JPH08304585A - 液体金属中補修方法及び補修装置 - Google Patents

液体金属中補修方法及び補修装置

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JPH08304585A
JPH08304585A JP7110506A JP11050695A JPH08304585A JP H08304585 A JPH08304585 A JP H08304585A JP 7110506 A JP7110506 A JP 7110506A JP 11050695 A JP11050695 A JP 11050695A JP H08304585 A JPH08304585 A JP H08304585A
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repair
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repairing
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和雄 高橋
Takashi Ikeda
孝志 池田
Hiromi Tokoi
博見 床井
Hideaki Abe
英昭 安部
Yasuo Yoshinari
康男 吉成
Toshiaki Ikeuchi
壽昭 池内
Kiyoshi Harada
清 原田
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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

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  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】液体金属利用プラント内に液体金属を保有した
状態で、プラント構造部材に発生した不具合の検出・補
修を可能にする。 【構成】プラント用蓋5の上に補修装置用フランジ8を
設置しているプラント2のメンテナンスホール6から、
液体金属1が大気と接触しないように、液体金属1中に
挿入される補修装置7、補修装置7における開口部11
周囲先端に設置され、プラント2の構造部材3における
不良部位4が生じた周辺と接触する緩衝材12、補修装
置7内に設置されるドリル13、伝達軸17及びフレキ
シブルシャフト18を介してドリル13を駆動する回転
機16、ドリル13の上下位置を設定する固定用軸14
及びアーム19、ドリル13を前後させる位置決め軸1
5を備えており、ドリル13によって不良部位4を削除
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体金属中補修方法及
び補修装置に係り、特に高速増殖炉、液体金属ヒートパ
イプ又はリチウム冷却核融合などの液体金属中補修方法
及び補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体金属利用プラント(以下、プラント
と略称する。)で利用される液体金属は、その多くが熱
輸送媒体となるもので、水銀、ナトリウム、カリウム、
リチウム及びこれらの合金類であるアルカリ金属類が多
く、これらは低融点から高沸点までの広い温度範囲にわ
たって液状にある。アルカリ金属類は、化学的に活性で
あり、大気中に放置した場合は、酸素や水分と激しく反
応して高熱を発するため、大気と遮断して用いられるの
が一般的である。
【0003】代表的なプラントには、ナトリウムを冷却
材に用いた高速増殖炉がある。ここでは、高速増殖炉を
例にとり、高速増殖炉の構成材料に生じた不良部位の補
修作業、すなわち修理及び交換に関する従来技術につい
て、以下に説明する。ただし、補修作業は、検査作業と
密接に関係するものであるため、まず高速増殖炉の検査
作業の現状から説明する。
【0004】高速増殖炉は、長期の運用に耐えられるよ
う、十分に考慮して設計・製作される。しかし、運用年
数の経過に伴って、初期の計画と異なる、運転や運用環
境が継続されたり、製造時には不明であった局所的な残
留応力の顕在化、また変更・交換した部位の不良化など
によって、予想しなかった亀裂や故障の発生することが
ある。
【0005】このような事態が発生した場合、運転を異
常停止することになるため、これの予防保全の目的で、
高速増殖炉には運転中の日常点検や運転を停止して行う
定期検査が義務付けられている。
【0006】高速増殖炉を用いたプラントの日常点検で
は、主に運転員による巡回やテレビカメラによる監視が
行われ、定期検査ではナトリウムと接触する機器・配管
などで、外部から作業員のアクセスが可能な部位につい
ては、調音棒による異常音発生の確認や、片手ハンマー
を用いたボルト・ナット類の緩みの点検を行い、放射線
強度が高いなどにより、アクセスの不可能な部位につい
ては、作業用ロボットによる超音波やX線診断が行われ
ている。
【0007】また、ナトリウムと直接接触しない稼働機
器は、その重要度に従って分類され、分解点検期間及び
交換期間等を定めて保守が行われ、プラント運用期間中
の健全性及び安全性が確保されている。
【0008】しかし、予想しなかった亀裂発生や故障な
どの不具合の起こることがあり、特に、原子炉容器、炉
内の各種機器、又は1次冷却系主配管などの、ナトリウ
ムと接触する部位に、何らかの原因で生じた亀裂、摩耗
による減肉、ビスの落下やねじの緩みなどにより生じた
不具合については、高放射線環境化で、しかも活性なナ
トリウムを除去して、補修を行うことになる。
【0009】このような高速増殖炉を用いたプラントの
保守・点検装置に関連した従来技術が、特開平2-21
8995号公報、特開平3-223700号公報、及び
特開平4-204093号公報に開示されている。
【0010】また、特開平5-31591号公報、特開
平3-146268号公報及び特開昭63-168278
号公報には、軽水炉を対象にした原子炉容器内における
補修装置について開示されている。
【0011】しかし、前者の公知例は、補修作業につい
ては開示されておらず、後者の公知例は、水中での溶接
装置に関するものであり、補修のための機械加工装置、
及び機械加工装置を用いた補修方法については開示され
ていない。
【0012】更に、後者の公知例は、水中での溶接作業
を対象としているため、次のような場合の対策について
は考慮されていない。すなわち、不良部位に液体金属が
残留したまま溶接した場合、構成材料における溶融金属
内に液体金属の蒸気泡が形成され、この溶融金属が固化
するときの凝縮によって微小空間が形成されたり、表面
から放出されて微小欠陥を生じるという、特有な現象が
発生するが、この対策については考慮されていない。
【0013】このため、液体金属中における溶接による
補修作業は、従来では困難とされてきた。したがって、
従来では、この補修作業は別の方法によって行われてい
るが、従来法による一般的な不良部位の補修方法を、図
18を用いて説明する。
【0014】図18は、従来の方法による補修部位の補
修作業の例の流れ図である。すなわち、補修作業は、補
修部位に保有されているナトリウムを貯蔵用タンクなど
へ移送・隔離した後、補修部位を有する構造物を解体し
てプラントから取り出し、構造物の表面に付着している
ナトリウムや放射性物質を洗浄・除去した後に行われて
いる。
【0015】しかし、図18における左側の流れ図で示
される原子炉容器の場合は、原子炉停止後も核分裂生成
物の崩壊熱が発生するため、ナトリウムを排出させるこ
とが不可能である。このため、原子炉容器にナトリウム
を保有したまま、原子炉容器の外壁側から超音波探傷法
などにより原子炉容器内構造部材の検査が行われる。
【0016】そして、この検査によりナトリウム中の構
造部材に不良部位が検出され、補修が必要と判断された
場合は、原子炉容器内の炉心燃料を、一旦、引き抜い
て、崩壊熱の冷却手段を備えた安全な場所へ退避させた
後、原子炉容器内のナトリウムは、貯蔵用タンクなどへ
ドレンされ、隔離される。
【0017】また、図18における右側の流れ図には、
原子炉容器外における冷却系の補修手順を示している。
この冷却系では、まずナトリウムをドレンし隔離した
後、冷却系の配管・弁や、中間熱交換器、機械式ポンプ
などの機器類の検査を行う。
【0018】そして、この検査により、不良部位が検出
され、補修が必要と判断された場合は、上述のようなナ
トリウム排出後の原子炉容器内構造部材を含めて、以下
の手順で補修を行われる。
【0019】すなわち、原子炉から不良部位を有する構
造部材、又は不良箇所発生機器を引き抜いて、これらの
表面に付着しているナトリウム及び放射性物質を洗浄・
除去した後、不良部位又は不良箇所を詳細に検査し、補
修又は交換の要否について判定を行う。
【0020】そして、補修で対処する場合には、切削、
穴あけ、溶接、当て板などの加工又は補強に適した補修
方法を選定し、補修する。また、交換で対処する場合に
は、不良部位を撤去し、新しいものと交換する。これら
の補修作業の終了後は、補修部位の検査を行い、不良部
位発生前の正常な機能を有することを確認し、原子炉に
再設置する。なお、炉心燃料を原子炉容器外に退避させ
た場合は、炉心に再装荷して運転を再開する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来技術
では、補修作業の前作業として原子炉からナトリウムを
排出した後、構造部材を解体・洗浄するが、場合によっ
ては除染作業が必要となる。補修作業終了後における運
転再開時には、解体した構造部材を組み立て、目標とす
る性能が得られることを確認して、原子炉内への再装荷
という手順を踏まなければならない。したがって、作業
行程が長期化する。
【0022】また、上述のような一連の補修作業を行う
には、作業場所の確保、放射線防護対策、及び付着ナト
リウムの急激な酸化反応防止対策が必要となる。したが
って、従来の補修方法では、補修期間の長期化、作業空
間の増大など、安全性及び経済性の面で好ましくない要
素が、多く含まれている。
【0023】本発明の目的は、プラントの構造部材に発
生した不具合箇所を、プラントに液体金属を保有したま
まで補修することができ、補修期間の短縮、作業空間の
縮小、及び安全性と経済性が、それぞれ向上する液体金
属中補修方法及び補修装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記目的は、次のように
して達成することができる。
【0025】(1)液体金属を内部に保有している液体
金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修す
る液体金属中補修方法において、液体金属利用プラント
の内部に保有されている、不良部位及び不良部位の近傍
の液体金属と、他の部分の液体金属とを隔離して、不良
部位を補修すること。
【0026】(2)液体金属を内部に保有している液体
金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修す
る液体金属中補修方法において、液体金属利用プラント
の内部に保有されている、不良部位及び不良部位の近傍
の液体金属を排除して、不良部位を補修すること。
【0027】(3)液体金属を内部に保有している液体
金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修す
る液体金属中補修方法において、不良部位の検出と補修
規模の判断機能とを備え、補修の要否及び方法を判断
し、運転員にガイダンスを与えること。
【0028】(4)液体金属を内部に保有している液体
金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修す
る液体金属中補修装置において、液体金属利用プラント
の上部に設置されているプラント開口部から液体金属利
用プラントの内部の液体金属中に、液体金属に液体金属
利用プラントの上部の空気が接触することなく挿入され
ている保護筒、保護筒の下端に取り付けられ、不良部位
に面する部分に開口部を有し、開口部の周上に外側に向
けて緩衝材が取り付けられ、緩衝材が液体金属利用プラ
ントの構造部材における不良部位の周辺と接触する隔離
箱、隔離箱の内部に収納され不良部位を補修する補修工
具、及び保護筒の上方からの遠隔操作によって駆動され
る補修工具の位置調整機構と前進機構と回転運動伝達機
構を備えていること。
【0029】(5)(4)において、保護筒及び隔離箱の
各内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給機構、隔
離箱の開口部の周上に外側に向けて取り付けられている
緩衝材のうちの下側部分に、隔離箱内の液体金属を通過
させて外部に排出する多孔質金属、及び不良部位を補修
する溶接ビーム照射機構を備えていること。
【0030】(6)(4)又は(5)において、保護筒及び
隔離箱の各内部のうちの少なくともいずれかに、電気
的、機械的又は光学的な不良部位の補修手段のうちの少
なくとも1つを備えていること。
【0031】(7)(4)において、開口部に、開口部よ
り内側の隔離箱の内部と、開口部の外側とを遮断する仕
切り板、及び仕切り板の外側に液体窒素又は液体アルゴ
ンを導通して、仕切り板の外側に保有される液体金属を
冷却し固体化する冷却管を備えていること。
【0032】(8)(5)において、保護筒の上方空間部
に一端を有し、保護筒と隔離箱とを通って、他端が隔離
箱の開口部に達しているフレキシブルな導管、一端に接
続している減圧装置、及び他端に接続し、先端周囲にシ
ール材を取り付けた減圧容器を備えていること。
【0033】(9)(7)において、冷却管により仕切り
板の外側に保有される液体金属を冷却して変化させた固
体粉末状の酸化液体金属を、機械的に除去するワイヤブ
ラシを備えていること。
【0034】(10)(4)又は(5)において、不良部位
の近傍、又は不良部位の補修可能範囲から外部への液体
金属の排除確認用に隔離箱の内部に挿入されているファ
イバスコープ、 ファイバスコープに一端が接続し液体
金属利用プラントの上方に設置されたモニターテレビ、
波長3000Åより長波長の光照射機構、液体金属の種
類に応じた反射率測定、弁別機構、液体金属ベーパをプ
ラズマ化するための電極、及び液体金属ベーパのプラズ
マ波長検出器の検査用具のうちの少なくとも一つを備え
ていること。
【0035】(11)(10)において、不良部位の補修
条件を事前に把握するため、不良部位が生じている構造
材料と同一組成を有する試験片を、不良部位、又は不良
部位の近傍に取り付け、実際の補修環境条件で補修を行
った後、液体金属利用プラントから取り出して補修状態
を検査し、補修良否の判断をする手段を有すること。
【0036】(12)(10)において、検査用具により
得られたデータ、データの設計時に設定した許容値との
比較による許容可否判断装置、許容可否判断装置による
判断結果を表示するガイダンス装置、及び原子力発電所
間に設置されガイダンス装置に表示された内容の通信手
段を有する原子力発電所間に設置されたデータ通信用ネ
ットワークシステムのうちの少なくとも1つを備えてい
ること。
【0037】(13)液体金属を内部に保有する液体金
属利用プラントを構造部材に発生した不良部位を補修す
る液体金属中補修装置において、不良部位を補修する補
修工具、不良部位の補修前後に使用する検査工具、補修
工具の駆動用電源、補修工具と検査工具との少なくとも
いずれかが液体金属中を移動するための移動装置、移動
装置を液体金属利用プラントの外部から操作する遠隔操
作装置、補修工具・検査工具・移動装置・遠隔操作装置
の駆動用電源、液体金属利用プラントの内部に設置し
た、移動装置・補修工具・検査工具の保管用の保管エリ
ア、及び保管エリアに設置した駆動用電源の充電装置を
備えていること。
【0038】
【作用】本発明では、プラントの構造部材における不良
部位の補修を、液体金属中で行うので、液体金属のドレ
ン、構造部材の解体・取り出し・洗浄・再組み立てなど
の作業工程が削減され、プラントの再起動までの期間が
短縮され、場合によっては、プラントが稼働している状
態において補修することができる。
【0039】また、取り出した構造部材に付着した化学
的に活性な液体金属の洗浄作業や放射性物質の除染作
業、更には洗浄廃液処理作業が縮小され、作業員の被爆
低減化が可能になる。
【0040】本発明における作用を列挙すると、次のと
おりである。
【0041】(1)不良部位を含む周辺の液体金属が、
周辺外部におけるプラント内の液体金属から隔離され、
不良部位を含む周辺は、周辺外部の液体金属の流動や熱
による影響を受けにくいので、安定した補修作業環境を
維持することができる。また、補修時に生じた切粉など
の、周辺外部の液体金属への混入を防止することができ
る。
【0042】(2)不良部位を含む周辺から周辺外部の
液体金属中へ液体金属が排出されるので、作業環境がガ
ス雰囲気となり、不良部位の補修作業を容易に行うこと
ができる。
【0043】(3)保護筒及び隔離箱の少なくとも一つ
の内部に保有されている液体金属が、不活性ガスの圧力
により、その外部の液体金属中に排除されるので、液体
金属の排除に機械的な稼働部を必要とせず、システムの
簡素化を図ることができ、また、不良部位の微細な亀裂
に侵入している液体金属を完全に除去することができ
る。
【0044】(4)不良部位を含む周辺の液体金属が冷
却により固化されるので、液体金属の除去と、構造部材
における不良部位の切削補修とを一元化処理することが
できる。
【0045】(5)保護筒及び隔離箱の少なくとも一つ
の内部に保有されている液体金属が排除された後、隔離
箱開口部の緩衝材と、不良部位周辺の構造部材とが接触
する部分に残留する液体金属を冷却して固化させるの
で、この液体金属がシール機能を有することになり、保
護筒及び隔離箱を不活性ガス空間に保つことに効果があ
る。
【0046】(6)液体金属を化合物とすることにより
融点が上昇するので、特殊な冷却手段を使用しないで、
液体金属を固化することができる。
【0047】(7)隔離箱内の液体金属の排除の確認が
可能であるので、補修作業の着手の可否を明確にするこ
とができる。
【0048】(8)液体金属特有の反射率、又は発光強
度を測定する手段を用いるので、隔離箱内の液体金属の
残留量を定量化することができ、光学的又は電気的など
の補修条件の選択を適切に行うことができる。
【0049】(9)突発的に発生した不良部位の緊急な
補修を要する場合に、運転員が迅速に判断をするための
情報が提供されるので、適切に対処することができる。
【0050】(10)不良部位における不具合の状態
と、設計裕度とを比較した情報が提供されるので、運転
員の的確な判断への支援が得られる。
【0051】(11)補修経験を各原子力発電所ごとに
データベース化し、ネットワークシステムを構築するの
で、補修に関する最新技術を適用することができる。
【0052】(12)電気的、機械的又は光学的な補修
機能を備えるので、不良部位の不具合の状態に応じた最
適な補修を行うことができる。
【0053】(13)補修後の検査手段を備えるので、
補修状況の良否を的確に判断することができる。
【0054】(14)実環境の条件で補修した模擬不良
試験体を、取り出して検査するので、最適な補修の条件
・方法を選定することができる。
【0055】(15)検査・補修装置に自立電源を備え
るので、ワイヤレスの制御を可能とし、不良部位を補修
するための補修装置の移動範囲を拡大することができ
る。
【0056】(16)検査・補修装置をプラント内に恒
久的に設置するので、突発的に発生した不良部位の補修
に対して迅速に対応することができる。
【0057】
【実施例】本発明の第1実施例を図1を用いて説明す
る。図1は本実施例の液体金属中補修方法の説明図であ
る。
【0058】本実施例は、液体金属1を内部に保有する
プラント2の構造部材3に、微小な亀裂が発生した不良
部位4を、液体金属1中において機械的に補修する場合
である。そして、本実施例は、後述のような液体金属1
中における検査方法により、不良部位4の位置と規模が
明らかにされ、亀裂の先端が鋭く開口している場合であ
る。
【0059】このような不良部位4の補修には、不良部
位4を応力集中の少ない大きな曲率半径をもつ形状に加
工し、その後の亀裂の進展を緩和させることが必要であ
る。
【0060】本実施例では、予めプラント2のプラント
用蓋5に設けられた大気と遮断できる設備を有するメン
テナンスホール6から、液体金属1中に補修装置7を挿
入することにより、不良部位4を機械加工により補修し
た。
【0061】補修装置7は、プラント用蓋5を覆うよう
に設置した補修装置用フランジ8から、液体金属1中に
延びた保護筒9、その下端に取り付けた隔離箱10、隔
離箱10の開口部11の周上に外側に向かって取り付け
られ、構造部材3と接触する緩衝材12、隔離箱10内
に設置しているドリル13、ドリル13の上下方向の設
定位置を外部から操作する固定用軸14、ドリル13の
前後方向の設定位置を外部から操作する位置決め軸1
5、回転機16からドリル13に動力を伝達する伝達軸
17、フレキシブルシャフト18、アーム19、軸受2
0、21、連結器22、角度補正器23、フレキシブル
ジョイント24などによって構成されている。
【0062】本実施例では、検査により明確にされてい
る不良部位4の位置を基にして、保護筒9及び固定用軸
14の長さを決定し、緩衝材12により不良部位4を取
り囲むように隔離箱10を設置した。
【0063】補修装置7の主要部の材質は、液体金属1
の温度が200〜300℃であっても耐えられるように
オーステナイトステンレス鋼とし、緩衝材12には、構
造部材3に損傷を与えないように、液体金属と共存性が
良好で、主要部の材質より軟らかな純ニッケルを採用し
た。
【0064】ドリル13の回転は、補修装置7の外部に
取り付けた回転機16による回転力を、伝達軸17、及
び細線を網目状に組み巻いて変形が自由な棒状のフレキ
シブルシャフト18を介して、ドリル13に伝達させる
ことにより行った。
【0065】また、伝達軸17の回転力が良好に伝達さ
れるように、外端の一部を固定用軸14に固定した軸受
20を設けた。なお、軸受20には、伝達軸17の回転
と上下スライドが可能なものを用いた。一方、固定用軸
14の下端には、水平円弧状に回転できるアーム19を
取り付けた。
【0066】そして、アーム19の水平方向円弧状の回
転で生じるドリル13の先端方向が、構造部材3の面に
常に垂直となるような補正機能を有する角度補正器23
を介して、アーム19にドリル13を取り付けた。
【0067】更に、ドリル13には、前後のスライドと
水平円弧状の位置決めを、遠隔で操作するための位置決
め軸15を取り付けた。位置決め軸15は、位置決め軸
15の回転と上下動を可能にする軸受21によって保持
され、位置決め軸15の上下動は、連結器22、及び球
面座からなるフレキシブルジョイント24を介して、ド
リル13の前後動に変換する構成にした。
【0068】ドリル13による不良部位4の補修作業
は、ドリル13について、固定用軸14、位置決め軸1
5及び伝達軸17により上下位置関係の微調整を行い、
続いて水平方向の微調整を位置決め軸15の回転により
決定した後、回転機16を駆動させるとともに、位置決
め軸15を所定の位置まで徐々に押し込むことにより、
ドリル13を前進させて行った。
【0069】このように、補修装置7外でプラント2内
に保有される液体金属1から、不良部位4を隔離して補
修することにより、このような液体金属1の影響を受け
ることなく作業を進めることができ、また、このような
液体金属1への、不良部位4の切削加工で生じた切削屑
の流出が防止できるので、プラント2に与える影響も少
なく、良好な補修作業が可能となった。
【0070】なお、本実施例の補修作業に多様性を持た
せるには、ドリルによる機械的な補修手段のほかに、電
気的又は光学的な補修手段を可能にする必要があった。
しかし、液体金属は導電性を有しており、かつ不透明な
物質であるので、従来は液体金属中における電気的又は
光学的な補修は困難とされてきた。
【0071】本発明における、補修装置内の液体金属を
排除し、電気的又は光学的な手段による不良部位の補修
についての実施例を、以下に説明する。
【0072】本発明の第2実施例を、図2を用いて説明
する。図2は本実施例の液体金属中補修方法の説明図で
ある。なお、第2実施例以降の実施例で、装置の機能及
び構成が前出の実施例と同じ場合は、同一の符号を用い
た。
【0073】本実施例は、不活性ガスのガス圧力によ
り、補修装置7内に保有する液体金属を、補修装置7外
でプラント2内に保有される液体金属1中に排出した
後、補修する場合である。
【0074】本実施例では、補修装置用フランジ8にア
ルゴンガス供給配管25を取り付け、隔離箱10の構造
材料3に接触する部分には、前述の実施例と同様に液体
金属と共存性が良好で、補修装置7の主要部である隔離
箱10の材質より軟らかな純ニッケル製の緩衝材12を
用い、下端部には多孔質金属26を用いた。すなわち、
構造部材3における不良部位4の周辺部に緩衝材12が
密に接触するよう隔離箱10を設置した後、アルゴンガ
ス供給配管25から、アルゴンガス27を保護筒9及び
隔離箱10の各内部に供給した。
【0075】そして、アルゴンガス27の供給圧力を、
プラント2内のカバーガス圧力と液体金属1の液位差に
よる圧力との和よりも高めとなるように制御した。この
ようなガス供給圧力の制御により、補修装置7内の液体
金属は、多孔質金属26を通って、補修装置7外でプラ
ント2内に保有されている液体金属1中に排出され、補
修装置7内をアルゴンガス空間にすることができた。な
お、このような空間を形成した際、多孔質金属26から
微量のアルゴンガス27が放出されるが、これに対して
は、アルゴンガス圧力を高めることにより、所要のアル
ゴンガス空間を保有することができた。
【0076】このようにして、アルゴンガス空間が保有
できたので、切削加工用のドリル13(図1参照)の替
わりに、電気的な補修手段である溶接トーチ、又は光学
的な補修手段であるレーザー溶接工具からなる補修工具
28が挿入できるようになったので、それらの補修用具
28を用いて、溶接による補修を行った。
【0077】溶接トーチによる補修の場合は、補修用具
28を、補修装置7の外部に設置した溶接用の電源供給
装置29と金属被覆のMIケーブル30を介して接続し
た。一方、光学的な補修の場合は、電源供給装置29に
替えてレーザ光発信装置、MIケーブル30に替えて光
ケーブルを、それぞれ用いた。すなわち、液体金属中に
おける不良部位の補修は、機械的な補修だけでなく、電
気的又は光学的な補修が可能となった。
【0078】本発明における補修作業の内容を、図3を
用いて説明する。図3は本発明における補修作業の一連
の流れ図である。まず、構造部材に不良部位が生じてい
ないか否かを、従来の液体金属中超音波探傷装置により
検査し、不良部位を探索する。この検査で不良部位が検
出された場合、不良の程度に応じて補修・交換の判定を
行う。そして、補修が必要と判断された場合には、切削
加工又は溶接による補修方法を選定し、液体金属中に補
修装置を挿入する。
【0079】そして、必要に応じて不良部位近傍の補修
装置内ナトリウムを排出し、排出状態を確認した後、不
活性ガス中又はナトリウム中で補修を行い、検査装置に
より補修状態を検査し、結果が良好と判断されたときは
補修装置を撤去する。
【0080】一方、プラントの機器に発生した不良部位
が交換補修と判断された場合、交換の規模、例えばボル
トやビスなどの軽微な交換か、又は機器全体に関わる大
規模な交換かによって補修方法が異なる。
【0081】軽微な交換作業では、前述の第1実施例又
は第2実施例に示したような補修装置をプラント内に挿
入し、補修工具をドライバーやスパナなどに替えて、現
在使用中のボルトやビスを新しいものと交換する。そし
て、交換終了後に検査を行い、補修が完了した時点で補
修装置を撤去する。
【0082】他方、大規模な交換が必要と判断され、か
つ炉容器に関わる場合には、従来の技術の項で説明した
ように、炉心を退避させ、更に、ナトリウムを他の容器
に排出した後、不良発生機器をプラントから引き抜いて
補修作業に着手することになる。
【0083】このような本発明の方法を適用することに
より、炉心の退避、機器の引き抜き、付着ナトリウムの
洗浄、放射性物質の除染作業などが不要となり、作業工
程の大幅な簡略化が可能になった。
【0084】次に、本発明における、プラントの補修部
位に応じたアルゴンガス空間形成の方法や、より信頼性
の高い補修を行うための補修前処理装置、検査装置、又
はそれらの方法や装置による実施例を、以下に説明す
る。
【0085】本発明の第3実施例を、前出の図2を用い
て説明する。本実施例は、第2実施例の補修装置を用い
るが、第2実施例は、残存している液体金属をシール材
として使用する場合である。
【0086】本実施例では、第2実施例に示した方法に
より、アルゴンガス圧力を利用して、補修装置7内をア
ルゴンガス空間に替えた後、アルゴンガス供給配管25
から供給するアルゴンガス中に微量の酸素を混入して、
多孔質金属26の部分に残存している液体金属を酸化に
より固化させ、固化した酸化液体金属をシール材として
使用した。これによって、補修装置7内から補修装置7
外でプラント2内の液体金属1中へ放出されるガス量を
少なくすることができた。
【0087】補修後は、シール材となっている固化状の
酸化液体金属を、機械的に剥離し、プラント2内の液体
金属1中に浸漬した。液体金属1は酸素濃度が低く、か
つ純度管理されているので、酸化液体金属は還元され、
多孔質金属26は元の状態に復し、再使用が可能となっ
た。
【0088】本発明の第4実施例を、図4を用いて説明
する。図4は、本実施例における液体金属を局所的に固
化して機械的に除去する方法の説明図である。
【0089】本実施例は、プラント2のメンテナンスホ
ール6(図1参照)を利用して液体金属1中に挿入した
補修装置7のうち、隔離箱10が構造部材3と接触する
部位には、ニッケル製の緩衝材12を配設した場合であ
り、これらは、前述の実施例と同様であるが、本実施例
は、更に、隔離箱10の開口部11に、薄い仕切り板3
1を設け、プラント2内の液体金属1中への補修装置7
の挿入時に、補修装置7の内部に液体金属1が侵入しな
い構造とした場合である。
【0090】仕切り板31の外周には、外側に向かって
緩衝材12を設け、構造部材3、緩衝材12及び仕切り
板31によって囲まれた部分の液体金属32を、融点以
下にまで冷却して固化するための冷却管33を設けた。
【0091】そして、冷却管33を介して、液体金属3
2に、液体窒素や液体アルゴンなどの冷却材を吹きつけ
た。この吹きつけによって、液体金属32が固化したか
どうかの判定は、予め液体金属32に取り付けた熱電対
(図示省略)により、液体金属32の温度を計測するこ
とにより行った。
【0092】液体金属32の固化を確認した後、外部に
設置した回転機(図示せず)を駆動させ、回転機による
回転力を伝達軸17及びフレキシブルシャフト18を介
して切削工具34に伝えた。切削工具34は、伝達軸1
7を押し下げることにより回転しながら前進し、仕切り
板31、及び液体金属32の固化体を切削後、構造部材
3に生じている不良部位4を切削して補修した。
【0093】このように補修作業の開始直前まで、補修
工具を化学的に活性な液体金属と接触させることなく、
補修装置をプラントに設置することができるので、補修
装置の信頼性が向上する。
【0094】一方、電気的又は光学的な方法を用いて補
修を行う場合は、不良部位を溶融して行う接合補修とな
る。しかし、この場合、不良部位に液体金属が存在する
ときは、従来の技術の項で説明したように、溶融接合時
において、溶着金属が固化する際、液体金属が蒸発する
ため、溶接欠陥が生じる。次に、本発明における溶接補
修に関する実施例を、以下に説明する。
【0095】本発明の第5実施例を、図5を用いて説明
する。図5は、本実施例の溶接補修前に不良内に残存す
る液体金属を蒸発させて除去する方法の説明図である。
本実施例は、電気的又は光学的な補修の前処理として、
不良内に残存する液体金属を除去する場合である。
【0096】本実施例の装置は、保護筒9及び隔離箱1
0のほかに、構造部材3の表面及び不良部位4に付着残
存した液体金属を蒸発させ除去するための導管35、減
圧容器36及び補修装置7の外部に設置した減圧装置
(図示せず)によって構成されている。
【0097】本実施例では、残存した付着液体金属37
の除去を、次のようにして行った。すなわち、液体金属
1中に挿入した補修装置7内の液体金属を、前述のよう
にアルゴンガス圧力により排出して、補修装置7内をア
ルゴンガス空間にした。
【0098】次に、先端がシール機能を有する緩衝材1
2を有する減圧容器36を、下端部に接続したフレキシ
ブルな導管35を、隔離箱10の内部に配置した。減圧
容器36内を補修装置7の上方外部に設置した減圧装置
(図示せず)を稼働させることにより減圧した。これに
より、減圧容器36内における、構造部材3に付着して
いる付着液体金属37が蒸発し、除去された。また、付
着液体金属37が除去できたか否かは、導管35内のガ
スを分析することにより判断した。
【0099】このようにして、付着液体金属37を完全
に除去できるので、電気的又は光学的な補修装置をアル
ゴンガス空間内に挿入して、溶融接合の補修を行うこと
が可能となった。
【0100】本発明の第6実施例を、図6を用いて説明
する。図6は、本実施例における、上述のように付着し
た液体金属を安定な化合物にして除去する方法の説明図
である。
【0101】本実施例は、構造部材の表面に付着してい
る液体金属を、固化して機械的に除去する場合である。
なお、液体金属1としてナトリウムを用いた。
【0102】本実施例では、補修装置7内のナトリウム
を、不活性ガスにより排出した後、ガス注入管38から
微量の湿り蒸気を含む炭酸ガスを、隔離箱10内に注入
した。この場合、排出されずに残留していたナトリウム
と、注入ガスとが反応して一旦、炭酸水素ナトリウムが
生成された。
【0103】生成された炭酸水素ナトリウムは、不安定
な化合物であり、直ちに炭酸ナトリウムに変化した。炭
酸ナトリウムは、融点が851℃で粉末状であるため、
第1実施例におけるドリル13(図1参照)をブラシ3
9に替え、擦り落とすことにより除去した。なお、本実
施例は、液体金属1としてナトリウムを用いた場合であ
るが、他の液体金属についても、同様にして除去するこ
とができる。
【0104】以上、補修装置内の液体金属の排出、及び
構造材料に生じた不良部内微量の液体金属除去に関する
実施例について説明した。どの方法を採用するかは、プ
ラント構造材料に生じた不良の程度や発生位置、更には
温度や圧力などの補修環境を考慮して決定される。
【0105】本発明により、補修装置内の液体金属を排
出をした場合、補修作業が可能なまでに除去できたか否
かの判定が必要である。
【0106】液体金属の排出状況を確認する方法とし
て、第5実施例では、ガス分析法を用いた。本発明で
は、更に、液体金属排出後の状況を確認する他の方法、
補修の要否及び補修方法のガイダンスシステムを用い
た。
【0107】本発明の第7実施例を、図7を用いて説明
する。図7は、本実施例における目視観察により補修の
要否、補修の仕方を判断する方法の説明図である。
【0108】液体金属の排出された隔離箱10内に、フ
ァイバースコープ40を挿入し、その下端部には、上下
左右に移動できる反射鏡41を組み込んでおり、広範囲
を見渡せるようにしている。そして、排出後の状況、不
良の発生状況をファイバスコープ40を介してテレビカ
メラ(図示せず)でモニタし、運転員が目視により観察
して補修の要否、補修方法を判断できるようにしてい
る。
【0109】しかし、不良部位4が微細な亀裂である場
合、亀裂内部の液体金属が排出できたか否かを、亀裂自
体を目視により判断することは困難である。しかし、こ
のような場合でも、液体金属の確実な排出を、次のよう
にして検出した。すなわち、液体金属を保有したまま、
プラントの補修をする場合、プラント全体が高温に保た
れ、ナトリウムを例にとると、温度約300℃における
蒸発速度は、0.12mg/(cm2・s)となる。すなわ
ち、液体金属の蒸発量が検出できるので、この検出によ
り、排出状況を判断した。
【0110】本発明の第8実施例を、図8を用いて説明
する。図8は、液体金属のベーパの有無を確認する他の
方法の説明図である。
【0111】液体金属のベーパの検出については、第7
実施例でも説明したが、本実施例は、検出装置に、光学
的な測定系を利用した場合である。
【0112】本実施例の検出装置は、電極42と検出器
43とにより構成されている。本実施例では、例えば、
液体金属としてナトリウムを用いて、ナトリウムのベー
パを検出する場合、電極42の二極間に波長3000Å
より長波長の光を照射し、そのときの反射率を検出器4
3により測定した。
【0113】この反射率は、液体金属の種類によって独
自の特性を示すことが知られており、種々の測定手法に
基づいた光学定数が得られている。したがって、反射率
の測定結果と光学定数とを比較し、液体金属ベーパの有
無を確認することができた。
【0114】また、電極42の二極間に高電圧を印加し
て、液体金属のベーパをプラズマ化し、このときに発生
するプラズマの波長を検出器で測定する方法や、レーザ
光を照射して吸収係数を求める方法もあり、排出状況の
確認手段として、これらを利用することもできる。
【0115】これまで説明した補修方法は、第1実施例
を除いて、液体金属中に挿入した補修装置内の液体金属
を、排出して使用する場合である。しかし、補修の部位
及び方法によっては、排出不要又は排出の不可能な場合
が予想される。次に、本発明における、液体金属を排出
しないで行った、不良部位の検出と補修規模の判断・表
示についての実施例を、以下に説明する。
【0116】本発明の第9実施例を、図9を用いて説明
する。図9は、本実施例における超音波を利用した不良
部位の検出などの方法の説明図である。
【0117】本実施例では、隔離箱10の内部には、超
音波の発信器44と、反射波を検出する受信器45とを
設置し、外部には発信器44と受信器45の制御用ケー
ブル46、受信器の信号を伝達する信号用ケーブル4
7、判断装置48、表示装置49を設置した。
【0118】発信器44は、制御用ケーブル46を介し
て制御され、超音波が発信される。発信された超音波
は、液体金属1を介して構造部材3へ到達し、構造部材
3で反射する。反射した超音波は、受信器45で受信さ
れ、受信信号が信号用ケーブル47を介して伝送される
ようにした。
【0119】信号用ケーブル47は、受信信号を処理し
て補修要否を判断するための判断装置48及び運転員へ
知らせるための表示装置49に接続されている。不良部
位4からの受信信号は、正常な部位における反射波に対
して反射角度が異なるため、受信器45の受信位置にお
ける検出までの時間に差が生じる。この差に関する情報
を基にした判断装置48により、発生した不良部位4の
規模を判定し、予め入力しておいた許容条件と比較して
補修の要否を判断して表示装置49で表示し、運転員に
ガイダンスを与えた。
【0120】本発明の第10実施例を、図10を用いて
説明する。図10は、本実施例における超音波を用いた
他の検出方法の説明図である。
【0121】本実施例の基本的な構成は、第9実施例と
同じであるが、本実施例は、起動性を持たせるために隔
離箱を用いない場合であり、超音波検出装置50、判断
装置48、ガイダンス装置49などにより構成されてい
る。
【0122】超音波検出装置50には、発信器と受信器
とを一体構造にして収納し、判断装置48には、設計時
の腐食、摩耗及び亀裂深さの許容値を予め入力してお
り、不良部位4を検出したとき、判断装置48により、
迅速に許容値と比較・判断し、表示装置49により運転
員にガイダンスを与えるようにした。
【0123】本発明の第11実施例を、図11を用いて
説明する。図11は、本実施例における、第10実施例
のガイダンスの質を高め、信頼性の高い補修を可能にす
る方法の説明図である。すなわち、本実施例は、原子力
発電所間に通信ネットワークシステムを構成して情報を
収集し、補修に関する信頼性の高いガイダンスを与える
場合である。
【0124】本実施例では、日本科学技術情報センター
(JICST)などによって分類されている統一技術用
語により、補修に関する検索可能なデータベースを作成
し、A原子力発電所51、B原子力発電所52及びC原
子力発電所53とも、各自の補修経験をコンピュータに
入力しておき、新たな補修を経験した場合、データベー
スの更新を確実に実施した。
【0125】上述の各原子力発電所に設置しているコン
ピュータ同士を、通信ネットワーク回線で連絡して、通
信ネットワークシステムを構築することにより、例え
ば、A原子力発電所51で突発的な補修が必要となった
場合、B原子力発電所52及びC原子力発電所53にお
ける既存又は最新の補修方法、補修技術、ノウハウなど
のデータを、瞬時に取り出して利用することを可能にし
た。
【0126】液体金属中における補修方法は、構造部材
に生じた不良の程度によって決定されるが、不良の主な
ものとしては、前述した腐食や摩耗のほかに、貫通亀裂
や未貫通亀裂、リベットやボルトの脱落などが挙げられ
る。
【0127】補修装置は、これらの不良事象に対応が可
能である必要があるが、不良事象の補修は、溶接、肉盛
やプラグの溶融接合などによる補修と、切削、ストップ
ホール、リベット、又はボルトの取り付けなどの機械的
な補修に大別できる。
【0128】ここで、プラグの溶融接合とは、例えば、
熱交換器の伝熱管において、リークが生じ使用不能にな
った場合、管の出入り口に栓をする補修のことである。
また、ストップホールは、発生した亀裂先端部分に穴を
あけ、応力集中を緩和してその後の進展を防止する補修
のことである。
【0129】本発明における、機械的な補修について
は、第6実施例で説明しているので、溶融接合による補
修の実施例を、以下に説明する。
【0130】本発明の第12実施例を、図12を用いて
説明する。図12は、本実施例における、光学的な手段
を用いて溶融接合補修を行う方法の説明図である。
【0131】本実施例は、光学的な補修手段として、レ
ーザ溶接工具54を使用した場合である。すなわち、ガ
ス空間にしている隔離箱10内に、レーザ制御装置(図
示せず)と、光ファイバーケーブル(図示せず)を介し
て接続されたレーザ溶接工具54を挿入した場合であ
る。
【0132】構造部材3に生じた不良部位4の溶融接合
による補修は、不活性ガス55により、隔離箱10及び
不良部位4から液体金属1を除去した後、レーザ溶接工
具54の周辺から不活性ガス55を吹きつけながら、レ
ーザ光56を照射して行った。この場合、レーザ光の照
射で構造材料3に熱が加わるので、吹きつけた不活性ガ
ス55が、緩衝材12の部分から多少漏洩するが、隔離
箱10内の不活性ガス圧力を高めることにより、ガス空
間を維持した。
【0133】本発明の第13実施例を、図13を用いて
説明する。図13は、本実施例における電気的な手段を
用いて溶融接合補修を行う方法の説明図であり、本実施
例は、電気的な補修手段として、アーク溶接装置を用い
た場合である。
【0134】本実施例は、不活性ガス55によりガス空
間に保持された隔離装置10内に、アーク溶接制御装置
(図示せず)に電源ケーブル(図示せず)を介して接続
したアーク溶接工具57を挿入し、第12実施例のレー
ザ溶接装置をアーク溶接装置に替えた場合である。
【0135】微細な不良部位に対しては、構造部材3を
溶かすだけで溶接ビード58が形成され、補修すること
ができた。また、肉盛が必要な場合には、溶接棒59を
供給して補修を行った。
【0136】なお、上述の第12実施例及び第13実施
例は、当て板やプラグを持ち込んで行われる溶接補修の
場合にも適用することができる。
【0137】上述のような補修を行った後は、検査が必
要である。この検査については、超音波を利用した方法
を、第9実施例及び第10実施例により説明した。更
に、本発明における他の検査方法を、以下に説明する。
【0138】本発明の第14実施例を、図14を用いて
説明する。図14は、本実施例におけるX線を利用した
補修後の検査方法の説明図である。
【0139】本実施例は、隔離箱10内に収納していた
補修具を引き抜いた後、X線照射装置60を挿入した場
合である。フィルム61は、液体金属1と接触しない、
構造部材3の外側に取り付けている。検査は、X線照射
装置60から照射されたX線を、補修後の構造部材3を
透過させてフィルム61に当てた後、フィルム61を取
り出し、現像することにより行った。
【0140】本発明の第15実施例を、図15を用いて
説明する。本実施例の補修条件の決定方法の説明図であ
る。本実施例は、第14実施例により、構造部材3に生
じている不良部位4の規模が確認できている場合に、実
施するものである。
【0141】本実施例では、模擬不良を有する試験体6
2を隔離箱10内に挿入した。試験体62の材質は、構
造材料3と同一とした。補修条件は、前述したガイダン
スシステム、又は運転員の目視観察で判断して設定し、
不良部位4の近傍に試験体62を設置して、試験体62
を補修した。
【0142】補修後に試験体62を取り出して、補修状
況を検査し、補修後の試験体62に不具合が生じている
場合、この操作を繰り返すことにより、補修条件の最適
化を図った。そして、最適条件が得られた時点で、構造
材料3に生じた不良部位4を補修した。
【0143】このように第14実施例と第15実施例と
に示した方法により、不良の部位及び規模の的確な把握
と、最適な補修条件の選定とが可能となり、信頼性の高
い補修を実現することができた。
【0144】これまで説明した実施例は、いずれもメン
テナンスホールから補修装置が挿入されて固定され、補
修装置の電源は、補修装置の外部に設置された場合であ
る。これに対して、本発明における、検査・補修装置に
自立電源を搭載して、補修範囲の拡大を図った実施例
を、以下に説明する。
【0145】本発明の第16実施例を、図16を用いて
説明する。図16は、本実施例の電源を搭載した検査・
補修装置による液体金属中補修方法の説明図である。本
実施例の検査・補修装置は、検査・補修装置本体63、
自立電源64、スクリュー65、検査・補修部66、回
収用ワイヤ67、浮子68、ガスボンベ69、遠隔操作
回路(図示せず)などによって構成されている。
【0146】検査・補修装置本体63に組み込まれた機
器用電源は、全て自立電源64から供給されている。検
査・補修装置本体63は、メンテナンスホール6(図1
参照)からプラント2(図1参照)内の液体金属1中に
挿入され、検査・補修装置本体63の液体金属1中にお
ける移動は、スクリュー65の回転で行った。
【0147】検査・補修装置本体63及びスクリュー6
5は、遠隔操作回路を介することによりプラント2外か
らの遠隔制御を可能にしている。検査・補修装置本体6
3における検査・補修部66に、超音波検査装置(図示
せず)を搭載しており、不良部位4の有無の検査時に
は、検査・補修装置本体63の先端部分に取り付けてい
る緩衝材12を構造部材3に接触させながら、検査・補
修装置本体63を移動させた。そして、不良部位4の検
出時には、スクリュー65の回転速度を制御して、検査
・補修装置本体63を静止させた。
【0148】その後、ガスボンベ69から検査・補修装
置本体63内にアルゴンガスを供給し、ガス空間を形成
させた後、検査・補修部66により電気的な補修を行っ
た。補修後は、アルゴンガスの供給を停止して、超音波
検査装置により補修状況を検査し、補修完了後は浮子6
8によって支持されている回収用ワイヤ67を巻き取
り、検査・補修装置本体63をプラント2の外へ回収し
た。
【0149】本発明の第17実施例を、図17を用いて
説明する。図17は、本実施例の電源を搭載した補修装
置による液体金属中の他の補修方法の説明図である。本
実施例の装置は、大別して、液体金属1中を遠隔操作に
よって移動できる移動装置70と、プラント2(図1参
照)の側部に設けられたホームステーション71とから
なっている。
【0150】移動装置70は、充電可能な蓄電池72、
スクリュー65、移動制御回路73、及び連結装置74
から構成されている。ホームステーション71は、移動
装置70の格納箇所であり、ホームステーション71に
は、液体金属1中とカバーガス75中との間を昇降する
昇降装置76、充電端子77からなり、移動可能な検査
用センサ78及び補修工具79を備えている。
【0151】移動装置70が、ホームステーション71
で待機する場合は、移動装置70を昇降装置76によっ
て液体金属1からカバーガス75中へ引き上げ、充電端
子77に接続して、蓄電池71の充電を行っている。ま
た、必要に応じて、移動装置70が液体金属1中を降下
し、連結装置74により検査用センサ78と接続し、遠
隔操作により液体金属1中を移動して、構造材料3の不
良の有無を検査している。
【0152】また、移動装置70は、不良部位4を検出
して、不良の部位と規模とを明確にした後、ホームステ
ーション71に戻り、連結装置74から検査用センサ7
8が取り外された後、補修工具79が選定されて取り付
けられ、不良部位4まで再移動して補修を行っている。
そして、補修完了後は、ホームステーション71に戻っ
て待機している。
【0153】上述の第16実施例又は第17実施例のよ
うに、自立電源を検査・補修装置又は移動装置に搭載す
ることにより、検査及び補修の各範囲が拡大するととも
に、迅速な対応が可能となる。
【0154】
【発明の効果】本発明によれば、プラント補修時におけ
る、液体金属の貯蔵タンクへの移送、構造部材の分解・
引き抜き・洗浄・再組み立てなど、補修前後の作業工程
が不要となり、プラント再起動までの期間を大幅に短縮
することができる。
【0155】また、構造部材の分解・引き抜き工程が不
要であるため、補修用スペースのコンパクト化、費用の
削減、放射性廃棄物の縮小、及び作業員の被曝低減化を
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の説明図である。
【図2】本発明の第2実施例及び第3実施例の説明図で
ある。
【図3】本発明の液体金属中補修の流れ図である。
【図4】本発明の第4実施例の説明図である。
【図5】本発明の第5実施例の説明図である。
【図6】本発明の第6実施例の説明図である。
【図7】本発明の第7実施例の説明図である。
【図8】本発明の第8実施例の説明図である。
【図9】本発明の第9実施例の説明図である。
【図10】本発明の第10実施例の説明図である。
【図11】本発明の第11実施例の説明図である。
【図12】本発明の第12実施例の説明図である。
【図13】本発明の第13実施例の説明図である。
【図14】本発明の第14実施例の説明図である。
【図15】本発明の第15実施例の説明図である。
【図16】本発明の第16実施例の説明図である。
【図17】本発明の第17実施例の説明図である。
【図18】従来の液体金属利用プラント補修方法の流れ
図である。
【符号の説明】
1…液体金属、2…プラント、3…構造部材、4…不良
部位、5…プラント用蓋、6…メンテナンスホール、7
…補修装置、8…補修装置用フランジ、9…保護筒、1
0…隔離箱、11…開口部、12…緩衝材、13…ドリ
ル、14…固定用軸、15…位置決め軸、16…回転
機、17…伝達軸、18…フレキシブルシャフト、19
…アーム、20…軸受、21…軸受、22…連結器、2
3…角度補正器、24…フレキシブルジョイント、25
…アルゴンガス供給配管、26…多孔質金属、27…ア
ルゴンガス、28…補修用具、29…電源供給装置、3
0…MIケーブル、31…仕切り板、32…液体金属、
33…冷却管、34…切削工具、35…導管、36…減
圧容器、37…付着液体金属、38…ガス注入管、39
…ブラシ、40…ファイバスコープ、41…反射鏡、4
2…電極、43…検出器、44…発信器、45…受信
器、46…制御用ケーブル、47…信号用ケーブル、4
8…判断装置、49…表示装置、50…超音波検出装
置、51…A原子力発電所、52…B原子力発電所、5
3…C原子力発電所、54…レーザ溶接装置、55…不
活性ガス、56…レーザ光、57…アーク溶接工具、5
8…溶接ビード、59…溶接棒、60…X線照射装置、
61…フィルム、62…試験体、63…検査・補修装置
本体、64…自立電源、65…スクリュー、66…検査
・補修部、67…回収用ワイヤ、68…浮子、69…ガ
スボンベ、70…移動装置、71…ホームステーショ
ン、72…蓄電池、73…移動制御回路、74…連結装
置、75…カバーガス、76…昇降装置、77…充電端
子、78…検査用センサ、79…補修工具。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安部 英昭 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発本部内 (72)発明者 吉成 康男 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 池内 壽昭 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内 (72)発明者 原田 清 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所日立工場内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体金属を内部に保有している液体金属
    利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液
    体金属中補修方法において、前記液体金属利用プラント
    の内部に保有されている、前記不良部位及び前記不良部
    位の近傍の液体金属と、他の部分の液体金属とを隔離し
    て、前記不良部位を補修する液体金属中補修方法。
  2. 【請求項2】 液体金属を内部に保有している液体金属
    利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液
    体金属中補修方法において、前記液体金属利用プラント
    の内部に保有されている、前記不良部位及び前記不良部
    位の近傍の液体金属を排除して、前記不良部位を補修す
    る液体金属中補修方法。
  3. 【請求項3】 液体金属を内部に保有している液体金属
    利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液
    体金属中補修方法において、前記不良部位の検出と補修
    規模の判断機能とを備え、補修の要否及び方法を判断
    し、運転員にガイダンスを与える液体金属中補修方法。
  4. 【請求項4】 液体金属を内部に保有している液体金属
    利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液
    体金属中補修装置において、前記液体金属利用プラント
    の上部に設置されているプラント開口部から前記液体金
    属利用プラントの内部の液体金属中に、液体金属に前記
    液体金属利用プラントの上部の空気が接触することなく
    挿入されている保護筒、前記保護筒の下端に取り付けら
    れ、前記不良部位に面する部分に開口部を有し、前記開
    口部の周上に外側に向けて緩衝材が取り付けられ、前記
    緩衝材が前記液体金属利用プラントの構造部材における
    前記不良部位の周辺と接触する隔離箱、前記隔離箱の内
    部に収納され前記不良部位を補修する補修工具、及び前
    記保護筒の上方からの遠隔操作によって駆動される前記
    補修工具の位置調整機構と前進機構と回転運動伝達機構
    を備えていることを特徴とする液体金属中補修装置。
  5. 【請求項5】 前記保護筒及び前記隔離箱の各内部に不
    活性ガスを供給する不活性ガス供給機構、前記隔離箱の
    開口部の周上に外側に向けて取り付けられている緩衝材
    のうちの下側部分に、前記隔離箱内の液体金属を通過さ
    せて外部に排出する多孔質金属、及び前記不良部位を補
    修する溶接ビーム照射機構を備えている請求項4記載の
    液体金属中補修装置。
  6. 【請求項6】 前記保護筒及び前記隔離箱の各内部のう
    ちの少なくともいずれかに、電気的、機械的又は光学的
    な前記不良部位の補修手段のうちの少なくとも1つを備
    えている請求項4又は請求項5記載の液体金属中補修装
    置。
  7. 【請求項7】 前記開口部に、前記開口部より内側の前
    記隔離箱の内部と、前記開口部の外側とを遮断する仕切
    り板、及び前記仕切り板の外側に液体窒素又は液体アル
    ゴンを導通して、前記仕切り板の外側に保有される液体
    金属を冷却し固体化する冷却管を備えている請求項4記
    載の液体金属中補修装置。
  8. 【請求項8】 前記保護筒の上方空間部に一端を有し、
    前記保護筒と前記隔離箱とを通って、他端が前記隔離箱
    の開口部に達しているフレキシブルな導管、前記一端に
    接続している減圧装置、及び前記他端に接続し、先端周
    囲にシール材を取り付けた減圧容器を備えている請求項
    5記載の液体金属中補修装置。
  9. 【請求項9】 前記冷却管により前記仕切り板の外側に
    保有される液体金属を冷却して変化させた固体粉末状の
    酸化液体金属を、機械的に除去するワイヤブラシを備え
    ている請求項7記載の液体金属中補修装置。
  10. 【請求項10】 前記不良部位の近傍、又は前記不良部
    位の補修可能範囲から外部への液体金属の排除確認用に
    前記隔離箱の内部に挿入されているファイバスコープ、
    前記ファイバスコープに一端が接続し前記液体金属利用
    プラントの上方に設置されたモニターテレビ、波長30
    00Åより長波長の光照射機構、液体金属の種類に応じ
    た反射率測定、弁別機構、液体金属ベーパをプラズマ化
    するための電極、及び液体金属ベーパのプラズマ波長検
    出器の検査用具のうちの少なくとも一つを備えている請
    求項4又は請求項5記載の液体金属中補修装置。
  11. 【請求項11】 前記不良部位の補修条件を事前に把握
    するため、前記不良部位が生じている構造材料と同一組
    成を有する試験片を、前記不良部位、又は前記不良部位
    の近傍に取り付け、実際の補修環境条件で補修を行った
    後、前記液体金属利用プラントから取り出して補修状態
    を検査し、補修良否の判断をする手段を有する請求項1
    0記載の液体金属中補修装置。
  12. 【請求項12】 前記検査用具により得られたデータ、
    前記データの設計時に設定した許容値との比較による許
    容可否判断装置、前記許容可否判断装置による判断結果
    を表示するガイダンス装置、及び原子力発電所間に設置
    され前記ガイダンス装置に表示された内容の通信手段を
    有する原子力発電所間に設置されたデータ通信用ネット
    ワークシステムのうちの少なくとも1つを備えている請
    求項10記載の液体金属中補修装置。
  13. 【請求項13】 液体金属を内部に保有する液体金属利
    用プラントを構造部材に発生した不良部位を補修する液
    体金属中補修装置において、前記不良部位を補修する補
    修工具、前記不良部位の補修前後に使用する検査工具、
    前記補修工具の駆動用電源、前記補修工具と前記検査工
    具との少なくともいずれかが液体金属中を移動するため
    の移動装置、前記移動装置を前記液体金属利用プラント
    の外部から操作する遠隔操作装置、前記補修工具・前記
    検査工具・前記移動装置・前記遠隔操作装置の駆動用電
    源、前記液体金属利用プラントの内部に設置した、前記
    移動装置・前記補修工具・前記検査工具の保管用の保管
    エリア、及び前記保管エリアに設置した前記駆動用電源
    の充電装置を備えている液体金属中補修装置。
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Cited By (6)

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CN104128738A (zh) * 2014-06-30 2014-11-05 天津钢铁集团有限公司 悬挂输送机c型钩的修复方法
JP2015071168A (ja) * 2013-10-01 2015-04-16 三菱重工業株式会社 レーザ切断装置
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