JP2007087681A - 電気的接続装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ケーブルからの外力作用時に、カバーハウジングの本体ハウジングからの離脱防止機構に局部的な荷重が集中的に作用して破損してしまうことを抑制する。
【解決手段】 接続用ハウジング要素12は、接続端子11を内部に支持する本体ハウジング14とこれに被さるよう取り付けられるカバーハウジング13とを有する。ケーブル支持部21は、接続用ハウジング要素12にて突設されてカバーハウジング13側の上側突設部44と本体ハウジング14側の下側突設部45とを有し、ケーブル9を支持する。凸部31は上側突設部44および下側突設部45のうちの一方に、凸部31と係合し合う凹部36はその他方に設けられる。凸部31側の係合面33には、接続用ハウジング要素12にてケーブル支持部21が突設されている方向に対して傾斜した面となるように形成されている傾斜面33bが設けられている。
【選択図】 図8

Description

本発明は、少なくとも1つの被接続端子を支持する被接続用ハウジング要素に対して接続される電気的接続装置に関する。
従来、自動車のエアバッグ装置用の点火管コネクタとして、電気コンタクトとフェライトビーズとを内部に支持する絶縁ハウジングとこの絶縁ハウジングに対して被せられて電気コンタクトおよびフェライトビーズを覆う蓋体とを備える電気的接続装置が知られている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された電気的接続装置では、絶縁ハウジングに略円筒形のハウジング本体とこのハウジング本体から突出する突出部とが備えられており、蓋体における蓋体本体がハウジング本体および突出部の上部を覆うように構成されている。そして、一端に電気コンタクトが取り付けられてハウジング本体から引き出されるように配置されている電線が、突出部と蓋体本体との間で支持されるようになっている。突出部の両側には、一対の蓋体係止突起が突出形成されており、蓋体本体の両側には一対の蓋体係止突起が係止されるように開口と係止爪とが設けられている一対の係止部が形成されている。係止爪が蓋体係止突起と当接して係止部が係止突起と係合することで、蓋体本体が突出部から離脱することが防止されるとともに電線が支持されるようになっている。
特開平10−241785号公報(第3−4頁、第1−3図)
特許文献1に記載された電気的接続装置は、絶縁ハウジングのハウジング本体から突出部が突出している方向に真っ直ぐに電線が引き出されている状態では、突出部の蓋体係止突起と蓋体本体の係止部とが適正な位置で係合するように形成されている。しかしながら、電線に外力が作用して電線と蓋体本体とが干渉することで蓋体本体を突出部から離脱させる方向に電線が引っ張られている状態では、突出部の蓋体係止突起に対して蓋体本体の係止部が適正な位置で係合せず、蓋体係止突起におけるエッジ状の部分に局部的な荷重が作用してしまうことになる。このため、蓋体係止突起の損傷を招いてしまい易いという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みることにより、接続端子を支持する本体ハウジングとこの本体ハウジングに対して被さった状態で取り付けられるカバーハウジングとを有する電気的接続装置において、これらのハウジングから引き出されるように配置されているケーブルに外力が作用した場合でも、カバーハウジングが本体ハウジングから離脱することを防止するための機構に局部的な荷重が集中的に作用して破損してしまうことを抑制することができる電気的接続装置を提供することを目的とする。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の電気的接続装置は、少なくとも1つの被接続端子を支持する被接続用ハウジング要素に対して接続される電気的接続装置に関する。
そして、本発明は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。即ち、本発明は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る電気的接続装置における第1の特徴は、前記被接続端子と電気的に接続される少なくとも1つの接続端子と、前記接続端子を内部に支持する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに対して被さった状態となるように取り付けられるカバーハウジングとを有し、前記被接続用ハウジング要素と嵌合により接続される接続用ハウジング要素と、前記接続用ハウジング要素において突設され、一端に前記接続端子が取り付けられて前記本体ハウジングから引き出されるように配置されているケーブルを支持するケーブル支持部であって、前記カバーハウジングに形成されている上側突設部と前記本体ハウジングに形成されている下側突設部とが前記ケーブルを挟むように設けられているケーブル支持部と、前記上側突設部および前記下側突設部のうちの一方に設けられる凸部と、前記上側突設部および前記下側突設部のうちの他方に設けられて前記凸部と係合し合うように形成されている凹部と、前記凸部と前記凹部とが係合した際に当該凹部と当接する当該凸部における係合面において、前記接続用ハウジング要素にて前記ケーブル支持部が突設されている方向に対して傾斜した面となるように形成されている傾斜面と、を備えていることである。
この構成によると、接続端子が支持された本体ハウジングにカバーハウジングが被さった状態となるように取り付けられると、上側突設部と下側突設部とを備えて構成されるケーブル支持部によってケーブルが支持される。このとき、凸部と凹部とが係合することでカバーハウジングが本体ハウジングから離脱することが防止される。この状態において、ケーブル支持部から引き出されるように配置されているケーブルに対して上側突設部に向かって引っ張り上げるような外力が作用すると、ケーブルと上側突設部とが干渉して上側突設部を下側突設部から離脱させる方向にケーブルが引っ張られることになる。このとき、凹部は、凸部の係合面においてケーブル支持部の突出方向に対して傾斜している傾斜面に強く当接することになり、凸部では、この傾斜面にて凹部から作用する荷重を分散させた状態で受けることができる。このため、ケーブルに外力が作用してケーブルと上側突設部とが干渉した場合であっても、凸部において局部的に荷重が集中してしまうことを防止できる。したがって、本発明によると、接続用ハウジング要素から引き出されるように配置されているケーブルに外力が作用した場合でも、カバーハウジングが本体ハウジングから離脱することを防止するための機構に局部的な荷重が集中的に作用して破損してしまうことを抑制することができる。
本発明に係る電気的接続装置における第2の特徴は、前記上側突設部には、前記凸部と前記凹部とが係合している状態において前記下側突設部の側部を覆うように配置される側壁部が設けられ、前記下側突設部には、当該下側突設部の端部において側方に向かって突設されているとともに、前記側壁部の端部と当接することで前記側壁部の変位を規制する押え部が設けられていることである。
この構成によると、ケーブルに外力が作用してケーブルと上側突設部とが干渉した場合に上側突設部の側壁部の端部が下側突設部の押え部と当接して側壁部の変位が規制されることになる。このため、凸部と凹部との間だけでなく側壁部の端部と押え部との間でも荷重を分散して支持することができ、凸部において局部的に荷重が集中してしまうことをさらに防止できる。
本発明に係る電気的接続装置における第3の特徴は、前記係合面には、前記傾斜面と隣接するとともに当該傾斜面に対して滑らかに連続するように形成されている曲面が設けられていることである。
この構成によると、凸部の係合面は、傾斜面の終端部分においてエッジ状の部分が形成されず滑らかな曲面として形成されているため、傾斜面の終端部分に局部的な荷重が集中的に作用してしまうことを防止できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しつつ説明する。本発明は、少なくとも1つの接続端子を支持する被接続用ハウジング要素に対して接続される電気的接続装置に対して広く適用することができる。本発明は、自動車に用いられる各種コネクタなどとして用いることができ、例えば、自動車用エアバッグガスシステムにおいてガス発生器に通電して着火するスクイブ用の電気的接続装置として用いることができるが、その用途に限らず、より広範な用途に対して適用でき、多くの異なる環境および各種の目的に適用することができる。
図1乃至図6は、本発明の一実施の形態に係る電気的接続装置1を例示したものである。図1は、電気的接続装置1を上側から見た斜視図であり、図2は、電気的接続装置1の上下を逆にした(底部を上側にした)状態での斜視図である。図3は、電気的接続装置1を被接続用ハウジング要素2に嵌合して接続した状態を示した平面図であり、図4は、電気的接続装置1の分解斜視図である。また、図5および図6は、電気的接続装置1を被接続用ハウジング要素2に嵌合して接続した状態を示したものであり、図5は切欠き断面とともに示した斜視図であって、図6は断面図である。
図1乃至図6に示すように、電気的接続装置1は、ソケットの形態の被接続用ハウジング要素2に対して接続されるプラグの形態として構成されている。電気的接続装置1内に支持される一対の接続端子11に対して一端が接続されるケーブル9は、その他端が図示しないエアバッグ制御システムに接続されている。そして、被接続用ハウジング要素2は、図示しないエアバッグ着火装置(スクイブ)の一部として備えられている。被接続用ハウジング要素2は被接続端子である一対のピン状端子10を支持している。電気的接続装置1が被接続用ハウジング要素2に嵌合されることで、電気的接続装置1と被接続用ハウジング要素2とが係合して機械的に接続され、且つ、一対の接続端子11と一対のピン状端子10とがそれぞれ接触して電気的に接続される。スクイブは、電気的接続装置1が被接続用ハウジング要素2に接続された状態で、エアバッグ制御システムからの指令に基づいて十分な電気エネルギがケーブル9を介して付与されることで燃焼する。この燃焼により、ガス発生材料が着火されて、図示しないエアバッグが展開することになる。
図4に示すように、電気的接続装置1は、接続端子11、接続用ハウジング要素12、ケーブル側ゴムシール15、フェライト部材16、端子側ゴムシール17、シールカバー18を備えて構成されている。
図4乃至図6に示すように、接続端子11は一対の雌型接続端子として構成されており、各接続端子11はそれぞれケーブル9の一端に圧着等の手段によって取り付けられている。この接続端子11は、前述のように、電気的接続装置1と被接続用ハウジング要素2とが嵌合されて接続されることで、被接続用ハウジング要素2に支持されている雄型のピン状端子10と電気的に接続されることになる。なお、本実施形態では一対(2極)の接続端子11を備える電気的接続装置1を例にとって説明しているが、1極または3極以上の端子を接続するための電気的接続装置であっても、本発明を適用することができる。
図4乃至図6に示すように、接続用ハウジング要素12は、カバーハウジング13と本体ハウジング14とを備えて構成されており、被接続用ハウジング要素2と嵌合により接続されるようになっている。カバーハウジング13および本体ハウジング14は、いずれとも非導電性のプラスチック材料で形成されている。
図7は、接続用ハウジング要素12の本体ハウジング14の斜視図である。本体ハウジング14は、図4乃至図7に示すように、接続端子11を内部に支持するとともに後述するケーブル側ゴムシール15が内部に配置されて被接続用ハウジング要素2と嵌合する部品として構成されている。この本体ハウジング14は、端子支持部19と筒状部20と後述するケーブル支持部21の一部である下側支持部45とを備えて構成されている。
本体ハウジング14の端子支持部19は、この本体ハウジング14において被接続用ハウジング要素2と嵌合される先端部分を形成しており、接続端子11を内部に支持するようになっている。端子支持部19の先端側である底面22には、ピン状端子10が挿通される孔23が形成されている。
本体ハウジング14の筒状部20は、略円筒状に延びる本体ハウジング14の胴体部分として構成されている。この筒状部20の内部には、接続端子11の端部が突出するとともに接続端子11に圧着されたケーブル9が引き出されるように配置されている。また、筒状部20の内部には、接続端子11およびケーブル9が挿通されるフェライト部材16およびケーブル側ゴムシール15が収納されるようになっている。また、本体ハウジング14の下側支持部45は、筒状部20の上部(先端部分とは反対側の端部)において側方に突出するように設けられている。
図9は、接続用ハウジング要素12のカバーハウジング13の斜視図である。カバーハウジング13は、図4乃至図6、図9に示すように、本体ハウジング14に対して被さった状態となるように取り付けられる部品として構成されている。そして、このカバーハウジング13は、蓋部25と周壁部26と後述するケーブル支持部21の一部である上側支持部44とを備えて構成されている。蓋部25は、本体ハウジング14の筒状部20の上部の開口を覆って塞ぐように形成されている。そして、蓋部25は上側支持部44と一体的に形成されており、上側支持部44が周壁部26に対して側方に突出するように設けられている。周壁部26は、本体ハウジング14の筒状部20の周壁に沿った形状になるように形成されており、筒状部20の周壁に沿って摺接させながら嵌め込まれるようになっている。また、周壁部26における下端側(本体ハウジング14に嵌め込まれる先端側)には、下端側から上端側に向かって広がるような形状に形成された係合突起27が設けられている。この係合突起27は、本体ハウジング14にカバーハウジング13が嵌め込まれた状態の接続用ハウジング要素12が被接続用ハウジング要素2に嵌合したときに、被接続用ハウジング要素2の内周に沿って形成されている係合溝28と係合するようになっている。このように係合突起27と係合溝28とが係合することで、電気的接続装置1と被接続用ハウジング要素2との機械的な接続が完成するようになっている。
ケーブル側ゴムシール15は、図4乃至図6に示すように、カバーハウジング13と本体ハウジング14との間を通過してピン状端子10と接続端子11との接触領域へと至る経路(図6参照)において水の浸入を遮断して防水機能を発揮するゴム栓として構成されている。ケーブル側ゴムシール15は、本体ハウジング14の内部に配置されている。そして、ケーブル側ゴムシール15には、本体ハウジング14の内壁48に沿って接触する側周部46と、接続端子11が一端に取り付けられているケーブル9が挿通されるとともにそのケーブル9の外周に接触する内径を有するように形成されている一対のケーブル用孔29とが設けられている(図6参照)。側周部46およびケーブル用孔29には、リブが設けられており、このリブが弾性変形してより高い接触圧で内壁48やケーブル9に密着することで、ケーブル側ゴムシール15による密封状態が形成されて防水機能が果たされることになる。
フェライト部材16は、電磁波ノイズの除去手段として電気的接続装置1に組み込まれるものである。車両に構築されたエアバッグシステムにおいて、ケーブルや車内の各種電子機器、ラジオや携帯電話など、外部からの種々の電磁波によってノイズ電流がスクイブに流れて誤爆が発生してしまうことがフェライト部材16によるノイズ除去機能によって防止される。このフェライト部材16には、図4乃至図6に示すように、一対の接続端子11がそれぞれ挿通される一対の貫通孔50が形成されている。
ここで、上述した接続用ハウジング要素12についてさらに詳しく説明する。図4乃至図6に示すように、接続用ハウジング要素12には、ケーブル支持部21が突設されている。ケーブル支持部21は、一端に接続端子11が取り付けられて本体ハウジング14から引き出されるように配置されているケーブル9を支持するようになっている。このケーブル支持部21には、前述のように、カバーハウジング13に形成されている上側突設部44と本体ハウジング14に形成されている下側突設部45とが備えられている。そして、上側突設部44と下側突設部45とは、本体ハウジング14にカバーハウジング13が取り付けられた状態では、本体ハウジング14から引き出されて屈曲した状態で配置されているケーブル9の引き出し部分49を上下に挟むように設けられている。このとき、ケーブル9は、下側突設部45に形成されている溝24に嵌め込まれた状態で支持される。なお、上側突設部44および下側突設部45には、ケーブル9の引き出し部分49を押圧することでケーブル9の位置決めを行う突起部分として形成されている位置決めリブ51が適宜箇所にそれぞれ設けられている。
図8は、本体ハウジング14における下側突設部45を部分的に拡大して示す斜視図である。図7および図8に示すように、ケーブル支持部21の下側突設部45には、その両側の側部30にそれぞれ凸部31が設けられている(図7および図8ではその一方のみを図示している)。また、図9によく示すように、ケーブル支持部21の上側突設部44には、本体ハウジング14にカバーハウジング13が取り付けられた状態で下側突設部45の側部30を覆うように配置される側壁部35が両側に設けられている。そして、この側壁部35の内側には、下側突設部45の凸部31と係合し合うように形成されている凹部36が設けられている。すなわち、カバーハウジング13が本体ハウジング14に取り付けられることで、上側突設部44と下側突設部45との間でケーブル9が挟持され、さらに、上側突設部44の側壁部35で下側突設部45の側部30が覆われるとともに凸部31と凹部36とが係合し合うことになる。また、下側突設部45には、その端部において両側の側方に向かってさらに突設されている押え部32が設けられている。この押え部32は、カバーハウジング13が本体ハウジング14に取り付けられた状態で、上側突設部44の側壁部35の端部と当接するように設けられており、これにより、その側壁部35の変位を規制するようになっている。
また、図8によく示すように、下側突設部45の凸部31には、この凸部31と上側突設部44の凹部36とが係合した際に凹部36と当接する凸部31における係合面33において、平行面33aに加えて傾斜面33bと曲面33cとが設けられている。平行面33aは、本体ハウジング14から下側突設部45が突設されている方向である突設方向に対して平行な面となるように形成されている。傾斜面33bは、上記突設方向に対して傾斜した面となるように形成されている。また、曲面33cは、傾斜面33bと隣接するとともにこの傾斜面33bに対して滑らかに連続する曲面として形成されている。なお、上側突設部44の凹部36には、下側突設部45の凸部31の係合面33と係合し合う形状の係合面が形成されている。
電気的接続装置1における残りの構成要素として、端子側ゴムシール17とシールカバー18とについて説明する。まず、端子側ゴムシール17は、図4乃至図6に示すように、本体ハウジング14の底面22に対して接触するように配置され、本体ハウジング14の端子支持部19に設けられてピン状端子10が挿通される孔23を通過してピン状端子10と接続端子11との接触領域へと至る経路(図6参照)において水の浸入を遮断して防水機能を発揮するゴム栓として設けられている。端子側ゴムシール17には、平板部38と筒状縁部37とが設けられている。平板部38には、本体ハウジング14と被接続用ハウジング要素2とが嵌合したときにピン状端子10が挿通されるとともにそのピン状端子10の外周に接触する内径を有するように形成されているピン用孔39が設けられている。ピン用孔39の内周には、突出するように形成されているリブが複数条設けられている。また、筒状縁部37は、平板部38の周囲において立設されるように形成されており、本体ハウジング14の先端側の端子支持部19の外周に被さるように形成されている。筒状縁部37の外周側および内周側には、それぞれ突出するように形成されているリブが複数条設けられている。このように、ピン用孔39の内周と筒状縁部37の内周および外周とにリブが設けられていることにより、このリブが弾性変形してより高い接触圧でピン状端子10や端子支持部19やシールカバー18に密着することで、端子側ゴムシール17による密封状態が形成されて防水機能が果たされることになる。
シールカバー18は、図4乃至図6に示すように、本体ハウジング14の底面22と被接続用ハウジング要素2との間に配置されるとともに、端子側ゴムシール17を本体ハウジング14の底面22との間で保持する機構として備えられている。このシールカバー18は、端子側ゴムシール17を覆うとともに本体ハウジング14の端子支持部19に対してその先端側に被さった状態になるように取り付けられるキャップ状に形成されている。そして、このシールカバー18は、本体ハウジング14が被接続用ハウジング要素2と嵌合したときに、被接続用ハウジング要素2と当接することで本体ハウジング14の底面22に向かって端子側ゴムシール17を押し付けるように配設されることになる。
次に、上述した構成を備える電気的接続装置1を組み立てる工程について説明する。まず、図10の斜視図に示すように、端子側ゴムシール17が本体ハウジング14の端子支持部19に対して図中矢印方向に嵌め込まれて、本体ハウジング14の底面22を覆って被さった状態になるように取り付けられる。そして、本体ハウジング14に対して端子側ゴムシール17が取り付けられると、図11に示すように、端子側ゴムシール17に被さった状態となるようにシールカバー18が図中矢印方向に取り付けられる。このとき、シールカバー18に設けられている係合孔41が本体ハウジング14に設けられている係合凸部42と係合することで、シールカバー18が端子側ゴムシール17を保持した状態で本体ハウジング14に対して固定されることになる。
本体ハウジング14に端子側ゴムシール17およびシールカバー18が取り付けられると、次いで、図12に示すように、本体ハウジング14の筒状部20の上方に設けられた開口43からフェライト部材16が図中矢印方向に挿入され、筒状部20の内部に配置される。そして、フェライト部材16が本体ハウジング14の内部に配置されると、続いて、図13に示すように、ケーブル側ゴムシール15が開口43から挿入されて、本体ハウジング14の内部に配置される。
本体ハウジング14の内部にフェライト部材16および端子側ゴムシール15が配置されると、図14に示すように、接続端子11が本体ハウジング14の開口43から図中矢印方向に挿入される。そして、接続端子11が端子側ゴムシール15のケーブル用孔29を挿通されてさらにフェライト部材16の貫通孔32にも挿通される。その後、図15に示すように、接続端子11に接続されているケーブル9が、折り曲げられてさらに本体ハウジング14のケーブル支持部21の溝24に嵌め込まれるように取り付けられる。そして、最後に、図16に示すように、図中矢印方向にカバーハウジング13が本体ハウジング14に被さった状態になるように取り付けられることで、電気的接続装置1が完成することになる。このとき、ケーブル支持部21においては、上側支持部44の凹部36と下側支持部45の凸部31とが係合した状態になっている。
図16に示すように組み立てられた電気的接続装置1は、被接続用ハウジング要素2に対して嵌合されることで、図5および図6に示すように、被接続用ハウジング要素2と機械的に接続され、このときピン状端子10と接続端子11とが電気的に接続されることになる。
そして、電気的接続装置1と被接続用ハウジング要素2との接続が完成している状態において、ケーブル支持部21から引き出されているケーブル9に対して図6において矢印Aで示すようにケーブル9を引っ張り上げる方向に外力が作用すると、上側突設部44を下側突設部45から引き離す方向に向かってケーブル9から上側突設部44に対して力が作用することになる。図17は下側突設部45の凸部31付近を拡大して示す図であるが、ケーブル9に対して図6に示す矢印A方向の外力が作用したとき、上側突設部44の凹部36から下側突設部45の凸部31に対しては、矢印Bで示すように、主として傾斜面33bに荷重が作用することになる。これにより、傾斜面33bで荷重を分散して支持することができ、凸部31の一箇所に荷重が集中的に作用してしまうことを防止することができる。一方、図18の比較説明のための模式図に示すように、例えば下側突設部45と同様に設けられる下側突設部45aの側部30aに従来技術のような突起31aが設けられている場合は、ケーブル9に外力が作用すると、矢印C方向に作用する荷重が突起31aのエッジ状の部分に集中的に作用することになり、突起31aの破損を招き易くなってしまう。
以上説明した電気的接続装置1によると、接続端子11が支持された本体ハウジング14にカバーハウジング13が被さった状態となるように取り付けられると、上側突設部44と下側突設部45とを備えて構成されるケーブル支持部21によってケーブル9が支持される。このとき、凸部31と凹部36とが係合することでカバーハウジング13が本体ハウジング14から離脱することが防止される。この状態において、ケーブル支持部21から引き出されるように配置されているケーブル9に対して上側突設部44に向かって引っ張り上げるような外力が作用すると、ケーブル9と上側突設部44とが干渉して上側突設部44を下側突設部45から離脱させる方向にケーブル9が引っ張られることになる。このとき、凹部36は、凸部31の係合面33においてケーブル支持部21の突出方向に対して傾斜している傾斜面33bに強く当接することになり、凸部31では、この傾斜面33bにて凹部36から作用する荷重を分散させた状態で受けることができる。このため、ケーブル9に外力が作用してケーブル9と上側突設部44とが干渉した場合であっても、凸部31において局部的に荷重が集中してしまうことを防止できる。
したがって、電気的接続装置1によると、接続用ハウジング要素12から引き出されるように配置されているケーブル9に外力が作用した場合でも、カバーハウジング13が本体ハウジング14から離脱することを防止するための機構に局部的な荷重が集中的に作用して破損してしまうことを抑制することができる。
また、電気的接続装置1によると、ケーブル9に外力が作用してケーブル9と上側突設部44とが干渉した場合に上側突設部44の側壁部35の端部が下側突設部45の押え部32と当接して側壁部35の変位が規制されることになる。このため、凸部31と凹部36との間だけでなく側壁部35の端部と押え部32との間でも荷重を分散して支持することができ、凸部31において局部的に荷重が集中してしまうことをさらに防止できる。
また、電気的接続装置1によると、凸部31の係合面33は、傾斜面33bの終端部分においてエッジ状の部分が形成されず滑らかな曲面33cとして形成されているため、傾斜面33bの終端部分に局部的な荷重が集中的に作用してしまうことを防止できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。例えば、接続用ハウジング要素やケーブル支持部、凸部、凹部の形状については、本実施形態において例示したものに限らず、特許請求の範囲に記載した限りにおいて広く変形して実施してもよい。また、本実施形態では、上側突設部に凹部が形成されて下側突設部に凸部が形成されている場合について説明したが、上側突設部に凸部が形成されて下側突設部に凹部が形成されているものであってもよい。
本発明の電気的接続装置は、少なくとも1つの被接続端子を支持する被接続用ハウジング要素に対して接続される電気的接続装置に対して広く適用することができる。例えば、自動車に用いられる各種コネクタなどとして用いることができるが、その用途に限らず、より広範な用途に対して適用でき、多くの異なる環境及び各種の目的に適用することができる。
本発明の一実施の形態に係る電気的接続装置を例示する斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の上下を逆にした状態での斜視図である。 図1に示す電気的接続装置を被接続用ハウジング要素に嵌合して接続した状態を示す平面図である。 図1に示す電気的接続装置の分解斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の被接続用ハウジング要素に嵌合して接続した状態を切欠き断面とともに示す斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の被接続用ハウジング要素に嵌合して接続した状態を示す断面図である。 図4に示す本体ハウジングの斜視図である。 図7に示す本体ハウジングを一部部分的に拡大して示す斜視図である。 図4に示すカバーハウジングの斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の組立工程を説明する斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の組立工程を説明する斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の組立工程を説明する斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の組立工程を説明する斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の組立工程を説明する斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の組立工程を説明する斜視図である。 図1に示す電気的接続装置の組立工程を説明する斜視図である。 図8に示す下側突設部の凸部付近を拡大して示す図である。 比較説明のために示す模式図である。
符号の説明
1 電気的接続装置
2 被接続用ハウジング要素
9 ケーブル
10 ピン状端子(被接続端子)
11 接続端子
12 接続用ハウジング要素
13 カバーハウジング
14 本体ハウジング
21 ケーブル支持部
31 凸部
36 凹部
33 係合面
33b 傾斜面
44 上側突設部
45 下側突設部

Claims (3)

  1. 少なくとも1つの被接続端子を支持する被接続用ハウジング要素に対して接続される電気的接続装置であって、
    前記被接続端子と電気的に接続される少なくとも1つの接続端子と、
    前記接続端子を内部に支持する本体ハウジングと、前記本体ハウジングに対して被さった状態となるように取り付けられるカバーハウジングとを有し、前記被接続用ハウジング要素と嵌合により接続される接続用ハウジング要素と、
    前記接続用ハウジング要素において突設され、一端に前記接続端子が取り付けられて前記本体ハウジングから引き出されるように配置されているケーブルを支持するケーブル支持部であって、前記カバーハウジングに形成されている上側突設部と前記本体ハウジングに形成されている下側突設部とが前記ケーブルを挟むように設けられているケーブル支持部と、
    前記上側突設部および前記下側突設部のうちの一方に設けられる凸部と、
    前記上側突設部および前記下側突設部のうちの他方に設けられて前記凸部と係合し合うように形成されている凹部と、
    前記凸部と前記凹部とが係合した際に当該凹部と当接する当該凸部における係合面において、前記接続用ハウジング要素にて前記ケーブル支持部が突設されている方向に対して傾斜した面となるように形成されている傾斜面と、
    を備えていることを特徴とする電気的接続装置。
  2. 前記上側突設部には、前記凸部と前記凹部とが係合している状態において前記下側突設部の側部を覆うように配置される側壁部が設けられ、
    前記下側突設部には、当該下側突設部の端部において側方に向かって突設されているとともに、前記側壁部の端部と当接することで前記側壁部の変位を規制する押え部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電気的接続装置。
  3. 前記係合面には、前記傾斜面と隣接するとともに当該傾斜面に対して滑らかに連続するように形成されている曲面が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電気的接続装置。
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