JP2016113492A - タイヤサイドウォール用ゴム組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】老化防止剤は分子極性の高さによってマイグレーションが発生しやすく、長期使用時にタイヤ外観が悪化するという問題点がある。とくにフェニレンジアミン系老化防止剤を用いた場合、この問題が顕著である。一方、タイヤ用ゴム組成物には、加工性改善のために軟化剤が配合されているが、硬度が低下するという問題点がある。このためカーボンブラックを増量すると、耐クラック性が悪化する。【解決手段】ブタジエンゴムを50質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、フェニレンジアミン系老化防止剤を5.0質量部以下、およびジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜30質量部配合してなることを特徴とするゴム組成物によって上記課題を解決した。【選択図】なし
Description
本発明は、タイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものであり、詳しくは、老化防止剤の配合に起因するタイヤ外観の悪化および軟化剤の増量に起因する硬度の低下を防止し、優れた耐クラック性、硬度および低発熱性を有するタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤに関するものである。
近年、空気入りタイヤは、ラベリング(表示方法)制度が開始され、タイヤの低燃費化技術が数多く提案されている。
一方、サイドウォール用コンパウンドは一般的にガラス転移温度(Tg)が低く、カーボンブラックの配合量も少ないことから、補強性の低いカーボンブラックを採用し、発熱性を改善する試みがある。しかし、このような手法では、発熱性の改善に限界がある。
また、老化防止剤はゴムに耐疲労性や耐オゾン性を付与する重要な配合剤であるが、分子極性の高さによってマイグレーションが発生しやすく、長期使用時にタイヤ外観が悪化するという問題点がある。とくにフェニレンジアミン系老化防止剤は、優れた耐オゾン性を有し、タイヤの耐クラック性能を高めるために有用であるが、上記マイグレーションが発生しやすく、タイヤが茶変するという問題点があった。
一方、サイドウォール用コンパウンドは一般的にガラス転移温度(Tg)が低く、カーボンブラックの配合量も少ないことから、補強性の低いカーボンブラックを採用し、発熱性を改善する試みがある。しかし、このような手法では、発熱性の改善に限界がある。
また、老化防止剤はゴムに耐疲労性や耐オゾン性を付与する重要な配合剤であるが、分子極性の高さによってマイグレーションが発生しやすく、長期使用時にタイヤ外観が悪化するという問題点がある。とくにフェニレンジアミン系老化防止剤は、優れた耐オゾン性を有し、タイヤの耐クラック性能を高めるために有用であるが、上記マイグレーションが発生しやすく、タイヤが茶変するという問題点があった。
一方、タイヤ用ゴム組成物には、加工性改善のためにTDAE(Treated Distillate Aromatic Extract)のような軟化剤が配合されている。しかし、このような軟化剤を配合すると、硬度が低下するために多量に配合することができない。また、硬度の低下を抑制するためにカーボンブラック等の補強性フィラーを増量すると、耐クラック性が悪化することが知られている。
このように、タイヤ外観の悪化の防止ならびに硬度および耐クラック性の向上を同時に達成することは、当業界では困難な事項とされていた。
このように、タイヤ外観の悪化の防止ならびに硬度および耐クラック性の向上を同時に達成することは、当業界では困難な事項とされていた。
なお下記特許文献1には、ゴム材料と特定構造のメチレンビス(アルキルスルフィド)およびフェノール系酸化防止剤等から選ばれる劣化防止剤とを混合する技術が開示されている。しかし特許文献1には、下記で説明する本発明のスチレン化フェノール化合物については開示も示唆もない。また、特定のスチレン化フェノール化合物を用いてタイヤ外観の悪化を防止し、優れた耐クラック性、硬度および低発熱性を獲得しようとする技術思想は何ら開示されていない。
したがって本発明の目的は、フェニレンジアミン系老化防止剤や軟化剤の代替となり得る化合物を見出し、タイヤ外観の悪化を防止し、優れた耐クラック性、硬度および低発熱性を有するタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定のスチレン化フェノール化合物を特定量でもって配合することにより、フェニレンジアミン系老化防止剤や軟化剤の代替となり得、これにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.ブタジエンゴムを50質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、フェニレンジアミン系老化防止剤を5.0質量部以下、およびジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜30質量部配合してなることを特徴とするタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
2.前記1に記載のゴム組成物をサイドウォールに使用した空気入りタイヤ。
2.前記1に記載のゴム組成物をサイドウォールに使用した空気入りタイヤ。
本発明によれば、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定のスチレン化フェノール化合物を特定量でもって配合したので、老化防止剤の配合に起因するタイヤ外観の悪化および軟化剤の増量に起因する硬度の低下を防止し、優れた耐クラック性、硬度および低発熱性を有するタイヤサイドウォール用ゴム組成物およびそれを用いた空気入りタイヤを提供することができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
(ジエン系ゴム)
本発明で使用されるジエン系ゴムは、その全体を100質量部としたときにブタジエンゴム(BR)を50質量部以上配合する必要がある。BRの配合量が50質量部未満であると、耐屈曲疲労性が悪化する。また本発明ではBR以外にも、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
本発明で使用されるジエン系ゴムは、その全体を100質量部としたときにブタジエンゴム(BR)を50質量部以上配合する必要がある。BRの配合量が50質量部未満であると、耐屈曲疲労性が悪化する。また本発明ではBR以外にも、ゴム組成物に配合することができる任意のジエン系ゴムを用いることができ、例えば、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、その分子量やミクロ構造はとくに制限されず、アミン、アミド、シリル、アルコキシシリル、カルボキシル、ヒドロキシル基等で末端変性されていても、エポキシ化されていてもよい。
(フェニレンジアミン系老化防止剤)
本発明では、フェニレンジアミン系老化防止剤の一部または全部を、下記で説明するスチレン化フェノール化合物で置き換えることができる。これにより、優れた耐オゾン性および耐クラック性を維持しながら、マイグレーションによるタイヤの茶変を防止することができる。
本発明で使用されるフェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明では、フェニレンジアミン系老化防止剤の一部または全部を、下記で説明するスチレン化フェノール化合物で置き換えることができる。これにより、優れた耐オゾン性および耐クラック性を維持しながら、マイグレーションによるタイヤの茶変を防止することができる。
本発明で使用されるフェニレンジアミン系老化防止剤としては、例えば、N,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、n−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−メチルヘプチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1,4−ジメチルペンチル)−p−フェニレンジアミン、N,N’−ビス(1−エチル−3−メチルペンチル)p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、フェニルヘキシル−p−フェニレンジアミン、フェニルオクチル−p−フェニレンジアミン等のp−フェニレンジアミン系老化防止剤等が挙げられ、これらを1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(スチレン化フェノール化合物)
本発明で使用するスチレン化フェノール化合物は、フェニレンジアミン系老化防止剤および軟化剤の代替となり得る化合物であり、これにより、上記のように優れた耐オゾン性および耐クラック性を維持しながら、マイグレーションによるタイヤの茶変を防止することができるとともに、硬度の低下も防止される。また発熱性も改善できる。
スチレン化フェノール化合物は、下記式で表すことができる。
本発明で使用するスチレン化フェノール化合物は、フェニレンジアミン系老化防止剤および軟化剤の代替となり得る化合物であり、これにより、上記のように優れた耐オゾン性および耐クラック性を維持しながら、マイグレーションによるタイヤの茶変を防止することができるとともに、硬度の低下も防止される。また発熱性も改善できる。
スチレン化フェノール化合物は、下記式で表すことができる。
本発明で使用されるスチレン化フェノール化合物は、nが2であるジスチレン化フェノールまたはnが3であるトリスチレン化フェノールを主成分とする。本発明で使用されるスチレン化フェノール化合物は、公知の製造方法により製造することができ、また商業的に入手も可能である、市販品としては、例えば三光(株)製SP−24(ジスチレン化フェノールを主成分とする)、TSP(トリスチレン化フェノールを主成分とする)等が挙げられる。
一般的に製造されたスチレン化フェノール化合物は、フェノール1モルに対してスチレン1モルが付加したモノスチレン化フェノール(上記式中、n=1);フェノール1モルに対してスチレン2モルが付加したジスチレン化フェノール(上記式中、n=2);フェノール1モルに対してスチレン3モルが付加したトリスチレン化フェノール(上記式中、n=3);およびその他の成分の混合物となる。本発明では、これらのスチレン化フェノール化合物のうち、主成分としてジスチレン化フェノールおよびトリスチレン化フェノールを使用する。上述のように製造されたスチレン化フェノール化合物は、主に、モノ、ジおよびトリ体の混合物であるので、本発明で使用されるスチレン化フェノール化合物は、モノ体がある程度存在することができる。したがって本発明で言う、「ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とする」とは、ジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールが全体の50モル%以上、好ましくは60モル%以上、さらに好ましくは65モル%以上を占めることを意味し、それ以外の成分としてモノスチレン化フェノールやその他の成分(例えばテトラ体あるいはそれ以上の付加物のスチレン化フェノール化合物)が含まれていてもよい。
なお、上記式におけるスチレン部位は、スチレンの誘導体であってもよい。例えば、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、1,3−ジメチルスチレン等が挙げられる。
(ゴム組成物の配合割合)
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、フェニレンジアミン系老化防止剤を5.0質量部以下、およびジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜30質量部配合してなることを特徴とする。
フェニレンジアミン系老化防止剤の配合量が5.0質量部を超えると、タイヤの外観が悪化する。
前記スチレン化フェノール化合物の配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に30質量部を超えると硬度および発熱性が悪化する。
本発明のゴム組成物は、ジエン系ゴム100質量部に対し、フェニレンジアミン系老化防止剤を5.0質量部以下、およびジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜30質量部配合してなることを特徴とする。
フェニレンジアミン系老化防止剤の配合量が5.0質量部を超えると、タイヤの外観が悪化する。
前記スチレン化フェノール化合物の配合量が0.5質量部未満であると、配合量が少な過ぎて本発明の効果を奏することができない。逆に30質量部を超えると硬度および発熱性が悪化する。
さらに好ましいフェニレンジアミン系老化防止剤の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜30質量部である。
さらに好ましい前記スチレン化フェノール化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部である。
さらに好ましい前記スチレン化フェノール化合物の配合量は、ジエン系ゴム100質量部に対し、0.5〜20質量部である。
(その他成分)
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
本発明におけるゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫又は架橋剤;加硫又は架橋促進剤;酸化亜鉛、カーボンブラック、シリカ、クレー、タルク、炭酸カルシウムのような各種充填剤;可塑剤などのゴム組成物に一般的に配合されている各種添加剤を配合することができ、かかる添加剤は一般的な方法で混練して組成物とし、加硫又は架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
また本発明のゴム組成物は従来の空気入りタイヤの製造方法に従って空気入りタイヤを製造するのに適しており、サイドウォールに好適に使用される。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜5および比較例1〜5
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ゴムをミキサー外の放出し、室温冷却させた。続いて、同バンバリーミキサーを用い、ゴムに加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
サンプルの調製
表1に示す配合(質量部)において、加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.7リットルの密閉式バンバリーミキサーで5分間混練した後、ゴムをミキサー外の放出し、室温冷却させた。続いて、同バンバリーミキサーを用い、ゴムに加硫促進剤および硫黄を加えてさらに混練し、ゴム組成物を得た。次に得られたゴム組成物を所定の金型中で160℃、20分間プレス加硫して加硫ゴム試験片を得、以下に示す試験法で加硫ゴム試験片の物性を測定した。
タイヤ外観:加硫して1か月後の加硫ゴム試験片の変色の度合い(茶変の度合い)を目視により、下記の評価基準により評価した。
◎:茶変なし
○:やや茶変見られるが問題ないレベル
×:茶変あり
耐クラック性:JIS K6260に基づき、クラック成長試験を行った。加硫ゴム試験片の中央にあらかじめ傷をつけ、室温にてストローク20mmで、毎分300±10回、合計40万回屈曲させ、亀裂長さを測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど耐クラック性に優れることを示す。
硬度(20℃):JIS K6253に基づき、20℃にて測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
tanδ(60℃):JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、静歪み10%、動歪み±2%、振動数=20Hz、温度60℃の条件下tanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、低発熱性であることを示す。
結果を表1に示す。
◎:茶変なし
○:やや茶変見られるが問題ないレベル
×:茶変あり
耐クラック性:JIS K6260に基づき、クラック成長試験を行った。加硫ゴム試験片の中央にあらかじめ傷をつけ、室温にてストローク20mmで、毎分300±10回、合計40万回屈曲させ、亀裂長さを測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど耐クラック性に優れることを示す。
硬度(20℃):JIS K6253に基づき、20℃にて測定した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が大きいほど硬度が高いことを示す。
tanδ(60℃):JIS K6394に準拠して、岩本製作所社製の粘弾性スペクトロメーターを用いて、静歪み10%、動歪み±2%、振動数=20Hz、温度60℃の条件下tanδ(60℃)を測定し、この値をもって発熱性を評価した。結果は、比較例1の値を100として指数で示した。指数が小さいほど、低発熱性であることを示す。
結果を表1に示す。
*1:NR(TSR20)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シーストF)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*6:ワックス(日本精蝋(株)製オゾエース0015)
*7:老化防止剤(フレキシス社製6PPD、化合物名=N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)
*8:アロマオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*9:スチレン化フェノール化合物−1(三光(株)製SP−24。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール60モル%以上、トリスチレン化フェノール40モル%以下)
*10:スチレン化フェノール化合物−2(三光(株)製TSP。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール30モル%以下、トリスチレン化フェノール65モル%以上)
*11:スチレン化フェノール化合物−3(三光(株)製SP−F。モノスチレン化フェノール65モル%以上、ジスチレン化フェノール32モル%以下、トリスチレン化フェノール1モル%以下)
*12:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*13:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
*2:BR(日本ゼオン(株)製Nipol BR1220)
*3:カーボンブラック(東海カーボン(株)製シーストF)
*4:酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)
*5:ステアリン酸(日油(株)製ビーズステアリン酸)
*6:ワックス(日本精蝋(株)製オゾエース0015)
*7:老化防止剤(フレキシス社製6PPD、化合物名=N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン)
*8:アロマオイル(昭和シェル石油(株)製エキストラクト4号S)
*9:スチレン化フェノール化合物−1(三光(株)製SP−24。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール60モル%以上、トリスチレン化フェノール40モル%以下)
*10:スチレン化フェノール化合物−2(三光(株)製TSP。モノスチレン化フェノール0モル%、ジスチレン化フェノール30モル%以下、トリスチレン化フェノール65モル%以上)
*11:スチレン化フェノール化合物−3(三光(株)製SP−F。モノスチレン化フェノール65モル%以上、ジスチレン化フェノール32モル%以下、トリスチレン化フェノール1モル%以下)
*12:硫黄(鶴見化学工業(株)製金華印油入微粉硫黄)
*13:加硫促進剤(大内新興化学工業(株)製ノクセラーCZ−G)
上記の表1の結果から明らかなように、実施例1〜5で得られたゴム組成物は、特定の組成を有するジエン系ゴムに対し、特定のスチレン化フェノール化合物を特定量でもって配合したので、従来の代表的な比較例1に対し、フェニレンジアミン系老化防止剤の配合に起因するタイヤ外観の悪化および軟化剤の増量に起因する硬度の低下を防止し、優れた耐クラック性、硬度および低発熱性を有することが分かる。
これに対し、比較例2は、比較例1の老化防止剤を減量した例であるが、タイヤ外観の悪化は見られなかったものの、耐クラック性が悪化している。
比較例3は、フェニレンジアミン系老化防止剤の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、タイヤ外観が悪化した。
比較例4は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が低下した。
比較例5は、モノスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を使用しているので、耐クラック性および硬度が悪化した。
これに対し、比較例2は、比較例1の老化防止剤を減量した例であるが、タイヤ外観の悪化は見られなかったものの、耐クラック性が悪化している。
比較例3は、フェニレンジアミン系老化防止剤の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、タイヤ外観が悪化した。
比較例4は、スチレン化フェノール化合物の配合量が本発明で規定する上限を超えているので、硬度が低下した。
比較例5は、モノスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を使用しているので、耐クラック性および硬度が悪化した。
Claims (2)
- ブタジエンゴムを50質量部以上含むジエン系ゴム100質量部に対し、フェニレンジアミン系老化防止剤を5.0質量部以下、およびジスチレン化フェノールまたはトリスチレン化フェノールを主成分とするスチレン化フェノール化合物を0.5〜30質量部配合してなることを特徴とするタイヤサイドウォール用ゴム組成物。
- 請求項1に記載のゴム組成物をサイドウォールに使用した空気入りタイヤ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112708214A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-27 | 厦门正新橡胶工业有限公司 | 防老剂橡胶贴片、其制备方法及使用防老剂橡胶贴片制备轮胎的方法 |
-
2014
- 2014-12-11 JP JP2014251051A patent/JP2016113492A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112708214A (zh) * | 2020-12-11 | 2021-04-27 | 厦门正新橡胶工业有限公司 | 防老剂橡胶贴片、其制备方法及使用防老剂橡胶贴片制备轮胎的方法 |
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