JP2007083267A - 補修方法及び補修装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 液体ナトリウムなどの液体中で、母材内に液体を閉じ込めることなく、確実に亀裂の補修を行うことができる補修方法及び補修装置を提供する。
【解決手段】 原子炉容器11内の液体ナトリウム21中で摩擦攪拌接合による亀裂補修を行うため、補修装置の構成を、摩擦攪拌接合のための回転工具と、回転工具を回転駆動する回転工具駆動手段(駆動モータ、回転軸、ギア等)と、回転工具を原子炉容器11の内面11aに生じた亀裂の位置まで移動させる回転工具移動手段(回転工具移動機構30又はマニピュレータ)と、回転工具を亀裂に押し付ける回転工具押し付け手段(回転工具押し付け機構50又はマニピュレータ)と、回転工具駆動手段、回転工具移動手段及び回転工具押し付け手段とともに回転工具を、原子炉容器11内の液体ナトリウム21中に挿入する回転工具挿入手段(挿入管28又はマニピュレータ)とを有する構成とする。
【選択図】 図3

Description

本発明は補修対象設備内の液体中で、前記補修対象設備内の被補修部の表面に生じている亀裂の補修をする補修方法及び補修装置に関する。
図11は従来の一般的なアーク溶接を適用した場合の亀裂補修方法の説明図である。まず、液体ナトリウム中で亀裂補修を行う場合、まず、図11(a)に示すように内部に溶接トーチ3やブロア4を有する釣鐘状の容器2で表面1aに亀裂5が生じている被補修部1を覆う。次に図11(b)に示すように被補修部1の表面1aに付着している液体ナトリウム6をブロア4で吹き飛ばして除去する。そして、図11(c)に示すように溶接トーチ3によるアーク放電によって亀裂5を溶接する(塞ぐ)。
特開2002−219585号公報 特開2003−157890号公報
しかしながら、上記の亀裂補修方法では亀裂5内に液体ナトリウムが残留したまま亀裂5の溶接補修を行うと、図11(d)に示すようにアーク放電によって溶けた母材によって亀裂5の口が塞がれることより、母材内に液体ナトリウムが閉じ込められてしまうため、溶接欠陥となる。このため、溶接補修を開始する前に亀裂6内から液体ナトリウムを完全に除去する必要があるが、液体ナトリウム中で亀裂6内から液体ナトリウムを完全に除去することは困難である。
そこで、図12に示すような手順で溶接補修を行う必要がある。即ち、図12(a)に示す液体ナトリウム8が貯留されている原子炉容器7に対し、まず、図12(b)に示すように燃料集合体9の抜き取り(炉心退避)を行い、次に図12(c)に示すように液体ナトリウム8の抜き取り(ドレン)を行う。そして、図12(d)に示すように補修装置10で亀裂の溶接補修を行う。しかし、この補修方法では燃料集合体9や液体ナトリウム8の抜き取り作業に何箇月もの作業期間を要し、更には溶接補修後も、燃料集合体9の挿入や液体ナトリウム8の充填に何箇月もの作業期間を要することなる。
従って本発明は上記の事情に鑑み、液体ナトリウムなどの液体中で、母材内に液体を閉じ込めることなく、確実に亀裂の補修を行うことができる補修方法及び補修装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決する第1発明の補修方法は、補修対象設備内の液体中で、前記補修対象設備内の被補修部の表面に生じている亀裂の補修をする補修方法であって、
前記液体中で回転工具を前記亀裂に押し付けて回転させることより、摩擦攪拌接合によって前記亀裂を補修することを特徴とする。
また、第2発明の補修方法は、第1発明の補修方法において、
前記補修対象設備はナトリウム冷却炉の原子炉、前記液体は前記原子炉の原子炉容器内の液体ナトリウムであることを特徴とする。
また、第3発明の補修方法は、第1発明の補修方法において、
前記補修対象設備は軽水炉、前記液体は前記軽水炉の原子炉容器内の水であることを特徴とする。
また、第4発明の補修装置は、補修対象設備内の液体中で、前記補修対象設備内の被補修部の表面に生じている亀裂の補修をする補修装置であって、
摩擦攪拌接合のための回転工具と、
前記液体中で前記回転工具を回転させる回転工具駆動手段と、
前記液体中で前記回転工具を前記亀裂の位置に移動させる回転工具移動手段と、
前記液体中で前記回転工具を前記亀裂に押し付ける回転工具押し付け手段と、
前記回転工具駆動手段、前記回転工具移動手段及び前記回転工具押し付け手段とともに前記回転工具を、前記補修対象設備内の液体中に挿入する回転工具挿入手段とを有することを特徴とする。
また、第5発明の補修装置は、第4発明の補修装置において、
前記回転工具移動手段、前記回転工具押し付け手段及び前記回転工具挿入手段としてマニピュレータを用いたことを特徴とする。
また、第6発明の補修装置は、第4発明の補修装置において、
前記回転工具駆動手段は、
前記補修対象設備の外に設けた駆動モータと、
前記駆動モータの回転力を前記液体中の前記回転工具に伝達する回転力伝達手段とを有してなるものであることを特徴とする。
また、第7発明の補修装置は、第4又は第6発明の補修装置において、
前記回転工具移動手段は、
互い平行に延びた1対の第1支持部材及び第2支持部材と、
一端部が前記第1支持部材に回動自在に結合され、他端部が前記第2支持部材に前記第2支持部材の長手方向に移動自在に結合された第1アームと、
長手方向の中央部において前記第1アームの長手方向の中央部と回動自在に結合されて前記第1アームとともにX字状をなし、一端部が前記第1支持部材に前記第1支持部材の長手方向に沿って移動自在に結合され、他端部が前記第2支持部材に回動自在に結合された第2アームと、
前記第2アームの前記一端部を前記第1支持部材の長手方向に沿って移動させるアーム移動手段とを有し、
前記アーム移動手段による前記第2アームの前記一端部の移動方向に応じて、前記第1アームと前記第2アームの一端部同士及び他端部同士が前記長手方向に沿って互いに近接したときには、前記回転工具を前記第2支持部材とともに前記第1支持部材から離れる方向に移動させ、前記第1アームと前記第2アームの一端部同士及び他端部同士が前記長手方向に沿って互いに離間したときには、前記回転工具を前記第2支持部材とともに前記第1支持部材に近づく方向に移動させる構成であることを特徴とする。
また、第8発明の補修装置は、第4,第5,第6又は第7発明の補修装置において、
前記補修対象設備はナトリウム冷却炉の原子炉、前記液体は前記原子炉の原子炉容器内の液体ナトリウムであることを特徴とする。
また、第9発明の補修装置は、第4,第5,第6又は第7発明の補修装置において、
前記補修対象設備は軽水炉、前記液体は前記軽水炉の原子炉容器内の水であることを特徴とする。
また、第10発明の補修装置は、第4,第6又は第7発明の補修装置において、
前記回転工具押し付け手段は、
前記被補修部の表面と、この表面と対向している対向面との間で使用されるものであって、
前記被補修部の表面と前記対向面との間に位置するネジ軸と、
前記ネジ軸を回転させるネジ軸駆動手段と、
前記ネジ軸に螺合し、前記ネジ軸の回転方向に応じて、前記ネジ軸の軸方向に互い接近又は離間するように移動する1対の第1ナット及び第2ナットと、
一端部が前記第1ナットに回動自在に結合され、他端部が、前記ネジ軸よりも前記被補修部の表面寄りに位置して前記回転工具を回転自在に保持する工具保持部に回動自在に結合された第1アームと、
一端部が前記第2ナットに回動自在に結合され、他端部が前記工具保持部に回動自在に結合されて前記第1アームとともに前記ネジ軸側に広がるV字状をなす第2アームと、
一端部が前記第1ナットに回動自在に結合され、他端部が、前記ネジ軸よりも前記対向面寄りに位置する反力受け部に回動自在に結合された第3アームと、
一端部が前記第2ナットに回動自在に結合され、他端部が前記反力受け部に回動自在に結合されて前記第3アームとともに前記ネジ軸側に広がるV字状をなす第4アームとを有し、
前記ネジ軸駆動手段により前記ネジ軸を一方に回転させて前記第1ナットと前記第2ナットを接近させたとき、前記第1アーム及び前記第2アームが前記被補修部の表面方向に伸びて前記工具保持部が前記被補修部の表面方向に移動することにより、前記回転工具が前記亀裂に当接し、且つ、前記第3アーム及び前記第4アームが前記対向面方向に伸びて前記反力受け部が前記対向面方向に移動することにより、前記対向面に前記反力受け部が当接して、前記回転工具を前記亀裂に押し付ける構成であることを特徴する。
また、第11発明の補修装置は、第10発明の補修装置において、
前記反力受け部は、
前記対向面に当接して前記対向面上を転動自在に支持されたローラと、
前記ローラを前記対向面側に付勢するバネとを有してなるものであることを特徴とする。
また、第12発明の補修装置は、第10又は第11発明の補修装置において、
前記補修対象設備はナトリウム冷却炉の原子炉、前記液体は前記原子炉の原子炉容器内の液体ナトリウムであり、
前記被補修部の表面が前記原子炉容器の内面、前記対向面が前記原子炉容器内の炉心槽の外面であること、又は、前記被補修部が前記炉心槽の外面、前記対向面が前記原子炉容器の内面であることを特徴とする。
また、第13発明の補修装置は、第10又は第11発明の補修装置において、
前記補修対象設備は軽水炉、前記液体は前記軽水炉の原子炉容器内の水であり、
前記被補修部の表面が前記原子炉容器の内面、前記対向面が前記原子炉容器内の炉心槽の外面であること、又は、前記被補修部が前記炉心槽の外面、前記対向面が前記原子炉容器の内面であることを特徴とする。
第1発明の補修方法によれば、摩擦攪拌接合によって亀裂の補修を行うため、摩擦攪拌接合時に亀裂内の液体が亀裂の外に排出される。このため、液体中での補修作業であっても、母材内に液体を閉じ込めることがなく、非常に良好な補修結果が得られる。
また、第2、第3発明の補修方法によれば、摩擦攪拌接合によって亀裂の補修を行うため、摩擦攪拌接合時に亀裂内の液体ナトリウムなどの液体が亀裂の外に排出される。このため、液体中での補修作業であっても、母材内に液体を閉じ込めることがなく、非常に良好な補修結果が得られる。従って、補修前の原子炉容器内からの燃料集合体や液体の取り出しや、補修後の原子炉容器内への燃料集合体の挿入や液体の充填といった非常手間と時間のかかる作業をすることなく、亀裂補修を行うことができる。
また、第4発明の補修装置によれば、回転工具挿入手段によって回転工具を補修対象設備内の液体中に挿入し、回転工具移動手段によって回転工具を亀裂の位置まで移動させ、回転工具押し付け手段によって回転工具を亀裂に押し付け、回転工具駆動手段によって回転工具を回転駆動して、摩擦攪拌接合による亀裂の補修を行うことができる。しかも、摩擦攪拌接合によって亀裂の補修を行うため、摩擦攪拌接合時に亀裂内の液体が亀裂の外に排出される。このため、液体中での補修作業であっても、母材内に液体を閉じ込めることがなく、非常に良好な補修結果が得られる。
また、第5発明の補修装置によれば、回転工具移動手段、回転工具押し付け手段及び回転工具挿入手段としてマニピュレータを用いることにより、容易に摩擦攪拌接合による亀裂補修を行うことができる。
また、第6発明の補修装置によれば、回転工具駆動手段は、補修対象設備の外に設けた駆動モータと、駆動モータの回転力を液体中の回転工具に伝達する回転力伝達手段とを有してなるものであるため、駆動モータを液体中に挿入することなく遠隔から、回転工具を回転駆動することができる。
また、第7発明の補修装置によれば、回転工具移動手段は、互い平行に延びた1対の第1支持部材及び第2支持部材と、一端部が前記第1支持部材に回動自在に結合され、他端部が前記第2支持部材に前記第2支持部材の長手方向に移動自在に結合された第1アームと、長手方向の中央部において前記第1アームの長手方向の中央部と回動自在に結合されて前記第1アームとともにX字状をなし、一端部が前記第1支持部材に前記第1支持部材の長手方向に沿って移動自在に結合され、他端部が前記第2支持部材に回動自在に結合された第2アームと、前記第2アームの前記一端部を前記第1支持部材の長手方向に沿って移動させるアーム移動手段とを有し、前記アーム移動手段による前記第2アームの前記一端部の移動方向に応じて、前記第1アームと前記第2アームの一端部同士及び他端部同士が前記長手方向に沿って互いに近接したときには、前記回転工具を前記第2支持部材とともに前記第1支持部材から離れる方向に移動させ、前記第1アームと前記第2アームの一端部同士及び他端部同士が前記長手方向に沿って互いに離間したときには、前記回転工具を前記第2支持部材とともに前記第1支持部材に近づく方向に移動させる構成であるため、簡易な構成で確実に回転工具を亀裂の位置まで移動させることができる。
また、第8、第9発明の補修装置によれば、摩擦攪拌接合によって亀裂の補修を行うため、摩擦攪拌接合時に亀裂内の液体ナトリウムなどの液体が亀裂の外に排出される。このため、液体中での補修作業であっても、母材内に液体を閉じ込めることがなく、非常に良好な補修結果が得られる。従って、補修前の原子炉容器内からの燃料集合体や液体の取り出しや、補修後の原子炉容器内への燃料集合体の挿入や液体の充填といった非常に手間と時間のかかる作業をすることなく、亀裂補修を行うことができる。
また、第10発明の補修装置によれば、回転工具押し付け手段は、被補修部の表面と、この表面と対向している対向面との間で使用されるものであって、前記被補修部の表面と前記対向面との間に位置するネジ軸と、前記ネジ軸を回転させるネジ軸駆動手段と、前記ネジ軸に螺合し、前記ネジ軸の回転方向に応じて、前記ネジ軸の軸方向に互い接近又は離間するように移動する1対の第1ナット及び第2ナットと、一端部が前記第1ナットに回動自在に結合され、他端部が、前記ネジ軸よりも前記被補修部の表面寄りに位置して前記回転工具を回転自在に保持する工具保持部に回動自在に結合された第1アームと、一端部が前記第2ナットに回動自在に結合され、他端部が前記工具保持部に回動自在に結合されて前記第1アームとともに前記ネジ軸側に広がるV字状をなす第2アームと、一端部が前記第1ナットに回動自在に結合され、他端部が、前記ネジ軸よりも前記対向面寄りに位置する反力受け部に回動自在に結合された第3アームと、一端部が前記第2ナットに回動自在に結合され、他端部が前記反力受け部に回動自在に結合されて前記第3アームとともに前記ネジ軸側に広がるV字状をなす第4アームとを有し、前記ネジ軸駆動手段により前記ネジ軸を一方に回転させて前記第1ナットと前記第2ナットを接近させたとき、前記第1アーム及び前記第2アームが前記被補修部の表面方向に伸びて前記工具保持部が前記被補修部の表面方向に移動することにより、前記回転工具が前記亀裂に当接し、且つ、前記第3アーム及び前記第4アームが前記対向面方向に伸びて前記反力受け部が前記対向面方向に移動することにより、前記対向面に前記反力受け部が当接して、前記回転工具を前記亀裂に押し付ける構成であるため、簡易な構成で確実に回転工具を亀裂に押し付けることができ、対向面を有する被補修部の表面の亀裂補修に適用して最適なものである。
また、第11発明の補修装置によれば、反力受け部は、対向面に当接して対向面上を転動自在に支持されたローラと、ローラを対向面側に付勢するバネとを有してなるものであるため、回転工具を亀裂の長さ方向に沿って移動させるとき、対向面と被補修部の表面との間隔に多少の変化があっても、この間隔の変化をバネによって吸収することができ、且つ、反力受け部はローラによって円滑に対向面上を移動することができる。
また、第12、第13発明の補修装置によれば、摩擦攪拌接合時に亀裂内の液体ナトリウムなどの液体が亀裂の外に排出されるため、液体中での補修作業であっても、母材内に液体を閉じ込めることがなく、非常に良好な補修結果が得られ、補修前の原子炉容器内からの燃料集合体や液体の取り出しや、補修後の原子炉容器内への燃料集合体の挿入や液体の充填といった非常に手間と時間のかかる作業をすることなく、亀裂補修を行うことができる。しかも、原子炉容器の内面と炉心槽の外面とが対向していることを利用して、原子炉容器の内面の亀裂又は炉心槽の外面の亀裂に回転工具を容易且つ確実に押し付けことができる。
以下、本発明の実施の形態例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜図4は本発明の実施の形態例に係る補修装置による亀裂補修方法の手順を示す説明図である。なお、図4は図3のE−E線矢視断面である。また、図5は図4のA部拡大図、図6は図3のB部拡大図、図7は図5のC部拡大図、図8は図7のD方向矢視図である。また、図9は前記補修装置の摩擦攪拌接合による亀裂補修の様子を示す説明図、図10は本発明の実施の形態例に係る他の補修装置の要部構成を示す図である。
図1〜図4には定期検査などで検出された原子炉容器の内面の亀裂を補修する場合の手順を示している。詳細は後述するが、図1には亀裂補修を開始する前の準備作業であるプラグ撤去作業の様子を示しており、図2には摩擦攪拌接合(Friction Stir Welding:FSW)のための回転工具を、原子炉容器内に挿入した状態を示しており、図3には前記回転工具の位置調整の様子を示しており、図4には前記回転工具を回転させて亀裂補修(摩擦攪拌接合)を開始した様子を示している。
図1に示すように、高速増殖炉(液体ナトリウムを冷却材として用いるナトリウム冷却炉)の原子炉容器11は、建屋の床13に支持された状態で建屋内に設置されている。また、原子炉容器11の外側にはガードベッセル14が設けられている。原子炉容器11内には多数の燃料集合体が収容された円筒状の炉心槽15が設けられており、炉心槽15の下部は、炉心支持構造物16を介して原子炉容器11の内面11aに支持されている。炉心槽16の上方には制御棒駆動装置17が設けられている。制御棒駆動装置17は、原子炉容器11の蓋18に支持されている。
原子炉容器11の側部にはナトリウム供給管20が配設されている。そして、原子炉容器11内には液体ナトリウム19が貯留されている。原子炉の稼動時には液体ナトリウム19が、ナトリウム供給管20によって炉心槽15の下側まで導入され、炉心槽15内の燃料集合体において加熱された後、炉心槽15の上方に設けられた図示しないナトリウム排出管を介して原子炉容器11外の図示しない熱交換器へと移送される。また、原子炉容器11には、原子炉容器11内への装置導入部としての装置導入管21を設置することができるようになっており、図1などには装置導入管21を設置した状態を示している。装置導入管21は上部よりも下部のほうが細いテレスコピック構造のものであり、原子炉容器11の蓋18から下方へと、原子炉容器11内の炉心槽15の上端位置まで延びる。装置導入管21の上端にはゲートバルブ22が取り付けられており、ゲートバルブ22は蓋18に支持されている。
亀裂補修作業を行う場合には、ゲートバルブ22を原子炉容器11の蓋18に設置し、このゲートバルブ22の上にクレーンなどを用いて図示しないプラグ撤去装置を設置して、このプラグ撤去装置により、まず、蓋18に設けられていた図示しないプラグを上方へと吊り上げて撤去する。その後、装置導入管21を挿入する。続いて、図1に示すように、クレーンなどを用いてプラグ撤去装置24をゲートバルブ22の上に設置し、このプラグ撤去装置24により、炉心槽15の側部に設けられていたプラグ25も、上方へと吊り上げて撤去する。
そして、プラグ撤去装置24を装置導入管21のゲートバルブ22から取り外した後、図2に示すように補修装置26を、クレーンなどの適宜の搬送装置を用いてゲートバルブ22に取り付ける。補修装置26は駆動装置部27と、駆動装置部27に接続された回転工具挿入手段としての挿入管28と、挿入管28の下端に設けられた補修装置本体部29とを有している。回転工具挿入手段としては、必ずしも挿入管28に限定するものではなく、後述する回転工具駆動手段、回転工具移動手段及び回転工具押し付け手段とともに回転工具を、原子炉容器11内の液体ナトリウム19中に挿入できるものであればよい。例えば、挿入管28に代えて、単なる棒状の部材や、外径の異なる複数の円筒体を伸縮自在に重ねたテレスコピック構造のものや、マニピュレータのアームなどを用いてもよい。
駆動装置部27はゲートバルブ22上に位置し、挿入管28は装置導入管21内を通って下方へと延び、補修装置本体部29は原子炉容器11の内面11aと炉心槽15の外面15aとの間に位置している。挿入管28の下端部には、この管の外径よりも多少径の大きい案内部46が設けられており、この案内部46が炉心槽15の上部を支持する炉心支持構造物45の孔45aに嵌合している。即ち、挿入管28は上方の蓋18と下方の炉心支持構造物45の2箇所で支持されている。
駆動装置部27には、図示は省略するが、回転工具移動用の駆動モータと回転工具押し付け用の駆動モータと回転工具回転用の駆動モータとが設けられている。更に駆動装置部27には、挿入管28全体(即ち補修装置本体部29も含めて)を、挿入管28の中心軸回りに回転させる駆動モータも設けられている。補修装置本体部29は、回転工具移動手段としての回転工具移動機構30と、回転工具押し付け手段としての回転工具押し付け機構50とから構成されている。
次に、図3に示すように回転工具移動機構30を、原子炉容器11の内面11aと炉心槽15の外面15aとの間で水平方向に伸ばすことにより、回転工具12を、亀裂の位置(回転工具12の先端が亀裂と対向する位置)まで水平方向に移動させる。なお、亀裂の位置は定期検査などの検査時に把握されているため、このときの亀裂位置の検査データに基づき、回転工具移動機構30を伸ばして回転工具12を移動させたときに回転工具12が、当該亀裂の位置に達するように回転工具移動機構30などの補修装置26の各部の寸法を設定している。なお、回転工具移動機構30の構成の詳細については後述する(図5参照)。
続いて、図4及び図5に示すように回転工具押し付け機構50を、回転工具移動機構30の伸長方向と直交する水平方向(原子炉容器11の内面11aと炉心槽15の外面15aとが対向する方向)に伸ばすことにより、回転工具12を原子炉容器11の内面11aに生じている亀裂に押し付け、且つ、後述する回転工具駆動手段によって回転工具12を回転させることにより、摩擦攪拌接合による亀裂の補修を行う。なお、回転工具移動機構50の下端部に設けられている複数枚の羽根状の案内部51は、補修装置本体部29が装置導入管21内を円滑に通過することができるようにするためのものである。回転工具移動機構50の構成の詳細については後述する(図7,図8参照)。
ここで図6〜図8に基づき、回転工具移動機構30の構成と回転工具押し付け機構50の構成とについて説明する。
図6に示すように、回転工具移動機構30は互いに平行に延びた1対の第1支持部材32及び第2支持部材33と、互いに回動自在に結合された1対の第1アーム34及び第2アーム35とを有している。第1支持部材32は挿入管28の下端に設けられ、鉛直方向に延びた部材である。第2支持部材33は第1支持部材32に対向し、第1支持部材32と平行に鉛直方向に延びた部材である。第1支持部材32の側面には鉛直方向に延びた第1案内部材36が設けられ、第2支持部材32の側面にも鉛直方向に延びた第2案内部材37が設けられている。第1案内部材36には鉛直方向に延びた第1案内溝36aが形成さ、第2案内部材37にも鉛直方向に延びた第2案内溝37aが形成されている。第1アーム34と第2アーム35は互いの長手方向の中央部が、水平な回動軸38を介して、矢印Fのように回動軸38回りに互いに回動自在に結合されており、X字状をなしている。
そして、第1アーム34の一端部34aは、水平な回動軸39を介して第1支持部材32に結合され、矢印Gのように回動軸39回りに回動自在となっている。第1アーム34の他端部34bは、第2支持部材33に第2支持部材33の長手方向に沿って移動自在に結合されている。即ち、第1アーム34の他端部34bには第1案内ピン40が突設されており、この第1案内ピン40が、第2案内部材37の第2案内溝37aに嵌入され、第2案内溝37a内を矢印Hのように第2案内溝37aの長手方向に移動自在となっている。
また、第2アーム35の一端部35aは、第1支持部材32に第1支持部材32の長手方向に沿って移動自在に結合されている。即ち、第2アーム35の他端部35aには第2案内ピン41が突設されており、この第2案内ピン41が、第1案内部材36の第1案内溝36aに嵌入され、第1案内溝36a内を矢印Iのように第1案内溝36aの長手方向に移動自在となっている。第2アーム35の他端部35bは、水平な回動軸42を介して第2支持部材33に結合されており、矢印Jのように回動軸42回りに回動自在となっている。なお、第1アーム34及び第2アーム35の両側の部分にはそれぞれ補強部材43が取り付けられている。
また、第1支持部材32側にはネジ軸71と、回転軸72と、回転軸73とが設けられている。これらのネジ軸71及び回転軸72,73は何れも、挿入管28内を通って鉛直方向に第1支持部材32の下端部から、駆動装置部27(図2,図3参照)まで延びている。なお、ネジ軸71は、その途中の部分71aから下の部分にネジが切られており、同部分71aから上の部分はネジが切られていない単なる回転軸となっている。
ネジ軸71は、上端部が駆動装置部27に設けられた回転工具移動用の駆動モータの回転軸に直接或いはギアなどの連結手段を介して結合されており、同駆動モータによって矢印Mのように回転駆動される。回転軸72は、上端部が駆動装置部27に設けられた回転工具押し付け用の駆動モータの回転軸に直接或いはギアなどの連結手段を介して結合されており、同駆動モータによって矢印Nのように回転駆動される。回転軸73は、上端部が駆動装置部27に設けられた回転工具回転用の駆動モータの回転軸に直接或いはギアなどの連結手段を介して結合されており、同駆動モータによって矢印Oのように回転駆動される。なお、ネジ軸71及び回転軸72,73の下端部は、第1支持部材32の下端部に回転自在に支持されている。
そして、第2アーム35の一端部35aには、ネジ軸71に螺合したナット44が設けられている。ナット44は第2案内ピン41に結合されており、第2アーム35の一端部35aに対して、第2案内ピン41とともに回動自在となっている。従って、回転工具移動用の駆動モータによってネジ軸71が回転駆動されると、その回転方向に応じて、第2アーム35の一端部35aがナット44とともに矢印Iのように第1支持部材32の長手方向に沿って上方又は下方に移動する。即ち、前記駆動モータとネジ軸71とナット44はアーム移動手段を構成している。
前記アーム移動手段によって第2アーム35の一端部35aを上方へ移動させたときには、第1アーム34及び第2アーム35が各回動軸38,39,42回りに回動して、第1アーム34の他端部34bも上方へ移動し、前記アーム移動手段によって第2アーム35の一端部35aを下方へ移動させたときには、第1アーム34及び第2アーム35が各回動軸38,39,42回りに回動して、第1アーム34の他端部34bも下方へ移動する。
即ち、前記アーム移動手段による第2アーム35の一端部35aの移動方向に応じて、第1アーム34と第2アーム35の一端部34a,35a同士及び他端部34b,35b同士が、第1支持部材32及び第2支持部材33の長手方向に沿って互いに近接したときには、矢印Kのように回転工具12を第2支持部材33とともに第1支持部材32から離れる方向に移動させ、第1アーム34と第2アーム35の一端部34a,35a同士及び他端部34b,35b同士が前記長手方向に沿って互いに離間したときには、矢印Lのように回転工具12を第2支持部材33とともに第1支持部材32に近づく方向に移動させる構成となっている。
図6中に二点鎖線で示す第2支持部材33の状態は、第2支持部材33を第1支持部材32に最も近づけたときの状態である。なお、矢印Kのように第2支持部材33を第1支持部材32から離れる方向に移動させる際、第2支持部材33(回転工具12)をどこまで移動させるかは、図示例では第1案内部材36の第1案内溝36aの長さや位置、又は、第2案内部材37の第2案内溝37aの長さや位置によって規定することができる。但し、これ以外にも、例えば第1アーム34又は第2アーム35の動き(移動や回動)を規制する部材を適宜設けることや、駆動モータ(ネジ軸71)の回転数を調整することなどによっても、第2支持部材33(回転工具12)の移動距離を規定することができる。
また、回転軸72は、第1支持部材32の長手方向に沿って配設された回転軸74と、ギア75を介して連結されている。即ち、回転軸72の回転はギア75を介して回転軸74に伝達される。回転軸73は、第1支持部材32の長手方向に沿って配設された回転軸76と、ギア77を介して連結されている。即ち、回転軸73の回転はギア77を介して回転軸76に伝達される。なお、回転軸74,76の一端側(下端側)は第1支持部材32の下端部に回転自在に支持されている。
そして、回転軸74の他端側は、ユニバーサルジョイント78を介して、回転軸79の一端側に連結されている。回転軸79の他端側は、中空の回転軸80の一端側に同一端側から回転軸80内に挿入するようにして連結されている。回転軸80の他端側は、同他端側から回転軸80内に回転軸81の一端側を挿入するようにして、回転軸81の一端側に連結されている。回転軸80と回転軸79及び回転軸80と回転軸81は何れも、回転力は伝達可能で且つ軸方向へは移動(伸縮)自在となっている。また、回転軸81の他端側は、ユニバーサルジョイント82を介して、第2支持部材33の長手方向に沿って配設された中空の回転軸83の一端側に連結されている。回転軸83の他端側は、同他端側から回転軸83内に、第2支持部材33の長手方向に沿って配設された回転軸84の一端側を挿入するようにして、回転軸84の一端側に連結されている。そして、回転軸84の他端側は、ギアボックス85内のギア86(図8参照)に連結されている。回転軸83と回転軸84も、回転力は伝達可能で且つ軸方向へは移動(伸縮)自在となっている。
一方、回転軸76の他端側は、ユニバーサルジョイント87を介して、回転軸88の一端側に連結されている。回転軸88の他端側は、中空の回転軸89の一端側に同一端側から回転軸89内に挿入するようにして連結されている。回転軸89の他端側は、中空の回転軸90の一端側に同一端側から回転軸90内に挿入するようにして連結されている。そして、回転軸90の他端側は、ユニバーサルジョイント91を介して、ギアボックス92内のギア93(図8参照)に連結されている。回転軸88と回転軸89及び回転軸89と回転軸90は何れも、回転力は伝達可能で且つ軸方向へは移動(伸縮)自在となっている。
従って、回転軸79,80,81,83,84と回転軸88,89,90は何れも、矢印Kのように第2支持部材33を第1支持部材32から離れる方向に移動させるときには、図6のように伸長した状態となる一方、矢印Lのように第2支持部材33を第1支持部材32に近づける方向に移動させるときには、逆に縮退して全長が短くなる。
図7及び図8に示すように、回転工具移動機構50は、前述のように原子炉容器11内の液体ナトリウム19中に挿入されて(図2〜図4参照)、被補修部の表面としての原子炉容器11の内面11aと、この内面11aに対向する対向面としての炉心槽15の外面15aとの間で使用されるものであり、ネジ軸52と、ギア55,56,86などからなるネジ軸駆動手段と、1対の第1ナット53及び第2ナット54と、第1〜第4のアーム57,58,59,60とを有している。
第2支持部材33の正面には支持板61が固定されている。補修装置本体部29(回転工具移動機構50)を原子炉容器11内に挿入したとき、ネジ軸52は原子炉容器11の内面11aと炉心槽15の外面15aとの間に位置する。ネジ軸52は第2支持部材33の長手方向(鉛直方向)に延びて内面11a及び外面15aと平行になっており、一端部(上端部)がギアボックス85内のギア56に結合され、他端部(下端部)が支持板61に回転自在に支持されている。
ギアボックス85内にはネジ軸52に結合されたギア56と、回転軸84に結合されたギア86と、ギア56とギア86の間に設けられて両ギア56,86と噛合するギア55とが、それぞれ回動自在に設けられている。従って、駆動装置部27(図2,図3参照)に設けられている回転工具押し付け用の駆動モータによって回転軸72(図6参照)が回転駆動されると、回転軸74,79,80,81,83,84(図6参照)及びギア55,56,86を介して、矢印P,Qのようにネジ軸52が回転駆動される。即ち、前記駆動モータ、回転軸72,74,79,80,81,83,84、ユニバーサルジョイント78,82及びギア55,56,86は、ネジ軸52を回転させるネジ軸駆動手段を構成している。
第1ナット53及び第2ナット54はネジ軸52に螺合している。第1ナット53はネジ軸52の一端側(上端側)に位置し、第2ナット54はネジ軸52の他端側(下端側)に位置している。ネジ軸52は、第1ナット53と螺合している一方側の部分52a(上半分)に形成されているネジの方向と、第2ナット54と螺合している他方側の部分52b(下半分)に形成されているネジの方向とが逆になっている。従って、ネジ軸52が一方向(例えば矢印P方向)に回転すると、第1ナット53と第2ナット54は図7中に実線で示すようにネジ軸52の軸方向に沿って互いに接近するように移動する一方、ネジ軸52が他方向(例えば矢印Q方向)に回転すると、第1ナット53と第2ナット54は図7中に二点鎖線で示すようにネジ軸52の軸方向に沿って互いに離間するように移動する。
第1アーム57の一端部は、水平な回動軸62Aを介して、第1ナット53に結合され、回動軸62A回り回動自在となっている。第1アーム57の他端部は、水平な回動軸62Bを介して、ネジ軸52よりも原子炉容器11の内面11a寄りに位置し且つ回転工具12を回転自在に保持する工具保持部63のアーム結合部63Aに結合され、回動軸62B回りに回動自在となっている。第2アーム58の一端部は、水平な回動軸62Cを介して、第2ナット54に結合され、回動軸62C回り回動自在となっている。第2アーム58の他端部は、水平な回動軸62Dを介して、工具保持部63のアーム結合部63Aに結合され、回動軸62D回りに回動自在となっている。そして、第1アーム57と第2アーム58は、ネジ軸52側に広がるV字状をなしている。
第3アーム59の一端部は、水平な回動軸62Eを介して、第1ナット53に結合され、回動軸62E回り回動自在となっている。第3アーム59の他端部は、水平な回動軸62Fを介して、ネジ軸52よりも炉心槽15の外面15a寄りに位置する反力受け部64に結合され、回動軸62F回りに回動自在となっている。第4アーム60の一端部は、水平な回動軸62Gを介して、第2ナット54に結合され、回動軸62G回り回動自在となっている。第4アーム60の他端部は、水平な回動軸62Hを介して、反力受け部64に結合され、回動軸62H回りに回動自在となっている。そして、第3アーム59と第4アーム60は、ネジ軸52側に広がるV字状をなしている。即ち、第1アーム57及び第2アーム58と、第3アーム59及び第4アーム60は、ネジ軸52を中心にして左右対称な形状となっている。
工具保持部63には傘歯車65A,65B,65Cが回転自在に支持されている。傘歯車65Aと傘歯車65Bは対向しており、回転軸がネジ軸52と平行になっている。傘歯車65Cは傘歯車65Aと傘歯車65Bの間に位置して、傘歯車65A,65Bに噛合しており、回転軸が傘歯車65A,65Bの回転軸に対して垂直になっている。そして、この傘歯車65Cの回転軸に回転工具12の回転軸が結合されている。即ち、回転工具12の軸方向はネジ軸52と直交しており、回転工具12の先端側は原子炉容器11の内面11aに向かっている。また、傘歯車65Aは、フレキシブルシャフト96を介して、ギアボックス92内のギア95に連結されている。ギアボックス92内にはフレキシブルシャフト96に結合されたギア95と、回転軸90に結合されたギア93と、ギア93とギア95の間に設けられて両ギア93,95と噛合するギア94とが、それぞれ回動自在に設けられている。
従って、駆動装置部27(図2,図3参照)に設けられている回転工具回転用の駆動モータによって回転軸73(図6参照)が回転駆動されると、回転軸76,88,89,90(図6参照)、ギア93,94,95、フレキシブルシャフト96及び傘歯車65A,65B,65Cを介して、矢印Rのように回転工具12が回転駆動される。即ち、前記駆動モータと、回転軸73,76,88,89,90、ユニバーサルジョイント87,91、ギア77,93,94,95、フレキシブルシャフト96及び傘歯車65A,65B,65Cからなる回転力伝達機構(回転力伝達手段)は、回転工具12を回転させる回転工具駆動手段を構成している。
また、反力受け部64は、1対の軸受64A,64Bによって矢印Vのように回転自在に支持されたローラ64Cと、円筒状の案内軸64Dと、アーム59,60が結合されたアーム結合部64Eと、アーム結合部64Eと軸受64A,64Bとの間に介設されて、両端部がこれらに固定されたバネ64Fとを有してなるものである。ローラ64Cの回転軸は鉛直方向に沿って炉心槽15の外面15aと平行になっている。即ち、ローラ64Cは、外周面(転動面)が炉心槽15の外面15aに向かうように設けられている。バネ64Fは、軸受64A,64Bとともにローラ64Cを、炉心槽15の外面15a側に付勢する。案内軸64Dは、バネ64Fの内側に位置し、一端側が軸受64A,64Bに結合され、他端側が、矢印Sのように案内軸64Dの軸方向に移動可能にアーム結合部64Eの案内孔64E−1に挿入されている。
従って、図7に二点鎖線で示す状態において、前記ネジ軸駆動手段によりネジ軸52を一方に回転させて第1ナット53と第2ナット54を接近させると、図7に実線で示すように第1アーム57及び第2アーム58が原子炉容器11の内面11a方向に伸びて、工具保持部63が原子炉容器11の内面11a方向に移動することにより、回転工具12が内面11aの亀裂に当接し、且つ、第3アーム59及び第4アーム60が炉心槽15の外面15a方向に伸びて、炉心槽15の外面15a方向に移動することにより、同外面15aに反力受け部64(ローラ64C)が当接して、回転工具12を前記亀裂に押し付けることができる。具体的には、このとき回転工具12は亀裂が生じている部分の原子炉容器11の内面11a(即ち原子炉容器11を形成しているステンレスなどの金属材料(母材)の表面)に押し付けられることになる。そして、このときに回転工具12を亀裂(原子炉容器11の内面11a)に押し付ける力の反力は、反力受け部64(ローラ64C)を介して炉心槽15の外面15aで受ける。
この状態で前記回転工具駆動手段により、回転工具12を矢印Rのように回転させれば、摩擦攪拌接合によって亀裂を補修することができる。即ち、回転工具12と亀裂が生じている部分の母材との間の摩擦で当該母材が固相のまま流動化(塑性流動化)して攪拌されることにより、当該母材によって亀裂が塞がれる。
なお、原子炉容器11は半球状の底部の上に複数の円筒状の胴体部を積み重ねて、それぞれの重ね合わせ部を周方向に溶接してなるものであるため、この溶接部に生じる亀裂も一般に周方向(溶接部の長手方向)沿って延びて(進展して)いく。従って、亀裂が周方向に延びているとき(回転工具12の大きさに比べて長くなっているとき)には、回転工具移動機構30により回転工具12を、当該亀裂の進展方向(長手方向)に沿って移動させる必要がある。図9には、このときの様子を示している。
図9(a)に示すような亀裂100、即ち原子炉容器11の内面11aの溶接部において同溶接部の長手方向(周方向)に沿って延びた亀裂100が検出された場合、まず、図9(a)示すように回転工具移動機構30の伸長によって回転工具12を、矢印Kのように亀裂100の端部の位置(即ち回転工具12の先端が亀裂100の端部と向かい合う位置)まで移動させる。次に図9(b)に示すように回転工具押し付け機構50の伸長によって回転工具12を、矢印Tのように亀裂100の端部に押し付け、且つ、前記回転工具駆動手段によって回転工具12を、矢印Rのように回転させる。
その結果、図9(c)のように亀裂100の端部において、母材(原子炉容器11を形成するステンレスなどの金属材料)と回転工具12との摩擦により、同母材が塑性流動化し、回転工具12が、亀裂100の深さ方向へと同母材内に入り込んでいき、回転工具12のヘッド部12Aが母材表面(原子炉容器11の内面11a)に当接する。そして、図9(d)に示すように塑性流動化された範囲で母材が攪拌されることにより、亀裂100の端部が接合される。更に、図9(e)に示すように回転工具移動機構30の縮退によって矢印Lのように回転工具12を、亀裂100の進展方向(長手方向)に沿って移動させることにより、順次母材が塑性流動化されて攪拌される。かくして、亀裂100全体が摩擦攪拌接合によって補修される。
この摩擦攪拌接合による亀裂補修では、液体ナトリウム中であっても、即ち亀裂100内に液体ナトリウムが入り込んでいる状態であっても、当該液体ナトリウムは補修時に亀裂100の外に排出され、補修後に母材内に液体ナトリウムが閉じ込められることはない。この原因としては塑性流動化した母材によって亀裂100内が塞がれることにより、亀裂100内の液体ナトリウムが亀裂100の外に押し出されることや、塑性流動化した母材は母材表面(原子炉容器11の内面11a)に向かって流動するという性質があるため、この母材の流動に伴って亀裂100内の液体ナトリウムも、母材表面へと移動して亀裂100の外に流れ出るということが考えられる。
なお、原子炉容器11内の液体ナトリウム19中で摩擦攪拌接合による亀裂補修を行う補修装置としては、必ずしも上記のような構成のものに限定するものではなく、例えば図10に示すような構成とすることもできる。図10の補修装置は、回転工具12を回転自在に保持する工具保持部112を、マニピュレータのアーム111の先端に取り付けた構成のものである。この場合、マニピュレータ111(アーム111等)が、回転工具移動手段、回転工具押し付け手段及び回転工具挿入手段として機能する。また、回転工具12は、工具保持部112に設けた駆動モータ(回転工具駆動手段)によって回転駆動するようにしてもよく、或いは、原子炉容器11外などの回転工具12から離れた位置に設けた駆動モータ(回転工具駆動手段)と、この駆動モータの回転力を液体ナトリウム19中の回転工具12に伝達する回転力伝達手段(例えば回転軸、ユニバーサルジョイント及びギアを有してなる回転力伝達機構)とによって、回転駆動するようにしてもよい。
この補修装置による補修作業の手順について説明すると、まず、図10(a)に示すようにマニピュレータ(アーム111)により、回転工具12を亀裂100の位置(回転工具12の先端が亀裂100と向かい合う位置)まで移動する。次に、図10(b)に示すようにマニピュレータ(アーム111)により、回転工具12を矢印Tのように亀裂100に押し付け、且つ、回転工具駆動手段によって回転工具12を回転させる。その結果、母材(原子炉容器11を形成するステンレスなどの金属材料)と回転工具12との摩擦により、同母材が塑性流動化し、回転工具12が、図10(b)及び図10(c)に示すように亀裂100の深さ方向へと同母材内に入り込んでいき、回転工具12のヘッド部12Aが母材表面(原子炉容器11の内面11a)に当接する。かくして、摩擦攪拌接合により、亀裂100が補修される。
また、亀裂100が長い場合には、図10(c)に示す状態から、更にマニピュレータ(アーム111)によって図10(c)の紙面と直交する方向、即ち亀裂100の長手方向に沿って回転工具12を移動させる。かくして、亀裂100全体が摩擦攪拌接合によって補修される。
以上のように、本実施の形態例の補修装置(補修方法)によれば、回転工具挿入手段(挿入管28又はマニピュレータ)によって回転工具12を原子炉容器11内の液体ナトリウム19中に挿入し、回転工具移動手段(回転工具移動機構30又はマニピュレータ)によって回転工具12を亀裂の位置まで移動させ、回転工具押し付け手段(回転工具押し付け機構50又はマニピュレータ)によって回転工具12を亀裂に押し付け、回転工具駆動手段(駆動モータ等)によって回転工具12を回転駆動して、摩擦攪拌接合による亀裂の補修を行うため、摩擦攪拌接合時に亀裂内の液体ナトリウムが亀裂の外に排出される。このため、液体ナトリウム中での補修作業であっても、母材内に液体ナトリウムを閉じ込めることがなく、非常に良好な補修結果が得られる。摩擦攪拌接合による亀裂補修部の強度試験を行った結果、当該亀裂補修部は母材と同等の強度を有することが確認された。従って、補修前の原子炉容器11内からの燃料集合体や液体ナトリウム19の取り出しや、補修後の原子炉容器11内への燃料集合体の挿入や液体ナトリウム19の充填といった非常に手間と時間のかかる作業をすることなく、亀裂補修を行うことができる。
また、回転工具移動手段、回転工具押し付け手段及び回転工具挿入手段としてマニピュレータを用いる場合には、容易に摩擦攪拌接合による亀裂補修を行うことができる。
また、回転工具駆動手段は、原子炉容器11の外に設けた駆動モータと、駆動モータの回転力を液体ナトリウム中の回転工具12に伝達する回転力伝達手段(回転軸73,76,88,89,90など)とを有してなるものであるため、駆動モータを液体ナトリウム中に挿入することなく遠隔から、回転工具12を回転駆動することができる。
また、回転工具移動機構30は、互い平行に延びた1対の第1支持部材32及び第2支持部材33と、一端部34aが第1支持部材32に回動自在に結合され、他端部34bが第2支持部材33に第2支持部材33の長手方向に移動自在に結合された第1アーム34と、長手方向の中央部において第1アーム34の長手方向の中央部と回動自在に結合されて第1アーム34とともにX字状をなし、一端部35aが第1支持部材32に第1支持部材32の長手方向に沿って移動自在に結合され、他端部35bが第2支持部材33に回動自在に結合された第2アーム35と、第2アーム35の一端部35aを第1支持部材32の長手方向に沿って移動させるアーム移動手段(駆動モータ、ネジ軸71、ナット44)とを有し、このアーム移動手段による第2アーム35の一端部35aの移動方向に応じて、第1アーム34と第2アーム35の一端部34a,35a同士及び他端部34b,35b同士が前記長手方向に沿って互いに近接したときには、回転工具12を第2支持部材33とともに第1支持部材32から離れる方向に移動させ、第1アーム34と第2アーム35の一端部34a,35a同士及び他端部34b,35b同士が前記長手方向に沿って互いに離間したときには、回転工具12を第2支持部材33とともに第1支持部材32に近づく方向に移動させる構成であるため、簡易な構成で確実に回転工具12を亀裂の位置まで移動させることができる。
また、回転工具押し付け機構50は、原子炉容器11の内面11aと、この内面11aと対向している炉心槽15の外面15aとの間で使用されるものであって、原子炉容器11の内面11aと炉心槽15の外面15aとの間に位置するネジ軸52と、ネジ軸52を回転させるネジ軸駆動手段(駆動モータ、回転軸72,74,79,80,81,83,84、ユニバーサルジョイント78,82、ギア55,56,86)と、ネジ軸52に螺合し、ネジ軸52の回転方向に応じて、ネジ軸52の軸方向に互い接近又は離間するように移動する1対の第1ナット53及び第2ナット54と、一端部が第1ナット53に回動自在に結合され、他端部が、ネジ軸52よりも原子炉容器11の内面11a寄りに位置して回転工具12を回転自在に保持する工具保持部63に回動自在に結合された第1アーム57と、一端部が第2ナット54に回動自在に結合され、他端部が工具保持部63に回動自在に結合されて第1アーム57とともにネジ軸52側に広がるV字状をなす第2アーム58と、一端部が第1ナット53に回動自在に結合され、他端部が、ネジ軸52よりも炉心槽15の外面15a寄りに位置する反力受け部64に回動自在に結合された第3アーム59と、一端部が第2ナット54に回動自在に結合され、他端部が反力受け部64に回動自在に結合されて第3アーム59とともにネジ軸52側に広がるV字状をなす第4アーム60とを有し、前記ネジ軸駆動手段によりネジ軸52を一方に回転させて第1ナット53と第2ナット54を接近させたとき、第1アーム57及び第2アーム58が原子炉容器11の内面11a方向に伸びて工具保持部63が原子炉容器11の内面11a方向に移動することにより、回転工具12が亀裂に当接し、且つ、第3アーム59及び第4アーム60が炉心槽15の外面15a方向に伸びて反力受け部64が炉心槽15の外面15a方向に移動することにより、同外面15aに反力受け部64が当接して、回転工具12を亀裂に押し付ける構成であるため、簡易な構成で確実に回転工具12を亀裂に押し付けることができ、対向面として炉心槽15の外面15aを有する原子炉容器11の内面11aの亀裂補修に適用して最適なものである。即ち、原子炉容器11の内面11aと炉心槽15の外面15aとが対向していることを利用して、原子炉容器11の内面11aの亀裂に回転工具12を容易且つ確実に押し付けることができる。
また、回転工具押し付け機構50の反力受け部64は、炉心槽15の外面15aに当接して外面15a上を転動自在に支持されたローラ64Cと、ローラ64Cを外面15a側に付勢するバネ64Fとを有してなるものであるため、回転工具12を亀裂の長さ方向に沿って移動させるとき、炉心槽15の外面15aと原子炉容器11の内面11aとの間隔に多少の変化があっても、この間隔の変化をバネ64Fによって吸収することができ、且つ、反力受け部64はローラ64Cによって円滑に外面15a上を移動することができる。
なお、この回転工具押し付け機構50は、原子炉容器11の内面11aの亀裂を補修する場合に限らず、炉心槽15の外面15aの亀裂を補修する場合にも適用することができる。
また、本発明の補修方法及び補修装置は、特に上記のようにナトリウム冷却炉の原子炉容器11内の液体ナトリウム19中で亀裂補修を行う場合に適用して有用なものであるが、必ずしもこれに限定するものではなく、ナトリウム冷却炉の原子炉以外の補修対象設備にも適用することができ、また、液体ナトリウム以外の液体金属や水などの液体中での亀裂補修にも適用することができる。例えば、軽水炉の原子炉容器内の水中で原子炉容器の内面や炉心槽の外面の亀裂補修を行う場合などにも適用することができる。
本発明は補修対象設備内の液体金属中で、前記補修対象設備内の被補修部の表面に生じている亀裂の補修をする補修方法及び補修装置に関するものであり、特にナトリウム冷却炉の原子炉の原子炉容器内の液体ナトリウム中などにおいて亀裂補修を行う場合に適用して有用なものである。
本発明の実施の形態例に係る補修装置による亀裂補修方法の手順(プラグ撤去)を示す説明図である。 本発明の実施の形態例に係る補修装置による亀裂補修方法の手順(回転工具の挿入)を示す説明図である。 本発明の実施の形態例に係る補修装置による亀裂補修方法の手順(回転工具の位置調整)を示す説明図である。 本発明の実施の形態例に係る補修装置による亀裂補修方法の手順(亀裂補修の開始)を示す説明図である。 図4のA部拡大図である。 図3のB部拡大図である。 図5のC部拡大図である。 図7のD方向矢視図である。 前記補修装置の摩擦攪拌接合による亀裂補修の様子を示す説明図である。 本発明の実施の形態例に係る他の補修装置の要部構成を示す図である。 従来の一般的なアーク溶接を適用した場合の亀裂補修方法の説明図である。 原子炉容器内から燃料集合体と液体ナトリウムを抜き取って亀裂補修を行う場合の説明図である。
符号の説明
1 被補修部
1a 表面
2 容器
3 溶接トーチ
4 ブロア
5 亀裂
6 液体ナトリウム
7 原子炉容器
8 液体ナトリウム
9 燃料集合体
10 補修装置
11 原子炉容器
11a 内面
12 回転工具
12A ヘッド部
13 床
14 ガードベッセル
15 炉心槽
15a 外面
16 炉心支持構造物
17 制御棒駆動装置
18 蓋
19 液体ナトリウム
20 ナトリウム供給管
21 装置導入管
22,23 ゲートバルブ
24 プラグ撤去装置
25 プラグ
26 補修装置
27 駆動装置部
28 挿入管
29 補修装置本体部
30 回転工具移動機構
32 第1支持部材
33 第2支持部材
34 第1アーム
34a 一端部
34b 他端部
35 第2アーム
35a 一端部
35b 他端部
36 第1案内部材
36a 第1案内溝
37 第2案内部材
37a 第2案内溝
38,39,40,41,42 回動軸
43 補強部材
44 ナット
45 炉心支持構造物
46 案内部
50 回転工具押し付け機構
51 案内部
52 ネジ軸
52a 一方側の部分
52b 他方側の部分
53 第1ナット
54 第2ナット
55,56 ギア
57 第1アーム
58 第2アーム
59 第3アーム
60 第4アーム
61 支持板
62A,62B,62C,62D,62E,62F,62G,62H 回動軸
63 工具保持部
63A アーム結合部
64 反力受け部
64A,64B 軸受
64C ローラ
64D 案内軸
64E アーム結合部
64E−1 案内孔
64F バネ
65A,65B,65C 傘歯車
71 ネジ軸
71a 部分
72,73 回転軸
74 回転軸
75 ギア
76 回転軸
77 ギア
78 ユニバーサルジョイント
79,80,81 回転軸
82 ユニバーサルジョイント
83,84 回転軸
85 ギアボックス
86 ギア
87 ユニバーサルジョイント
88,89,90 回転軸
91 ユニバーサルジョイント
92 ギアボックス
93,94,95 ギア
96 フレキシブルシャフト
100 亀裂
111 アーム
112 工具保持部

Claims (13)

  1. 補修対象設備内の液体中で、前記補修対象設備内の被補修部の表面に生じている亀裂の補修をする補修方法であって、
    前記液体中で回転工具を前記亀裂に押し付けて回転させることより、摩擦攪拌接合によって前記亀裂を補修することを特徴とする補修方法。
  2. 請求項1に記載の補修方法において、
    前記補修対象設備はナトリウム冷却炉の原子炉、前記液体は前記原子炉の原子炉容器内の液体ナトリウムであることを特徴とする補修方法。
  3. 請求項1に記載の補修方法において、
    前記補修対象設備は軽水炉、前記液体は前記軽水炉の原子炉容器内の水であることを特徴とする補修方法。
  4. 補修対象設備内の液体中で、前記補修対象設備内の被補修部の表面に生じている亀裂の補修をする補修装置であって、
    摩擦攪拌接合のための回転工具と、
    前記液体中で前記回転工具を回転させる回転工具駆動手段と、
    前記液体中で前記回転工具を前記亀裂の位置に移動させる回転工具移動手段と、
    前記液体中で前記回転工具を前記亀裂に押し付ける回転工具押し付け手段と、
    前記回転工具駆動手段、前記回転工具移動手段及び前記回転工具押し付け手段とともに前記回転工具を、前記補修対象設備内の液体中に挿入する回転工具挿入手段とを有することを特徴とする補修装置。
  5. 請求項4に記載の補修装置において、
    前記回転工具移動手段、前記回転工具押し付け手段及び前記回転工具挿入手段としてマニピュレータを用いたことを特徴とする補修装置。
  6. 請求項4に記載の補修装置において、
    前記回転工具駆動手段は、
    前記補修対象設備の外に設けた駆動モータと、
    前記駆動モータの回転力を前記液体中の前記回転工具に伝達する回転力伝達手段とを有してなるものであることを特徴とする補修装置。
  7. 請求項4又は6に記載の補修装置において、
    前記回転工具移動手段は、
    互い平行に延びた1対の第1支持部材及び第2支持部材と、
    一端部が前記第1支持部材に回動自在に結合され、他端部が前記第2支持部材に前記第2支持部材の長手方向に移動自在に結合された第1アームと、
    長手方向の中央部において前記第1アームの長手方向の中央部と回動自在に結合されて前記第1アームとともにX字状をなし、一端部が前記第1支持部材に前記第1支持部材の長手方向に沿って移動自在に結合され、他端部が前記第2支持部材に回動自在に結合された第2アームと、
    前記第2アームの前記一端部を前記第1支持部材の長手方向に沿って移動させるアーム移動手段とを有し、
    前記アーム移動手段による前記第2アームの前記一端部の移動方向に応じて、前記第1アームと前記第2アームの一端部同士及び他端部同士が前記長手方向に沿って互いに近接したときには、前記回転工具を前記第2支持部材とともに前記第1支持部材から離れる方向に移動させ、前記第1アームと前記第2アームの一端部同士及び他端部同士が前記長手方向に沿って互いに離間したときには、前記回転工具を前記第2支持部材とともに前記第1支持部材に近づく方向に移動させる構成であることを特徴とする補修装置。
  8. 請求項4,5,6又は7に記載の補修装置において、
    前記補修対象設備はナトリウム冷却炉の原子炉、前記液体は前記原子炉の原子炉容器内の液体ナトリウムであることを特徴とする補修装置。
  9. 請求項4,5,6又は7に記載の補修装置において、
    前記補修対象設備は軽水炉、前記液体は前記軽水炉の原子炉容器内の水であることを特徴とする補修装置。
  10. 請求項4,6又は7に記載の補修装置において、
    前記回転工具押し付け手段は、
    前記被補修部の表面と、この表面と対向している対向面との間で使用されるものであって、
    前記被補修部の表面と前記対向面との間に位置するネジ軸と、
    前記ネジ軸を回転させるネジ軸駆動手段と、
    前記ネジ軸に螺合し、前記ネジ軸の回転方向に応じて、前記ネジ軸の軸方向に互い接近又は離間するように移動する1対の第1ナット及び第2ナットと、
    一端部が前記第1ナットに回動自在に結合され、他端部が、前記ネジ軸よりも前記被補修部の表面寄りに位置して前記回転工具を回転自在に保持する工具保持部に回動自在に結合された第1アームと、
    一端部が前記第2ナットに回動自在に結合され、他端部が前記工具保持部に回動自在に結合されて前記第1アームとともに前記ネジ軸側に広がるV字状をなす第2アームと、
    一端部が前記第1ナットに回動自在に結合され、他端部が、前記ネジ軸よりも前記対向面寄りに位置する反力受け部に回動自在に結合された第3アームと、
    一端部が前記第2ナットに回動自在に結合され、他端部が前記反力受け部に回動自在に結合されて前記第3アームとともに前記ネジ軸側に広がるV字状をなす第4アームとを有し、
    前記ネジ軸駆動手段により前記ネジ軸を一方に回転させて前記第1ナットと前記第2ナットを接近させたとき、前記第1アーム及び前記第2アームが前記被補修部の表面方向に伸びて前記工具保持部が前記被補修部の表面方向に移動することにより、前記回転工具が前記亀裂に当接し、且つ、前記第3アーム及び前記第4アームが前記対向面方向に伸びて前記反力受け部が前記対向面方向に移動することにより、前記対向面に前記反力受け部が当接して、前記回転工具を前記亀裂に押し付ける構成であることを特徴する補修装置。
  11. 請求項10に記載の補修装置において、
    前記反力受け部は、
    前記対向面に当接して前記対向面上を転動自在に支持されたローラと、
    前記ローラを前記対向面側に付勢するバネとを有してなるものであることを特徴とする補修装置。
  12. 請求項10又は11に記載の補修装置において、
    前記補修対象設備はナトリウム冷却炉の原子炉、前記液体は前記原子炉の原子炉容器内の液体ナトリウムであり、
    前記被補修部の表面が前記原子炉容器の内面、前記対向面が前記原子炉容器内の炉心槽の外面であること、又は、前記被補修部が前記炉心槽の外面、前記対向面が前記原子炉容器の内面であることを特徴とする補修装置。
  13. 請求項10又は11に記載の補修装置において、
    前記補修対象設備は軽水炉、前記液体は前記軽水炉の原子炉容器内の水であり、
    前記被補修部の表面が前記原子炉容器の内面、前記対向面が前記原子炉容器内の炉心槽の外面であること、又は、前記被補修部が前記炉心槽の外面、前記対向面が前記原子炉容器の内面であることを特徴とする補修装置。
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