JP2004069107A - 熱交換器の伝熱管抜管装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】伝熱管を拡張して固定された熱交換器の伝熱管拡管部の機械的な拘束応力を加熱により収縮歪を付加することにより、効果的に緩和させることができ、伝熱管の抜管作業を容易に行うことができる伝熱管抜管装置を提供する。
【解決手段】熱交換器の管板1に、油圧またはロールにより伝熱管2を部分的に拡張することにより、機械的な拘束応力を付与して伝熱管2を固着した構造の熱交換器から、伝熱管2を抜き取る抜管装置であって、伝熱管2に拘束応力を付与して伝熱管2を固着した部分の内壁面を加熱して溶融しない程度の高温となし、収縮歪みを与えて拘束応力を緩和する加熱トーチ10と、加熱トーチ10の内壁面に沿って回転する速さ、および軸方向への移動速さを調整する制御装置12とを、少なくとも具備する伝熱管抜管装置とする。
【選択図】図1
【解決手段】熱交換器の管板1に、油圧またはロールにより伝熱管2を部分的に拡張することにより、機械的な拘束応力を付与して伝熱管2を固着した構造の熱交換器から、伝熱管2を抜き取る抜管装置であって、伝熱管2に拘束応力を付与して伝熱管2を固着した部分の内壁面を加熱して溶融しない程度の高温となし、収縮歪みを与えて拘束応力を緩和する加熱トーチ10と、加熱トーチ10の内壁面に沿って回転する速さ、および軸方向への移動速さを調整する制御装置12とを、少なくとも具備する伝熱管抜管装置とする。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器の管板に、伝熱管に機械的な拘束応力を与えて固着した構造の熱交換器において、上記伝熱管の内壁面を加熱して熱歪を与え拘束応力を緩和して伝熱管を抜き取り、伝熱管の交換を容易にする伝熱管抜管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学プラント等において使用される熱交換器の概略構造を図2に示す。図において、1は管板、2は伝熱管、3は胴体、4はチャンネル胴体を示す。伝熱管2は、管板1に溶接等で取付けられ、さらに、隙間腐食等を防ぐ目的で、図3に示すごとく、管板1と伝熱管2の取付け構造は、管板1に伝熱管2が食い込むように拡管溝5を設け、油圧あるいはロールにより伝熱管2を内部から膨張させ、油圧拡管域7あるいはロール拡管域8を設けて、熱交換器の管板1に固着した後、管端部にシール溶接部6を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の化学プラント等で使用される熱交換器では、高温で腐食性のガスあるいは液体を多用するため、メンテナンスあるいは腐食等で損傷した伝熱管の交換が必要となる。従来の図2〜4において、伝熱管2を交換するに当たり、まず伝熱管2を抜き取る抜管をするために、シール溶接部6を除去して、図4に示すごとく、例えば、ドリル9を用いて、伝熱管2の内面を研削し、肉厚を減少させ拘束力を減じて、油圧ジャッキ等により抜き取る必要がある。用いられている伝熱管2は合金鋼製のものが多く、また硬度の高い材料が多用されており、ポータブルボール盤等で内面研削を行うが、伝熱管2の取付けは、図2に示すように、チャンネル胴体4の内部であり、狭隘部であることから、ボール盤等のセットが困難な場合が多く、交換を断念し伝熱管2に閉止プラグを溶接で取付け、熱交換面積が低減し、熱交換の機能が低しても、化学プラント等の稼働率を低下させないために、熱交換器を継続して使用するケースが多く生じている。
【0004】
また、化学プラントの定期検査後、運転開始において熱交換器の伝熱管からのリークが検出された場合、この熱交換器はプラントの中枢部であり、早期の修復が必要であったため、油圧ジャッキ等による抜管を試みたが失敗した場合には、伝熱管の閉止プラグ溶接を施工して運転を継続していた。さらに、この熱交換器の代替えを検討する過程において、伝熱管の抜管ができなかったことにより、リークした原因が異材の伝熱管を溶接した部分と推定し、溶接構造を無くした構造に変更したケースもある。しかしながら、熱交換器を交換し詳細に調査を実施した結果、母材部に亀裂が検出されて真の対策を実施することができない場合もある。こうした経緯により、特急の伝熱管の交換作業においても対応できる取り扱いが容易な抜管装置の必要性がある。
【0005】
特に、上記化学プラントの熱交換器は、プラントシステムの一部として重要な役割を果たしており、定期検査あるいは運転中の損傷により伝熱管に異常を認めても、長期間の補修期間を取ることはプラントの運営上、損失が大きいことから安易な閉止プラグを選択をすることが多い。閉止プラグでの処置は、短期的に見ると有効な熱交換器の補修手段ではあるが、伝熱管損傷部の調査を不可能とすることで抜本的対策が取れないことが問題であり、毎回閉止プラグを取付け、最終的には熱交換器の機能が果たせなくなり、熱交換器そのものの交換が必要となり、不要な経費を必要とする結果となる。
【0006】
また、ポータブルボール盤により、伝熱管を減厚させて抜き取る場合においても、管板にドリルで損傷を与えないようにするため、ボール盤の固定あるいは芯の調整に多大の時間を要することにより、短期間で補修することは困難であった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消するものであって、拡管して固定された熱交換器の伝熱管拡管部の機械的な拘束応力を加熱により収縮歪を付加することにより、効果的に緩和させることができ、伝熱管の抜管作業を容易に行うことができる伝熱管抜管装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とするものである。すなわち、
請求項1に記載のように、熱交換器の管板に、油圧またはロールにより伝熱管を部分的に拡張することにより、機械的な拘束応力を付与して伝熱管を固着した構造の熱交換器から、上記伝熱管を抜き取る抜管装置であって、上記伝熱管に拘束応力を付与して伝熱管を固着した部分の内壁面を加熱して溶融しない程度の高温となし、収縮歪みを与えて上記拘束応力を緩和する加熱トーチと、該加熱トーチの上記内壁面に沿って回転する速さ、および軸方向への移動速さを調整する制御手段とを、少なくとも具備する熱交換器の伝熱管抜管装置とするものである。
【0009】
また、請求項2に記載のように、請求項1において、上記加熱トーチはアーク加熱トーチであり、上記アーク加熱トーチを上記伝熱管の軸芯に合わせる調芯機構と、上記伝熱管に拘束応力を付与して固着した部分の内壁面の加熱温度を調整する制御手段と、上記アーク加熱トーチの回転速さ、および軸方向の移動速さを調整し制御する手段と、上記伝熱管の内部に不活性ガスを導入する手段とを、少なくとも具備する熱交換器の伝熱管抜管装置とするものである。
【0010】
本発明は、拘束応力を付与されている伝熱管の内部(内壁面)を、伝熱管が溶融しない範囲で、局部的に連続してアーク加熱して高温とすることにより、管板に機械的に固着された伝熱管に熱歪み与えて、上記拘束応力を緩和し伝熱管の交換を容易にする伝熱管抜管装置である。
また、本発明のアークを発生する加熱トーチは、伝熱管の拘束応力を付与されている部分(拡管域)を回転しながら軸方向に移動する。それによって、アークは伝熱管の内壁面を常に移動することにより、所定の部分を加熱し、伝熱管を溶融させることがないので、上記伝熱管の拘束応力を容易に解除することができ、特急の補修作業においても対応できる取り扱いが極めて簡易な伝熱管抜管装置を実現できる効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の一例を図面を用いて、さらに詳細に説明する。
本発明の熱交換器の伝熱管抜管装置の構成の一例を図1に示す。図1において、1は管板、2は伝熱管、5は拡管溝、6はシール溶接部、7は油圧拡管域、8はロール拡管域、10加熱トーチ、11は調芯機構、12は加熱トーチ制御装置、13はガス導入ノズルである。
従来の図2、3、4と異なる部材は、アーク発生用の加熱トーチ10、加熱トーチ10が伝熱管2の内径の中心軸にセットされ、回転しながら軸方向に加熱トーチ10を移動させる調芯機構11、およびアーク発生量、回転速度、移動速度をコントロールする制御装置12から構成されている。
【0012】
伝熱管2内に、加熱トーチ10を挿入し、調芯機構11において、加熱トーチ10が伝熱管2内で、同芯で回転するよう取り付ける。制御装置12において、伝熱管2の材質、厚さにおけるアーク発生の適切な電流値、電圧値および加熱トーチ10の回転速度、軸方向の移動速度等を入力する。調芯機構11の不活性ガス導入ノズル13から、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスや非酸化性のガスを伝熱管2内に導入する。
【0013】
ロール拡管領域8に加熱トーチ10によりアークを発生させ伝熱管2が溶融しない程度の高温に加熱する。加熱トーチ10は、伝熱管2内を回転しながら軸方向に移動させることにより、油圧拡管域7およびロール拡管域8の拡管された範囲全面を加熱する。一方、不活性ガスは、伝熱管2内を酸化から防ぐと同時に、加熱部を急速に冷却する役目を担う。この一連の動作により、伝熱管2は外径が収縮し、拡管による固着から開放される。管板1の二つの面に上記の処理を行った後、シール溶接部6をグラインダにより削除すれば、伝熱管2は開放され、管板1の片面から棒で押すことにより、伝熱管2を容易に取り出すことができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、拘束応力を付与されている伝熱管の内部(内壁面)を、伝熱管が溶融しない範囲で、局部的に連続して加熱トーチで高温とすることにより、管板に機械的に固着された伝熱管に熱歪み与えて、上記拘束応力を緩和し伝熱管の交換を容易にする伝熱管抜管装置である。
また、本発明のアークを発生する加熱トーチは、伝熱管の拘束応力を付与されている部分(拡管域)を回転しながら軸方向に移動する。それによって、アークは伝熱管の内壁面を常に移動することにより、所定の部分を加熱し、伝熱管を溶融させることがないので、上記伝熱管の拘束応力を容易に解除することができ、特急の補修作業においても対応できる取り扱いが極めて簡易な伝熱管抜管装置を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示した伝熱管抜管装置の構成を示す模式図。
【図2】従来の熱交換器の概略構造を示す模式図。
【図3】従来の熱交換器の管板と伝熱管との取付け構造を示す模式図。
【図4】従来のドリルを用いた抜管方法の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1…管板
2…伝熱管
3…胴体
4…チャンネル胴体
5…拡管溝
6…シール溶接部
7…油圧拡管域
8…ロール拡管域
9…ドリル
10…加熱トーチ
11…調芯機構
12…制御装置
13…不活性ガス導入ノズル
【発明の属する技術分野】
本発明は熱交換器の管板に、伝熱管に機械的な拘束応力を与えて固着した構造の熱交換器において、上記伝熱管の内壁面を加熱して熱歪を与え拘束応力を緩和して伝熱管を抜き取り、伝熱管の交換を容易にする伝熱管抜管装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
化学プラント等において使用される熱交換器の概略構造を図2に示す。図において、1は管板、2は伝熱管、3は胴体、4はチャンネル胴体を示す。伝熱管2は、管板1に溶接等で取付けられ、さらに、隙間腐食等を防ぐ目的で、図3に示すごとく、管板1と伝熱管2の取付け構造は、管板1に伝熱管2が食い込むように拡管溝5を設け、油圧あるいはロールにより伝熱管2を内部から膨張させ、油圧拡管域7あるいはロール拡管域8を設けて、熱交換器の管板1に固着した後、管端部にシール溶接部6を設けている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上述の化学プラント等で使用される熱交換器では、高温で腐食性のガスあるいは液体を多用するため、メンテナンスあるいは腐食等で損傷した伝熱管の交換が必要となる。従来の図2〜4において、伝熱管2を交換するに当たり、まず伝熱管2を抜き取る抜管をするために、シール溶接部6を除去して、図4に示すごとく、例えば、ドリル9を用いて、伝熱管2の内面を研削し、肉厚を減少させ拘束力を減じて、油圧ジャッキ等により抜き取る必要がある。用いられている伝熱管2は合金鋼製のものが多く、また硬度の高い材料が多用されており、ポータブルボール盤等で内面研削を行うが、伝熱管2の取付けは、図2に示すように、チャンネル胴体4の内部であり、狭隘部であることから、ボール盤等のセットが困難な場合が多く、交換を断念し伝熱管2に閉止プラグを溶接で取付け、熱交換面積が低減し、熱交換の機能が低しても、化学プラント等の稼働率を低下させないために、熱交換器を継続して使用するケースが多く生じている。
【0004】
また、化学プラントの定期検査後、運転開始において熱交換器の伝熱管からのリークが検出された場合、この熱交換器はプラントの中枢部であり、早期の修復が必要であったため、油圧ジャッキ等による抜管を試みたが失敗した場合には、伝熱管の閉止プラグ溶接を施工して運転を継続していた。さらに、この熱交換器の代替えを検討する過程において、伝熱管の抜管ができなかったことにより、リークした原因が異材の伝熱管を溶接した部分と推定し、溶接構造を無くした構造に変更したケースもある。しかしながら、熱交換器を交換し詳細に調査を実施した結果、母材部に亀裂が検出されて真の対策を実施することができない場合もある。こうした経緯により、特急の伝熱管の交換作業においても対応できる取り扱いが容易な抜管装置の必要性がある。
【0005】
特に、上記化学プラントの熱交換器は、プラントシステムの一部として重要な役割を果たしており、定期検査あるいは運転中の損傷により伝熱管に異常を認めても、長期間の補修期間を取ることはプラントの運営上、損失が大きいことから安易な閉止プラグを選択をすることが多い。閉止プラグでの処置は、短期的に見ると有効な熱交換器の補修手段ではあるが、伝熱管損傷部の調査を不可能とすることで抜本的対策が取れないことが問題であり、毎回閉止プラグを取付け、最終的には熱交換器の機能が果たせなくなり、熱交換器そのものの交換が必要となり、不要な経費を必要とする結果となる。
【0006】
また、ポータブルボール盤により、伝熱管を減厚させて抜き取る場合においても、管板にドリルで損傷を与えないようにするため、ボール盤の固定あるいは芯の調整に多大の時間を要することにより、短期間で補修することは困難であった。
【0007】
本発明の目的は、上記従来技術における問題点を解消するものであって、拡管して固定された熱交換器の伝熱管拡管部の機械的な拘束応力を加熱により収縮歪を付加することにより、効果的に緩和させることができ、伝熱管の抜管作業を容易に行うことができる伝熱管抜管装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は特許請求の範囲に記載のような構成とするものである。すなわち、
請求項1に記載のように、熱交換器の管板に、油圧またはロールにより伝熱管を部分的に拡張することにより、機械的な拘束応力を付与して伝熱管を固着した構造の熱交換器から、上記伝熱管を抜き取る抜管装置であって、上記伝熱管に拘束応力を付与して伝熱管を固着した部分の内壁面を加熱して溶融しない程度の高温となし、収縮歪みを与えて上記拘束応力を緩和する加熱トーチと、該加熱トーチの上記内壁面に沿って回転する速さ、および軸方向への移動速さを調整する制御手段とを、少なくとも具備する熱交換器の伝熱管抜管装置とするものである。
【0009】
また、請求項2に記載のように、請求項1において、上記加熱トーチはアーク加熱トーチであり、上記アーク加熱トーチを上記伝熱管の軸芯に合わせる調芯機構と、上記伝熱管に拘束応力を付与して固着した部分の内壁面の加熱温度を調整する制御手段と、上記アーク加熱トーチの回転速さ、および軸方向の移動速さを調整し制御する手段と、上記伝熱管の内部に不活性ガスを導入する手段とを、少なくとも具備する熱交換器の伝熱管抜管装置とするものである。
【0010】
本発明は、拘束応力を付与されている伝熱管の内部(内壁面)を、伝熱管が溶融しない範囲で、局部的に連続してアーク加熱して高温とすることにより、管板に機械的に固着された伝熱管に熱歪み与えて、上記拘束応力を緩和し伝熱管の交換を容易にする伝熱管抜管装置である。
また、本発明のアークを発生する加熱トーチは、伝熱管の拘束応力を付与されている部分(拡管域)を回転しながら軸方向に移動する。それによって、アークは伝熱管の内壁面を常に移動することにより、所定の部分を加熱し、伝熱管を溶融させることがないので、上記伝熱管の拘束応力を容易に解除することができ、特急の補修作業においても対応できる取り扱いが極めて簡易な伝熱管抜管装置を実現できる効果がある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態の一例を図面を用いて、さらに詳細に説明する。
本発明の熱交換器の伝熱管抜管装置の構成の一例を図1に示す。図1において、1は管板、2は伝熱管、5は拡管溝、6はシール溶接部、7は油圧拡管域、8はロール拡管域、10加熱トーチ、11は調芯機構、12は加熱トーチ制御装置、13はガス導入ノズルである。
従来の図2、3、4と異なる部材は、アーク発生用の加熱トーチ10、加熱トーチ10が伝熱管2の内径の中心軸にセットされ、回転しながら軸方向に加熱トーチ10を移動させる調芯機構11、およびアーク発生量、回転速度、移動速度をコントロールする制御装置12から構成されている。
【0012】
伝熱管2内に、加熱トーチ10を挿入し、調芯機構11において、加熱トーチ10が伝熱管2内で、同芯で回転するよう取り付ける。制御装置12において、伝熱管2の材質、厚さにおけるアーク発生の適切な電流値、電圧値および加熱トーチ10の回転速度、軸方向の移動速度等を入力する。調芯機構11の不活性ガス導入ノズル13から、窒素ガス、炭酸ガス等の不活性ガスや非酸化性のガスを伝熱管2内に導入する。
【0013】
ロール拡管領域8に加熱トーチ10によりアークを発生させ伝熱管2が溶融しない程度の高温に加熱する。加熱トーチ10は、伝熱管2内を回転しながら軸方向に移動させることにより、油圧拡管域7およびロール拡管域8の拡管された範囲全面を加熱する。一方、不活性ガスは、伝熱管2内を酸化から防ぐと同時に、加熱部を急速に冷却する役目を担う。この一連の動作により、伝熱管2は外径が収縮し、拡管による固着から開放される。管板1の二つの面に上記の処理を行った後、シール溶接部6をグラインダにより削除すれば、伝熱管2は開放され、管板1の片面から棒で押すことにより、伝熱管2を容易に取り出すことができる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は、拘束応力を付与されている伝熱管の内部(内壁面)を、伝熱管が溶融しない範囲で、局部的に連続して加熱トーチで高温とすることにより、管板に機械的に固着された伝熱管に熱歪み与えて、上記拘束応力を緩和し伝熱管の交換を容易にする伝熱管抜管装置である。
また、本発明のアークを発生する加熱トーチは、伝熱管の拘束応力を付与されている部分(拡管域)を回転しながら軸方向に移動する。それによって、アークは伝熱管の内壁面を常に移動することにより、所定の部分を加熱し、伝熱管を溶融させることがないので、上記伝熱管の拘束応力を容易に解除することができ、特急の補修作業においても対応できる取り扱いが極めて簡易な伝熱管抜管装置を実現できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態で例示した伝熱管抜管装置の構成を示す模式図。
【図2】従来の熱交換器の概略構造を示す模式図。
【図3】従来の熱交換器の管板と伝熱管との取付け構造を示す模式図。
【図4】従来のドリルを用いた抜管方法の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1…管板
2…伝熱管
3…胴体
4…チャンネル胴体
5…拡管溝
6…シール溶接部
7…油圧拡管域
8…ロール拡管域
9…ドリル
10…加熱トーチ
11…調芯機構
12…制御装置
13…不活性ガス導入ノズル
Claims (2)
- 熱交換器の管板に、油圧またはロールにより伝熱管を部分的に拡張することにより、機械的な拘束応力を付与して伝熱管を固着した構造の熱交換器から、上記伝熱管を抜き取る抜管装置であって、上記伝熱管を固着した部分の内壁面を加熱して溶融しない程度の高温となし、収縮歪みを与えて上記拘束応力を緩和する加熱トーチと、該加熱トーチの上記内壁面に沿って回転する速さ、および軸方向への移動速さを調整する制御手段とを、少なくとも具備することを特徴とする熱交換器の伝熱管抜管装置。
- 請求項1において、上記加熱トーチはアーク加熱トーチであり、上記アーク加熱トーチを上記伝熱管の軸芯に合わせる調芯機構と、上記伝熱管に拘束応力を付与して固着した部分の内壁面の加熱温度を調整する制御手段と、上記アーク加熱トーチの回転速さ、および軸方向の移動速さを調整し制御する手段と、上記伝熱管の内部に不活性ガスを導入する手段とを、少なくとも具備することを特徴とする熱交換器の伝熱管抜管装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226217A JP2004069107A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 熱交換器の伝熱管抜管装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002226217A JP2004069107A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 熱交換器の伝熱管抜管装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004069107A true JP2004069107A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32013634
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002226217A Pending JP2004069107A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 熱交換器の伝熱管抜管装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004069107A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100736946B1 (ko) * | 2005-12-19 | 2007-07-09 | 한전케이피에스 주식회사 | 증기발생기 전열관 수축장치 |
CN104896460A (zh) * | 2015-06-19 | 2015-09-09 | 山西晋城无烟煤矿业集团有限责任公司 | 一种锅炉管拔管装置及通过该装置的拔管工艺 |
CN109434375A (zh) * | 2018-12-21 | 2019-03-08 | 核动力运行研究所 | 一种蒸汽发生器传热管缩管方法及设备 |
CN113878303A (zh) * | 2021-10-26 | 2022-01-04 | 上海电气核电设备有限公司 | 一种冷装合金管拆除方法 |
WO2022004089A1 (ja) * | 2020-06-30 | 2022-01-06 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気発生器の分解方法 |
WO2023053555A1 (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気発生器の分解方法 |
-
2002
- 2002-08-02 JP JP2002226217A patent/JP2004069107A/ja active Pending
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100736946B1 (ko) * | 2005-12-19 | 2007-07-09 | 한전케이피에스 주식회사 | 증기발생기 전열관 수축장치 |
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CN104896460B (zh) * | 2015-06-19 | 2016-08-31 | 山西晋城无烟煤矿业集团有限责任公司 | 一种锅炉管拔管装置及通过该装置的拔管工艺 |
CN109434375A (zh) * | 2018-12-21 | 2019-03-08 | 核动力运行研究所 | 一种蒸汽发生器传热管缩管方法及设备 |
WO2022004089A1 (ja) * | 2020-06-30 | 2022-01-06 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気発生器の分解方法 |
JP2022011879A (ja) * | 2020-06-30 | 2022-01-17 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気発生器の分解方法 |
JP7132283B2 (ja) | 2020-06-30 | 2022-09-06 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気発生器の分解方法 |
WO2023053555A1 (ja) * | 2021-09-29 | 2023-04-06 | 三菱重工業株式会社 | 蒸気発生器の分解方法 |
CN113878303A (zh) * | 2021-10-26 | 2022-01-04 | 上海电气核电设备有限公司 | 一种冷装合金管拆除方法 |
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