JP2007079349A - 光学フィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】複雑な製造工程を必要とすることなく、光遮断性に優れ、かつ光学性能の熱安定性に優れた、低コストな光学フィルタを提供することを課題とする。
【解決手段】少なくとも2種以上の熱可塑性樹脂層が厚み方向に100層以上積層され、波長250〜2600nmにおける透過率または反射率の最大値が70%以上であり、−5℃と65℃の雰囲気下における反射スペクトラムまたは透過スペクトラムのシフト量が10nm以下である光学フィルタ。
【選択図】なし

Description

本発明は、光計測や光情報通信等の分野に用いられ、熱可塑性樹脂の多層膜の光干渉現象を利用して、特定の波長の透過光や反射光をカットする光フィルタに関するものである。
従来から、特定の波長の光を透過や反射する光フィルタは、バンドパスフィルタなどと称され、種々の光計測分野で用いられていた。これらは、積層された多層膜の各界面からの反射光の光干渉現象を利用したものであり、その構成は、ガラスを基板として、その上に異なる無機化合物の誘電体層を10〜100層積層した誘電体多層膜の構造であった。(特許文献1)しかしながら、これらは、抵抗加熱、EB(Electron Beam)による蒸着法やスパッタリング法などで製膜されていたため、大掛かりな真空設備を必要とし、さらに、多層膜とするために、材料であるターゲットから何回も蒸着させて積層構造を得る必要があった。そのため、大型化及び大量生産に不向きであり、特にコスト面で高くなる問題を有していた。
一方、光情報通信分野での光フィルタとしては、ファイバーグレーティングとして知られている。ファイバーグレーティングとは、光ファイバーの長手方向に高屈折率層と低屈折率層を交互に配列した周期構造を形成することにより、特定の波長の光を透過や反射する機能を有し、高密度波長多重通信などに応用される受動光学素子のことである。これは、一般に、凹凸のもつマスクに紫外線レーザーを照射することによって、ファイバー上に周期的な干渉パターンを形成し、その干渉パターンの光照射部の屈折率を変化させることによって、作製されている。(特許文献2)これは、ファイバーの被覆を除去してファイバーグレーティングが形成されるため、手間が掛かり、さらに、その部分を補強する目的で、例えばガラス基板などにファイバを固定するといったプロセスが必要となっていた。そのため、作製効率が悪く、大量生産に不向きであり、コスト面でも高くなる問題があった。
また、生産性に優れたフイルムに関して光干渉現象を利用したものでは、2種類以上の熱可塑性樹脂が厚み方向に規則的に配列された構造を有し、かつ20層以上からなる積層フィルムであって、波長100〜100000nmの光に対し反射率が30%以上であるピークが観測され、ピークの半値幅(λw)とピークの波長(λt)の比(λw/λt)が、0.02≦λw/λt≦0.3である積層フィルムが提案されている。しかし、これらは、積層精度が悪いために干渉反射による光遮断性が低く、さらに、光学性能の熱安定性が悪く、温度によりその光遮断波長領域が変化するという波長シフトなどの問題があり、光計測分野や光通信分野への応用は難しかった。(特許文献3)
特開2004−317701号公報(第2頁) 特開2004−198766号公報(第2頁) 特開2003−115446号公報(第2項)
本発明は、上記した従来技術の問題点に鑑み、複雑な製造工程を必要とすることなく、光遮断性に優れ、かつ光学性能の熱安定性に優れた、低コストな光学フィルタを提供することを課題とする。
上記課題を解決するため、本発明の光学フィルムは、少なくとも2種以上の熱可塑性樹脂層が厚み方向に100層以上積層され、 波長250〜2600nmにおける透過率または反射率の最大値が70%以上であり、−5℃と65℃の雰囲気下における反射スペクトラムまたは透過スペクトラムのシフト量が10nm以下であることを特徴とする。
本発明の光学フィルタは、特定の波長の光を透過や反射するバンドパスフィルタに関するものであり、さらに詳しくは、光計測分野もしくは光情報通信分野で用いられ、光遮断性に優れ、かつ光学特性の熱安定性に優れた低コストな光学フィルタを提供するものである。
以下に、本発明の詳細を説明する。
本発明の光学フィルタは、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂が厚み方向に交互に積層した構造を有することが重要である。かかる積層構造とすることにより、反射波長および反射率を制御することができる。例えば、3種類の熱可塑性樹脂A、B及びCからなる場合には、ランダムな層構成でもよいが、反射率を高くする観点から、A(BC)A、A(BAC)A(nは自然数)などの規則的な配列で積層されていることが好ましい。また、製造コスト、光学設計上の簡便さの観点からは、2種類の熱可塑性樹脂が、A(BA)の様に交互に積層された構造を採用することが好ましい。
積層構造による反射率の制御は、干渉反射の原理を利用したものである。干渉反射とは、異なる媒質、すなわち屈折率が異なる薄い層を多数重ね、その境の面の反射光が互いに干渉し、強め合う現象である。例えば、2種の熱可塑性樹脂A,Bを交互に多数重ねた多層膜について、膜の表面に対し垂直に光を入射したとき、積層の界面では、次の条件を満たす波長λ(nm)の光が反射する。
2・(n・d+n・d)=nλ・・・式(1)
ここで、
:熱可塑性樹脂Aの屈折率
:熱可塑性樹脂Bの屈折率
(nm):熱可塑性樹脂Aの層の厚み
(nm):熱可塑性樹脂Bの層の厚み
n:反射の次数を表す自然数
である。従って反射波長λは、熱可塑性樹脂A,Bの選択や層厚みの調整により、任意に設定することができる。
構成する各層の層厚みは、各層を構成する熱可塑性樹脂の屈折率に応じて設定すると良い。例えば、後述するような例示における、積層構造を形成する熱可塑性樹脂の屈折率はおよそ1.4〜1.7の範囲にあり、この場合、各層の厚みは、光干渉を利用し易くする観点から30〜650nmの範囲の値に設定することが好ましい。より好ましくは、50〜350nmである。
本発明の光学フィルタの積層構造は、目的とするフィルタ性能に応じて決定される。例えば、特定の波長の光のみ反射し、それ以外の光を透過させる機能を持つ狭帯域反射フィルタは、厚み方向の樹脂Aの層厚みと樹脂Bの層厚みが一定である周期構造を形成する必要があり、また、ある波長以上の全ての光を透過、もしくは反射させる機能をもつエッジフィルタは、樹脂Aの層厚みと樹脂Bの層厚みが一定の割合いで変化する傾斜構造を形成する必要がある。この他、狭帯域透過フィルタ、広帯域透過フィルタ、偏光ビームスプリッターなどの如何なるフィルタにおいても、目的となる機能が決定すれば、光学計算により、その最適な構造が決定されうる。光学計算の理論については、H.A.Macleod(訳小倉繁太郎)「光学薄膜」(日刊工業新聞社)(1989)、小檜山 光信「光学薄膜の基礎理論」(オプトロニクス社)(2003)に記載されている。
本発明の光学フィルタの積層数は、高い光反射性能を達成する観点から、100以上あることが必要であり、好ましくは、200以上、より好ましくは、400以上である。
本発明における積層構造、積層数は、熱可塑性樹脂A、Bを合流し、積層する役割を担うフィードブロックのスリット部の構成によって、調整される。
図1に樹脂を合流・積層するフィードブロックの上面図を示す。図2にフィードブロックのスリット板3、及び短管8、口金9、キャストドラム10の側面図を示す。また、図3にフィードブロック5、及び短管8、口金9、キャストドラム10の正面図を示す。
以下、これを用いて詳細に説明する。それぞれの押出機から供給されたポリマーA:1とポリマーB:2がフィードブロック内のマニホールド4にそれぞれ、充填され、次いでポリマー合流部であるスリット板3へポリマーA:1とポリマーB:2が交互に流入することにより、積層構造が達成される。但し、ポリマーはAは、紙面表側からスリット板3内のスリット部6のみに流入され、一方、ポリマーBは、紙面裏側からスリット部7のみに流入されることにより、短管直前で多層流として合流され、積層構造を得る。積層数は、スリット部の数を、また、各スリット部の層厚みは、スリット部の間隙、長さを調整することによって、所望の積層構造が設計される。次いで、積層されたポリマー流は、短管8、口金9を経て、キャスティングドラム上に冷却固化されて、積層構造を有するシートとなる。
本発明である光学フィルタの好ましい積層構成の一態様として、例えば、エッジフィルタの場合を説明する。まず、所望の反射波長帯域の端部となる波長λ、λ’を決定し、既知の吐出比と屈折率から上記式(1)に従い反射波長λに対応する層厚みd、dを、さらに、反射波長λ’に対応する層厚みd’、d’をそれぞれ求める。層厚みd→d’間、d→d’間を、それぞれ単調増加もしくは単調減少と連続的に変化する層厚み分布となるような積層構成とする。この厚み方向の層厚みの傾斜構造は、等差数列、等比数列の関係を採用することが好ましい。また、熱可塑性樹脂Aの最小厚み層に対する最大厚み層の比である傾斜度合いは、高い反射性能を達成する観点から0.5以上であることが好ましい。より好ましくは、0.7以上である。
本発明である光学フィルタの積層構造を形成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ乳酸、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリフッ化ビニリデン、環状ポリオレフィン、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ナイロン6、11、12、66などのポリアミド、ポリスチレン、ポリカーボーネート、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルイミドなどを用いることができる。これらは、ホモポリマーでも共重合ポリマーであってもよい。
これらのうち透明性などの点で、環状ポリオレフィン、ポリ(4−メチルペンテン−1)、ポリカーボーネート、ポリエステル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン等が好ましく、耐熱性、寸法安定性、コスト面からは特にポリエステルが好ましい。
ポリエステルは、芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸とジオールとを主たる構成成分とする単量体からの重合により得られる。
芳香族ジカルボン酸としては例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸等を挙げることができる。脂肪族ジカルボン酸としては例えば、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸等を挙げることができる。中でも好ましくはテレフタル酸と2,6−ナフタレンジカルボン酸を挙げることができる。酸成分は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また、さらにヒドロキシ安息香酸等のオキシ酸等を一部共重合してもよい。
また、ジオール成分としては例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等を挙げることができる。中でもエチレングリコールを好ましく採用できる。ジオール成分は1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
特にポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレートおよびその重合体、ポリエチレンナフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリブチレンナフタレートおよびその共重合体、さらにはポリヘキサメチレンテレフタレートおよびその共重合体、ポリヘキサメチレンナフタレートおよびその共重合体等を挙げることができ、特にポリエチレンテレフタレートとその共重合体が好ましい。
また、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂の組み合わせとしては、高反射率を達成する観点から、ポリエチレンテレフタレートを含んでなる層とシクロヘキサンジメタノール、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、などを共重合したポリエステルを含んでなる層とで構成されることが好ましい。その共重合量は、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸などの場合は、5〜50mol%が好ましく、特に、光学性能の熱安定性に優れる観点から、シクロヘキサンジメタノールを共重合したポリエステルを用いることが最も好ましい。その場合は、シクロヘキサンジメタノールの共重合量が15〜40mol%であるエチレンテレフタレート重縮合体であることが最も好ましい。
本発明の光学フィルタは、波長250〜2600nmにおける透過率または反射率の最大値が、70%以上であることが必要である。反射率が70%未満であると、フィルタとしての性能を満足しないため、好ましくは90%以上、さらに好ましくは110%以上である。透過率が70%未満であると、光の吸収などの損失が大きいため、フィルタとしての性能が満足されない。より好ましくは、80%以上であり、さらに好ましくは、90%以上である。好ましい波長範囲は、情報通信分野で用いられる場合は、LED、半導体レーザ、固体レーザの発振波長の観点から、600nm〜1700nmの波長範囲であることが好ましい。
また、その達成手段としては、前述したような熱可塑性樹脂の選択、さらには、熱可塑性樹脂AとBの面内屈折率差を、0.05以上、より好ましく0.08以上とすることである。 面内屈折率とは、熱可塑性樹脂AとBを交互に積層して得られた光学フィルタと同一製膜条件で製膜した熱可塑性樹脂AとBのいずれかからなる単膜フィルムのMD(Machine Direction)方向の屈折率とTD(Transverse Direction)方向の屈折率の平均値を意味する。
面内屈折率差とは、熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の差のことである。また、面内屈折率は、公知のabbeの屈折率計を用いて測定できる。例えば、公知の2軸延伸・熱処理により配向結晶化したポリエチレンテレフタレートフイルムの場合、面内屈折率は、1.6〜1.66程度である。また、同じ条件で延伸・熱処理された共重合ポリエチレンテレフタレートは、通常、ポリエチレンテレフタレートの熱処理温度で共重合ポリエチレンテレフタレートは、融点以上であるために溶融し、配向緩和が生じるために、その面内屈折率は、未延伸状態に近づき、1.55〜1.59程度となる。
さらに、高い反射率を達成する方法としては、層厚みむらが±20%以下となる積層構造を実現することが必要である。層厚みむらが、±20%を越えると、光干渉現象が起こり難くなるため、光の反射(遮断)性能が低下する。そのため、より好ましくは、±10%以下である。ここでの層厚みむらとは、例えば、積層のパターンが、周期構造を作るものでは、フィルムの厚み方向断面において、TEM断面写真から得られる同種の熱可塑性樹脂の層厚みの最大値と最小値の差を平均の層厚みで除し、100を乗じた値のことである。傾斜構造を有する光学フィルタでは、TEM断面写真から得られる層番号と層厚みの関係のグラフプロットを最小二乗法により線形近似した直線を平均傾斜型層厚み分布の基準とする。次に各層番号毎の層厚みと基準値との差をその基準値で除し、100を乗じることにより、各層番号毎での傾斜型層厚みむらを求める。さらに、これらの値のうち、最大値を層厚みむらとする。但し、表層部は、積層乱れを起こしやすいため、表層部20層は評価の対象外とする。
層厚みむらを調整する手段としては、相溶性が良く、レオロジー特性が類似した最適な熱可塑性樹脂の組み合わせ、製造装置面では、ポリマー合流部であるスリットの形状、さらには、短管内のポリマー流路の形状を最適化することが重要である。例えば、積層構成に用いられる2種の熱可塑性樹脂A,Bの粘度は、共に剪断速度125±10(1/S)の範囲で、かつ、フイルム製膜時の押出温度条件で4000poise以下であり、かつ、A,Bの樹脂粘度差が、1700poise以下であることが好ましい。また、ポリマー合流部での積層乱れを少なくする観点から、図4に記すように、フィルタパック11とフィードブロック13の間に、ポリマー流の脈動を小さくするギアポンプ12を設置することが好ましい。フィルターは、スクリーンチェンジャタイプのものでも良いが、オリゴマーなどの異物除去の濾過精度、さらには、積層乱れの防止の観点からリーフディスクフィルタを敷き詰めたフィルタパック形式のものが好ましい。リーフディスクタイプには、SUS繊維の焼結圧縮したFSS(Fiber Sinterd Stereo)とSUS粉体の焼結であるPSS(Porous Sinterd Stereo)とあるが、異物カット能力が高いFSSが好ましい。さらに、ポリマー管の壁面に沿って流れる最外層のポリマー流体は、層厚みが厚ければ厚いほど積層状態を乱さなくする効果がある。そのため、その達成手段としては、キャスティング後のフィルムの厚み方向において、最外層の厚みが内部の層に比べて10倍以上の層厚みとなるようにフィードブロック13のスリット部の設計、および/またはポリマー合流部であるピノール14を用いることが好ましい。また、ポリマー管内で層厚みむらを悪化させない観点から、フィードブロック13から口金15までのポリマー流路の断面形状としては角型が好ましい。その角型のアスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)は、1以上3以下であることが好ましい。さらに、この断面形状の面積も、ポリマーの流速を調整し、積層乱れを制御する観点から、出来るだけ広い方が良く、具体的には、断面積内を単位時間内に通過する交互積層された樹脂の吐出量は、40kg/hr/cm以下であることが好ましい。より好ましくは、30kg/hr/cm以下であり、さらに好ましくは、20kg/hr/cm以下である。
本発明の光学フィルタの−5℃と65℃の雰囲気下における反射スペクトラムまたは透過スペクトラムのシフト量が10nm以下であることが必要である。反射スペクトラムまたは透過スペクトラムのシフト量とは、反射(または透過)スペクトラムにおける最大反射率の反射(または透過)波長のシフト量をいう。シフト量が10nmを越えると、使用環境に依存して、フィルタ性能が低下する。そのため、好ましくは、6nm以下、より好ましくは4nm以下である。その達成方法としては、熱寸法安定性に優れた熱可塑性樹脂の選定、さらにはフイルム製膜条件である延伸倍率、延伸温度、熱処理条件(温度・TDリラックス率)を調整することで目的を達成することができる。特に、光学性能の熱安定性を付与する観点から用いる熱可塑性樹脂の溶液粘度が低いことが重要であり、中でも本発明においては、製造プロセス条件上、配向結晶化が付与されがたい層である共重合ポリエチレンテレフタレート層の溶液粘度が低いことが重要である。具体的には、オルトクロロフェノール中で測定される極限粘度(IV:Intrinsic Viscosity)が、0.64以下であることが好ましい。より、好ましくは、0.62以下である。さらに好ましくは、0.57以下である。その他、本発明の光学フィルタより熱寸法安定性が優れる材料を光学フィルタの最表面上に積層したり、あるいは、光学フィルタを構成する熱可塑性樹脂のマトリックス中に添加剤として分散することで達成することができる。例えば、後述するような透明性のある無機材料や高耐熱性樹脂を添加剤として、あるいは、積層して用いることが好ましい。高耐熱性樹脂としては、ポリイミド、変性ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリフェニレンサルファイド、パラキシレン、ポリアミドイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテエーテルケトン、ポリエーテルイミド、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
本発明の光学フィルタは、面直方向からの光入射において、波長250〜2600nmにおける光損失の最大値が6dB以上であることが好ましい。最大値が6dB未満であると、光情報通信分野で用いた場合、遮断すべき波長の光が透過するためフィルタとしての性能が満足されない。そのため、好ましくは、11dB以上、より好ましくは15dB以上である。達成方法としては、積層数を100以上とすることが必要である。積層数が、100未満であると、光干渉現象が弱いため、光の反射(遮断)性能が低下する。そのため、より好ましくは、200以上である。さらに好ましくは、400以上である。具体的に積層数を増加させる手段としては、フィードブロック内のスリットの数を増やすことで達成することができる。なお、光源に用いるものは、発光ダイオードや半導体、He−Neレーザー、ランプ光源など公知ものであれば、如何なるものでも良い。光出力が強いレーザなどでは、場合によっては、光源の出力調整に減光器(アッテネータ)などを用いて調整すればよい。
本発明の光学フィルタの中心反射波長のむらは、10%以下であることが好ましい。中心反射波長むらが、10%を越えるとサンプルの利用位置に依存して、本発明の光学フィルタの光の反射(遮断)波長が異なるため、品質面で問題となる。そのため、好ましくは、8%以下、より好ましくは5%以下である。ここでの中心反射波長とは、最大反射率の半分の値と反射スペクトラムもしくは、最小透過率の半分の値と透過スペクトラムが交わる2つの交点である波長1と波長2の中点の波長のことである。中心反射波長は分光器を用いて、走行速度50cm/分のフイルムのMD方向の分光反射特性をサンプリングレイト1sec(秒)で、約240秒間、反射スペクトラムのデータを採取する。1sec毎に得られる波長0.3nm毎の反射スペクトラムのデータついて、ノイズとなる波長領域を削除し、次いで、スペクトラムを平滑化するために、全て3ステップ毎に間引きし、3点移動平均処理をして求める。得られた240個の中心反射波長での最大値と最小値の差を平均の中心波長で割った値を中心反射波長むら(%)とする。
上記、中心反射波長むらの値の達成方法としては、厚みむらを8%以下とすることが好ましく、より好ましくは、4%以下である。具体的には、フィルム製膜上の制御パラメータであるドラフト比、延伸温度、延伸倍率を調整することで達成することができる。ドラフト比とは、口金のリップ間隙をキャスト時のシート厚みで割った値のことであり、20以下であることが好ましい。より好ましくは、10以下である。
本発明の光学フィルタは、少なくとも厚みが500nm以下の無機材料層が1層以上積層されていることが好ましい。熱可塑性樹脂で構成された積層構造に厚みが500nm以下の無機材料層が1層以上積層されていると、熱可塑性樹脂の弱点である耐熱性、耐候性を向上させる。また、該無機材料層の数が2層以上、かつ、層厚みが50〜250nmである場合は、熱可塑性樹脂層と同様に光の干渉現象が発生するため、フィルタ性能を補うことができる。そのため、より好ましくは厚みが250nm以下の無機材料層が2層以上である。ここでの無機材料層としては、周期表記載のいかなる金属元素を含有した無機化合物でも良いが、光学フィルタとして好ましい観点から、SiO、TiO、Ti、ZnO、Nb、Ta、ITO、BK7、Al、ZrO、HfO、ZnO、SnO、ZnS、CeF、MgF、その他、3d、4d遷移金属酸化物などが好ましい。また、層の作製方法としては、真空度〜10−5torr以下の雰囲気下において、電子ビーム、加熱抵抗、スパッタリング、イオンビームスパッタリングなどの蒸着法が挙げられるが、膜への損傷面では、電子ビーム・加熱抵抗方式の蒸着法が好ましく、膜への密着面では、スパッタ蒸着が好ましい。また、製膜装置内で酸化物などの無機化合物を製膜する場合は、IAD(Ion−beam Assisted Deposition)法を用いることが好ましい。IAD法とは、基本の蒸着法にイオン源からある一定の加速されたイオンを加えるプロセスである。その他の方法としては、粒径が500nm以下の無機粒子をバインダー含有の溶液に分散させて塗膜液を作製し、これを、例えば、リバースコート法、グラビアコート法、ロッドコート法、バーコード法、マイヤーバーコード法、ダイコート法、スプレーコート法、スピンコート法などを用いて、熱可塑性樹脂からなる光学フィルタ上に塗布する方法を採用してもよい。バインダーとしては、アクリル、ポリエステル、ウレタン樹脂などが挙げられる。アクリル樹脂としては、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、アクリル酸から選ばれる共重合体などである。ウレタン樹脂は、アニオン性基を有する水溶性あるいは水分散性のウレタン樹脂であれば特に限定されるものではなく、主要構成成分としては、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物を共重合して得られるものである。具体的には、カルボン酸塩基、スルホン酸塩基、または硫酸半エステル塩基の導入により水への親和性が高められたウレタン樹脂などを用いることができる。ポリエステル樹脂としては、酸成分としてテレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、グリコール成分としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールから選ばれる共重合体などが挙げられる。分散液としては、水、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、エタノール、アセトンなどの公知の溶媒が挙げられるが、環境面から水が好ましい。
本発明の光学フィルタは、少なくとも1つの熱可塑性樹脂層に色素を含有していることが好ましい。本発明の光学フィルタは、一般的に、近紫外〜近赤外線まで殆ど光吸収がない熱可塑性樹脂を用いた多層膜による光干渉現象を利用しているため、光を透過もしくは反射でしか制御できない。そのため、特定の波長の光を選択的に吸収することができる色素を加えることにより、所望の光学フィルタの分光特性を得やすくなる。例えば、光干渉現象により得られる高反射率の波長域と色素の吸収波長域を重ね合わせると、より一層の光遮断性能、さらに、光干渉現象により得られる高反射率の帯域と色素の吸収波長域を連続させると広帯域な光遮断帯域が発現するエッジフィルターとなる。故に、本発明の光学フィルタにおいては、光干渉現象と光吸収特性による光遮断性能を利用して、透過および遮断波長域を所望の設計に合わせることが可能となる。
ここでの色素とは、顔料(有機・無機)及び染料とに分類できる。耐熱性の面で顔料が好ましく、特に熱可塑性樹脂との親和性の観点から、有機顔料が好ましい。有機顔料は、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、染付けレーキ、複素環式顔料、その他に大別される。
アゾ顔料は、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、金属錯塩アゾ顔料に分類される。さらに、不溶性アゾ顔料は、βナフトール系、ナフトールAS系、アセト酢酸アリールアミド系の不溶性モノアゾ顔料とアセト酢酸アリールアミド系、ピラゾロン系の不溶性ジスアゾ顔料に分類される。また、アゾレーキ顔料は、βナフトール系、βオキシナフトエ酸系に分類される。
フタロシアニン顔料は、銅フタロシアニン、ハロゲン化銅フタロシアニン、無金属フタロシアニン、銅フタロシアニンレーキに分類される。
複素環式顔料としては、アンソラキノン系顔料、チオインジゴ顔料、ペリノン顔料、ペリレン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、イソインドリノン顔料、キノフメロン顔料、イソインドリン顔料に分類される。
その他としては、ニトロン顔料、アリザリンレーキ、金属錯塩アゾメチン顔料、アニリンブラック、アルカリブルー、天然有機顔料が挙げられる。
以上、これら種々の顔料の吸収波長を利用して、光学フィルタを設計することができる。
光学フィルタに選択波長吸収性を付与する方法は、予め熱可塑性樹脂に顔料を練り込む方法と顔料を溶媒などに溶解し、光学フィルタ上に塗布する方法がある。前者の方法は、熱可塑性樹脂に対する顔料濃度を1〜10重量%程度に調整されたマスターチップを作製し、さらにこれを所望の濃度に希釈して使用することが好ましい。最終的に、熱可塑性樹脂に対する顔料濃度は、2重量%以下とすることが好ましい。より好ましくは、1重量%以下である。マスターチップの作製方法は、公知の二軸混練押出機により達成できる。また、後者の方法は、前記した無機化合物の塗布方法と同様の方法で達成することができる。但し、溶媒の選択は、顔料との相性により吸収波長がシフトするため、所望の吸収波長となる溶媒を選択することが好ましい。例えば、水、酢酸エチル、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、エタノールなどが挙げられるが、環境面から水が好ましい。
なお、ここでの色素とは、特に可視光領域に吸収波長をもつものとは、限らない。吸収波長が、近赤外〜赤外領域であっても良い。例えば、近赤外〜赤外領域に光吸収をもつ色素としては、有機系ではフタロシアニン色素、クォタルイミド、ジイモニウム化合物、ペリレン系顔料、また、無機系では、一般に、ATO(アンチモン錫酸化物)、ITO(インジウム錫酸化物)、ランタン系金属酸化物などがある。特に、無機系では、屈折率の違いによる光散乱を抑制する観点から、平均粒径は100nm以下を用いることが好ましく、より好ましくは、50nmである。さらに好ましくは、20nm以下である。
本発明の光学フィルタにおいて、30dBmの光を照射しても溶融しないことが好ましい。すなわち、耐光パワー性が、30dBm/cm以上であることが好ましい。ここでの耐パワー性とは、光学フィルタの1cm2の領域に光を照射したときに、その照射部が溶融変形しない程度までの光の出力エネルギーを意味する。耐パワー性が、30dBm未満であると、連続使用したときに、経時的にフィルタ性能が低下する。そのため、好ましくは、30dBm、さらに好ましくは、33dBmである。dBmとは1mVの電力を消費した時に0dB(基準)ときめた値のことであり、単位変換は以下の式(2)に従う。
dBm = 10×log10 (mW) ・・・(2)
その達成方法としては、積層構造を構成する個々の熱可塑性樹脂の光吸収率が、波長650nm〜1600nm領域全てにおいて、10%以下であることで達成される。この波長の光は、ポリマーに吸収されると熱変換するためにポリマーが溶融劣化を起こす。そのため、より好ましくは、5%以下である。なお、光吸収率とは、100から透過率と反射率を差し引くことにより求まる。また、光学フィルタの厚み、密度を調整することにより達成することも可能である。
本発明の光学フィルタは、少なくとも1方向に延伸されていることが好ましい。延伸が付与されると、熱寸法安定性や熱機械特性などの物性が向上し、かつ生産性が向上する。特に、1方向のみの延伸付与の場合では、強い異方性が出現するため、偏波特性が要求される用途では、好適となる。すなわち、偏光方向に依存して、光学フィルタの性能が変化するためである。また、延伸は、縦延伸機でのロール間延伸、横延伸機であるテンター法を用いた延伸方式で達成される。また、2方向に延伸する方法としては、公知の逐次2軸延伸、同時2軸延伸などを用いれば良い。
本発明の光学フィルタを構成する少なくとも一つの熱可塑性樹脂層の屈折率楕円体において、面内屈折率と面直屈折率の差が0.04以下であることが好ましい。本発明においては、フィルム製造プロセスで、殆ど、配向結晶化が付与されない非晶性樹脂、もしくは、融点が製膜時の熱処理温度以下である共重合ポリエチレンテレフタレートなどの熱可塑性樹脂層の屈折率楕円体を考えればよい。通常、配向結晶化が付与される側の熱可塑性樹脂層は、面内屈折率と面直屈折率の差が0.04以上となるからである。本発明の熱可塑性樹脂層は、nmレベルの層であるため、直接、屈折率を求めることはできない。そのため、光学フィルタと同一製膜条件で、一つの熱可塑性樹脂のみで構成された単膜フィルムを製膜した場合のフイルムの3軸方向の屈折率を測定することにより、屈折率楕円体の3軸の屈折率を求める。すなわち、フイルム面内での屈折率の最大値と最小値、さらにフイルム厚み方向の屈折率を求めることで屈折率楕円体の3軸の屈折率が求まることになる。この得られた3つの屈折率から、面内屈折率と面直屈折率の差をΔnとする。但し、面内屈折率は、MDとTD、もしくは最大と最小の屈折率の平均値である。Δnが、0.04以上あると、光の入射角度に依存して反射(遮断)性能が低下するため好ましくない。そのため、好ましくは0.03以下、より好ましくは、0.02以下である。達成する方法としては、製膜時の熱処理温度、もしくは、共重合ポリエチレンテレフタレートの共重合量を調整することで達成できる。共重合量は、15mol%以上が好ましく、より好ましくは、30mol%以上である。但し、光学フィルタが未延伸フィルムである場合は、この限りではない。
本発明の光学フィルタは、市販されている、ホットミラー、コールドミラー、ハーフミラー、レーザーミラー、ダイクロイックフィルタ、熱線反射膜、近赤外カットフィルタ、単色フィルタ等として種々の用途に用いることができる。例えば、ディスプレイ、光センサ(光計測装置)、太陽電池用反射部材、偽造防止、装飾材料、光情報通信分野などである。特に本発明の光学フィルタは、光情報通信用受動光学素子であることが好ましい。すなわち、近年、大容量化、高速化が求められている波長分割多重(WDM:Wavelength Division Multiplexing)通信ネットワークを構成するキーテクノロジーであるエルビウム添加ファイバー増幅器(EDFA:Erbium Doped Fiber Amplifier)や波長合分波器(WDM:Wavelength Division Multiplexer)、OADM(Optical Add/Drop Module)といった素子を構成する利得等化フィルタ(GFF:Gain Flattening Filter)、狭帯域透過フィルター(NBPF:Narrow Bandpass Filter)などのことである。GFFとは、EDFAの利得波長特性を平坦化するものであり、NBPFとは、目的とする波長帯域の光のみ透過させることにより、信号光として取り出し、その他の光は、反射(阻止:遮断)されるフィルタ特性を有すものである。
本発明の光学フィルタを達成する具体的な態様を以下に記す。
本発明の多層積層されている反射フィルムの製造方法は、例えば、(AB)n・Aの積層フィルムの場合、A層に対応する押出機AとB層に対応する押出機Bの2台から供給され、それぞれの流路からのポリマーが、フィルタ、さらに吐出比を調整するギアポンプを通過し、さらにマルチマニホールドダイやフィードブロックやスクエアミキサーやスタティックミキサーを経て積層された溶融体をT型口金等を用いてシート状に溶融押出し、その後、キャスティングドラム上で冷却固化して未延伸フィルムを得る方法で得られる。スクエアミキサーとは、断面形状が長方形である流路を通過したポリマーが、四角状の流路に2分割され、この分岐されたポリマーを、再度、上下に積層されるように合わさる合流部を備えた公知の筒体のことである。この工程を繰り返すことにより、何層もの積層体を得ることができる。例えば、2種の樹脂でA/B/A3層の積層体が、1度の分岐・合流を行うと5層の積層体になる。(この場合、A層同士の積層は、1層と見なす。)このような場合、積層数は、(初期の層数−1)×2のn乗+1で表現できる。但し、nは、1度の分岐・合流をn回、繰り返すことを意味する。例えば、201層の積層フィルムを2回(2段とも言う)、スクエアミキサー内を通過させると、801層の積層体となる。また、スクエアミキサーの分配比は、通常、1:1の等しい断面積をもつ流路で等分配で分岐されるため、同じ積層構造が周期的に形成される。初期の積層体の構造が傾斜構造であるならば、分配比を非等分配とすることで、スクエアミキサー通過後のポリマー積層体も連続した傾斜構造を維持することができる。初期の傾斜構造は、フィードブロックの内部のスリットの間隙や長さを調整することにより達成される。また、これらの積層構造の最表層に押出機Cから供給される樹脂をピノールを用いて合流させ、カバー層を形成することも、内部の積層状態を乱さない観点から好ましい。また、この押出機Cから供給された最表層のみ粒子を添加することで、反射性能を低下させることなく、易滑性を付与することができる。その他、内部の積層を乱さない手段として、最外層に対応したフィードブロック内のスリット幅を広く設計する方法なども挙げられる。
特に、本発明に用いる積層装置としては、厚み方向の積層精度を高くする観点からスクエアミキサーを用いず、フィードブロックのみを用いることが好ましい。また、熱可塑性樹脂AとBの積層比(A/B)は、反射率を高くする観点から0.5〜3が好ましい。より好ましくは、0.9〜1.7である。なお、積層比は、押出機からの熱可塑性樹脂Aと熱可塑性樹脂Bの吐出比に対応する。さらに好ましくは、さらに、この未延伸フィルムを樹脂組成物のガラス転移点(Tg)以上の温度で延伸する方法などで得ることもできる。この際の延伸の方法は、少なくとも一方向に延伸されていることが、熱寸法安定性の観点から好ましい。特に、公知の2軸延伸法で2軸延伸されていることが好ましい。公知の2軸延伸法とは、長手方向に延伸した後に幅方向に延伸する方法、幅方向に延伸した後に長手方向に延伸する方法で行えばよく、長手方向の延伸、幅方向の延伸を複数回組み合わせて行なってもよい。例えば、ポリエステルから構成された延伸フィルムの場合、延伸温度及び延伸倍率はいくらであっても良いが、通常のポリエステルフィルムの場合、延伸温度は80℃以上130℃以下であり、延伸倍率は2倍以上7倍以下が好ましい。厚みむらを少なくする観点から、より好ましくは、延伸温度は90℃以上110℃未満、延伸倍率は、3.4倍以上5倍以下である。次いで、この延伸されたフィルムを熱処理する。この熱処理は、延伸温度より高く、融点より低い温度で行うのが一般的である。通常のポリエステルの場合、130℃ないし250℃の範囲で行うのが好ましいが、熱収縮率を抑える観点から200℃乃至240℃の範囲で行うのがより好ましい。さらに、フィルムの熱寸法安定性を付与するために、フイルムのガラス転移温度以上200℃未満の温度で2〜10%程度の弛緩熱処理を施すことが好ましい。本発明の光学フィルタの厚みは、各層厚みと総積層数の兼ね合いから決定され、通常、5μm〜200μmであることが好ましい。また、本発明の光学フィルタ中には、各種添加剤、例えば、酸化防止剤、耐熱安定剤、易滑剤、顔料、染料、耐電防止剤、充填剤、核剤などが、その特性を低下させない程度に添加されていても良い。特に易滑剤は、すべり性を付与する観点から添加することが好ましい。易滑剤としては、有機、無機滑材に大別ができる。その形状としては、凝集粒子、真球状粒子、数珠状粒子、コンペイト状粒子、鱗片状粒子などの形状粒子を使うことができる。また、その材質としては、無機系としては、酸化珪素、炭酸カルシウム、酸化チタン、アルミナ、ジルコニア、珪酸アルミニウム、マイカ、クレー、タルク、硫酸バリウム等を、有機系としては、ポリイミド系樹脂、オレフィンあるいは変性オレフィン系樹脂、架橋ないし無架橋ポリスチレン系樹脂、架橋ないし無架橋アクリル樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂等の樹脂、また有機滑材としてステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、フマール酸アミドなどの各種アミド化合物を挙げることができる。特に、本発明の光学フィルタでは、光損失となる粒子による光散乱を最小限に、かつ易滑性能を付与する観点から、粒子の平均粒径は、2μ以下で、粒子濃度が0.04重量%以下であることが好ましい。より好ましくは、平均粒径0.5〜1.5μで、粒子濃度が0.02重量%以下であることが好ましい。粒子種については、コスト及び反射率の高さの観点から、凝集シリカが好ましい。
以下、本発明の光学フィルタの実施例を用いて説明する。
[物性の測定方法ならびに効果の評価方法]
特性値の評価方法ならびに効果の評価方法は次の通りである。
(1)積層厚み、積層数、積層構造
フィルムの層構成は、ミクロトームを用いて断面を切り出したサンプルについて、電子顕微鏡観察により求めた。すなわち、透過型電子顕微鏡HU−12型((株)日立製作所製)を用い、フィルムの断面を40000倍に拡大観察し、断面写真を撮影、層構成および各層厚みを測定した。尚、場合によっては、コントラストを高く得るために、公知のRuOやOsOなどを使用した染色技術を用いても良い。
(2)反射率、透過率、吸収率
日立製作所製 分光光度計(U−3410 Spectrophotomater)にφ60積分球130−0632((株)日立製作所)および10°傾斜スペーサーを取り付け反射率を測定した。バンドパスは2nm/servoとし、ゲインは3と設定し、250nm〜2600nmの範囲を120nm/min.の走査速度で測定した。また、反射率を基準化するため、標準反射板として装置付属の酸化アルミニウム板を用い、サンプル測定時は、裏面からの反射による干渉をなくすために、マジックインキで黒塗りした。最大反射率は、波長250〜2600nmにおける反射スペクトラムの最大値のことであり、その波長を反射波長とした。また、透過率は、積分球の前にサンプルを設置し、測定することで求めた。さらに、波長範囲650〜1600nmにおける吸収率は、100%から反射率と透過率を差し引くことにより求め、特にその最大値を吸収率とした。なお、実施例8,11は、40%以上あり、それ以外の全ては、吸収率が1%以下の値であった。
(3)反射スペクトラムのシフト量
フィルム幅方向の中央部から、長手4.0×幅3.5cmの寸法に切り出したものをサンプルとし、オーシャンオプティクス社製の分光器USB2000(波長200−1100nm)、NIR512(波長1000−2100nm)、光源LS−1(タングステン・ハロゲンランプ 波長360−2000nm)にメーカ推奨の光ファイバー型(フェルールタイプ SMA905)の反射プローブ(R400−7−VIS/NIR)を接続した。次に、サンプル台と反射プローブ(光出射と光検出ファイバーが一体化したもの)のみを恒温恒湿漕(ナガノ科学機械製作所LH31−14P)内部に設置し、温度に依存した反射スペクトラムが測定できる装置とした。測定条件は、大気温度25℃でメーカ推奨の反射標準板(WS−1)で更正し、フイルム−反射プローブ先端間の距離を5cmとし、−5℃と65℃での反射スペクトラムを測定した。次に、波長0.3nm毎に得られた反射スペクトラムのデータを3ステップ毎に間引きし、次いで3点移動平均処理を実施し、データ加工処理を施した。この数値処理後の反射スペクトラムにおける最大反射率の反射波長の−5℃と65℃でのシフト量を求めた。
(4)光損失
光損失は、干渉フィルタの試験方法 JIS C5871(1992)に準拠して、測定した測定波長範囲での最大損失を採用した。ここでの光損失とは、減衰量のことであり、以下の式(3)に従って求めた。
光損失 = −10×log (光出力パワー/光入力パワー)・・・(3)
光スペクトラムアナライザは、アジレントテクノロジー(株)製86146B、光源は、反射波長が1200nm〜1600nmの場合は、スペクトルアナライザのオプションである広帯域光源(EELED1.3μmと1.5μmの波長帯域を合わせたもの)を用い、反射波長が850±10nmでは、アジレントテクノロジー(株)製850nm帯固定波長レーザ81655A、反射波長が850nm〜400nmにある場合は、白色光源AQ4305(安藤電気(株)製)を用いた。なお、850nm帯固定波長レーザ81655Aを用いたときの検出部は、アジレントテクノロジー(株)製81623Bパワーセンサを用いた。
(5)耐パワー性
中心波長1480nmの高出力光源を用いて耐パワー性を評価した。測定に用いた光源の出力は、500mW、1Wであり、スポット径φを1mmとし、フィルムの面直方向から光を5分間照射し、その照射部の熱変形状態を観察し、以下の基準で評価した。ここでの熱変形とは、変色、劣化、溶融などの現象の事である。
500mWまで熱変形が起こらなかった。 :△
1Wまで熱変形が起こらなかった。 :○。
(6)中心反射波長むら
製膜により得られたフィルムの巾方向中央部から、巾方向5cm×長手方向に4mのサンプルを切り出し、前記(3)で記述した分光器を用いて、走行速度50cm/分のフイルムのMD方向の分光反射特性を採取した。サンプリングレイト1secで、約240秒間、反射スペクトラムのデータを採取した。次に、1sec毎に得られた波長0.3nm毎の反射スペクトラムのデータついて、ノイズとなる波長領域を削除し、スペクトラムを平滑化するために、全て3ステップ毎に間引きし、3点移動平均処理を実施した。次に、反射スペクトラムの最大反射率の半分の値となる波長軸(横軸)に平行な直線と反射スペクトラムの交点を波長1,波長2とし、この2点の中点を反射スペクトラムの中心波長とした。最終的に得られた時間と中心波長のデータにおいて、240秒間、すなわち、240個の中心反射波長での最大値と最小値の差を平均の中心波長で割った値を中心反射波長むら(%)とした。
(7)異なる樹脂間の面内屈折率差、及び同一樹脂内の面内屈折率と面直屈折率の差(Δn)
光学フィルタを構成する熱可塑性樹脂を単独で用いて、光学フィルタと同じ製膜条件で単膜フィルムを製膜した。この際の製膜方法は、キャスティングまでは同じ方法で未延伸フィルムを製膜した。次いで、未延伸フィルムからサンプルを10cm×10cmの寸法に切り出し、二軸延伸装置(東洋精機(株))を用いて延伸し、さらに、得られた延伸フィルムを20cm×20cmの金枠に貼り付けてトンネルオーブン(泰伸製作所製)を用いて熱処理を施し、単膜フィルムを得た。なお、製膜時の熱処理温度が熱可塑性樹脂を溶融する温度の場合は、ポリイミドフィルムなどの支持体で挟みトンネルオーブンで熱処理を施した。得られた単膜フィルムのフィルム巾方向中央部からサンプルを長さ4×巾3.5cmの寸法で切り出し、アッベ屈折率計4T(アタゴ(株)製)を用いて、MD、TD、ZDの屈折率を求めた。光源は、ナトリウムD線 波長589nmを用いた。MDとTDの屈折率の平均を面内屈折率とし、ZDの屈折率を面直屈折率とした。面内屈折率と面直屈折率の差(絶対値)であるΔnを3回の測定値の平均値として求めた。なお、浸液には、ヨウ化メチレン、テストピースの屈折率は、1.74のものを用いた。さらに、異なる樹脂間での面内屈折率の差を面内屈折率差(絶対値)として、求めた(|熱可塑性樹脂Aの面内屈折率―熱可塑性樹脂Bの面内屈折率|)。
(8)層厚みむら
(1)項で得られた約4万倍のTEM写真画像を、CanonScanD123Uを用いて画像サイズ720dpiで取り込んだ。画像をビットマップファイル(BMP)で保存し、次に、画像処理ソフト Image−Pro Plus ver.4(販売元 プラネトロン(株))を用いて、このBMPファイルを開き、画像解析を行った。画像解析処理は、垂直シックプロファイルモードで、厚み方向位置と幅方向の2本のライン間で挟まれた領域の平均明るさとの関係を、数値データとして読み取った。表計算ソフト(Excel2000)を用いて、位置(nm)と明るさのデータに対してサンプリングステップ6(間引き6)、3点移動平均の数値処理を施した。さらに、この得られた周期的に明るさが変化するデータを微分し、VBAプログラムにより、その微分曲線の極大値と極小値を読み込み、隣り合うこれらの間隔を1層の層厚みとして層厚みを算出した。この操作を写真毎に行い、全ての層の層厚みを算出した。但し、表層から20層は、評価の対象外とした。周期構造の場合は、(4)式に示すように層厚みの最大値と最小値の差を平均層厚みで除し、100を乗じることにより層厚みむらを算出した。傾斜構造の場合は、得られた層厚み分布に対して、最小二乗法により線形近似し、各層番号での平均層厚みを求めた。各層番号での層厚みむらを求め、その最大値を傾斜型の層厚みむらとした。
層厚みむら(%)=(層厚みの最大値−層厚みの最小値)/平均層厚み・・・・(4)式
写真間でコントラストが異なるなどの問題がある場合は、写真毎に算出された層厚みむらの最小値を層厚みむらとした。
(9)樹脂の溶融粘度
樹脂の溶融粘度は、島津製作所(株)島津フローテスタCFT−500形Aを用いて測定した。溶融温度は280℃とし、数gのチップをセットしてから約3分後に所望の荷重を掛けて溶融粘度を測定した。実施例で利用した熱可塑性樹脂の剪断速度と溶融粘度の結果を表1に記す。但し、ポリブチレンテレフタレートとポリメチルメタクリレートの溶融温度は、270℃で測定した。ここでの所望の荷重とは、5,10,15,20kgの重りの事である、これらを用いて、剪断速度と溶融粘度の関係を測定し、125(1/s)近傍の溶融粘度を求めた。なお、直接測定結果から値が求まらないときは、樹脂をニュートニアン材料とみなし、最小二乗法により近似式を求めて、値を算出した。
(10)溶液粘度(IV)
オルトクロロフェノール中、25℃で測定した溶液粘度から、算出した。また、溶液粘度はオストワルド粘度計を用いて測定した。単位は[dl/g]で示した。なお、n数は3とし、その平均値を採用した。但し、ポリメチルメタクリレートのみ測定しなかった。
(11)スパッタ蒸着
スパッタ蒸着は、アルバック(株)製SH−450を用いて、到達真空度4.5×10−6torr、スパッタガスArの製膜条件で実施した。積層厚みは、水晶振動子膜厚計でモニターリングしながら調整した。ターゲットには、酸化チタン、酸化ニオブ、SiOを用いた。

RF電源使用
出力 :1500W
スパッタガス:Ar
スパッタ圧 :0.2Pa。
[実施例1]
ポリエチレンテレフタレート1にポリエーテルイミド20重量%混ぜたポリマーアロイを熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/G―2(シクロヘキサンジメタノール成分20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた(熱可塑性樹脂A,B、共に無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=2/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Aとした。さらに、押出機Cから熱可塑性樹脂Aに平均粒径1.2μmの凝集シリカを0.02重量%添加した熱可塑性樹脂Cが、最表層部にくるようにフィードブロック下のピノールから合流させて、計203層からなる積層体とした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)2の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、20kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、8であった。
この未延伸フィルムを、90℃、延伸倍率3.4倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、235℃で熱処理を施し、120℃で約5%のTDリラックス実施し、厚み30μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの断面を観察すると、熱可塑性樹脂Aの最表層の厚みが2μmあった。A層の平均層厚みは、173nm、B層の平均層厚みは、87nmであった。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。なお、単独で熱可塑性樹脂Bを製膜したときの面内屈折率と面直屈折率との差Δnは、0.023であった。また、熱可塑性樹脂Aは、0.158であった。熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.082であった。
[実施例2]
予め、凝集シリカを0.04重量%添加したポリエチレンテレフタレート2を熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/I―1(イソフタル酸成分17.5mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた(熱可塑性樹脂B、は無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=2/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に201層積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Aとした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)1の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、35kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、15であった。
この未延伸フィルムを、120℃、延伸倍率3.3倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、220℃で熱処理を施し、TDリラックスを実施せずに、厚み26μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。なお、単独で熱可塑性樹脂Bを製膜したときの面内屈折率と面直屈折率との差Δnは、0.06であった。(以降、熱可塑性樹脂AのΔnは、0.14以上であった。)熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.062であった。
[実施例3]
予め、凝集シリカを0.04重量%添加したポリエチレンテレフタレート1を熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/G―1(シクロヘキサンジメタノール成分33mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた。(熱可塑性樹脂B、は無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=1/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に201層積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、熱可塑性樹脂Aの最外層の層厚みは、他の熱可塑性樹脂層の厚みの20倍とした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)1.5の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、10kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、5であった。
この未延伸フィルムを、90℃、延伸倍率3.6倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、235℃で熱処理を施し、120℃で約5%のTDリラックス実施し、厚み30.2μmの積層フィルムを得た。得られた光学フィルタの断面を観察すると、熱可塑性樹脂Aの最表層の厚みが2μmあった。A層の平均層厚みは、130nm、B層の平均層厚みは、133nmであった。なお、単独で熱可塑性樹脂を製膜したときの面内屈折率と面直屈折率との差Δnは、0.02であった。熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.082であった。
さらに、スパッタ蒸着にて、まず、積層フィルムの上にSiOを145nm蒸着し、続いて酸化ニオブを92nm蒸着し、計203層の光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[実施例4]
積層数を301層とする以外は、実施例3と同様にして、厚み43.3μmの積層フィルムを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。なお、単独で熱可塑性樹脂Bを製膜したときの面内屈折率と面直屈折率との差Δnは、0.025であった。(以下、実施例5〜13までの熱可塑性樹脂BのΔnは、全て0.03以下であった。)熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.081であった。
[実施例5]
熱可塑性樹脂Aとして、ポリエチレンテレフタレート2を用い、熱可塑性樹脂Bとして、PBT(ポリブチレンテレフタレート)を用い、さらに、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量を、15kg/hr/cm、延伸温度を110℃すること以外は、実施例2と同様にして、厚み26μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.06であった。
[実施例6]
熱可塑性樹脂Aとして、ポリエチレンテレフタレート2を用い、熱可塑性樹脂Bとして、PET/G―2(シクロヘキサンジメタノール成分20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)を用い、さらに、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量を、25kg/hr/cm、ドラフト比を10にする以外は、実施例3と同様にして、未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを、110℃、延伸倍率3.6倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、235℃で熱処理を施し、120℃で約5%のTDリラックス実施し、厚み29μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.081であった。(以下、実施例7〜13までの熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.08以上であった。)
[実施例7]
断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量を、20kg/hr/cm、ドラフト比を10にする以外は、実施例3と同様にして、未延伸フィルムを得た。次いで、この未延伸フィルムを、95℃、延伸倍率3.6倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、235℃で熱処理を施し、120℃で約5%のTDリラックス実施し、厚み29μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[実施例8]
延伸温度を95℃とすること以外は、実施例6と同様にして、厚み29μmの積層フィルムを得た。
さらに、BASF社製ペリレン系有機顔料であるパリオゲンブラックS0084をアセトンに0.2重量%溶解し、得られた積層フィルムの表面にメタバーを用いて1μmの層厚みで塗布した。さらに、150℃、10分間の熱処理を施し、光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。波長750nm以上の近赤外領域で高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[実施例9]
予め、凝集シリカを0.04重量%添加したポリエチレンテレフタレート2を熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/G―2(シクロヘキサンジメタノール成分20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた。(熱可塑性樹脂B、は無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=2/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に201層積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、熱可塑性樹脂Aが最外層となるようにした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)1.5の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、20kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、7であった。
この未延伸フィルムを、90℃、延伸倍率3.6倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、235℃で熱処理を施し、120℃で約5%のTDリラックス実施し、厚み44μmの積層フィルムを得た。得られた光学フィルタの断面を観察すると、A層の平均層厚みは、317nm、B層の平均層厚みは、160nmであった。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[実施例10]
断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量を15kg/hr/cmにすること以外は、実施例9と同様にして、厚み41μmの積層フィルムを得た。得られた光学フィルタの断面を観察すると、A層の平均層厚みは、267nm、B層の平均層厚みは、134nmであった。
さらに、スパッタ蒸着にて、まず、積層フィルムの上にSiOを112nm蒸着し、続いて酸化チタンを70nm蒸着し、計203層の光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[実施例11]
熱可塑性樹脂Aに1重量%の大日本インキ(株)シアニンブルー(LA−50)を添加すること以外は、実施例7と同様にして、厚み19μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの断面を観察すると、熱可塑性樹脂Aの層の厚みが1.5μmあった。A層の平均層厚みは、82nm、B層の平均層厚みは、87nmであった。
得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。波長500nm〜800nmに渡り高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[実施例12]
予め、凝集シリカを0.04重量%添加したポリエチレンテレフタレート1を熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/G―2(シクロヘキサンジメタノール成分20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた。(熱可塑性樹脂B、は無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、FSSタイプのリーフディスクフィルタを5枚介した後、ギアポンプにて吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=1/1になるように計量しながら、801層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に801層積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが401層、熱可塑性樹脂Bが400層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、熱可塑性樹脂Aの最外層の層厚みは、他の熱可塑性樹脂層の厚みの20倍とした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)1.5の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、20kg/hr/cmであった。さらに、押出機Cから熱可塑性樹脂Aに平均粒径1.2μmの凝集シリカを0.06重量%添加した熱可塑性樹脂Cが、最表層部にくるようにフィードブロック下のピノールから合流させて、計803層からなる積層体とした。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、10であった。
この未延伸フィルムを、90℃、延伸倍率3.5倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、235℃で熱処理を施し、120℃で約5%のTDリラックス実施し、厚み83μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの断面を観察すると、最表層となる熱可塑性樹脂Aのピノール層と厚肉層の厚みを足した和は、3.5μmあった。また、A層、B層ともに層厚みは、76〜110nmまで、連続的に層厚みが変化する傾斜構造であった。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。波長500nm〜700nmに渡り高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[実施例13]
断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量を、35kg/hr/cmとし、ピノールを用いないこと以外は実施例12と同様にして、厚み130μmの積層フィルムを得た。得られた光学フィルタの断面を観察すると、最表層となる熱可塑性樹脂Aのピノール層と厚肉層の厚みを足した和は、3.5μmあった。また、A層は、124〜180nm、B層は、130〜190nmまで、連続的に層厚みが変化する傾斜構造であった。
さらに、スパッタ蒸着にて、まず、積層フィルムの上にSiOを175nm蒸着し、続いて酸化チタンを109nm蒸着する工程を2回繰り返し、計805層の光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。波長850nm〜1200nmに渡り高い光遮断性能があり、光学性能の熱安定性に優れた光学フィルタであることを確認した。
[比較例1]
予め、凝集シリカを0.04重量%添加したポリエチレンテレフタレート3を熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/G―1(シクロヘキサンジメタノール成分20mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた(熱可塑性樹脂B、は無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、金網メッシュのフィルタを介した後、ギアポンプを介さずにスクリュウー回転数で吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に201層積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Aとした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)1の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、35kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、20であった。
この未延伸フィルムを、125℃、延伸倍率3.0倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、220℃で熱処理を施し、TDリラックスを120℃で5%実施し、厚み26μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。光遮断性能がない光学フィルタであることを確認した。なお、単独で熱可塑性樹脂Bを製膜したときの面内屈折率と面直屈折率との差Δnは、0.05であった。熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.05であった。
[比較例2]
予め、凝集シリカを0.04重量%添加したポリエチレンテレフタレート3を熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂BとしてPET/I―2(イソフタル酸成分12mol%を共重合したポリエチレンテレフタレート)の共重合体を用いた(熱可塑性樹脂B、は無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて280℃で溶融させ、金網メッシュのフィルタを介した後、ギアポンプを介さずにスクリュウー回転数で吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=3/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に201層積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが101層、熱可塑性樹脂Bが100層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Aとした。この際のポリマー流路の断面形状は、アスペクト比(巾方向の長さ/厚み方向の長さ)1の角型形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、30kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、20であった。
この未延伸フィルムを、110℃、延伸倍率3.3倍で縦延伸を行い、両端部をクリップで把持するテンターに導き100℃、4.3倍横延伸した後、220℃で熱処理を施し、TDリラックスを実施せずに、厚み44μmの光学フィルタを得た。得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。光遮断性能がない光学フィルタであることを確認した。なお、単独で熱可塑性樹脂Bを製膜したときの面内屈折率と面直屈折率との差Δnは、0.12であった。
熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.03であった。
[比較例3]
予め、凝集シリカを0.04重量%添加したポリブチレンテレフタレートを熱可塑性樹脂Aとして用い、また熱可塑性樹脂Bとしてポリメチルメタクリレートを用いた(熱可塑性樹脂B、は無粒子)。熱可塑性樹脂AおよびBは、それぞれの押出機にて270℃で溶融させ、金網メッシュのフィルタを介した後、ギアポンプを介さずにスクリュウー回転数で吐出比が熱可塑性樹脂A組成物/熱可塑性樹脂B組成物=4/1になるように計量しながら、201層のフィードブロックにて合流させて、厚み方向に交互に153層積層された積層体とした。その内訳は、熱可塑性樹脂Aが77層、熱可塑性樹脂Bが76層からなる厚み方向に交互に積層された周期構造を有する積層体であり、最外層は熱可塑性樹脂Aとした。この際のポリマー流路の断面形状は、円形状を用いた。また、断面積内を単位時間内に通過する積層された樹脂の吐出量は、30kg/hr/cmであった。該積層体をTダイに供給し、シート状に成形した後、ワイヤーで8kVの静電印可電圧をかけながら、表面温度25℃に保たれたキャスティングドラム上で急冷固化し、厚み20μmの未延伸フィルムを得た。なお、このときのドラフト比は、20であった。
この延伸することなしに得られた光学フィルタの物性結果を表2に示す。光遮断性能が低く、温度により波長シフトを起こす光学フィルタであることを確認した。なお、熱可塑性樹脂Aの面内屈折率と熱可塑性樹脂Bの面内屈折率の面内屈折率差は、0.08であった。
Figure 2007079349
Figure 2007079349

本発明は、光学フィルタに関するものである。さらに詳しくは、ディスプレイ、光学センサ、太陽電池、光情報通信、また、装飾材料分野の光学フィルタであり、特に光計測および光情報通信での利得等化フィルタ(GFF:Gain Flattening Filter)、狭帯域透過フィルター(NBPF:Narrow Bandpass Filter)などに好適な光学フィルタに関するものである。
フィードブロックの上面図 フィードブロック内のスリット板の側面図 フィードブロックの正面図 押出構成
符号の説明
1:ポリマーA
2:ポリマーB
3:スリット板
4:マニホールド
5:フィードブロック
6:ポリマーAが流入するスリット部
7:ポリマーBが流入するスリット部
8:短管
9:口金
10:キャストドラム
11:フィルターパック
12:ギアポンプ
13:フィードブロック
14:ピノール
15:口金

Claims (8)

  1. 少なくとも2種以上の熱可塑性樹脂層が厚み方向に100層以上積層され、波長250〜2600nmにおける透過率または反射率の最大値が70%以上であり、−5℃と65℃の雰囲気下における反射スペクトラムまたは透過スペクトラムのシフト量が10nm以下である光学フィルタ。
  2. 中心反射波長のむらが、10%以下である請求項1に記載の光学フィルタ。
  3. 少なくとも厚みが500nm以下の無機材料層が1層以上積層された請求項1または2に記載の光学フィルタ。
  4. 少なくとも1つの熱可塑性樹脂層に色素を含有した請求項1〜3のいずれかに記載の光学フィルタ。
  5. 少なくとも1方向に延伸された請求項1〜4のいずれかに記載の光学フィルタ。
  6. 30dBmの光を照射しても溶融しない請求項1〜5のいずれかに記載の光学フィルタ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルタを含んでなる光計測用受動光学素子。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の光学フィルタを含んでなる光情報通信用受動光学素子。
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