JP2007084475A - 低粘度水中油型乳化化粧料 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 実質的にアルミニウムを含まない酸化チタンの表面をシリカ被覆後、さらに疎水化処理した改質酸化チタンを油相中に含有し、
アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーを水相中に含有する低粘度水中油型乳化化粧料。
酸化チタンはルチル型であることが好ましい。
改質酸化チタンにおいて、表面被覆量の合計は酸化チタンに対して1〜20質量%であることが好適である。
前記化粧料の粘度は、500〜8000mPa・Sであることが好適である。
前記化粧料は、実質的にアルミニウムイオンを含まないことが好適である。
前記化粧料は、実質的に亜鉛イオンを含まないことが好適である。
Description
このような微粒子粉体に特異的な機能は、媒体中における微粒子粉体の分散状態に大いに依存する。しかしながら、微粒子化に伴い粒子間の凝集力が強くなるため、特に低粘度化粧料においては、微粒子粉体を安定に分散させることが難しく、微粒子粉体の持つ機能が十分に発揮されないという問題があった。
例えば特許文献1には、アルミナやシリカ、酸化ジルコニウムにより表面被覆された微粒子酸化チタン及び微粒子酸化亜鉛と、アクリル酸系ポリマーとを配合した化粧料が開示されている。
本発明の目的は、経時での粉末の沈降・凝集が生じず、また粘度上昇が少なく、良好な使用感を長期保存においても損なうことのない低粘度水中油型乳化化粧料を提供することにある。
そして、実質的にアルミニウムを含まない酸化チタンにシリカ被覆及び疎水化処理を行うことにより得られる改質酸化チタンを用いることにより、経時での粉末の沈降・凝集が生じず、また粘度上昇が少なく、優れた使用感を維持できる化粧料が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーを水相中に含有することを特徴とする。
改質酸化チタンにおいて、表面被覆量の合計は酸化チタンに対して1〜20質量%であることが好適である。
前記化粧料の粘度は、500〜8000mPa・Sであることが好適である。
前記化粧料は、実質的にアルミニウムイオンを含まないことが好適である。
前記化粧料は、実質的に亜鉛イオンを含まないことが好適である。
本発明の低粘度水中油型乳化化粧料は、実質的にアルミニウムを含まない酸化チタンの表面をシリカにより被覆後、さらに疎水化処理した改質酸化チタンを油相中に含有し、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーを水相中に含有することを特徴とする。
本発明の乳化化粧料は、粘度が500〜8000mPa・S、特に1000〜3500mPa・Sの範囲であると、さらさらとした良好な使用感が得られるため好ましい。
本発明においては、表面のみならず、結晶格子中にも実質的にアルミニウムを含まない酸化チタンを用いる。
本発明において、実質的にアルミニウムを含まない酸化チタンとしては、平均粒子径が0.15μm以下の微粒子酸化チタンを用いると、化粧料塗布時に白浮きせず、透明感のある自然な仕上がりが得られるため好ましい。また本発明の技術は、比表面積の大きい微粒子酸化チタンに特に有効である。
酸化チタンにはアナターゼ型とルチル型の2つの結晶型があるが、本発明に用いる酸化チタンは、ルチル型であることが好ましい。一般にアナターゼ型は、ルチル型に比べて光触媒活性が高いために、本発明の表面改質処理を行っても、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーと共に化粧料に配合した場合に粘度が上昇してしまうことがある。
シリコーン類としては、ポリオルガノシロキサン類(シリコーンオイル)、シラン類及びその加水分解生成物等が挙げられる。
ポリオルガノシロキサン類は、その側鎖や末端が、アルキル基、フルオロアルキル基、高級脂肪酸、フェニル基等の非反応性の疎水性官能基で変性されているもの、あるいは水素基、エポキシ基、メタクリル基等の反応性の疎水性官能基で変性されているものである。
シラン類は、アルキル基、フルオロアルキル基、高級脂肪酸、フェニル基等の非反応性の疎水性官能基を有するもの、あるいはビニル基、エポキシ基、メタクリル基等の反応性の疎水性官能基を有するもの(シランカップリング剤)である。
シラン類の加水分解生成物とは、加水分解性シランが有するアルコキシ基、水酸基、ハロゲン基等の加水分解性基が加水分解されてシラノールになったもの、シラノール同士が重縮合しシロキサン結合を有するオリゴマーやモノマーになったもの、及びこれらの混合物である。
ポリオルガノシロキサン類の中ではジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサンが、シラン類の中ではカプリリルトリエトキシシランが、所望の効果が得られやすく、また他の化粧料成分との親和性が優れるため特に好ましい。
高級脂肪酸としては、ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸、パルミチン酸、リノール酸、リノレイン酸等が挙げられる。中でもステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸が所望の効果が得られやすく好ましい。
本発明においては、酸化チタンに疎水化処理を行って、水中油型化粧料の油相に配合することにより、以下のような効果も発揮される。すなわち、水相中に存在するアルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーとの反応が抑制され、粘度上昇の防止効果が高くなる。さらに酸化チタンに不純物として含まれ得るカルシウムイオンやマグネシウムイオン等の溶出が抑制されるため、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーの機能を劣化させることがない。
また本発明においては、酸化チタンを疎水化処理することにより、化粧料としての耐水性が高くなるという効果も有する。
被覆処理に用いられるシリカは、結晶性でも非結晶性でも良い。
酸化チタンにシリカを被覆する方法は、特に限定されず従来の方法を用いることができる。例えば、酸化チタンの水性懸濁液にシリカゾルを添加し、酸化チタン表面にシリカを析出させる方法、酸化チタンを芯材としてシリカと湿式又は乾式にて混合粉砕処理するメカノケミカル反応による方法等が挙げられる。
本発明の化粧料において、改質酸化チタンの配合量は、特に限定されず目的に応じて適宜調整することができるが、具体的には1〜50質量%、特に5〜30質量%、さらに10〜20質量%とすることが好ましい。50質量%を超えると、塗布時にきしみ感が生じ、また塗布色が白くなってしまい自然さが失われる。1質量%未満であると、有効なUVB遮蔽効果が望めない。
本発明においては、アクリル酸系ポリマーの中でも、特にカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーを用いることにより、好ましい使用感の化粧料が得られる。
カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸共重合体をポリエチレンオキサイド鎖によって部分架橋したものである。前記アクリル酸共重合体としては特に限定されないが、好ましい例として、アクリル酸及びアクリル酸エステルの単位を含む共重合体が挙げられる。
また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーは、カルボキシビニルポリマーにアルキル基を導入して変性したものである。また、アルキル変性カルボキシビニルポリマーのアルキル変性は、カルボキシビニルポリマーの主鎖へのアルキル基導入(主鎖の炭素への結合)及び/又はエステル鎖へのアルキル基導入(アクリル酸エステルのアルコール残基)等による。導入されるアルキル基の炭素数は、10〜30であることが好ましく、アルキル基は飽和、不飽和、また直鎖状、分岐鎖状いずれでも構わない。
本発明の低粘度水中油型乳化化粧料におけるカルボキシビニルポリマー及び/又はアルキル変性カルボキシビニルポリマーの配合量は、0.01〜1.0質量%、特に0.1〜0.5質量%が好ましく、この範囲で用いれば粉体の分散性が良好で、且つ伸び広がりのよい液状化粧料が得られる。
特に、シクロペンタシロキサン、ジメチルシリコン等のシリコーン油を配合すると、さっぱりとした使用感が得られるため好ましい。
油分の配合量は、化粧料中合計で1〜60質量%であることが好ましい。1質量%未満であると保湿性及びその持続性等が充分得られず、60質量%を超えて配合するとみずみずしい使用感が失われることがある。
本発明に用いられる紫外線吸収剤としては、アントラニラート類;ケイ皮酸誘導体;サリチル酸誘導体、ショウノウ誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β'-ジフェニルアクリラート誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロナート誘導体;ベンゾイミダゾール誘導体;イミダゾリン類;ビスベンゾアゾリル誘導体;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体等が挙げられ、これらの中から任意の一種または二種以上を用いることができる。
その他の粉体としては、例えば、タルク、マイカ、カオリン等の体質顔料、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、グンジョウ、コンジョウ、酸化チタン・酸化鉄等の着色顔料、タール色素、天然色素等の有機顔料、雲母チタン、酸化鉄雲母チタン、オキシ塩化ビスマス等のパール剤、その他ナイロンパウダー、シリコンパウダー、シルクパウダー等の有機粉体が挙げられる。必要に応じて、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上のことから、本発明の化粧料は、実質的にアルミニウムイオンあるいは亜鉛イオンを含まないことが好ましく、さらに化粧料中でアルミニウムイオンあるいは亜鉛イオンを溶出する粉体を実質的に含まないことが好ましい。
しかしながら、WO01−93812においては、経時(30日後程度)で生じる粘度上昇については全く配慮されていない。そして、アルミニウムを含む通常の酸化チタンを使用している上、疎水化処理を行っていない。このためアルミニウムイオンとアクリル酸系ポリマーのカルボン酸基との間に生成する金属塩に起因して、経時で顕著に粘度上昇が生じてしまう。また該酸化チタンを水相に配合しているため、イオンの溶出がより顕著になっている。さらに酸化チタンに対して表面被覆量が多い(膜厚が厚い)ので、所望の紫外線防御効果を得るためには、相対的に配合量を多くする必要があり、製剤処方上好ましくないことがあった。
さらに本発明においては、疎水化処理を行い、改質酸化チタンを水中油型化粧料の油相に配合することにより、改質酸化チタンに不純物として含まれうる各種イオン溶出が抑制され、粘度上昇の防止効果がより高くなる。また、化粧料としての耐水性にも優れている。
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
(安定性試験方法)
粘度上昇及び変色の有無について、以下の評価基準に基づいて評価することにより安定性を試験した。
調製後25℃の恒温槽に30日間静置保存後の化粧料について、製造直後と比較して粘度上昇が生じているかどうかを試験した。
○:粘度上昇なし
△:やや粘度上昇あり
×:粘度上昇あり
(2)変色
各化粧料に人工太陽光(サンテストXLS:アトラス社製)を7時間照射(夏季の約1日暴露量25.5MJ/m2に相当)し、変色の有無を目視にて観察した。
○:変色なし
△:やや変色あり
×:変色あり(黒っぽく変化)
ところが、アルミナ被覆酸化チタンを、UVBを十分に防御できる量配合すると、粘度上昇及び変色が起こってしまった。
このように、通常市販されているアルミナ処理した酸化チタンをカルボキシビニルポリマーと併用する場合、紫外線防御能と経時安定性とを両立させることはできなかった。
一方、シリカ被覆量が30質量%である場合には、変色は起こらなかったが、粘度上昇に対する効果は未だ低かった。シリカ被覆量を50質量%以上にまで増量すれば、粘度上昇に対してある程度の防止効果が得られる可能性もある。しかしながら、シリカ被覆量を増やし過ぎると、酸化チタン分が少なくなり、配合量に見合った紫外線防御効果が得られなくなるため好ましくない。
酸化チタンは、その光触媒活性を抑制するために、一般にアルミナ処理された状態で市販されているが、このアルミナが粘度上昇の原因となっていることは、これまで全く知られていなかった。
一方で、表4の酸化チタンは表面処理を行っていないために、やはり光触媒活性に起因する変色が生じてしまった。
また上記の疎水化処理/シリカ被覆酸化チタンにおいては、被覆量が少なく酸化チタン分が多いため、化粧料中のその配合量が少なくてもUVB及びUVA共に十分に防御効果が発揮された。
以上のように、本発明の低粘度水中油型乳化化粧料においては、アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーと共に、実質的にアルミニウムを含まない酸化チタンを疎水化処理した改質酸化チタンを用いることにより、経時での粘度上昇及び変色が抑制され、優れた使用感を長期間維持できることが確認された。
(製造方法)
[粉体1:疎水化処理/シリカ被覆酸化チタン]
(製造方法)
アルミニウム非含有ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.02×0.09μm)2kgを水性スラリーにし、60℃に加温して、SiO3として100g/Lのケイ酸ナトリウム水溶液3Lを1時間かけて添加し、次いで90℃に昇温して1時間熟成した。次いで20%硫酸でpHを5.5になるように30分間かけて中和し、シリカで複合体の表面を被覆した。
次いで、20%硫酸でpHを3として、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン100gを添加し、30分間攪拌後、水酸化ナトリウムでpH10として、1時間熟成した。これを中和・濾過・洗浄、乾燥し、ジェットミルを用いて粉砕した。
(製造方法)
アルミニウム非含有ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.06μm)を用いて、粉体1に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
アルミニウム非含有ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.06μm)を用い、且つジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサンの代わりにカプリリルトリエトキシシラン160gを用いて、粉体1に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
アルミニウム非含有ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.01×0.04μm)を用い、且つジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサンの代わりにカプリリルトリエトキシシラン200gを用いて、粉体1に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
アルミニウム非含有ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.06μm)2kgを水性スラリーにし、20%硫酸でpHを3として、ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン100gを添加し、30分間攪拌後、水酸化ナトリウムでpH10として、1時間熟成した。これを中和・濾過・洗浄、乾燥し、ジェットミルを用いて粉砕した。
(製造方法)
ジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサンの代わりにカプリリルトリエトキシシラン300gを用いて、粉体5に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
アルミニウム非含有アナターゼ型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.015μm)を用い、且つジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサンの代わりにカプリリルトリエトキシシラン200gを用いて、粉体5に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
市販のシリカ・アルミナ被覆ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.06μm、シリカ被覆量15%、アルミナ被覆量1.5%)2.33kgを水性スラリーにし、これに、ステアリン酸ナトリウムを160g添加し、30分間攪拌した後、20%硫酸でpHが6になるように40分間かけて中和した。これを濾過・洗浄、乾燥し、ジェットミルを用いて粉砕した。
(製造方法)
市販のシリカ・アルミナ被覆ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.06μm、シリカ被覆量15%、アルミナ被覆量4%)2.38kgを用い、ステアリン酸ナトリウムの代わりにジメチルポリシロキサン・メチルハイドロジェンポリシロキサン100gを用いて、粉体8に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
市販のシリカ・アルミナ被覆ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.06μm、シリカ被覆量15%、アルミナ被覆量4%)2.38kgを用い、ステアリン酸ナトリウムの代わりにカプリリルトリエトキシシラン500gを用いて、粉体8に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
市販のアルミナ被覆ルチル型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.06μm、アルミナ被覆量15%)2.3kgを用いて、粉体8に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
市販のアルミナ被覆アナターゼ型酸化チタン(平均粒子径:0.015×0.015μm、アルミナ被覆量15%)2.3kgを用いて、粉体8に準ずる方法で製造した。
(製造方法)
市販の酸化亜鉛(平均粒子径:0.02μm、アルミナ被覆なし)2kgを用いて、粉体1に準ずる方法で製造した。
(液状サンスクリーンローションの処方)
(1)イオン交換水 63.18部
(2)パラベン 0.3部
(3)エタノール 5.0部
(4)エデト酸ナトリウム 0.1部
(5)ブチレングリコール 5.0部
(6)グリセリン 5.0部
(7)カルボキシビニルポリマー 0.2部
(8)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.1部
(9)水酸化カリウム 0.12部
(10)環状ポリシロキサン 7.0部
(11)ジメチルポリシロキサン 2.0部
(12)メチルフェニルポリシロキサン 2.0部
(13)オクチルメトキシシンナメート 5.0部
(14)上記表8の各粉体 5.0部
合計 100.0部
(製法)
A.成分2を成分3に溶解して成分1に添加し、これに成分4〜9を混合する(水相)。
B.成分10〜13を混合し、これに成分14をビーズミルにて分散する(油相)。
C.水相に油相をホモミキサーで攪拌しながら添加混合し、容器に充填する。
各化粧料について、製造直後、あるいは25℃及び40℃で30日間静置保存後の粘度を芝浦システム(株)製 ブルックフィールド(BL)型粘度計「DIGITAL VISMETRON VDA(ローターNo.1)」を使用し、回転数12rpm、60sec.の条件で測定した。
各化粧料に紫外線を人工太陽光(サンテストXLS:アトラス社製)を7時間照射(夏季の約1日暴露量25.5MJ/m2に相当)し、変色の有無を観察した。
○:変色なし
×:変色あり(黒っぽく変化)
各化粧料を25℃にて30日間保存し、粉末の沈降の有無を観察した。
○:沈降なし
×:沈降あり
各化粧料を25℃にて30日間保存し、使用感触について0〜6の評点をつけ、10人のパネラーの平均値を算出した。
◎(非常に良好):5.0〜6.0
○(良好) :3.0〜4.9
△(やや不良) :1.0〜2.9
×(不良) :0〜0.9
専門パネル10名の上腕に各化粧料を塗布し、2時間後に水洗を行い、耐水性を以下の基準で評価した。
○:耐水性がある:10名中8名以上が耐水性良好と回答した。
△:耐水性がややある:10名中4〜7名が耐水性良好と回答した。
×:耐水性がない:10名中3名以下が耐水性良好と回答した。
一方、アルミナ処理を行っていない酸化チタンを疎水化処理した場合には、粘度上昇は生じなかった(試験例8−1〜8−7)。しかしながら、シリカ処理していない場合には、光触媒活性による変色が生じるため、遮光ビン等に入れて保存する等の対策が必要である(試験例8−5〜8−7)。これに対し、シリカ処理及び疎水化処理をした酸化チタンである粉体1〜4を配合した化粧料は、粘度上昇も変色も起こらず、低粘度でのびの良い乳液の状態を保っていた。しかも、粉末の沈降は起こらず、耐水性にも優れていた(試験例8−1〜8−4)。
特に、シリカ被覆後に疎水化処理した改質酸化チタンを用いると、光触媒活性による変色が生じない化粧料が得られるため、好ましい。
(処方) (質量%)
(1)セチルアルコール 0.3
(2)カルボキシビニルポリマー 0.3
(3)ワセリン 1.0
(4)ミツロウ 2.0
(5)POE硬化ひまし油 1.0
(6)流動パラフィン 10.0
(7)シリカカプリリルトリエトキシシラン処理酸化チタン(試験例4)
5.0
(8)シリカジメチコン処理酸化チタン(アルミニウム非含有) 2.0
(9)ベンガラ 0.4
(10)黄酸化鉄 2.0
(11)黒酸化鉄 0.2
(12)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.1
(13)精製水 残量
(14)ジプロピレングリコール 5.0
(15)フェノキシエタノール 適量
(16)トリエタノールアミン 0.4
(製法)
A:成分1〜5を加熱混合する。
B:成分6〜8を撹拌混合する。
C:成分13に成分12を添加し、成分9〜11を分散させる。
D:上記CにA,B、及び成分14〜15を添加して乳化後、成分16を添加する。
25℃で30日間保存後の粘度:2350mPa・s
本実施例の化粧料は、粉体の分散状態が良好で、メーキャップ効果および化粧持続性に優れ、経時においても液状を保ち、肌上での伸び広がりの良いファンデーションであった。
(処方) (質量%)
(1)流動パラフィン 10.0
(2)モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン/ソルビトール 1.0
(ポリソルベート80)
(3)トリオクタン酸グリセリル 5.0
(4)シリカカプリリルトリエトキシシラン処理酸化チタン 10.0
(実施例2の粉体3)
(5)カプリリルメチコン 20.0
(6)精製水 残 量
(7)1,3−ブチレングリコール 5.0
(8)グリセリン 2.0
(9)アスコルビルグルコシド 2.0
(10)カルボキシビニルポリマー 0.3
(シンタレンLTM:シグマ社製)
(11)水酸化ナトリウム 0.45
(12)防腐剤 適 量
(13)香料 適 量
(製法)
A:成分1〜3を加熱する。
B:成分4を成分5に混合分散し、上記Aを加える。
C:成分6〜12を混合する。
E:上記CにBと成分13を添加し、乳化する。
25℃で30日間保存後の粘度:3150mPa・s
本実施例の化粧料は、肌上での伸び広がりが良く、粘度安定性に優れる日焼け止めエッセンスであった。
(処方) (質量%)
(1)イソノナン酸イソノニル 20.0
(2)シリカパーフルオロリン酸処理酸化チタン(アルミニウム非含有) 2.0
(3)オクトクリレン 10.0
(4)ポリエチレングリコール(8モル) 15.0
(5)アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.3
(ペミュレンTR−1TM:グッドリッチ社製)
(6)球状シリカ粉末 2.0
(7)グリセリン 5.0
(8)精製水 残 量
(9)香料 適 量
(10)トリエタノールアミン 0.3
(製法)
A:成分1〜3を混合分散する。
B:成分4〜8を混合分散し、上記Aを添加して乳化する。
C:上記Bに成分9を添加し、成分10を加えて中和し、容器に充填する。
25℃で30日間保存後の粘度:1180mPa・s
本実施例の化粧料は、肌上での伸び広がりが良く、粘度安定性に優れる日焼け止め乳液であった。
Claims (6)
- 実質的にアルミニウムを含まない酸化チタンの表面をシリカ被覆後、さらに疎水化処理した改質酸化チタンを油相中に含有し、
アルキル変性カルボキシビニルポリマー及び/又はカルボキシビニルポリマーを水相中に含有する低粘度水中油型乳化化粧料。 - 改質酸化チタンにおいて、表面被覆量の合計が酸化チタンに対して1〜20質量%であることを特徴とする請求項1に記載の低粘度水中油型乳化化粧料。
- 酸化チタンがルチル型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の低粘度水中油型乳化化粧料。
- 粘度が500〜8000mPa・Sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の低粘度水中油型乳化化粧料。
- 実質的にアルミニウムイオンを含まないことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の低粘度水中油型乳化化粧料。
- 実質的に亜鉛イオンを含まないことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の低粘度水中油型乳化化粧料。
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