JP2007085056A - 遮音天井装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】低周波帯域から高周波帯域までの広い周波数帯域の騒音を低減することができる遮音天井装置を提供する。
【解決手段】2階建て以上の建物における上階側床部Fの下方に設けられる下階側の遮音天井装置であって、上階側床部Fの下方に天井支持フレーム1を固定し、天井支持フレーム1の上部側には表面に錘2を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシート3を張架し、錘2付きシート3の下側に空気層4を介してグラスウール等の吸音層5を設け、吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム1の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7を配設してなる。
【選択図】図1
【解決手段】2階建て以上の建物における上階側床部Fの下方に設けられる下階側の遮音天井装置であって、上階側床部Fの下方に天井支持フレーム1を固定し、天井支持フレーム1の上部側には表面に錘2を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシート3を張架し、錘2付きシート3の下側に空気層4を介してグラスウール等の吸音層5を設け、吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム1の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7を配設してなる。
【選択図】図1
Description
本発明は、2階建て以上の建物における上階側の床部の下方に設けられる下階側の遮音天井装置に関するものである。
従来の2階建て以上の中高層住宅、特に鉄骨構造住宅において、上階側床部の下方に設けられる下階側の天井装置は、上階側床部に配設されているH形鋼からなる梁材に吊り金具を介して天井下地を設け、この天井下地の下部側にグラスウールやロックウール等からなる吸音層を形成し、この吸音層の下側に位置する天井下地の下部に石膏ボード等からなる天井板を配設したものが多く採用されている。しかし、このような遮音天井装置では、高周波帯域の騒音はグラスウール等の吸音層による吸音作用と石膏ボード等の天井板による遮音作用によって低減できるが、特に遮音が困難な低周波帯域の騒音を低減することができない。
グラスウール等の吸音層による吸音は、多孔質中での音の振動エネルギーを熱エネルギーに変換して吸収する方法であり、遮音は、重量の重い材料を用いて音の透過を防ぐ方法が一般的であるが、これらの方法以外として、例えば特許文献1に記載された騒音防止方法がある。これは、張力を与え且つ面的に細かく分割した薄膜に、音源よりの音波を透過させることにより、薄膜に振動を生じさせて分割された薄膜の各部分より位相が異なる種々の音波が放射され、音波の干渉を利用して騒音の低減を行なう方法であって、低周波帯域の騒音を低減することができるとされている。
特公平5−29920号公報
上記特許文献1の騒音防止方法は、これを天井装置に適用するにあたっては、工場等で一定の大きさにパネル化したものを建設現場で隙間無く敷設するようにすることが考えられるが、パネル化した場合には、現場でのパネルの敷設が難しく、施工時の誤差によってどうしてもパネル相互間に隙間が生じ、また特に重量床衝撃音に対しては、パネル相互が振動してぶつかり合い、新たな騒音を発生するなどの影響で期待する効果が出ない。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、低周波帯域から高周波帯域までの広い周波数帯域の騒音を有効に低減できると共に、建設現場での施工が容易となる遮音天井装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明は、2階建て以上の建物における上階側床部Fの下方に設けられる下階側の遮音天井装置であって、上階側床部Fの下方に天井支持フレーム1を固定し、この天井支持フレーム1の上部側には表面に錘2を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシート3を張架し、この錘2付きシート3の下側に空気層4を介してグラスウール等の吸音層5を設け、この吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム1の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7を配設してなることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、2階建て以上の建物における上階側床部Fの下方に設けられる下階側の遮音天井装置であって、上階側床部Fの下方に天井支持フレーム31を固定し、この天井支持フレーム31の上部側にグラスウール等の吸音層25を設け、この吸音層25の下側に空気層27を介して配置される、表面に錘2を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシート3を天井支持フレーム31に張架し、この錘2付きシート3の下側に空気層4を介してグラスウール等の吸音層5を設け、この吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム31の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7を配設してなることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2に記載の遮音天井装置において、前記錘2付きシート3は、その一方向両端部を天井支持フレーム1,31の一方向両端側の枠材8a,8aに巻き掛け、この両端巻き掛け端部どうしをターンバックル20を介して線条材21により対向方向に引張状態に連結してなることを特徴とする。
請求項4は、請求項1又は2に記載の遮音天井装置において、前記錘2付きシート3は、その一方向両端部を天井支持フレーム1,31の一方向両端側の枠材8a,8aに巻き掛け、この両端巻き掛け端部どうしをターンバックル20を介して線条材21により対向方向に引張状態に連結すると共に、当該シートの他方向両端部を天井支持フレームの他方向両端側の枠材8b,8bに固定してなることを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、請求項1に係る発明によれば、上階側床部Fから、天井支持フレーム1の上部側に張架された錘2付きシート3に騒音が入射すると、下方の吸音層5との間に空気層4を形成したシート3の全体が騒音の低音部分によって有効に振動し、同時に錘2によって、シート3全体の振動とは別に部分的な振動が錘2の配置箇所に生じ、この部分的な振動とシート3全体の振動とが相互作用で打ち消し合ってシート3全体の振動が減衰し、このシート3全体の振動の減衰によって、騒音の低周波帯域が遮音される。しかして、錘2付きシート3によって遮音できなかった騒音の一部は吸音層5によって吸収される。更に残る中周波帯域及び高周波帯域の騒音は、透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7により遮音される。従って、低周波帯域から高周波帯域までの広い周波数帯域の騒音を有効に低減することができる。
また、この遮音天井装置では、錘2付きシート3は、天井支持フレーム1に張架されるから、このシート3を天井全体に隙間無く張り渡すことができて不連続部が生じず、遮音性能を十分に発揮することができると共に、現場施工が容易となる。
請求項2に係る発明によれば、上階側の床部Fからの騒音が天井支持フレーム31の最上部にある吸音層25に入ると、一部の騒音、主として中周波帯域及び高周波帯域がこの吸音層25に吸収されて遮音され、この吸音層25で吸収されなかった騒音が錘2付きシート3に入射すると、下方の吸音層5との間に空気層4を形成したシート3の全体が騒音の低音部分によって有効に振動し、同時に錘2によって、シート3全体の振動とは別に部分的な振動が錘2の配置箇所に生じ、この部分的な振動とシート3全体の振動とが相互作用で打ち消し合って、シート3全体の振動が減衰し、このシート3全体の振動の減衰によって、騒音の低周波帯域が遮音される。しかして、錘2付きシート3で遮音できなかった騒音は吸音層5によって吸収され、更に残る中周波帯域及び高周波帯域の騒音は天井板7により遮音される。従って、低周波帯域から高周波帯域までの広い周波数帯域の騒音をより有効に低減することができる。また、錘2付きシート3は、天井支持フレーム1に張架されているから、このシート3を天井全体に隙間無く張り渡すことができて不連続部が生じず、遮音性能を十分に発揮することができると共に、現場施工が容易となる。
請求項3に係る発明によれば、錘2付きシート3の一方向両端部を天井支持フレーム1の一方向両端側の枠材8a,8aに巻き掛け、このシート3の両端巻き掛け端部どうしをターンバックル20を介して線条材21により対向方向に引張状態に連結しているから、天井支持フレーム1に張った錘2付きシート3を一方向に緩ませることなく緊張状態に保持することができ、それによって低周波帯域の騒音を有効に遮音することができる。
請求項4に係る発明によれば、錘2付きシート3の他方向両端部を天井支持フレーム1の他方向両端側の枠材8b,8bに固定しているから、天井支持フレーム1に張った錘2付きシート3を一方向及びこれと直交する他方向の何れの方向にもに緩ませることなく緊張状態に保持することができ、それによって低周波帯域の騒音をより一層有効に遮音することができる。
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1の(a) は本発明に係る遮音天井装置を示す一部省略平面図、(b) は(a) のX−X線断面図であり、図2は図1の(a) のY−Y線断面図である。この遮音天井装置は、例えば3階建て鉄骨構造住宅における夫々上階側床部の下方に設けられる下階側の遮音天井装置であって、上階側床部Fの下方に下階側天井の全域に亘るような天井支持フレーム1を固定し、この天井支持フレーム1の上部側に、表面に錘2を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシート3を張架し、この錘2付きシート3の下側に空気層4を介してグラスウールやロックウール等によってマット状に形成される吸音層5を設け、この吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム1の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等からなる天井板7を配設してなるものである。尚、床部Fは例えば発泡コンクリートからなるもので、例えばH形鋼からなる梁材11の上に載設される。
図3は錘2付きシート3を全面的に広げた状態の平面図で、このシート3が張架される天井支持フレーム1を仮想線で示している。図4の(a) は天井支持フレーム1の一部を示す斜視図、(b) は錘2付きシート3を張架した状態での一部斜視図である。これらの図面及び図1を参照すれば分かるように、天井支持フレーム1は、前後方向に延びる複数の縦枠材8aと左右方向に延びる複数の横枠材8bとを格子組してなる上部フレーム8と、この上部フレーム8とほぼ同様に複数の縦枠材9aと複数の横枠材9bとを格子状に枠組みしてなる下部フレーム9と、これらの上部フレーム8と下部フレーム9とを上下方向所要間隔で連結する複数の連結枠材10とによって構成され、これらの枠材8a,8b,9a,9bは夫々例えば鋼製パイプからなり、そして上部フレーム8の所要箇所には天井支持フレーム1を梁材11に懸吊して固定するための懸吊手段12が設けられている。
各懸吊手段12は、図5の(d) に示すように、下端部を天井支持フレーム1の上部フレーム8に固定した吊りボルト13からなるもので、吊りボルト13の上端部には掛止部材14の一端部を水平周りに回動可能に取り付けて、この掛止部材14の他端部をH形鋼からなる梁材11の下部フランジ11aに掛止させるようにしたものである。15は掛止部材取付用ボルトである。尚、この実施形態では、上階側床部Fの下方に天井支持フレーム1を固定するのに、上記のような懸吊手段12を採用しているが、このような懸吊手段12に限るものではなく、天井支持フレーム1を下階側の床部上に立設した支柱等を介して天井支持フレーム1を支持固定するようなものでもよい。
錘2付きシート3は、図1〜図5には図示を省略しているが、図6から分かるように、シート3の周辺部を除いてその全面に亘り錘16を一定間隔で規則的に固定したもので、この実施形態では、シート3として、例えば厚さ0.27mmの塩化ビニルシートを使用し、このシート3に、1個の重量が例えば50〜200グラムの錘2を、図6の(a) に示すように錘2どうしの左右方向及び前後方向の間隔が例えば50〜300mmとなるように一定間隔で規則的に取り付けている。
錘2をシート3に取り付けるには、図6の(b) ,(c) に示すように、錘2を、係合凸部2aoを有する雄部材2aと、係合凸部2aoが係合可能な係合凹部2boを有する雌部材2bとで形成し、しかしてシート3を挟んで例えばその上面側に雄部材2aを配置し、下面側に雌部材2bを配置し、この状態から雄部材2aの係合凸部2aoを雌部材2bの係合凹部2boに突入係合させることによって、雄雌両部材2a,2bを合体させると共に、シート3の所定位置に簡単容易に取付固定することができる。
尚、天井支持フレーム1と錘2付きシート3の具体的寸法の一例を参考までに示せば、図1の(a) に示すように、上部フレーム8の前後方向長さAは3660mm、その左右方向長さBは2660mm、上部フレーム8の縦枠材8aと横枠材8bとで区画される矩形状区画部の前後方向長さC及び左右方向長さDは夫々1000mmであり、各枠材8a,8b,9a,9bのパイプ外径は約27mmである。またシート3は、図3に示すように前後方向長さaが天井支持フレーム1の前後方向長さAと同じ3660mmであり、その左右方向長さbは、天井支持フレーム1の左右方向長さBよりも長い3060mmとなっている。
また、錘2付きシート3には、図3及び図6の(a) に示すように、シート3の周縁部に沿って一定ピッチで鳩目(紐等を通す環状の小座金)17が取り付けられ、また内側所要箇所には懸吊手段12の吊りボルト13を通すための鳩目18が取り付けられている。
次に、上記のような構成よりなる遮音天井装置の施工方法について説明する。
先ず、天井支持フレーム1の上部フレーム8に錘2付きシート3を張架するにあたり、図4の(b) から分かるように、錘2付きシート3の左右方向両端部に夫々鋼製パイプなどからなる支持バー19を取り付け、そして錘2付きシート3を上部フレーム8に上から被せた状態で、この錘2付きシート3の両端部を、上部フレーム8の左右両端の枠材8a,8aに巻き掛けて折り返した状態で、左右方向に対向する両支持バー19,19に、ターンバックル20を介設した線条材21を複数本架け渡して連結し、各線条材21に設けたターンバックル20を締め付けることによって両支持バー19,19を対向方向に引き寄せるように引張し、それによりこの錘2付きシート3を上部フレーム8の上面に沿って左右方向に緊張させた状態とする。また、この錘2付きシート3の前後方向端部は、上部フレーム8の前後両端の枠材8b,8bに固定する。
錘2付きシート3の左右方向両端部に夫々支持バー19を取り付けるには、図5の(a)
に示すように、シート3の端縁部に設けてある鳩目17に紐22を通して、この紐22により補強バー19をシート3の端部に縛り付けるようにすればよい。また、この錘2付きシート3を上部フレーム8に上から被せる際には、上部フレーム8に突設されている懸吊手段12の吊りボルト13をシート3の鳩目18に挿通させる。また、両支持バー19,19に、ターンバックル20を介設した線条材21を架け渡すには、各線条材21の両端部に図5の(b) に示すようなフック23を取り付けておいて、そのフック23を補強バー19に引っ掛けるようにすればよい。また、錘2付きシート3の前後方向端部を上部フレーム8の枠材8b,8bに固定するには、図4及び図5の(c) に示すように鳩目17に紐22を通して、この紐24でシート3の前後方向端部を枠材8bに縛り付けるようにすればよい。
に示すように、シート3の端縁部に設けてある鳩目17に紐22を通して、この紐22により補強バー19をシート3の端部に縛り付けるようにすればよい。また、この錘2付きシート3を上部フレーム8に上から被せる際には、上部フレーム8に突設されている懸吊手段12の吊りボルト13をシート3の鳩目18に挿通させる。また、両支持バー19,19に、ターンバックル20を介設した線条材21を架け渡すには、各線条材21の両端部に図5の(b) に示すようなフック23を取り付けておいて、そのフック23を補強バー19に引っ掛けるようにすればよい。また、錘2付きシート3の前後方向端部を上部フレーム8の枠材8b,8bに固定するには、図4及び図5の(c) に示すように鳩目17に紐22を通して、この紐24でシート3の前後方向端部を枠材8bに縛り付けるようにすればよい。
上記のようにして天井支持フレーム1の上部フレーム8に錘2付きシート3を張架したならば、この天井支持フレーム1を懸吊手段12によって梁材11に懸吊して固定する。即ち、各懸吊手段12の吊りボルト12に取り付けてある掛止部材14をH形鋼からなる梁材11の下部フランジ11aに掛止させる。この掛止作業に際しては、天井支持フレーム1を水平姿勢のまま梁材11のところまで持ち上げていくと、掛止部材14が下部フランジ11aに当たることから、この天井支持フレーム1を梁材11の手前側で左右方向に傾けて、左右何れか一方の端部側を一旦上階側床部Fの下面近くまで持ち上げた状態からその端部側の掛止部材14を梁材11の下部フランジ11aに掛止し、その後他方の端部側を持ち上げて、その端部側の掛止部材14を梁材11の下部フランジ11aに掛止すればよい。
こうして天井支持フレーム1を梁材11に懸吊して固定した後、この天井支持フレーム1の下部フレーム9上に、グラスウールやロックウール等によってマット状に形成された吸音層5を載設すると共に、この吸音層5と、天井支持フレーム1の上部フレーム8に張架された錘2付きシート3との間に空気層4を形成する。
この後、吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム1の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等からなる天井板7を配設する。天井下地6は、図1の(b)
及び図2に概略的に示すように、天井支持フレーム1の下端部に取り付けた複数の野縁受け6aと、これら野縁受け6aの下面側にそれらと直交するように取り付けられた複数の野縁6bとからなるもので、野縁6bに天井板7をビスによって取り付け固定する。
及び図2に概略的に示すように、天井支持フレーム1の下端部に取り付けた複数の野縁受け6aと、これら野縁受け6aの下面側にそれらと直交するように取り付けられた複数の野縁6bとからなるもので、野縁6bに天井板7をビスによって取り付け固定する。
上記のように施工される遮音天井装置において、上階側の床部Fから、天井支持フレーム1の上部側に張架された錘2付きシート3に騒音が入射すると、シート3全体は騒音の低音部分によって振動する。同時に錘2によって、シート3全体の振動とは別に部分的な振動が錘2の配置箇所に生ずる。この部分的な振動とシート3全体の振動とが相互作用で打ち消し合って、シート3全体の振動が減衰する。このシート3全体の振動の減衰によって、騒音の低周波帯域(例えば50Hz〜80Hz)が遮音される。この場合、錘2付きシート3とこれの下方の吸音層5との間に空気層5を介在させているから、シート3の振動を有効に行なわせることができる。
しかして、錘2付きシート3によって遮音できなかった騒音は、グラスウール等からなる吸音層5によって吸収される。更に残る中周波帯域及び高周波帯域の騒音(例えば400Hz〜4000Hz)は、透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7により遮音される。従って、低周波帯域から高周波帯域までの広い周波数帯域の騒音を低減することができる。
また、この遮音天井装置では、錘2付きシート3は、錘2付きシート3は、前後方向に延びる複数の縦枠材8aと左右方向に延びる複数の横枠材8bとを格子組してなる上部フレーム8上に張り渡されるから、中央部側がたるんだりするようなことがなく、シート状態を維持できて、遮音性能を十分に発揮することができる。この場合、シート3に、1個が50〜200グラム程度の錘2を左右方向及び前後方向の間隔が50〜300mmとなるように取り付けた時、上部フレーム8の縦枠材8aと横枠材8bとの格子組により区画される矩形状区画部の前後方向長さC及び左右方向長さD(図1の(a) 参照)を、夫々1m〜2m程度とすることにより、その上部フレーム8上に錘2付きシート3をたるませることなく良好に張架することができる。
そして、この遮音天井装置においては、錘2付きシート3の一方向(例えば左右方向)両端部を天井支持フレーム1の一方向両端側の枠材8a,8aに巻き掛け、このシート3の両端巻き掛け端部どうしをターンバックル20を介して線条材21により対向方向に引張状態に連結しているから、天井支持フレーム1の上部フレーム8に張った錘2付きシート3を一方向に緩ませることなく緊張状態に保持することができ、それによって低周波帯域の騒音を有効に遮音することができる。更に、錘2付きシート3の他方向(前後方向)両端部を天井支持フレーム1の他方向両端側の枠材8b,8bに固定しているから、天井支持フレーム1の上部フレーム8に張った錘2付きシート3を一方向及びこれと直交する他方向の何れの方向にもに緩ませることなく緊張状態に保持することができ、それによって低周波帯域の騒音をより一層有効に遮音することができる。
図7は図1及び図2によって示される遮音天井装置の上部側に吸音層25を設けてなる他の遮音天井装置を示すもので、図7の(a) は図1の(b) に対応する断面図、図7の(b)
は図2に対応する図面である。即ち、この遮音天井装置は、上階側床部Fの下方に天井支持フレーム31を固定し、この天井支持フレーム31の上部側にグラスウールやロックウール等からなる吸音層25を設け、この吸音層25の下側に空気層27を介して配置される、表面に錘2を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシート3を天井支持フレーム31に張架し、この錘2付きシート3の下側に空気層4を介してグラスウール等の吸音層5を設け、この吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム31の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7を配設したものである。
は図2に対応する図面である。即ち、この遮音天井装置は、上階側床部Fの下方に天井支持フレーム31を固定し、この天井支持フレーム31の上部側にグラスウールやロックウール等からなる吸音層25を設け、この吸音層25の下側に空気層27を介して配置される、表面に錘2を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシート3を天井支持フレーム31に張架し、この錘2付きシート3の下側に空気層4を介してグラスウール等の吸音層5を設け、この吸音層5の下側に位置する天井支持フレーム31の下部側に天井下地6を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7を配設したものである。
天井支持フレーム31は、図4に示されるような天井支持フレーム1の上側に最上部フレーム26を増設したような構造のもので、天井支持フレーム1の同じ部材については同じ符号を示して説明を省略する。最上部フレーム26は、懸吊手段12を介して上部フレーム8に一体的に連結されたもので、この最上部フレーム26の上面側にグラスウール等からなる吸音層25を配設し、この吸音層25と下方の錘2付きシート3との間に空気層27を形成している。他の構造については、図1〜図6により説明した前記遮音天井装置と同じであるため、説明を省略する。
この図7に示すような構成よりなる遮音天井装置によれば、上階側の床部Fからの騒音が、天井支持フレーム31の最上部フレーム26に配設された吸音層25に入ると、一部の騒音(主として中周波帯域及び高周波帯域)がこの吸音層25に吸収されて遮音され、この吸音層25で吸収されなかった騒音が、上部フレーム8に張架された錘2付きシート3に入射すると、このシート3全体が騒音の低音部分によって振動し、同時に錘2によって、シート3全体の振動とは別に部分的な振動が錘2の配置箇所に生じ、この部分的な振動とシート3全体の振動とが相互作用で打ち消し合ってシート3全体の振動が減衰する。このシート3全体の振動の減衰によって、騒音の低周波帯域が遮音される。この場合も、錘2付きシート3とこれの下方の吸音層5との間に空気層5を介在させているから、シート3の振動を有効に行なわせることができる。しかして、錘2付きシート3によって遮音できなかった騒音は、グラスウール等からなる吸音層5によって吸収される。更に残る中周波帯域及び高周波帯域の騒音は、透過損失の大きな石膏ボード等の天井板7により遮音される。従って、低周波帯域から高周波帯域までの広い周波数帯域の騒音をより有効に低減することができる。
また、上述した図1及び図7の何れの遮音天井装置においても、錘2付きシート3は、天井支持フレーム1に張架されるから、このシート3を天井全体に隙間無く張り渡すことができて不連続部が生じず、遮音性能を十分に発揮することができると共に、現場施工が容易となる。
1,31 天井支持フレーム
2 錘
3 シート
4,27 空気層
5,25 吸音層
6 天井下地
7 天井板
8 天井支持フレームの上部フレーム
9 天井支持フレームの下部フレーム
12 懸吊手段
20 ターンバックル
21 線条材
2 錘
3 シート
4,27 空気層
5,25 吸音層
6 天井下地
7 天井板
8 天井支持フレームの上部フレーム
9 天井支持フレームの下部フレーム
12 懸吊手段
20 ターンバックル
21 線条材
Claims (4)
- 2階建て以上の建物における上階側床部の下方に設けられる下階側の遮音天井装置であって、上階側床部の下方に天井支持フレームを固定し、この天井支持フレームの上部側には全面に亘って錘を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシートを張架し、この錘付きシートの下側に空気層を介してグラスウール等の吸音層を設け、この吸音層の下側に位置する天井支持フレームの下部側に天井下地を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板を配設してなる遮音天井装置。
- 2階建て以上の建物における上階側床部の下方に設けられる下階側の遮音天井装置であって、上階側床部の下方に天井支持フレームを固定し、この天井支持フレームの上部側にグラスウール等の吸音層を設け、この吸音層の下側に空気層を介して配置される、全面に亘って錘を一定間隔で規則的に固定した可撓性のシートを天井支持フレームに張架し、この錘付きシートの下側に空気層を介してグラスウール等の吸音層を設け、この吸音層の下側に位置する天井支持フレームの下部側に天井下地を介して透過損失の大きな石膏ボード等の天井板を配設してなる遮音天井装置。
- 前記錘付きシートは、その一方向両端部を天井支持フレームの一方向両端側の枠材に巻き掛け、この両端巻き掛け端部どうしをターンバックルを介して線条材により対向方向に引張状態に連結してなる請求項1又は2に記載の遮音天井装置。
- 前記錘付きシートは、その一方向両端部を天井支持フレームの一方向両端側の枠材に巻き掛け、この両端巻き掛け端部どうしをターンバックルを介して線条材により対向方向に引張状態に連結すると共に、当該シートの他方向両端部を天井支持フレームの他方向両端側の枠材に固定してなる請求項1又は2に記載の遮音天井装置。
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