JP2007084706A - ゴム組成物 - Google Patents

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Kazuya Tsukamoto
一也 塚本
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Abstract

【課題】ゴム成分に配合する際の加工性と高い耐湿熱接着性を維持しながら、レゾルシンやRF樹脂を配合した際に見られるブルームが極力抑制されており、経時変化が小さく、安定した接着性を発現することが可能なゴム組成物を提供する。
【解決手段】ゴム成分100質量部に対し、硫黄1〜10質量部と、下記一般式(1):
【化1】
Figure 2007084706

[式中、Rは、水素、炭素数1〜12の脂肪族基、脂環式基、又は置換若しくは非置換の芳香族基であり、nは1〜5の整数である]で表される化合物0.1〜10質量部とを配合して、ゴム組成物を構成する。
【選択図】なし

Description

本発明は、空気入りタイヤや工業用ベルト等のゴム物品に用いられるスチールコード等の金属補強材との接着耐久性に優れたゴム組成物に関し、更に詳しくは、ゴム配合時の加工性が良好であり、混合、保管条件に左右されず、ゴム組成物の経時変化が小さく、金属補強材に対する初期接着性及び耐湿熱接着性が安定且つ良好な金属補強材のコーティングゴム用ゴム組成物に関するものである。
自動車用タイヤ、コンベアベルト、ホース等、特に強度が要求されるゴム製品には、ゴムを補強して強度及び耐久性を向上させる目的で、スチールコード等の金属補強材をゴム組成物で被覆した複合材料が用いられている。該ゴム−金属複合材料が高い補強効果を発揮して信頼性を得るためには、ゴム−金属補強材間に安定した経時変化の少ない接着が必要である。かかる複合材料を得るために、亜鉛、黄銅(真鍮)等でメッキされたスチールコード等の金属補強材を、硫黄を配合したゴム組成物に埋設し、加熱加硫時にゴムの加硫と同時に接着させる、いわゆる直接加硫接着が広く用いられており、これまで、該直接加硫接着におけるゴム−金属補強材間の接着性、特に耐湿熱接着性を向上させるための様々な検討が行われている。
例えば、レゾルシン又は、レゾルシンとホルムアルデヒドとを縮合して得られるレゾルシン−ホルムアルデヒド樹脂(以下、「RF樹脂」と略記する)を耐湿熱接着性向上の目的で配合したゴム組成物が報告されている(特許文献1参照)。RF樹脂を配合することで、スチールコードとゴムとの耐湿熱接着性は、確かに飛躍的に向上する。
しかしながら、レゾルシンやRF樹脂は極性が非常に高いためゴムとの相溶性に乏しく、混合、配合、貯蔵等の条件によって、レゾルシンやRF樹脂が析出するいわゆるブルームが発生するため、ゴム物品の外観を損ねる恐れがある。また、ブルーム発生により、該ゴム組成物を配合してから加硫接着まで長期間貯蔵すると接着性が低下するといった問題が生じるため、レゾルシンやRF樹脂を配合したゴム組成物は速やかに加硫接着させる必要があり、ゴム物品の生産性を損ねかねない。
特開2001−234140号公報
そこで、本発明は、ゴム成分に配合する際の加工性と高い耐湿熱接着性を維持しながら、レゾルシンやRF樹脂を配合した際に見られるブルームが極力抑制されており、経時変化が小さく、安定した接着性を発現することが可能なゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意検討した結果、特定構造の化合物をゴム成分に所定量配合したゴム組成物が、レゾルシンやRF樹脂を配合したゴム組成物と同等の耐湿熱接着性を維持しつつ、該ゴム組成物の問題点である加工性の低下やブルームの発生が抑制されており、配合、貯蔵等の条件によらず安定した接着性を発現できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄1〜10質量部と、下記一般式(1):
Figure 2007084706

[式中、Rは、水素、或いは炭素数1〜12の脂肪族基、脂環式基又は置換若しくは非置換の芳香族基であり、nは1〜5の整数である]で表される化合物0.1〜10質量部とを配合してなることを特徴とする。
本発明のゴム組成物の好適例においては、上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2):
Figure 2007084706

[式中、Rは、水素、或いは炭素数1〜12の脂肪族基、脂環式基又は置換若しくは非置換の芳香族基である]で表される化合物である。ここで、上記一般式(2)で表される化合物の中でも、上記一般式(2)中のRが水素又は炭素数1〜12のアルキル基である化合物が好ましく、上記一般式(2)中のRがメチル基である化合物及び上記一般式(2)中のRが水素である化合物が特に好ましい。
本発明のゴム組成物は、更に有機酸コバルト塩を前記ゴム成分100質量部に対しコバルト量として0.03〜1質量部含むことが好ましい。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分が、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方よりなる。
本発明のゴム組成物の他の好適例においては、前記ゴム成分が、50質量%以上の天然ゴム及び残部合成ゴムよりなる。
また、本発明は、接着向上剤を提供するものであり、即ち、本発明の接着向上剤は、上記一般式(2)で表される化合物を含むことを特徴とする。
本発明によれば、配合時の加工性と高い耐湿熱接着性を維持しながら、スチールコード等の金属補強材との初期接着性及び耐湿熱接着性の経時変化が抑制されたゴム組成物を提供することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。本発明のゴム組成物は、ゴム成分100質量部に対し、硫黄1〜10質量部と、上記一般式(1)で表される化合物0.1〜10質量部とを配合してなることを特徴とする。本発明のゴム組成物に配合される上記一般式(1)で表される化合物は、レゾルシンやRF樹脂に比べゴム成分と混ざり易いという特徴がある。そのため、一般式(1)の化合物を配合したゴム組成物は、レゾルシンやRF樹脂を配合したゴム組成物よりもブルームしにくい傾向がある。これは、一般式(1)の化合物がレゾルシンやRF樹脂に比べて極性が低いためであると推定される。更に、本発明のゴム組成物は、経時変化が少なく、貯蔵期間に関わらず安定した接着性を発現する。
本発明のゴム組成物のゴム成分としては、ゴム弾性を示すものであれば特に制限はないが、天然ゴムの他、ビニル芳香族炭化水素/共役ジエン共重合体、ポリイソプレンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ハロゲン化ブチルゴム、エチレン−プロピレンゴム等の合成ゴム等の公知のゴムの総てを用いることができる。該ゴム成分は1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。金属補強材との接着特性及びゴム組成物の破壊特性の観点から、該ゴム成分は、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方よりなるか、50質量%以上の天然ゴムを含み残部が合成ゴムであることが好ましい。
本発明のゴム組成物に配合される硫黄としては、特に制限はないが、通常粉体を用いる。本発明のゴム組成物に配合される硫黄の配合量は、ゴム成分100質量部に対して1〜10質量部の範囲であり、3〜8質量部の範囲が好ましい。硫黄の配合量がゴム成分100質量部に対して1質量部以上であると、スチールコード等の金属補強材との接着性の点で好ましく、10質量部以下であると、過剰な接着層の生成が抑制されるため、接着性が低下しないので好ましい。
本発明のゴム組成物に配合される上記一般式(1)で表される化合物において、式中のRは、水素、或いは、炭素数1〜12の脂肪族基、脂環式基、又は置換若しくは非置換の芳香族基であり、nは1〜5の整数である。ここで、nが2以上の場合、一般式(1)中の複数のRは、それぞれ同一でも異なってもよい。一般式(1)で表される化合物としては、例えば、一般式(2)で表される化合物が挙げられる。一般式(2)中のRは、一般式(1)中のRと同義である。
ここで、上記脂肪族基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基等の直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、ビニル基、プロペニル基等のアルケニル基が挙げられる。また、上記脂環式基としては、シクロへキシル基等が挙げられ、上記芳香族基としては、フェニル基、p-メチルフェニル基等が挙げられる。なお、上記一般式(1)中のRとしては、水素及びアルキル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
本発明のゴム組成物に配合される一般式(1)の化合物の具体例としては、安息香酸-2-ヒドロキシフェニルエステル、安息香酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、安息香酸-4-ヒドロキシフェニルエステル、p-トルイル酸-2-ヒドロキシフェニルエステル、p-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、p-トルイル酸-4-ヒドロキシフェニルエステル、m-トルイル酸-2-ヒドロキシフェニルエステル、m-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、m-トルイル酸-4-ヒドロキシフェニルエステル、4-エチル安息香酸-2-ヒドロキシフェニルエステル、及び3-エチル安息香酸-2-ヒドロキシフェニルエステル等が挙げられる。これらの中でも、安息香酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、安息香酸-4-ヒドロキシフェニルエステル、p-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、p-トルイル酸-4-ヒドロキシフェニルエステル、m-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、及びm-トルイル酸-4-ヒドロキシフェニルエステルが好ましく、安息香酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、p-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステル、及びm-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステルが特に好ましい。
上記一般式(1)で表される化合物の製造法は特に限定されないが、例えば、下記一般式(3):
Figure 2007084706

[式中、Rは、水素、或いは炭素数1〜12の脂肪族基、脂環式基又は置換若しくは非置換の芳香族基であり、Xはハロゲン原子を表し、nは1〜5の整数である]で表される芳香族カルボン酸ハライドと、下記一般式(4):
Figure 2007084706

で表される化合物とを塩基の存在下または非存在下で反応させることで、上記一般式(1)で表される化合物を製造することができる。
上記一般式(3)中のR及びnは、上記一般式(1)中のR及びnと同義である。また、一般式(3)中のXはハロゲン原子を表し、該ハロゲン原子としては、塩素原子及び臭素原子が好ましい。
上記一般式(3)で表される化合物としては、安息香酸クロライド、p-トルイル酸クロライド、m-トルイル酸クロライド、安息香酸ブロマイド、p-トルイル酸ブロマイド、及びm-トルイル酸ブロマイド等が挙げられる。これらの中でも、安息香酸クロライド、p-トルイル酸クロライド、及びm-トルイル酸クロライドが好ましい。
一方、上記一般式(4)で表される化合物としては、カテコール、レゾルシン及びハイドロキノンが挙げられる。これらの中でも、レゾルシンが好ましい。
一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを反応させる際に使用する塩基としては、通常、ピリジン、β-ピコリン、N-メチルモルホリン、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン等の有機塩基が用いられる。
一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを反応させる際、原料を溶解させること等を目的として溶媒を用いることができる。該溶媒としては、上述の有機塩基をそのまま溶媒として使用してもよいし、反応を阻害しない他の有機溶媒を用いてもよい。このような溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン等のエーテル系溶媒が挙げられる。
一般式(3)で表される化合物と一般式(4)で表される化合物とを反応させる際の反応温度は、特に限定されず、通常、−20℃〜100℃の範囲である。
前記の反応により得られる一般式(1)で表される化合物は、公知の方法により反応混合物から単離することができる。即ち、減圧蒸留等の操作により、反応に用いた有機塩基及び一般式(4)で表される化合物、反応に有機溶媒を使用した場合にはこの有機溶媒を留去し乾固させる方法、反応混合物に一般式(1)で表される化合物の貧溶媒を添加して再沈殿させる方法、反応混合液に水及び水と混和しない有機溶媒を添加して有機層に抽出する方法等が挙げられる。また、場合によっては再結晶により精製してもよい。
上記一般式(1)で表される化合物の貧溶媒としては、通常、水が用いられる。また、上記水と混和しない有機溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類が用いられる。
本発明のゴム組成物において、上記一般式(1)で表される化合物の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲であり、0.3〜6質量部の範囲が好ましい。一般式(1)の化合物の配合量がゴム成分100質量部に対して0.1質量部以上であると、ゴム組成物の湿熱接着性が向上し、10質量部以下であると、一般式(1)の化合物のブルームを抑制できる点で好ましい。なお、本発明のゴム組成物において、一般式(1)で表される化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のゴム組成物には、更に有機酸コバルト塩を配合することができる。該有機酸コバルト塩としては、例えば、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルト、ネオデカン酸コバルト、ロジン酸コバルト、バーサチック酸コバルト、トール油酸コバルト等が挙げられる。該有機酸コバルト塩は、有機酸の一部をホウ酸等で置き換えた複合塩でもよい。具体的には、マノボンド(商標:OMG製)等が挙げられる。該有機酸コバルト塩の配合量は、上記ゴム成分100質量部に対してコバルト量として0.03〜1質量部の範囲が好ましい。有機酸コバルト塩の配合量がゴム成分100質量部に対してコバルト量として0.03質量部以上であると、ゴム組成物と金属補強材との接着性が向上し、1質量部以下であると、ゴム組成物の老化が抑制される。
本発明のゴム組成物には、上記一般式(1)で表される化合物、ゴム成分、硫黄、有機酸コバルト塩の他、カーボンブラック及びシリカ等の充填剤、アロマオイル等の軟化剤、ヘキサメチレンテトラミン、ペンタメトキシメチルメラミン、ヘキサメチレンメチルメラミン等のメトキシメチル化メラミン等のメチレン供与体、加硫促進剤、加硫促進助剤、老化防止剤等のゴム業界で通常使用される配合剤を通常の配合量で適宜配合することができる。本発明のゴム組成物の調製方法に特に制限はなく、例えば、バンバリーミキサーやロール等を用いて、ゴム成分に、上記一般式(1)の化合物、硫黄、有機酸コバルト塩及び各種配合剤を練り込んで調製することができる。
本発明のゴム組成物と接着される金属補強材は、ゴムとの接着を良好にするために、黄銅、亜鉛、或いはこれらにニッケルやコバルトを含有する金属でメッキ処理されていることが好ましく、黄銅メッキ処理されていることが特に好ましい。
上記一般式(2)で表される化合物は、直接加硫接着の際、接着向上剤として、ゴム組成物と金属補強材との接着性を飛躍的に向上させることができる。従って、上記一般式(2)で表される化合物は、接着向上剤としても有用である。
以下に、製造例、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明は下記の例に何ら限定されるものではない。
(製造例1)
レゾルシン440.8g(4.0mol)をピリジン880.0gに溶解した溶液を氷浴上で15℃以下に保ちながら、これにm-トルイル酸クロライド123.7g(0.8mol)を徐々に滴下した。滴下終了後、得られた反応混合物を室温まで昇温し、一昼夜放置して反応を完結させた。反応混合物から、ピリジンを120℃〜150℃で減圧下に留去し、残留物にトルエン500gを加えて溶解し、10重量%塩酸水100gで3回洗浄し、その後水100gで洗浄した後、トルエン層を濃縮して結晶を析出させた。析出した沈殿をろ過、水洗し、得られた湿体を減圧乾燥して、淡黄色の粉体160g(粗収率85%/m-トルイル酸クロライド)を得た。HPLCで分析した結果、目的生成物であるm-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステルは97.5面積%であり、2.5面積%のレゾルシンを含んでいた。
(製造例2)
m-トルイル酸クロライドの代わりにp-トルイル酸クロライドを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、p-トルイル酸-3-ヒドロキシフェニルエステル162.5g(粗収率89%/p-トルイル酸クロライド)を得た。HPLC分析では、純度98.1面積%であり、1.9面積%のレゾルシンを含んでいた。
(製造例3)
m-トルイル酸クロライドの代わりに安息香酸クロライドを用いた以外は製造例1と同様の操作を行い、安息香酸-3-ヒドロキシフェニルエステル148.4g(粗収率88%/安息香酸クロライド)を得た。HPLC分析では、純度98.0面積%であり、2.0面積%のレゾルシンを含んでいた。
(実施例1〜4)
製造例1〜3で製造した組成物を供試化合物として2200mLのバンバリーミキサーを使用して、表1に示すゴム配合処方で混練り混合して、未加硫のゴム組成物を調製し、以下の方法で耐ブルーム性、ムーニー粘度、湿熱接着性及び接着安定性を測定、評価した。結果を表1に示す。
<耐ブルーム性>
未加硫のゴム組成物を40℃で7日間貯蔵した後、配合剤がゴム表面に析出したか否かを目視で確認し、○、△、×で判定した。
○:表面に配合剤が析出していない
△:一部に析出
×:全面に配合剤が析出
<ムーニー粘度>
未加硫のゴム組成物に対しJIS K6300-2001に準拠して、ML(1+4)130℃を測定した。結果は数値が低い程良好であることを示す。
<湿熱接着性試験>
黄銅(Cu;63質量%、Zn;37質量%)メッキしたスチールコード(1×5構造、素線径0.25mm)を12.5mm間隔で平行に並べ、このスチールコードを上下両側から各ゴム組成物でコーティングして、これを直ちに160℃×15分の条件で加硫し、幅12.5mmのサンプルを作製した。得られたサンプルを、70℃、湿度100%RH、4日の湿熱条件下で老化させた後、ASTM-D-2229に準拠して、各サンプルに対してスチールコードを引き抜き、ゴムの被覆状態を目視で観察してその被覆率を0〜100%で表示し、湿熱接着性の指標とした。数値が大きい程良好であることを示す。
<接着安定性試験>
前記スチールコードを上下両側から各ゴム組成物でコーティングした未加硫状態のスチールコード−ゴム複合体を、40℃×80%RHの恒温恒湿槽に7日間放置後、160℃×15分間加硫して、サンプルを作製した。該サンプルから上記のようにしてスチールコードを引き抜き、ゴムの被覆率を0〜100%で表示し、接着安定性の指標とした。数値が大きい程良好であることを示す。
(比較例1)
供試化合物として上記製造例で得られた組成物を使用しない以外は実施例と同様に配合してゴム組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
供試化合物としてレゾルシンをゴム基本配合に2質量部配合する以外は実施例と同様に配合してゴム組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
供試化合物としてRF樹脂をゴム基本配合に2質量部配合する以外は実施例と同様に配合してゴム組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。なお、RF樹脂は下記の方法で製造した。
まず、水1100g、レゾルシン1100g(10mol)、p-トルエンスルホン酸1.72g(10mmol)を冷却管、撹拌装置、温度計、滴下ロート、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに仕込み、70℃まで昇温した。37%ホルマリン溶液477g(5.9mol)を2時間かけて滴下し、そのままの温度で5時間保持し、反応を完結させた。反応終了後、10%水酸化ナトリウム水溶液を4g加え中和した後、冷却器をディーンスターク型還流器に変え、水を留去しながら150℃まで昇温し、更に20mmHgの減圧下で1時間かけて水を除去し、RF樹脂を得た。得られたRF樹脂の軟化点は124℃、残存レゾルシン量は17%であった。
(比較例4)
実施例2のゴム配合において、供試化合物として製造例2で製造した組成物を12質量部配合する以外は、実施例2と同様に配合してゴム組成物を調製し、評価した。結果を表1に示す。
Figure 2007084706
表1から明らかなように、実施例のゴム組成物は、耐ブルーム性に優れ、接着安定性が高く、また、比較例1に比べて湿熱接着性が大幅に向上していた。
一方、レゾルシンを含む比較例2のゴム組成物は、耐ブルーム性が悪く、比較例1に対するムーニー粘度の上昇幅が大きく、また、接着安定性も低かった。また、RF樹脂を含む比較例3のゴム組成物は、耐ブルーム性が実施例に比べて劣り、比較例1に対するムーニー粘度の上昇幅が大きく、また、接着安定性も低かった。
なお、製造例2で製造した組成物を12質量部含む比較例4のゴム組成物は、耐ブルーム性が実施例に比べて劣り、比較例1に対するムーニー粘度の上昇幅が大きく、接着安定性も実施例に比べて劣っていた。従って、上記一般式(1)の化合物の配合量は、ゴム成分100質量部に対して0.1〜10質量部の範囲である必要がある。

Claims (9)

  1. ゴム成分100質量部に対し、硫黄1〜10質量部と、下記一般式(1):
    Figure 2007084706

    [式中、Rは、水素、或いは炭素数1〜12の脂肪族基、脂環式基又は置換若しくは非置換の芳香族基であり、nは1〜5の整数である]で表される化合物0.1〜10質量部とを配合してなるゴム組成物。
  2. 上記一般式(1)で表される化合物が下記一般式(2):
    Figure 2007084706

    [式中、Rは、水素、或いは炭素数1〜12の脂肪族基、脂環式基又は置換若しくは非置換の芳香族基である]で表される化合物である請求項1に記載のゴム組成物。
  3. 上記一般式(2)中のRが水素又は炭素数1〜12のアルキル基である請求項2に記載のゴム組成物。
  4. 上記一般式(2)中のRがメチル基である請求項3に記載のゴム組成物。
  5. 上記一般式(2)中のRが水素である請求項3に記載のゴム組成物。
  6. 更に有機酸コバルト塩を前記ゴム成分100質量部に対しコバルト量として0.03〜1質量部含む請求項1〜5のいずれかに記載のゴム組成物。
  7. 前記ゴム成分が、天然ゴム及びポリイソプレンゴムの少なくとも一方よりなる請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  8. 前記ゴム成分が、50質量%以上の天然ゴム及び残部合成ゴムよりなる請求項1〜6のいずれかに記載のゴム組成物。
  9. 上記一般式(2)で表される化合物を含む接着向上剤。
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