JP2007084660A - 難燃性異形押出し樹脂成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 下記一般式(1)で表されるメルトボリュームフローレート比(MVR−R)が15以上の(A)非結晶性樹脂100重量部に対し、(B)パーフルオロアルキルスルホン酸塩0.01〜0.5重量部を含有する樹脂組成物を成形してなる、難燃性異形押出し樹脂成形品。 MVR−R=MVR21.6/MVR2.16 (1)(但しMVR2.16はJIS K 7210に準拠し280℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを示し、MVR21.6はJIS K 7210に準拠し280℃、21.6kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを示す)。
【選択図】なし
Description
更には特許文献7に記載のポリカーボネート樹脂組成物は、難燃性のレベルがアンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)の燃焼試験(UL94)でUL94V−2と低く、高度な難燃性の要求される用途には使用できず、そして特許文献8に記載のそれは透明性が低い為に、使用用途が限定されてしまうという問題があった。
MVR−R=MVR21.6/MVR2.16 (1)
(但しMVR2.16はJIS K 7210に準拠し280℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを示し、MVR21.6はJIS K 7210に準拠し280℃、21.6kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを示す)。
本発明に用いる(A)非結晶性樹脂は、以下の式(1)により定義されるメルトボリュームフローレート比(以下、「MVR−R」と略記する。)が、15以上であることを特徴とする。
MVR−R=MVR21.6/MVR2.16 (1)
(但しMVR2.16はJIS K 7210に準拠し280℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを示し、MVR21.6はJIS K 7210に準拠し280℃、21.6kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを示す)。
以下、(A)として芳香族ポリカーボネート樹脂を例に挙げて説明する。本発明に用いる(A)非結晶性樹脂として芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた際、この芳香族ポリカーボネート樹脂のMVR−Rが15以上であるということは、その分子構造中において分岐構造を多く有していることを示す。
本発明に用いる(A)芳香族ポリカーボネート樹脂の分子量は、その用途に応じて適宜選択して決定すればよく、一般的には、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量を示す。この粘度平均分子量が低すぎると機械的強度や溶融張力が低下する場合があり、逆に高すぎても流動性が低下し、成形加工が難しくなる場合がある。よってこの分子量は、通常、15000〜40000、中でも20000〜30000、特に23000〜28000であることが好ましい。
本発明に用いる(B)パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩としては、具体的には例えばパーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸リチウム、パーフルオロヘプタンスルホン酸リチウム、パーフルオロオクタンスルホン酸セシウム、パーフルオロヘキサンスルホン酸セシウム、パーフルオロブタンスルホン酸セシウム等が挙げられる。
中でもパーフルオロブタンスルホン酸アルカリ金属塩であることが好ましく、特にパーフルオロブタンスルホン酸カリウムが好ましい。
また脂肪族カルボン酸エステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよく、複数の化合物の混合物であってもよい。脂肪族カルボン酸エステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸オクチルドデシル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
リン系酸化防止剤としては、具体的には例えばトリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−ホスホナイト等が挙げられる。中でもトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトが好ましい。
本発明の異形押出し樹脂成形品における酸化防止剤の含有量は、その用途に応じて適宜選択して決定すればよいが、例えば(A)非結晶性樹脂として芳香族ポリカーボネート樹脂を用いた際には、通常、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂100重量部に対してリン系酸化防止剤の含有量は50〜1000ppm、フェノール系酸化防止剤の含有量は200〜5000ppmである。
所望により添加される各種添加剤や他の熱可塑性樹脂等の添加方法は特に限定されないが、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂がエステル交換法により製造された場合、芳香族ポリカーボネート樹脂製造における溶融状態時に所定量を添加する方法や、(A)芳香族ポリカーボネート樹脂ペレットを製造後、再度溶融した際に溶融混合する方法が挙げられる。この際、溶融混練が充分に行われる段階で数回に分割して供給しても、また溶融混練の初期に同時に添加してもよい。
該金型の形状を種々換えることにより、所望の断面形状の異形押出樹脂成形品が得られるが、断面形状としては比較的単純なコの字型、中空角形、中空リブ付きのようなものから窓枠材のような複雑な断面形状のものにまで適用できる。用途としては窓枠、外壁材、雨樋、机の引き出し、エッジ材、OA機器のパネルなどが挙げられる。
また本発明の異形押出樹脂成形品は、充分な難燃性を示し、且つ難燃剤として特定の(B)パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩を用いることで、その含有量を低減できたので、異形押出成形時に外観不良の原因になる、いわゆる「目やに」の発生がなく、透明性に優れた異形押出し成形品を得ることができる。
具体的には例えば、異形押出し成形を行う際、表面に共押出等の手段を用いて、異形押出し成形品の表面に直接設ける方法や、機能性層を別途熱可塑性樹脂製フィルムまたはシートの表面に形成し、これらと異形押出し成形品とを積層一体化して機能層を設ける方法が挙げられる。この際、熱可塑性樹脂製フィルムまたはシートを構成する樹脂は特に制限はないが、芳香族ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレートのようなアクリル系樹脂であることが好ましい。
その他、帯電防止層、反射防止層、熱線遮断層等も、これらの機能を与える塗料を塗布し、硬化させるか、又はこれらの機能を有する薄膜層を真空蒸着法等の方法により設けてもよい。またこれらの機能性層を複合層として、二種以上の機能を同時に備えたものとすることもできる。さらに、これらの機能性層の他にまたはこれら機能性層に、印刷などにより予め美装用塗装処理を施して優れた意匠性を発揮する印刷層を設けることもできる。
ウベローデ粘度計を用いて、塩化メチレン中、20℃で測定した溶液粘度より極限粘度[η]を求め、以下の式(2)より粘度平均分子量(Mv)を算定した。
〔η〕=1.23×10−4×(Mv)0.83 (2)
JIS K 7210に準拠し、東洋精機製作所社製メルトインデックサを用いて、120℃で5時間乾燥した樹脂組成物について、280℃、荷重2.16Kgfで測定した時間当たりの溶融流動体積MVR2.16と、同様に280℃、荷重21.6Kgfで測定した時間当たりの溶融流動体積MVR21.6から、下式(1)によりMVR−Rを求めた。
MVR−R=MVR21.6/ MVR2.16 (1)
120℃、5時間乾燥したポリカーボネートペレットを用い、シリンダー設定温度300℃の射出成形機M150AII−SJ(名機製作所社製)により3mm厚の試験片を成形し、HAZEを測定した。
樹脂ペレットをφ50mm単軸押出し機(GMエンジニアリング社製)を用いて、樹脂温度280℃、幅1000mm、断面形状図1(a)に示すツインウォール形状(ウォール部10の厚み0.5mm、柱部12の長さ(両ウォール部10間の距離)7.5mm)に、0.08m/sの条件で異形押出しを行い、押出し成形物の形状安定性を評価した。
断面形状を2mm厚、幅1000mmの平板になるようにダイを変更した以外は、上述のツインウォール形成と同様の条件で得られた押出し成形品から、125mm×12mmの試験片を切り出し、燃焼性を評価した評価方法は、アンダーライター実験室UL−94、第3版(1980)に従った。
樹脂ペレットをφ50mm単軸押出し機(GMエンジニアリング社製)を用いて、樹脂温度280℃、幅1000mm、断面形状図1(a)に示す形状に0.08m/sの条件でツィンウォール状に連続して異形押出しを行い、押出し開始1時間後のダイヘッド部の汚れを観察して付着物の程度を観察して評価した。
ポリカーボネート樹脂1(PC1)
芳香族ジヒドロキシ化合物としてビスフェノールA100重量部に対し、分岐化剤としてイサチンビスクレゾール0.26重量部を配合して、ホスゲンを使用して分岐状ポリカーボネートを界面重合法で製造した。得られたポリカーボネート100重量部に対し、熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト(旭電化社製アデカスタブ2112)を、0.02重量部、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(チバスペシャリティケミカルズ社製イルガノックス1010)を0.1重量部、離型剤として、ペンタエリスリトールテトラステアレート(日本油脂社製ユニスターH476)を0.3重量部、紫外線吸収剤として、2−〔2‘−ハイドロキシ−3’、5‘−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニル〕−ベンゾトリアゾール(チバスペシャルティケミカルズ社製チヌビン234)を0.25重量部、配合混練した後、脱気して、ダイを通してストランド状として、カッターで切断してペレット化し、界面法分岐状ポリカーボネートPC1を得た。
PC1の粘度平均分子量は26,000、MVR−Rは21.0であった。
ジフェニルカーボネートとビスフェノールAとを、窒素ガス雰囲気下、一定のモル比(DPC/BPA=1.040)に混合調整した溶融液を、88.7Kg/時の流量で、原料導入管を介して、220℃、1.33×104Paに制御した容量100Lの第1堅型攪拌重合曹内に連続供給し、平均滞留時間が60分になるように槽底部のポリマー排出ラインに設けられたバルブ開度を制御しつつ液面レベルを一定に保った。また、上記混合物の供給を開始すると同時に、触媒として、炭酸セシウム水溶液をビスフェノールA1モルに対し、炭酸セシウム水溶液をビスフェノールA1モルに対し、0.6μモル(金属量として、ビスフェノールA1モルに対し、1.2μモル)の割合で連続供給した。
PC2の粘度平均分子量は25,800、MVR−Rは21.2であった。
分岐化剤のイサチンビスクレゾールを加えなかった以外はPC1と同様にして、界面重合法直鎖ポリカーボネートPC3を得た。PC3の粘度平均分子量は25,600、MVR−Rは12.0であった。
難燃剤1:パーフルオロブタンスルホン酸カリウム(ランクセス社製 バイオウエットC−4)
難燃剤2:ジポタジウムジフェニルスルホン−3,3‘−ジサスルホネート(シールサンズケミカルズ社製KSS)
表1記載の割合で各原料をドラムブレンダー内にて予備混合し、更に48mmベント付き2軸押出し機(東芝機械社製TEM48−SS)を用いて310℃で押出し、ペレットを製造した。このペレットを先述の方法により評価し、その結果を表1に記す。
尚、比較例3では、押出し成形時に、押出し品の賦形性が悪く、ダイから成形品が出た直後、軟らかい飴のように潰れてしまい、成形できなかった。
またツインウォール成形性については、断面から押出し方向(長手方向)に目視観察し、壁が湾曲せずに直線的であり、長手方向に略均一なものを「良好」、壁が湾曲したり、長手方向に不均一性が見られるものを「不良」と表記した。
12 柱部
a、b 断面
Claims (4)
- 下記一般式(1)で表されるメルトボリュームフローレート比(MVR−R)が15以上の(A)非結晶性樹脂100重量部に対し、(B)パーフルオロアルキルスルホン酸塩0.01〜0.5重量部を含有する樹脂組成物を成形してなる、難燃性異形押出し樹脂成形品。
MVR−R=MVR21.6/MVR2.16 (1)
(但しMVR2.16はJIS K 7210に準拠し280℃、2.16kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを、またMVR21.6はJIS K 7210に準拠し280℃、21.6kg荷重で測定したメルトボリュームフローレートを示す)。 - 非結晶性樹脂が芳香族ポリカーボネート樹脂であることを特徴とする請求項1記載の難燃性異形押出し樹脂成形品。
- パーフルオロアルキルスルホン酸塩が、パーフルオロアルキルスルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1または2に記載の難燃性異形押出し樹脂成形品。
- 難燃性異形押出し樹脂成形品が、ツインウォール又は3層以上のウォール形状を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の難燃性異形押出し樹脂成形品。
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