JP5286110B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents
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Description
本発明は上記の課題に鑑みて創案されたもので、芳香族ポリカーボネート樹脂の有する優れた機械、熱、電気的特性を損なわず、難燃性と、成形条件に依存しない透明性とを兼ね備えた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれからなる成形体を提供することを目的とする。
また、該金属塩が、下記式(1)で表される部分構造を有することも好ましい。
また、該シリコーン化合物はフェニル基を有することが好ましい。中でも、該シリコーン化合物は、ポリメチルフェニルシロキサン、フェニル基含有環状シロキサン、及び、下記式(2)で表されるフェニル基含有シランモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
なお、本明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。また、本明細書において各種化合物が有する「基」は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、置換基を有していてもよい。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂からなる基体樹脂と、C−H結合を含有するフルオロアルキルスルホン酸(以下、適宜「C−H結合含有フルオロアルキルスルホン酸」という。)の金属塩とを少なくとも含む組成物である。また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物はシリコーン化合物を含んでいることが好ましい。さらに、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を著しく損なわない限り、これら以外にその他の成分を含んでいても良い。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、芳香族ポリカーボネート樹脂からなる基体樹脂を含む。ただし、基体樹脂を構成する芳香族ポリカーボネート樹脂において、そのうちの一定割合以上は、構造粘性指数Nが所定範囲にある芳香族ポリカーボネート樹脂であるものとする。
上述の数式において、N=1のときはニュートン流動性を示し、Nの値が大きくなるほど非ニュートン流動性が大きくなる。つまり、構造粘性指数Nの大小により溶融体の流動特性が評価される。一般に、構造粘性指数Nが大きい芳香族ポリカーボネート樹脂は、低剪断領域における溶融粘度が高くなる傾向がある。このため、構造粘性指数Nが大きい芳香族ポリカーボネート樹脂を別の芳香族ポリカーボネート樹脂と混合した場合、得られる芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の燃焼時の滴下を抑制し、難燃性を向上させることができる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。以下、これらの方法のうち特に好適なものについて具体的に説明する。
芳香族ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによって芳香族ポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、芳香族ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、芳香族ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルと芳香族ジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
溶融重縮合反応は、バッチ式、連続式の何れの方法でも行うことができる。バッチ式で行う場合、反応基質、反応媒、触媒、添加剤等を混合する順番は、所望の芳香族ポリカーボネート樹脂が得られる限り任意であり、適切な順番を任意に設定すればよい。ただし中でも、芳香族ポリカーボネート樹脂及び芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の安定性等を考慮すると、溶融重縮合反応は連続式で行うことが好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の中でも特に構造粘性指数Nが所定範囲にある芳香族ポリカーボネート樹脂を製造する場合には、上述の芳香族ポリカーボネート樹脂の製造法に従って製造すればよい。この際、分岐芳香族ポリカーボネート樹脂を製造するようにすると、構造粘性指数Nが所定範囲にある芳香族ポリカーボネート樹脂が得られやすく、好ましい。分岐構造を有する芳香族ポリカーボネート樹脂は構造粘性指数Nが高くなる傾向があるためである。
なお、多官能性芳香族化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
ところで、上述した芳香族ポリカーボネート樹脂は、芳香族ポリカーボネート樹脂単独(芳香族ポリカーボネート樹脂単独とは、芳香族ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種の芳香族ポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)で用いてもよく、芳香族ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。さらに、例えば、難燃性を更に高める目的で、芳香族ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体等の、芳香族ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。
ただし、芳香族ポリカーボネート樹脂を他の熱可塑性樹脂等と組み合わせて用いる場合でも、本発明の係る金属塩(後述する)の含有量は、当該他の熱可塑性樹脂等を除く芳香族ポリカーボネート樹脂の全質量を100質量部として定めるものとする。
なお、芳香族ポリカーボネート樹脂が芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含む場合、本発明の係る金属塩(後述する)の含有量は、当該芳香族ポリカーボネートオリゴマーを含めた芳香族ポリカーボネート樹脂の全質量を100質量部として定めるものとする。
ただし、再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に含まれる芳香族ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生された芳香族ポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このような芳香族ポリカーボネート樹脂を前記範囲よりも多く用いた場合、色相や機械物性を低下させる可能性があるためである。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、C−H結合を含有するフルオロアルキルスルホン酸(即ち、C−H結合含有フルオロアルキルスルホン酸)の金属塩を含む。この本発明に係る金属塩を含有させることにより、難燃性を有すると共に、高温で成形した場合のみならず、低温で成形した場合にも高い透明性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を実現できる。このように優れた効果が得られる理由は定かではないが、本発明者の検討によれば、従来用いられていたパーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩は、所望の難燃性が得られる配合量(難燃有効配合量)範囲で芳香族ポリカーボネート樹脂へ配合した場合、特定の温度下で凝集しやすく、白濁し易いのに対して、C−H結合含有フルオロアルキルスルホン酸の金属塩では、C−F結合の一部がC−Hに置き換わることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂中での凝集状態が変化するため、凝集しにくい配合量範囲と、所望の難燃性が得られる難燃有効配合量範囲とのバランスがとれるためと推測される。
一価炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。また、鎖状であっても環状であってもよく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。その例を挙げると、メチル基、エチル基等の鎖状アルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基等のアルキニル基;フェニル基、ナフチル基等のアリール基;などが挙げられる。
なお、フルオロアルキル基及びオキシフルオロアルキル基は、それぞれ、パーフルオロアルキル基及びパーオキシフルオロアルキル基であることが好ましい。
また、オキシフルオロアルキル基の例を挙げると、オキシトリフルオロメチル基、オキシペンタフルオロエチル基、オキシヘプタフルオロプロピル基等が挙げられる。中でも、オキシトリフルオロメチル基が好ましい。
前記式(3)で表される金属塩の例を挙げると、下記式(4)〜(8)で示すものが挙げられる。なお、下記式(4)〜(8)においても、Mは金属元素を表す。
なお、本発明に係る金属塩は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
なお、前記の金属濃度とは、基体樹脂の合計量100質量部に対する、本発明に係る金属塩が有する金属の含有量である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、難燃性をさらに安定化させる目的、或いは高める目的で、シリコーン化合物を含有していても良い。このシリコーン化合物は、通常、いわゆる難燃助剤として作用する。
ここで、R3、R4、R5、R6、R7及びR8は、それぞれ独立に有機基を表し、中でも好ましくは炭素数1以上30以下の一価の炭化水素基を表す。この炭化水素基の例を挙げると、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等のアルキル基;ビニル基、アリル基等のアルケニル基;フェニル等のアリール基などが挙げられる。中でもメチル基及びフェニル基が好ましい。また、炭化水素基以外の有機基の例を挙げるとエポキシ基、メタクリロキシ基などが挙げられる。
Rbは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表す。
nは1〜3の整数を表す。
なお、Ra及び/又はRbが2以上存在する場合には、Ra及び/又はRbはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
ただし、Raのうち、少なくとも1つはフェニル基である。
なお、シリコーン化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、必要に応じ、本発明の効果を著しく損なわない範囲において、上述したもの以外にその他の成分を含有していてもよい。その他の成分の例を挙げると、芳香族ポリカーボネート樹脂の他の樹脂や各種樹脂添加剤などが挙げられる。なお、その他の成分は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
他の樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂;ポリスチレン樹脂、高衝撃ポリスチレン樹脂(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂)、アクリロニトリル−スチレン−アクリルゴム共重合体(ASA樹脂)、アクリロニトリル−エチレンプロピレン系ゴム−スチレン共重合体(AES樹脂)などのスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリメタクリレート樹脂等が挙げられる。なお、その他の樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
樹脂添加剤としては、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、染顔料、難燃剤、滴下防止剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。なお、樹脂添加剤は1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
以下、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物に好適な添加剤の例について具体的に説明する。
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられる。これらの中で、下記式(19)で表される有機ホスフェート化合物及び下記式(20)で表される有機ホスファイト化合物が好ましい。
上記式(19)において、R9はアルキル基又はアリール基を表す。中でもR9は、炭素数が通常1以上、好ましくは2以上であり、通常30以下、好ましくは25以下のアルキル基、または、炭素数が通常6以上であり、通常30以下のアリール基であることがより好ましい。さらに、R9は、アリール基よりもアルキル基が好ましい。なお、R9が2以上存在する場合、R9同士はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
また、式(19)において、sは、通常0以上、好ましくは1以上であり、また、通常2以下の整数を表す。
なお、熱安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なお、酸化防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤;ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらの中では有機紫外線吸収剤が好ましい。特に、ベンゾトリアゾール化合物が好ましい。
Xのうちアルキル基及びアルコキシ基の炭素数は、通常1以上であり、通常8以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下である。また、アルキル基又はアルコキシ基におけるアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。このアルキル基の例を挙げると、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。
また、Xのうちアルケニル基は、置換基としてエステル基を有するものが好ましい。このアルケニル基の炭素数は、置換基の炭素数も含めて、通常2以上、好ましくは3以上、より好ましくは4以上であり、通常10以下、好ましくは8以下である。中でもX自身が、上述の式(21)のマロン酸エステル部分である、2−(アルキリデン)マロン酸エステル類であるものが好ましく、中でも、式(21)のベンゼン環を中心として、同じマロン酸エステル類残基を有するものがより好ましく、これらをパラ位に有するものが特に好ましい。
染顔料としては、例えば、無機顔料、有機顔料、有機染料などが挙げられる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、カドミウムレッド、カドミウムイエロー等の硫化物系顔料;群青などの珪酸塩系顔料;酸化チタン、亜鉛華、弁柄、酸化クロム、鉄黒、チタンイエロー、亜鉛−鉄系ブラウン、チタンコバルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブルー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック等の酸化物系顔料;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸系顔料;紺青などのフェロシアン系顔料などが挙げられる。
なお、染顔料は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
滴下防止剤としては、例えば、フルオロオレフィン樹脂が挙げられる。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体である。具体例としてはジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられる。中でも好ましくはテトラフルオロエチレン樹脂等が挙げられる。このフルオロエチレン樹脂としては、フィブリル形成能を有するフルオロエチレン樹脂が挙げられる。
なお、滴下防止剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限は無く、例えば、公知の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を広く採用できる。
具体例を挙げると、本発明に係る基体樹脂及び金属塩、並びに、必要に応じて配合されるシリコーン化合物及びその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用いて予め混合した後、例えばバンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練することによって製造できる。
また、例えば、一部の成分を予め混合し押出機に供給して溶融混練することで得られる樹脂組成物をマスターバッチとし、このマスターバッチを再度他の成分と混合し、溶融混練することによって本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造することもできる。この場合、金属塩を予め基体樹脂と混合してマスターバッチを調製してから、他の成分と混合、溶融混練すると、分散性に優れることがあり、また押出作業性に優れるため、好ましい。また、金属塩の分散性を上げる目的で、予め水や有機溶剤等の溶媒に金属塩を溶解してから混練することもできる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、高い難燃性を有し、更に、成形条件に依存しない高い透明性を有する。ここで、成形条件に依存しないとは、高温成形した場合(通常は300℃を超える温度)だけでなく、低温成形した場合(通常は250℃以下の温度)であっても、成形前と比較して透明度の低下が小さいことをいう。
また、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、通常、耐衝撃性が高く、耐熱性も高く、良色相であり、耐加水分解性に優れるという利点も有している。
上述した本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は、通常、何らかの形状に成形して成形体(本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物成形体)として用いる。この成形体の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形体の用途に応じて任意に設定すればよい。
後述する表2に記した各成分を、表3〜5に記した割合(質量比)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量15kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得た。
上述の製造方法で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所製のJ50−EP型射出成形機を用いて、シリンダー温度270℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、厚さ3mmの試験片を成形した。得られた成形体をUL試験用サンプルとして、以下の要領で難燃性の評価を行った。
上述の製造方法で得られた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所製のJ50−EP型射出成形機を用いて、シリンダー温度300℃及び250℃、金型温度80℃、成形サイクル30秒の条件でそれぞれ射出成形し、長さ90mm、幅50mm、厚さ3mmのプレート状成形体を成形した。得られた成形体を透明性評価用の試験片として、以下の要領で透明性の評価を行った。結果を表3〜5に示す。
JIS K−7105に準拠し、上述のプレート状成形品を試験片とし、日本電色工業(株)製のNDH−2000型ヘイズメーターで測定したヘイズ値で評価した。結果を表3〜5に示す。なお、ヘイズは、樹脂の濁度の尺度として用いられる。ヘイズは、値が小さい方が透明性が高いことを意味する。
一方、表4,5から、前記の要件を満たさない各比較例では、比較例1,2,4,6,7〜9は難燃性が不十分であり、比較例3,5,8,10,11では低温成形時の透明性が不十分であることがわかる。
以上から、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が有する特有の構成により、難燃性と、成形条件に依存しない高い透明性とを同時に有するという特有の効果が得られることが確認できた。
Claims (11)
- 構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を20質量%以上含む基体樹脂と、C−H結合を含有するフルオロアルキルスルホン酸の金属塩とを含有し、
該基体樹脂100質量部に対し、該金属塩を0.033〜0.065質量部含有する
ことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 該基体樹脂が、直鎖状芳香族ポリカーボネート樹脂を80質量%以下の割合で含む
ことを特徴とする請求項1記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 該金属塩が、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸の金属塩である
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 該金属塩が、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸のアルカリ金属塩である
ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 該金属塩が、1,1,2,2−テトラフルオロエタンスルホン酸カリウムである
ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - シリコーン化合物を、該基体樹脂100質量部に対し、0.01〜3質量部含有する
ことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 該シリコーン化合物がフェニル基を有する
ことを特徴とする請求項7記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 該シリコーン化合物が、ポリメチルフェニルシロキサン、フェニル基含有環状シロキサン、及び、下記式(2)で表されるフェニル基含有シランモノマーからなる群より選ばれる少なくとも1種である
ことを特徴とする請求項8記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
Raは炭素数1〜18のアルキル基、炭素数6〜12のシクロアルキル基、炭素数6〜12のアルキルシクロアルキル基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、
Rbは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基からなる群より選ばれる少なくとも1種を表し、
nは1〜3の整数を表す。
なお、Ra及び/又はRbが2以上存在する場合には、Ra及び/又はRbはそれぞれ同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。
ただし、Raのうち、少なくとも1つはフェニル基である。] - 前記の構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂が、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとのエステル交換反応により製造された芳香族ポリカーボネート樹脂である
ことを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。 - 請求項1〜10の何れか1項に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形して成る
ことを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物成形体。
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