JP4424499B2 - 被記録材の分離装置、記録装置及び液体噴射装置 - Google Patents

被記録材の分離装置、記録装置及び液体噴射装置 Download PDF

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Description

本発明は、給送された被記録材が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の被記録材を最上位の被記録材から分離する被記録材の分離装置及び該被記録材の分離装置を備えた記録装置に関する。
更に本発明は、インク等の液体をそのヘッドから吐出(噴射)して被記録材(被液体噴射材)に記録を実行する(液体を付着する)インクジェット式記録装置などの液体噴射装置及び該液体噴射装置において設けられる被液体噴射材の分離装置に関するものである。
ここで液体噴射装置とは、インクジェット式記録ヘッドが用いられ、該記録ヘッドからインクを吐出して被記録材に記録を行なうプリンタ、複写機およびファクシミリ等の記録装置に限らず、インクに代えてその用途に対応する液体を前記記録ヘッドに相当する液体噴射ヘッドから被記録材に相当する被液体噴射材に噴射して、前記液体を前記被液体噴射材に付着させる装置を含む意味で用いる。
液体噴射ヘッドとして、前記記録ヘッドの他に、液晶ディスプレー等のカラーフィルター製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレーや面発光ディスプレー(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)噴射ヘッド、バイオチップ製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド、精密ピペットとしての試料噴射ヘッド等が挙げられる。
以下、インクジェット式記録装置あるいは液体噴射装置の一例であるインクジェットプリンタを例に採って説明する。
インクジェットプリンタには、下記の特許文献1に示すように、給送された用紙が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の用紙を最上位の用紙から分離する分離作用部としてリタードローラが設けられている。リタードローラは、所定の回転抵抗を有するように設けられるローラであり、リタードローラより用紙搬送方向下流側に設けられる揺動支点を中心として給送用ローラに対して所定の圧接力で揺動付勢されている。
そして、このようなリタードローラによる用紙の分離作用は、給送用ローラと給送用ローラに対して圧接される最上位の用紙との間に生ずる摩擦力F0と、リタードローラとリタードローラに対して圧接される重送されてきた後続の用紙(後続の用紙が複数枚ある時は、そのうち最下位の用紙)との間に生ずる摩擦力F1と、最上位の用紙と後続の用紙との間に生ずる摩擦力(後続の用紙が複数枚ある時は、後続の用紙間に生ずる摩擦力も含まれる)F2との関係がF0>F1>F2となるようにリタードローラ周面の摩擦係数を設定することによって実行されている。
しかし、このようなリタードローラに対して給送された用紙の先端が突き当たると、上述した揺動支点の位置との関係でリタードローラを給送用ローラに引き付けるような力が発生し、リタードローラが給送用ローラに食い付いて最上位の用紙の搬送を妨げるような事態が生ずる場合があった。また、図5に示すように、リタードローラ101表面の分離作用面102に用紙Pの先端が突き当たる該分離作用面102に対する用紙Pの進入角度θ1は、比較的大きく勾配が急なため、厚口の用紙Pを使用する場合等にはリタードローラ101を下方に押し下げるような力を発生させて最上位の用紙Pの搬送不良を生じさせる場合があった。
そして、上記分離作用面102に対する用紙Pの進入角度θ1を小さくするためにはリタードローラ101の直径を大きくすることになるが、リタードローラ101の収容スペース等の規制があり、その実現は困難である。また、リタードローラ101の直径を大きくすれば分離作用面102の面積が増大し、分離作用面102が用紙Pの搬送方向に伸長するため、用紙Pの分離作用性能が向上するが、上記収容スペース等の規制があるため、リタードローラ101の直径を大きくするといっても一定の限界があり、リタードローラ101に代わる新たな分離装置の開発が望まれていた。
また、図5に示すように、従来のインクジェットプリンタにあっては、上述のようにリタードローラ101のみにより重送されてきた用紙Pの分離を完全に行うことは困難なため、用紙Pの先端がリタードローラ101周面の分離作用面102に当接する前の段階で給送用ローラ103との距離Sを狭めて多数枚の用紙Pがリタードローラ101周面の分離作用面102に一度に進入しないように用紙Pの予備分離を行う間口規制部材104が設けられていた。しかし、給送用ローラ103と間口規制部材104との距離Sは、用紙Pの厚さや紙質等によって最適値が変わるため、上記予備分離をすべて間口規制部材104のみによって行うことは無理があり、予備分離のばら付きを招いていた。
特開2004−83269号公報
そこで本発明は、このような背景技術及び背景技術が抱えていた問題点の存在を踏まえてなされたものであって、揺動支点の位置及び分離作用面に対する被記録材の進入角度に起因して生ずる被記録材の搬送不良を防止すると共に、装置を大型化することなく分離作用面の増大ないし伸長を図り、予備分離の実効性を向上させることによって被記録材の安定した確実な分離作用を実現し得る被記録材の分離装置及び該被記録材の分離装置を備えた記録装置等を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様に係る被記録材の分離装置は、給送された被記録材が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の被記録材を最上位の被記録材から分離する被記録材の分離装置であって、前記被記録材の分離装置には、所定の回転抵抗が付与されたトルクプーリと、該トルクプーリより被記録材の搬送方向上流側に設けられる従動プーリと、前記トルクプーリと従動プーリとの間に巻回されるリタードベルトとを備え、給送用ローラに対して所定の圧接力で揺動付勢されるベルト駆動式構造の本分離手段が設けられていることを特徴とするものである。
本発明の第1の態様によれば、リタードローラに代えてベルト駆動式構造の本分離手段を採用したことにより、装置の大型化を招くことなく分離作用面の増大ないし伸長を図ることができ、被記録材の分離作用性能を向上させることができる。
本発明の第2の態様に係る被記録材の分離装置は、本発明の第1の態様において、前記リタードベルト表面の分離作用面に対する被記録材の進入角度は本分離手段を給送用ローラから離反させる方向の力が小さくなるように設定されていることを特徴とするものである。
本発明の第2の態様によれば、分離作用面に対する被記録材の進入角度が比較的小さめに設定されているから、本分離手段を下方に押し下げるような力はほとんど作用しないため、給送用ローラに対するリタードローラの所望の圧接力が確保され、被記録材の良好な搬送が実現される。
本発明の第3の態様に係る被記録材の分離装置は、本発明の第1または第2の態様において、前記本分離手段の被記録材の搬送方向上流側には分離パッドを使用した予備分離手段が本分離手段と一体になって揺動付勢するように設けられていることを特徴とするものである。
本発明の第3の態様によれば、分離作用面の更なる増大ないし伸長を図ることができ、予備分離の実効性を向上させて被記録材の分離作用性能をより安定させ確実なものとすることができる。
本発明の第4の態様に係る被記録材の分離装置は、本発明の第3の態様において、前記リタードベルト表面の分離作用面と、前記分離パッド表面の分離作用面は、ほぼ同一平面上に位置するように設定されていることを特徴とするものである。
本発明の第4の態様によれば、被記録材の先端部に撓み癖等が付いていたとしても被記録材の分離作用性能に何ら影響を及ぼすことなく被記録材の良好な搬送が実現される。
本発明の第5の態様に係る被記録材の分離装置は、本発明の第1〜第4のいずれか1つの態様において、前記本分離手段の揺動支点は給送用ローラとリタードベルトとが当接するニップ点より被記録材の搬送方向上流側に位置するように設定されていることを特徴とするものである。
また本発明の第6の態様に係る被記録材の分離装置は、本発明の第5の態様において、前記本分離手段及び予備分離手段の揺動支点は予備分離手段における被記録材の搬送方向上流側の端部近傍に位置するように設定されていることを特徴とするものである。
そして、これら本発明の第5または第6の態様によれば、リタードベルトが給送用ローラに引き付けられるような力は発生しないから、リタードベルトが給送用ローラに食い付いて被記録材の搬送を妨げるような事態は生じない。
本発明の第7の態様に係る記録装置は、ホッパとの挟圧送り作用によって積畳された上位の被記録材を引き出して給送する給送用ローラと、該給送用ローラによって給送された被記録材が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の被記録材を最上位の被記録材から分離する被記録材の分離装置とを備える記録装置であって、前記被記録材の分離装置として本発明の第1〜第6のいずれか1つの態様の被記録材の分離装置を適用したことを特徴とするものである。
本発明の第7の態様によれば、揺動支点の位置及び分離作用面に対する被記録材の進入角度に起因して生ずる被記録材の搬送不良を防止すると共に、装置を大型化することなく分離作用面の増大ないし伸長を図り、予備分離の実効性を向上させることによって被記録材の安定した確実な分離作用を実現し得る被記録材の分離装置を備えた記録装置を提供することが可能となる。
本発明の第8の態様に係る液体噴射装置は、ホッパとの挟圧送り作用によって積畳された上位の被液体噴射材を引き出して給送する給送用ローラと、該給送用ローラによって給送された被液体噴射材が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の被液体噴射材を最上位の被液体噴射材から分離する被液体噴射材の分離装置とを備える液体噴射装置であって、前記被液体噴射材の分離装置には、所定の回転抵抗が付与されたトルクプーリと、該トルクプーリより被液体噴射材の搬送方向上流側に設けられる従動プーリと、前記トルクプーリと従動プーリとの間に巻回されるリタードベルトとを備え、給送用ローラに対して所定の圧接力で揺動付勢されるベルト駆動式構造の本分離手段が設けられていることを特徴とするものである。
以下、本願発明に係る被液体噴射材の分離装置の一例である被記録材の分離装置及び該被液体噴射材の分離装置を備えた液体噴射装置の一例である被記録材の分離装置を備えた記録装置について説明する。最初に、本願発明の液体噴射装置、そしてその一例である記録装置を実施するための最良の形態としてインクジェットプリンタ100を採り上げて、その全体構成の概略を図面に基づいて説明する。
図1はインクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図である。図1に示す被液体噴射材の一例である被記録材P(以下単に用紙Pともいう)の搬送経路に従ってインクジェットプリンタ100の内部構造の概略を説明する。先ず、最も用紙Pの搬送方向上流側に位置するのが複数枚の用紙Pを積畳し得る被液体噴射材積畳部の一例である給送用トレイ5である。また、給送用トレイ5には、用紙Pの側縁(エッジ)に当接して用紙Pの幅方向の位置合わせを行うと共に用紙Pの円滑な給送を案内する図示しないエッジガイドが設けられている。
そして、給送用トレイ5上に積畳された用紙Pは、給送用ローラ14の回転軸17の回転に伴って、ホッパ16が所定のタイミングで上昇し、給送用ローラ14に向けて押し上げられる。給送用ローラ14に向けて押し上げられた用紙Pは、給送用ローラ14とホッパ16との挟圧送り作用によってそのうち上位の用紙Pが引き出され、本発明の分離装置1によって最上位の用紙P1と後続の用紙P2〜Pnとに分離される。また、最上位の用紙P1は用紙Pの搬送方向下流(図1中、左方)に向って送られ、後続の用紙P2〜Pnは戻しレバー6によって用紙Pの搬送方向上流(図1中、右方)に戻され、再び給送用トレイ5上の当初の位置に積畳された状態となる。
給送用ローラ14の下流には、用紙Pの通過を検出する被液体噴射材検出手段の一例である図示しない被記録材検出手段(以下単に検出レバーという)が設けられており、検出レバーの下流には搬送用駆動ローラ19aと搬送用従動ローラ19bとによって構成される搬送用ローラ19が設けられている。このうち搬送用従動ローラ19bは、搬送用従動ローラ用のローラホルダ18の下流側において軸支され、当該ローラホルダ18は、回転軸を中心に回動可能に設けられ、且つ図示しないねじりコイルばねによって搬送用従動ローラ19bが常に搬送用駆動ローラ19aに圧接したニップ状態になるように回動付勢されている。
また、ローラホルダ18の搬送方向下流には、補助押えローラ18cが設けられており、補助押えローラ18cは補助押えローラ用のローラホルダに対して従動回転可能に軸支されている。尚、補助押えローラ18cは、用紙P終端の浮き上がりに起因するヘッド擦れを防止する等の目的で設けられている。そして、搬送用ローラ19によって挟圧された状態で搬送される用紙Pは、補助押えローラ18cの下方を通って記録ポジション26に導かれる。
記録ポジション26には、用紙Pに記録を実行する液体噴射実行手段の一例である記録実行手段の主たる構成要素として、主走査方向(図1中、紙面に直交する方向)に往復可能に走行し得るキャリッジガイド軸によって軸支された図示しないキャリッジが設けられている。そして、該キャリッジの下面には、用紙Pに液体の一例であるインクを吐出(噴射)して記録を実行する液体噴射ヘッドの一例である記録ヘッド13が搭載されている。また、キャリッジには液体カートリッジの一例である図示しないインクカートリッジが装着されている。
記録ヘッド13の下方には、記録ヘッド13と対向して記録ヘッド13のヘッド面と用紙Pとの間のプラテンギャップPGを規定するプラテン28が設けられている。そして、記録ヘッド13とプラテン28との間に用紙Pを主走査方向と直交する副走査方向(図1中、左右方向)に所定の搬送量で搬送する動作と、記録ヘッド13を主走査方向に一往復させる間に記録ヘッド13から用紙Pにインクを噴射する動作とを相互に繰り返すことによって、用紙Pの記録面の全面に亘って所望の記録が実行される。尚、上記プラテンギャップPGは、高精度の記録を実行する上で極めて重要な要素となっており、用紙Pの厚さの変化やディスクトレイ等の使用に応じて適宜調節されるようになっている。
記録ヘッド13の下流には、排出用駆動ローラ20aと、排出用従動ローラ20bとによって構成される被液体噴射材排出手段の一例である排出用ローラ20が設けられている。また、排出用ローラ20の搬送方向上流には、用紙Pの排出を補助する排出用補助ローラ22が設けられている。この排出用補助ローラ22も被液体噴射材排出手段に属し、排出用補助駆動ローラ22aと、排出用補助従動ローラ22bとによって構成されている。そして、排出用ローラ20及び排出用補助ローラ22によって排出された用紙Pは、更に搬送方向下流に位置する被液体噴射材受け部の一例である図示しない排出用スタッカ上の載置面に排出されるようになっている。
排出用従動ローラ20bと排出用補助従動ローラ22bは、その外周に複数の歯を有する歯付きローラであり、それぞれを保持するローラホルダによって自由回転可能に軸支されている。また、上記搬送用従動ローラ19bは、搬送用駆動ローラ19aよりその軸芯位置が幾分搬送方向下流側に位置するように配設されており、上記排出用従動ローラ20b及び排出用補助従動ローラ22bは、排出用駆動ローラ20a及び排出用補助駆動ローラ22aより、その軸芯位置が幾分搬送方向上流側に位置するように配設されている。このような配設態様をとることによって、用紙Pは搬送用ローラ19と排出用ローラ20ないし排出用補助ローラ22との間において僅かに下に凸となる俗に「逆ぞり」と呼ばれている湾曲状態が形成される。これにより、記録ヘッド13に対向する位置にある用紙Pは、プラテン28に押し付けられ、用紙Pの浮き上がりが防止されて正常に記録が実行されるようになっている。
[実施例]
次に、このようなインクジェットプリンタ100に対して設けられる本願発明に係る被液体噴射材の分離装置の一例である被記録材の分離装置1について具体的に説明する。
図2は本発明の被記録材の分離装置を拡大して示す側断面図、図3は本発明の被記録材の分離装置を拡大して示す平面図である。本発明の被記録材の分離装置1は、既に述べたように給送された用紙Pが複数枚に亘る重送が生じた時、後続の用紙P2〜Pnを最上位の用紙P1から分離する役割を有している。
具体的には、本発明の被記録材の分離装置1は、重送されていた用紙Pを記録の実行に使用する最上位の用紙P1と後続の用紙P2〜Pnとに最終的に完全に分離する本分離手段30と、本分離手段30に給送されてくる用紙Pの枚数を規制し、本分離手段30による用紙Pの分離作用を補助して確実にするための予備分離手段31とを備えることによって構成されている。
本分離手段30は、所定の回転抵抗が付与されたトルクプーリ32と、該トルクプーリ32より用紙Pの搬送方向上流側に設けられる従動プーリ33と、上記トルクプーリ32と従動プーリ33との間に巻回されるリタードベルト34とを備えるベルト駆動式構造であって、図示しない揺動付勢手段によって給送用ローラ14に対して所定の圧接力で当接するように揺動付勢されている。
このうちトルクプーリ32は、一般のインクジェットプリンタ100において広く採用されている図5に示すリタードローラより小径に形成されたプーリであり、該リタードローラと同様の回転抵抗が付与されている。即ち給送用ローラ14とリタードベルト34との間に最上位の用紙P1のみが存在している場合には、給送用ローラ14の回転駆動力によって従動回転するが、給送用ローラ14とリタードベルト34との間に最上位の用紙P1と後続の用紙P2〜Pnとの複数枚の用紙Pが存在している場合には回転しないような回転抵抗をトルクプーリ32は有している。
従動プーリ33は、上記トルクプーリ32より小径のプーリであり、リタードベルト34を介してトルクプーリ32と共に従動回転する。また、リタードベルト34は直接用紙Pの先端に作用して用紙Pの分離作用を実行する無端帯状の部材である。そして、リタードベルト34の給送用ローラ14に面している上面側の部位が分離作用面35となっている。なお、リタードベルト34表面の摩擦係数μ1は、給送用ローラ14表面の摩擦係数μ0より小さく、用紙P表面の摩擦係数μ2よりも大きくなっていて、これらの間には、μ0>μ1>μ2の関係が成立している。これに伴い、給送用ローラ14と最上位の用紙P1との間の摩擦力F0と、リタードベルト34と後続の用紙P2〜Pnとの間の摩擦力F1と、最上位の用紙P1と後続の用紙P2〜Pnとの間の摩擦力F2との間にはF0>F1>F2の関係が成立している。
また、上記トルクプーリ32の回転軸36と、従動プーリ33の回転軸37は揺動アーム38によって回転自在に支持されている。そして、揺動アーム38の揺動支点Oは、給送用ローラ14とリタードベルト34とが当接するニップ点Qより用紙Pの搬送方向上流側、具体的には従動プーリ33より更に上流側の後述する予備分離手段31における上流側端部近傍に設けられている。
また、リタードベルト34表面の分離作用面35に用紙Pの先端が突き当たる該分離作用面35に対する用紙Pの進入角度θは、図5に示すリタードローラを使用した場合の進入角度θ1よりかなり小さくなっている。これは当該本分離手段30を給送用ローラ14から離反させる方向の力が小さくなるようにするため比較的緩やかな傾斜に設定したものである。
そして、このような本分離手段30の用紙Pの搬送方向上流側には、本分離手段30と一体になって揺動付勢するように予備分離手段31が設けられている。予備分離手段31は高摩擦材によって形成される分離パッド39によって構成されている。そして、分離パッド39表面の分離作用面40は、上記リタードベルト34表面の分離作用面35とほぼ同一平面上に位置するように設定されている。
また、このようにして構成される予備分離手段31は、従動プーリ33の回転軸37と揺動支点Oから延びる左右2本ずつ計4本の支持アーム41、42によって支持されており、揺動支点Oを中心にして本分離手段30と予備分離手段31は一体になって揺動アーム38によって揺動付勢される。
次に、このようにして構成される本発明の被記録材の分離装置1による重送された用紙Pの分離作用について説明する。給送用ローラ14とホッパ16とによる挟圧送り作用によって給送された上位の複数枚の用紙P(図2では最上位の用紙P1と後続の用紙P2、P3の3枚の用紙Pが給送された場合を一例として示している)は、最初に用紙Pの先端が予備分離手段31における分離パッド39表面の分離作用面40に当接し、このうち最下位に位置する後続の用紙P3が分離される。
予備分離手段31を通過した最上位の用紙P1と後続の用紙P2の先端は、本分離手段30におけるリタードベルト34表面の分離作用面35に進入角度θで突き当たり、上述した摩擦係数μ0、μ1、μ2の違いによって、図2に示すように最上位の用紙P1と後続の用紙P2とが分離される。そして、進入角度θは上述したように比較的緩やかに設定されており、揺動支点Oは用紙Pの搬送方向上流側に設けられているから、本分離手段30を下方に押し下げたり、給送用ローラ14にリタードベルト34を食い付かせるような力は作用せず、最上位の用紙P1のみが搬送方向下流の搬送用ローラ19に向けて円滑に搬送され、後続の用紙P2、P3は戻しレバー6によって再び給送用トレイ5上に戻され次の給送に利用される。
[他の実施例]
本願発明に係る被記録材の分離装置1及び該被記録材の分離装置1を備えた記録装置100等は、以上述べたような構成を基本とするものであるが、本願発明の要旨を逸脱しない範囲内の部分的構成の変更や省略等を行なうことも勿論可能である。例えば、図4(a)に示すように、本分離手段30における従動プーリ33の位置を予備分離手段31が設けられている用紙Pの搬送方向上流側の位置まで移動し、リタードベルト34の長さを長くして、リタードベルト34表面の分離作用面35を伸長させるようにすることも可能である。因みにこのような構成を採用した場合には、上述した分離パッド39により構成した予備分離手段31を省略することが可能であり、リタードベルト34表面の揺動支点O側の分離作用面35の部位を予備分離手段31として使用できる。
また、図4(b)に示すように、予備分離手段31を本分離手段30と同様のベルト駆動式構造によって構成することも可能である。この場合には、例えば本分離手段30の従動プーリ33の回転軸37上に従動プーリ33と独立して回転する別途のトルクプーリ43を設けておき、揺動支点O上に別途の従動プーリ44を設け、これらのトルクプーリ43と従動プーリ44との間に別途のリタードベルト45を巻回することで予備分離手段31を構成できる。
インクジェットプリンタの内部構造の概略を示す側断面図。 本発明の被記録材の分離装置を拡大して示す側断面図。 本発明の被記録材の分離装置を拡大して示す平面図。 本発明の他の2種の実施例を示す側断面図。 従来の被記録材の分離装置を示す側断面図。
符号の説明
1 (被記録材の)分離装置、5 給送用トレイ、6 戻しレバー、13 記録ヘッド14 給送用ローラ、16 ホッパ、17 回転軸(給送用ローラの)、
18 ローラホルダ(搬送用従動ローラ用の)、18c 補助押えローラ、
19 搬送用ローラ、19a 搬送用駆動ローラ、19b 搬送用従動ローラ、
20 排出用ローラ、20a 排出用駆動ローラ、20b 排出用従動ローラ、
22 排出用補助ローラ、22a 排出用補助駆動ローラ、
22b 排出用補助従動ローラ、26 記録ポジション、28 プラテン、
30 本分離手段、31 予備分離手段、32 トルクプーリ(本分離手段の)、
33 従動プーリ(本分離手段の)、34 リタードベルト(本分離手段の)、
35 分離作用面(本分離手段の)、36 回転軸(トルクプーリの)、
37 回転軸(従動プーリの)、38 揺動アーム、39 分離パッド、
40 分離作用面(予備分離手段の)、41 支持アーム、42 支持アーム、
43 トルクプーリ(予備分離手段の)、44 従動プーリ(予備分離手段の)、
45 リタードベルト(予備分離手段の)、
100 インクジェットプリンタ(記録装置)、P 用紙(被記録材)、
P1 最上位の用紙、P2〜Pn 後続の用紙、PG プラテンギャップ、
F0 (給送用ローラと最上位の用紙との間の)摩擦力、
F1 (リタードベルトと後続の用紙との間の)摩擦力、
F2 (最上位の用紙と後続の用紙との間の)摩擦力、
μ0 (給送用ローラ表面の)摩擦係数、μ1 (リタードベルト表面の)摩擦係数、
μ2 (用紙表面の)摩擦係数、Q ニップ点、θ 進入角度、O 揺動支点

Claims (6)

  1. 給送された被記録材が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の被記録材を最上位の被記録材から分離する被記録材の分離装置であって、
    前記被記録材の分離装置には、所定の回転抵抗が付与されたトルクプーリと、該トルクプーリより被記録材の搬送方向上流側に設けられる従動プーリと、前記トルクプーリと従動プーリとの間に巻回されるリタードベルトとを備え、給送用ローラに対して所定の圧接力で揺動付勢されるベルト駆動式構造の本分離手段が設けられており、
    前記本分離手段の被記録材の搬送方向上流側には表面に平坦な分離作用面を有する分離パッドを使用した予備分離手段が本分離手段と一体になって揺動付勢するように設けられ、
    前記リタードベルト表面の分離作用面と、前記分離パッド表面の平坦な分離作用面は、同一平面上に位置するように設定されていることを特徴とする被記録材の分離装置。
  2. 請求項1において、前記リタードベルト表面の分離作用面に対する被記録材の進入角度は本分離手段を給送用ローラから離反させる方向の力が小さくなるように設定されていることを特徴とする被記録材の分離装置。
  3. 請求項1または2において、前記本分離手段の揺動支点は給送用ローラとリタードベルトとが当接するニップ点より被記録材の搬送方向上流側に位置するように設定されていることを特徴とする被記録材の分離装置。
  4. 請求項において、前記本分離手段及び予備分離手段の揺動支点は予備分離手段における被記録材の搬送方向上流側の端部近傍に位置するように設定されていることを特徴とする被記録材の分離装置。
  5. ホッパとの挟圧送り作用によって積畳された上位の被記録材を引き出して給送する給送用ローラと、該給送用ローラによって給送された被記録材が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の被記録材を最上位の被記録材から分離する被記録材の分離装置とを備える記録装置であって、
    前記被記録材の分離装置として請求項1〜のいずれか1項に記載した被記録材の分離装置を適用したことを特徴とする記録装置。
  6. ホッパとの挟圧送り作用によって積畳された上位の被液体噴射材を引き出して給送する給送用ローラと、該給送用ローラによって給送された被液体噴射材が複数枚に亘る重送が生じた時、後続の被液体噴射材を最上位の被液体噴射材から分離する被液体噴射材の分離装置とを備える液体噴射装置であって、
    前記被液体噴射材の分離装置には、所定の回転抵抗が付与されたトルクプーリと、該トルクプーリより被液体噴射材の搬送方向上流側に設けられる従動プーリと、前記トルクプーリと従動プーリとの間に巻回されるリタードベルトとを備え、給送用ローラに対して所定の圧接力で揺動付勢されるベルト駆動式構造の本分離手段が設けられおり、
    前記本分離手段の被液体噴射材の搬送方向上流側には表面に平坦な分離作用面を有する分離パッドを使用した予備分離手段が本分離手段と一体になって揺動付勢するように設けられ、
    前記リタードベルト表面の分離作用面と、前記分離パッド表面の平坦な分離作用面は、同一平面上に位置するように設定されていることを特徴とする液体噴射装置。
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