JP2007083264A - アルミニウム製品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】型枠の内部空間で溶湯を凝固させることでアルミニウム製品を製造する方法であって、厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することが可能で、かつ、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単にしかも安価に製造することが可能なアルミニウム製品の製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】型枠1の内部空間10で溶湯3を凝固させることでアルミニウム製品を製造する方法であって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる微小片を型枠1の内部空間10に充填した後に、微小片の集合体2を加熱して溶湯3を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】型枠1の内部空間10で溶湯3を凝固させることでアルミニウム製品を製造する方法であって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる微小片を型枠1の内部空間10に充填した後に、微小片の集合体2を加熱して溶湯3を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、アルミニウム製品の製造方法に関する。
アルミニウム製品又はアルミニウム合金製品(以下、単に「アルミニウム製品」という。)の製造方法の一つとして、所定の形状に成形された砂型や金型に溶湯を注入する「鋳造」が知られている。
ところで、形状が複雑なアルミニウム製品(鋳物)や薄肉部分を有するアルミニウム製品を製造する場合には、重力を利用する鋳造方法よりも、加圧力を利用する鋳造方法(ダイカスト)が採用されることが多い(例えば、特許文献1参照)。
なお、特許文献1には、形状が複雑なアルミニウム製品や薄肉部分を有するアルミニウム製品を容易に製造することができるダイカスト用金型として、工具鋼からなる母材のキャビティ側の面に熱伝導率の小さい析出硬化系ステンレス鋼を積層したものが開示されている。
特開2000−317608号公報
ところが、特許文献1の金型は、その製造コストが高いという問題がある。また、ダイカスト法について共通する問題ではあるが、溶湯を圧入するための溶湯圧入装置が高価であるという問題もある。さらに、ダイカスト法では、金型に高圧が作用するとともに、高速で圧入される溶湯によって金型に大きな衝撃力が作用することから、重力を利用する鋳造方法の場合よりも、金型の寿命が短くなる虞がある。
また、ダイカスト法は、厚肉部分を有するアルミニウム製品や肉厚が不揃いなアルミニウム製品には不向きであるし、アルミニウム製品の形状が著しく複雑である場合には、湯回り不良が発生する虞もある。
そこで、本発明は、前記した従来の鋳造方法の短所を解消することが可能なアルミニウム製品の製造方法を提供することを課題とする。すなわち、本発明は、型枠の内部空間で溶湯を凝固させることでアルミニウム製品を製造する方法であって、厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することが可能で、かつ、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単にしかも安価に製造することが可能なアルミニウム製品の製造方法を提供することを課題とする。
このような課題を解決する本発明は、型枠の内部空間で溶湯を凝固させることでアルミニウム製品を製造する方法であって、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる微小片を型枠の内部空間に充填した後に、前記微小片の集合体を加熱して溶湯を形成することを特徴とする。
本発明によると、アルミニウム又はアルミニウム合金からなる微小片を型枠の内部空間に充填してから当該微小片の集合体を溶融して溶湯を形成するので、型枠の内部空間が複雑な形状を呈している場合であっても、その隅々まで溶湯を行き渡らせることが可能となる。つまり、本発明によれば、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単に製造することが可能となる。なお、本発明に係る製造方法は、厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することができる。
また、高温の溶湯を型枠に注入する従来の製造方法(鋳造方法)においては、溶湯の取り扱いに注意を払う必要があったが、本発明においては、型枠の内部空間において溶湯を形成するので、従来の鋳造方法よりも手軽にアルミニウム製品を製造することが可能となる。
さらに、本発明においては、型枠に高い圧力や衝撃力が作用することもなく、湯回り不良を防ぐための特別な細工を型枠に施す必要もないので、型枠の製作費用が安価になる。
なお、微小片の形態は、型枠の内部空間に充填可能なものであれば特に制限はなく、繊維状や切片状であってもよいが、好適には、粉末状又は顆粒状であることが望ましい。微小片が粉末又は顆粒であれば、その取り扱いがより一層容易になるとともに、狭小な空間であっても、隙間なく充填することが可能となる。
なお、アルミニウム又はアルミニウム合金の粉末は、アルミニウム又はアルミニウム合金の塊を機械的方法で粉化するか、あるいは、溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金(すなわち、アルミニウム又はアルミニウム合金の溶湯)から直接粉化することにより得ることができる。特に、溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金を真空又は不活性ガス中で噴霧することで粉化すれば、粉末中の酸化物の量が少なくなるので、不純物の少ないアルミニウム製品を得ることができる。
なお、粒状の微小片は、例えば、アルミニウム製又はアルミニウム合金製のワイヤを細かく切断することで得ることができる。
また、前記微小片は、より好適には、Al−Si系合金、Al−Cu系合金又はAl−Cu−Si系合金からなることが望ましい。このような組成の合金であれば、その溶融温度(融点)が低いため、製造効率が向上する。
なお、本発明においては、前記集合体を加熱する前に、前記型枠の内部空間を真空又は不活性ガス雰囲気にするとよい。真空又は不活性ガス雰囲気中で微小片の集合体を加熱して溶融すれば、溶湯の表面に酸化膜が形成されることを防ぐことができるので、溶湯の湯回り性を良好に保つことができる。
また、本発明においては、前記溶湯を加圧してもよい。このようにすると、型枠の内部空間に残留したガスを効率よく排出することが可能となるので、いわゆる巻き込み巣が発生し難くなる。
本発明に係るアルミニウム製品の製造方法によると、形状が複雑なアルミニウム製品や肉厚が不揃いのアルミニウム製品を簡単にしかも安価に製造することが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を、添付した図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(第一の実施形態)
第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法は、図1に示すように、アルミニウム合金からなる微小片を型枠1の内部空間10に充填した後に(図1の(b)参照)、微小片の集合体2を加熱して溶湯3を形成し(図1の(c)参照)、型枠1の内部空間10で溶湯3を凝固させることでアルミニウム製品Aを製造するものである(図1の(d)参照)。
第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法は、図1に示すように、アルミニウム合金からなる微小片を型枠1の内部空間10に充填した後に(図1の(b)参照)、微小片の集合体2を加熱して溶湯3を形成し(図1の(c)参照)、型枠1の内部空間10で溶湯3を凝固させることでアルミニウム製品Aを製造するものである(図1の(d)参照)。
型枠1は、図1の(a)に示すように、鋳鉄や耐熱合金鋼で形成された一対の金型11,12からなる。金型11,12を型合せしたときに形成される内部空間(キャビティ)10には、製造すべきアルミニウム製品A(図1の(d)参照)に対応する製品相当部10aと、この製品相当部10aに連通する押湯部10bとがある。なお、図示は省略するが、金型11,12には、電熱線が埋設されており、当該電熱線に通電することで、金型11,12が加熱される。
微小片は、Al−Cu−Si系合金(アルミニウム合金)からなる粉末である。この粉末は、溶融したAl−Cu−Si系合金を真空又は不活性ガス中で噴霧することで形成されたものである。このような製法で得た粉末であれば、粉末中の酸化物の量が少なくなるので、不純物の少ないアルミニウム製品Aを製造することが可能となる。ちなみに、前記した製法で得た粉末は、球状を呈し、その粒度は5〜500μm程度である。なお、Al−Cu−Si系合金の塊を機械的方法で粉化してもよい。機械的に粉化した粉末は、鱗片状(フレーク状)を呈し、その粒度は2〜200μm程度である。
Al−Cu−Si系合金の組成は、溶融温度(融点)が525℃である三元共晶組成(Cu:26.7質量%、Si:5.3質量%)に近似するものであることが望ましい。具体的には、Cu(銅)を22〜37質量%、Si(珪素)を3〜12質量%含み、残部がAl(アルミニウム)及び不可避的不純物であるAl−Cu−Si系合金であることが望ましい。SiおよびCuの比率が前記した数値範囲にあれば、530〜560℃という低い温度範囲で微小片を溶融させることが可能となるので、アルミニウム製品Aの生産効率が向上する。
なお、微小片を構成する金属の種類は、製造すべきアルミニウム製品Aの用途等に応じて変更してもよく、例えば、Al−Si系合金やAl−Cu系合金など従来より鋳造用合金(重量鋳造用アルミニウム合金やダイカスト用アルミニウム合金)として使用されてきたアルミニウム合金のほか、アルミニウムであってもよい。
そして、アルミニウム製品Aを製造するには、まず、図1の(b)に示すように、型枠1の内部空間10(図1の(a)参照)に微小片(アルミニウム合金の粉末)を充填する。
なお、金型11,12を型合せした後に、内部空間10に所定量の微小片を投入してもよいし、図2の(a)および(b)に示すように、分離した状態の金型11,12の各々に所定量の微小片を投入した後に、金型11,12を型合せしてもよい。なお、図2の(a)の右側に図示した金型12のように上下が開口している場合には、一方の開口(本実施形態では、押湯部10b側の開口)を蓋材12aで塞いだうえで微小片を投入し、図2の(c)に示すように、金型12を上に位置させた後に、蓋材12aを取り除けばよい。
なお、型枠1の内部空間10(あるいは金型11,12の内部空間10となる凹部)に所定量の微小片を投入した後に、微小片の集合体2を棒等で突き固めるか、微小片の集合体2に振動を与えるなどして内部空間10に対する微小片の充填率を向上させるとよい。
続いて、図1の(b)に示す微小片の集合体2を加熱して溶湯3(図1の(c)参照)を形成する。具体的には、金型11,12に埋設した図示せぬ電熱線に通電して、金型11,12をAl−Cu−Si系合金(アルミニウム合金)の溶融温度(液相線温度)以上に加熱すればよい。なお、集合体2を溶融すると、見かけ上の容積が減少するが、押湯部10bの溶湯3が製品相当部10a(図1の(a)参照)に供給されるので、製品相当部10aに発生する引け巣を抑制することができる。
その後、適宜な冷却速度で溶湯3を冷却して凝固させ、型枠1を脱型すると、図1の(d)に示すアルミニウム製品Aを得ることができる。
なお、図1の(b)に示す微小片の集合体2を加熱する前に、型枠1の内部空間10(図1の(a)参照)を真空又は不活性ガス雰囲気にするとよい。内部空間10を真空にする場合には、例えば、図示は省略するが、密閉容器の中に型枠1を入れたうえで、真空ポンプ等を用いて密閉容器の内部にある空気を吸引すればよい。また、内部空間10を不活性ガス雰囲気とする場合には、密閉容器の内部を真空にした後に、不活性ガスを封入すればよい。真空又は不活性ガス雰囲気中で微小片を加熱して溶融すれば、溶湯の表面に酸化膜が形成されることを防ぐことができるので、溶湯の湯回り性を良好に保つことができる。
以上、第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法によれば、アルミニウム合金からなる微小片を型枠1の内部空間10に充填してから、微小片の集合体2を溶融して溶湯3を形成するので、型枠1の内部空間10が複雑な形状を呈している場合であっても、その隅々まで溶湯3を行き渡らせることが可能となる。つまり、第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法によれば、形状が複雑で肉厚も不揃いなアルミニウム製品Aを簡単に製造することが可能となる。なお、第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法は、厚肉のアルミニウム製品にも薄肉のアルミニウム製品にも適用することができる。
また、高温の溶湯を型枠に注入する従来の製造方法(鋳造方法)においては、溶湯の取り扱いに注意を払う必要があったが、第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法によれば、型枠1の内部空間10において溶湯3を形成するので、従来の鋳造方法よりも手軽にアルミニウム製品Aを製造することが可能となる。
さらに、第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法によれば、型枠1に高い圧力や衝撃力が作用することもなく、湯回り不良を防ぐための特別な細工を型枠1に施す必要もないので、型枠1の製作費用が安価になる。
また、第一の実施形態においては、粉末状の微小片を使用したので、その取り扱いが容易になるとともに、型枠1の内部空間10が狭小であっても、隙間なく充填することができる。
(変形例1)
前記した第一の実施形態においては、型枠1が金型11,12からなる場合を例示したが、型枠1の形態に制限はなく、従来の鋳造方法において用いられている鋳型(砂型など)と同様のものを使用することができる。
前記した第一の実施形態においては、型枠1が金型11,12からなる場合を例示したが、型枠1の形態に制限はなく、従来の鋳造方法において用いられている鋳型(砂型など)と同様のものを使用することができる。
(変形例2)
前記した第一の実施形態においては、金型11,12に埋設された電熱線に通電することで、金型11,12を加熱し、もって微小片の集合体2を加熱することとしたが、集合体2の加熱方法を限定する趣旨ではない。例えば、微小片の集合体2が充填された型枠1を図示せぬ加熱炉に入れ、加熱炉の熱源を利用して集合体2を加熱してもよい。
前記した第一の実施形態においては、金型11,12に埋設された電熱線に通電することで、金型11,12を加熱し、もって微小片の集合体2を加熱することとしたが、集合体2の加熱方法を限定する趣旨ではない。例えば、微小片の集合体2が充填された型枠1を図示せぬ加熱炉に入れ、加熱炉の熱源を利用して集合体2を加熱してもよい。
(変形例3)
前記した第一の実施形態においては、微小片が粉末である場合を例示したが、顆粒であってもよい。アルミニウム合金の顆粒は、例えば、直径が1〜2.5mm程度のアルミニウム合金製のワイヤを細かく切断することで得ることができる。なお、微小片の形態は、粉末状や顆粒状のものに限定されることはなく、型枠1の内部空間10に充填可能な形態であれば繊維状や切片状などであってもよい。
前記した第一の実施形態においては、微小片が粉末である場合を例示したが、顆粒であってもよい。アルミニウム合金の顆粒は、例えば、直径が1〜2.5mm程度のアルミニウム合金製のワイヤを細かく切断することで得ることができる。なお、微小片の形態は、粉末状や顆粒状のものに限定されることはなく、型枠1の内部空間10に充填可能な形態であれば繊維状や切片状などであってもよい。
(変形例4)
前記した第一の各実施形態においては、未結合の微小片(粉末)を型枠1の内部空間10に投入したが、図3に示すように、微小片の集合体を所定の形状に固結させてなる固結体2aを型枠1の内部空間10の適所に配置してもよい。固結体2aは、例えば、所定量の微小片をバインダー(結合剤)とともに加圧成形することで得ることができる。なお、図3に示す固結体2aは、金型11に形成されたスリット部11aに丁度納まる形状に成形されている。このような固結体2aを予め成形しておけば、図1の(a)に示す型枠1の内部空間10に迅速に微小片を詰め込むことが可能となるので、好適である。
前記した第一の各実施形態においては、未結合の微小片(粉末)を型枠1の内部空間10に投入したが、図3に示すように、微小片の集合体を所定の形状に固結させてなる固結体2aを型枠1の内部空間10の適所に配置してもよい。固結体2aは、例えば、所定量の微小片をバインダー(結合剤)とともに加圧成形することで得ることができる。なお、図3に示す固結体2aは、金型11に形成されたスリット部11aに丁度納まる形状に成形されている。このような固結体2aを予め成形しておけば、図1の(a)に示す型枠1の内部空間10に迅速に微小片を詰め込むことが可能となるので、好適である。
(第二の実施形態)
第二の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法は、図4に示すように、微小片の集合体2を加熱して形成した溶湯3を加圧する点が第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法と異なる。
第二の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法は、図4に示すように、微小片の集合体2を加熱して形成した溶湯3を加圧する点が第一の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法と異なる。
なお、第二の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法において使用する型枠5は、図4の(a)に示すように、鋳鉄や耐熱合金鋼で形成された一対の金型51,52からなる。
金型51,52を型合せしたときに形成される内部空間(キャビティ)50には、アルミニウム製品Aに対応する製品相当部50aと、この製品相当部50aに連通するシリンダ部50bとがある。シリンダ部50bは、一方の金型52に形成されていて、円筒状を呈している。シリンダ部50bには、図4の(c)に示すように、溶湯3を押圧するためのプランジャ53が挿入される。なお、図示は省略するが、金型51,52には、電熱線が埋設されており、当該電熱線に通電することで、金型51,52が加熱される。また、図示は省略するが、型枠5の適所に内部空間50に通じるガス抜き孔が形成されていて、内部空間50に残留したガスや微小片が溶融する際に発生したガス等が型枠5の外部に排出されるようになっている。
そして、アルミニウム製品を製造するには、まず、図4の(b)に示すように、型枠5の内部空間50(図4の(a)参照)に微小片(アルミニウム合金の粉末)を充填する。
続いて、図4の(c)に示すように、微小片の集合体2(図4の(b)参照)を加熱して溶湯3を形成し、さらに、溶湯3を加圧する。溶湯3を加圧するには、ジャッキ54,54を用いて一方の金型51を他方の金型52に押圧しつつ、他方の金型52に形成されたシリンダ部50bにプランジャ53を押し込めばよい。溶湯3に加える圧力の大きさは、型枠5の内部空間50の形状やアルミニウム合金の組成等に応じて設定すればよいが、40〜100MPa程度である。
なお、溶湯3が形成される前から、プランジャ53をシリンダ部50bに押し込んでおいてもよい(図4の(b)参照)。つまり、プランジャ53で微小片の集合体2に圧力を加えつつ、集合体2を加熱して溶湯3を形成してもよい。
その後、適宜な冷却速度で溶湯3を冷却して凝固させ、プランジャ53とジャッキ54,54を除荷したうえで型枠5を脱型すると、図4の(d)に示すアルミニウム製品Aを得ることができる。
以上、第二の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法によると、第一の実施形態の場合と同様に、型枠5の内部空間50の隅々まで溶湯3を行き渡らせることが可能となるが、溶湯3を加圧するので、内部空間50が第一の実施形態に係る型枠1の内部空間10よりも複雑であったり狭小であったとしても、その隅々まで溶湯3を行き渡らせることが可能となる。
さらに、第二の実施形態に係るアルミニウム製品の製造方法においては、溶湯3を加圧するので、型枠5の内部空間50に残留したガスや、微小片が溶融する際に発生したガス等を効率よく排出することが可能となり、その結果、いわゆる巻き込み巣が発生し難くなる。
(変形例)
前記した第二の実施形態においては、溶湯3の加圧方法として、プランジャ53を用いる加圧方法を例示したが、溶湯3の加圧方法を限定する趣旨ではない。例えば、図示は省略するが、型枠の一部をプランジャとして用いて直接的に溶湯3を加圧してもよい。
前記した第二の実施形態においては、溶湯3の加圧方法として、プランジャ53を用いる加圧方法を例示したが、溶湯3の加圧方法を限定する趣旨ではない。例えば、図示は省略するが、型枠の一部をプランジャとして用いて直接的に溶湯3を加圧してもよい。
1 型枠
2 微小片の集合体
3 溶湯
A アルミニウム製品
2 微小片の集合体
3 溶湯
A アルミニウム製品
Claims (6)
- 型枠の内部空間で溶湯を凝固させることでアルミニウム製品を製造する方法であって、
アルミニウム又はアルミニウム合金からなる微小片を型枠の内部空間に充填した後に、前記微小片の集合体を加熱して溶湯を形成することを特徴とするアルミニウム製品の製造方法。 - 前記集合体を加熱する前に、前記型枠の内部空間を真空又は不活性ガス雰囲気にすることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム製品の製造方法。
- 前記溶湯を加圧することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のアルミニウム製品の製造方法。
- 前記微小片は、粉末又は顆粒であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム製品の製造方法。
- 前記微小片は、溶融したアルミニウム又はアルミニウム合金を真空又は不活性ガス中で噴霧することによって得られたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のアルミニウム製品の製造方法。
- 前記微小片は、Al−Si系合金、Al−Cu系合金又はAl−Cu−Si系合金からなることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載のアルミニウム製品の製造方法。
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