JP2007080404A - 光ディスク装置及び記録パワーの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスクへの記録パワーを制御する際、記録時間の短縮と記録品質の安定化を両立させること。
【解決手段】情報を記録中にレーザ光の出力パワーが目標値から所定量以上ずれたとき、または周囲温度が記録開始時の周囲温度から所定量以上ずれたとき、情報の記録を一旦停止する。そして、光ディスクから直前に記録した情報を再生して再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定し、目標のβ値との差に基づいて出力パワーの新たな目標値を設定し、情報の記録を再開する。
【選択図】図5
【解決手段】情報を記録中にレーザ光の出力パワーが目標値から所定量以上ずれたとき、または周囲温度が記録開始時の周囲温度から所定量以上ずれたとき、情報の記録を一旦停止する。そして、光ディスクから直前に記録した情報を再生して再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定し、目標のβ値との差に基づいて出力パワーの新たな目標値を設定し、情報の記録を再開する。
【選択図】図5
Description
本発明は、光ディスクにレーザ光を照射して情報を記録する光ディスク装置及びレーザ光を照射する際の記録パワーの制御方法に関するものである。
光ディスクの高速記録化に対応するため記録用レーザパワーが大出力化・高精度化している。これに伴い、レーザ光源の発光特性のバラツキが無視できず、最適パワーのマージンが狭くなってきている。また、レーザ光源の発光特性は温度依存性を有するため、記録中に周囲温度が変動した場合記録パワーの補正が必要となる。記録品質を安定化させるためレーザ出力のバラツキ・変動を補正する方法として、記録中の戻り光を検出してレーザ出力を補正する方法があるが、光ディスクの高速回転化とともに戻り光の検出精度が低下して十分な補正精度を得るのが困難となっている。
一方、記録を一旦停止して記録信号の品質を評価してレーザ出力を補正する方法がある。例えば特許文献1には、記録動作開始時に試し書きを実行して最適パワーを検出するものであるが、ピックアップの周囲温度を測定し、その周囲温度に応じて試し書き条件(レーザ光制御電流)を補正することが記載される。あるいは、所定の記録パワーを照射したときのレーザ光制御電流を測定することでレーザダイオードの劣化具合を捉え、これに応じて試し書き条件を補正することが記載される。
また特許文献2には、光ディスクの回転速度を内周側から外周側へ段階的に大きくして情報を記録する方式(ゾーンCLV)において、回転速度を切り替える際に記録動作を一旦停止してこの時点でのβ値(シンメトリ)を測定し、測定したβ値と目標β値とを比較してβ値を補正し、β値の補正に対応してレーザ光の記録パワーを補正することが記載される。
光ディスク装置において記録パワー調整を行う際、記録の高速化と記録品質の安定化が求められている。
前記特許文献1によれば、試し書き工程により最適記録パワーを精度良く設定することができるが、ディスク上の試し書き領域が限定されており、試し書き工程のための時間が掛かってセットアップ時間が長くなるという課題があり、記録の高速化を図る上で障害となる。
また前記特許文献2によれば、記録パワーを補正するタイミングは、回転速度が切り替わる時点に固定されている。そのため、記録動作の途中でレーザ発光特性に急激な変動があっても対応できず、ディスク全体に渡り記録品質の安定化を図ることが困難である。
本発明の目的は、記録時間の短縮と記録品質の安定化を両立させる光ディスク装置及び記録パワーの制御方法を提供することにある。
本発明の光ディスク装置は、光ディスクにレーザ光を照射する光ピックアップと、レーザ光の出力パワーを検出するフロントモニタと、レーザ光の出力パワーを制御するパワー制御部と、再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定するβ値検出部と、フロントモニタとβ値検出部の出力に基づき、情報の記録動作とパワー制御部を制御するマイコンとを備える。マイコンは、パワー制御部に対しレーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始させ、情報を記録中にフロントモニタの検出するレーザ光の出力パワーが目標値から所定量以上ずれたとき、出力パワーの異常と判断して情報の記録を一旦停止させる。そして、光ディスクから直前に記録した情報を再生してβ値検出部にて再生波形のβ値を測定させ、測定したβ値と目標のβ値の差に基づいてパワー制御部に対して出力パワーの新たな目標値を設定し、新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させる。
本発明の光ディスク装置は、光ディスクにレーザ光を照射する光ピックアップと、レーザ光の出力パワーを制御するパワー制御部と、再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定するβ値検出部と、光ピックアップの周囲温度を検出する温度センサと、温度センサとβ値検出部の出力に基づき、情報の記録動作と上記パワー制御部を制御するマイコンとを備える。マイコンは、パワー制御部に対しレーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始させ、情報を記録中の周囲温度が記録開始時の周囲温度から所定量以上ずれたとき、温度変化の異常と判断して情報の記録を一旦停止させる。そして、光ディスクから直前に記録した情報を再生して上記β値検出部にて再生波形のβ値を測定させ、測定したβ値と目標のβ値の差に基づいてパワー制御部に対して出力パワーの新たな目標値を設定し、新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させる。
また上記マイコンは、情報を記録中に出力パワーの異常又は温度変化の異常と判断しない場合でも、前回の記録停止時点から所定間隔L1だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止させ、再生波形のβ値を測定して新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させるとともに、情報を記録中に出力パワーの異常又は温度変化の異常と判断した場合、前回の記録停止時点から当該異常判断時点までの間隔が所定間隔L2(ただしL2<L1)未満のときは、前回の記録停止時点から所定間隔L2だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止させ、再生波形のβ値を測定して新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させる。ここで、所定間隔L2=0に設定することもできる。
本発明の記録パワーの制御方法は、レーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始し、情報を記録中にレーザ光の出力パワーが目標値から所定量以上ずれたとき出力パワーの異常と判断し、情報の記録を一旦停止する。そして、光ディスクから直前に記録した情報を再生して再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定し、測定したβ値と目標のβ値の差に基づいて出力パワーの新たな目標値を設定し、新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開する。
本発明の記録パワーの制御方法は、レーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始し、情報を記録中の周囲温度が記録開始時の周囲温度から所定量以上ずれたとき温度変化の異常と判断し、情報の記録を一旦停止する。そして、光ディスクから直前に記録した情報を再生して再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定し、測定したβ値と目標のβ値の差に基づいて出力パワーの新たな目標値を設定し、新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開する。
本発明によれば、記録時間の短縮と記録品質の安定化を両立させる光ディスク装置及び記録パワーの制御方法を提供する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明による光ディスク装置の一実施例を示すブロック構成図である。光ディスク1が装着されると、ディスクモータ2は、ディスクモータ駆動回路6から供給される駆動電力によって、光ディスク1を回転する。光ピックアップ3は、光ディスク1に対して記録用レーザを照射して情報を記録するとともに、光ディスク1から情報を再生する。また光ピックアップ3は周囲温度を測定する温度センサ5を有し、マイコン21に伝える。記録の際、フロントモニタ4で出力パワーを検出し、レーザパワー制御回路9は光ピックアップ3のレーザ光が所定のパワーで照射するよう、レーザドライバ10の制御電流を制御する。RF信号生成回路7は光ディスク1から再生された信号からRF信号を生成し、またβ値検出回路8は、RF信号の正負振幅のシンメトリ(以下、β値)を測定する。マイコン12は、測定したβ値を目標β値と比較し、最適な記録パワーを算出してレーザパワー制御回路9の制御条件を設定する。メモリ13はEP−ROMやフラッシュROMであって、目標β値や最適記録パワーを求めるための補正式を記憶する。デコーダ11は、光ディスク1から再生された信号をデコードし、エンコーダ14は光ディスク1に記録する信号をエンコード処理する。
本実施例では、記録中に光ピックアップ3から出力されるレーザパワーをフロントモニタ4にて常時検出している。マイコン12は、検出したパワーを記録開始時に設定した目標のパワーと比較してその差(変化率)が所定値(閾値)以上となった場合に、出力パワーが「異常」であると判定する。「異常」の場合には、β値検出回路8にて光ディスクから直前の記録済信号のβ値を測定し、目標β値との差に応じて予め定めた補正式を用いて出力パワーを補正するものである。このように本実施例では、単に光ピックアップ3の出力パワーのずれを解消するのではなく、記録品質を反映するβ値を基に出力パワーを補正するので、より精度の高い補正が可能となる。
図2は、本実施例における出力パワーの異常を検出する方法を説明する図である。横軸は設定パワーで縦軸はフロントモニタ4で検出される出力パワー(フロントモニタ値)を示す。理想的な光ピックアップ3の特性は、符号20で示すように設定パワーP0と出力パワーは直線的な関係を示す。しかしながら実際の光ピックアップ3では、符号21で示すように、高パワー領域において設定通りのパワーが出力されない場合がある(レーザダイオードの特性バラツキや飽和現象等が原因)。出力パワーの異常は、フロントモニタの検出値を常時チェックすることで、記録中に目標のレーザパワーが出力されているかどうかを判定する。すなわち、目標のパワーM0と実際に出力されたパワーM1とを比較し、その変化率ΔM(=M0−M1)/M0が所定値(例えば閾値を5%とする)以上になったら、出力パワーが異常であると判定する。ここでの閾値は、出力パワー低下により記録品質の劣化が開始する条件から決めればよい。
図3は、出力パワーが異常であると判定したときの制御方法を説明する図である。出力パワーが異常と判定された場合は、一旦記録を停止して、光ディスクから直前に記録した領域の記録済信号を再生し、β値検出回路8により記録品質β値を測定する。ここにβ値は再生信号の正負振幅の対称性を示す指標である。測定したβ値を目標のβ値と比較して、新たな出力パワーの目標値P1を設定する。設定が完了したら、変更後の記録パワーで記録を再開する。
図4は、出力パワーの補正方法(補正式)を説明する図である。記録パワーの増加とともに、β値は負値から正値へ変化し、最適記録パワーは、β値がゼロまたはその近傍の値となるときに得られ、このβ値を目標β(=β0)とする。記録済信号から測定したβ値をβ1とすると、その差Δβ(=β0−β1)を求め、記録パワーを現在の設定値P0からα=1+k・Δβ倍だけ増加(アップレート)した値P1に変更して設定する。ここに係数kは固定値、またはパワー値に依存する可変値であり、これらの補正式や係数はメモリ13に記憶する。
β値の差Δβ(=β0−β1)に対し設定パワーをフルに補正すると補正後の出力パワーは安定しないことがある。よって制御が収束しやすいように、補正係数kはダンピング係数を含めて設定するのが良い。
図5は、本実施例における記録パワーの制御方法を示すフローチャートである。まず出力パワーの目標値P0を設定し(S102)、このパワー値に対する目標のフロントモニタ値M0を決定する(S103)。データ(情報)の記録を開始し(S104)、これと並行してフロントモニタ4にて現在の出力パワーを示すフロントモニタ値M1を取得する(S106)。そして、目標値M0と取得値M1とを比較する(S107)。モニタ値の変化率ΔM(=M0−M1)/M0が閾値(例えば5%)未満であれば、記録パワーはそのままで記録を継続する。モニタ値の変化率ΔM/M0が閾値以上であれば、出力パワーが異常であると判定して、一旦記録を停止する(S108)。そして、記録停止位置直前の記録済データを再生し、β値検出回路8にてβ値(β1)を測定する(S109)。測定値β1と目標のβ値(β0)と補正係数kとを用いて、アップレート値α=1+k・(β0−β1)を算出する(S110)。現在のパワー設定値P0に対して、算出したアップレート値αを乗算して新たなパワー値P1を決定する(S111)。S102に戻り、新たなパワー値P1で目標パワーを再設定し、データの記録を再開する。以下これを繰り返す。
本実施例の制御方法によれば、フロントモニタ4により出力パワー(フロントモニタ値)を常時監視している(S106)ので、出力パワーの異常を確実に検知することができる。その際、記録品質チェックのための定期的な記録中断を廃止している。また、異常を検知した際に、時間の掛かる試し書き工程を廃止し、記録済み信号のβ値を測定し(S109)、メモリ13に記憶する補正式を用いて新たなパワー値を設定する(S110、S111)ので、補正処理は短時間に完了する。これにより、記録時間の短縮と記録品質の安定化を両立させることができる。
記録APC(Auto Power Control)の制御を行っている状態で、光ピックアップの特性が、高パワー領域において、出力パワーとその設定値との関係が所定の関係から外れる場合があり、本実施例は、これに対応して制御するものである。ここに記録APCとは、記録中の出力パワー(フロントモニタ値)が目標値となるように、レーザパワー制御回路9が自動的にパワー設定値を最適値に変化させる機能である。本実施例にかかる光ディスク装置の構成は、前記図1と同様である。
図6は、本実施例における出力パワーの異常を検出する方法を説明する図である。横軸は、APCパワー設定値で縦軸はフロントモニタ値(出力パワー)を示す。符号60は、正常な光ピックアップの特性を示し、モニタ値M0に対するパワー設定値はP0(基準値)である。ところが、フロントモニタの検出感度の劣化等が原因でモニタ値が正しい出力パワーからずれる場合がある。その結果、符号61で示すように、モニタ値M0に対するパワー設定値はP2に移動する。本実施例では、記録APCの制御中のパワー設定値の変化を常時チェックすることで、目標のパワーが出力されているかどうかを判定する。記録開始時のパワー設定値P0(基準値)とAPC制御後のパワー設定値P2とを比較し、その変化率ΔP(=P1−P0)/P0が所定値(例えば閾値を5%とする)以上となったら、出力パワーが異常であると判定する。
出力パワーが異常であると判定したら、一旦記録を停止し、前記図3及び図4と同様の制御方法、補正方法に従って記録パワーを変更して設定する。
図7は、本実施例における記録パワーの制御方法を示すフローチャートである。まず出力パワーの目標値P0を設定し(S202)、記録APC制御をONとして(S203)、データの記録を開始する(S204)。記録APCの制御によりパワー設定値は変動しており、現在の設定値P2を取得する(S206)。そして、記録開始時の目標値P0とAPC制御後の取得値P2とを比較する(S207)。設定値の変化率ΔP(=P2−P0)/P0が閾値(例えば5%)未満であれば、記録パワーはそのままで記録を継続する。設定値の変化率ΔP/P0が閾値以上であれば、出力パワーが異常であると判定して、一旦記録を停止する(S208)。そして、記録停止位置直前の記録済データを再生し、β値検出回路8にてβ値(β2)を測定する(S209)。測定値β2と目標のβ値(β0)と補正係数kとを用いて、アップレート値α=1+k・(β0−β2)を算出する(S210)。現在のパワー設定値P2に対して、算出したアップレート値αを乗算して新たなパワー値P3を決定する(S211)。S202に戻り、新たなパワー値P3で目標パワーを再設定し、データの記録を再開する。
本実施例の制御方法によれば、APC制御後の出力パワー設定値を常時監視している(S206)ので、出力パワーが異常であることを確実に検知するとともに、記録品質チェックのための定期的な記録中断を廃止している。また、異常を検知した際に、時間のかかる試し書き工程を廃止し、記録済み信号のβ値を測定する(S209)だけで新たなパワー値を設定する(S210、S211)ので、補正処理は短時間に完了する。これにより、記録時間の短縮と記録品質の安定化を両立させることができる。
光ピックアップ(レーザ光源)の特性は、周囲温度が変化すると、出力パワー(フロントモニタ値)が変動する場合があり、本実施例は、これに対応して制御するものである。本実施例にかかる光ディスク装置の構成は、前記図1と同様である。
図8は、周囲温度変化の異常の検出方法を説明する図である。横軸は記録時間を、縦軸は光ピックアップ内の温度センサ5で検出した周囲温度である。記録開始後周囲温度は上昇し、符号80で示すカーブを描く。そして、初期温度T0と現在温度T1とを比較し、その差ΔT(=T1−T0)が所定値(例えば閾値を5℃とする)以上となったら、温度変化量が異常であると判定する。ここでの閾値は、温度変化により記録品質の劣化が開始する条件から決めればよい。
温度変化が異常であると判定したら、一旦記録を停止し、前記図3及び図4と同様の制御方法、補正方法に従って記録パワーを変更して設定する。
図9は、本実施例における記録パワーの制御方法を示すフローチャートである。まず出力パワーの目標値P0を設定し(S302)、温度センサ5にて記録開始時の初期温度T0を取得する(S303)。データの記録を開始し(S304)、これと並行して温度センサ5にて現在の温度T1を取得する(S306)。そして、初期温度T0と現在温度T1とを比較する(S307)。温度差ΔT(=T1−T0)が閾値(例えば5℃)未満であれば、記録パワーはそのままで記録を継続する。温度差ΔTが閾値以上であれば、温度変化が異常であると判定して、一旦記録を停止する(S308)。そして、記録停止位置直前の記録済データを再生し、β値検出回路8にてβ値(β3)を測定する(S309)。測定値β3と目標のβ値(β0)と補正係数kとを用いて、アップレート値α=1+k・(β0−β3)を算出する(S310)。現在パワー設定値P0に対して、算出したアップレート値αを乗算して新たなパワー値P3を決定する(S311)。S302に戻り、新たなパワー値P3で目標パワーを再設定し、データの記録を再開する。
本実施例の制御方法によれば、温度センサ5により出力パワーの変動要因となる周囲温度変化を常時監視している(S306)ので、出力パワーの異常を確実に検知するとともに、記録品質チェックのための定期的な記録中断を廃止している。また、異常を検知した際に、時間の掛かる試し書き工程を廃止し、記録済み信号のβ値を測定する(S309)だけで新たなパワー値を設定する(S310、S311)ので、補正処理は短時間に完了する。これにより、記録時間の短縮と記録品質の安定化を両立させることができる。
上記した各実施例1、2、3は、それぞれ異なる方法で出力パワーの異常を検出するものであるが、これらは単独でも、また組み合わせても適用できる。これらを組み合わせて異常を検出するようにすれば、より確実に記録パワーの制御を行うことができる。
以下、本実施例による記録時間短縮の効果を説明する。
図10は、比較のために従来方式による記録パワー補正のタイミングの一例を説明する図である。横軸はディスク上の半径方向記録位置(すなわち記録時間に対応する)を示し、2層ディスクにおいて内周→外周→内周と記録する場合である。縦軸は記録データの転送レートを示し、下向きの突起部分は、記録が停止してデータの転送が止まった箇所である。従来技術では、固定間隔L0で定期的にデータ記録を停止し、記録品質を測定して補正するものである。
これに対し図11は、本実施例による記録パワー補正のタイミングの一例を説明する図である。ここでは実施例1,2,3の手法を組み合わせて異常を検出し、異常を検出した時点で記録を停止し、記録品質を測定し補正するものである。図から分かるように、本実施例での記録品質を測定するタイミングは異常検出のタイミングで決まり、不定間隔(L,L’,L”)となる。図10の従来方式に比較すると、記録停止の無駄を省き測定回数が減少し、それだけ記録時間の短縮を図ることができる。仮に図10において固定間隔L0を過度に広げて測定回数を減らした場合には、異常発生を見逃したり、またそれに対する対応が遅れたりする恐れがあり、ディスク全体に渡り記録品質を保証できなくなる。
図12は、本発明による記録パワーの制御方法の、さらに他の実施例を示す図である。横軸はディスク上の半径方向記録位置(記録時間)、縦軸はデータ転送レートであり、記録パワー補正のタイミングを示す。
本実施例では、常時出力パワーの異常を監視するが、正常時は最大間隔L1にて記録パワーを補正することと、異常時は最小間隔L2にて記録パワーを補正することを併用した方式としている。ここに、L2<L0<L1の関係とする。その際出力パワーの異常は、前記各実施例に述べた方法(フロントモニタ値や周囲温度の変化)により判定する。そして、異常が検知されなくとも前回の記録停止時点から最大間隔L1だけ隔てた時点で記録を停止し、記録品質(β値)を測定して記録パワーを補正する。また、異常と判定したら、前回の記録停止時点から最小間隔L2以上隔てた時点にて記録を停止し、記録品質を測定して記録パワーを補正する。最小間隔L2を設定することで、補正の処理が僅かに遅延する場合があるが、L2の値は記録品質には支障がない程度に設定する。
図面を用いて説明する。スタート位置X0にてパワーを初期設定し、最大間隔L1の第1の区間で異常なしであるが、区間の終点X1にてパワー補正を実施する。次の第2の区間では途中の位置X2にて異常を検出したとする。第2の区間の起点X1から異常検出点X2までの距離(X2−X1)が最小間隔L2よりも小さい場合には、起点X1から最小間隔L2だけ隔てた位置X3にてパワー補正を実施する。続いて、補正位置X3を起点として第3の区間の異常を監視する。以後これを繰り返し、図では、位置X7にて再び異常を検出する。異常検出点X7はこの区間の起点X6からの距離(X7−X6)が既に最小間隔L2を超えている。この場合には、異常検出点X7において直ちにパワー補正を実施する。つまり、ここでの補正間隔はL1とL2の中間の値となる。
この制御の結果、補正間隔は最大値L1と最小値L2の間に収めることができる。すなわち、補正間隔が過大または過小になることがなく、時間効率が良いと共に異常時に確実に対応できるという効果がある。
本実施例の典型的な例として、最小間隔L2=0に設定することも可能である。すなわち、異常検出したら直ちに記録を停止し、記録パワーの補正を行うものである。その場合も最大間隔L1にて記録パワーを補正することを併用するので、ディスク全体に渡り記録品質を保証できる効果がある。
1…光ディスク、2…ディスクモータ、3…光ピックアップ、4…フロントモニタ、5…温度センサ、8…β値検出回路、9…レーザパワー制御回路、10…レーザドライバ、12…マイコン、13…メモリ。
Claims (10)
- 光ディスクにレーザ光を照射して情報を記録する光ディスク装置において、
該光ディスクにレーザ光を照射する光ピックアップと、
該レーザ光の出力パワーを検出するフロントモニタと、
該レーザ光の出力パワーを制御するパワー制御部と、
再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定するβ値検出部と、
上記フロントモニタと上記β値検出部の出力に基づき、情報の記録動作と上記パワー制御部を制御するマイコンとを備え、
該マイコンは、
上記パワー制御部に対しレーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始させ、
情報を記録中に上記フロントモニタの検出するレーザ光の出力パワーが上記目標値から所定量以上ずれたとき、出力パワーの異常と判断して上記情報の記録を一旦停止させ、
光ディスクから直前に記録した情報を再生して上記β値検出部にて再生波形のβ値を測定させ、該測定したβ値と目標のβ値の差に基づいて上記パワー制御部に対して出力パワーの新たな目標値を設定し、
該新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させることを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1記載の光ディスク装置において、
前記パワー制御部は、前記出力パワーが一定になるように出力設定値を自動制御しているとき、
前記マイコンは、該パワー制御部の出力設定値が該出力パワーに対する基準設定値から所定量以上ずれたとき前記出力パワーの異常と判断することを特徴とする光ディスク装置。 - 光ディスクにレーザ光を照射して情報を記録する光ディスク装置において、
該光ディスクにレーザ光を照射する光ピックアップと、
該レーザ光の出力パワーを制御するパワー制御部と、
再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定するβ値検出部と、
上記光ピックアップの周囲温度を検出する温度センサと、
上記温度センサと上記β値検出部の出力に基づき、情報の記録動作と上記パワー制御部を制御するマイコンとを備え、
該マイコンは、
上記パワー制御部に対しレーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始させ、
情報を記録中の周囲温度が記録開始時の周囲温度から所定量以上ずれたとき、温度変化の異常と判断して上記情報の記録を一旦停止させ、
光ディスクから直前に記録した情報を再生して上記β値検出部にて再生波形のβ値を測定させ、該測定したβ値と目標のβ値の差に基づいて上記パワー制御部に対して出力パワーの新たな目標値を設定し、
該新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させることを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項記載の光ディスク装置において、
前記マイコンは、
前記情報を記録中に前記出力パワーの異常又は前記温度変化の異常と判断しない場合でも、前回の記録停止時点から所定間隔L1だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止させ、前記再生波形のβ値を測定して前記新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させることを特徴とする光ディスク装置。 - 請求項1ないし3のいずれか1項記載の光ディスク装置において、
前記マイコンは、
前記情報を記録中に前記出力パワーの異常又は前記温度変化の異常と判断しない場合でも、前回の記録停止時点から所定間隔L1だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止させ、前記再生波形のβ値を測定して前記新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させるとともに、
前記情報を記録中に前記出力パワーの異常又は前記温度変化の異常と判断した場合、前回の記録停止時点から当該異常判断時点までの間隔が所定間隔L2(ただしL2<L1)未満のときは、前回の記録停止時点から該所定間隔L2だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止させ、前記再生波形のβ値を測定して前記新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開させることを特徴とする光ディスク装置。 - 光ディスクにレーザ光を照射して情報を記録する際の記録パワーの制御方法において、
レーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始し、
情報を記録中に上記レーザ光の出力パワーが上記目標値から所定量以上ずれたとき出力パワーの異常と判断し、
上記情報の記録を一旦停止し、
光ディスクから直前に記録した情報を再生して再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定し、
該測定したβ値と目標のβ値の差に基づいて上記出力パワーの新たな目標値を設定し、
該新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開することを特徴とする記録パワーの制御方法。 - 請求項6記載の記録パワーの制御方法において、
前記出力パワーが一定になるように出力設定値を自動制御しているとき、出力設定値が該出力パワーに対する基準設定値から所定量以上ずれたとき前記出力パワーの異常と判断することを特徴とする記録パワーの制御方法。 - 光ディスクにレーザ光を照射して情報を記録する際の記録パワーの制御方法において、
レーザ光の出力パワーの目標値を設定して情報の記録を開始し、
情報を記録中の周囲温度が記録開始時の周囲温度から所定量以上ずれたとき温度変化の異常と判断し、
上記情報の記録を一旦停止し、
光ディスクから直前に記録した情報を再生して再生波形のβ値(振幅の対称性)を測定し、
該測定したβ値と目標のβ値の差に基づいて上記出力パワーの新たな目標値を設定し、
該新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開することを特徴とする記録パワーの制御方法。 - 請求項6ないし8のいずれか1項記載の記録パワーの制御方法において、
前記情報を記録中に前記出力パワーの異常又は前記温度変化の異常と判断されない場合でも、前回の記録停止時点から所定間隔L1だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止し、前記再生波形のβ値を測定して前記新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開することを特徴とする記録パワーの制御方法。 - 請求項6ないし8のいずれか1項記載の記録パワーの制御方法において、
前記情報を記録中に前記出力パワーの異常又は前記温度変化の異常と判断されない場合でも、前回の記録停止時点から所定間隔L1だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止し、前記再生波形のβ値を測定して前記新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開するとともに、
前記情報を記録中に前記出力パワーの異常又は前記温度変化の異常と判断した場合、前回の記録停止時点から当該異常判断時点までの間隔が所定間隔L2(ただしL2<L1)未満のときは、前回の記録停止時点から該所定間隔L2だけ隔てた時点で情報の記録を一旦停止し、前記再生波形のβ値を測定して前記新たに設定した出力パワーで情報の記録を再開することを特徴とする記録パワーの制御方法。
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