JP5944751B2 - 中子砂、同中子砂から造型される砂中子および同砂中子を用いたダイカスト鋳造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋳型の中子に用いられる砂中子を造型するための中子砂、該砂中子および該砂中子を用いたダイカスト鋳造方法に関する。
溶湯を高圧で金型に注入するダイカスト鋳造に用いられる砂中子は、溶湯注入時の高速高圧に十分耐える強度を有し、かつ鋳造後の崩壊性に優れている必要がある。
精密鋳造法として、一般的なシェルモールド法などでは、粘結剤を添加された鋳物砂を加熱した金型にふりかけて覆うことで、粘結剤が砂粒を結合して熱硬化してシェル状の砂型を成形するもので、鋳物砂は熱硬化した粘結剤により石垣構造をなし、溶湯注入時の高圧にも耐える強度を確保することができ、かつ溶湯の高温の作用で粘結剤が分解されて砂粒間の結合作用が失われ砂型を崩壊させることができる。
ここに、熱硬化した粘結剤を分解するには十分に高い温度が作用する必要があるが、アルミニウム合金のような軽合金鋳物などは、注湯温度が低く、そのため砂型の崩壊が十分に進行せず、特に砂中子の場合に内部まで十分加熱されず塊が少しでも残ると、砂出しが面倒となる。
そこで、低温域でも良好な鋳型の崩壊性を示すシェルモールド用樹脂組成物およびレジンコーテッドサンドが、提案されている(特許文献1参照)。
特開2011−67836号公報
特許文献1では、粘結剤としてのフェノール樹脂および崩壊剤としてのポリオキシアルキレンリン酸エステルを含むシェルモールド用樹脂組成物を用い、同シェルモールド用樹脂組成物を所定の温度に加熱された耐火性粒状材料(鋳物砂)に溶融被覆することでレジンコーテッドサンドを得ている。
そして、このレジンコーテッドサンドを焼成した試験片について、常温(25℃)での抗折力と任意温度(300℃、350℃、400℃)で15分間の加熱処理後の抗折力の差から崩壊率を算出している。
その結果、低温の300℃でも良好な崩壊性を示したとされる。
しかし、特許文献1における実施例で測定に供されたレジンコーテッドサンドを焼成した試験片がいかなる形状のものあるか不明であるが、15分間の加熱処理により試験片が内部を含め全て任意温度に達していたものを測定したと考えられる。
実際にレジンコーテッドサンドを造型金型に充填して加熱して成形される砂型には、主型以外に砂中子があり、砂中子には容積の大きい中実の砂中子などがあり、このような砂中子の場合、溶湯の注入により外側から熱が加わるために、内側の中央部分にまで十分な熱が伝わらない場合がある。
十分な熱が伝わらなければ、たとえ特許文献1に開示されたレジンコーテッドサンドを用いて砂中子を成形しても、その内側の中央部分が崩壊せずに残る可能性がある。
特に、砂中子の場合に、中央部分が崩壊せずに残ると除去が面倒となり、鋳物製品の生産効率が低下する。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、注湯の圧力に耐え、かつ溶湯の熱により内部まで容易に崩壊することができ排砂性に優れた砂中子を成形する中子砂、該砂中子および該砂中子を用いたダイカスト鋳造方法を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
熱硬化性樹脂である粘結剤(r)により表面を被覆された不規則な粒形の天然砂(Sn)と、熱硬化性樹脂である粘結剤(r)により表面を被覆された球状粒形のアルミナ系人工砂(Sa)とが、前記天然砂(Sn)の間の隙間に前記アルミナ系人工砂(Sa)が介入するように混合されたことを特徴とする中子砂である
請求項2記載の発明は、
熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂粘結剤(r)により表面を被覆された不規則な粒形の天然砂(Sn)と、熱硬化性樹脂である粘結剤(r)により表面を被覆された球状粒形のアルミナ系人工砂(Sa)とが、前記天然砂(Sn)の間の隙間に前記アルミナ系人工砂(Sa)が介入するように混合され、
前記天然砂(Sn)の粒度分布における平均粒径より小さい粒径範囲に、前記アルミナ系人工砂(Sa)の粒径が入ることを特徴とする中子砂である。
請求項記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載された中子砂(S)から構成された造形物からなることを特徴とする砂中子である。
請求項記載の発明は、請求項記載の砂中子において、密度が1.5〜1.8g/cmであることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項または請求項に記載された砂中子を主型にセットし、主型のキャビティに溶湯を高圧で注入し、充填された溶湯冷却凝固させて鋳物製品を鋳造ることを特徴とするダイカスト鋳造方法である。
請求項記載の発明は、請求項記載のダイカスト鋳造方法において、前記溶湯は、アルミニウム合金であることを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項記載のダイカスト鋳造方法において、前記主型の所要箇所に冷媒を所要タイミングで循環させて前記溶湯を冷却することを特徴とする。
請求項1記載の発明は、熱硬化性樹脂である粘結剤(r)により表面を被覆された不規則な粒形の天然砂(Sn)と球状粒形のアルミナ系人工砂(Sa)とが、天然砂(Sn)の間の隙間にアルミナ系人工砂(Sa)が介入するように混合された中子砂(S)としたので、該中子砂(S)を中子金型(1)に充填して加熱することにより粘結剤(r)の熱硬化で石垣構造を形成して造型された砂中子(C)は、注湯圧力に十分耐える強度を有するとともに、溶湯の注入により砂中子(C)の外側が加熱されると、熱伝達率の優れたアルミナ系人工砂(Sa)が天然砂(Sn)の間の隙間に介入しているため、溶湯の熱が砂中子(C)の内側の中央部分まで十分伝達されて内部の粘結剤(r)まで加熱されて分解され、砂粒間の結合作用が失われて砂中子(C)を内部まで崩壊させることが容易にできて排砂性が向上し、生産効率を上げることができる。
また、崩壊性に優れているので、必ずしも崩壊剤を必要とせずコストを抑えることができる。
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、天然砂(Sn)の粒度分布における平均粒径より小さい粒径範囲に、前記アルミナ系人工砂(Sa)粒径が入るので、該中子砂(S)は不規則な粒形の天然砂(Sn)の間の隙間に粒径の小さい球状のアルミナ系人工砂(Sa)が容易に介入して混合されており、よって該中子砂(S)を中子金型(1)に充填して加熱すると、フェノール樹脂粘結剤(r)の熱硬化で天然砂(Sn)間に介在するアルミナ系人工砂(Sa)が天然砂(Sn)を連結する形で高い強度の石垣構造の砂中子(C)を成形することができる。
請求項記載の発明は、請求項1ないし請求項のいずれかに記載された中子砂から構成された砂中子であるから、該砂中子は、粘結剤の熱硬化で天然砂間に介在するアルミナ系人工砂が天然砂を連結する形で注湯圧力に耐える高い強度の石垣構造を構成しているとともに、熱伝達率の優れたアルミナ系人工砂が天然砂の間の隙間に介入しているため、砂中子の内側の中央部分まで十分熱が伝達されて加熱され、粘結剤が分解されて砂粒間の結合作用が失われ砂中子を内部まで崩壊させることが容易にできて排砂性が向上し、生産効率を上げることができる。
請求項記載の発明は、密度が1.5〜1.8g/cmの砂中子であるから、密度が適度に高い分、粘結剤の熱硬化による接着点も多くなり、アルミナ系人工砂が天然砂を強固に連結して注湯圧力に十分耐える強度の石垣構造を容易に形成することができる。
請求項記載の発明は、請求項または請求項に記載された砂中子を主型にセットし、キャビティに溶湯を高圧で注入し、充填された溶湯が冷却凝固して鋳物製品が鋳造されるダイカスト鋳造方法であるので、砂中子は、ダイカスト鋳造において、高い強度の石垣構造により注湯の高圧力に十分耐え、また熱伝達率の優れたアルミナ系人工砂が天然砂の間の隙間に介入しているため、砂中子の内側の中央部分まで十分熱が伝達されて加熱され、粘結剤が分解されて砂粒間の結合作用が失われ砂中子を内部まで崩壊させることが容易にできて排砂性が向上し、生産効率を上げることができる。
請求項記載の発明は、前記溶湯がアルミニウム合金であるアルミダイカスト鋳造方法であるので、注湯温度が比較的低いが、砂中子は熱伝導率の優れたアルミナ系人工砂が天然砂の間の隙間に介入しているため、砂中子の内側の中央部分まで加熱することが可能で、砂中子を内部まで容易に崩壊させることができる。
請求項記載の発明は、主型の所要箇所に冷却水を所要タイミングで循環させて前記溶湯を冷却するダイカスト鋳造方法としたので、注湯温度を適正に制御して性状の良好な鋳物製品を鋳造することができる。
本実施の形態に係る中子砂の天然砂Snとアルミナ系人工砂Saの粒度分布図である。 中子金型の造型時の断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 中子金型により造型された砂中子Cの斜視図である。 砂中子Cの砂粒の結合構造を模式的に示した図である。 シリンダブロック鋳造装置の概略説明図である。 同シリンダブロック鋳造装置の鋳造時の断面図である。 砂中子Cのフェノール樹脂rが分解した状態の構造を模式的に示した図である。 シリンダブロック鋳造装置のキャビティに注入されたアルミニウム合金の温度変化と体積変化を示したグラフである。 砂中子Cのフェノール樹脂rが崩落した状態の構造を模式的に示した図である。 フェノール樹脂rが崩落した砂中子Cの電子顕微鏡画像である。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図11に基づいて説明する。
本実施の形態に係る中子砂Sは、不規則な粒形の天然砂Snと球状粒形のアルミナ系人工砂Saを加熱して粘結剤としてフェノール樹脂rを添加して混合したものである。
ここに使用された天然砂Snとアルミナ系人工砂Saの粒度分布を図1に示す。
天然砂Snは、平均粒径が160μmで分散も比較的大きい粒度分布を示しており、粒径が広い範囲に分散している。
天然の各種山砂や天然珪砂を混合して、このような粒度分布を示す天然砂Snを構成する。
これに対して、アルミナ系人工砂Saは、アルミナ系の粒形が真珠に近い球状の人工砂であり、平均粒径が94μmと小さく分散も小さい粒径が比較的揃った粒度分布を示すアルミナ系人工砂Saを用いる。
このアルミナ系人工砂Saは、球状をなして流動性が良く充填性に優れ強度もあるとともに、熱膨張率が低く、また熱伝導率が高い特性を有している。
図1の粒度分布図に示すように、天然砂Snとアルミナ系人工砂Saは、天然砂Snの粒度分布における平均粒径160μmより小さい粒径範囲に、アルミナ系人工砂Saの殆どの粒径が入る粒度分布を示している。
このような天然砂Snとアルミナ系人工砂Saを、天然砂Snに対するアルミナ系人工砂Saの混合割合が20%程度に混合する。
このとき、天然砂Snとアルミナ系人工砂Saを加熱し、熱硬化性樹脂の粘結剤であるフェノール樹脂rを添加して混合することで、天然砂Snとアルミナ系人工砂Saの表面がフェノール樹脂rにより被覆されたレジンコーテッドサンドである中子砂Sを形成する。
中子砂Sは、平均粒径160μmの不規則な粒形をした天然砂Snの間の隙間に、平均粒径が94μmの球状粒形のアルミナ系人工砂Saが介入するようにして混合される。
なお、中子砂Sには、リン酸エステル等の崩壊剤を添加してもよい。
この中子砂Sを中子金型1に充填して加熱することにより砂中子Cを造型する。
本実施の形態では、内燃機関のシリンダブロックをアルミダイカスト鋳造方法に基づいて鋳造するシリンダブロック鋳造装置10においてシリンダブロックのウォータジャケットに相当する円筒状空洞部分を成形する砂中子Cを造型する。
図2および図3に、砂中子Cを造型する中子金型1の造型時の断面図を示す。
中子金型1は、円筒状の砂中子Cの外周面を造型する概ね円形の凹部を有する固定型2と、固定型2の凹部に挿入され円筒状の砂中子Cの内周面を造型する円柱状の可動内型3と、可動内型3を摺動自在に支持して固定型2に合体する可動外型4とからなる。
固定型2の凹部内周面と可動内型3の外周面と間に円筒状のキャビティが形成され、円筒状のキャビティの4箇所が外側に膨出し、その4つの膨出部をそれぞれ支持ピンが貫通して、支持ピンの両端は固定型2と可動外型4に嵌入して架設されており、この4本の支持ピンにより固定型2に対する可動外型4および可動内型3の位置決めがなされる。
固定型2において、円筒状のキャビティの上部から上方に抜ける送給路2pが形成されている。
送給路2pにより外部からキャビティに前記中子砂Sを送り込む。
固定型2および可動内型3の内部には、キャビティの周囲に図示されないが電熱線が埋設されて加熱されるようになっている。
このような中子金型1のキャビティに送給路2pから前記中子砂Sを圧縮空気により送り込んで充填し、金型内に埋設された電熱線に電流を流し、または金型をガスバーナの火炎で加熱することで、約250℃で加熱してキャビティ内の中子砂Sを焼成して砂中子Cを造型する。
中子砂Sは、天然砂Snの間の隙間にアルミナ系人工砂Saが介入するように混合され、砂粒の表面にはフェノール樹脂rが被覆されているので、このような中子砂Sが約250℃で加熱されると、砂粒の表面のフェノール樹脂rが熱硬化して隣接する砂粒間を結合するため、天然砂Sn間を直接連結あるいはアルミナ系人工砂Saが仲介して連結し、石垣構造を形成して砂中子Cが造型される。
本砂中子Cの密度は、1.65g/cm程度である。
アルミナ系人工砂Saは熱伝導率が良いので、砂中子Cの内部まで容易に熱伝達可能な石垣構造を形成する。
造型された砂中子Cを図4に示す。
該砂中子Cは、シリンダブロックのウォータジャケットを成形する中子であり、円筒状の砂中子Cの4箇所が外側に膨出し、その各膨出部に支持ピン5が貫通している。
この砂中子Cの砂粒間をフェノール樹脂rの熱硬化による結合した結合構造を、模式的に示したのが、図5である。
図5に示す模式図では、不規則な粒形である天然砂Snを便宜上球形(図5で白抜き大径の円)として示している。
アルミナ系人工砂Saは、実際と同じ略球形(図5で内部を散点で示される円)をしている。
天然砂Snに対するアルミナ系人工砂Saの混合割合が25%である本砂中子Cの密度が1.65g/cmであり、天然砂Snの間の隙間にアルミナ系人工砂Saが介入するように混合され、フェノール樹脂r(図5で黒丸)が隣接する砂粒間を結合して熱硬化するため、天然砂Sn間をアルミナ系人工砂Saが仲介して連結するとともに、天然砂Snどうしも結合されて適正な石垣構造を形成している。
したがって、砂中子Cは、この適正な石垣構造により注湯圧力に十分耐える強度を有する。
また、熱硬化して砂粒間を結合しているフェノール樹脂rは、約400℃を越える加熱を受けると、分解して砂粒間の結合作用を失うので、石垣構造が崩れ、砂中子Cは崩壊することができる。
なお、砂中子Cは、中子金型1から取り出された後に、表面温度が約100℃程度の余熱を有するときに、砂中子Cの表面に微粉末耐火物と熱硬化性樹脂からなるコーティング溶液を塗布し、自然乾燥させてコーティング層を形成しておく。
このコーティング層によりアルミダイカストの鋳造時にアルミニウムが砂中子Cに染み込むのを防止することができる。
以上のように、表面をコーティングされた砂中子Cは、アルミダイカスト鋳造方法に基づいてシリンダブロックを鋳造するシリンダブロック鋳造装置10にセットされる。
図6は、シリンダブロック鋳造装置10の概略説明図であり、主な金型や中子を仮想線(2点鎖線)で示し、溶湯通路15およびシリンダブロックの形状に形成されたキャビティ16を実線で輪郭をとって破線の格子ハッチを施して示している。
外側の金型である固定側金型12と可動側金型13およびシリンダボアを形成するボアピン20が主型であり、砂中子Cが中子である。
ボアピン20は円柱状をなし、内部に冷媒が循環する冷媒通路が形成されている。
を参照して、ボアピン20の外周面20aの内側近傍に外周面20aに沿って螺旋状に冷媒螺旋通路25が形成されている。
そして、ボアピン20の円柱体における冷媒螺旋通路25が形成された側の反対側からボアピン20の円柱中心軸に冷媒導入通路23が穿孔され、同冷媒導入通路23は冷媒螺旋通路25の形成する円筒状の内側の中心軸も穿孔され、その下流端がボアピン20の円柱端面20bの近傍まで至っており、冷媒導入通路23の下流端からボアピン20の円柱端面20bに沿って放射十字方向に分岐した冷媒放射通路24が冷媒螺旋通路25のボアピン20の円柱端面20b側の上流端環状部25aに連通している(図6,図7参照)。
そして、冷媒螺旋通路25におけるボアピン20の円柱端面20bと反対側の下流端は、ボアピン20の円柱中心軸を水平にして金型12,13に組み込まれたとき、冷媒螺旋通路25の最も高い位置にあり、そこから冷媒導入通路23に平行に冷媒導出通路26が、円柱端面と反対側に向けて延出形成されている。
冷媒導入通路23に導入された冷媒は、円柱端面近くまで至ったのちに、冷媒放射通路24により放射十字方向に分岐して冷媒螺旋通路25の上流端環状部25aに同時に入り、同上流端環状部25aから冷媒螺旋通路25を螺旋状に流れて他端に至り、同他端部から冷媒導出通路26を通って導出される。
このようにして冷媒がボアピン20の外周面20a近くの冷媒螺旋通路25を循環するので、ボアピン20の外周面20a近傍を効率良く冷却することができる。
図7を参照して、シリンダボアを成形するボアピン20とウォータジャケットを成形する砂中子Cを固定側金型12内に配置して可動側金型13が合体している。
可動側金型13は、水平にしたボアピン20の冷媒螺旋通路25が形成された側の反対側を保持することでボアピン20を固定側金型2内の所定位置に支持するとともに、4本の支持ピン5を保持することにより砂中子Cをボアピン20の周囲の所定位置に支持している。
ボアピン20は、冷媒螺旋通路25が形成されている部分が殆ど固定側金型13内に挿入されている。
なお、シリンダブロック40の4つのボルト孔を成形する4本のボルト孔用ピン6が可動側金型13に保持されて所定位置に支持されている。
こうして構成された固定側金型12内のキャビティにアルミニウム合金を溶融した溶湯が高圧で注入されてシリンダブロック40が鋳造される。
このシリンダブロック40の鋳造に際して、ボアピン20の内部の冷媒螺旋通路25に冷却水が供給される。
冷却水を供給する冷却水回路には制御弁30が介装され(図6参照)、制御弁30の開閉により、冷却水が冷媒螺旋通路25を循環したり循環を停止したりする。
シリンダブロック鋳造装置10は、この制御弁30を制御する制御装置31を備えている(図6参照)。
したがって、シリンダブロック鋳造装置10は、鋳造1サイクル中に冷媒螺旋通路25を循環する冷却水の循環量を制御することで、鋳造時に、シリンダ部の温度変化を小さく抑えるように冷却水の循環量を制御することができ、シリンダ部に細かい気泡を含まず湯境を生じない組成の最適化を図ったシリンダブロック40を鋳造することができる。
このようにシリンダブロック鋳造装置10によりシリンダブロック40が鋳造されるとき、固定側金型12内のキャビティにアルミニウム合金を約680℃で溶融した溶湯が高圧で注入されるが、このときウォータジャケットを成形する砂中子Cの周囲に約680℃の溶湯が満たされる。
砂中子Cは、前記したように、高い強度の石垣構造により注湯の高い圧力に十分耐えることができる。
そして、砂中子Cは、約680℃の溶湯に覆われ加熱されると、表層部分から内部まで熱が伝達されるが、砂中子Cは天然砂Snの間の隙間に熱伝導率の良いアルミナ系人工砂Saが介入するように混合されフェノール樹脂rの熱硬化により石垣構造が形成されているので、短時間に表層部分から内部まで熱が容易に伝わる。
よって、砂中子Cは、内側中央部に至るまで、熱硬化していたフェノール樹脂rが溶湯の高温の作用で容易に分解されて砂粒の結合作用が失われ、砂中子Cを崩壊させることができる。
図8は、砂中子Cの砂粒間を結合していたフェノール樹脂rが熱により分解した状態の構造を示す模式図である。
フェノール樹脂rは分解により砂粒間の結合作用を失っている。
図9は、シリンダブロック鋳造装置10の固定側金型12内のキャビティに高圧で注入されたアルミニウム合金の温度変化と体積変化を示したグラフである。
体積変化は、温度に対応する体積変化を20℃のときの体積を100%とした体積パーセントで示している。
注湯直後の約700℃のときはアルミニウム合金の体積パーセントは110%である。
その後、温度が低下するとともに体積も減少し、約600℃近辺で凝固し始め、特に570℃辺りでアルミニウム合金中のシリコンが固まり始まると、一気に体積の収縮が進行し、その後、再び温度低下と体積減少が同時に進む。
このアルミニウム合金の体積収縮により、既にフェノール樹脂rが溶湯の高温の作用で分解されて砂粒の結合作用が失われた状態にある砂中子Cの表面が押圧されることで、図10に示すように、砂中子Cの表層部分の天然砂Snが凝固収縮するアルミニウム合金に押されて隣接する砂粒間の間隔を広げる。
よって、砂中子Cの表層部分の天然砂Snの砂粒間の分解され結合作用が失われたフェノール樹脂rは崩落し、さらに表層部分の砂粒の移動は、内部の砂粒まで影響して、内部の分解されているフェノール樹脂rも崩落させ(図10参照)、砂中子C全体を崩壊させる。
図11(a)は、フェノール樹脂rが崩落した砂中子Cの電子顕微鏡画像であり、不規則な形状をした砂粒が天然砂Snであり、より小さい球形の砂粒がアルミナ系人工砂Saであり、各砂粒にはフェノール樹脂rの接着跡が多数確認できる。
図11(b)が、図11(a)のアルミナ系人工砂Saに残ったフェノール樹脂rの接着跡を拡大して示した画像である。
天然砂Snに対するアルミナ系人工砂Saの混合割合が20%の中子砂Sで造型された砂中子Cの密度が、1.65g/cm程度と適度に高密度であることから、崩落した砂中子Cの砂粒にフェノール樹脂rの接着跡が多数見られ、砂中子Cが高い強度の適正な石垣構造が形成されていたことを示している。
そして、この砂中子Cは、注湯された溶湯の高温の作用で熱硬化していたフェノール樹脂rが熱伝導率の良いアルミナ系人工砂Saの介在で内部まで容易に分解されて砂粒の結合作用が全体的に失われ、砂中子Cを覆うアルミニウム合金の凝固に伴う体積収縮により、内部の分解されているフェノール樹脂rも崩落させて砂中子C全体を崩壊させるので、塊が残らず排砂性が良好で、生産効率を上げることができる。
このように、本砂中子Cは、崩壊性に優れているので、中子砂Sに崩壊剤を添加する必要は必ずしもなく、コストを抑えることができる。
なお、コスト高とはなるが崩壊剤を添加してもよく、崩壊剤を添加することで、砂中子Cを内部までより細かく崩壊することができ、排砂しにくい形状の砂中子などに用いることができる。
本中子砂Sに使用される天然砂Snとアルミナ系人工砂Saの粒度分布は、天然砂Snの粒度分布における平均粒径より小さい粒径範囲に、分散の小さいアルミナ系人工砂Saの殆どの粒径が入る粒度分布を示していればよい。
天然砂Snに対するアルミナ系人工砂Saの混合割合が、18〜22%で、砂中子Cの密度が、1.5〜1.8g/cmであれば、天然砂Snの間の隙間にアルミナ系人工砂Saが介入し天然砂Snを強固に連結して注湯圧力に十分耐える強度の適正な石垣構造を形成することができ、かつ熱伝導率の良いアルミナ系人工砂Saの介在により溶湯の熱が砂中子Cの内側の中央部分まで十分伝達されて内部のフェノール樹脂rまで分解され、砂中子Cを内部まで崩壊させることが容易にできて排砂性を良好に維持することができる。
天然砂Snに対するアルミナ系人工砂Saの混合割合が、15%未満であると、天然砂Snの間の隙間に介入するアルミナ系人工砂Saが少なく十分な強度の石垣構造が形成できず、25%を越えると、十分な強度の適正な石垣構造の形成に供されない無駄なアルミナ系人工砂Saが生じてしまう。
また、砂中子Cの密度が、1.5g/cm未満であると、砂粒間の間隔が大きく十分な強度の適正な石垣構造が形成されず、1.8g/cmを越えると、天然砂Snの間の大きな隙間にアルミナ系人工砂Saが多く介入して十分な強度の適正な石垣構造が形成されない。
S…中子砂、Sn…天然砂、Sa…アルミナ系人工砂、r…フェノール樹脂、
C…砂中子、
1…中子金型、2…固定型、3…可動内型、4…可動外型、5…支持ピン、6…ボルト孔用ピン、
10…シリンダブロック鋳造装置、12…固定側金型、13…可動側金型、15…溶湯通路、16…キャビティ、20…ボアピン、21…支持ピン、23…冷媒導入通路、24…冷媒放射通路、25…冷媒螺旋通路、26…冷媒導出通路、30…制御弁、31…制御装置、
40…シリンダブロック。

Claims (7)

  1. 熱硬化性樹脂である粘結剤(r)により表面を被覆された不規則な粒形の天然砂(Sn)と、熱硬化性樹脂である粘結剤(r)により表面を被覆された球状粒形のアルミナ系人工砂(Sa)とが、前記天然砂(Sn)の間の隙間に前記アルミナ系人工砂(Sa)が介入するように混合されたことを特徴とする中子砂。
  2. 熱硬化性樹脂であるフェノール樹脂粘結剤(r)により表面を被覆された不規則な粒形の天然砂(Sn)と、熱硬化性樹脂である粘結剤(r)により表面を被覆された球状粒形のアルミナ系人工砂(Sa)とが、前記天然砂(Sn)の間の隙間に前記アルミナ系人工砂(Sa)が介入するように混合され、
    前記天然砂(Sn)の粒度分布における平均粒径より小さい粒径範囲に、前記アルミナ系人工砂(Sa)の粒径が入ることを特徴とする中子砂。
  3. 請求項1ないし請求項のいずれかに記載された中子砂(S)から構成された造形物からなることを特徴とする砂中子。
  4. 密度が1.5〜1.8g/cmであることを特徴とする請求項記載の砂中子。
  5. 請求項または請求項に記載された砂中子(C)を主型(12,13,20)にセットし、
    主型(12,13,20)のキャビティ(16)に溶湯を高圧で注入し、
    充填された溶湯冷却凝固させて鋳物製品(40)鋳造ることを特徴とするダイカスト鋳造方法。
  6. 前記溶湯は、アルミニウム合金であることを特徴とする請求項記載のダイカスト鋳造方法。
  7. 前記主型(20)の所要箇所に冷媒を所要タイミングで循環させて前記溶湯を冷却することを特徴とする請求項記載のダイカスト鋳造方法。
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