JP2007084227A - 搬送装置、記録装置、液体噴射装置 - Google Patents

搬送装置、記録装置、液体噴射装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 用紙が記録部へ搬送されるまでに、スキューをコントロールして用紙の傾きをなくすことができる搬送装置を提供すること。
【解決手段】 搬送装置200は、給送用ローラ14によって送られてきた被記録媒体Pを、搬送用ローラ対190によって挟持して、被記録媒体Pに記録を実行する記録部120へ搬送する搬送装置200であって、搬送用ローラ対190は、駆動する搬送用駆動ローラ192と、該搬送用駆動ローラ192に従動回転する搬送用従動ローラ191(191a、191b…)と、を備え、該搬送用従動ローラ191(191a、191b…)の軸は、被記録媒体Pがスキューしようとする方向に対して反対方向に被記録媒体Pを傾かせるように前記搬送用駆動ローラ192の軸に対して傾いて配設されていることを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、給送用ローラによって送られてきた被記録媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被記録媒体に記録を実行する記録部へ搬送する搬送装置に関する。
ここで、液体噴射装置とは、液体噴射ヘッドとしての記録ヘッドから記録紙等の被記録材へインクを噴射して被記録材への記録を実行するインクジェット式記録装置、複写機及びファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えて特定の用途に対応する液体を前述した記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから、被記録材に相当する被噴射材に噴射して、液体を被噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。また、液体噴射ヘッドとしては、前述した記録ヘッド以外に、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料を噴射する試料噴射ヘッド等が挙げられる。
従来、記録装置における搬送用ローラ対は、駆動モータによって駆動する搬送用駆動ローラと、搬送用駆動ローラの回動にしたがって従動する搬送用従動ローラとから構成されていた。そして、搬送用ローラ対は用紙を下流側の記録部へ真っ直ぐに搬送するため、搬送用駆動ローラの軸、および搬送用従動ローラの軸方向は、搬送方向に対して直交するように設けられていた(例えば、特許文献1)。
ところが、用紙は、搬送方向上流から下流へ送られる間、傾いて送られる虞がある。所謂、スキューである。スキューが発生する原因は様々である。例えば、用紙の側端部が搬送経路と擦れることによって摩擦抵抗が生じ、両側端の摩擦抵抗に差がある場合、用紙に傾こうとする力が生じてスキューが発生する虞がある。また、上流側の給紙ローラが、用紙の幅方向(副走査方向)において用紙の偏倚した位置と当接する場合も、スキューが発生する虞がある。
そのため、送られた用紙の先端部を搬送方向と直交する方向に対して傾いていない搬送用ローラ対に突き当てることによって用紙の先端部のスキューを取る方式、所謂、「突き当て方式」によるスキュー取りを実行して用紙を傾きの無い状態にしていた。即ち、用紙のスキューを取り除いてから搬送用ローラ対によって下流側の記録部へ用紙を搬送していた。
特開2002−265089号公報
しかしながら、上記のスキュー取りは、用紙が搬送用ローラ対まで送られた際に発生したスキューに対するスキュー取り手段である限りであって、さらに下流側である搬送用ローラ対から記録部へ搬送されるまでの間に発生するスキューについては、全く考慮されていなかった。
本発明は、このような状況に鑑み成されたものであり、その課題は、用紙が記録部へ搬送されるまでに、スキューをコントロールして用紙の傾きをなくすことができる搬送装置、該搬送装置を備えた記録装置、および、該搬送装置を備えた液体噴射装置を提供することである。
上記課題を達成するため、本発明の第1の態様は、給送用ローラによって送られてきた被記録媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被記録媒体に記録を実行する記録部へ搬送する搬送装置であって、前記搬送用ローラ対は、駆動する搬送用駆動ローラと、該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラとを備え、該搬送用従動ローラの軸は、被記録媒体がスキューしようとする方向に対して反対方向に被記録媒体を傾かせるように、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設されていることを特徴とする搬送装置である。
ここで、「スキューしようとする方向」とは、前記搬送用従動ローラを傾けなかった場合において、外力によって被記録媒体に「スキューしようとする力」が作用して、該力の総和によって決まる被記録媒体の回転する方向をいう。また、「スキューしようとする力」とは、搬送用従動ローラを傾けたことによって、該搬送用従動ローラが被記録媒体を傾けようとする力以外の被記録媒体に付与される力をいう。
本発明の第1の態様によれば、搬送用従動ローラの軸は、被記録媒体がスキューしようとする方向に対して反対方向に被記録媒体を傾かせるように、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設されている。従って、被記録媒体が前記搬送用ローラ対に挟持されて搬送される間において、スキューしようとする力が作用する被記録媒体に対して、該スキューしようとする力を「打ち消す力」を発生させることができる。その結果、被記録媒体のスキューする量を低減させることができ、記録部によって良好な記録を実行することができる。
ここで、搬送用従動ローラの軸を傾ける角度は、被記録媒体を挟持する能力を妨げない程度であって、通常1度以下で足りる。従って、搬送用ローラ対が被記録媒体を挟持した際、所謂、ニップ点は、搬送用駆動ローラ軸と搬送用従動ローラ軸との略中間線状(以下、ニップラインという。図5参照)となる。即ち、ニップラインは、搬送用駆動ローラの軸方向に対して傾いた状態となる。
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、「突き当て方式」、または、「食い付き吐き出し方式」による被記録媒体のスキュー取りを実行して、被記録媒体の先端部を前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾けるように構成されていることを特徴とする搬送装置である。
被記録媒体を挟持する能力を妨げないようにするため、搬送用従動ローラを傾けることができる角度には限度がある。従って、前記「打ち消す力」は十分でない虞がある。言い換えると、被記録媒体が前記搬送用ローラ対に挟持されて搬送される間において、被記録媒体がスキューしようとする力が、前記「打ち消す力」より大きく作用する虞がある。また、搬送用ローラ対より上流側で発生したスキューを除去する必要がある。
そこで、本発明の第2の態様によれば、第1の態様と同様の作用効果に加え、前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、「突き当て方式」、または、「食い付き吐き出し方式」による被記録媒体のスキュー取りを実行して、被記録媒体の先端部を前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾けるように構成されている。従って、スキュー取りを実行することによって、被記録媒体の先端部を搬送用駆動ローラに対して傾いたニップラインにならわせることができる。即ち、搬送用ローラ対より上流側で発生したスキューを除去すると共に、搬送用ローラ対によって搬送される間に被記録媒体がスキューしようとする方向と反対方向へ被記録媒体を、予め「所定の角度」だけ搬送用駆動ローラに対して傾けることができる。その後、被記録媒体が搬送用ローラ対によって搬送される間に、外力によって被記録媒体に「スキューしようとする力」が作用して、搬送し終わるまでに被記録媒体を傾きの無い状態とすることができる。即ち、被記録媒体の先端部を、被記録媒体がスキューする角度だけ、予めスキューする方向と反対方向へ傾かせた状態からスタートさせて、記録部の記録ポジションであるゴールに到達する際に前記先端部の傾きを0(ゼロ)に近づけて所定の許容範囲に収めることでスキューをコントロールすることができる。
ここで、「所定の角度」とは、搬送用従動ローラを、搬送用駆動ローラに対して傾けたことによるニップラインの傾き角度をいう。該「所定の角度」は、被記録媒体が前記搬送用ローラ対に挟持されて搬送される間における被記録媒体がスキューしようとする力と、前記「打ち消す力」とを予め測定して決められる。
例えば、被記録媒体が反時計方向へスキューする場合、被記録媒体を時計方向へ回転させるように搬送用従動ローラを傾けて配設する。そして、被記録媒体が搬送用ローラ対に挟持される際に、「突き当て方式」、または、「食い付き吐き出し方式」による被記録媒体のスキュー取りを実行することによって、被記録媒体の先端部を時計方向へ傾いたニップラインにならわせることができる。その後、被記録媒体が搬送用ローラ対によって搬送され、被記録媒体は予め傾けられた角度(ニップラインの傾き角度)だけ反時計方向へ「スキューしようとする力」によって回転して、最終的に被記録媒体の傾きを0(ゼロ)に近い状態とすることができる。
尚、「突き当て方式」とは、搬送用駆動ローラを停止させた状態で、給送用ローラによって被記録媒体を送って被記録媒体の先端部を搬送用ローラ対に突き当てて、給送用ローラと搬送用ローラ対との間で、被記録媒体を撓んだ状態として、被記録媒体の先端部を、搬送用ローラ対のニップラインへ向かって押し付けることによって、ニップラインにならわせることをいう。
一方、「食い付き吐き出し方式」とは、給送用ローラによって送られた被記録媒体の先端部から一定長を、搬送用駆動ローラの正転駆動によって搬送用ローラ対に食い付かせた後、搬送用駆動ローラの逆転駆動によって搬送用ローラ対から吐き出させて、給送用ローラと搬送用ローラ対との間で、被記録媒体を撓んだ状態として、被記録媒体の先端部を、搬送用ローラ対のニップラインへ向かって押し付けることによって、ニップラインにならわせることをいう。
本発明の第3の態様は、給送用ローラによって送られてきた被記録媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被記録媒体に記録を実行する記録部へ搬送する搬送装置であって、前記搬送用ローラ対は、駆動する搬送用駆動ローラと、該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラと、を備え、該搬送用従動ローラの軸は、搬送用ローラ対が被記録媒体の先端部を挟持する際、該先端部が傾こうとする方向に対して反対方向へ、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設され、前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、突き当て方式、または、食い付き吐き出し方式による被記録媒体のスキュー取りを実行して、被記録媒体の先端部を搬送用駆動ローラの軸に対して傾いたニップラインにならわせ、該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持される際、該先端部を前記傾こうとする方向へ回転させて搬送用駆動ローラの軸に対して傾きのない状態として、該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持された後、該搬送用ローラ対は、前記搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ被記録媒体を搬送するように構成されていることを特徴とする搬送装置である。
ここで、「先端部が傾こうとする方向」とは、前記搬送用従動ローラを傾けなかった場合において、該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持される際に外力等によって被記録媒体に「先端部が傾こうとする力」が作用して、該力の総和によって決まる被記録媒体の回転する方向をいう。
また、「先端部を前記傾こうとする方向へ回転させて搬送用駆動ローラの軸に対して傾きのない状態」とは、略傾きの無い状態をいう。
上記「突き当て方式」または「食い付き吐き出し方式」によるスキュー取りを実行することで、被記録媒体の先端部を搬送用ローラ対にニップラインにならわせて、被記録媒体の搬送用ローラ対より上流側で発生したスキューを取ることができる。その後、被記録媒体が搬送用ローラに強固に挟持されて搬送されれば、被記録媒体が搬送方向に対して傾く虞がない。
ところが、特に比較的厚みのある被記録媒体の先端部が搬送用ローラ対に挟持される際、該先端部は、搬送用従動ローラおよび搬送用駆動ローラとの間を徐々に押し広げて両ローラに挟持される。即ち、挟持される際、該両ローラは、前記先端部を強く挟持していない状態である。この際、該先端部と搬送用従動ローラとの接触状態に起因する搬送用従動ローラの回転抵抗の変化や、被記録媒体の幅方向における給送用ローラの位置等によって、被記録媒体の先端部が搬送用ローラ対に対して傾く虞がある。即ち、該先端部が搬送用ローラ対によって完全に挟持される直前であって、該先端部が前記両ローラの間を押し広げようとしている状態では、該先端部の左右側端部と搬送用従動ローラとの接触状態に起因する搬送用従動ローラの回転抵抗の変化によって被記録媒体の左右のバランスが崩れて、該先端部が一方へ傾く虞がある。
また、先端部が搬送用ローラ対によって完全に挟持される直前は、搬送用ローラ対と給送用ローラとの間で被記録媒体が撓んだ状態である。即ち、給送用ローラが被記録媒体を搬送用ローラ対に向かって押し付けている状態である。従って、該給送用ローラが被記録媒体の幅方向において、偏倚した位置で被記録媒体と接触・付勢している場合、前記状態において、被記録媒体の先端部における左右の押し付け力に差が生じて該先端部が一方へ傾く虞がある。
そこで、本発明の第3の態様によれば、搬送用従動ローラの軸は、搬送用ローラ対が被記録媒体の先端部を挟持する際、該先端部が傾こうとする方向に対して反対方向へ、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設され、前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、突き当て方式、または、食い付き吐き出し方式による被記録媒体のスキュー取りを実行して、被記録媒体の先端部を搬送用駆動ローラの軸に対して傾いたニップラインにならわせ、該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持される際、該先端部を前記傾こうとする方向へ回転させて搬送用駆動ローラの軸に対して傾きのない状態として、該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持された後、該搬送用ローラ対は、前記搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ被記録媒体を搬送するように構成されている。
即ち、搬送用従動ローラの軸を傾けなかった場合に、前記「先端部が傾こうとする力」によって発生する搬送用ローラ対が被記録媒体の先端部を挟持する際の該先端部の傾き分だけ、該先端部を「先端部が傾こうとする方向」と逆方向へ傾いたニップラインにならわせることによって、該先端部が搬送用ローラに挟持される直前に予め前記逆方向へ傾けることができる。そして、該先端部が搬送用ローラ対に挟持される際、前記「先端部が傾こうとする力」によって、該先端部が回転するように移動して、該先端部を前記搬送用駆動ローラと平行にすることができる。さらに、該先端部が搬送用ローラ対に挟持された後は、搬送用ローラ対によって強固に挟持することができる。従って、搬送用ローラ対は、前記搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ被記録媒体を搬送することができる。特に厚みにある被記録媒体に対して有効である。
尚、搬送用従動ローラの軸は搬送用駆動ローラの軸に対して傾いているが、強固に被記録媒体を挟持しているので、被記録媒体は搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ搬送される。このとき、搬送用従動ローラと被記録媒体との摩擦抵抗よりも、搬送用駆動ローラと被記録媒体との摩擦抵抗を大きくなるように、搬送用駆動ローラの外周面に、高摩擦抵抗被膜を均一に形成すると、一層確実に被記録媒体を搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ搬送することができる(例えば、特開2000−302279号公報に記載された搬送用駆動ローラ)。
本発明の第4の態様は、第2または第3の態様において、前記搬送用従動ローラは、複数設けられ、前記記録部の1桁側から一部の1または複数の搬送用従動ローラの軸のみが傾いているように構成され、該傾いている搬送用従動ローラの軸は、少なくとも一側端を搬送方向の下流側へずらして配設されていることを特徴とする搬送装置である。
一般に被記録媒体は、大きいサイズより比較的小さいサイズの方が、搬送される際に不安定であるため、搬送経路との摩擦抵抗等に起因するスキューさせる力の影響を受けやすい。
そこで、本発明の第4の態様によれば、第2または第3の態様と同様の作用効果に加え、前記搬送用従動ローラは、複数設けられ、前記記録部の1桁側から一部の1または複数の搬送用従動ローラの軸のみが傾いているように構成され、該傾いている搬送用従動ローラの軸は、少なくとも一側端を搬送方向の下流側へずらして配設されている。即ち、搬送方向上流側であって80桁側には、傾いていないニップラインが設けられ、下流側であって1桁側には、傾いたニップラインが設けられる。従って、1桁側の1または複数の傾いた搬送用従動ローラのみによって、搬送される比較的小さいサイズの被記録媒体が搬送用ローラ対に挟持される際に、該比較的小さいサイズの被記録媒体の先端部を、下流側であって1桁側の傾いたニップラインにならわせることができる。
一方、比較的大きいサイズの被記録媒体については、該被記録媒体の先端部を、搬送方向の最上流のニップラインである傾いていない搬送用従動ローラにならわせることができる。即ち、被記録媒体が搬送用ローラ対に挟持される際に、スキューしやすい比較的小さいサイズの被記録媒体先端部のみを傾かせて、スキューしにくい比較的大きいサイズの被記録媒体先端部は傾かないようにすることができる。
本発明の第5の態様は、第1から第4のいずれか一の態様において、前記搬送用従動ローラは、基体側に設けられた従動ローラホルダに保持され、該従動ローラホルダは、前記基体に設けられたねじりコイルばねの第1方向の付勢力によって、前記搬送用従動ローラを前記搬送用駆動ローラへ付勢するように設けられると共に、前記ねじりコイルばねの第2方向の付勢力によって、前記従動ローラホルダが前記搬送用従動ローラと一体となって、前記搬送用駆動ローラの軸に対して搬送方向に傾くように構成されていることを特徴とする搬送装置である。
通常、ねじりコイルばねは、コイル部の円周方向(第1方向)へ付勢するように用いられる。ところが、ねじりコイルばねにおいて、コイル部から延設された腕部は、コイル部が斜めに巻かれることによって、コイル軸と直交する方向に対して傾く。即ち、腕部は、前記直交する方向に対して傾こうとする方向、即ち、コイル軸方向(第2方向)へ付勢することができる。従って、ねじりコイルばねは、コイル部の円周方向に付勢する第1方向の付勢力と、コイル軸方向に付勢する第2方向の付勢力とを有する特徴があると言える。
本発明の第5の態様によれば、第1から第4のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記ねじりコイルばねの第2方向の付勢力によって、前記従動ローラホルダが前記搬送用従動ローラと一体となって、前記搬送用駆動ローラの軸に対して搬送方向に傾くように構成されている。従って、一つのねじりコイルばねで、二つの方向へ付勢することができる。その結果、簡単な構成で搬送用従動ローラを搬送用駆動ローラに付勢させると共に、搬送用従動ローラの軸を搬送用駆動ローラの軸に対して傾けることができる。ここで、傾ける方向を逆にする場合、逆方向に巻かれたねじりコイルばねを用いればよい。
本発明の第6の態様は、第1から第5のいずれか一の態様において、前記搬送用従動ローラは、被記録媒体の側端部と対向しない位置に配設されていることを特徴とする搬送装置である。
搬送用ローラ対が、被記録媒体の側端部を挟持すると、所謂、片当たり状態となり、挟持方向において搬送用従動ローラが傾く虞がある。搬送用従動ローラが傾くと、搬送用従動ローラと被記録媒体との接触面積が小さくなり、搬送量が短くなる虞がある。複数の搬送用従動ローラによって挟持される場合、左右のうち一方のみが片当たり状態であると、搬送用ローラ対の搬送量が左右で異なり、搬送される被記録媒体のバランスが崩れる。言い換えると、被記録媒体には、スキューしようとする力が発生する。また、搬送用従動ローラが傾くと、該搬送用従動ローラの回転する際の従動ローラホルダとの摩擦抵抗が大きくなる虞がある。複数の搬送用従動ローラによって挟持される場合、左右のうち一方のみが片当たり状態であると、搬送用従動ローラの回転抵抗が左右で異なり、被記録媒体には、スキューしようとする力が発生する。
そこで、本発明の第6の態様によれば、第1から第5のいずれか一の態様と同様の作用効果に加え、前記搬送用従動ローラは、被記録媒体の側端部と対向しない位置に配設されている。従って、前記片当たり状態が発生しないので、その分、被記録媒体にスキューしようとする力が発生する虞がない。その結果、前記方当たり状態に起因するスキューしようとする力を考慮する必要なく、簡単に搬送用従動ローラの傾き角度を決めることができる。
本発明の第7の態様は、積層された被記録媒体をピックアップする給送部と、記録ヘッドにより被記録媒体に記録を実行する記録部と、前記給送部から前記記録部へ被記録媒体を搬送する搬送部とを備えた記録装置であって、該搬送部は、上記第1から第6のいずれかの態様に記載された前記搬送装置を備えていることを特徴とする記録装置である。
本発明の第7の態様によれば、記録装置は、上記第1から第6の態様のいずれかに記載された前記搬送装置を備えているので、記録装置において、上記第1から第6の態様のいずれかに記載された作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
本発明の第8の態様は、積層された被噴射媒体をピックアップする給送部から送られてきた被噴射媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被噴射媒体に液体噴射を実行する液体噴射部へ搬送する搬送装置を備え、液体噴射ヘッドに設けられた液体噴射孔から液体を被噴射媒体に噴射を行う液体噴射装置であって、前記搬送装置の搬送用ローラ対は、駆動する搬送用駆動ローラと、該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラとを備え、該搬送用従動ローラの軸は、被噴射媒体がスキューしようとする回転力に抗する力を発生させるように前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設されていることを特徴とする液体噴射装置である。
本発明の第9の態様は、給送用ローラによって送られてきた被噴射媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被噴射媒体に液体噴射を実行する液体噴射部へ搬送する搬送装置を備え、液体噴射ヘッドに設けられた液体噴射孔から液体を被噴射媒体に噴射を行う液体噴射装置であって、前記搬送用ローラ対は、駆動する搬送用駆動ローラと、該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラと、を備え、該搬送用従動ローラの軸は、搬送用ローラ対が被噴射媒体の先端部を挟持する際、該先端部が傾こうとする方向に対して反対方向へ、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設され、前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、突き当て方式、または、食い付き吐き出し方式による被噴射媒体のスキュー取りを実行して、被噴射媒体の先端部を搬送用駆動ローラの軸に対して傾いたニップラインにならわせ、該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持される際、該先端部を前記傾こうとする方向へ回転させて搬送用駆動ローラの軸に対して傾きのない状態として、該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持された後、該搬送用ローラ対は、前記搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ被噴射媒体を搬送するように構成されていることを特徴とする液体噴射装置である。
以下、本願発明に係る被記録材の搬送装置及び該搬送装置を備えた液体噴射装置の一例である記録装置について説明する。最初に本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
図1は排出用スタッカを拡開し、給送用トレイを引き出した状態のインクジェットプリンタの外観を示す斜視図、図2は排出用スタッカを拡開し、給送用トレイを引き出した状態のインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図である。
尚、ここで説明するインクジェットプリンタ100は、図1に示すように液体噴射装置本体、そして記録装置本体の一例であるプリンタ本体3の上方にスキャナ装置4を備え、プリンタ本体3の前面パネル6の中央に液晶モニタ画面7、その左右に操作ボタン8を備え、前面パネル6の下方中央部にデジタルカメラで撮影した写真データが収録されたメモリカード等を挿入するためのメモリカード挿入部9が設けられているインクジェットプリンタである。また、このタイプのインクジェットプリンタ100は、パーソナルコンピュータを使用しないでダイレクトに記録が実行でき、コピー機としても使用できる複合機能を有する比較的コンパクトなタイプのインクジェットプリンタである。
また、プリンタ本体3の前面にはプリンタ本体3のほぼ幅寸法一杯に開口され、斜め前方下方を向くように傾斜姿勢で設けられる前面開口30が設けられている。また、液晶モニタ画面7と操作ボタン8の一部及びメモリカード挿入部9は、パーソナルコンピュータに接続しないでダイレクトに記録を実行する場合に使用される部位である。即ち、メモリカード挿入部9に図示しないメモリカードを挿入し、液晶モニタ画面7を見ながら操作ボタン8を操作することによって好みの写真を簡単に家庭に居ながら何枚でも高品質にプリントすることができるようになっている。
また、プリンタ本体3の背面側の上部には自動的に被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)を連続して給送することのできる給送部110としての自動給送装置2が設けられている。自動給送装置2は、用紙Pを複数枚積畳し得る給送用トレイ5と、給送用トレイ5上の用紙Pを給送用ローラ14に向けて押上げるホッパ16と、ホッパ16との挟圧送り作用によって給送用トレイ5上の上位の用紙Pをピックアップする給送用ローラ14と、最上位の用紙Pのみが給送されるように重送された後続の用紙Pを最上位の用紙Pから分離する分離作用部の一例である図示しない分離パッドないしリタードローラと、分離された後続の用紙Pを給送用トレイ5上に戻す図示しない戻しレバーとを備えている。
次に、用紙Pの搬送経路に従ってインクジェットプリンタ100の内部構造の概略を説明する。給送用トレイ5は、最も搬送方向上流側に設けられおり、複数枚の用紙Pを積畳する被液体噴射材積畳部の一例である部材である。また、給送用トレイ5には用紙Pの側端縁(エッジ)に当接し、用紙Pの搬送方向となる副走査方向Yへの円滑な搬送を案内するエッジガイド15が設けられている。給送用トレイ5上の用紙Pは、給送用ローラ14の回転軸17の回転に伴って、ホッパ16が所定のタイミングで上昇し、給送用ローラ14に向けて押し上げられる。そして、給送用ローラ14の回転に伴って最上面に位置する用紙Pから順番に給送用ローラ14近傍に設けられる分離作用部の一例である図示しない分離パッドないしリタードローラの力を借りて単位数ずつピックアップして搬送方向下流に向けて搬送される。
給送用ローラ14の下流には、用紙Pの通過を検出する被液体噴射材検出手段の一例である図示しない被記録材検出手段(以下単に検出レバーという)が設けられており、検出レバーの下流には搬送部210としての搬送装置200が設けられている。搬送装置200には、搬送用駆動ローラ192と搬送用従動ローラ191とによって構成される搬送用ローラ対190が設けられている。このうち搬送用従動ローラ191は、搬送用従動ローラ用のローラホルダ180の下流側において軸支され、当該ローラホルダ180は、プリンタ本体側の基体181に設けられ、後述するねじりコイルばね(図4および図13参照)によって搬送用従動ローラ191が常に搬送用駆動ローラ192に圧接したニップ状態になるように回動付勢されている。また、搬送用駆動ローラ192の両端支持部、及び中央支持部近傍を除く外周面には、高摩擦抵抗被膜が均一に形成されている。
そして、搬送用ローラ対190によって挟圧された状態で搬送される用紙Pは記録ポジション26に導かれ、記録ポジション26には用紙Pに記録を実行する液体噴射実行手段の一例である記録部120としての記録実行手段の主たる構成要素として、主走査方向Xに往復可能に走行し得るキャリッジガイド軸12によって軸支され、無端ベルト11によって駆動されるキャリッジ10が設けられている。そして、該キャリッジ10の下面には用紙P等に液体の一例であるインクを吐出(噴射)して記録を実行する液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド13が搭載されている。またキャリッジ10には液体カートリッジの一例であるインクカートリッジCが装着されている。
記録ヘッド13の下方には、記録ヘッド13と対向して記録ヘッド13のヘッド面と用紙P等との間のギャップPGを規定するプラテン28が設けられている。そして、キャリッジ10とプラテン28との間に用紙P等を主走査方向Xと直交する副走査方向Yに所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド13を主走査方向Xに一往復させる間に記録ヘッド13から用紙P等にインクを噴射する動作とを相互に繰り返すことによって用紙P等の記録面のほぼ全面にわたって所望の記録が実行される。尚、上記ギャップPGは、高精度の記録を実行する上で極めて重要な要素となっており、用紙Pの厚さの変化等に応じて適宜調節されるようになっている。
記録ヘッド13の下流には、排出用駆動ローラ20aと、排出用従動ローラ20bとによって構成される被液体噴射材排出手段の一例である排出用ローラ20が設けられている。また、排出用従動ローラ20b近傍の搬送方向上流には、排出用補助従動ローラ22が設けられている。そして、排出用ローラ20によって排出された用紙Pは、更に搬送方向下流に位置する被液体噴射材受け部の一例である本発明の排出用スタッカ50上の載置面51に排出されるようになっている。
排出用従動ローラ20bと排出用補助従動ローラ22は、その外周に複数の歯を有する歯付きローラであり、それぞれを保持するローラホルダによって自由回転可能に軸支されている。また、上記搬送用従動ローラ191は搬送用駆動ローラ192よりその軸芯位置が幾分搬送方向下流側に位置するように配設されており、上記排出用従動ローラ20bは排出用駆動ローラ20aより軸芯位置が幾分搬送方向上流側に位置するように配設されている。このような配設態様をとることによって、用紙Pは搬送用ローラ対190と排出用ローラ20との間において僅かに下に凸となる俗に「逆ぞり」と呼ばれている湾曲状態が形成される。これにより記録ヘッド13に対向する位置にある用紙Pはプラテン28に押し付けられ、用紙Pの浮き上がりが防止されて正常に記録が実行されるようになっている。
図3に示すのは、本発明に係る搬送装置を示す斜視図である。また、図4(A)に示すのは、搬送装置の拡大平面図であり、同図(B)は(A)の正面図である。
図3に示すごとく、搬送装置200は、搬送用駆動ローラ192および搬送用従動ローラ191から構成される搬送用ローラ対190を備えている。搬送用駆動ローラ192は、図示しない駆動モータの駆動力によって駆動するように設けられている。搬送用駆動ローラ192は、キャリッジ10の主走査方向へ延設されている。そして、搬送用駆動ローラ192に従動回転する搬送用従動ローラ191が、図面右側である1桁側から左側である80桁側へ向かって191a、191b、191c、191d、191e、……と複数配設されている。搬送用従動ローラ191は、二つ一組で従動ローラホルダ180に保持されている。従動ローラホルダ180は、1桁側から80桁側へ向かって180a、180b、180c、…と複数配設されている。
図3および図4に示す如く、従動ローラホルダ180は、突起部183を有し、基体181に設けられた穴181b、181cに突起部183を挿通してカシメ等によって配設される。また、基体181の突部181aには、ねじりコイルばね182のコイル部182c(図13参照)を挿通するようにしてねじりコイルばね182が取り付けられ、ねじりコイルばね182の腕部182dが従動ローラホルダ180を付勢する。即ち、従動ローラホルダ180は、搬送方向上流側を支点に下流側を揺動させるように設けられている。このとき、ねじりコイルばね182は、二つ一組の搬送用従動ローラ191の搬送用駆動ローラ192に対する押圧力が均等になるように設けられている。
図4(A)に示す如く、1桁側の従動ローラホルダ180aは、搬送用駆動ローラ192に対して僅かに傾いて配設されている。従って、従動ローラホルダ180aに保持されている搬送用従動ローラ191a、191bも傾いている。このときの搬送用ローラ対190のニップラインについて図5を用いて説明する。
図5に示すのは、本発明の搬送用ローラ対のニップラインを示す側断面図および平面図である。このうち、同図(A)に示すのは、搬送用従動ローラの1桁側を搬送方向上流側へずらした状態の平面図である。同図(B)に示すのは、搬送用従動ローラの1桁側を搬送方向下流側へずらした状態の平面図である。同図(C)に示すのは同図(A)におけるX−X’の側断面図であり、同図(D)はY−Y’の側断面図である。また、同図(E)に示すのは同図(B)におけるZ−Z’の側断面図である。
図5(A)に示す如く、搬送用従動ローラ191の1桁側を搬送方向上流側へずらした状態で用紙Pが送られて、用紙Pを搬送用ローラ対190に突き当てると、用紙先端部P’は、搬送用ローラ対190のニップラインにならう。このときのニップラインは、同図(A)、(C)および(D)から明らかなように、搬送用従動ローラ191の傾きと同じ方向へ傾き、搬送用駆動ローラ軸と搬送用従動ローラ軸との略中間線となる。正確には、搬送用駆動ローラ192の径と搬送用従動ローラ191の径との比の分、それぞれの軸から離れている。
同図(B)に示す如く、搬送用従動ローラ191の1桁側を搬送方向下流側へずらした場合も同図(E)から明らかなように、ニップラインは、搬送用従動ローラ191の傾きと同じ方向へ傾く。
ここで、先ず、用紙Pのスキューの発生原因について説明して、その後、本発明に係る搬送用従動ローラ191の傾きについて説明する。
図6に示すのは、スキューが発生する様子を示す平面図である。
図6(A)に示す如く、用紙Pは、給送用ローラ14によって搬送用ローラ対190まで送られる。ところが、給送用ローラ14の位置が、用紙Pの幅方向(主走査方向)において、用紙Pの幅に対して偏倚している場合、用紙Pはバランスを崩してスキュー発生の原因となる。そこで、用紙先端部P’を搬送用ローラ対190に突き当てて、搬送用ローラ対190と給送用ローラ14との間で用紙Pを撓ませる、所謂、「突き当て方式」のスキュー取りを実行する。ところが、スキュー取りした後に搬送用ローラ対190によって、下流側の記録ヘッド側へ用紙Pが搬送され始める際、搬送用ローラ対190と給送用ローラ14との間で用紙Pが撓んでいる。言い換えると、給送用ローラ14が用紙Pを下流側へ押すように力が作用している。従って、用紙Pが搬送用ローラ対190によって搬送され始めると、搬送ローラのニップ力が強くても、給送用ローラ14の位置が用紙Pの幅に対して偏倚している場合、同図(B)に示す如く、用紙Pの搬送されるバランスが崩れてスキューが発生する虞が生じる。
また、図7に示すのは、図6とは別の原因によるスキューが発生する様子を示す正面断面図および平面図である。同図(A)は正面断面図であり、同図(B)は平面図である。
図7(A)に示す如く、搬送用従動ローラ191bが用紙Pの側端部P’’を押さえる、所謂、片当たり状態の場合、搬送用従動ローラ191bは、挟持する方向において傾こうとする。このとき、傾いていない状態と比べて搬送用従動ローラ191bと用紙Pとの接触面積が小さくなり、搬送量が短くなる虞がある。また、傾いていない状態と比べて搬送用従動ローラ191bの回転する際の従動ローラホルダ180との摩擦抵抗が大きくなる虞がある。従って、搬送用従動ローラ191が用紙Pの左右側端部P’’のうち、片側のみ片当たり状態である場合、同図(B)のように、左側である80桁側の搬送用従動ローラ191bでの用紙Pの搬送量が、右側である1桁側の搬送用従動ローラ191aでの用紙Pの搬送量より小さくなるため、および、左側である80桁側の搬送用従動ローラ191bの回転する際の摩擦抵抗が、右側である1桁側の搬送用従動ローラ191aの摩擦抵抗より大きくなるため、用紙Pは時計方向へ回転するようにスキューする虞がある。
また、用紙Pが、搬送用ローラ対190まで送られる、または、搬送用ローラ対190によって搬送される際、用紙Pの側端部P’’が、搬送路と接触して摩擦抵抗が発生する虞がある。このとき、用紙Pの左右の側端部P’’における摩擦抵抗に差があれば、用紙Pの左右のバランスが崩れてスキューが発生する虞が生じる。
よって、用紙Pに付与される「スキューしようとする力」およびその方向は、上記スキュー発生原因の総和によって決まる。
そこで、本願では、搬送用従動ローラ191を搬送用駆動ローラ192に対して傾けて配設している。続いて、本願発明の搬送用従動ローラ191の傾ける方向、および、その作用効果について説明する。
図8に示すのは、本発明に係る搬送装置の概念を示す平面図である。そのうち、図8(A)は、用紙が時計方向へスキューする傾向にある場合を示す図である。同図(B)は、同図(A)の場合に従動ローラホルダを傾ける方向を示す図である。同図(C)は、同図(B)の状態から用紙を搬送した状態を示す図である。
例えば、上記スキューの発生原因の総和によって、図8(A)に示す如く、用紙Pに時計方向へスキューしようとする力が作用する場合、搬送用ローラ対190によって搬送される用紙Pは、時計方向へスキューする。
そこで、同図(B)に示す如く、搬送用従動ローラ191a、191bを保持した従動ローラホルダ180aを、搬送用駆動ローラ192に対して、用紙Pのスキュー方向と逆方向、この場合では反時計方向へ傾ける。そして、「突き当て方式」によるスキュー取りを実行する。具体的には、搬送用駆動ローラ192を停止させた状態で、給送用ローラ14によって用紙Pを送って用紙の先端部P’を搬送用ローラ対190に突き当てる。給送用ローラ14と搬送用ローラ対190との間で、用紙Pは撓んだ状態となる。従って、用紙の先端部P’は、搬送用ローラ対190のニップラインへ向かって押し付けられ、ニップラインにならう。その後、搬送用駆動ローラ192を駆動させて、記録ヘッド13のある下流側へ用紙Pを搬送する。このとき、用紙Pに時計方向へスキューしようとする力が作用するので、搬送用ローラ対190によって搬送される用紙Pは、時計方向へスキューしようとする。
ここで、スキュー取りの方式は、「突き当て方式」を実行したが、用紙先端部P’を搬送用ローラ対190に食い付かせた後に吐き出す「食い付き吐き出し方式」を実行してもよいのは勿論である。
一方、スキュー取りを実行した後は、搬送用従動ローラ191a、191bを、用紙Pのスキュー方向と逆方向へ傾けたことによって、スキューを「打ち消す力」を発生させることができる。詳しく説明すると、駆動する搬送用駆動ローラ192は、用紙Pに対して「用紙を直進させようとする力」を付与する。このとき、用紙Pを搬送用駆動ローラ側へ押し付けている搬送用従動ローラ191a、191bは、搬送用駆動ローラ192に対して傾いているので、前記「用紙を直進させようとする力」に対して「曲げようとする力」を用紙Pに付与することができる。その結果、用紙Pは、搬送用従動ローラ191a、191bが傾いている方向へ傾こうとする。即ち、「曲げようとする力」を、用紙Pのスキュー方向と逆方向へ発生させることによって前記「打ち消す力」を発生させることができる。
従って、搬送用ローラ対190によって搬送される用紙Pには、用紙Pが「スキューしようとする力」と、該スキューを「打ち消す力」とが作用する。図8の場合、「スキューしようとする力」が時計方向であるのに対して、「打ち消す力」は搬送用従動ローラ191a、191bが傾いている方向である反時計方向である。このとき、両者の力の大きさは、
「スキューしようとする力」 > 「打ち消す力」
の関係が成り立つように搬送用従動ローラ191a、191bを設ける。
その結果、用紙Pが搬送用ローラ対190によって搬送されるにしたがって、徐々に時計方向へ回転して、図8(C)に示す如く、搬送し記録される際には、スキューを0(ゼロ)に近い状態となる。即ち、用紙Pがスキューする方向と逆方向へ、予め用紙の先端部P’を傾けて、その後、搬送されて記録される際に用紙Pの傾きを0(ゼロ)に近い状態として許容範囲に収めることによってスキューをコントロールすることができる。
ここで、搬送用従動ローラ191をどちらの方向へ傾けるかは、「スキューしようとする力」がどちらの方向であるかによって決まる。該「スキューしようとする力」の方向は、前述したスキュー発生原因の総和によって決まる。
図9に示すのは、従動ローラホルダの傾きとスキュー量との相関図である。グラフ縦軸は、用紙スキュー量(角度)(°)を表し、グラフ横軸は、従動ローラホルダ180の搬送用駆動ローラ192に対する傾き角度(°)を表す。両者共に正の方向は、図8における時計方向であり、負の方向は、反時計方向である。ここでの用紙は名刺サイズの用紙P1(図10参照)であり、名刺サイズのスキュー許容規格は、±0.5°(点線)である。
ここで、用紙スキュー量とは、用紙Pが搬送用ローラ対190においてスキュー取りが実行された後、搬送用ローラ対190によって用紙Pが記録ポジション26まで搬送されたときの用紙Pの傾き角をいう。
グラフを図8に当てはめて説明する。
先ず、搬送用従動ローラ191a、191bを傾けずに搬送用駆動ローラ192と同じ向きに設けた場合、横軸0における用紙スキュー量は、0.3°程度である。即ち、図8(A)に示す如く用紙P(P1)が時計方向へ0.3°程度傾くことを表す。このとき、搬送用従動ローラ191a、191bの傾きによって、前述した「打ち消す力」の大きさが変化する。さらに、「突き当て方式」によるスキュー取りを実行することによる用紙P(P1)の先端部P’の角度も変化する。そこで、搬送用従動ローラ191a、191bの傾き角を変えて用紙スキュー量を測定した結果、グラフの点で示す値を得ることができた。これより、直線で示すように、用紙スキュー量と搬送用従動ローラ191a、191bの傾き角との間に相関があることは明らかである。
従って、上記相関関係より、用紙スキューを0(ゼロ)に近づけて許容範囲に収めるために、従動ローラホルダの傾きを決めることができる。
尚、これらの関係は、用紙P(P1)の材質、搬送用従動ローラ191の表面と用紙P(P1)との摩擦抵抗、搬送用駆動ローラ192の表面と用紙P(P1)との摩擦抵抗等によって変化するのは言うまでもない。
図10、および図11に示すのは、本発明に係る搬送装置を示す平面図である。このうち、図10は名刺サイズの用紙を搬送する場合であり、図11は大きいサイズの用紙を搬送する場合である。搬送用従動ローラ、従動ローラホルダ等の配置については、図3と同様であり、図面右側が1桁側、左側が80桁側である。
図10、および図11に示す如く、名刺サイズの用紙P1、および大きいサイズの用紙P2は共に、図示しない1桁側の用紙側端ガイドに案内されながら給送用ローラ14によって、搬送用ローラ対190まで送られる。即ち、用紙のサイズが異なっている場合であっても用紙の1桁側側端部は、常に同じ位置である。
一般に、比較的小さいサイズである名刺サイズの用紙P1と、比較的大きいサイズの用紙P2との比較した場合、名刺サイズの用紙P1の方が軽いので、所謂バックテンションの影響を受けやすく不安定である。従って、大きいサイズの用紙P2より、比較的小さいサイズの用紙P1の方が、スキューが発生しやすい傾向にある。
そこで、特に比較的小さいサイズである名刺サイズの用紙P1のスキューをコントロールするため、複数ある従動ローラホルダ180a、b、c…のうち、名刺サイズの用紙P1をニップする搬送用従動ローラ191a、191bを保持する1桁側の従動ローラホルダ180aのみを、搬送用駆動ローラ192に対して傾けるように構成されている。ここで、用紙P1には反時計方向へ「スキューしようとする力」が作用する場合であるとする。従って、従動ローラホルダ180aは、「スキューしようとする力」と逆方向である時計方向へ傾けられている。
このときの搬送用従動ローラ191a、191bの傾け方は、搬送用従動ローラ191bの図面左側である80桁を支点にして、搬送用従動ローラ191aの図面右側である1桁側を搬送方向下流側へずらすようにして、従動ローラホルダ180aを傾ける。即ち、搬送用従動ローラ191a、および191bと搬送用駆動ローラ192との成すニップラインは、他の80桁側の傾いていない搬送用従動ローラ191c、191d、191e、191f、……と搬送用駆動ローラ192との成すニップラインより搬送方向下流側で傾いているように構成されている。
従って、特にスキュー対策が必要な名刺サイズの用紙P1については、「突き当て方式」によるスキュー取りを実行して、図10に示す如く、用紙の先端部P1’をニップラインにならわせることができる。そして、図8、および図9を用いて前述したように、スキューをコントロールして記録の際のスキュー量を0(ゼロ)に近づけて許容範囲に収めることができる。
一方、スキューの発生しにくい傾向にある比較的大きいサイズの用紙P2については、「突き当て方式」によるスキュー取りを実行すると、図11に示す如く、用紙の先端部P2’は、ニップラインにおいて搬送方向上流側、即ち、他の80桁側の傾いていない搬送用従動ローラ191c、191d、191e、191f、……と搬送用駆動ローラ192との成すニップラインにならう。従って、1桁側の従動ローラホルダ180aを、搬送用駆動ローラ192に対して傾けなかった場合と同じように、用紙の先端部P2’をニップラインにならわせることができる。
その後、比較的大きいサイズの用紙P2は、搬送用ローラ対190によって搬送される。このとき、搬送用従動ローラ191aおよび191bを保持する1桁側の従動ローラホルダ180aが傾いているので、前述した「打ち消す力」が発生する。ところが、複数ある搬送用従動ローラ191a〜f…のうち、ほんの一部が傾いており、全体的にみると、傾いていない搬送用従動ホルダ191c〜f…の用紙P2を直進させようとする力の方が大きく作用するので、ここでは、前述した「打ち消す力」は殆ど影響しない。即ち、複数ある搬送用従動ローラ191の一部のみを、搬送用駆動ローラ192に対して傾けた場合、比較的大きいサイズの用紙P2については、搬送用従動ローラ191を傾けなかった場合と同じように、該用紙P2を搬送することができ、比較的スキュー量の小さい大きなサイズの用紙P2に有効である。
図12に示すのは、他の実施形態に係る搬送装置を示す平面図である。図11の従動ローラホルダ180b、および180c…を180aと同じように傾けただけである。従って、その他の符号の説明は省略する。
図12に示す如く、全ての従動ローラホルダ180a、b、c…を同じように、時計方向へ搬送用駆動ローラ192に対して傾けるように構成されている。ここで、用紙P2には反時計方向へ「スキューしようとする力」が作用する場合であるとする。従って、従動ローラホルダ180a、b、c…は、「スキューしようとする力」と逆方向である時計方向へ傾けられている。
このとき、搬送用従動ローラ191aおよび191b、並びに191cおよび191d、並びに191eおよび191fが搬送用駆動ローラ192と成すニップラインは、それぞれ同じ角度で搬送用駆動ローラ192に対して傾いている。そして、搬送用従動ローラ191b、191d、および191fそれぞれの図面左側である80桁側が、ニップラインにおける搬送方向上流側となる。従って、比較的大きいサイズの用紙P2を、搬送用ローラ対190まで送って「突き当て方式」によるスキュー取りを実行すると、該用紙の先端部P2’は、前記ニップラインの上流側の三点が成す線にならう。即ち、全ての従動ローラホルダ180a、180b、および180c…を、搬送用駆動ローラ192に対して傾けなかった場合と同じように、該用紙の先端部P2’をニップラインにならわせることができる。
その後、比較的大きいサイズの用紙P2は、搬送用ローラ対190によって搬送される。このとき、搬送用従動ローラ191aおよび191b、並びに191cおよび191d、並びに191eおよび191f…を保持する全ての従動ローラホルダ180a、180b、および180c…が傾いているので、前述した「打ち消す力」が発生する。図11と異なり全ての従動ローラホルダ180a、b、c…が傾いているので、前記「打ち消す力」は用紙P2に影響を及ぼす。即ち、該「打ち消す力」は時計方向へ作用して、反時計方向へ作用する前記「スキューしようとする力」に抗することができる。その結果、用紙P2のスキュー量を低減することができる。
本実施形態の搬送装置200は、給送用ローラ14によって送られてきた被記録媒体である用紙Pを、搬送用ローラ対190によって挟持して、用紙Pに記録を実行する記録部120へ搬送する搬送装置200であって、搬送用ローラ対190は、駆動する搬送用駆動ローラ192と、搬送用駆動ローラ192に従動回転する搬送用従動ローラ191と、を備え、搬送用従動ローラ191の軸は、用紙Pがスキューしようとする方向に対して反対方向に用紙Pを傾かせるように、搬送用駆動ローラ192の軸に対して傾いて配設されている。
図13に示すのは、他の実施形態に係るねじりコイルばね、および搬送装置を示す平面図である。同図(A)は左巻きのねじりコイルばねの平面図であり、同図(B)は右巻きねじりコイルばねの平面図である。また、同図(C)は右巻きねじりコイルばねを使用した場合の搬送装置の平面図である。
図13(A)および(B)に示す如く、ねじりコイルばね182は、左巻きねじりコイルばね182aおよび右巻きねじりコイルばね182bの2種類ある。左巻きねじりコイルばね182aおよび右巻きねじりコイルばね182bは、一本の棒状のばねをねじって巻いてあるので、コイル部182c、182eは斜めに巻かれる。そのため、コイル部182c、182eから延設された腕部182d、182fは、コイル部182c、182eの斜めの部分と同じ方向へ延びようとする。通常、ねじりコイルばね182は、図4(B)に示す如く、コイル部182c、182eの円周方向(第1方向という)へ付勢するように用いられる。ところが、腕部182d、182fは、コイル部182c、182eの斜めの部分と同じ方向へ延びようとするため、コイル部182c、182eの軸方向(第2方向という)へ付勢することができる。
図13(C)に示す如く、搬送装置200は、同図(A)の左巻きねじりコイルばね182aを備えている。ここで、従動ローラホルダ180aは、突起部183を有し、基体181に設けられた長穴181d、181eに突起部183を挿通してカシメ等によって配設される。即ち、従動ローラホルダ180aは、長穴181d、181eの方向において、基体181に対して移動することができるように、遊びが設けられている。その他の符号については、図4(B)と同じであるので、その説明は省略する。
左巻きねじりコイルばね182aを使用することによって、図13(C)に示す矢印のように時計方向へ従動ローラホルダ180aを付勢して、従動ローラホルダ180aを、搬送用駆動ローラ192に対して時計方向へ傾けることができる。即ち、図4(B)では、予め従動ローラホルダ180aを、搬送用駆動ローラ192に対して時計方向へ傾けて基体181に配設したが、図13(C)では、左巻きねじりコイルばね182aの付勢力によって、従動ローラホルダ180aを、搬送用駆動ローラ192に対して時計方向へ傾けることができる。
尚、従動ローラホルダ180aを、搬送用駆動ローラ192に対して反時計方向へ傾ける場合は、図13(B)に示す右巻きねじりコイルばね182bを、図13(C)の左巻きねじりコイルばね182aに換えて使用すればよい。
通常、ねじりコイルばね182は、コイル部182c、182eの円周方向(第1方向)へ付勢するように用いられる。ところが、ねじりコイルばね182において、コイル部182c、182eから延設された腕部182d、182fは、コイル部182c、182eが斜めに巻かれることによって、コイル軸と直交する方向に対して傾く。即ち、腕部182d、182fは、前記直交する方向に対して傾こうとする方向、即ち、コイル軸方向(第2方向)へ付勢することができる。従って、ねじりコイルばね182は、コイル部182c、182eの円周方向に付勢する第1方向の付勢力と、コイル軸方向に付勢する第2方向の付勢力とを有する特徴があると言える。
そこで、本実施形態において、搬送用従動ローラ191は、基体側に設けられた従動ローラホルダ180に保持され、従動ローラホルダ180は、基体181に設けられたねじりコイルばね182の第1方向の付勢力によって、搬送用従動ローラ191を搬送用駆動ローラ192へ付勢するように設けられると共に、ねじりコイルばね182の第2方向の付勢力によって、従動ローラホルダ180が搬送用従動ローラ191と一体となって、搬送用駆動ローラ192に対して搬送方向に傾くように構成されている。
その結果、一つのねじりコイルばね182で、二つの方向へ付勢することができる。即ち、簡単な構成で搬送用従動ローラ191を搬送用駆動ローラ192に付勢させると共に、搬送用従動ローラ191を搬送用駆動ローラ192に対して傾けることができる。
図14に示すのは、他の実施形態に係る搬送装置を示す正面断面図および平面図である。図7を用いて前述した「片当たり状態」によるスキュー対策である。図14(A)は正面断面図であり、同図(B)は平面図である。
図14(A)に示す如く、搬送用ローラ対290は、搬送用駆動ローラ292と搬送用従動ローラ291(291a、291b)とから構成されている。搬送用従動ローラ291(291a、291b)は、従動ローラホルダ280に保持されている。搬送用従動ローラ291(291a、291b)は、用紙の左右の側端部P’’と対向しないように配設されている。従って、同図(B)に示す如く、用紙Pが搬送用ローラ対290によって搬送される際、「片当たり状態」とはならないので、該「片当たり状態」によるスキューが発生する虞がない。
図7に示すように、搬送用ローラ対190が、用紙の側端部P’’を挟持すると、所謂、片当たり状態となり、挟持方向において搬送用従動ローラ191が傾く虞がある。搬送用従動ローラ191が傾くと、搬送用従動ローラ191と用紙Pとの接触面積が小さくなり、搬送量が短くなる虞がある。複数の搬送用従動ローラ191によって挟持される場合、左右のうち一方のみが片当たり状態であると、搬送用ローラ対190の搬送量が左右で異なり、搬送される用紙Pのバランスが崩れる。言い換えると、用紙Pには、スキューしようとする力が発生する。
また、搬送用従動ローラ191が傾くと、搬送用従動ローラ191の回転する際の従動ローラホルダ180との摩擦抵抗が大きくなる虞がある。複数の搬送用従動ローラ191によって挟持される場合、左右のうち一方のみが片当たり状態であると、搬送用従動ローラ191の回転抵抗が左右で異なり、用紙Pには、スキューしようとする力が発生する。
そこで、本実施形態の搬送用従動ローラ291(291a、291b)は、用紙の側端部P’’と対向しない位置に配設されている。
その結果、前記片当たり状態が発生しないので、その分、用紙Pにスキューしようとする力が発生する虞がない。従って、前記「方当たり状態」に起因するスキューしようとする力を考慮する必要なく、簡単に搬送用従動ローラ191の傾き角度を決めることができる。
続いて、用紙の先端部が搬送用ローラ対に挟持される際のスキュー発生原因について説明する。
図15および図16に示すのは、先端部が挟持される際にスキューが発生する様子を示す平面図である。
図15(A)に示す如く、「食い付き吐き出し方式」または「突き当て方式」によるスキュー取りを実行した直後の状態では、用紙の先端部P’は、搬送用ローラ対190のニップラインにならっている。
ところが、図15(B)に示す如く、用紙の先端部P’が搬送用ローラ対190に挟持される際、先端部P’は、搬送用従動ローラ191および搬送用駆動ローラ192との間を徐々に押し広げて両ローラ191、192に挟持される。即ち、挟持される際、両ローラ191、192は、先端部P’を強く挟持していない状態、かつ、給送用ローラ14が用紙Pを搬送用ローラ対190に向かって押し付けている状態である。従って、給送用ローラ14が用紙Pの幅方向において、偏倚した位置で用紙Pと接触・付勢している場合、前記状態において、用紙の先端部P’における左右の押し付け力に差が生じて先端部P’が反時計方向へ傾く虞がある。
また、図16(A)に示す如く、前述したように「片当たり状態」の搬送用従動ローラ191bの回転抵抗が、他方の「片当たり状態」でない搬送用従動ローラ191aの回転抵抗より大きくなる。そして、用紙の先端部P’が搬送用ローラ対190に挟持される際、先端部P’は、搬送用従動ローラ191および搬送用駆動ローラ192との間を徐々に押し広げて両ローラ191、192に挟持される。従って、この際、用紙側端部P’’において「片当たり状態」となる搬送用従動ローラ側の方が、「片当たり状態」とならない搬送用従動ローラ側よりも前記回転抵抗の負荷が大きい。即ち、用紙先端部P’が搬送用ローラ対190に挟持される際、用紙Pの左右のバランスが崩れて、図16(B)に示す如く、用紙の先端部P’が時計方向へ傾く虞がある。
よって、用紙の先端部P’が搬送用ローラ対190に挟持される際、用紙Pに付与される「先端部が傾こうとする力」およびその方向は、上記原因の総和によって決まる。
図17に示すのは、本発明に係る搬送装置の概念を示す平面図である。このうち、図17(A)は、用紙の先端部が搬送用ローラ対に挟持される際、用紙が時計方向へスキューする傾向にある場合を示す図である。同図(B)は、同図(A)の場合に従動ローラホルダを傾ける方向を示す図である。同図(C)は、同図(B)の状態から用紙を挟持した状態を示す図である。
例えば、用紙の先端部P’が搬送用ローラ対190に挟持される際、上記スキューの発生原因の総和によって、図17(A)に示す如く、用紙Pに時計方向へ「先端部が傾こうとする力」が作用する場合、搬送用ローラ対190によって搬送される用紙Pは、時計方向へスキューする。
そこで、同図(B)に示す如く、搬送用従動ローラ191a、191bを保持した従動ローラホルダ180aを、搬送用駆動ローラ192に対して、用紙Pのスキュー方向と逆方向、この場合では反時計方向へ傾ける。そして、「突き当て方式」または、「食い付き吐き出し方式」によるスキュー取りを実行する。このとき、用紙の先端部P’は、傾いたニップラインにならうが、搬送用ローラ対190に挟持されていない状態である。
その後、搬送用駆動ローラ192が僅かに正転駆動することによって、搬送用ローラ対190が用紙の先端部P’を挟持しようとする。このとき、用紙の先端部P’は、搬送用従動ローラ191および搬送用駆動ローラ192の間を徐々に押し広げてようとする。即ち、両ローラ191、192は、先端部P’を強く挟持していない状態である。この状態で、前記「先端部が傾こうとする力」が時計方向に作用するので、先端部P’は図17(B)に示す状態から時計方向へ回転して搬送用駆動ローラ192に対して平行となる。そして、さらに搬送用駆動ローラ192が正転駆動することによって、搬送用ローラ対190が用紙Pを強固に挟持する。即ち、用紙の先端部P’は搬送用駆動ローラ190に対して平行となっている状態で保持される。従って、搬送用ローラ対190は、搬送用駆動ローラ192と直交する方向へ用紙Pを搬送することができる。
本実施形態の搬送装置200は、給送用ローラ14によって送られてきた被記録媒体である用紙Pを、搬送用ローラ対190によって挟持して、用紙Pに記録を実行する記録部120へ搬送する搬送装置200であって、搬送用ローラ対190は、駆動する搬送用駆動ローラ192と、搬送用駆動ローラ192に従動回転する搬送用従動ローラ191とを備え、搬送用従動ローラ191の軸は、搬送用ローラ対190が用紙の先端部P’を挟持する際、先端部P’が傾こうとする方向に対して反対方向へ、搬送用駆動ローラ192の軸に対して傾いて配設され、給送用ローラ14、および搬送用ローラ対190を協働させて、突き当て方式、または、食い付き吐き出し方式による用紙のスキュー取りを実行して、用紙の先端部P’を搬送用駆動ローラ192の軸に対して傾いたニップラインにならわせ、先端部P’が搬送用ローラ対190に挟持される際、先端部P’を前記傾こうとする方向へ回転させて搬送用駆動ローラ192の軸に対して傾きのない状態として、先端部P’が搬送用ローラ対190に挟持された後、搬送用ローラ対190は、搬送用駆動ローラ192の軸と直交する方向へ用紙Pを搬送するように構成されている。
本実施形態の記録装置100は、積層された用紙Pをピックアップする給送部110と、記録ヘッド13により用紙Pに記録を実行する記録部120と、給送部110から記録部120へ用紙Pを搬送する搬送部210とを備えた記録装置100であって、搬送部210は、上記搬送装置200を備えている。
その結果、記録装置100において、上記搬送装置200で得る作用効果と同様の作用効果を得ることができる。
尚、搬送用従動ローラの数量、従動ローラホルダの数量は実施形態の数量に限られないのは勿論である。
また、本発明は上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
本発明に係る記録装置を示す全体斜視図。 本発明に係る記録装置の内部概略側面図。 本発明に係る搬送装置を示す斜視図。 本発明の搬送装置の拡大平面図および正面図。 本発明の搬送用ローラ対のニップラインを示す側断面図および平面図。 スキューが発生する様子を示す平面図。 スキューが発生する様子を示す正面断面図および平面図。 本発明に係る搬送装置の概念を示す平面図 従動ローラの傾きとスキュー量との相関図。 本発明に係る搬送装置を示す平面図(名刺サイズの用紙の場合)。 本発明に係る搬送装置を示す平面図(大きいサイズの用紙の場合)。 他の実施形態に係る搬送装置を示す平面図。 他の実施形態に係るねじりコイルばね、および搬送装置を示す平面図。 他の実施形態に係る搬送装置を示す正面断面図および平面図。 先端部が挟持される際にスキューが発生する様子を示す平面図。 先端部が挟持される際にスキューが発生する様子を示す平面図。 本発明に係る搬送装置の概念を示す平面図。
符号の説明
2 自動給送装置、3 プリンタ本体、4 スキャナ装置、5 給送用トレイ、
6 前面パネル、7 液晶モニタ画面、8 操作ボタン、9 メモリカード挿入部、
10 キャリッジ、11 無端ベルト、12 キャリッジガイド軸、13 記録ヘッド、
14 給送用ローラ、15 エッジガイド、16 ホッパ、
17 回転軸(給送用ローラの)、20 排出用ローラ、20a 排出用駆動ローラ、
20b 排出用従動ローラ、22 排出用補助従動ローラ、26 記録ポジション、
28 プラテン、30 前面開口、50 排出用スタッカ、51 載置面、
100 インクジェットプリンタ(記録装置)、110 給送部、120 記録部、
200 搬送装置、210 搬送部、
180(a、b、c、…) 従動ローラホルダ(搬送用従動ローラ用の)、
181 基体、181a 突部、181b 穴、181c 穴、181d 長穴、
181e 長穴、182 ねじりコイルばね、182a 左巻きねじりコイルばね、
182b 右巻きねじりコイルばね、182c コイル部、182d 腕部、
182e コイル部、182f 腕部、183 突起部、190 搬送用ローラ対、
192 搬送用駆動ローラ、191(a、b、c、…) 搬送用従動ローラ、
280 従動ローラホルダ、291(a、b、…) 搬送用従動ローラ、
292 搬送用駆動ローラ、P 用紙(被記録材)、P’ 先端部、P’’ 側端部、
P1 名刺サイズの用紙、P1’ 先端部、P2 大きいサイズの用紙、P2’ 先端部、
X 主走査方向、Y 副走査方向、PG プラテンギャップ、C インクカートリッジ、A (被記録材の)搬送経路

Claims (9)

  1. 給送用ローラによって送られてきた被記録媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被記録媒体に記録を実行する記録部へ搬送する搬送装置であって、
    前記搬送用ローラ対は、
    駆動する搬送用駆動ローラと、
    該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラと、を備え、
    該搬送用従動ローラの軸は、被記録媒体がスキューしようとする方向に対して反対方向に被記録媒体を傾かせるように、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設されていることを特徴とする搬送装置。
  2. 請求項1において、前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、突き当て方式、または、食い付き吐き出し方式による被記録媒体のスキュー取りを実行して、被記録媒体の先端部を前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾けるように構成されていることを特徴とする搬送装置。
  3. 給送用ローラによって送られてきた被記録媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被記録媒体に記録を実行する記録部へ搬送する搬送装置であって、
    前記搬送用ローラ対は、
    駆動する搬送用駆動ローラと、
    該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラと、を備え、
    該搬送用従動ローラの軸は、搬送用ローラ対が被記録媒体の先端部を挟持する際、該先端部が傾こうとする方向に対して反対方向へ、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設され、
    前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、突き当て方式、または、食い付き吐き出し方式による被記録媒体のスキュー取りを実行して、被記録媒体の先端部を搬送用駆動ローラの軸に対して傾いたニップラインにならわせ、
    該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持される際、該先端部を前記傾こうとする方向へ回転させて搬送用駆動ローラの軸に対して傾きのない状態として、
    該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持された後、該搬送用ローラ対は、前記搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ被記録媒体を搬送するように構成されていることを特徴とする搬送装置。
  4. 請求項2または3において、
    前記搬送用従動ローラは、複数設けられ、
    前記記録部の1桁側から一部の1または複数の搬送用従動ローラの軸のみが傾いているように構成され、
    該傾いている搬送用従動ローラの軸は、少なくとも一側端を搬送方向の下流側へずらして配設されていることを特徴とする搬送装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項において、
    前記搬送用従動ローラは、基体側に設けられた従動ローラホルダに保持され、
    該従動ローラホルダは、前記基体に設けられたねじりコイルばねの第1方向の付勢力によって、前記搬送用従動ローラを前記搬送用駆動ローラへ付勢するように設けられると共に、
    前記ねじりコイルばねの第2方向の付勢力によって、前記従動ローラホルダが前記搬送用従動ローラと一体となって、前記搬送用駆動ローラの軸に対して搬送方向に傾くように構成されていることを特徴とする搬送装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項において、前記搬送用従動ローラは、被記録媒体の側端部と対向しない位置に配設されていることを特徴とする搬送装置。
  7. 積層された被記録媒体をピックアップする給送部と、
    記録ヘッドにより被記録媒体に記録を実行する記録部と、
    前記給送部から前記記録部へ被記録媒体を搬送する搬送部とを備えた記録装置であって、
    該搬送部は、
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載された前記搬送装置を備えていることを特徴とする記録装置。
  8. 給送用ローラによって送られてきた被噴射媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被噴射媒体に液体噴射を実行する液体噴射部へ搬送する搬送装置を備え、液体噴射ヘッドに設けられた液体噴射孔から液体を被噴射媒体に噴射を行う液体噴射装置であって、
    前記搬送装置の搬送用ローラ対は、
    駆動する搬送用駆動ローラと、
    該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラと、を備え、
    該搬送用従動ローラの軸は、被噴射媒体がスキューしようとする回転力に抗する力を発生させるように前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設されていることを特徴とする液体噴射装置。
  9. 給送用ローラによって送られてきた被噴射媒体を、搬送用ローラ対によって挟持して、被噴射媒体に液体噴射を実行する液体噴射部へ搬送する搬送装置を備え、液体噴射ヘッドに設けられた液体噴射孔から液体を被噴射媒体に噴射を行う液体噴射装置であって、
    前記搬送用ローラ対は、
    駆動する搬送用駆動ローラと、
    該搬送用駆動ローラに従動回転する搬送用従動ローラと、を備え、
    該搬送用従動ローラの軸は、搬送用ローラ対が被噴射媒体の先端部を挟持する際、該先端部が傾こうとする方向に対して反対方向へ、前記搬送用駆動ローラの軸に対して傾いて配設され、
    前記給送用ローラ、および前記搬送用ローラ対を協働させて、突き当て方式、または、食い付き吐き出し方式による被噴射媒体のスキュー取りを実行して、被噴射媒体の先端部を搬送用駆動ローラの軸に対して傾いたニップラインにならわせ、
    該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持される際、該先端部を前記傾こうとする方向へ回転させて搬送用駆動ローラの軸に対して傾きのない状態として、
    該先端部が前記搬送用ローラ対に挟持された後、該搬送用ローラ対は、前記搬送用駆動ローラの軸と直交する方向へ被噴射媒体を搬送するように構成されていることを特徴とする液体噴射装置。
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