JP2007083265A - 鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することが可能で、かつ、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単にしかも安価に製造することが可能な鋳造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】鋳型1の内部空間10のうち湯回り不良が懸念される領域Rにアルミニウム又はアルミニウム合金からなる成形素材2を配置したうえで、成形素材2を溶融し、内部空間10に注入したアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯3とともに凝固させる。
【選択図】 図1
【解決手段】鋳型1の内部空間10のうち湯回り不良が懸念される領域Rにアルミニウム又はアルミニウム合金からなる成形素材2を配置したうえで、成形素材2を溶融し、内部空間10に注入したアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯3とともに凝固させる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、鋳造方法に関する。
アルミニウム製品又はアルミニウム合金製品(以下、単に「アルミニウム製品」という。)の製造方法の一つとして、所定の形状に成形された砂型や金型などの鋳型に溶湯を注入する「鋳造」が知られている。
ところで、形状が複雑なアルミニウム製品(鋳物)や薄肉部分を有するアルミニウム製品を製造する場合には、重力を利用する鋳造方法よりも、加圧力を利用する鋳造方法(ダイカスト)が採用されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
なお、特許文献1には、形状が複雑なアルミニウム製品や薄肉部分を有するアルミニウム製品を容易に製造することができるダイカスト用金型として、工具鋼からなる母材のキャビティ側の面に熱伝導率の小さい析出硬化系ステンレス鋼を積層したものが開示されている。
特開2000−317608号公報
ところが、特許文献1の金型は、その製造コストが高いという問題がある。また、ダイカスト法について共通する問題ではあるが、溶湯を圧入するための溶湯圧入装置が高価であるという問題もある。さらに、ダイカスト法では、金型に高圧が作用するとともに、高速で圧入される溶湯によって金型に大きな衝撃力が作用することから、重力を利用する鋳造方法の場合よりも、金型の寿命が短くなる虞がある。
また、ダイカスト法は、厚肉部分を有するアルミニウム製品や肉厚が不揃いなアルミニウム製品には不向きであるし、アルミニウム製品の形状が著しく複雑である場合などにおいては、湯回り不良が発生する虞もある。
そこで、本発明は、厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することが可能で、かつ、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単にしかも安価に製造することが可能な鋳造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明は、鋳型の内部空間のうち湯回り不良が懸念される領域にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる成形素材を配置したうえで、前記成形素材を溶融し、前記内部空間に注入したアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯とともに凝固させることを特徴とする鋳造方法である。
「湯回り不良が懸念される領域」とは、従来の鋳造方法において湯回り不良が発生する可能性が高い部位であって、例えば、湯口から離れたところにある領域、アルミニウム製品の薄肉部を成形するための狭小な領域、アルミニウム製品の突出部を成形するための凹状の領域や溝状の領域などが該当する。
本発明によると、湯回り不良が懸念される領域に配置した成形素材が溶融して「溶湯」となるので、鋳型の内部空間が複雑な形状を呈している場合であっても、その隅々まで溶湯を行き渡らせることが可能となる。つまり、本発明によれば、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単に製造することが可能となる。また、本発明においては、鋳型に高い圧力や衝撃力が作用することもなく、湯回り不良を防ぐための特別な細工を鋳型に施す必要もないので、鋳型の製作費用が安価になる。なお、本発明に係る鋳造方法は、厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することができる。
なお、前記成形素材を溶融するのは、前記溶湯を前記内部空間に注入する前でもよいし、前記溶湯を前記内部空間に注入した後でもよい。
また、成形素材の溶融温度が溶湯の温度よりも低い場合には、溶湯の熱を利用して成形素材を溶融してもよい。すなわち、鋳型の内部空間のうち湯回り不良が懸念される領域にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる成形素材を配置したうえで、前記成形素材の溶融温度よりも高温のアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を注入して前記成形素材を溶融し、前記溶湯とともに凝固させてもよい。
このようにしても、湯回り不良が懸念される領域に配置した成形素材が溶融して「溶湯」となるので、鋳型の内部空間が複雑な形状を呈している場合であっても、その隅々まで溶湯を行き渡らせることが可能となる。なお、成形素材の溶融温度が高い場合や、成形素材の溶融温度と溶湯の温度との差が小さい場合には、溶湯を注入する前に成形素材を加熱しておくとよい。このようにすると、溶湯の熱によって成形素材が確実に溶融することになる。
なお、成形素材の形態は、湯回り不良が懸念される領域に配置可能なものであれば特に制限はなく、前記領域と略同一の形状に成形した「塊」でもよいし、繊維状や切片状を呈する微小片の集合体であってもよいが、好適には、粉末又は顆粒の集合体であることが望ましい。粉末又は顆粒であれば、湯回り不良が懸念される領域が狭小な空間であっても、隙間なく充填することが可能となる。なお、「集合体」は、微小片、粉末、顆粒を単に集合させただけのものでもよいし、バインダー(結合剤)とともに加圧成形したものであってもよい。
アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末は、アルミニウム又はアルミニウム合金の塊を機械的方法で粉化するか、あるいは、溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金(すなわち、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯)から直接粉化することにより得ることができる。特に、溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金を真空又は不活性ガス中で噴霧することで粉化すれば、粉末中の酸化物の量が少なくなるので、不純物の少ないアルミニウム製品を得ることができる。
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる顆粒は、例えば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製のワイヤを細かく切断することで得ることができる。
なお、前記成形素材は、より好適には、Al−Si系合金、Al−Cu系合金又はAl−Cu−Si系合金からなることが望ましい。このような組成の合金であれば、その融点が低いため、製造効率が向上する。
なお、本発明においては、前記成形素材を溶融する前に、前記内部空間を真空又は不活性ガス雰囲気にするとよい。真空又は不活性ガス雰囲気中で成形素材を溶融すれば、溶融した成形素材の表面に酸化膜が形成されることを防ぐことができるので、溶融した成形素材の湯回り性を良好に保つことができる。
また、本発明においては、前記溶湯を加圧してもよい。このようにすると、鋳型の内部空間に残留したガスを効率よく排出することが可能となるので、いわゆる巻き込み巣が発生し難くなる。
本発明に係る鋳造方法によると、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単にしかも安価に製造することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付した図面を、参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係る鋳造方法は、図1に示すように、鋳型1の内部空間10のうち湯回り不良が懸念される領域Rにアルミニウム合金からなる成形素材2を配置したうえで(図1の(b)参照)、この成形素材2を溶融し、内部空間10に注入したアルミニウム合金の溶湯3(図1の(c)参照)とともに凝固させることでアルミニウム製品Aを製造するものである(図1の(d)参照)。
第一の実施形態に係る鋳造方法は、図1に示すように、鋳型1の内部空間10のうち湯回り不良が懸念される領域Rにアルミニウム合金からなる成形素材2を配置したうえで(図1の(b)参照)、この成形素材2を溶融し、内部空間10に注入したアルミニウム合金の溶湯3(図1の(c)参照)とともに凝固させることでアルミニウム製品Aを製造するものである(図1の(d)参照)。
鋳型1は、図1の(a)に示すように、鋳鉄や耐熱合金鋼で形成された一対の金型11,12からなる。金型11,12を型合せしたときに形成される内部空間(キャビティ)10には、製造すべきアルミニウム製品A(図1の(d)参照)に対応する製品相当部10aと、この製品相当部10aに連通する押湯部10bとがある。なお、図示は省略するが、金型11,12には、電熱線が埋設されており、当該電熱線に通電することで、金型11,12が加熱される。
成形素材2は、Al−Cu−Si系合金からなる粉末(以下、「アルミニウム合金粉末」という。)の集合体である。このアルミニウム合金粉末は、溶融したAl−Cu−Si系合金を真空又は不活性ガス中で噴霧することで形成されたものである。このような製法で得たアルミニウム合金粉末であれば、粉末中の酸化物の量が少なくなるので、不純物の少ないアルミニウム製品Aを製造することが可能となる。ちなみに、前記した製法で得たアルミニウム合金粉末は、球状を呈し、その粒度は5〜500μm程度である。なお、Al−Cu−Si系合金の塊を機械的方法で粉化してもよい。機械的に粉化したアルミニウム合金粉末は、鱗片状(フレーク状)を呈し、その粒度は2〜200μm程度である。
Al−Cu−Si系合金の組成は、溶融温度(融点)が525℃である三元共晶組成(Cu:26.7質量%、Si:5.3質量%)に近似するものであることが望ましい。具体的には、Cu(銅)を22〜37質量%、Si(珪素)を3〜12質量%含み、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物であるAl−Cu−Si系合金であることが望ましい。SiおよびCuの比率が前記した数値範囲にあれば、530〜560℃という低い温度範囲で成形素材2を溶融させることが可能となるので、アルミニウム製品Aの生産効率が向上する。
なお、成形素材2を構成する金属の種類は、製造すべきアルミニウム製品Aの用途等に応じて変更してもよく、例えば、Al−Si系合金やAl−Cu系合金など従来より鋳造用合金(重量鋳造用アルミニウム合金やダイカスト用アルミニウム合金)として使用されてきたアルミニウム合金のほか、アルミニウムであってもよい。
溶湯3は、Al−Cu−Si系合金、Al−Si系合金、Al−Cu系合金、その他従来より鋳造用合金(重量鋳造用アルミニウム合金やダイカスト用アルミニウム合金)として使用されてきたアルミニウム合金又はアルミニウムを溶融させたものである。なお、溶湯3を構成するアルミニウム合金の組成は、アルミニウム製品Aの用途等に適したものであれば、成形素材2を構成するアルミニウム合金(本実施形態ではAl−Cu−Si系合金)の組成と異なるものでも差し支えないが、同一のものとすれば、アルミニウム製品Aが総て同一組成のアルミニウム合金(又はアルミニウム)で形成されることになるので、好適である。また、溶湯3を構成するアルミニウム合金の組成を、成形素材2を構成するアルミニウム合金の組成と異ならせる場合においては、溶湯3を構成するアルミニウム合金の溶融温度が、成形素材2を構成するアルミニウム合金の溶融温度よりも高くなるような組成とすることが望ましいが、低くなるような組成であっても差し支えない。
そして、アルミニウム製品Aを製造するには、まず、図1の(b)に示すように、鋳型1の内部空間10のうち湯回り不良が懸念される領域R(図1の(a)参照)に成形素材2を配置する。本実施形態においては、湯回り不良が懸念される領域Rに未結合のアルミニウム合金粉末を投入すればよい。
なお、湯回り不良が懸念される領域Rに所定量のアルミニウム合金粉末を投入した後に、アルミニウム合金粉末の集合体(すなわち、成形素材2)を棒等で突き固めるか、成形素材2に振動を与えるなどしてアルミニウム合金粉末の充填率を向上させるとよい。
続いて、図1の(c)に示すように、金型11,12を型合せした後に、成形素材2の溶融温度(液相線温度)よりも高温に熱した溶湯3を湯口10cから鋳型1の内部空間10(図1の(a)参照)に注入する。溶湯3を鋳型1に注入すると、溶湯3の熱によって成形素材2が溶融することになる。つまり、溶湯3を内部空間10に注入した後に、成形素材2が溶融することになる。
なお、成形素材2の溶融温度と溶湯3の温度との差が小さい場合や成形素材2に溶湯3の熱が伝わり難い場合などにおいては、溶湯3を注入する前に、成形素材2を加熱しておくとよい。成形素材2を加熱するには、金型11に埋設した図示せぬ電熱線に通電して加熱すればよい。このようにすると、溶湯3の熱によって成形素材2が確実に溶融することになる。
なお、溶湯3の熱で成形素材2が溶融しない場合には、金型11に埋設した図示せぬ電熱線に通電して、金型11をAl−Cu−Si系合金(アルミニウム合金)の溶融温度(液相線温度)以上に加熱すればよい。このようにすると、成形素材2が確実に溶融することになる。なお、成形素材2の加熱(電熱線への通電)は、溶湯3を鋳型1に注入する前から開始してもよいし、注入した後に開始してもよい。
その後、溶融した成形素材2’と溶湯3とを適宜な冷却速度で冷却して凝固させ、鋳型1を脱型すると、図1の(d)に示すアルミニウム製品Aを得ることができる。
なお、図1の(b)に示す成形素材2を溶融する前に、鋳型1の内部空間10(図1の(a)参照)を真空又は不活性ガス雰囲気にするとよい。内部空間10を真空にする場合には、例えば、図示は省略するが、密閉容器の中に鋳型1を入れたうえで、真空ポンプ等を用いて密閉容器の内部にある空気を吸引すればよい。また、内部空間10を不活性ガス雰囲気とする場合には、密閉容器の内部を真空にした後に、不活性ガスを封入すればよい。真空又は不活性ガス雰囲気中で成形素材2を加熱して溶融すれば、溶融した成形素材2’の表面に酸化膜が形成されることを防ぐことができるので、溶融した成形素材2’の湯回り性を良好に保つことができる。
以上、第一の実施形態に係る鋳造方法によれば、湯回り不良が懸念される領域Rに配置した成形素材2が溶融して「溶湯」となるので、領域Rが複雑な形状を呈している場合であっても、その隅々まで溶融したアルミニウム合金を行き渡らせることが可能となる。つまり、第一の実施形態に係る鋳造方法によれば、形状が複雑で肉厚も不揃いなアルミニウム製品Aを簡単に製造することが可能となる。
また、第一の実施形態に係る鋳造方法によれば、鋳型1に高い圧力や衝撃力が作用することもなく、湯回り不良を防ぐための特別な細工を鋳型1に施す必要もないので、鋳型1の製作費用が安価になる。なお、本発明に係る鋳造方法は、厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することができる。
また、第一の実施形態においては、成形素材2がアルミニウム合金粉末の集合体であるので、その取り扱いが容易になるとともに、鋳型1の内部空間10が狭小であっても、隙間なく充填することができる。
(変形例1)
前記した第一の実施形態においては、鋳型1の内部空間10に溶湯3を注入した後に、成形素材2を溶融したが、内部空間10に溶湯3を注入する前に、適宜な熱源(例えば、金型11に埋設した電熱線)から発生させた熱を利用して成形素材2を溶融してもよい。
前記した第一の実施形態においては、鋳型1の内部空間10に溶湯3を注入した後に、成形素材2を溶融したが、内部空間10に溶湯3を注入する前に、適宜な熱源(例えば、金型11に埋設した電熱線)から発生させた熱を利用して成形素材2を溶融してもよい。
(変形例2)
前記した第一の実施形態においては、成形素材2の溶融温度よりも高温に熱した溶湯3を鋳型1に注入したが、成形素材2の溶融温度よりも低温の溶湯3を鋳型1に注入してもよい。この場合には、溶湯3を注入する前に成形素材2を溶融するか、あるいは、溶湯3を注入した後に、溶湯3の熱と溶湯3とは別の熱源(例えば、金型11に埋設した電熱線)から発生させた熱とを併用して成形素材2を溶融する。
前記した第一の実施形態においては、成形素材2の溶融温度よりも高温に熱した溶湯3を鋳型1に注入したが、成形素材2の溶融温度よりも低温の溶湯3を鋳型1に注入してもよい。この場合には、溶湯3を注入する前に成形素材2を溶融するか、あるいは、溶湯3を注入した後に、溶湯3の熱と溶湯3とは別の熱源(例えば、金型11に埋設した電熱線)から発生させた熱とを併用して成形素材2を溶融する。
(変形例3)
前記した第一の実施形態においては、金型11に埋設された電熱線に通電することで、金型11を加熱し、もって成形素材2を加熱することとしたが、成形素材2の加熱方法を限定する趣旨ではない。例えば、鋳型1を図示せぬ加熱炉に入れ、加熱炉の熱源を利用して成形素材2を加熱してもよい。
前記した第一の実施形態においては、金型11に埋設された電熱線に通電することで、金型11を加熱し、もって成形素材2を加熱することとしたが、成形素材2の加熱方法を限定する趣旨ではない。例えば、鋳型1を図示せぬ加熱炉に入れ、加熱炉の熱源を利用して成形素材2を加熱してもよい。
(変形例4)
前記した第一の実施形態においては、鋳型1が金型11,12からなる場合を例示したが、鋳型1の形態に制限はなく、従来の鋳造方法において用いられている砂型などを使用することもできる。
前記した第一の実施形態においては、鋳型1が金型11,12からなる場合を例示したが、鋳型1の形態に制限はなく、従来の鋳造方法において用いられている砂型などを使用することもできる。
(変形例5)
前記した第一の各実施形態においては、未結合のアルミニウム合金粉末を湯回り不良が懸念される領域Rに投入したが、図2の(a)に示すように、アルミニウム合金粉末の集合体を所定の形状に固結させてなる固結体を成形素材2として湯回り不良が懸念される領域Rに配置してもよい。固結体は、例えば、所定量のアルミニウム合金粉末をバインダー(結合剤)とともに加圧成形することで得ることができる。なお、図2の(a)に示す成形素材2は、湯回り不良が懸念される領域R(金型11に形成されたスリット部分)に丁度納まる形状に成形されている。成形素材2をアルミニウム粉末の固結体とすれば、湯回り不良が懸念される領域Rに迅速に成形素材2を配置することが可能となるので、好適である。
前記した第一の各実施形態においては、未結合のアルミニウム合金粉末を湯回り不良が懸念される領域Rに投入したが、図2の(a)に示すように、アルミニウム合金粉末の集合体を所定の形状に固結させてなる固結体を成形素材2として湯回り不良が懸念される領域Rに配置してもよい。固結体は、例えば、所定量のアルミニウム合金粉末をバインダー(結合剤)とともに加圧成形することで得ることができる。なお、図2の(a)に示す成形素材2は、湯回り不良が懸念される領域R(金型11に形成されたスリット部分)に丁度納まる形状に成形されている。成形素材2をアルミニウム粉末の固結体とすれば、湯回り不良が懸念される領域Rに迅速に成形素材2を配置することが可能となるので、好適である。
(変形例6)
前記した第一の実施形態においては、成形素材2がアルミニウム合金粉末の集合体である場合を例示したが、繊維状や切片状を呈するアルミニウム合金製の微小片の集合体や顆粒の集合体であってもよい。アルミニウム合金の顆粒は、例えば、直径が1〜2.5mm程度のアルミニウム合金製のワイヤを細かく切断することで得ることができる。なお、成形素材2がアルミニウム合金粉末等の集合体である必要はなく、図2の(b)に示すように、湯回り不良が懸念される領域Rと略同一の形状に成形した「塊」でもよい。
前記した第一の実施形態においては、成形素材2がアルミニウム合金粉末の集合体である場合を例示したが、繊維状や切片状を呈するアルミニウム合金製の微小片の集合体や顆粒の集合体であってもよい。アルミニウム合金の顆粒は、例えば、直径が1〜2.5mm程度のアルミニウム合金製のワイヤを細かく切断することで得ることができる。なお、成形素材2がアルミニウム合金粉末等の集合体である必要はなく、図2の(b)に示すように、湯回り不良が懸念される領域Rと略同一の形状に成形した「塊」でもよい。
(第二の実施形態)
第二の実施形態に係る鋳造方法は、図3に示すように、溶湯3を加圧する点が第一の実施形態に係る鋳造方法と異なる。
第二の実施形態に係る鋳造方法は、図3に示すように、溶湯3を加圧する点が第一の実施形態に係る鋳造方法と異なる。
なお、第二の実施形態に係る鋳造方法において使用する鋳型5は、図3の(a)に示すように、鋳鉄や耐熱合金鋼で形成された一対の金型51,52からなる。
金型51,52を型合せしたときに形成される内部空間(キャビティ)50には、アルミニウム製品Aに対応する製品相当部50aと、この製品相当部50aに連通するシリンダ部50bとがある。シリンダ部50bは、一方の金型52に形成されていて、円筒状を呈している。シリンダ部50bには、図3の(c)に示すように、溶湯3を押圧するためのプランジャ53が挿入される。なお、図示は省略するが、鋳型5の適所に内部空間50に通じるガス抜き孔が形成されていて、内部空間50に残留したガスや成形素材2が溶融する際に発生したガス等が鋳型5の外部に排出されるようになっている。
そして、アルミニウム製品Aを製造するには、まず、図3の(b)に示すように、鋳型5の内部空間50のうち湯回り不良が懸念される領域R(図3の(a)参照)に成形素材2を配置する。
続いて、金型51,52を型合せし、その後、鋳型5の内部空間50に溶湯3(図3の(c)参照)を注入する。なお、成形素材2は、溶湯3を注入する前に溶融するか、もしくは注入後に溶融する。
次に、図3の(c)に示すように、鋳型5に注入した溶湯3を加圧する。なお、溶湯3に圧力を加えると、当該圧力は、溶融した成形素材2’にも作用することになる。溶湯3を加圧するには、ジャッキ54,54を用いて一方の金型51を他方の金型52に押圧しつつ、他方の金型52に形成されたシリンダ部50b(図3の(a)参照)にプランジャ53を押し込めばよい。溶湯3に加える圧力の大きさは、鋳型5の内部空間50の形状やアルミニウム合金の組成等に応じて設定すればよいが、40〜100MPa程度である。
その後、溶融した成形素材2’と溶湯3とを適宜な冷却速度で冷却して凝固させ、プランジャ53とジャッキ54,54を除荷したうえで鋳型5を脱型すると、図3の(d)に示すアルミニウム製品Aを得ることができる。
以上、第二の実施形態に係る鋳造方法によると、第一の実施形態の場合と同様に、湯回り不良が懸念される領域Rの隅々まで溶融した成形素材2’を行き渡らせることが可能となるが、溶湯3を加圧することによって、溶融した成形素材2’も加圧されることになるので、領域Rが複雑であったり狭小であったとしても、その隅々までアルミニウム合金を確実に行き渡らせることが可能となる。
さらに、第二の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法においては、溶湯3を加圧するので、鋳型5の内部空間50に残留したガスや、成形素材2が溶融する際に発生したガス等を効率よく排出することが可能となり、その結果、いわゆる巻き込み巣が発生し難くなる。
(変形例)
前記した第二の実施形態においては、溶湯3の加圧方法として、プランジャ53を用いる加圧方法を例示したが、溶湯3の加圧方法を限定する趣旨ではない。例えば、図示は省略するが、鋳型の一部をプランジャとして用いて直接的に溶湯を加圧してもよい。
前記した第二の実施形態においては、溶湯3の加圧方法として、プランジャ53を用いる加圧方法を例示したが、溶湯3の加圧方法を限定する趣旨ではない。例えば、図示は省略するが、鋳型の一部をプランジャとして用いて直接的に溶湯を加圧してもよい。
(第三の実施形態)
前記した第二の実施形態に係る鋳造方法においては、溶湯3を鋳型5に注入した後に、溶湯3を加圧したが(図3参照)、第三の実施形態に係る鋳造方法のように、溶湯3を加圧しつつ注入してもよい。すなわち、図4に示すように、ダイカスト用の鋳型6を用いて溶湯3を高圧(40〜100MPa程度)で注入してもよい。
前記した第二の実施形態に係る鋳造方法においては、溶湯3を鋳型5に注入した後に、溶湯3を加圧したが(図3参照)、第三の実施形態に係る鋳造方法のように、溶湯3を加圧しつつ注入してもよい。すなわち、図4に示すように、ダイカスト用の鋳型6を用いて溶湯3を高圧(40〜100MPa程度)で注入してもよい。
鋳型6は、図4の(a)に示すように、可動ダイス61と、この可動ダイス61と型合せされる固定ダイス62と、この固定ダイス62が固定されるダイス取付板63と、固定ダイス62に形成された湯道62aに連通するシリンダ64とを備えている。シリンダ64には、図4の(c)に示すように、溶湯3を押圧するためのプランジャ65が挿入される。なお、図示は省略するが、可動ダイス61には、電熱線が埋設されており、当該電熱線に通電することで、可動ダイス61が加熱される。
そして、アルミニウム製品Aを製造するには、まず、図4の(b)に示すように、鋳型6の内部空間60のうち湯回り不良が懸念される領域R(図4の(a)参照)に成形素材2を配置する。
続いて、図4の(c)に示すように、可動ダイス61と固定ダイス62を型合せした後に、シリンダ64に形成された湯口64aから溶湯3を注入する。
次に、図4の(d)に示すように、プランジャ65をシリンダ64に押し込んでシリンダ64内の溶湯3を加圧して、溶湯3を鋳型6の内部に圧入する。なお、成形素材2は、溶湯3を注入する前に溶融してもよいし、注入後に溶融してもよいが、本実施形態のように溶融した成形素材2’が湯回り不良が懸念される領域Rから流出し易いような場合においては、鋳型6の内部空間60に溶湯3を充満させた後に成形素材2を溶融するとよい。
溶湯3を注入した後に成形素材2を溶融するには、溶湯3の熱と溶湯3とは別の熱源(例えば、固定ダイス61に埋設した電熱線)から発生させた熱とを併用して成形素材2を溶融するか、あるいは、成形素材2の溶融温度よりも高温に熱した溶湯3を鋳型6に注入し、溶湯3の熱によって成形素材2を溶融すればよい。
その後、溶融した成形素材2’と溶湯3とを適宜な冷却速度で冷却して凝固させ、鋳型6を脱型すると、図4の(e)に示すアルミニウム製品Aを得ることができる。
以上、第三の実施形態に係る鋳造方法によると、第二の実施形態の場合と同様に、溶湯3を加圧するので、湯回り不良が懸念される領域Rが複雑であったり狭小であったとしても、その隅々までアルミニウム合金を確実に行き渡らせることが可能となる。
1 鋳型
2 成形素材
3 溶湯
A アルミニウム製品
2 成形素材
3 溶湯
A アルミニウム製品
Claims (9)
- 鋳型の内部空間のうち湯回り不良が懸念される領域にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる成形素材を配置したうえで、前記成形素材を溶融し、前記内部空間に注入したアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯とともに凝固させることを特徴とする鋳造方法。
- 前記溶湯を前記内部空間に注入する前に、前記成形素材を溶融することを特徴とする請求項1に記載の鋳造方法。
- 前記溶湯を前記内部空間に注入した後に、前記成形素材を溶融することを特徴とする請求項1に記載の鋳造方法。
- 鋳型の内部空間のうち湯回り不良が懸念される領域にアルミニウム又はアルミニウム合金からなる成形素材を配置したうえで、前記成形素材の溶融温度よりも高温のアルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯を注入して前記成形素材を溶融し、前記溶湯とともに凝固させることを特徴とする鋳造方法。
- 前記成形素材を溶融する前に、前記内部空間を真空又は不活性ガス雰囲気にすることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の鋳造方法。
- 前記溶湯を加圧することを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の鋳造方法。
- 前記成形素材は、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる粉末又は顆粒の集合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の鋳造方法。
- 前記成形素材は、溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金を、真空又は不活性ガス中で噴霧することによって得られた粉末の集合体であることを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか一項に記載の鋳造方法。
- 前記成形素材は、Al−Si系合金、Al−Cu系合金又はAl−Cu−Si系合金からなることを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか一項に記載の鋳造方法。
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