JP2007079256A - 光偏向器の共振周波数調整方法 - Google Patents

光偏向器の共振周波数調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】生産で発生するバラツキを簡単かつ正確に調整可能であり、外乱や経時変動に対して安定な正弦振動型の光偏向器の共振周波数調整方法の提供。
【解決手段】高出力レーザの照射により梁部材20(トーションバー)の長さを長くすることによって共振周波数を下げ、反射偏向ミラー24の慣性モーメントを小さくすることで共振周波数を上げるように調整する。これにより、高出力レーザの照射箇所を変えるだけで共振周波数の上げ下げが可能となり、一旦所定の箇所に固定した光偏向器12を移動させることなく共振周波数の調整を行うことができる。
【選択図】図3

Description

本発明は光偏向器の共振周波数調整方法に関し、特に光源から出射した光束を往復運動する偏向素子で偏向反射させ、被走査面上を光走査して画像情報を記録する光偏向器の共振周波数調整方法に関する。
従来よりレーザービームプリンター等に用いられる光走査装置においては、画像信号に応じてレーザー光源手段から光変調され出射した光束を偏向素子により偏向させ、感光性の記録媒体面上にスポット状に集束させ光走査をして画像記録を行っている。この種の光走査装置に用いられる光偏向装置では複数の反射面を有するポリゴンミラーをモータにより回転させることにより偏向反射を行うタイプが一般的であるが、書き込みの高速化や偏向素子のコンパクト化に優れた往復型の偏向素子も用いる事ができる。
特に偏向反射面を有する偏向反射ミラーを主走査方向に直交する副走査方向に延びた上下2本の梁により支持体に軸支し、偏向反射ミラーの偏向反射面の裏面に対向して設けられた駆動部から偏向反射ミラーと支持体間に電磁気力もしくは静電気力等を発生させて、梁にねじり振動を与え偏向反射ミラーを揺動させ、時間に対して偏向角が正弦波状に変化するように往復揺動する、所謂レゾナントスキャナが開示されている。
このような光偏向装置では、偏向反射ミラーは偏向反射ミラーと梁からなる構造体の共振周波数で往復揺動するように駆動されている。この構造体の機械特性によって偏向反射ミラーの共振周波数、すなわち偏向速度が定められることになる。レゾナントスキャナは共振周波数で駆動されるため、偏向反射ミラーの駆動に必要な電力が少なく、共振周波数に対して安定した偏向速度を維持できるといった特徴がある。
しかし、上記のような正弦振動偏向器は微細な構造のため、生産のバラツキで共振周波数が設計値からずれることがある。共振周波数がずれると、駆動にはより大きな電力が必要となり、必要な駆動電流が高くなれば電力効率が悪いだけでなく発熱量が増大し、光学走査特性に悪影響を与える。
また複数の正弦振動偏向器を同時に使用する場合は、共振周波数がずれると複数の走査のつなぎ目やカラーレジの誤差が目立ってしまい、画質の劣化に繋がる。そのため偏向器毎にバランスウエイトを付け共振周波数の微調整を施して使用している。
ところが上記のようにバランスウエイトでの共振周波数調整は非常に微量なウエイトを正確な位置に付けなければならず、時間が掛かる上にバランスウエイトが脱落する場合も懸念される。
これに対して、高出力のレーザを使い正弦振動偏向器のトーションバーの付け根を削ることによってトーションバーの長さを延長したり、正弦振動偏向器のトーションバーの付け根に接着剤等で埋めて長さを短縮したりして共振周波数を調整する構成が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
例えば図6(a)に示す例では、トーションバー101の根元に広幅部111を設け、炭酸ガスレーザ等を用いて切り欠き112を形成することで、トーションバー101の長さLを実質的に加減するように構成されている。また、図6(b)に示す例では、トーションバー101の根元に溝113を設け、この溝113を、接着剤114等を用いて埋めることで、トーションバー101の長さLを実質的に加減するように構成されている。いずれにせよ、振動ミラー100の共振周波数を調整することができ、これによって走査周波数を調節することができる。
図6(c)はトーションバー101の根元近傍に、薄膜抵抗を櫛歯状のパターンに形成することによってヒータ115を形成し、このヒータ115に通電し加熱することでトーションバー101の根元近傍を熱膨張させ、慣性モーメントを変化させることで、振動ミラー100の共振周波数を調整し、走査周波数を調節できるようにしたものである。
しかし、上記特許文献1の調整方法では高出力のレーザを使いトーションバーの付け根を削っているのでバランスウェイトは用いないが、共振周波数を低減する方向にしか調整できず、接着剤などで隙間を埋める場合は周波数を高める方向にしか調整できない。また上下にあるトーションバーの片側だけで調整すると上下でバランスが崩れ、本来の揺動運動以外の振動モードが発生してしまい、良好な画質を得られない。
そこで本発明では正弦振動偏向器の所定の位置にレーザを照射することで共振周波数を上下に調整可能な正弦振動型の光偏向器の共振周波数調整方法を提供することを目的とする。
特開2003−98459号公報
本発明は上記事実を考慮し、生産で発生するバラツキを簡単かつ正確に調整可能であり、外乱や経時変動に対して安定な正弦振動型の光偏向器の共振周波数調整方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の光走査装置は、光偏向軸を中心に支持部材にて揺動可能に支持され正弦揺動する偏向反射ミラーで入射光束を偏向する光偏向器の共振周波数調整方法であって、前記偏向反射ミラーの振動周波数を検知する検知手段と、前記偏向反射ミラーの所定の位置にレーザを照射して加工することで前記偏向反射ミラーの共振周波数を変更する高出力レーザ加工機と、を用いて、前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする。
上記構成の発明では、高出力レーザ加工機にて所望の位置にレーザを照射するだけなので作業に要する時間が短く、またウェイトなどを貼付しないので衝撃、振動や径時変化の影響を受けにくい。
請求項2に記載の光走査装置は、前記光偏向器を光走査装置に取り付けた状態で前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする。
上記構成の発明では、光走査装置への取り付け作業に起因する共振周波数のズレが発生せず、正確な周波数調整が行える。
請求項3に記載の光走査装置は、前記光偏向器を駆動した状態で高出力レーザを照射し、前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする。
上記構成の発明では、駆動中の状態で周波数調整が行えるので正確な調整が可能であり、衝撃、振動や径時変化の影響を受けにくい。
請求項4に記載の光走査装置は、前記光偏向器の駆動周波数を所望の共振周波数に設定し、前記光偏向器の振り角と駆動電流をモニタしながら前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする。
上記構成の発明では、偏向器の製造バラツキに起因する共振周波数バラツキを吸収し、共振周波数を所望の周波数に調整することができる。
請求項5に記載の光走査装置は、前記偏向反射ミラーの共振周波数を下げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記支持部材の長さを長く加工し、前記偏向反射ミラーの共振周波数を上げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記偏向反射ミラーの反射面の裏側に設けられた調整部材を切削加工し、前記偏向反射ミラーの重量を減らすことを特徴とする。
上記構成の発明では、同一の工程で共振周波数の上下調整が可能であり、調整に要する工程数を少なくすることができる。
請求項6に記載の光走査装置は、前記偏向反射ミラーの共振周波数を下げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記支持部材の長さを長く加工し、前記偏向反射ミラーの共振周波数を上げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記偏向反射ミラーの偏向反射面または裏面に穿孔加工し、前記偏向反射ミラーの重量を減らすことを特徴とする。
上記構成の発明では、同一の工程で共振周波数の上下調整が可能であり、調整に要する工程数を少なくすることができる。
本発明は上記構成としたので、生産で発生するバラツキを簡単かつ正確に調整可能であり、外乱や経時変動に対して安定な正弦振動型の光偏向器の調整方法とすることができた。
<基本構成>
図1には本発明の第1実施形態に係る光走査装置が示されている。
平面図1(a)に示すようにレーザー光源14から出射された光束はコリメータレンズ13により平行光束とされ、光偏向器12に入射する。このとき光束の幅は後述する偏向反射面の主走査方向幅よりも幅の広い、いわゆるオーバーフィルドタイプの光学系としてもよい。
光偏向器12に設けられた偏向反射ミラーの偏向反射面に入射した光束は、偏向反射ミラーの揺動によって偏向反射され、走査結像レンズ16により、被走査面(図示せず)上にスポット状に結像するように走査される。走査結像レンズ16を光偏向器12よりも光軸上の下流方向に設けたことで、反射光束を被走査面18上にて結像させる光学系と主走査方向の線速度を一定に、すなわち等速走査可能とする光学系を兼ねることができ、光学エレメントの個数を減らし単純で部品点数の少ない光学系とすることができる。
複数の反射面を設けた偏向器を回転駆動する所謂ポリゴンミラーとは異なり、光偏向器12は偏向反射ミラーを略正弦駆動し入射した光束を往復走査することで、1枚の偏向反射ミラーで走査領域をカバーする。このためポリゴンミラーにおいて複数の反射面角度の不揃いに起因する面倒れの補正が必要なく、単純で部品点数の少ない光偏向器とすることができる。
また側面図1(b)に示すように、副走査方向(図中上下)に角度を持たせた複数の光束を分岐させ、複数の露光面に露光を行うことでカラー画像を形成するカラー画像記録装置のための光走査装置としてもよい。
<光偏向器>
図2には本発明の第1実施形態に係る光偏向器が示されている。
図2に示すように、光偏向器12は支持体28に梁部材20で偏向反射ミラー24が主走査方向(図中左右方向)に揺動可能に支持されている。偏向反射ミラー24は偏向反射面26を備え、偏向反射面26は偏向反射ミラー24の揺動に応じて入射光束を主走査方向に振り、図示しない被走査面を走査する。
光偏向器12は偏向反射ミラー24を主走査方向と直交する方向すなわち副走査方向(図中上下方向)に延びた上下2本の梁部材20により支持体28に軸支し、偏向反射ミラー24に対向して設けられた駆動部40から偏向反射ミラー24の裏側に設けられたマグネット30に電磁気力を発生させ偏向反射ミラー24を主走査方向に駆動する。
梁部材20はそれ自体がトーションバースプリングであり、梁部材20にねじり振動を与え偏向反射ミラー24を揺動させるものであり、時間に対して偏向角が正弦波状に変化するように往復揺動する。すなわち偏向反射ミラー24の振動角は時間に対して正弦波状に変動する。
このとき偏向反射ミラー24は偏向反射面26を有する偏向反射ミラー24と梁部材20からなる構造体の共振周波数で往復揺動するように駆動される、いわゆるレゾナントスキャナである。この構造体の機械特性によって偏向反射ミラー24の偏向速度が定められることになる。この構成により安定した偏向速度が得られ、また共振を利用するため偏向反射ミラー24の駆動に必要な電力を低く抑え省エネルギー化が可能となる。
偏向反射面26には、主走査方向に偏向反射面26の主走査方向幅よりも幅の大きい光束が入射し、偏向角度に応じて偏向反射面26の射影幅分の光束を偏向反射する、所謂オーバーフィルドタイプの光学系としてもよい。
<従来方法>
光偏光器12は上記のように正弦振動偏向器とすることで、前述のように偏向反射ミラー24の共振周波数によって偏向速度が定められることになる。光偏向器12のようなレゾナントスキャナは共振周波数で駆動されるため、偏向反射ミラー24の駆動に必要な電力が少なく、共振周波数に対して安定した偏向速度を維持できるといった優れた特徴がある。
しかし偏向反射ミラー24は微細な構造のため、生産のバラツキで共振周波数が設計値からずれることがある。共振周波数がずれると、駆動にはより大きな電力が必要となり、必要な駆動電流が高くなれば電力効率が悪いだけでなく発熱量が増大し、光学走査特性に悪影響を与える点は前述の通りである。
そのため従来は偏向器毎にバランスウエイトを付け共振周波数の微調整を施して使用している。すなわち偏向反射ミラーにバランスウェイトを取り付け、軸支点からバランスウェイトまでの距離やバランスウェイトの重量を変えることで偏向反射ミラーの回転モーメントを調節し、共振周波数を上下させることで共振周波数の微調整を行う。
しかし、この方法では上記のように非常に微量なウエイトを正確な位置に付けなければならず、時間が掛かる上にバランスウエイトを偏向反射ミラーに取り付ければ駆動に伴う振動などでバランスウェイトが脱落する場合も懸念される。また作業は光偏向器を走査装置から外し、駆動を停止した状態で行わねばならず、駆動を開始した際に所望の共振周波数が得られない可能性もあり作業効率が悪い。加えて作業終了後に走査装置への取り付け作業によって光偏向器の共振周波数がずれる可能性もあるため作業性は更に悪化する。
これに対して、前述のように図6に示す通り高出力のレーザを使い正弦振動偏向器のトーションバー101の付け根を削ることによってトーションバーの長さを延長したり、正弦振動偏向器のトーションバーの付け根に接着剤等で埋めて長さを短縮したりして共振周波数を調整する構成が提案されている。
しかし、上記の調整方法では高出力のレーザを使いトーションバー101の付け根を削っているのでバランスウェイトは用いないが、トーションバー101を長くする方向、すなわち共振周波数を低減する方向にしか調整できない。接着剤などで隙間を埋める方法では共振周波数を高める方向にしか調整できず、バランスウェイトを装着する方法と同様に作業は光偏向器を走査装置から外し、駆動を停止した状態で行わねばならず、駆動を開始した際に所望の共振周波数が得られない可能性もあり作業効率が悪い。加えて作業終了後に走査装置への取り付け作業で共振周波数がずれる可能性もある。
また上下にあるトーションバー101の片側だけで調整するとミラーの上下でバランスが崩れ、本来の揺動運動以外の振動モードが発生してしまい、良好な画質を得られない可能性がある。トーションバー101の根本にヒータを設け、通電し加熱することでトーションバー101の根元近傍を熱膨張させ、慣性モーメントを変化させることで振動ミラー100の共振周波数を調整し、走査周波数を調節できるようにする例では当然ヒータの消費電力が必要となり、省エネルギーを特徴とするレゾナントスキャナの特徴をスポイルしてしまう上、環境条件などとの関係で正確な制御は難しく、また径時変動も無視できない。
<本発明の方法>
そこで本発明では生産で発生するバラツキを簡単かつ正確に調整可能であり、外乱や経時変動に対して安定な正弦振動型の光偏向器の調整方法を提供する。
図3には本発明の第1実施形態に係る光偏向器の調整方法が示されている。
前述のように、反射偏向ミラー24をリジッドに支持している梁部材20(トーションバー)の長さを長くすることによって共振周波数を下げ、短くすることで共振周波数を上げることができるが、梁部材20の長さを長くする方法と短くする方法とは同一の工程で行うことができないため、場合によっては光偏向器の取付/取外しを何度も行う必要があり、作業効率が低かった。
そのため本発明では高出力レーザ(例えば1KWのレーザ加工機であれば1mm厚のシリコン板を100mm/s速度で切断できるので、充分な能力である)の照射により梁部材20(トーションバー)の長さを長くすることによって共振周波数を下げ、反射偏向ミラー24の慣性モーメントを小さくすることで共振周波数を上げる調整方法を提供する。
これにより、高出力レーザの照射箇所を変えるだけで共振周波数の上げ下げが可能となり、一旦所定の箇所に固定した光偏向器12を移動させることなく共振周波数の調整を行うことができ、工程、作業時間の削減が可能となる。
具体的には以下のように共振周波数の調整を行う。
・周波数DOWNの場合:
K:ばね定数、J:慣性モーメント、G:剛性、I:断面2次モーメント、L:トーションバー長とすると、共振周波数を下げる場合はトーションバー長を長くする。すなわち
f=√(K/J)=√(G*I/J/L) で記述される共振周波数を、トーションバー長LをΔLだけ長くすることによって、
fd =√(G*I/J/(L+ΔL)) のように低くすることができる。
つまり図3(a)に示すように梁部材20の両脇に設けられた切削部分21を高出力レーザで削ることで梁部材20(トーションバー)の長さを長くし、上記の式に従って共振周波数を下げることができる。
・周波数UPの場合:
これに対して共振周波数を上げる場合は慣性メーメントを小さくする。すなわち、
f=√(K/J)=√(G*I/J/L) で記述される共振周波数を、慣性モーメントJをΔJだけ小さくすることによって、
fu=√(G*I/(J-ΔJ)/(L)) のように高くすることができる。
つまり図3(b)に示すように偏向反射ミラー24の偏向反射面26(または裏面)に高出力レーザを照射し穴25を設けることで偏向反射ミラー24の質量を削り、慣性モーメントを小さくすることで共振周波数を高くすることができる。
あるいは図3(c)に示すように、偏向反射ミラー24自体ではなく裏面のマグネット30に設けられた調整部材32の一部分33を、高出力レーザを照射することで削り、慣性モーメントを小さくして共振周波数を上げる方法としてもよい。
本発明では上記のようにトーションバーである梁部材20の根本を削りトーションバー長さを長くすることで共振周波数を下げ、または偏向反射ミラー24自身あるいは調整部材32の一部分33を削り慣性モーメントを小さくすることで共振周波数を上げる。これにより同一の機材/同一の工程で共振周波数の調整を行うことができ、かつ接着剤などを用いないため振動や衝撃に強く、径時変動を起こす恐れもない特徴がある。
図4には本発明の第1実施形態に係る光偏向器の調整方法が示されている。
図4(a)に示すように、梁部材20の両脇、偏向反射面26あるいは裏面の調整部材32に高出力レーザ加工機(図示せず)から射出された高出力レーザLが照射されることで各部材が削られ、トーションバー長および慣性モーメントの調整が行われる。
すなわち図4(b)に示すように高出力レーザLが切削部分21を削り取ることでナリ部材20の両脇がフリーとなり、トーションバー長を長くすることで共振周波数を下げることができる。
また偏向反射面26に高出力レーザLを照射することで穴25を穿ち、偏向反射ミラー24の質量を削ることで慣性モーメントを小さくし、共振周波数を下げることができる。このとき図3(b)に示すように高出力レーザLを照射する箇所、すなわち穴25を開ける箇所は主走査方向(図中左右)および副走査方向(図中上下)に対して均等に慣性モーメントが小さくなる位置を選択する必要がある。
すなわち上下/左右方向に対称な箇所を選択し、例えば上下/左右方向の中央に設ける、あるいは図3(b)のように上下左右対称に設けることで主走査方向(図中左右)および副走査方向(図中上下)に対して均等に慣性モーメントを小さくすることができる。
あるいはマグネット30に設けられた調整部材32を高出力レーザで削り、慣性モーメントを小さくする際にも上記と同様、箇所は主走査方向(図中左右)および副走査方向(図中上下)に対して均等に慣性モーメントが小さくなる位置を選択する必要がある。
偏向反射面26の表面に穴25を設けることで偏向反射面26の表面には微細な凹凸が形成されるが、オーバーフィルドタイプの光学系のように、反射面のほぼ全面に光を広げて入射させて使用する場合の走査露光用の偏向反射面26は、表面に微細な穴25が設けられていても実用上、光学性能的に問題はない。このため、偏向反射面26の側から高出力レーザLを照射することで切削部分21と穴25の両方を加工できるので、高出力レーザの照射箇所を変えるだけで共振周波数の上げ下げが可能となり、一旦所定の箇所に固定した光偏向器12を移動させることなく共振周波数の調整を行うことができ、工程、作業時間の削減が可能となる。
また前述のように光偏向器12の取付作業によって共振周波数がずれる恐れがあるが、光偏向器12を取り付けた状態で共振周波数の調整を行うことで、前記周波数ズレの発生を抑えることができる。
<振り角と駆動電流>
図5には本発明の第2実施形態に係る偏向反射ミラーの振り角と周波数、駆動電流の関係が示されている。
図5(a)に示すように、ある光偏向器12に設けられた偏向反射ミラー24の共振周波数が例えば540Hzだった場合、駆動した場合の振れ角は共振周波数540Hzを中心すなわち最大値として明確なピークを描く特性を備えている。
この共振周波数を本発明に示すような方法で調整した場合、図5(a)に示す振れ角のピーク位置もまた共振周波数に応じて変動する。このピーク位置を検出することで偏向反射ミラー24の共振周波数が所望の値であるかどうかが判定できる。
このとき、図5(b)に示すように偏向反射ミラー24の振れ角と消費電流には1対1の相関関係が存在することがわかっている。従って、駆動部40に備わっているコイルにおける消費電流を検出する検出手段、たとえば電流計で駆動部40に備わっているコイルの消費電流をモニタし続ければ偏向反射ミラー24の振れ角がわかり、さらに共振周波数が所望の値であるかどうかも判定することができる。
さらに上記の方法では所定の位置に固定したのち、実際に駆動しながら共振周波数を調整することができる。これによりさらに工程数を削減可能であり、調整後の取付作業に起因する共振周波数ズレを起こさず、短時間で調整作業を行うことができる。
<その他>
以上、本発明の実施例について記述したが、本発明は上記の実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
例えば共振周波数にてミラーが駆動されるレゾナントスキャナ以外でも、トーションバーで揺動する部材を軸支する構成であれば応用できることは言うまでもなく、トーションバーのバネ定数などの調節を行う構成であれば本発明を応用することが可能である。
本発明に係る光走査装置の構成を示す図である。 本発明に係る光偏向器の構成を示す図である。 本発明に係る光偏向器の加工箇所を示す図である。 本発明に係る光偏向器の加工箇所を示す拡大図である。 本発明に係る光偏向器のミラー振れ角と共振周波数、駆動電流の関係を示す図である。 従来の光偏向器の加工箇所を示す図である。
符号の説明
10 光偏向器
12 レーザ光源
16 走査結像レンズ
18 被走査面
20 梁部材
21 切削部分
24 偏向反射ミラー
25 穴
26 偏向反射面
30 マグネット
32 調整部材

Claims (6)

  1. 光偏向軸を中心に支持部材にて揺動可能に支持され正弦揺動する偏向反射ミラーで入射光束を偏向する光偏向器の共振周波数調整方法であって、
    前記偏向反射ミラーの振動周波数を検知する検知手段と、
    前記偏向反射ミラーの所定の位置にレーザを照射して加工することで前記偏向反射ミラーの共振周波数を変更する高出力レーザ加工機と、を用いて、前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする光偏向器の共振周波数調整方法。
  2. 前記光偏向器を光走査装置に取り付けた状態で前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする請求項1に記載の光偏向器の共振周波数調整方法。
  3. 前記光偏向器を駆動した状態で高出力レーザを照射し、前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする請求項1または請求項2の何れかに記載の光偏向器の共振周波数調整方法。
  4. 前記光偏向器の駆動周波数を所望の共振周波数に設定し、前記光偏向器の振り角と駆動電流をモニタしながら前記偏向反射ミラーの共振周波数を調整することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の光偏向器の共振周波数調整方法。
  5. 前記偏向反射ミラーの共振周波数を下げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記支持部材の長さを長く加工し、
    前記偏向反射ミラーの共振周波数を上げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記偏向反射ミラーの反射面の裏側に設けられた調整部材を切削加工し、前記偏向反射ミラーの重量を減らすことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光偏向器の共振周波数調整方法。
  6. 前記偏向反射ミラーの共振周波数を下げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記支持部材の長さを長く加工し、
    前記偏向反射ミラーの共振周波数を上げる際には前記高出力レーザ加工機によりレーザを照射することで前記偏向反射ミラーの偏向反射面または裏面に穿孔加工し、前記偏向反射ミラーの重量を減らすことを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の光偏向器の共振周波数調整方法。
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