JP2005527358A - フィルター材 - Google Patents

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Abstract

本発明はナノメートル粒子をも効果的に保持するためのフィルター材(10)に関する。本発明のフィルター材は、少なくとも1つの材料層(20)及び少なくとも1つの微細構造層(30)から成り、第1層として架橋性セルロース繊維及び極細ガラス繊維等が使用される。材料層(20)の繊維径はマイクロメートル領域にあり、前記層の細孔径は主に平方マイクロメートル領域である。1g/mよりも小さい単位重量の極軽量の繊維構造は、最低ナノメートル領域の中間スペースを有し180℃を超える温度で熱的に安定である。これはポリマーから静電紡糸で得られる繊維(40)から成りナノメートル領域の直径を有する。これらの個々の繊維(40)を互いに又は材料層(20)に架橋させて水不溶並びに化学的及び熱的安定とするため、メラミン樹脂等が使用される。保護及び安定のために、フィルター材(10)には支持層及び/又は被覆層を追加できる。

Description

本発明は、請求項1の一般用語として定義される通流(thru-flow)装置の中で使用するためのフィルター材(filter medium)、及び請求項20の一般用語として定義される前記フィルター材の製造方法に関する。
フィルター材は、空気若しくはガスの流れから粒子を分離する、又は固体−液体相から固体物質を分離する、又はそれらの特定の濃度を維持する必要がある場合に、様々に用いられる。例えば、フィルター材は、研究室でセルロースのひだ付き(pleated)フィルターの形で、又は例えば、自動車の中にあるような換気システム中の平形フィルターとして同様によく使用される。
フィルター性能に関する要求事項は常に増え続けている。特に、ますます微小な粒子及び益々広い粒径分布に対して有効な濾過をしなければならず、同時に粉塵保持能力も向上させなければならない。このような性能に対する要求は、例えばセルロース繊維の単独の薄い不織布層によって満たすことはできない。そのようなフィルターを厚い形状にするとコストが嵩むことになる。更に、より厚手のフィルター材に同じ様な速度で流体を通すには、より高い圧力を使うことによってのみ可能なので、フィルターの操作コストが嵩むことになる。
ドナルドソン(Donaldoson)は、数層から成るフィルター材の導入によってこの問題に取り組んだ(データシート 08.04.1998)。ポリエステル不織布に対しては、150nm〜200nmの繊維径を有する有機ポリマー繊維の厚さ1μm〜20μmの有効な層の適用が存在し、繊維状材料は、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニリデン又はポリカーボネートが好ましい。0.5ミクロン以上の粒径を有する粒子を、90%を超える程度まで旨く捕捉するのは、このようなフィルター材によると考えられるが、このようなフィルター材がいかに速く詰まるかについては記載されていない。ドイツ国実用新案出願公開第29907699号(DE−U1−29907699)は類似の特性を有するフィルター材を記載している。
これらのフィルタータイプに対して、及び基材層として殆んど独占的にセルロース繊維を使用するフィルタータイプに対して充分な安定性、そして必要ならば、耐化学薬品性、及び強固な特性を付与するために、これらの繊維は、反応性樹脂又は樹脂配合物、例えばフェノール樹脂、で含浸させなければならない、その後、このフィルターは150℃を超える温度で熱硬化させなければならない。しかしながら、前記のフィルター材はそのような熱処理に耐えることができなかった、というのは、例えば150℃を超える高温では有効層は殆ど完全に破壊されるからである。従って、1マイクロメートルよりも小さい直径を有する粒子を、最早、保持することができず、所望のフィルター機能は失われている。同じ問題は、既知のフィルター材を極端な環境条件下、特に高温で刺激性雰囲気又は溶液中で使用するときに生じる。
国際特許公開第0220134号(WO0220134A) ドイツ国実用新案出願公開第29907699号 欧州特許公開第0316195号(EP0316195A) 米国特許第6165572号(US6165572A)
先行技術のこれらの及びその他の短所を単純な手段を使って解消すること、及び極端な環境条件下で又は極端な操作条件下で使用でき常に高度のフィルター性能を示す改善されたフィルター材を提供することが本発明の目的である。このフィルター材は、環境上許容できる方法で、安価で大量に製造できるであろう。また、高い集塵能力が望ましく、フィルター材は全体的な厚さは比較的薄くて充分な安定性を示すであろう。
本発明の主要な特徴は、請求項1及び20の特徴を表す部分に記載されている。実施態様は請求項2〜19及び21〜23の主題である。
通流装置で使用するためのフィルター材であって、少なくとも1つの支持層、及び前記支持層に永続的に接着する少なくとも1つの微細繊維層を有し、前記微細繊維層は1μmよりも小さい及び/又は1μmに等しい平均繊維径を有する静電紡糸ポリマー繊維を含み、本発明によれば、触媒の作用により前記ポリマー繊維は架橋剤(クロスリンカー)を介して互いに直接的に又は間接的に架橋され、このクロスリンカー及び/又は架橋性ポリマー繊維は最高200℃までの温度に耐える。
実験により、この種のフィルター構造は、粒径に関して大きい断面積の優れた濾過を実現することが判った。300nmより小さい粒子を濾過して取り除く能力は、高温においてさえ、多種多様な液体及びガス流中でさえ、化学的に活性な環境中でさえ、高圧においてさえ維持される。このことは、既存のフィルター材を背景としては予期され得なかった。
本発明の別の態様によると、最高200℃まで耐熱性がある非架橋性ポリマー繊維も使用できる。また、これらの繊維の場合、微細繊維層は極端な条件下でさえ劣化しないこと、即ちフィルター効率は完全に維持されることが実証されたのは驚きであった。このようにして、架橋は有用な方法となる可能性があり、いくつかのポリマーの場合、触媒の存在下で200℃に加熱すると、繊維は互いに又は支持層に早々に架橋を行なう場合があるので、架橋剤なしで済ますことさえ可能である。
微細繊維層のポリマー繊維は、支持層の少なくとも1つに永続的に粘着し、従ってこの繊維は追加の架橋剤を必要としない。特に、これらのポリマー繊維は、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、又はこれらから形成されるコポリマーから成る、即ちポリマー繊維は、極性溶媒に可溶であるポリマーを含む。このことは、極端な環境的に許容可能な製造方法を保証する。
微細繊維層内のポリマー繊維は、種々の直径を有するので、この繊維の層に選択的方向性が与えられる。前記の方向性に沿い、ポリマー繊維は、厚さに従って秩序のある方法で配列され、従ってフィルター材内部で傾斜構造を形成する。これによって、前記フィルター材のフィルター特性は更に改善され、同時に厚さを薄くすることができる。
ポリマー繊維を互いに及び/又は少なくとも1つの支持層に結合するのに使用されるクロスリンカーは、少なくとも二官能の化学化合物、好ましくは、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、湿潤強度増強剤、又は前記物質の混合物である。これらの架橋剤は、触媒に配位して、ポリマー繊維の優れた三次元架橋を提供する。この手段によって、極めて安定な微細繊維層が形成され、このような繊維層はフィルター材に必須のものである。前記フィルター材は、また、激しく且つ絶え間ない化学的、熱的、及び機械的ストレスの下で、驚くほど優れた、持続的なフィルター性能を示す。
ルイス(Lewis)酸若しくはブレンステッド(Broensted)酸、ルイス塩基若しくはブレンステッド塩基、又は酸化性若しくはラジカル開始性を有する化合物のような使用される触媒が、架橋プロセスを促進する。架橋が、超音波、電磁放射、好ましくはIR若しくはUV放射の形でのエネルギー入力により、又は電子線により引き起されるならば、フィルター材内の触媒残留物の発生を有効に防止できる。更に、UV光線で照射されたクロスリンカー溶液は長期間、プロセスに用いることが可能である。
1つの好ましい進展によると、フィルター材には少なくとも1つの更なる支持層が配置され、この層は、濾材の被覆層、裏打ち層(backing layer)又は別の層を含む又は形成し、それにより微細繊維層はこれらの層の少なくとも1つのうちの流入側及び/又は流出側に隣接する。
全体として、目測できる支持層の容積は、微細繊維層のポリマー繊維が適用された後でも変化はない。従って、従来のフィルターとは違って、本発明のフィルター材はフィルター効率が向上するにも拘らず、追加のスペースを必要としない。
少なくとも1つの支持層が、有機及び/又は無機繊維又はそれらの複合体、詳しくはセルロース、合成繊維、又は極細ガラス繊維を含むのは有利である。これらの繊維状材料のコストは妥当であり、これらの材料は有用な機械的特性を有する。この特性は、少なくとも1つの支持層が、例えばフェノール樹脂によって含浸されて硬化されるか、或いは硬化可能ならば、なお更に改善される。今や、この総合的フィルター材は、活性環境中でさえ長期にわたって優れたフィルター特性及び高度の寸法安定性を保持する。
特に改善された態様では、少なくとも1つの支持層は、殆どフィルター作用を有しない大形細孔素材(large−pored base medium)、又はフィルター特性を有しない開口細孔連結層(open−pored joining layer)を含む。このような構造により、非連結性フィルター層が互いに結合してフィルター材の集塵能力が大幅に向上するすることが可能となる。別の実施態様では、或る1つの支持層はいずれの場合でもエレクトレット材であり、その層のフィルター効率は微細繊維層によって同様に改善され、しかも時が経っても変わらない。
フィルター材の少なくとも1つの支持層が、例えばアルキル化若しくはシリル化(silylation)(シラン化(silanization))によって表面−疎水性にされ及び/又は1つ以上の難燃剤及び/又は蛍光染料を含むならば、濾過物の付着は防がれる。フィルター材の品質は監視できる。親和性配位子加えられることによってフィルター材は激しい操作条件下であっても粒子の選択性を有する。
フィルター効率を高めるために、少なくとも1つのフィルター材、好ましくは複数のフィルター材の組み合わせが粒子フィルター又は分子フィルターを形成する。
通流装置の中で使用するためのフィルター材を製造するための方法であって、溶融状態の又は極性若しくは非極性溶媒に溶解された少なくとも1つのポリマーが電場中でノズルによって紡糸されてポリマー繊維を形成し、前記ポリマー繊維は微細繊維層の形で支持層の上に配列され、前記ポリマー繊維は1μmよりも小さい及び/又は1μmに等しい平均繊維径を有し、及び前記ポリマー繊維の間に中間スペースが形成される方法は、本発明によれば、クロスリンカーがポリマー溶融物又はポリマー溶液に加えられる点、及び前記支持層の上に配列された前記ポリマー繊維は触媒の影響を受けて互いに及び/又は架橋剤に架橋する及び/又は架橋される点に特徴がある。
そのような方法によって、1μmよりも小さい繊維を迅速に且つ正確に製造すること、及び顧客の要求又は反応性に応じて決まる予め定められた時点で前記繊維を硬化することが可能とあり、この方法によって活性環境中でさえ有効な微細繊維層を有する極めて強固なフィルター材が得られる。
微細繊維層のポリマー繊維が、極性の、好ましくは水溶液から電気紡糸によって製造されるならば、大きな環境負荷は発生しない。そのような溶液を使って製造するとき、少なくとも1つの支持層及び少なくとも1つの微細繊維層を含む堆積層を、塩基触媒若しくは酸触媒、又は電磁線若しくは電子線に接触させることは有用である。充分な安定性及び長期間の高いフィルター効率を得るために、支持層、及び架橋性若しくは架橋可能な微細繊維層を別の架橋剤と一緒に少なくとも一部分の範囲に含浸させて140℃〜180℃で硬くする。それによって、微細繊維層及びその効率は損なわれない。
或る特別な製造方法の変形では、ポリマー繊維が非含浸性支持層の上に配列されると、こうして得られる非含浸性フィルター材は、まとめて含浸剤で処理されたのち、まとめて硬化される。これによって、既に含浸された支持層の別々の乾燥が節約される。
本発明の更なる特徴、詳細及び長所は、特許請求の範囲の表現法及び図面の参照を含む実施例の次の説明から集めることが可能である。
図1の参照番号10で示しているフィルター材は、ガス精製プラント及び流体再処理システムのような通流装置中で平形フィルター10として使用するのを目的としている。このフィルター材は、フェノール樹脂ペーパー(paper)の支持層20を有し、この支持層ペーパーには架橋可能なポリマー繊維40の微細繊維層30が適用されていて、前記繊維は好ましくはメラミン樹脂が加えられているポリビニルアルコール製である。大部分がセルロースから成る支持層20の層厚は−特定の用途に応じて−100μm〜2000μmであり、そして10μm〜20μmの直径を有する個々のセルロース繊維はミクロンサイズの多数のスペースを形成する。その一方で、500nmの層厚及び数ミクロンの幅を有する微細繊維層30は10分の1以下の薄さである。これと同じことが、この層30に含まれる繊維40にも当てはまり、この繊維40は10nm〜200nmの直径を有し、従って支持層20中のセルロース繊維よりも遥かに細く、最低ナノメートルサイズの範囲の孔径を形成する。
図2に示すように、こうして平形フィルター10は、異なる2種の網目サイズを重ね合わせた三次元網、即ち一方には支持ウェブとして支持層20を及び他方には微細繊維のウェブとして微細繊維層30を含む。物理的及び/又は化学的相互作用によって、これらの2つの層は、永続的に互いに粘着するので、安定な層状複合体が形成される。個々の層の繊維の間にある網目の隙間とみなせるスペースは、ミクロン又はミリミクロン領域の網目サイズをランダムな分布で有する粒子のふるい(sieves)として機能する。測定により示されることだが、例えば、支持層20は平均して95%程度まで1μmよりも大きい又は1μmに等しい粒子を保持する一方で、微細繊維層30はその少なくとも2.5分の1以下の微小な粒子がフィルター材10を通り抜けることを更に効果的に防ぎ、これによって極めて優れた濾過率となる。
微細繊維層30中の繊維40は、静電紡糸法によって直接ペーパー20の上に配列され、フェノール樹脂のような反応性樹脂が含浸される。この目的のために、ポリビニルアルコールの水溶液を触媒により酸性化し、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂を架橋剤としてこの水溶液に加える。次にこの溶液を、図3に図示しているように支持層20の上に均一に電気紡糸し、この方法によって微細繊維層30が形成される。繊維層30は、支持層20の上で永続的に接着している多量の絡み合った繊維を形成する。
ナノサイズの層とも称する微細繊維層30を適用したのち、必要ならば、フィルター材10は、予め設定された幾何学的形状に形成され、次いで、140℃〜180℃の温度で数分間処理される。これによって、微細繊維層30の繊維40は互いに完全に架橋する。フェノール樹脂が含浸された支持層20は硬化し、非常に高い総合的寸法安定性がフィルター材10に付与される。フィルター材10は膨潤挙動を実質的に示さず、同時に水に不溶である。
次の表1及び2に示しているように、微細繊維層30の適用はガス流中のフィルター材10の初期フィルター効率を明確に改善し、総合的フィルター材10の通気性は極く僅か低下しただけである。本発明の別の長所は、フィルター材10の分離能力が、湿潤環境中でさえ、又は水と接触した後でさえ低下しない点にある。
Figure 2005527358
Figure 2005527358
表1及び2は、フィルター材10の分離効率が、180℃の温度での硬化工程によって全く変化しないか、又は極く僅かしか変化しないことを示している。それどころか、180℃を超える温度でフィルター材が使用される時でさえ、有用なフィルター特性は殆ど変化しないままである。ポリマー繊維40が微細粒子の保持のために微細繊維層30として使用される量が多ければ多いほど、及び支持層20として使用される樹脂含浸ペーパー基材の上に配列される量が多ければ多いほど、フィルター機能はそれだけ更に向上する。微細繊維層30が、ペーパー基材の重量及び厚さを、又は従ってその容積を、さほど増加させないことも注目に値する。このことは、層30がペーパー基材に極めて密着して適用される場合の微細繊維層30にも当てはまる。従って、ユーザーに厚く且つ重いフィルター材10を供給する必要なく、大幅に向上したフィルター性能が達成され得る。従って、設備を新規のフィルターサイズに適応させる必要はない。
更に、こうして設計されたフィルター材10は、支持層20として使用されるペーパー基材中に見られる機械的特性と同じ機械的特性を有する。微細繊維層30とペーパー基材とは一緒になって単一の支持層20として挙動する。従って、個々のフィルター層20、及び30に極端な化学的、熱的又は機械的ストレスがかかっても、異なる熱膨張係数又は変化する圧縮係数による歪みのような、いずれの界面現象も発生しない。フィルター材10のこのような均一な寸法安定性は、メルトブローン(meltblown)繊維を含むフィルターでは観察され得ない。
フィルター材10及び微細繊維層30の水安定性の他に、表3に示しているように、フィルター材10を液体濾過で使用して成功することが可能である。
Figure 2005527358
β値は液体中でのフィルター性能を表す。これは、フィルターが、所定の最小のサイズまでの粒子を液体から分離する能力の尺度である。表3は、β(20)値の測定内容を示している。数字20は、20個の粒子当たり1個の粒子(即ち5%)がフィルターを通過することを表し、これは95%の分離効率と等価である。微細繊維層30を使用すると、実質的に、より微小の粒子が95%程度までフィルター材10を通過できないことが判る。例えば、非被覆ペーパーBは最小12μmサイズの粒子を保持し、一方、被覆ペーパーBは、最小8μmサイズの粒子を保持する。従って、後者は、ペーパーAの分離能力に極めて近くになっているが、同時にそれ独自の集塵特性及び通気性特性を維持できていて、これらの特性はペーパーAの前記特性より遥かに優れている。
従って、本発明の平形フィルター10は、含浸及び架橋の結果として単に水安定性を有するだけではない。更に、極性の、大抵は水溶液から作られた微細繊維層30は、最高180℃、又は最高200℃の温度でさえ完全に無傷のままである。フィルター10全体、及び特に微細繊維層30は、極端な条件下でさえその高いフィルター性能を維持し、それによって、従来のフィルターでは実現できていない多くの用途の可能性を広げる。つまり、微細繊維層30は変質しないので、例えば水性の、高濃度の塩分含有媒体(strongly salt-laden media)でも使用できる。層30は、高度に重金属を含有する腐食性廃水の浄化に関し、石油化学液体生成物から固体物質を分離する際に使用するのに同様に好適である。加えて、酸、塩基又は活性ガスの高温の腐食性蒸気がフィルター性能を損なうことがない。
フィルター材10は、微細繊維層30の領域内に深く侵入するフィルターケーキが形成されないという点でも特徴がある。このフィルター層30の緻密な網目の特性は、極めて大きい表面積が存在する効果を有する。従って、粒子は、表面領域、即ち微細繊維層30の上部の網目部分、で殆ど捕集される。逆方向から吹き付けられる圧縮空気によって粒子をフィルター材10から取り除くのは容易である。薄いフィルターケーキの形成は、フィルター材10が絶えず透過性を保ち続けるのでフィルターケーキによって生じる抵抗に打ち勝つために流れの力を高める必要はないという付加的利点を有する。
微細繊維層30は、多種多様なポリマーを電極から静電紡糸することによって製造される。図3に略図で示しているこのプロセスでは、分岐状繊維形状も形成できる。例えば、溶融物又は溶液からの電気紡糸は、次の熱可塑性プラスチック及び/又はデュロプラスチックス(duroplastics)の場合に使用できる:ポリアクリロニトリル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、スルホン化ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、アリレート、ポリアリールエーテルケトン、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリウレタン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアセタール、ポリビニルエーテル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン−1、ポリメチルペンテン、ポリオキシメチレン、ポリエステル、及びポリアクリルアミド、と同時に、これらの分子のコポリマー、オリゴポリマー、及びブロックコポリマー又はブロックオリゴポリマーの形が使用できる。ポリビニルアルコールの他に、使用される水溶性ポリマーは、ポリアクリル酸、ポリエチレンオキシド及び/又はポリビニルピロリドンのポリマーである。水溶液中では、後者は環境上許容できる方法で取り扱うことができる。
高度の通気性と組み合わせた特に高い分離効率を得るために、サイズに従い秩序のある方法で支持層20の役目をする支持ウェブの上にポリマー繊維40を配列することが有用である。これは、まず、最小1μmまでの直径を有する比較的粗い繊維を配列することにより実施される。その繊維の上に、目視可能な、より細い繊維40が配列され、濾斗状濾過作用が発現される。個々の繊維の直径は、紡糸電極で設定されるパラメータによって、特にスプレーされるポリマー溶液又は溶融物の粘度によって決定される。これらのパラメータは、ポリマー、架橋剤及び触媒の各混合物に固有のものである。
各ポリマーから電気紡糸される繊維40は、支持層20の中で互いに及び/又は反応性基に架橋する。このような架橋は、特定の用途に応じて様々な時点で開始できる。使用される架橋剤は、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂及び尿素−ホルムアルデヒド樹脂、或いはエポキシ樹脂、アクリル樹脂、湿潤強度増強剤及びポリエステル樹脂、又は前記物質の混合物を含む。通常は、これらの少なくとも二官能のクロスリンカーは、電気紡糸される静電溶液又は溶融物の中で、ポリマー及び触媒と均一に混合される。このことは、その場で、即ち電気紡糸繊維40の形成の時に架橋することを意味する。このプロセスの開始が急速過ぎるならば、別の方法として、電気紡糸によるこれらの製造の後に、例えば極く微細に降下するスプレーミストの形で、触媒をポリマー繊維40に接触させてもよい。架橋速度が充分に速くない場合は、温度を140℃〜180℃に高めると反応速度は速くなる。
140℃〜180℃の硬化温度はフィルター材10にとっては高いので、例えば或るポリアミドの場合にように、反応基又は側鎖を有する電気紡糸ポリマーの場合には、クロスリンカーなしで済ませることさえ可能である。触媒が存在すれば、個々のポリマー繊維40の間で及び/又は中で架橋を達成するのはそれ自体で充分であり、その架橋によって前記繊維40は、化学的に不活性、水不溶性、しかも耐熱性となる。従って、これらは、支持層20に対して相互に永続的に粘着性がある繊維と見なされることになる。
架橋性の微細繊維層30に加えて、個々のフィルター層20、30は、含浸剤を使用することにより寸法的に安定で撥水性にされる。この目的のために、好ましくは、フェノプラスト、アミノプラスチック(メラミン樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂)、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコン樹脂、ビニルポリマー、及び高分子脂肪酸又はそれらの混合物のような合成樹脂が使用される。しかしながら、にかわ、でんぷん、又はカゼインのような天然産物質も使用してよい。フェノール樹脂は、多種多様な反応条件下で広範囲に使用されるが、硬化の完結は、現在、140℃〜180℃の温度でのみ起こる。しかしながら、このことは、本発明のフィルター材にとっては問題とはならない。通常は、電気紡糸ポリマー繊維40は、既に硬化されてしまった、或いは乾燥だけされているが未だ硬化されてはいない樹脂含浸性支持層20の上に配置されるからである。
しかしながら、1つ以上の非含浸性支持層20に微細繊維層30を設けるための試験を行なった。この場合、これまで得られている未仕上げのフィルター材10を、まとめて反応性樹脂溶液で含浸するか又は浸漬して140℃〜180℃の温度で硬化させる。これが済むと、微細繊維層30の完全な架橋、及び単数又は複数の支持層20の完全な乾燥と硬化が単一の熱処理中に同時に起こる。従って、事前に硬化されなければならない支持層20、例えば、予め乾燥されたフェノール樹脂ペーパー、は最早必要ではない。しかしながら、熱処理が済んで完全に架橋し、従って完全に不溶性及び/又は寸法安定性となるのは微細繊維層30中のポリマー繊維40のみであることを指摘すべきである。従って、微細繊維層30中のポリマー繊維40も可溶である溶媒に、含浸のために使用される反応性樹脂を溶解してはならない。例えば、微細繊維層30が非架橋性ポリビニルアルコール繊維から成るとき、フェノール樹脂水溶液は適当ではない。
微細繊維層30中のポリマー繊維40を架橋するための、又は残りの支持層20を含浸及び強化するための触媒の選択は、使用されるポリマー及び/又はクロスリンカーによって決まる。ルイス酸若しくはブレンステッド酸、及びそれぞれの塩基が、通常使用される。ポリビニルアルコールをメラミン樹脂と架橋するのに好適なのは、例えば、稀薄なクエン酸、ギ酸、又はオルトホウ酸である。アクリルアミドポリマー鎖のラジカル架橋は、数滴のペルオキシ二硫酸カリウム溶液で旨く達成される。AIBN(アゾビスイソブチロニトリル)、又はKMnO稀薄溶液のような酸化性又はラジカル開始性を有するその他の化合物も同様に有用である。合成樹脂で処理された各フィルター層20、30の架橋及び硬化も、高温処理により、UV照射により、又は電子線硬化により達成される。
支持層20には、即ち支持体の役目をする繊維状層には、主に、セルロース繊維及び合成繊維が多種多様な配置で使用される。後者は、フィルター材10に、石油化学生成物、特にオイル及び使用済みオイル、に対して特別の耐性を付与する。例えば、合成繊維はセルロース系布地と織り合わせられて強化することが可能で、様々な重量パーセンテージの個々の繊維を含むセルロース/合成繊維の混合布地が形成される。更に、セルロース不織布は、人造不織布を積層することが可能である。即ちセルロース層は合成層が積層される又は合成層と結合される。最後に、特別な積層技術、即ち合成繊維による繊維層のスポット溶接、を行なってもよい。種々のタイプの繊維の混合物を使用することは、少なくとも1つの支持層20が1μmを超える直径ばかりでなく1μmよりも小さい及び/又は1μmに等しい幾つかの直径もを有する繊維を含むことを保証する簡単な方法である。
別の実施態様では、支持層20は、極細ガラス繊維(MGF)、又は極細ガラス/セルロースの混合布地から成る。必要ならば、合成繊維と極細ガラス繊維との組み合わせも可能である。MGFはセルロース布地より高い分離能力又はフィルター能力を有する。しかしながら、この場合においても、架橋性の微細繊維層30を適用すると、フィルター性能は著しく更に向上し、同時に、そうでなければ要求される高価な極細ガラス繊維ペーパーの量の必要性が大幅に低下する。従って、例えば300nmの直径を有する全粒子の85%を捕集できるF7フィルターを、300nmの大きさの全粒子の98%が多繊維層を貫通しないようにするF9フィルターに改善することが可能である。繊維の層厚、サイズ及び配列というパラメータの最適化並びにその最適化を最大限に拡張するとHEPA(高効率粒子化空気、High Efficiency Particulate Air)フィルター材用の品質規格(85〜99.995%の滞留率)及びULPAフィルター材の品質規格(清浄空気、Ultra Low Penetrate Air)(99.9995〜99.999995%の滞留率)さえ達成でき、フィルターは耐水性であるばかりでなく極端な温度条件下でさえ使用することが可能である。
特に関心があるのは、微細繊維層30がエレクトレット材、即ち静電気が荷電された基材、の上に配置される本発明の実施態様である。これらのエレクトレット材は、高いフィルター性能を特徴としているが、その性能は使用開始から数分以内で大幅に低下する。例えば、エレクトレット材であるテクノスタット(Technostat(登録商標))の場合、図4の点線の曲線で示しているように14分後には分離対象の全粒子の95%ではなくて有効保持量は僅か63%になる。この原因は、捕集された粒子の量が増加するにつれて、エレクトレット層の上の静電荷が減少するという事実にある。しかしながら、このようなエレクトレット材に架橋性ポリマー繊維40の微細繊維層30が設けられるならば、この高い初期フィルター効率は低下しない。むしろ、図4の連続線によって示されているように、この効率は上昇さえしていて、引き続きこの高いレベルのままである。
フィルター材10の安価で同時に極めて有効な構造は、図5aに示しているように、支持層20として大形細孔素材25を利用する。この大形細孔不織布25は低いフィルター効果しか有しないが、フィルター操作中に流入圧力を常に上昇させてガス又は液体に対する一定の高い透過率を確保する必要なしに多量のダスト粒子70を吸収することが可能である。このような低効率な支持層25の分離効率を目立つ程度まで改善するために、架橋性又は架橋性電気紡糸ポリマー繊維40の微細繊維層30が支持層25の上に配列される。こうして得られる吸塵及び分離効率の数値上の改善は、下記の表4から知ることができる。
Figure 2005527358
第4列のβ(20)値で表される溶液中における保持性は、表3で既に説明した方法で測定した。しかしながら、第7列で示している分離効率は、捕集可能な全粒子を指し、表1及び2に示しているようなパーセンテージ濾過係数の関数として粒径を示すPALAS保持率を指すのではない。
参考として示しているペーパーAは、溶液中においても、又はガス流中においても全粒子のうちの極めて高いパーセンテージを保持している。液体中においては、6μmよりも大きい又は6μmに等しい全粒子の95%が捕集され、一方、ガス中において検出可能な全粒子のうちの97.6%がフィルター材10を通過できない。しかしながら、このような高い分離効率は、極めて低い通気性値と塵粉70の低度の捕集度という犠牲の上でのみ達成される。
他方、ペーパーB及びCは、ペーパーAより2.3倍〜5.2倍多くダスト粒子70を取り除く。しかしながら、液体中ではペーパーB及びCが効果的に捕集できる粒子のサイズは約2〜2.7倍大きい。ガス流中では、ペーパーB及びCは全粒子のうちの僅か84%のフィルター通過を効果的に阻むだけである。
ペーパーB及びCを微細繊維層30で被覆すると、ガス流中におけるこの両ペーパーの分離効率は目立って向上しペーパーAの分離効率さえ超える、即ち98.6%にもなる。更に、溶液中の分離効率は、より小さいベータ値の方へ、例えば12μmから8μmまで移動する。それにも拘らず、フィルター材10の集塵能力は概ね同じのままであり、いくつかの場合には、非被覆性支持層20を上回る改善が示され得る。更に、フィルター操作中に被覆性素材25にかかる流入圧力は上昇しない、或いはフィルター材10を超える臨界値より下に低下しない。これによりフィルターの使用期間及び寿命は明らかに延びる。
図5bは、流体が逆方向に流れる場合の図5aのフィルター材10を示している。この場合、濾別対象のダスト粒子70は微細繊維層30に直接衝突する。このダスト粒子は微細繊維層30の上に、種々のサイズのダスト粒子70を含む無秩序のダスト微粒子層(フィルターケーキ)を形成する。しかしながら、図5aに示されているように、ダスト粒子70が大形細孔素材25に衝突するならば、微細なダスト粒子70(小さい円)は、大きい粒子(大きい円)よりも深く侵入する。この理由により、集塵能力はこの場合の方がより高くなる。
本発明の別の実施態様は、支持層20及び/又は微細繊維層30が被覆層としての別の支持層20によって被覆されることを特徴とする。この被覆層は、例えば、フィルター性能を妨げることなく、各層を破壊的影響から保護するための被覆である。
好ましくは、この層のために使用される材料は、第1支持層20又は微細繊維層30に存在するものと同じ基本的な繊維性材料である。しかしながら、或いは、異なる材料を使用してもよく、これらの材料は薄い被覆物として適用される。この場合、被覆層は、保護機能を有するほか、支持層20とは異なる化学的特性ゆえの分離機能も担う。そして、メッシュ幅即ちこの層の孔径のほか、個々の繊維の種々の化学的側基とフィルターを通過する物質との相互効果も利用される。
追加の支持層20もまた、第1支持層20と微細繊維層30との間に、裏打ち層として或いはスペーサーとして挿入できる。これは、例えば、大量の粒子が輸送されるとき及び/又は高い透過流速が発生する時に役立つ。微細繊維層30と支持層20とが、それらの化学的表面組成が異なることにより、永続的に互いに接着できないならば、前記裏打ち層が接合剤として付加的に作用する。例えば、ポリプロピレン繊維の層とポリスルホン繊維のもう1つの層とは、これらの2つの繊維性層の間にポリアクリル繊維又はポリアミド繊維さえ導入することにより、互いに、より永続的に接着させることができる。
或る支持材には、機械的理由ゆえに、紡糸されたポリマー繊維40の微細繊維層30を直接設けることができないので、これらのフィルター性能はこの手段では改善できない。特に、微細繊維層を平坦でない又は表面が粗いフィルターウェブ80に直接適用することはできない、というのは、その単独の突出した繊維が微細繊維層30の繊維状網目を引き裂くか、或いは少なくとも網目を著しく不揃いにするからである。従って、微細繊維層30は、極めて薄く、従っていずれのフィルター作用もない、開口細孔連結層60に適用される。こうして得られる複合体90は、次いで、図6a及び6bに示しているように、例えばスポット積層(spot−lamination)によって表面上の粗い、又は平坦でないフィルターウェブ80に結合させることができる。
図6aの連結層60は、2つの本質的な目的に役立つ。この層60は、更なる支持層20としてフィルターウェブ80を結合する手段として役立ち、そして微細繊維層30に対する裏打ち層となる。図6bに示している構造では、複合体90の層30は、表面が粗いフィルターウェブ80のすぐ近くにある。表面の粗いフィルターウェブ80による損傷を可能な限り考えずに微細繊維層30を外的影響から保護したい場合には、この実施態様は有用である。
特に強固な付着性のある濾過物又はフィルターダストがフィルターに密着するのを避けることが望ましいならば、本発明は、説明したフィルター材10の不動態化態様を提供する。この目的のために、主にアルキル化剤又はシリル化(シリル化)剤を使用して、個々の層又は種々の繊維は少なくとも部分的に表面を疎水化される。フッ素化又は部分ペルフッ素化ポリマー繊維は、それらの疎水性表面が既に特徴とされ、最早特別の処理は必要ない。しかしながら、これらのポリマー繊維は購入するのに高価であり、そのためフィルター材10に対する要請が極めて大きい時にのみ使用される。
前記の表面−不動態化の他に、別の実施態様では、フィルター材10には保護粒子及び/又はシグナル分子が特に設けられてもよい。例えば、蛍光染料は、その吸光度によってフィルター材10が粒子で負荷される程度を表示し、それによってフィルター性能についての結論を出すことが可能である。更に、多種多様な難燃剤のほか、主に親和性配位子が使用される。生物学、生化学、及び分析研究のために、これらの配位子は共有結合によって各々繊維層に結合し、濾過される空気又は液体から特定の種を分離するのを促進する。従って、例えばレクチンは、糖含有粒子を吸着するのに好適である。ストレプトアビジンはもう1つの親和性配位子であり、ビオチングループを示すあらゆる粒子をフィルターによって選択的に取り除く。特に、ウイルス又は、例えば、ウシ海綿状脳症に対するトリガーとして作用するのではないかと思われる異常重畳型(abnormally folded)プリオンタンパク質、のようなアレルゲン及び生物学的細菌による環境の負荷の増加の観点から、配位子と極めて有効なフィルター材10とを結びつけることには工業的に及び経済的に極めて関心がある。
従って、図5に示しているように、微細繊維層30が、流入側にあろうと流出側にあろうと、支持層20の隣り合わせとなり、更なる支持層20がこれらの層の間に配置されて被覆層又は裏打ち層が形成され得るようにフィルター材10は設計される。この基本的配置に加えて、フィルター材10は、支持層20の厚さが微細繊維層30の厚さに等しくなるような、特にスペース節約の用途向けに設計される。粒子フィルター又は分子フィルターは、1つ以上の直列接続フィルター材10を含む。
フィルター材10の破断荷重はその構造によって決まる。従って、例えば、支持層20には近似値だけが示され得るが、その値は縦方向で35N(ニュートン)を超え、横方向で25Nを超えるのが普通である。更に、通常の操作条件下での紡糸繊維の静電製造では種々の直径の統計的分布の繊維が生じるので、微細繊維層30中の繊維の繊維厚は、平均直径によってのみ定義され得る。しかしながら、微細繊維の直径、即ち、微細繊維層30中のポリマー繊維40は、10nmよりは小さくはならないと考えられる。
本発明は、前述の実施態様のいずれにも限定されず、種々な方法で変更できる。従って、例えば、支持層20中に炭素繊維又はシリカ繊維を使用できる。しかしながら、これらは、空気を遮断した熱分解によって、セルロース、メチルセルロース、プロピルセルロース、シクロデキストリン若しくはでんぷんのような炭化水素から、又は該当するシラノール若しくはシリコーンから行なわれなければならない。更に、微細繊維層30中で使用するためと述べたポリマー及びその熱分解生成物(炭素繊維)、並びにケイ素化合物から誘導されるシリカ繊維も、そして金属繊維さえ使用してよい。金属繊維の支持層20及び炭素繊維の微細繊維層30を含むフィルター材10は、最高1,500℃の範囲の極めて高い温度で使用できる。
特許請求の範囲、説明及び図面(類)の中で開示した構造上の詳細、空間配置、及びプロセスの段階を含めて、全ての特徴及び長所は、独立でも、種々の組み合わせにおいても本発明には必須であり得る。
新規のフィルター材10が開発され、これはミクロ粒子ばかりでなくナノメートルサイズを有する粒子も効果的に捕集できることが判る。本発明によると、フィルター材10は、少なくとも1つの支持層20及び少なくとも1つの微細繊維層30を含み、前者は架橋性セルロース繊維及び極細ガラス繊維から成るか、或いはその代わりにポリマー繊維から成るのが好ましい。支持層20中の繊維径はミクロン領域内にあり、この層の細孔は殆ど平方ミクロン領域の断面積を有する。1g/mよりも小さいの単位面積当たりの重量を有する極く軽量の微細繊維層30は、最低ナノメートルサイズの領域の細孔を有し、180℃を超える温度で熱的に安定である。その微細繊維層30は、静電紡糸によってポリマーから得られるナノメートル領域の直径を有する繊維40を含む。個々の繊維40を互いに又は支持層20に架橋させ、その繊維40を水不溶性にし、従って化学的及び熱的に安定にするために、種々の樹脂、例えば、メラミン樹脂が使用される。保護及び安定のために、フィルター材10には支持層又は被覆層を追加できる。
フィルター材の断面の概略図である。 図1に示すフィルター材の平面図である。 ポリマー繊維を電気紡糸する配置の概略図である。 フィルター材の別の実施態様のフィルター効果を示す。 フィルター材の別の実施態様の断面図である。 流体の流れ又はガスの流れが逆方向に流れる時の図5aの実施態様を説明する。 フィルター材の更に別の実施態様の断面図である。 図6aのフィルター材の変更例を示す。
符号の説明
A 流入方向
HV 高電圧
10 フィルター材
20 支持層
25 大形細孔素材
30 微細繊維層
40 ポリマー繊維
60 開口細孔連結層
70 ダスト粒子(種々のサイズ)
80 粗いフィルターウェブ
90 60と30との複合体

Claims (23)

  1. 少なくとも1つの支持層(20)及び前記支持層(20)に永続的に接着する少なくとも1つの微細繊維層(30)を含み、前記微細繊維層(30)は1μmよりも小さい及び/又は1μmに等しい平均繊維径を有する静電紡糸ポリマー繊維(40)を含む、通流装置で使用するためのフィルター材であって、
    前記ポリマー繊維は触媒の作用により架橋剤(クロスリンカー)を介して互いに直接的に又は間接的に架橋され、前記架橋剤及び/又は架橋性ポリマー繊維(40)は最高200℃までの温度に耐えることを特徴とするフィルター材。
  2. 非架橋性ポリマー繊維(40)が、最高200℃までの温度に耐えることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  3. ポリマー繊維(40)が、少なくとも1つの支持層(20)への自己粘着性によって永続的に固定されることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  4. ポリマー繊維(40)が、極性溶媒に可溶なポリマー、詳しくはポリビニルアルコール、ポリカルボン酸、ポリアクリルアミド、ポリアミド、ポリビニルアミン、ポリビニルホルムアミド、又はそれらから形成されるコポリマー、を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  5. 微細繊維層(30)中の前記ポリマー繊維(40)が、異なる直径を有することを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  6. 微細繊維層(30)が選択的方向性を有し、ポリマー繊維(40)が、それらの直径サイズに応じて秩序のある方法で配列されることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  7. ポリマー繊維(40)を互いに及び/又は少なくとも1つの支持層(20)に結合させるために使用される架橋剤が、少なくとも二官能の化学化合物、好ましくはフェノール樹脂、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、湿潤強度増強剤、又は前記物質の混合物であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  8. 触媒が、ルイス酸若しくはブレンステッド酸、ルイス塩基若しくはブレンステッド塩基、又は酸化性若しくはラジカル開始性を有する化合物であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  9. 触媒が、熱、超音波、電磁放射、好ましくはIR放射若しくはUV放射、又は電子線を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  10. 少なくとも1つの更なる支持層(20)が設けられ、それはフィルター材の被覆層、裏打ち層又はもう1つの層であるか又は形成し、微細繊維層(30)が流入側及び/又は流出側でこれらの層の少なくとも1つに隣接することを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  11. 支持層(20)の巨視的に測定可能な容積が、微細繊維層(30)のポリマー繊維(40)の適用後に変化しないことを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  12. 少なくとも1つの支持層(20)が、有機及び/若しくは無機繊維、又はその複合混合物、詳しくはセルロース、合成繊維、若しくは極細ガラス繊維を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  13. 少なくとも1つの支持層(20)が、例えばフェノール樹脂で含浸及び硬化されるか又は硬化可能であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  14. 少なくとも1つの支持層(20)が、低いフィルター効果を有する大形細孔素材(25)、又はフィルター特性を有しない開口細孔連結層(60)であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  15. 少なくとも1つの支持層(20)が、エレクトレット材であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  16. 少なくとも1つの支持層(20)が、例えばアルキル化又はシリル化(シラン化)により表面疎水性であることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  17. 少なくとも1つの支持層(20)が、1つ以上の難燃剤及び/又は蛍光染料を含むことを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  18. 少なくとも1つの支持層(20)が、親和性配位子を付加されることを特徴とする請求項1に記載のフィルター材。
  19. 請求項1に記載の少なくとも1つのフィルター材(10)を含む粒子フィルター又は分子フィルター。
  20. 溶融状態の又は極性若しくは非極性溶媒に溶解された少なくとも1つのポリマーが電場中でノズルによって紡糸されてポリマー繊維(40)が形成され、前記ポリマー繊維(40)が微細繊維層(30)の形で支持層(20)の上に配列され、前記ポリマー繊維(40)が1μmよりも小さい及び/又は1μmに等しい平均繊維径を有して前記ポリマー繊維(40)の間に中間スペースが形成される、通流装置で使用するためのフィルター材(10)の製造方法であって、
    a) 架橋剤がポリマー溶融物又は前記ポリマー溶液に加えられることと、
    b) 支持層(20)の上に配列されたポリマー繊維(40)が触媒の補助により互いに及び/又は架橋剤に架橋する及び/又は架橋されることとを特徴とする前記方法。
  21. 微細繊維層(30)中のポリマー繊維(40)が極性溶液、好ましくは水溶液の電気紡糸によって製造されることを特徴とする請求項20に記載の方法。
  22. 少なくとも1つの支持層(20)及び少なくとも1つの微細繊維層(30)を含む堆積層が塩基触媒若しくは酸触媒に接触する又は電磁線若しくは電子線に接触することを特徴とする請求項20に記載の方法。
  23. a)ポリマー繊維(40)が非含浸性支持層(20)の上に配列されることと、
    b)こうして得られる非含浸性フィルター材(10)がまとめて含浸剤で処理されることと、
    c)その次にまとめて硬化されることとを特徴とする請求項20に記載の方法。
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