JP2007083467A - 複合シート - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明の複合シートは、有機成分からなる平均繊維径が1μm以下の有機極細繊維からなる平均流量孔径が2μm以下の繊維シートと樹脂とを含み、前記繊維シートと樹脂とが混在する領域を備えている。好ましくは、有機極細繊維が連続繊維からなり、また、有機極細繊維が静電紡糸法により製造したものである。
【選択図】 図1
Description
標準偏差(Dd)={(nΣX2−(ΣX)2)/n(n−1)}1/2
P={1−M/(T×D)}×100
ここで、Pは空隙率(%)、Mは繊維シートの目付(g/cm2)、Tは繊維シートの厚さ(cm)、Dは有機極細繊維を構成する樹脂の密度(g/cm3)をそれぞれ意味する。なお、有機極細繊維が密度の異なる2種類以上の樹脂からなる場合、有機極細繊維の樹脂の密度(D)は、それら樹脂の密度の質量平均値を意味する。
重量平均分子量42万のポリアクリロニトリルをジメチルホルムアミドに溶解させた、濃度10mass%の紡糸溶液を用意した。
不織布繊維シート1を温度40℃のスチールロールと樹脂ロールからなるカレンダーロール間(線圧:150kg/cm)を通し、表1に示すような物性を有する、不織布繊維シート3を形成した。
平均重合度1000の完全けん化ポリビニルアルコールを水に溶解させた、濃度12.5mass%の紡糸溶液を用意した。
テトラエトキシシラン、溶媒としてエタノール、加水分解のための水、触媒として1規定の塩酸を、1:5:2:0.03のモル比で混合し、温度78℃で10時間還流操作を行い、ついで、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去した後、温度50℃で加温し、粘度が約3.5ポイズのゾル溶液(紡糸溶液)を調製した。このゾル溶液を用いたこと、及び紡糸時の電圧を17KVにしたこと以外は、繊維シート1、2の製造と同様にして、不織布繊維シートを製造した。その後、不織布繊維シートを150℃で5時間、300℃で5時間、1000℃で1時間焼成し、完全にガラス化させて、表1に示すような物性を有する、石英ガラス繊維からなる焼結不織布繊維シート5を得た。
Aは平均繊維径(単位:μm)、Bは有機極細繊維の繊維径の標準偏差(Dd)の平均繊維径(Da)に対する比(Dd/Da)、Cは平均流量孔径(単位:μm)、Dは比(最大孔径/平均流量孔径)、Eは空隙率(単位:%)、Fは目付(単位:g/m2)、Gは厚さ(単位:μm)をそれぞれ意味する。
ホットプレート上に設置したガラス板に不織布繊維シート2を載せるとともに、不織布繊維シート2の一端にポリエチレンワックス(融点:60℃)を載せ、温度100℃に加熱してポリエチレンワックスを溶かした後、金属ローラでポリエチレンワックスを押し広げて不織布繊維シート2に含浸し、冷却した後に、ガラス板から剥して、不織布繊維シート2とポリエチレンワックスとが複合一体化した複合シート(厚さ:35μm)を得た。この複合シートは図1に示すような不織布繊維シートとポリエチレンワックスとが混在する領域のみからなるもので、高い透明性を有し、均一に複合一体化したものであった。この複合シートの引張り破断強度は3.5N/10mm幅で、優れた機械的強度を有するものであった。また、複合シートは曲げ試験の結果、破断することのない、可撓性に優れるものであり、絶縁材料やシーリング材料として好適なものであった。
ポリエチレンワックス(融点:60℃)をガラス板間に挟んだ状態で温度70℃で加熱し、ポリエチレンワックスを溶融させた後に冷却して、フィルム化させた。その後、水中でガラス板間からワックスフィルムを剥離させたが、ワックスフィルムは非常に脆く、手でさわるだけで破断するものであった。
エポキシ樹脂(セメダイン社製、二液常温硬化型エポキシ樹脂系接着剤、商品名:1500)原料を混合し、脱泡した後、厚さが4μmとなるように、ハンドコーターによってガラス板上にキャストした後、このエポキシ樹脂液上に不織布繊維シート4を載せ、1週間常温放置してエポキシ樹脂を硬化させた。そして、ガラス板から剥離し、不織布繊維シート4とエポキシ樹脂とが複合一体化した複合シート(厚さ:5μm)を得た。この複合シートは図1に示すような不織布繊維シートとエポキシ樹脂とが混在する領域のみからなるもので、高い透明性を有し、均一に複合一体化したものであった。この複合シートの引張り破断強度は1N/10mm幅で、比較的高い機械的強度を有するものであった。また、複合シートは曲げ試験の結果、破断することのない、可撓性に優れるものであり、フレキシブルプリント基板として好適なものであった。
実施例2と同じエポキシ樹脂をハンドコーターによってガラス板上にキャストした後、1週間常温放置してエポキシ樹脂を硬化させ、フィルム化(厚さ:5μm)させた。そして、このエポキシ樹脂フィルムをガラス板から剥離し、エポキシフィルムを得た。このフィルムは曲げ試験の結果、破断することはなかったが、引張り破断強度を測定すると0.7N/10mmで、実施例2に比べて強度の劣るものであった。
キャスティングの厚さを40μmとしたこと、及び繊維シートとして不織布繊維シート2を使用したこと以外は、実施例2と全く同様にして、不織布繊維シート2とエポキシ樹脂とが複合一体化した複合シート(厚さ:50μm)を得た。この複合シートは図3に示すように、不織布繊維シートとエポキシ樹脂とが混在する領域Hと、エポキシ樹脂のみからなる領域を混在する領域Hの片側にのみ有するもので、高い透明性を有し、均一に複合一体化したものであった。この複合シートの引張り破断強度は9.7N/10mm幅で、優れた機械的強度を有するものであった。また、複合シートは曲げ試験の結果、破断することのない、可撓性に優れるものであり、フレキシブルプリント基板として好適なものであった。
実施例3と同じエポキシ樹脂をハンドコーターによってガラス板上にキャストした後、1週間常温放置してエポキシ樹脂を硬化させ、フィルム化(厚さ:50μm)させた。そして、このエポキシ樹脂フィルムをガラス板から剥離し、エポキシフィルムを得た。このフィルムは曲げ試験の結果、破断することはなかったが、引張り破断強度を測定すると7.5N/10mmで、実施例3に比べて強度の劣るものであった。
実施例2と同じエポキシ樹脂原料を混合し、脱泡した後、厚さが4μmとなるように、ハンドコーターによってガラス板上にキャストした後、このエポキシ樹脂液上に不織布繊維シート3を載せ、1週間常温放置してエポキシ樹脂を硬化させた。そして、ガラス板から剥離し、不織布繊維シート3とエポキシ樹脂とが複合一体化した複合シート(厚さ:10μm)を得た。この複合シートは図3に示すように、不織布繊維シートとエポキシ樹脂とが混在する領域Hと、エポキシ樹脂のみからなる領域を混在する領域Hの片側にのみ有するものであった。また、この複合シートは高い透明性を有し、均一性及び表面平滑性の高いものであった。この複合シートの引張り破断強度は3.3N/10mm幅で、優れた機械的強度を有するものであった。また、複合シートは曲げ試験の結果、破断することのない、可撓性に優れるものであり、フレキシブルプリント基板として好適なものであった。
不織布繊維シートとして不織布繊維シート5を用いたこと、及びエポキシ樹脂のキャスティングの厚さを40μmとしたこと以外は実施例4と同様にして、不織布繊維シート5とエポキシ樹脂とが複合一体化した複合シート(厚さ:50μm)を得た。この複合シートは図1に示すように、不織布繊維シートとエポキシ樹脂とが混在する領域のみからなるもので、高い透明性を有し、均一に複合一体化したものであった。この複合シートは曲げ試験の結果、破断してしまうものであった。
パーフルオロスルホン酸(アルドリッチ製、5mass%ナフィオン117、メタノール−水混合溶媒)をガラス板上にキャスティングし、厚さ10μmの液膜を形成した。この液膜上に不織布繊維シート4を載せ、温度60℃で乾燥した後にガラス板から剥離し、不織布繊維シート4とパーフルオロスルホン酸とが複合一体化した複合シート(厚さ:5μm)を得た。この複合シートは図1に示すような不織布繊維シートとパーフルオロスルホン酸とが混在する領域のみからなるもので、高い透明性を有し、均一に複合一体化したものであった。この複合シートは曲げ試験の結果、破断することのない、可撓性に優れるものであった。また、この複合シートを電解質膜としての利用を想定し、24時間水に浸漬し、膨潤させた後に引張り強度を測定すると約0.8N/10mmであった。この複合シートは電池の電解質膜として好適なものであった。
パーフルオロスルホン酸(アルドリッチ製、5mass%ナフィオン117、メタノール−水混合溶媒)をガラス板上にキャスティングした後に乾燥し、ガラス板から剥離し、パーフルオロスルホン酸フィルム(厚さ:5μm)を得た。このフィルムは曲げ試験の結果、破断することのない、可撓性に優れるものであったが、実施例5と同様に、水に浸漬した後に引張り強度を測定すると0.5N/10mmで、実施例5の複合シートよりも強度的に劣るものであった。
実施例2に用いたエポキシ樹脂40容量部に、ロッキングミルを用いた湿式粉砕により平均粒子径を約0.3ミクロンとしたチタン酸ジルコン酸鉛(富士チタン(株)製、PE−60A)60容量部をよく混合した後、厚さが20μmとなるように、ハンドコーターによってガラス板上にキャストした後、このエポキシ樹脂液上に不織布シート1の両端を軽く引っ張った状態で載せるとともに、不織布シート1をエポキシ樹脂液に押し付けた後、1週間常温放置してエポキシ樹脂を硬化させた。そして、ガラス板から剥離し、不織布繊維シート1とエポキシ樹脂とが複合一体化した複合シート(厚さ:25μm)を得た。この複合シートは図1に示すように、不織布繊維シートとエポキシ樹脂とが混在する領域のみを有するものであった。この複合シートの曲げ試験を行ったところ、無機微粒子(チタン酸ジルコン酸鉛)を高い割合で混合しているにもかかわらず、破断することのない、可撓性に優れるものであった。また、この複合シートの引張り破断強度は5N/10mm幅で、優れた機械的強度を有するものであった。
(1)複合シートの片面を金のスパッタリングにより被覆し導電化した。
(2)鏡面研磨した平滑なステンレス平板上に、前記複合シートの導電化面が接触するように載せた。
(3)銅製の円柱(直径:0.5mm)の周囲を厚さ0.1mmの樹脂で被覆し、更にこの樹脂の周囲をスパッタリングにより金をコーティングしたものを、直径約5mmの樹脂棒の中心に通した電極を用意した。
(4)前記電極を前記複合シート(導電化面と対向する面)に一定圧力で押し当てて、1MHzでの静電容量を3端子コンデンサー法により測定した。
不織布繊維シート1を複合しなかったこと以外は実施例6と同様にして、チタン酸ジルコン酸鉛粉末含む、厚さ25μmのフィルムを製造した。このフィルムは非常に脆く、曲げ試験の結果、容易に破断し、取り扱いが困難なものであった。
P 樹脂
H 繊維シートと樹脂の混在領域
C 複合シート
Claims (3)
- 有機成分からなる平均繊維径が1μm以下の有機極細繊維からなる平均流量孔径が2μm以下の繊維シートと樹脂とを含み、前記繊維シートと樹脂とが混在する領域を備えていることを特徴とする複合シート。
- 有機極細繊維が連続繊維からなることを特徴とする、請求項1記載の複合シート。
- 有機極細繊維が静電紡糸法により製造したものであることを特徴とする、請求項1又は請求項2記載の複合シート。
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