JP2007085251A - エンジンの燃料供給装置 - Google Patents

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Kazuyuki Yoshida
和之 吉田
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Abstract

【課題】必要とする燃料流量がエンジンの負荷に応じて変化する被燃料供給部に燃料を供給するためのエンジンの燃料供給装置において、燃料タンク内に戻す燃料を少なくして被燃料供給部に効率よく燃料を供給し得るようにする。
【解決手段】燃料吐出量を相互に異ならせて被燃料供給部に並列接続される複数の燃料ポンプ9,10の作動が、それらの燃料ポンプのうち作動せしめる燃料ポンプをエンジンの負荷に応じて選択するようにして、制御ユニット16で制御される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、必要とする燃料流量がエンジンの負荷に応じて変化する被燃料供給部に燃料を供給するためのエンジンの燃料供給装置に関する。
被燃料供給部に並列に接続される複数の燃料ポンプの異常を個別に検出するようにしておき、常時駆動される特定の燃料ポンプの異常が検出されたときには特定の燃料ポンプの作動を停止し、他の燃料ポンプの作動を開始するようにしたものが、特許文献1で知られている。
実開平2−149865号公報
ところが、上記特許文献1で開示されたものでは、複数の燃料ポンプが被燃料供給部に並列に接続されるものの、実質的には1つの燃料ポンプを作動せしめて被燃料供給部に燃料を供給するものである。そのため被燃料供給部で必要とされる燃料量が変化する場合には、被燃料供給部で必要とされる最大の燃料供給量を満足し得るように各燃料ポンプの吐出容量を定めておかねばならず、最大の燃料供給量未満の燃料を被燃料供給部に供給するときには、不要な燃料を燃料タンク側に戻しており、燃料ポンプを駆動するのに無駄なエネルギーを消費することになる。また燃料タンク側に戻される燃料が燃料タンク内を攪拌するのに伴ってタンク内に沈殿した塵が舞い上げられるのでその舞い上げられた塵によるサクションフィルタへの影響が生じないようにするための対策が必要となったり、泡立ちを防止するための泡消しフィルタが必要となったりする。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、燃料タンク内に戻す燃料を少なくして被燃料供給部に効率よく燃料を供給し得るようにしたエンジンの燃料供給装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、必要とする燃料量がエンジンの負荷に応じて変化する被燃料供給部に燃料を供給するためのエンジンの燃料供給装置であって、燃料吐出量を相互に異ならせて前記被燃料供給部に並列接続される複数の燃料ポンプと、それらの燃料ポンプのうち作動せしめる燃料ポンプをエンジンの負荷に応じて選択するようにして前記各燃料ポンプの作動を制御する制御ユニットとを含むことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成に加えて、前記複数の燃料ポンプが、共通な支持部材に支持されてケースに収納されることを特徴とする。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明の構成に加えて、燃料吐出量が相互に異なる第1および第2燃料ポンプの作動を制御する前記制御ユニットが、燃料吐出量が第2燃料ポンプよりも少ない第1燃料ポンプをエンジンの低負荷運転状態で作動せしめ、エンジンの高負荷運転状態で第1および第2燃料ポンプをともに作動せしめることを特徴とする。
さらに請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明の構成に加えて、前記燃料ポンプがそれらの燃料ポンプに共通に接続されるレギュレータとともに燃料タンク内に収納されることを特徴とする。
請求項1記載の発明によれば、複数の燃料ポンプは、燃料吐出量を相互に異ならせて被燃料供給部に並列接続されるものであり、それらの燃料ポンプのうち作動する燃料ポンプが、エンジンの負荷に応じて制御ユニットで選択されるので、被燃料供給部で必要とされる燃料量に応じて必要な燃料ポンプが作動することになり、燃料タンク側に戻す不要な燃料量を少なくし、複数の燃料ポンプで消費される電力量を最適に制御し、被燃料供給部に効率よく燃料を供給することができる。しかも燃料タンクへの燃料戻り量を少なく抑えることにより、燃料が燃料タンク内を攪拌するのも抑えることができ、サクションフィルタに対して有利となるだけでなく、泡立ちを防止するための泡消しフィルタも不要とすることができる。
また請求項2記載の発明によれば、複数の燃料ポンプが共通な支持部材に支持されるとともにケースに収納されるようにしてユニット化されるので、複数の燃料ポンプの配置および組付けが容易となる。
請求項3記載の発明によれば、燃料吐出量が相互に異なる第1および第2燃料ポンプの作動をエンジンの運転状態に応じて制御するにあたり、エンジンの低負荷運転状態および高負荷運転状態の切換時に第1燃料ポンプは停止することなく作動し続けるものであり、運転切換時の一時的な燃料不足が生じる心配がない。
さらに請求項4記載の発明によれば、燃料タンクからの配管が1つですみ、燃料供給システムをコンパクトに構成することができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。
図1および図2は本発明の一実施例を示すものであり、図1は燃料タンクの部分縦断面図、図2は燃料ポンプの制御系を示すブロック図である。
先ず図1において、自動二輪車が備える燃料タンク5の底壁5aには、燃料供給ユニット6が取付けられるものであり、この燃料供給ユニット6は、前記燃料タンク5の底壁5aに液密に取付けられる平板状の支持部材7と、該支持部材7に取付けられるケース8と、ケース8内に収容されて前記支持部材7に支持される複数たとえば一対である第1および第2燃料ポンプ9,10とを備える。
第1および第2燃料ポンプ9,10の吐出管9a,10aは前記ケース8の上方に配置される燃料供給管11に並列に接続されており、該燃料供給管11の一端には、第1および第2燃料ポンプ9,10に共通であるレギュレータ12が燃料供給管11内の燃料圧を一定に調圧するようにして接続され、レギュレータ12による調圧で不要となった燃料はレギュレータ12から燃料タンク5内に戻される。また前記燃料供給管11の他端に一端が接続される管路13は前記支持板7を液密に貫通し、支持部材7から突出した前記管路13の他端は、エンジンの負荷に応じて必要とする燃料流量を変化させる被燃料供給部である燃料噴射弁15に、ホース等の管路14を介して接続される。すなわち第1および第2燃料ポンプ9,10は燃料噴射弁15に並列に接続される。また燃料噴射弁15の近傍で前記管路14には、燃料噴射弁15に供給される燃料圧力を検出する燃料圧力センサ19が接続される。
しかも第1および第2燃料ポンプ9,10の燃料吐出量は相互に異ならせて設定されるものであり、第1燃料ポンプ9が、たとえば消費電流を14Vのとき1A前後として10〜20L/Hrの燃料を吐出し得るものであるときに、第2燃料ポンプ10は、たとえば消費電流を14Vのとき2A前後として第1燃料ポンプ9よりも大吐出量たとえば30〜50L/Hrの燃料を吐出し得るものである。
図2において、第1および第2燃料ポンプ9,10の作動は、制御ユニット16で制御されるものであり、制御ユニット16は、吸気圧検出器17で検出される吸気圧ならびにエンジン回転数検出器18で検出されるエンジン回転数に基づいてエンジンの負荷を判定し、第1および第2燃料ポンプ9,10のうち作動せしめる燃料ポンプをエンジンの負荷に応じて選択するようにして第1および第2燃料ポンプ9,10の作動を制御するとともに、燃料圧力センサ19で検出される燃料圧力によっても第2燃料ポンプ10の作動を制御する。
而してエンジンの負荷が小さくて燃料噴射弁15で必要とされる燃料量が小さいときには、制御ユニット16は第1燃料ポンプ9だけを作動せしめ、第2燃料ポンプ10は休止しておく。これにより燃料供給管11から管路13,14を介して燃料噴射弁15には、第1燃料ポンプ9で吐出される比較的少量の燃料が供給されることになり、レギュレータ12から燃料タンク5に戻される燃料量はごくわずかなものとなる。
またエンジンの負荷が大きくなり、燃料噴射弁15で多量の燃料が必要となったときには、制御ユニット16は第1燃料ポンプ9に加えて第2燃料ポンプ10も作動せしめることになる。これにより燃料供給管11から管路13,14を介して燃料噴射弁15には、第1および第2燃料ポンプ9,10で吐出される比較的多量の燃料が供給されることになる。
さらに第1燃料ポンプ9だけを作動せしめている状態で、燃料圧力センサ19で得られる燃料圧力が設定圧以下となったときに、制御ユニット16は、エンジン負荷にかかわらず第2燃料ポンプ10の作動を開始するように第2燃料ポンプ10の作動を制御する。このようにすると、第1燃料ポンプ9に不具合が生じた場合や、劣化した場合にも、燃料噴射弁15で必要とされる所定の噴射圧を維持することができる。
次にこの実施例の作用について説明すると、必要とする燃料流量がエンジンの負荷に応じて変化する燃料噴射弁15には、燃料吐出量を相互に異ならせた第1および第2燃料ポンプ9,10が並列に接続されており、第1および第2燃料ポンプ9,10のうち作動せしめる燃料ポンプが、エンジンの負荷に応じて制御ユニット16で選択される。
したがって、第1および第2燃料ポンプ9,10のうち燃料噴射弁15で必要とされる燃料流量に応じて必要な燃料ポンプが作動することになり、燃料タンク5側に戻す不要な燃料量を少なくし、第1および第2燃料ポンプ9,10で消費される電力量を最適に制御し、燃料噴射弁15に効率よく燃料を供給することができる。
これにより自動二輪車のエンジンで駆動され発電機の負荷を低く抑え、エンジンの燃費低減に寄与することができる。
しかも燃料タンク5への燃料戻り量を少なく抑えることにより、燃料の循環に伴う燃料温度の上昇を防止して燃料の劣化を防止することができるとともに、燃料が燃料タンク5内を攪拌するのを抑えることができ、サクションフィルタへの影響が生じ難くなるだけでなく、泡立ちを防止するための泡消しフィルタも不要とすることができる。
また第1および第2燃料ポンプ9,10は共通な支持部材7に支持されるとともにケース8に収納されるようにしてユニット化されており、第1および第2燃料ポンプ9,10の配置および組付けが容易となる。
また燃料吐出量が相互に異なる第1および第2燃料ポンプ9,10の作動を制御する制御ユニット16は、燃料吐出量が第2燃料ポンプ10よりも少ない第1燃料ポンプ9をエンジンの低負荷運転状態で作動せしめ、エンジンの高負荷運転状態で第1および第2燃料ポンプ9,10をともに作動せしめるようにしているので、エンジンの低負荷運転状態および高負荷運転状態の切換時に第1燃料ポンプ9は停止することなく作動し続けるものであり、運転切換時の一時的な燃料不足が生じる心配がない。
さらに第1および第2燃料ポンプ9,10は、それらの燃料ポンプ9,10に共通に接続されるレギュレータ12とともに燃料タンク5内に収納されており、燃料タンク5からの配管が1つですむので、燃料供給システムをコンパクトに構成することができる。
以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。
たとえば上記実施例では、自動二輪車の燃料噴射弁に燃料を供給するための燃料供給装置について説明したが、本発明は、四輪乗用車用の燃料供給装置にも適用可能である。
また上記実施例では、第1および第2燃料ポンプを備える燃料供給装置について説明したが、3以上の複数の燃料ポンプを備える燃料供給装置であってもよい。
燃料タンクの部分縦断面図である。 燃料ポンプの制御系を示すブロック図である。
符号の説明
5・・・燃料タンク
7・・・支持部材
8・・・ケース
9,10・・・燃料ポンプ
12・・・レギュレータ
15・・・被燃料供給部である燃料噴射弁
16・・・制御ユニット

Claims (4)

  1. 必要とする燃料流量がエンジンの負荷に応じて変化する被燃料供給部(15)に燃料を供給するためのエンジンの燃料供給装置であって、燃料吐出量を相互に異ならせて前記被燃料供給部(15)に並列接続される複数の燃料ポンプ(9,10)と、それらの燃料ポンプ(9,10)のうち作動せしめる燃料ポンプをエンジンの負荷に応じて選択するようにして前記各燃料ポンプ(9,10)の作動を制御する制御ユニット(16)とを含むことを特徴とするエンジンの燃料供給装置。
  2. 前記複数の燃料ポンプ(9,10)が、共通な支持部材(7)に支持されてケース(8)に収納されることを特徴とする請求項1記載のエンジンの燃料供給装置。
  3. 燃料吐出量が相互に異なる第1および第2燃料ポンプ(9,10)の作動を制御する前記制御ユニット(16)が、燃料吐出量が第2燃料ポンプ(10)よりも少ない第1燃料ポンプ(9)をエンジンの低負荷運転状態で作動せしめ、エンジンの高負荷運転状態で第1および第2燃料ポンプ(9,10)をともに作動せしめることを特徴とする請求項1または2記載のエンジンの燃料供給装置。
  4. 前記燃料ポンプ(9,10)がそれらの燃料ポンプ(9,10)に共通に接続されるレギュレータ(12)とともに燃料タンク(5)内に収納されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエンジンの燃料供給装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010007572A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Denso Corp 燃料供給装置
JP2010229963A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Honda Motor Co Ltd 燃料供給装置
JP2010228697A (ja) * 2009-03-30 2010-10-14 Honda Motor Co Ltd 燃料供給装置

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