラズマディスプレイパネル
を有するプラズマディスプレイ装置の、
上記放電セルは、該放電セルに電圧を印加するための電極と、該電極を少なくと
も部分的に覆う保護膜と、放電を形成するための放電ガスを少なくとも構成要素
の一部とし、
上記放電ガスは、キセノン(Xe)ガスを少なくとも構成要素の一部とし、
上記放電ガス中の上記Xeガスの組成比が8%以上であり、
上記放電セルに電圧を印加するための電極に表示放電電極対が含まれており、
上記プラズマディスプレイパネルの駆動に表示放電が存在し、
上記表示放電において該表示放電電圧(上記表示放電電極対に印可する電圧差の
直流成分の絶対値)が170V以下であるプラズマディスプレイ装置にある。
さらに、本発明の特徴は、
(5)上記(1)から(4)のプラズマディスプレイ装置を用いた画像表示システムにあ
る。
本発明によれば、発光効率が高く放電電圧の低いプラズマディスプレイ装置を
実現できる。
(作用の説明)
保護膜へのXe+イオン入射による2次電子放出係数gXe+を増大することにより
放電電圧が低減すること、したがって放電ガス中のキセノンガス組成比aXeが大
きい条件で低電圧、低電子温度の放電が可能になり、したがって低放電電圧、低
コストで高発光高率なPDPを実現することができる。
以下、本発明の実施形態を説明する。
(基本構造と動作の説明)
図2は本発明を適用するPDPの構造の一部を示す分解斜視図であり、前面ガラス
基板21の下面には透明な共通電極(以降X電極と称す)22-1乃至22-2と、透明な
独立電極(以降Y電極または走査電極と称す)23-1乃至23-2を付設する。また、X
電極22-1乃至22-2とY電極23-1乃至23-2には、それぞれXバス電極24-1乃至24-2と
Yバス電極25-1乃至25-2を積層付設する。さらに、X電極22-1乃至22-2、Y電極23-
1乃至23-2、Xバス電極24-1乃至24-2、Yバス電極25-1乃至25-2を誘電体26によっ
て被覆し、酸化マグネシウム(MgO)等の保護膜(保護層ともいう)27を付設す
る。このようにして一体加工したものを前面板と呼ぶ。X電極22-1乃至22-2、Y電
極23-1乃至23-2、Xバス電極24-1乃至24-2、Yバス電極25-1乃至25-2をまとめて表
示放電電極(XとYの対の概念を含む時は表示放電電極対)と総称する。また、上
記ではX電極22-1乃至22-2、Y電極23-1乃至23-2を透明電極と説明したが、このほ
うが明るい(輝度の大きな)パネルができるからであり、必ずしも透明である必
要はないことは言うまでもない。また、保護膜27の材料として酸化マグネシウム
(MgO)を具体的に示したが、必ずしもこれである必要はない。保護膜27の目的
は、入射するイオンから表示放電電極と誘電体26を保護することと、イオン入射
に伴う2次電子放出により放電発生と放電継続を支援することであり、このよう
な目的を達することが出来れば他の材料であっても構わない。
一方、背面ガラス基板28の上面には、X電極22-1乃至22-2、Y電極23-1乃至23-2
と直角に立体交差する電極(以降A電極またはアドレス電極と称す)29を付設し
、該A電極29を誘電体30によって被覆し、該誘電体30の上に隔壁31をA電極29と平
行に設ける。さらに、隔壁31の壁面と誘電体30の上面によって形成される凹領域
の内側に蛍光体32を塗布する。このようにして一体加工したものを背面板と呼ぶ
図3は図2中の矢印D1の方向から見たPDPの断面図であり、画素の最小単位であ
るセル1個を示している。以下、セルのことを放電セルとも呼ぶ。
図3より、A電極29は2つの隔壁31の中間に位置し前面ガラス基板21と背面ガラ
ス基板28、隔壁31に囲まれた放電空間33にはプラズマを生成するためのガス(放
電ガス)を充填する。
尚、放電空間33は隔壁31により空間的に区切られることもあるし、隔壁31と前面
ガラス基板21の放電空間側面との間に間隙を設け空間的に連続にすることもある

カラーPDPでは、通常セル内に塗布する蛍光体には、赤、緑、青用の3種類が
ある。この3種類の別々の蛍光体を塗布した3セルをまとめて1画素とする。こ
のようなセル、または画素が複数個集合した領域を表示領域と呼ぶ。本発明を適
用するPDPは、このような表示領域を含み真空封着機能、電極取り出し機能等他
の必要な機能を有する。
図4は図2中の矢印D2の方向からみたPDPの断面図であり、1個のセルを示してい
る。セルの境界は概略点線で示す位置である。図4より、3は電子、4は正イオン
、5は正壁電荷、6は負壁電荷を示す。これは、PDPの駆動の中のある時点での電
荷の状態を表わしているものであり、その電荷配置に特別な意味は無い。
図4には、例として、Y電極23-1に負の電圧を、A電極29とX電極22-1に(相対的
に)正の電圧を印加して放電が発生、終了した模式図を表している。この結果、
Y電極23-1とX電極22-1の間の放電を開始するための補助となる壁電荷の形成(こ
れを書き込みと称す)が行われている。この状態でY電極23-1とX電極22-1の間に
適当な逆の電圧を印加すると、誘電体26(および保護膜27)を介して両電極の間
の放電空間で放電が起こる。放電終了後Y電極23-1とX電極22-1の印加電圧を逆に
すると、新たに放電が発生する。これを繰り返すことにより継続的に放電を形成
できる。これを表示放電(又は維持放電)と呼ぶ。
図5はPDPを用いたプラズマディスプレイ装置およびこれに映像源を接続した画
像表示システムを示す図である。駆動回路は,映像源からの表示画面の信号を受
取り,これを以下に説明するような手順でPDPの駆動信号に変換してPDPを駆動す
る。
図6は図2に示したPDPに1枚の画を表示するのに要する1TVフィールド期間の動
作を示す図である。図6(A)はタイムチャートである。(I)に示すように1T
Vフィールド期間40は複数の異なる発光回数を持つサブフィールド41乃至48に分
割されている。各サブフィールド毎の発光と非発光の選択により階調を表現する
。各サブフィールドは(II)に示すように予備放電期間49、発光セルを規定す
る書き込み放電期間50、発光表示期間51からなる。
図6(B)は、図6(A)の書き込み放電期間50においてA電極、X電極、およ
びY電極に印加される電圧波形を示す。波形52は従来技術による書き込み放電期
間50に於ける1本のA電極に印加する電圧波形、波形53はX電極に印加する電圧波
形、54、55はY電極のi番目と(i+1)番目に印加する電圧波形であり、それぞれ
の電圧をV0,V1,V2(V)とする。図6(B)より、Y電極のi行目にスキャンパ
ルス56が印加された時、A電極29との交点に位置するセルで書き込み放電が起こ
る。又、Y電極のi行目にスキャンパルス56が印加された時、A電極29がグランド
電位であれば書き込み放電は起こらない。このように、書き込み放電期間50に於
いてY電極にはスキャンパルスが1回印加され、A電極29にはスキャンパルスに対
応して発光セルではV0、非発光セルではグランド電位となる。この書き込み放電
が起こった放電セルでは、放電で生じた電荷がY電極を覆う誘電体および保護膜
の表面に形成される。この電荷によって発生する電界の助けによって後述する表
示放電のオンオフを制御できる。すなわち、書き込み放電を起こした放電セルは
発光セルとなり、それ以外は非発光セルとなる。
図6(C)は図6(A)の発光表示期間51の間に表示放電電極であるX電極とY
電極の間に一斉に印加される電圧パルスを示した。X電極には電圧波形58が、Y電
極には電圧波形59が印加される。どちらも同じ極性の電圧V3(V)のパルスが交
互に印加されることにより、X電極とY電極との間の相対電圧は反転を繰り返す。
この間にX電極とY電極の間の放電ガス中で起こる放電を表示放電と称す。ここで
は、表示放電はパルス的に交互に行なわれる。
以上では、書き込み放電期間と発光表示期間が分離している駆動方式(書き込
み表示分離駆動方式)で表示放電を説明したが、表示放電の本質は表示に必要な
発光を意図的に実現するための放電であり、他の駆動でもこのような放電を表示
放電と認識するのは言うまでもない。
以上、本発明を適用するPDP構成の一例を示した。
以下で、上記PDPの構成を基本として、本発明の実施例を説明する。
(特徴的構造と動作説明)
図1に、「本発明を適用するPDP構成の一例」に本発明を適用した時の放電、
発光特性をシミュレーションで評価した結果をまとめてある。用いたシミュレー
ション技術は、前出の文献、S. Ho, M. Saji, S. Ihara, M. Shiiki, K. Suzuki
, A. Yuhara, A. Yokoyama, M. Ishigaki, R. Sato, N. Kouchi and Y. Hatano
: “Numerical analysis of discharge voltage and light emission efficien
cy in AC-PDPs”, IDW'98, PDP1-2, pp. 479-482 (1998)、に記載してあり、放
電、発光特性に関して十分信頼できる結果を与える。図1において、gXe+は保護
膜表面にキセノンイオンXe+が入射したときの2次電子放出係数であり、
gXe+: 保護膜表面に1個のキセノンイオンXe+が入射したときに保護膜表面か
ら放出される電子の個数として定義される。実際に測定するためには、PDPから
保護膜の形成された前面板の一部を切り出し(または、同様の保護膜の形成され
た試料基板を別途作成し)、これを真空室に導入し、保護膜表面にキセノンイオ
ンXe+を照射し、キセノンイオンXe+の照射電流Ixe+と保護膜表面からの電子放出
に伴う電流Ieを求めることにより、
〔式1〕
Figure 2007087967
として実験的に求めることができる。測定法の詳細は、文献、Heiji Uchiike, K
enji Miura, Norihiko Nakayama, Tsutae Shinoda and Yoshifumi Fukushima:
”Secondary Electron Emission Characteristics of Dielectric Materials in AC-Operated Plasma Display Panels”, IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVI
CES, VOL. ED-23, NO. 11 (1976)、に記載されている。ここでは、キセノンイオ
ンXe+に関する2次電子放出係数gXe+について説明したが、他の入射イオン、例
えばネオンンイオンNe+に関する2次電子放出係数gNe+も、同様の測定により入
射ネオンイオンNe+電流INe+と放出電子電流Ieを求めることにより、
〔式2〕
Figure 2007087967
として実験的に求めることができる。Xeガス組成比aXeは、放電ガス中に占めるX
eガス原子の数密度比であり、放電ガスの全圧をPとし、Xeガスの分圧をPxeとす
ると、aXe=Pxe/Pとして定義される。また実験的には、質量分析器等を用いて放
電ガス中の原子(分子)組成とその比率を測定することによりaXeを求めること
ができる。図1中の放電ガス圧力Pは、通常の圧力測定装置により測定すること
ができる。表示放電電圧Vsは、図6(C)の発光表示期間51の間に表示放電電極
であるX電極とY電極の間に一斉に印加される電圧パルス58と59の電圧V3(V)の
ことであり。もっと厳密には、表示放電電極対(X電極とY電極)に印可する電圧
差の直流成分の絶対値のことである。ここで、直流成分と説明したのは、実際の
パネル駆動では配線の容量とインダクタンスにより表示放電電極対に印可する電
圧差が交流的に変動し、この交流変動成分を除いた部分であることを明確にする
ためである。実効的には、交流変動成分が減衰した時の電圧差と考えてもよい。
紫外線発生効率は、放電で形成される紫外線量(形成される紫外線の電力)を放
電形成に用いた電力で割った値である。発光効率比は、PDPの発光効率が紫外線
発生効率に比例するとして、従来駆動条件(gXe+=0.02, aXe=4%, P=500Torr)で
の発光効率を基準に規格化した値である。
図1より以下のことがわかる。
1.従来のPDPに用いられて保護膜では、保護膜表面でのキセノンイオンXe+の2
次電子放出係数gXe+は0.035以下であり、たとえばgXe+=0.02では発光効率を増大
させるためにaXeを大きくすると、表示放電電圧Vsが急激に増大してしまう。す
なわち、gXe+=0.02程度の低い値では、高発光効率と低表示放電電圧を同時に満
足することができない。
2.一方、gXe+を大きくすると、表示放電電圧Vsが減少して、かつ発光効率がさ
らに増大する。すなわち、gXe+を大きくすることにより、高発光効率と低表示放
電電圧を同時に満足することが可能となる。
3.gXe+≧0.05で2.の効果が現れ、表示放電電圧の低減と発光効率の増大を具
体的に実現できる。
4.gXe+=0.2では2.の効果はさらに顕著となり、例えば、gXe+=0.2, aXe=8%,
P=500Torrにおいて、実用的な表示放電電圧170Vを保持したままで発光効率を従
来値の1.52倍に増大することが可能となる。gXe+の値を0.2以上に大きくすれば
、2.の効果はさらに増大することは図1が示す傾向より明らかである。
5.aXeを8%以上にすると、aXe=4%に比べて発光効率は顕著な増大を示すが、gXe
+=0.02の従来条件では表示放電電圧が220V以上となり実用上の困難を生じる。し
かし、この表示放電電圧もgXe+を0.05さらには0.2以上にすると顕著な低減を示
し、回路コスト面から特別な実用的価値が生じる。すなわち、aXeが8%以上でgXe
+が0.05以上さらには0.2以上の条件は特別な実用的価値を持っている。
6.上記5.において表示放電電圧Vsが170V以下であることは従来の表示放電電
圧から増大しないという意味で特別な価値がある。今回の研究で、高発光効率を
実現できるaXe≧8%においてgXe+を0.2以上にすることによりVs≦170Vが実現でき
ることが明らかになった。すなわち、aXe≧8%でVs≦170Vは実現可能であり、か
つ特別な価値のある条件である。
7.放電ガス圧力を低下すると発光効率が低下するため、実用的にはP≧300Torr
が一般に用いられる条件である。このことと6.の結果を合わせると、P≧300To
rr かつaXe≧8%でVs≦170Vは実現可能であり、かつ特別な価値のある条件である
。このP≧300Torrの条件は、さらに実用的な信頼性を考慮するとP≧400Torrが望
ましい場合もある。
保護膜のgXe+を増大するには、複数の具体的方法が可能である。例えば、MgO
膜の結晶性、結晶欠陥、不純物の制御によっても可能である。また、MgO以外の
材料例えばBaO等の材料を用いることによっても可能である。これらの方法は、
文献、Sean J. Yoon, Insook Lee, Jong-Wan Lee and Byungdu Oh: “A Theore
tical Study of the Secondary Electron Emission from MgO Surface”, IDW'9
9 Proceedings of The Sixth International Display Workshops, PDP p1-7, pp
. 643-646 (1999)、および文献、Yasushi Motoyama, Hideomi Matsuzaki and Hi
roshi Murakami: “A Study of the Secondary Electron Yield g of Insulato
r Cathodes for Plasma Display Panels”, IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DE
VICES, VOL. 48, NO. 8 (2001)、に示されている。
本発明の第1の実施例を示した図。 本発明のプラズマディスプレイパネルの構造の一部を示す分解斜視図。 図2中の矢印D1の方向から見たプラズマディスプレイパネルの断面図。 図2中の矢印D2の方向から見たプラズマディスプレイパネルの断面図。 PDPを用いた画像表示システムを示した図。 PDPに1枚の画を表示する1TVフィールド期間の動作を示した図。
符号の説明
3…電子、4…正イオン、5…正壁電荷、6…負壁電荷、21…前面ガラス基板、22-1
乃至22-2…X電極、23-1乃至23-2…Y電極、24-1乃至24-2…Xバス電極、25-1乃至2
5-2…Yバス電極、26…誘電体、27…保護膜(保護層)、28…背面ガラス基板、29
…A電極、30…誘電体、31…隔壁、32…蛍光体、33…放電空間、40…TVフィール
ド、41乃至48、41-1乃至48-1、41-2乃至48-2…サブフィールド、49、49-1、49-2
…予備放電期間、50、50-1、50-2…書き込み放電期間、51…発光表示期間、52…
1本のA電極に印加する電圧波形、53…X電極に印加する電圧波形、54…Y電極のi
番目に印加する電圧波形、55…Y電極のi+1番目に印加する電圧波形、56…Y電極
のi行目に印加されるスキャンパルス、57…Y電極のi+1行目に印加されるスキャ
ンパルス、58…X電極に印加される電圧波形、59…Y電極に印加される電圧波形、
100…プラズマディスプレイパネルまたはPDP、101…駆動回路、102…映像源、10
3…プラズマディスプレイ装置。

Claims (4)

  1. すくなくとも複数の放電セルを構成要素とするプラズマディスプレイパネルを有するプラズマディスプレイ装置の、
    上記放電セルは、該放電セルに電圧を印加するための電極と、該電極を少なくとも部分的に覆う保護膜と、放電を形成するための放電ガスを少なくとも構成要素の一部とし、
    上記放電ガスは、キセノン(Xe)ガスを少なくとも構成要素の一部とし、
    上記保護膜のXe+イオンに関する2次電子放出係数gXe+が0.05以上であり、
    さらに、上記放電ガス中の上記Xeガスの組成比が8%以上であり、
    かつ、上記電圧が220V以下であることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
  2. 上記電圧が170V以下であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイ装置。
  3. 上記保護膜のXe+イオンに関する2次電子放出係数gXe+が0.2以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイ装置。
  4. 請求項1ないしは3のプラズマディスプレイ装置を用いた画像表示システム。
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