JP3595605B2 - 液体金属中補修方法及び補修装置 - Google Patents

液体金属中補修方法及び補修装置 Download PDF

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    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、液体金属中補修方法及び補修装置に係り、特に高速増殖炉、液体金属ヒートパイプ又はリチウム冷却核融合などの液体金属中補修方法及び補修装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液体金属利用プラント(以下、プラントと略称する。)で利用される液体金属は、その多くが熱輸送媒体となるもので、水銀、ナトリウム、カリウム、リチウム及びこれらの合金類であるアルカリ金属類が多く、これらは低融点から高沸点までの広い温度範囲にわたって液状にある。アルカリ金属類は、化学的に活性であり、大気中に放置した場合は、酸素や水分と激しく反応して高熱を発するため、大気と遮断して用いられるのが一般的である。
【0003】
代表的なプラントには、ナトリウムを冷却材に用いた高速増殖炉がある。ここでは、高速増殖炉を例にとり、高速増殖炉の構成材料に生じた不良部位の補修作業、すなわち修理及び交換に関する従来技術について、以下に説明する。ただし、補修作業は、検査作業と密接に関係するものであるため、まず高速増殖炉の検査作業の現状から説明する。
【0004】
高速増殖炉は、長期の運用に耐えられるよう、十分に考慮して設計・製作される。しかし、運用年数の経過に伴って、初期の計画と異なる、運転や運用環境が継続されたり、製造時には不明であった局所的な残留応力の顕在化、また変更・交換した部位の不良化などによって、予想しなかった亀裂や故障の発生することがある。
【0005】
このような事態が発生した場合、運転を異常停止することになるため、これの予防保全の目的で、高速増殖炉には運転中の日常点検や運転を停止して行う定期検査が義務付けられている。
【0006】
高速増殖炉を用いたプラントの日常点検では、主に運転員による巡回やテレビカメラによる監視が行われ、定期検査ではナトリウムと接触する機器・配管などで、外部から作業員のアクセスが可能な部位については、調音棒による異常音発生の確認や、片手ハンマーを用いたボルト・ナット類の緩みの点検を行い、放射線強度が高いなどにより、アクセスの不可能な部位については、作業用ロボットによる超音波やX線診断が行われている。
【0007】
また、ナトリウムと直接接触しない稼働機器は、その重要度に従って分類され、分解点検期間及び交換期間等を定めて保守が行われ、プラント運用期間中の健全性及び安全性が確保されている。
【0008】
しかし、予想しなかった亀裂発生や故障などの不具合の起こることがあり、特に、原子炉容器、炉内の各種機器、又は1次冷却系主配管などの、ナトリウムと接触する部位に、何らかの原因で生じた亀裂、摩耗による減肉、ビスの落下やねじの緩みなどにより生じた不具合については、高放射線環境化で、しかも活性なナトリウムを除去して、補修を行うことになる。
【0009】
このような高速増殖炉を用いたプラントの保守・点検装置に関連した従来技術が、特開平2−218995号公報、特開平3−223700号公報、及び特開平4−204093号公報に開示されている。
【0010】
また、特開平5−31591号公報、特開平3−146268号公報及び特開昭63−168278号公報には、軽水炉を対象にした原子炉容器内における補修装置について開示されている。
【0011】
しかし、前者の公知例は、補修作業については開示されておらず、後者の公知例は、水中での溶接装置に関するものであり、補修のための機械加工装置、及び機械加工装置を用いた補修方法については開示されていない。
【0012】
更に、後者の公知例は、水中での溶接作業を対象としているため、次のような場合の対策については考慮されていない。すなわち、不良部位に液体金属が残留したまま溶接した場合、構成材料における溶融金属内に液体金属の蒸気泡が形成され、この溶融金属が固化するときの凝縮によって微小空間が形成されたり、表面から放出されて微小欠陥を生じるという、特有な現象が発生するが、この対策については考慮されていない。
【0013】
このため、液体金属中における溶接による補修作業は、従来では困難とされてきた。したがって、従来では、この補修作業は別の方法によって行われているが、従来法による一般的な不良部位の補修方法を、図18を用いて説明する。
【0014】
図18は、従来の方法による補修部位の補修作業の例の流れ図である。すなわち、補修作業は、補修部位に保有されているナトリウムを貯蔵用タンクなどへ移送・隔離した後、補修部位を有する構造物を解体してプラントから取り出し、構造物の表面に付着しているナトリウムや放射性物質を洗浄・除去した後に行われている。
【0015】
しかし、図18における左側の流れ図で示される原子炉容器の場合は、原子炉停止後も核分裂生成物の崩壊熱が発生するため、ナトリウムを排出させることが不可能である。このため、原子炉容器にナトリウムを保有したまま、原子炉容器の外壁側から超音波探傷法などにより原子炉容器内構造部材の検査が行われる。
【0016】
そして、この検査によりナトリウム中の構造部材に不良部位が検出され、補修が必要と判断された場合は、原子炉容器内の炉心燃料を、一旦、引き抜いて、崩壊熱の冷却手段を備えた安全な場所へ退避させた後、原子炉容器内のナトリウムは、貯蔵用タンクなどへドレンされ、隔離される。
【0017】
また、図18における右側の流れ図には、原子炉容器外における冷却系の補修手順を示している。この冷却系では、まずナトリウムをドレンし隔離した後、冷却系の配管・弁や、中間熱交換器、機械式ポンプなどの機器類の検査を行う。
【0018】
そして、この検査により、不良部位が検出され、補修が必要と判断された場合は、上述のようなナトリウム排出後の原子炉容器内構造部材を含めて、以下の手順で補修を行われる。
【0019】
すなわち、原子炉から不良部位を有する構造部材、又は不良箇所発生機器を引き抜いて、これらの表面に付着しているナトリウム及び放射性物質を洗浄・除去した後、不良部位又は不良箇所を詳細に検査し、補修又は交換の要否について判定を行う。
【0020】
そして、補修で対処する場合には、切削、穴あけ、溶接、当て板などの加工又は補強に適した補修方法を選定し、補修する。また、交換で対処する場合には、不良部位を撤去し、新しいものと交換する。これらの補修作業の終了後は、補修部位の検査を行い、不良部位発生前の正常な機能を有することを確認し、原子炉に再設置する。なお、炉心燃料を原子炉容器外に退避させた場合は、炉心に再装荷して運転を再開する。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
上述のような従来技術では、補修作業の前作業として原子炉からナトリウムを排出した後、構造部材を解体・洗浄するが、場合によっては除染作業が必要となる。補修作業終了後における運転再開時には、解体した構造部材を組み立て、目標とする性能が得られることを確認して、原子炉内への再装荷という手順を踏まなければならない。したがって、作業行程が長期化する。
【0022】
また、上述のような一連の補修作業を行うには、作業場所の確保、放射線防護対策、及び付着ナトリウムの急激な酸化反応防止対策が必要となる。したがって、従来の補修方法では、補修期間の長期化、作業空間の増大など、安全性及び経済性の面で好ましくない要素が、多く含まれている。
【0023】
本発明の目的は、プラントの構造部材に発生した不具合箇所を、プラントに液体金属を保有したままで補修することができ、補修期間の短縮、作業空間の縮小、及び安全性と経済性が、それぞれ向上する液体金属中補修方法及び補修装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、次のようにして達成することができる。
【0025】
(1)液体金属を内部に保有している液体金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液体金属中補修方法において、液体金属利用プラントの内部に保有されている、不良部位及び不良部位の近傍の液体金属と、他の部分の液体金属とを隔離して、不良部位を補修すること。
【0026】
(2)液体金属を内部に保有している液体金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液体金属中補修方法において、液体金属利用プラントの内部に保有されている、不良部位及び不良部位の近傍の液体金属を排除して、不良部位を補修すること。
【0027】
(3)液体金属を内部に保有している液体金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液体金属中補修方法において、不良部位の検出と補修規模の判断機能とを備え、補修の要否及び方法を判断し、運転員にガイダンスを与えること。
【0028】
(4)液体金属を内部に保有している液体金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液体金属中補修装置において、液体金属利用プラントの上部に設置されているプラント開口部から液体金属利用プラントの内部の液体金属中に、液体金属に液体金属利用プラントの上部の空気が接触することなく挿入されている保護筒、保護筒の下端に取り付けられ、不良部位に面する部分に開口部を有し、開口部の周上に外側に向けて緩衝材が取り付けられ、緩衝材が液体金属利用プラントの構造部材における不良部位の周辺と接触する隔離箱、隔離箱の内部に収納され不良部位を補修する補修工具、及び保護筒の上方からの遠隔操作によって駆動される補修工具の位置調整機構と前進機構と回転運動伝達機構を備えていること。
【0029】
(5)(4)において、保護筒及び隔離箱の各内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給機構、隔離箱の開口部の周上に外側に向けて取り付けられている緩衝材のうちの下側部分に、隔離箱内の液体金属を通過させて外部に排出する多孔質金属、及び不良部位を補修する溶接ビーム照射機構を備えていること。
【0030】
(6)(4)又は(5)において、保護筒及び隔離箱の各内部のうちの少なくともいずれかに、電気的、機械的又は光学的な不良部位の補修手段のうちの少なくとも1つを備えていること。
【0031】
(7)(4)において、開口部に、開口部より内側の隔離箱の内部と、開口部の外側とを遮断する仕切り板、及び仕切り板の外側に液体窒素又は液体アルゴンを導通して、仕切り板の外側に保有される液体金属を冷却し固体化する冷却管を備えていること。
【0032】
(8)(5)において、保護筒の上方空間部に一端を有し、保護筒と隔離箱とを通って、他端が隔離箱の開口部に達しているフレキシブルな導管、一端に接続している減圧装置、及び他端に接続し、先端周囲にシール材を取り付けた減圧容器を備えていること。
【0033】
(9)(7)において、冷却管により仕切り板の外側に保有される液体金属を冷却して変化させた固体粉末状の酸化液体金属を、機械的に除去するワイヤブラシを備えていること。
【0034】
(10)(4)又は(5)において、不良部位の近傍、又は不良部位の補修可能範囲から外部への液体金属の排除確認用に隔離箱の内部に挿入されているファイバスコープ、 ファイバスコープに一端が接続し液体金属利用プラントの上方に設置されたモニターテレビ、波長3000Åより長波長の光照射機構、液体金属の種類に応じた反射率測定、弁別機構、液体金属ベーパをプラズマ化するための電極、及び液体金属ベーパのプラズマ波長検出器の検査用具のうちの少なくとも一つを備えていること。
【0035】
(11)(10)において、不良部位の補修条件を事前に把握するため、不良部位が生じている構造材料と同一組成を有する試験片を、不良部位、又は不良部位の近傍に取り付け、実際の補修環境条件で補修を行った後、液体金属利用プラントから取り出して補修状態を検査し、補修良否の判断をする手段を有すること。
【0036】
(12)(10)において、検査用具により得られたデータ、データの設計時に設定した許容値との比較による許容可否判断装置、許容可否判断装置による判断結果を表示するガイダンス装置、及び原子力発電所間に設置されガイダンス装置に表示された内容の通信手段を有する原子力発電所間に設置されたデータ通信用ネットワークシステムのうちの少なくとも1つを備えていること。
【0037】
(13)液体金属を内部に保有する液体金属利用プラントを構造部材に発生した不良部位を補修する液体金属中補修装置において、不良部位を補修する補修工具、不良部位の補修前後に使用する検査工具、補修工具の駆動用電源、補修工具と検査工具との少なくともいずれかが液体金属中を移動するための移動装置、移動装置を液体金属利用プラントの外部から操作する遠隔操作装置、補修工具・検査工具・移動装置・遠隔操作装置の駆動用電源、液体金属利用プラントの内部に設置した、移動装置・補修工具・検査工具の保管用の保管エリア、及び保管エリアに設置した駆動用電源の充電装置を備えていること。
【0038】
【作用】
本発明では、プラントの構造部材における不良部位の補修を、液体金属中で行うので、液体金属のドレン、構造部材の解体・取り出し・洗浄・再組み立てなどの作業工程が削減され、プラントの再起動までの期間が短縮され、場合によっては、プラントが稼働している状態において補修することができる。
【0039】
また、取り出した構造部材に付着した化学的に活性な液体金属の洗浄作業や放射性物質の除染作業、更には洗浄廃液処理作業が縮小され、作業員の被爆低減化が可能になる。
【0040】
本発明における作用を列挙すると、次のとおりである。
【0041】
(1)不良部位を含む周辺の液体金属が、周辺外部におけるプラント内の液体金属から隔離され、不良部位を含む周辺は、周辺外部の液体金属の流動や熱による影響を受けにくいので、安定した補修作業環境を維持することができる。また、補修時に生じた切粉などの、周辺外部の液体金属への混入を防止することができる。
【0042】
(2)不良部位を含む周辺から周辺外部の液体金属中へ液体金属が排出されるので、作業環境がガス雰囲気となり、不良部位の補修作業を容易に行うことができる。
【0043】
(3)保護筒及び隔離箱の少なくとも一つの内部に保有されている液体金属が、不活性ガスの圧力により、その外部の液体金属中に排除されるので、液体金属の排除に機械的な稼働部を必要とせず、システムの簡素化を図ることができ、また、不良部位の微細な亀裂に侵入している液体金属を完全に除去することができる。
【0044】
(4)不良部位を含む周辺の液体金属が冷却により固化されるので、液体金属の除去と、構造部材における不良部位の切削補修とを一元化処理することができる。
【0045】
(5)保護筒及び隔離箱の少なくとも一つの内部に保有されている液体金属が排除された後、隔離箱開口部の緩衝材と、不良部位周辺の構造部材とが接触する部分に残留する液体金属を冷却して固化させるので、この液体金属がシール機能を有することになり、保護筒及び隔離箱を不活性ガス空間に保つことに効果がある。
【0046】
(6)液体金属を化合物とすることにより融点が上昇するので、特殊な冷却手段を使用しないで、液体金属を固化することができる。
【0047】
(7)隔離箱内の液体金属の排除の確認が可能であるので、補修作業の着手の可否を明確にすることができる。
【0048】
(8)液体金属特有の反射率、又は発光強度を測定する手段を用いるので、隔離箱内の液体金属の残留量を定量化することができ、光学的又は電気的などの補修条件の選択を適切に行うことができる。
【0049】
(9)突発的に発生した不良部位の緊急な補修を要する場合に、運転員が迅速に判断をするための情報が提供されるので、適切に対処することができる。
【0050】
(10)不良部位における不具合の状態と、設計裕度とを比較した情報が提供されるので、運転員の的確な判断への支援が得られる。
【0051】
(11)補修経験を各原子力発電所ごとにデータベース化し、ネットワークシステムを構築するので、補修に関する最新技術を適用することができる。
【0052】
(12)電気的、機械的又は光学的な補修機能を備えるので、不良部位の不具合の状態に応じた最適な補修を行うことができる。
【0053】
(13)補修後の検査手段を備えるので、補修状況の良否を的確に判断することができる。
【0054】
(14)実環境の条件で補修した模擬不良試験体を、取り出して検査するので、最適な補修の条件・方法を選定することができる。
【0055】
(15)検査・補修装置に自立電源を備えるので、ワイヤレスの制御を可能とし、不良部位を補修するための補修装置の移動範囲を拡大することができる。
【0056】
(16)検査・補修装置をプラント内に恒久的に設置するので、突発的に発生した不良部位の補修に対して迅速に対応することができる。
【0057】
【実施例】
本発明の第1実施例を図1を用いて説明する。図1は本実施例の液体金属中補修方法の説明図である。
【0058】
本実施例は、液体金属1を内部に保有するプラント2の構造部材3に、微小な亀裂が発生した不良部位4を、液体金属1中において機械的に補修する場合である。そして、本実施例は、後述のような液体金属1中における検査方法により、不良部位4の位置と規模が明らかにされ、亀裂の先端が鋭く開口している場合である。
【0059】
このような不良部位4の補修には、不良部位4を応力集中の少ない大きな曲率半径をもつ形状に加工し、その後の亀裂の進展を緩和させることが必要である。
【0060】
本実施例では、予めプラント2のプラント用蓋5に設けられた大気と遮断できる設備を有するメンテナンスホール6から、液体金属1中に補修装置7を挿入することにより、不良部位4を機械加工により補修した。
【0061】
補修装置7は、プラント用蓋5を覆うように設置した補修装置用フランジ8から、液体金属1中に延びた保護筒9、その下端に取り付けた隔離箱10、隔離箱10の開口部11の周上に外側に向かって取り付けられ、構造部材3と接触する緩衝材12、隔離箱10内に設置しているドリル13、ドリル13の上下方向の設定位置を外部から操作する固定用軸14、ドリル13の前後方向の設定位置を外部から操作する位置決め軸15、回転機16からドリル13に動力を伝達する伝達軸17、フレキシブルシャフト18、アーム19、軸受20、21、連結器22、角度補正器23、フレキシブルジョイント24などによって構成されている。
【0062】
本実施例では、検査により明確にされている不良部位4の位置を基にして、保護筒9及び固定用軸14の長さを決定し、緩衝材12により不良部位4を取り囲むように隔離箱10を設置した。
【0063】
補修装置7の主要部の材質は、液体金属1の温度が200〜300℃であっても耐えられるようにオーステナイトステンレス鋼とし、緩衝材12には、構造部材3に損傷を与えないように、液体金属と共存性が良好で、主要部の材質より軟らかな純ニッケルを採用した。
【0064】
ドリル13の回転は、補修装置7の外部に取り付けた回転機16による回転力を、伝達軸17、及び細線を網目状に組み巻いて変形が自由な棒状のフレキシブルシャフト18を介して、ドリル13に伝達させることにより行った。
【0065】
また、伝達軸17の回転力が良好に伝達されるように、外端の一部を固定用軸14に固定した軸受20を設けた。なお、軸受20には、伝達軸17の回転と上下スライドが可能なものを用いた。一方、固定用軸14の下端には、水平円弧状に回転できるアーム19を取り付けた。
【0066】
そして、アーム19の水平方向円弧状の回転で生じるドリル13の先端方向が、構造部材3の面に常に垂直となるような補正機能を有する角度補正器23を介して、アーム19にドリル13を取り付けた。
【0067】
更に、ドリル13には、前後のスライドと水平円弧状の位置決めを、遠隔で操作するための位置決め軸15を取り付けた。位置決め軸15は、位置決め軸15の回転と上下動を可能にする軸受21によって保持され、位置決め軸15の上下動は、連結器22、及び球面座からなるフレキシブルジョイント24を介して、ドリル13の前後動に変換する構成にした。
【0068】
ドリル13による不良部位4の補修作業は、ドリル13について、固定用軸14、位置決め軸15及び伝達軸17により上下位置関係の微調整を行い、続いて水平方向の微調整を位置決め軸15の回転により決定した後、回転機16を駆動させるとともに、位置決め軸15を所定の位置まで徐々に押し込むことにより、ドリル13を前進させて行った。
【0069】
このように、補修装置7外でプラント2内に保有される液体金属1から、不良部位4を隔離して補修することにより、このような液体金属1の影響を受けることなく作業を進めることができ、また、このような液体金属1への、不良部位4の切削加工で生じた切削屑の流出が防止できるので、プラント2に与える影響も少なく、良好な補修作業が可能となった。
【0070】
なお、本実施例の補修作業に多様性を持たせるには、ドリルによる機械的な補修手段のほかに、電気的又は光学的な補修手段を可能にする必要があった。しかし、液体金属は導電性を有しており、かつ不透明な物質であるので、従来は液体金属中における電気的又は光学的な補修は困難とされてきた。
【0071】
本発明における、補修装置内の液体金属を排除し、電気的又は光学的な手段による不良部位の補修についての実施例を、以下に説明する。
【0072】
本発明の第2実施例を、図2を用いて説明する。図2は本実施例の液体金属中補修方法の説明図である。なお、第2実施例以降の実施例で、装置の機能及び構成が前出の実施例と同じ場合は、同一の符号を用いた。
【0073】
本実施例は、不活性ガスのガス圧力により、補修装置7内に保有する液体金属を、補修装置7外でプラント2内に保有される液体金属1中に排出した後、補修する場合である。
【0074】
本実施例では、補修装置用フランジ8にアルゴンガス供給配管25を取り付け、隔離箱10の構造材料3に接触する部分には、前述の実施例と同様に液体金属と共存性が良好で、補修装置7の主要部である隔離箱10の材質より軟らかな純ニッケル製の緩衝材12を用い、下端部には多孔質金属26を用いた。すなわち、構造部材3における不良部位4の周辺部に緩衝材12が密に接触するよう隔離箱10を設置した後、アルゴンガス供給配管25から、アルゴンガス27を保護筒9及び隔離箱10の各内部に供給した。
【0075】
そして、アルゴンガス27の供給圧力を、プラント2内のカバーガス圧力と液体金属1の液位差による圧力との和よりも高めとなるように制御した。このようなガス供給圧力の制御により、補修装置7内の液体金属は、多孔質金属26を通って、補修装置7外でプラント2内に保有されている液体金属1中に排出され、補修装置7内をアルゴンガス空間にすることができた。なお、このような空間を形成した際、多孔質金属26から微量のアルゴンガス27が放出されるが、これに対しては、アルゴンガス圧力を高めることにより、所要のアルゴンガス空間を保有することができた。
【0076】
このようにして、アルゴンガス空間が保有できたので、切削加工用のドリル13(図1参照)の替わりに、電気的な補修手段である溶接トーチ、又は光学的な補修手段であるレーザー溶接工具からなる補修工具28が挿入できるようになったので、それらの補修用具28を用いて、溶接による補修を行った。
【0077】
溶接トーチによる補修の場合は、補修用具28を、補修装置7の外部に設置した溶接用の電源供給装置29と金属被覆のMIケーブル30を介して接続した。一方、光学的な補修の場合は、電源供給装置29に替えてレーザ光発信装置、MIケーブル30に替えて光ケーブルを、それぞれ用いた。すなわち、液体金属中における不良部位の補修は、機械的な補修だけでなく、電気的又は光学的な補修が可能となった。
【0078】
本発明における補修作業の内容を、図3を用いて説明する。図3は本発明における補修作業の一連の流れ図である。まず、構造部材に不良部位が生じていないか否かを、従来の液体金属中超音波探傷装置により検査し、不良部位を探索する。この検査で不良部位が検出された場合、不良の程度に応じて補修・交換の判定を行う。そして、補修が必要と判断された場合には、切削加工又は溶接による補修方法を選定し、液体金属中に補修装置を挿入する。
【0079】
そして、必要に応じて不良部位近傍の補修装置内ナトリウムを排出し、排出状態を確認した後、不活性ガス中又はナトリウム中で補修を行い、検査装置により補修状態を検査し、結果が良好と判断されたときは補修装置を撤去する。
【0080】
一方、プラントの機器に発生した不良部位が交換補修と判断された場合、交換の規模、例えばボルトやビスなどの軽微な交換か、又は機器全体に関わる大規模な交換かによって補修方法が異なる。
【0081】
軽微な交換作業では、前述の第1実施例又は第2実施例に示したような補修装置をプラント内に挿入し、補修工具をドライバーやスパナなどに替えて、現在使用中のボルトやビスを新しいものと交換する。そして、交換終了後に検査を行い、補修が完了した時点で補修装置を撤去する。
【0082】
他方、大規模な交換が必要と判断され、かつ炉容器に関わる場合には、従来の技術の項で説明したように、炉心を退避させ、更に、ナトリウムを他の容器に排出した後、不良発生機器をプラントから引き抜いて補修作業に着手することになる。
【0083】
このような本発明の方法を適用することにより、炉心の退避、機器の引き抜き、付着ナトリウムの洗浄、放射性物質の除染作業などが不要となり、作業工程の大幅な簡略化が可能になった。
【0084】
次に、本発明における、プラントの補修部位に応じたアルゴンガス空間形成の方法や、より信頼性の高い補修を行うための補修前処理装置、検査装置、又はそれらの方法や装置による実施例を、以下に説明する。
【0085】
本発明の第3実施例を、前出の図2を用いて説明する。本実施例は、第2実施例の補修装置を用いるが、第2実施例は、残存している液体金属をシール材として使用する場合である。
【0086】
本実施例では、第2実施例に示した方法により、アルゴンガス圧力を利用して、補修装置7内をアルゴンガス空間に替えた後、アルゴンガス供給配管25から供給するアルゴンガス中に微量の酸素を混入して、多孔質金属26の部分に残存している液体金属を酸化により固化させ、固化した酸化液体金属をシール材として使用した。これによって、補修装置7内から補修装置7外でプラント2内の液体金属1中へ放出されるガス量を少なくすることができた。
【0087】
補修後は、シール材となっている固化状の酸化液体金属を、機械的に剥離し、プラント2内の液体金属1中に浸漬した。液体金属1は酸素濃度が低く、かつ純度管理されているので、酸化液体金属は還元され、多孔質金属26は元の状態に復し、再使用が可能となった。
【0088】
本発明の第4実施例を、図4を用いて説明する。図4は、本実施例における液体金属を局所的に固化して機械的に除去する方法の説明図である。
【0089】
本実施例は、プラント2のメンテナンスホール6(図1参照)を利用して液体金属1中に挿入した補修装置7のうち、隔離箱10が構造部材3と接触する部位には、ニッケル製の緩衝材12を配設した場合であり、これらは、前述の実施例と同様であるが、本実施例は、更に、隔離箱10の開口部11に、薄い仕切り板31を設け、プラント2内の液体金属1中への補修装置7の挿入時に、補修装置7の内部に液体金属1が侵入しない構造とした場合である。
【0090】
仕切り板31の外周には、外側に向かって緩衝材12を設け、構造部材3、緩衝材12及び仕切り板31によって囲まれた部分の液体金属32を、融点以下にまで冷却して固化するための冷却管33を設けた。
【0091】
そして、冷却管33を介して、液体金属32に、液体窒素や液体アルゴンなどの冷却材を吹きつけた。この吹きつけによって、液体金属32が固化したかどうかの判定は、予め液体金属32に取り付けた熱電対(図示省略)により、液体金属32の温度を計測することにより行った。
【0092】
液体金属32の固化を確認した後、外部に設置した回転機(図示せず)を駆動させ、回転機による回転力を伝達軸17及びフレキシブルシャフト18を介して切削工具34に伝えた。切削工具34は、伝達軸17を押し下げることにより回転しながら前進し、仕切り板31、及び液体金属32の固化体を切削後、構造部材3に生じている不良部位4を切削して補修した。
【0093】
このように補修作業の開始直前まで、補修工具を化学的に活性な液体金属と接触させることなく、補修装置をプラントに設置することができるので、補修装置の信頼性が向上する。
【0094】
一方、電気的又は光学的な方法を用いて補修を行う場合は、不良部位を溶融して行う接合補修となる。しかし、この場合、不良部位に液体金属が存在するときは、従来の技術の項で説明したように、溶融接合時において、溶着金属が固化する際、液体金属が蒸発するため、溶接欠陥が生じる。次に、本発明における溶接補修に関する実施例を、以下に説明する。
【0095】
本発明の第5実施例を、図5を用いて説明する。図5は、本実施例の溶接補修前に不良内に残存する液体金属を蒸発させて除去する方法の説明図である。本実施例は、電気的又は光学的な補修の前処理として、不良内に残存する液体金属を除去する場合である。
【0096】
本実施例の装置は、保護筒9及び隔離箱10のほかに、構造部材3の表面及び不良部位4に付着残存した液体金属を蒸発させ除去するための導管35、減圧容器36及び補修装置7の外部に設置した減圧装置(図示せず)によって構成されている。
【0097】
本実施例では、残存した付着液体金属37の除去を、次のようにして行った。すなわち、液体金属1中に挿入した補修装置7内の液体金属を、前述のようにアルゴンガス圧力により排出して、補修装置7内をアルゴンガス空間にした。
【0098】
次に、先端がシール機能を有する緩衝材12を有する減圧容器36を、下端部に接続したフレキシブルな導管35を、隔離箱10の内部に配置した。減圧容器36内を補修装置7の上方外部に設置した減圧装置(図示せず)を稼働させることにより減圧した。これにより、減圧容器36内における、構造部材3に付着している付着液体金属37が蒸発し、除去された。また、付着液体金属37が除去できたか否かは、導管35内のガスを分析することにより判断した。
【0099】
このようにして、付着液体金属37を完全に除去できるので、電気的又は光学的な補修装置をアルゴンガス空間内に挿入して、溶融接合の補修を行うことが可能となった。
【0100】
本発明の第6実施例を、図6を用いて説明する。図6は、本実施例における、上述のように付着した液体金属を安定な化合物にして除去する方法の説明図である。
【0101】
本実施例は、構造部材の表面に付着している液体金属を、固化して機械的に除去する場合である。なお、液体金属1としてナトリウムを用いた。
【0102】
本実施例では、補修装置7内のナトリウムを、不活性ガスにより排出した後、ガス注入管38から微量の湿り蒸気を含む炭酸ガスを、隔離箱10内に注入した。この場合、排出されずに残留していたナトリウムと、注入ガスとが反応して一旦、炭酸水素ナトリウムが生成された。
【0103】
生成された炭酸水素ナトリウムは、不安定な化合物であり、直ちに炭酸ナトリウムに変化した。炭酸ナトリウムは、融点が851℃で粉末状であるため、第1実施例におけるドリル13(図1参照)をブラシ39に替え、擦り落とすことにより除去した。なお、本実施例は、液体金属1としてナトリウムを用いた場合であるが、他の液体金属についても、同様にして除去することができる。
【0104】
以上、補修装置内の液体金属の排出、及び構造材料に生じた不良部内微量の液体金属除去に関する実施例について説明した。どの方法を採用するかは、プラント構造材料に生じた不良の程度や発生位置、更には温度や圧力などの補修環境を考慮して決定される。
【0105】
本発明により、補修装置内の液体金属を排出をした場合、補修作業が可能なまでに除去できたか否かの判定が必要である。
【0106】
液体金属の排出状況を確認する方法として、第5実施例では、ガス分析法を用いた。本発明では、更に、液体金属排出後の状況を確認する他の方法、補修の要否及び補修方法のガイダンスシステムを用いた。
【0107】
本発明の第7実施例を、図7を用いて説明する。図7は、本実施例における目視観察により補修の要否、補修の仕方を判断する方法の説明図である。
【0108】
液体金属の排出された隔離箱10内に、ファイバースコープ40を挿入し、その下端部には、上下左右に移動できる反射鏡41を組み込んでおり、広範囲を見渡せるようにしている。そして、排出後の状況、不良の発生状況をファイバスコープ40を介してテレビカメラ(図示せず)でモニタし、運転員が目視により観察して補修の要否、補修方法を判断できるようにしている。
【0109】
しかし、不良部位4が微細な亀裂である場合、亀裂内部の液体金属が排出できたか否かを、亀裂自体を目視により判断することは困難である。しかし、このような場合でも、液体金属の確実な排出を、次のようにして検出した。すなわち、液体金属を保有したまま、プラントの補修をする場合、プラント全体が高温に保たれ、ナトリウムを例にとると、温度約300℃における蒸発速度は、0.12mg/(cm・s)となる。すなわち、液体金属の蒸発量が検出できるので、この検出により、排出状況を判断した。
【0110】
本発明の第8実施例を、図8を用いて説明する。図8は、液体金属のベーパの有無を確認する他の方法の説明図である。
【0111】
液体金属のベーパの検出については、第7実施例でも説明したが、本実施例は、検出装置に、光学的な測定系を利用した場合である。
【0112】
本実施例の検出装置は、電極42と検出器43とにより構成されている。本実施例では、例えば、液体金属としてナトリウムを用いて、ナトリウムのベーパを検出する場合、電極42の二極間に波長3000Åより長波長の光を照射し、そのときの反射率を検出器43により測定した。
【0113】
この反射率は、液体金属の種類によって独自の特性を示すことが知られており、種々の測定手法に基づいた光学定数が得られている。したがって、反射率の測定結果と光学定数とを比較し、液体金属ベーパの有無を確認することができた。
【0114】
また、電極42の二極間に高電圧を印加して、液体金属のベーパをプラズマ化し、このときに発生するプラズマの波長を検出器で測定する方法や、レーザ光を照射して吸収係数を求める方法もあり、排出状況の確認手段として、これらを利用することもできる。
【0115】
これまで説明した補修方法は、第1実施例を除いて、液体金属中に挿入した補修装置内の液体金属を、排出して使用する場合である。しかし、補修の部位及び方法によっては、排出不要又は排出の不可能な場合が予想される。次に、本発明における、液体金属を排出しないで行った、不良部位の検出と補修規模の判断・表示についての実施例を、以下に説明する。
【0116】
本発明の第9実施例を、図9を用いて説明する。図9は、本実施例における超音波を利用した不良部位の検出などの方法の説明図である。
【0117】
本実施例では、隔離箱10の内部には、超音波の発信器44と、反射波を検出する受信器45とを設置し、外部には発信器44と受信器45の制御用ケーブル46、受信器の信号を伝達する信号用ケーブル47、判断装置48、表示装置49を設置した。
【0118】
発信器44は、制御用ケーブル46を介して制御され、超音波が発信される。発信された超音波は、液体金属1を介して構造部材3へ到達し、構造部材3で反射する。反射した超音波は、受信器45で受信され、受信信号が信号用ケーブル47を介して伝送されるようにした。
【0119】
信号用ケーブル47は、受信信号を処理して補修要否を判断するための判断装置48及び運転員へ知らせるための表示装置49に接続されている。不良部位4からの受信信号は、正常な部位における反射波に対して反射角度が異なるため、受信器45の受信位置における検出までの時間に差が生じる。この差に関する情報を基にした判断装置48により、発生した不良部位4の規模を判定し、予め入力しておいた許容条件と比較して補修の要否を判断して表示装置49で表示し、運転員にガイダンスを与えた。
【0120】
本発明の第10実施例を、図10を用いて説明する。図10は、本実施例における超音波を用いた他の検出方法の説明図である。
【0121】
本実施例の基本的な構成は、第9実施例と同じであるが、本実施例は、起動性を持たせるために隔離箱を用いない場合であり、超音波検出装置50、判断装置48、ガイダンス装置49などにより構成されている。
【0122】
超音波検出装置50には、発信器と受信器とを一体構造にして収納し、判断装置48には、設計時の腐食、摩耗及び亀裂深さの許容値を予め入力しており、不良部位4を検出したとき、判断装置48により、迅速に許容値と比較・判断し、表示装置49により運転員にガイダンスを与えるようにした。
【0123】
本発明の第11実施例を、図11を用いて説明する。図11は、本実施例における、第10実施例のガイダンスの質を高め、信頼性の高い補修を可能にする方法の説明図である。すなわち、本実施例は、原子力発電所間に通信ネットワークシステムを構成して情報を収集し、補修に関する信頼性の高いガイダンスを与える場合である。
【0124】
本実施例では、日本科学技術情報センター(JICST)などによって分類されている統一技術用語により、補修に関する検索可能なデータベースを作成し、A原子力発電所51、B原子力発電所52及びC原子力発電所53とも、各自の補修経験をコンピュータに入力しておき、新たな補修を経験した場合、データベースの更新を確実に実施した。
【0125】
上述の各原子力発電所に設置しているコンピュータ同士を、通信ネットワーク回線で連絡して、通信ネットワークシステムを構築することにより、例えば、A原子力発電所51で突発的な補修が必要となった場合、B原子力発電所52及びC原子力発電所53における既存又は最新の補修方法、補修技術、ノウハウなどのデータを、瞬時に取り出して利用することを可能にした。
【0126】
液体金属中における補修方法は、構造部材に生じた不良の程度によって決定されるが、不良の主なものとしては、前述した腐食や摩耗のほかに、貫通亀裂や未貫通亀裂、リベットやボルトの脱落などが挙げられる。
【0127】
補修装置は、これらの不良事象に対応が可能である必要があるが、不良事象の補修は、溶接、肉盛やプラグの溶融接合などによる補修と、切削、ストップホール、リベット、又はボルトの取り付けなどの機械的な補修に大別できる。
【0128】
ここで、プラグの溶融接合とは、例えば、熱交換器の伝熱管において、リークが生じ使用不能になった場合、管の出入り口に栓をする補修のことである。また、ストップホールは、発生した亀裂先端部分に穴をあけ、応力集中を緩和してその後の進展を防止する補修のことである。
【0129】
本発明における、機械的な補修については、第6実施例で説明しているので、溶融接合による補修の実施例を、以下に説明する。
【0130】
本発明の第12実施例を、図12を用いて説明する。図12は、本実施例における、光学的な手段を用いて溶融接合補修を行う方法の説明図である。
【0131】
本実施例は、光学的な補修手段として、レーザ溶接工具54を使用した場合である。すなわち、ガス空間にしている隔離箱10内に、レーザ制御装置(図示せず)と、光ファイバーケーブル(図示せず)を介して接続されたレーザ溶接工具54を挿入した場合である。
【0132】
構造部材3に生じた不良部位4の溶融接合による補修は、不活性ガス55により、隔離箱10及び不良部位4から液体金属1を除去した後、レーザ溶接工具54の周辺から不活性ガス55を吹きつけながら、レーザ光56を照射して行った。この場合、レーザ光の照射で構造材料3に熱が加わるので、吹きつけた不活性ガス55が、緩衝材12の部分から多少漏洩するが、隔離箱10内の不活性ガス圧力を高めることにより、ガス空間を維持した。
【0133】
本発明の第13実施例を、図13を用いて説明する。図13は、本実施例における電気的な手段を用いて溶融接合補修を行う方法の説明図であり、本実施例は、電気的な補修手段として、アーク溶接装置を用いた場合である。
【0134】
本実施例は、不活性ガス55によりガス空間に保持された隔離装置10内に、アーク溶接制御装置(図示せず)に電源ケーブル(図示せず)を介して接続したアーク溶接工具57を挿入し、第12実施例のレーザ溶接装置をアーク溶接装置に替えた場合である。
【0135】
微細な不良部位に対しては、構造部材3を溶かすだけで溶接ビード58が形成され、補修することができた。また、肉盛が必要な場合には、溶接棒59を供給して補修を行った。
【0136】
なお、上述の第12実施例及び第13実施例は、当て板やプラグを持ち込んで行われる溶接補修の場合にも適用することができる。
【0137】
上述のような補修を行った後は、検査が必要である。この検査については、超音波を利用した方法を、第9実施例及び第10実施例により説明した。更に、本発明における他の検査方法を、以下に説明する。
【0138】
本発明の第14実施例を、図14を用いて説明する。図14は、本実施例におけるX線を利用した補修後の検査方法の説明図である。
【0139】
本実施例は、隔離箱10内に収納していた補修具を引き抜いた後、X線照射装置60を挿入した場合である。フィルム61は、液体金属1と接触しない、構造部材3の外側に取り付けている。検査は、X線照射装置60から照射されたX線を、補修後の構造部材3を透過させてフィルム61に当てた後、フィルム61を取り出し、現像することにより行った。
【0140】
本発明の第15実施例を、図15を用いて説明する。本実施例の補修条件の決定方法の説明図である。本実施例は、第14実施例により、構造部材3に生じている不良部位4の規模が確認できている場合に、実施するものである。
【0141】
本実施例では、模擬不良を有する試験体62を隔離箱10内に挿入した。試験体62の材質は、構造材料3と同一とした。補修条件は、前述したガイダンスシステム、又は運転員の目視観察で判断して設定し、不良部位4の近傍に試験体62を設置して、試験体62を補修した。
【0142】
補修後に試験体62を取り出して、補修状況を検査し、補修後の試験体62に不具合が生じている場合、この操作を繰り返すことにより、補修条件の最適化を図った。そして、最適条件が得られた時点で、構造材料3に生じた不良部位4を補修した。
【0143】
このように第14実施例と第15実施例とに示した方法により、不良の部位及び規模の的確な把握と、最適な補修条件の選定とが可能となり、信頼性の高い補修を実現することができた。
【0144】
これまで説明した実施例は、いずれもメンテナンスホールから補修装置が挿入されて固定され、補修装置の電源は、補修装置の外部に設置された場合である。これに対して、本発明における、検査・補修装置に自立電源を搭載して、補修範囲の拡大を図った実施例を、以下に説明する。
【0145】
本発明の第16実施例を、図16を用いて説明する。図16は、本実施例の電源を搭載した検査・補修装置による液体金属中補修方法の説明図である。本実施例の検査・補修装置は、検査・補修装置本体63、自立電源64、スクリュー65、検査・補修部66、回収用ワイヤ67、浮子68、ガスボンベ69、遠隔操作回路(図示せず)などによって構成されている。
【0146】
検査・補修装置本体63に組み込まれた機器用電源は、全て自立電源64から供給されている。検査・補修装置本体63は、メンテナンスホール6(図1参照)からプラント2(図1参照)内の液体金属1中に挿入され、検査・補修装置本体63の液体金属1中における移動は、スクリュー65の回転で行った。
【0147】
検査・補修装置本体63及びスクリュー65は、遠隔操作回路を介することによりプラント2外からの遠隔制御を可能にしている。検査・補修装置本体63における検査・補修部66に、超音波検査装置(図示せず)を搭載しており、不良部位4の有無の検査時には、検査・補修装置本体63の先端部分に取り付けている緩衝材12を構造部材3に接触させながら、検査・補修装置本体63を移動させた。そして、不良部位4の検出時には、スクリュー65の回転速度を制御して、検査・補修装置本体63を静止させた。
【0148】
その後、ガスボンベ69から検査・補修装置本体63内にアルゴンガスを供給し、ガス空間を形成させた後、検査・補修部66により電気的な補修を行った。補修後は、アルゴンガスの供給を停止して、超音波検査装置により補修状況を検査し、補修完了後は浮子68によって支持されている回収用ワイヤ67を巻き取り、検査・補修装置本体63をプラント2の外へ回収した。
【0149】
本発明の第17実施例を、図17を用いて説明する。図17は、本実施例の電源を搭載した補修装置による液体金属中の他の補修方法の説明図である。本実施例の装置は、大別して、液体金属1中を遠隔操作によって移動できる移動装置70と、プラント2(図1参照)の側部に設けられたホームステーション71とからなっている。
【0150】
移動装置70は、充電可能な蓄電池72、スクリュー65、移動制御回路73、及び連結装置74から構成されている。ホームステーション71は、移動装置70の格納箇所であり、ホームステーション71には、液体金属1中とカバーガス75中との間を昇降する昇降装置76、充電端子77からなり、移動可能な検査用センサ78及び補修工具79を備えている。
【0151】
移動装置70が、ホームステーション71で待機する場合は、移動装置70を昇降装置76によって液体金属1からカバーガス75中へ引き上げ、充電端子77に接続して、蓄電池71の充電を行っている。また、必要に応じて、移動装置70が液体金属1中を降下し、連結装置74により検査用センサ78と接続し、遠隔操作により液体金属1中を移動して、構造材料3の不良の有無を検査している。
【0152】
また、移動装置70は、不良部位4を検出して、不良の部位と規模とを明確にした後、ホームステーション71に戻り、連結装置74から検査用センサ78が取り外された後、補修工具79が選定されて取り付けられ、不良部位4まで再移動して補修を行っている。そして、補修完了後は、ホームステーション71に戻って待機している。
【0153】
上述の第16実施例又は第17実施例のように、自立電源を検査・補修装置又は移動装置に搭載することにより、検査及び補修の各範囲が拡大するとともに、迅速な対応が可能となる。
【0154】
【発明の効果】
本発明によれば、プラント補修時における、液体金属の貯蔵タンクへの移送、構造部材の分解・引き抜き・洗浄・再組み立てなど、補修前後の作業工程が不要となり、プラント再起動までの期間を大幅に短縮することができる。
【0155】
また、構造部材の分解・引き抜き工程が不要であるため、補修用スペースのコンパクト化、費用の削減、放射性廃棄物の縮小、及び作業員の被曝低減化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の説明図である。
【図2】本発明の第2実施例及び第3実施例の説明図である。
【図3】本発明の液体金属中補修の流れ図である。
【図4】本発明の第4実施例の説明図である。
【図5】本発明の第5実施例の説明図である。
【図6】本発明の第6実施例の説明図である。
【図7】本発明の第7実施例の説明図である。
【図8】本発明の第8実施例の説明図である。
【図9】本発明の第9実施例の説明図である。
【図10】本発明の第10実施例の説明図である。
【図11】本発明の第11実施例の説明図である。
【図12】本発明の第12実施例の説明図である。
【図13】本発明の第13実施例の説明図である。
【図14】本発明の第14実施例の説明図である。
【図15】本発明の第15実施例の説明図である。
【図16】本発明の第16実施例の説明図である。
【図17】本発明の第17実施例の説明図である。
【図18】従来の液体金属利用プラント補修方法の流れ図である。
【符号の説明】
1…液体金属、2…プラント、3…構造部材、4…不良部位、5…プラント用蓋、6…メンテナンスホール、7…補修装置、8…補修装置用フランジ、9…保護筒、10…隔離箱、11…開口部、12…緩衝材、13…ドリル、14…固定用軸、15…位置決め軸、16…回転機、17…伝達軸、18…フレキシブルシャフト、19…アーム、20…軸受、21…軸受、22…連結器、23…角度補正器、24…フレキシブルジョイント、25…アルゴンガス供給配管、26…多孔質金属、27…アルゴンガス、28…補修用具、29…電源供給装置、30…MIケーブル、31…仕切り板、32…液体金属、33…冷却管、34…切削工具、35…導管、36…減圧容器、37…付着液体金属、38…ガス注入管、39…ブラシ、40…ファイバスコープ、41…反射鏡、42…電極、43…検出器、44…発信器、45…受信器、46…制御用ケーブル、47…信号用ケーブル、48…判断装置、49…表示装置、50…超音波検出装置、51…A原子力発電所、52…B原子力発電所、53…C原子力発電所、54…レーザ溶接装置、55…不活性ガス、56…レーザ光、57…アーク溶接工具、58…溶接ビード、59…溶接棒、60…X線照射装置、61…フィルム、62…試験体、63…検査・補修装置本体、64…自立電源、65…スクリュー、66…検査・補修部、67…回収用ワイヤ、68…浮子、69…ガスボンベ、70…移動装置、71…ホームステーション、72…蓄電池、73…移動制御回路、74…連結装置、75…カバーガス、76…昇降装置、77…充電端子、78…検査用センサ、79…補修工具。

Claims (4)

  1. 液体金属を内部に保有している液体金属利用プラントの構造部材に生じた不良部位を補修する液体金属中補修装置において、前記液体金属利用プラントの上部に設置されているプラント開口部から前記液体金属利用プラントの内部の液体金属中に、液体金属に前記液体金属利用プラントの上部の空気が接触することなく挿入されている保護筒と、この保護筒の下端に取り付けられ、前記不良部位に面する部分に開口部を有し、この開口部の周上に外側に向けて緩衝材が取り付けられ、この緩衝材が前記不良部位の周辺と接触する隔離箱と、この隔離箱の内部に収納され前記不良部位を補修する補修工具と、前記保護筒の上方からの遠隔操作によって駆動される前記補修工具の位置調整機構と前進機構と回転運動機構と、前記保護筒及び前記隔離箱の各内部に不活性ガスを供給する不活性ガス供給機構と、前記不良部位を補修する溶接ビーム照射機構とを備え、前記隔離箱の開口部の周上の緩衝材のうちの下側部分に、前記隔離箱内の液体金属を通過させて外部に排出する多孔質金属を設けたことを特徴とする液体金属中補修装置。
  2. 前記開口部に前記隔離箱の内外を遮断する仕切り板を設け、この仕切り板の外側に冷却材を吹きつける冷却管を設けた請求項1記載の液体金属中補修装置。
  3. 前記冷却材の吹きつけにより前記仕切り板の外側の液体金属を冷却して変化させた固体粉末状の酸化液体金属を、機械的に除去するワイヤブラシを備えている請求項2記載の液体金属中補修装置。
  4. 前記保護筒の上方空間部に一端を有し、他端が前記保護筒と前記隔離箱を通って前記隔離箱の開口部に達しているフレキシブルな導管と、この導管の一端に接続された減圧装置と、前記導管の他端に接続され先端周囲にシール材を取り付けた減圧容器とを備えている請求項1記載の液体金属中補修装置。
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