JP2007083409A - ガスバリア性積層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材フィルムの少なくとも一方の面に、(a)ポリビニルアルコールと(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とを含有する水性分散液を塗布してなる樹脂層、及び該樹脂層上に形成してなる無機薄膜、を有するガスバリア性積層フィルム。
【選択図】 なし
Description
このような無機薄膜を形成してなるガスバリア性プラスチックフィルムに関しては、ガスバリア性を高め、防湿性等を高めることを目的として種々の改良が検討されており、例えば、高分子フィルム基材の少なくとも片面に、無機材料の蒸着膜が形成され、さらに、該蒸着膜の上に、ポリビニルアルコールとポリカルボン酸またはその部分中和物を95:5〜10:90(質量比)の割合で含有する混合物から形成された耐水性フィルムが積層されている積層構造を少なくとも1つ含有する複合フィルムであって、該積層構造の少なくとも一方の側に、乾燥剤を含有するポリマー組成物の層が配置されている防湿複合フィルム(特許文献1参照)が、また、セラミックの蒸着層面に、ポリビニルアルコールと、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の水性分散液をコーティングする方法(特許文献2参照)が開示されている。
本発明のガスバリア性積層フィルムの基材フィルムとしては熱可塑性高分子フィルムが好ましく、その原料としては、通常の包装材料に使用しうる樹脂であれば特に制限なく用いることができる。具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン等の単独重合体または共重合体などのポリオレフィン、環状ポリオレフィン等の非晶質ポリオレフィン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロン等のポリアミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体部分加水分解物(EVOH)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリアリレート、フッ素樹脂、アクリレート樹脂、生分解性樹脂などが挙げられる。これらの中では、フィルム強度、コストなどの点から、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、生分解性樹脂が好ましい。
また、上記基材フィルムは、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、フィラー、着色剤、安定剤、潤滑剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を含有することができる。
基材フィルムの厚さは、本発明のガスバリア性積層フィルムの基材としての機械強度、可撓性、透明性等の点から、その用途に応じ、通常5〜500μm、好ましくは10〜200μmの範囲で選択され、厚さが大きいシート状のものも含む。また、フィルムの幅や長さについては特に制限はなく、適宜用途に応じて選択することができる。
ポリビニルアルコールは公知の方法で得ることができ、通常は、酢酸ビニルの重合体をケン化することで得ることができる。ケン化度は80%以上のものが使用でき、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%以上、特に好ましくは98%以上であることがガスバリア性の点から好ましい。
その平均重合度は、通常500〜3000であり、ガスバリア性、延伸性の点で、好ましくは500〜2000である。また、ポリビニルアルコールとして、40%以下の割合でエチレンを共重合したものも用いることができる。ポリビニルアルコールの水性液は、例えば、ポリビニルアルコール樹脂を常温水中で攪拌しながら供給して昇温し、80〜95℃で30〜60分攪拌することで調製される。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体は、エチレンと、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸との共重合体であり、中でも汎用性の点からエチレンとアクリル酸またはメタクリル酸との共重合体が好ましい。このエチレン−不飽和カルボン酸共重合体は任意の他の単量体を含んでいてもよい。
中和度=(A/B)×100(%)
A:部分中和されたエチレン・不飽和カルボン酸共重合体1g中の中和されたカルボキシル基のモル数
B:部分中和する前のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体1g中のカルボキシル基のモル数
なお、水性液の場合は、簡便的に、上記Aを(溶媒中の金属イオン数)x(その金属イオンの価数)とし、Bを部分中和する前のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体のカルボキシル基の数として、算出することができる。
エチレン・不飽和カルボン酸共重合体と上記水性媒体から水性液を製造するには、例えば、撹拌可能な容器に、所定量の水と上記両原料を供給し、90〜150℃の温度で10分ないし2時間程度攪拌することによって得ることができる。このようにして得られた水性液は、安定性に優れており、長期に保存しても粒径や粘度が大幅に変化することがない。
本発明においては、上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明に使用することができるシリカ成分には特に制限はなく、公知のものをいずれも使用することができるが、例えば、層間密着性、ガスバリア性などの点から、小粒子径のシリカ粒子や、アルコキシシランを加水分解縮合したシリカ成分が好ましく用いられる。
シリカ成分がシリカ粒子である場合、その粒子径は、耐凝集破壊性、フィルム平坦性の点から、平均粒子径で1〜20nm、更に1〜10nmであることが好ましい。上記シリカ粒子の粒子径は、例えば、窒素ガス吸着(BET)法、電子顕微鏡観察法、小角X線散乱分析法、動的光散乱法などの方法により測定することができるが、本発明においては、動的光散乱法により測定した値を用いる。
層間密着性及び表面平坦性を持たせるには、樹脂との分子レベルの高い混和性、適度な凝集性が必要であり、そのためには、シリカ成分が粒子形状の場合は小粒子径であり、シラノール基を持つことが好ましい。
本発明においては、上記シリカ成分は、1種で用いてもよいが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
また、本発明においては、上記シリカ成分は、易裂性、層間密着性、フィルム平坦性の点から水性液中の(a)成分、(b)成分及びシリカ成分の合計量に対し、好ましくは2〜80質量%、更に好ましくは、2〜50質量%含有する。
また、架橋成分として、ブロックイソシアネート基、オキサゾリン基、カルボジイミド基、エポキシ基などを含有する樹脂や、シランカップリング剤などを適宜添加することが出来る。
本発明においては、上記塗布後は、80〜200℃程度の温度での熱風乾燥、熱ロール乾燥などの加熱乾燥や、赤外線乾燥などの公知の乾燥方法を用いて水分を蒸発させることができる。これにより、均一なコーティング層を有する積層フィルムが得られる。
また、後述するように、樹脂層を無機薄膜の間に設ける場合は、層間の密着性、耐凝集破壊性、ガスバリア性等の点から、0.0005〜1μmであることが好ましく、より好ましくは0.001〜0.5μm、更に好ましくは0.01μmより大きく0.5μm以下である。
この樹脂層には、耐水性、耐久性を高めるために、電子線照射による架橋処理を行う事もできる。また、基材フィルムへの上記樹脂層の塗布性、接着性を改良するため、本発明の水性液の塗布前にフィルムに通常の化学処理、放電処理などの表面処理を施してもよい。
無機薄膜の形成方法としては、蒸着法、コーティング法などの方法がいずれも使用できるが、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得られるという点で蒸着法が好ましい。この蒸着法には、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD等の方法が含まれる。
無機薄膜の厚さは、一般に0.1〜500nmであるが、好ましくは0.5〜40nmである。上記範囲内であれば、十分なガスバリア性が得られ、また、無機薄膜に亀裂や剥離を発生させることなく、透明性にも優れている。
上記の樹脂の層には、公知の各種添加剤を配合することができる。添加剤としては、例えば、酸化防止剤、耐候安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、顔料、染料、抗菌剤、滑剤、無機充填剤、ブロッキング防止剤、接着剤等を挙げる事ができる。
上記層は0.0005〜1μm、更に0.001〜0.5μm、更に0.001〜0.2μmの厚さで設けることができる。
保護層としては、溶剤性又は水性のポリエステル樹脂、イソシアネート樹脂、ウレタン樹脂、アクリル系樹脂、ニトロセルロース樹脂、シリコン樹脂、ビニルアルコール樹脂、EVOH樹脂、エチレン不飽和カルボン酸樹脂、アイオノマー樹脂、シリコン樹脂、ビニル変性樹脂、エポキシ樹脂、オキサゾリン基含有樹脂、変性スチレン樹脂、変性シリコン樹脂及びアルキルチタネート等の単独あるいは2種以上の組み合わせからなる層を例示できる。また、この保護層としては、バリア性、摩耗性、滑り性向上のため、シリカゾル、アルミナゾル、粒子状無機フィラー及び層状無機フィラーから選ばれる1種以上の無機粒子を前記樹脂に混合してなる層、又は上記無機粒子存在下で前記樹脂の原料を重合させて形成される無機粒子含有樹脂からなる層を用いることも出来る。
更に、保護層には、公知の添加剤、例えば、帯電防止剤、光線遮断剤、紫外線吸収剤、可塑剤、フィラー、着色剤、安定剤、消泡剤、架橋剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤等を添加することができる。
印刷層を設けるための印刷方法としては特に限定されないが、オフセット印刷法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等の公知の印刷方法が使用できる。印刷後の溶媒の乾燥には、熱風乾燥、熱ロール乾燥、赤外線乾燥等の公知の乾燥方法が使用できる。
また、印刷層とヒートシール層との間に紙又はプラスチックフィルムを少なくとも1層積層することが可能である。プラスチックフィルムとしては、本発明のガスバリア性積層フィルムに用いられる基材フィルムとしての熱可塑性高分子フィルムと同様のものが使用できる。中でも、十分な積層体の剛性及び強度を得る観点から、紙、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂又は生分解性樹脂が好ましい。
加熱処理は、ガスバリア性フィルムを構成する要素の種類や厚さなどによりその条件が異なるが、必要な温度、時間を維持できる方法であれば特に限定されない。例えば、必要な温度に設定したオーブンや恒温室で保管する方法、熱風を吹き付ける方法、赤外線ヒーターで加熱する方法、ランプで光を照射する方法、熱ロールや熱版と接触させて直接的に熱を付与する方法、マイクロ波を照射する方法などが使用できる。また、取り扱いが容易な大きさにフィルムを切断してから加熱処理しても、フィルムロールのままで加熱処理してもよい。更に必要な時間と温度が得られる限りにおいては、コーター、スリッター等のフィルム製造装置の一部分に加熱装置を組み込み、製造過程で加熱を行うこともできる。
(A)該無機薄膜面上に、(a)ポリビニルアルコールと(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とを混合して得られた水性液を塗布する工程としては、前述の(a)成分及び(b)成分の各成分を使用することができ、このような水性液を上述の方法により調製し、これを上記無機薄膜面上に塗布する。この際、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とアンモニアまたはアルカリ金属水酸化物からなる水性媒体とを含む水性液として用いることが好ましい。また、(B)基材フィルムの少なくとも一方の面に蒸着法により無機薄膜を形成する工程により、前述のように、ガスバリア性の高い均一な薄膜が得ることができる。この蒸着法としては、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッタリング、CVD等の方法をいずれも使用することができる。
<水蒸気透過率>
JIS Z0222「防湿包装容器の透湿度試験方法」、JIS Z0208「防湿包装材量の透湿度試験方法(カップ法)」の諸条件に準じ、次の手法で評価した。
透湿面積10.0cm×10.0cm角の各ガスバリア性積層フィルムを2枚用い、吸湿剤として無水塩化カルシウム約20gを入れ四辺を封じた袋を作製し、その袋を温度40℃相対湿度90%の恒温恒湿装置に入れ、48時間以上間隔で重量増加がほぼ一定になる目安として14日間まで、質量測定(0.1mg単位)し、水蒸気透過率を下記式から算出した。
水蒸気透過率(g/m2/24h)=(m/s)/t
m; 試験期間最後2回の秤量間隔の増加質量(g)
s; 透湿面積(m2)
t; 試験期間最後2回の秤量間隔の時間(h)/24(h)
JIS Z1707に準じ、積層フィルムを幅15mmの短冊状に切り出し、その端部の未延伸ポリプロピレンフィルムとガスバリア性積層フィルムとの間を一部剥離させ、剥離試験機により100mm/分の速度でT型剥離を行い、ラミネート強度(g/15mm)を測定した。
<PVA水性液(a)の調製>
ポリビニルアルコール(PVA、日本合成化学工業(株)製「ポバールN−300」、鹸化度98%以上)とイオン交換水を用い、固形分濃度10%水性液(a)を調製した。
エチレン・アクリル酸共重合体(EAA)(アクリル酸20質量%、MFR:300g/10分)、アンモニア及びイオン交換水を95℃2時間攪拌混合して、中和度75%、固形分20%水性液(b−1)を調製した。
<エチレン・不飽和カルボン酸共重合体水性液(b−2)の調製>
エチレン・メタクリル酸共重合体(EMAA)(メタクリル酸20質量%、MFR:300g/10分)、水酸化ナトリウム、イオン交換水を95℃で2時間攪拌混合して、中和度80%、固形分20%水性液(b−2)を調製した。
特開平6−16414号公報の段落[0012]〜[0031]の記載に準じてシリカ粒子水性液(c−1)を調製した。すなわち、ナトリウム水ガラスJIS3号を硝酸ナトリウム水溶液に溶解し、珪酸ナトリウム水溶液を作製し、水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通した後、水酸化ナトリウム水溶液を添加し、珪酸水溶液を得た。次いで、該珪酸水溶液の20%量を減圧蒸留し蒸発水を除去すると共に、残りの珪酸水溶液を連続的に徐々に供給することにより、減圧蒸留を連続的に行い、コロイダルシリカゾルを作製した。更に、該コロイダルシリカゾルを水素型カチオン交換樹脂カラム、水酸基型アニオン交換樹脂カラム、再度水素型カチオン交換樹脂カラムと順に通し、その直後に特級アンモニア水を添加し、pH9、平均粒子径4nm、各種金属酸化物濃度が500ppm未満の水性シリカゾル(c−1)を得た。
<シリカ成分水性液(c−2)の調製>
テトラエトキシシランに希塩酸を加え、30分攪拌し、加水分解縮合物液(c−2)を得た。
ポリエチレンテレフタレート樹脂(以下PETと略す。三菱化学(株)製「ノバペックス」)を溶融押出してシートを形成し、延伸温度95℃、延伸比3.3で長手方向に延伸した後、延伸温度110℃、延伸比3.3で横方向に延伸し、コロナ処理を施し、厚さ12μmの二軸延伸PETフィルムを得た。
一方、上記内容で調製した各水性液を表1−1及び表2に示す配合割合で混合し、各種塗布液を調製した。
この塗布液を、上記二軸延伸PETフィルムのコロナ処理面に、バーコーターで乾燥厚0.1μmとなるように塗布し、80℃2分間送風乾燥させ、塗布フィルムを得た。
次いで、真空蒸着装置を使用して1×10-5Torrの真空下でSiOを高周波加熱方式で蒸発させ、塗布フィルムの塗布面上に薄膜厚さ約20nmの無機薄膜フィルムを形成した。
更に、該無機薄膜フィルムの無機薄膜面に、ウレタン系接着剤(東洋モートン社製「AD900」と「CAT−RT85」とを10:1.5の割合で配合)を塗布、乾燥し、厚さ約3μmの接着樹脂層を形成し、この接着樹脂層上に、未延伸ポリプロピレンフィルム厚さ60μm(東洋紡績(株)製「パイレンフィルム−CT P1146」)をラミネートし、積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1−1、表1−2及び表2に示す。
実施例1の塗布フィルムの作製において、PET樹脂(三菱化学(株)製「ノバペックス」)を280〜300℃の温度で押出機の口金より押し出し、静電密着法を併用しつつ冷却ドラム上にキャストし、厚さ約150μmの無定形ポリエステルシートを得た。上記のシートを95℃で縦方向に3.5倍延伸した後、当該縦延伸後のフイルムの片面に、表1−2及び表2に示す各水性液を塗布した。さらに、110℃で横方向に3.5倍延伸し、230℃で熱処理して、塗布層の厚さ0.1μm、基材ポリエステルフイルムの厚さ12μmの二軸延伸ポリエステルフイルムの塗布フィルム(表1−2及び表1−2に「インラインコートPET」と記す)を得た。その他は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製し評価を行った。結果を表1−1及び表2に示す。
実施例5において、塗布する水性液を下記樹脂A、B及びCを固形分質量比50/20/30の割合で混合した液に変え、二軸延伸ポリエステルフィルムの塗布フィルムを作製し、次いで、その塗布面に表1−2に示す水性液を、実施例1と同様に塗布した以外は、実施例1と同様に積層フィルムを作製し評価を行った。結果を表1−2に示す。
樹脂B:水性ポリウレタン系樹脂水性塗料として、次の方法で得られた水性ポリウレタン系樹脂水性塗料を使用した。すなわち、先ず、テレフタル酸664部、イソフタル酸631部、1,4−ブタンジオール472部、ネオペンチルグリコール447部から成るポリエステルポリオールを得た。次いで、得られたポリエステルポリオールに、アジピン酸321部、ジメチロールプロピオン酸268部を加え、ペンダントカルボキシル基含有ポリエステルポリオールAを得た。更に、上記のポリエステルポリオールA1880部にヘキサメチレンジイソシアネート160部を加えて水性ポリウレタン系樹脂水性塗料を得た。
樹脂C:オキサゾリン基含有水溶性ポリマー(オキサゾリン基含有量4.5mmol/g)の40質量%溶液(水/1−メトキシ−2−イソプロパノール=1/2容量比)として、日本触媒(株)社製「エポクロスWS−500」を使用した。
実施例1において作製した二軸延伸PETフィルムのコロナ面に、イソシアネート化合物(日本ポリウレタン工業製「コロネートL」)と飽和ポリエステル(東洋紡績製「バイロン300」)とを1:1質量比で配合した混合物をバーコーターで乾燥厚0.1μmとなるように塗布し、80℃1分間送風乾燥させ塗布フィルム(表1−2に「オフラインコートPET」と記す)を作製し、次いで、その塗布面に表1−2に示す水性液を実施例1と同様に塗布した以外は、実施例1と同様に作製し評価を行った。結果を表1−2に示す。
実施例1の無機薄膜フィルム形成において、酸化珪素を蒸着したことに代えて、アルミニウムを蒸発させ、ガス流量制御装置を使用して酸素ガスを供給し、1×10-4Torrで蒸着を行い、厚さ約20nmの酸化アルミニウム(アルミナ)薄膜を形成させた以外は、同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1−2に示す。
実施例2において、無機薄膜フィルムを形成した後に、この無機薄膜上に更に実施例2におけると同じ組成の樹脂層用水性液を乾燥厚さ0.02μmとなるように塗布し、更にその上に、上記無機薄膜と同じ無機薄膜を約20nmの厚さで形成させた以外は同様にして積層フィルムを得た。得られた積層フィルムについて、前記の評価を行った。結果を表1−2に示す。
Claims (12)
- 基材フィルムの少なくとも一方の面に、(a)ポリビニルアルコールと(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とを含有する水性液を塗布してなる樹脂層、及び該樹脂層上に形成してなる無機薄膜、を有するガスバリア性積層フィルム。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体がエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の部分中和物を含む、請求項1記載の積層フィルム。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体の部分中和物の中和度が20〜100モル%である、請求項2記載の積層フィルム。
- 金属イオンがアルカリ金属イオンである、請求項3記載の積層フィルム。
- ポリビニルアルコールとエチレン・不飽和カルボン酸共重合体の含有比が、質量比で95:5〜5:95である、請求項1〜4のいずれかに記載の積層フィルム。
- 水性分散液が(c)シリカ成分を含有する、請求項1〜5のいずれかに記載の積層フィルム。
- ポリビニルアルコールの鹸化度が90%以上である、請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
- 水性液を塗布してなる樹脂層の厚さが0.0005〜1μmである、請求項1〜7のいずれかに記載の積層フィルム。
- 無機薄膜が酸化珪素からなる、請求項1〜8のいずれかに記載の積層フィルム。
- 前記樹脂層と該樹脂層上に形成してなる無機薄膜とからなる構成層単位を2個以上有する、請求項1〜9のいずれかに記載の積層フィルム。
- 少なくとも、(A)基材フィルムの少なくとも一方の面に、(a)ポリビニルアルコールと(b)エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とを混合して得られた水性液を塗布する工程、及び(B)該水性液を塗布して得られた樹脂層上に、蒸着法により無機薄膜を形成する工程、を有するガスバリア性積層フィルムの製造方法。
- エチレン・不飽和カルボン酸共重合体を、エチレン・不飽和カルボン酸共重合体とアンモニアまたはアルカリ金属水酸化物からなる水性媒体とを含む水性液として用いる、請求項11記載の製造方法。
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