JP2007078435A - 形状測定方法および形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プローブの倣い走査による形状測定装置の測定タクトを短縮する。
【解決手段】被測定面104を倣い走査するプローブ101の走査経路を第1〜第3の測定経路105〜107に分割する。第1の測定経路105による形状測定後に、その測定データと被測定面104の設計形状を比較する形状解析を行い、誤差が大きい場合には、第2の測定経路106における形状測定を強制終了させる。誤差の原因を検討し、適切な処理を行ったうえで第1の測定経路105から形状測定を再開する。すべての測定経路の測定を終了後に形状解析を行って再度測定を行う場合に比べて、トータルの測定タクトを短縮できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、接触式あるいは非接触式のプローブを用いて光学素子や光学素子成形用金型等の物体形状を高精度に測定するための形状測定方法および形状測定装置に関するものである。
近年、撮像カメラをはじめレーザビームプリンタ、複写機、半導体露光装置など各種光学装置の性能向上に伴い、これらの光学装置に組み込まれるレンズ、ミラー、プリズムなどの光学素子の品質、特に形状精度への要求が高度化してきている。具体的には、光学素子の形状は従来の平面、球面、あるいは軸対称非球面から自由曲面へと複雑化しており、形状が複雑化するほど要求される光学面の形状精度も厳しくなっている。
このような状況下において、光学素子や、光学素子を製造するための光学素子成形用金型の形状測定では、自由曲面形状などの複雑な形状の測定が可能であるという理由で、接触式あるいは非接触式のプローブを用いた形状測定装置が広く用いられている。特に高度な測定精度を実現する形状測定装置としては、前記プローブを被測定面に対して倣い走査させて測定する三次元形状測定装置が使用される。以下に、光学素子あるいは光学素子成形用金型を被測定物とし、形状測定装置を用いて被測定面の形状を測定する従来技術について説明する。
図6は、接触式あるいは非接触式のプローブを被測定面に対して倣い走査させて測定する形状測定方法を示すフローチャートである。ステップS101において測定開始後、ステップS102で被測定面上を接触式あるいは非接触式のプローブを倣い走査させて被測定面の形状を測定する。ここでは、あらかじめ指定した測定データ点数、プローブ走査速度、測定領域などの測定条件に従い面形状の測定が行われる。指定した測定条件に基づいて被測定面の形状測定が全て終了した後に、ステップS103において、ステップS102で測定した被測定面の測定データの解析を行う。この測定形状解析では、具体的には被測定面の設計形状に対する誤差解析として、設計形状に対する被測定面の位置誤差、姿勢誤差、形状誤差などを解析する。測定形状解析終了後、ステップS104にて被測定面の形状測定は終了する。
図7は、図6に示したステップS102における面形状測定の詳細について説明する図である。従来技術による面形状測定では、図7の被測定面Eに対し、測定オペレータが形状測定装置の制御プログラムに測定条件として指定した測定経路T上をプローブが倣い走査し、被測定面Eの面形状を測定する。Tsはプローブ走査開始点、すなわち測定経路Tの開始点を示しており、Teはプローブ走査終了点、すなわち測定経路Tの終点を示している。
なお、図7では、XY直交座標系において、Y軸方向をプローブの主走査方向とし、X軸方向を副走査方向とするラスタ走査の測定経路を示しているが、この測定経路はあくまでも一例である。例えばプローブの主走査方向が図中のX軸方向であり、副走査方向がY軸方向となるようなラスタ走査による面形状測定や、プローブの走査経路を被測定面に対し同心円状とする面形状測定なども実施されている。
従来技術においては、あらかじめ測定条件として指定した測定経路Tの開始点Tsから終点Teまで、同経路を全てプローブが走査し、図6におけるステップS102の面形状測定が完了した後に、ステップS103において測定形状解析が実施される。このような測定手順の一例として、特許文献1に開示された形状測定方法が挙げられる。
特開2001−141443号公報
しかしながら、接触式あるいは非接触式のプローブを被測定面に対し倣い走査させて被測定面形状を測定する測定方法では、以下に示す原因で測定が失敗する場合がある。
(1)被測定物の不安定性
(2)測定環境の不安定性
(3)測定領域
まず、第1の被測定物の不安定性が原因となり測定が失敗する場合について、具体的に説明する。
被測定物が金型を使用してプラスチック材あるいはガラス材を成形加工し製作したレンズ、プリズム、ミラーなどの光学素子の場合、素子形状や成形加工条件によっては成形材料が金型内で端部まで充填されないことがある。このとき、光学面の形状については所望の形状が得られていても、光学素子を光学装置に組み込む際に基準となる面、つまり光学面の面位置を規定する際の基準面の形状が、成形材の充填不足により所望の形状が創成されていない場合がある。プラスチック材、あるいはガラス材を成形加工し製作した光学素子の光学面形状を測定する場合、一般的に前記基準面を形状測定装置に対する取り付けでも併用し、形状測定装置との間に測定治具などを介し被測定物を装置に取り付ける方法が知られている。
ここで、被測定物である光学素子の基準面形状が所望の形状に創成されていない場合、測定治具に対し被測定物を安定に取り付けることが困難となる。このとき、特に被測定面に対しプローブを接触させながら測定する接触式のプローブを用いた形状測定装置による測定では、被測定物が受けるプローブ接触荷重が原因となり測定途中に被測定物が測定治具内で動いてしまうことになる。測定途中に被測定物が測定治具内を動くことは、すなわち形状測定装置に対する被測定物の取り付け位置および姿勢が変化することを意味しており、このような場合には高精度な形状測定は不可能である。結果的に測定は失敗となり、再度測定治具に対する被測定物の取り付け状態を再調整し、面形状測定を最初からやり直す必要がある。
また、被測定物を形状測定装置に直接取り付ける際、あるいは測定治具を介して形状測定装置に取り付ける際に、被測定物の形状や被測定物の保持方法によっては、保持力に起因したいわゆる保持変形が被測定物に発生する場合がある。保持変形が生じた状態で測定した被測定面形状は、被測定物本来の面形状とは異なる形状を測定していることになるため、測定失敗として取り扱われる。
つぎに、第2の測定環境の不安定性が原因で測定失敗となる場合について、具体的に説明する。
近年、光学素子に求められる形状精度はnmオーダーとなっており、被測定面の形状測定では必然的にnmオーダーの形状測定精度が要求される。このように高精度な測定においては、被測定面上に大きさがμmオーダーのゴミが付着した状態で、接触式あるいは非接触式のプローブが前記ゴミ上を走査した場合には、プローブがゴミ形状を誤って被測定面形状として測定してしまう。また、接触式のプローブによる形状測定では、プローブがゴミに乗り上げた際にプローブ接触面に同ゴミが付着してしまい、ゴミを引きずりながらその後の測定経路上にある被測定面形状を測定してしまう場合もある。いずれの場合に関しても、nmオーダーの形状測定精度に対しμmオーダーの異常形状が測定形状として得られてしまうことから、測定は失敗となり、再度被測定面やプローブ先端を洗浄するなどして、再度面形状測定を実施する必要がある。
測定環境の不安定性としては、その他にも例えば被測定物周辺の温度変化などが挙げられる。測定途中に被測定物の周辺温度が変化したことにより、被測定物は熱変形を生じ、その変形は被測定物の周辺温度変化に従って変動する。そして被測定物の変形量は、nmオーダーの形状測定精度に対しては無視できない誤差量となる場合がある。
また、接触式あるいは非接触式のプローブによる形状測定装置において、被測定面形状の座標測定にレーザー測長器を用いた場合は、測定空間である被測定物周辺の温度変化により測長データが変動する。その結果、測定誤差がのった面形状測定データが得られることになる。いずれの場合についても、前記と同様に測定失敗として取り扱われることになる。
最後に、第3の測定領域に関する測定失敗について、その詳細を説明する。
光学素子の光学面を被測定面とする面形状測定では、測定領域について指定領域に対し高精度にプローブを位置決めして走査することが要求される。例えば、光学有効面全域を測定する必要がある場合、測定領域と指定領域間に位置ずれが発生すると、光学面端部の測定形状評価ができなくなるため、測定失敗となり再測定が必要となる。このような指定領域に対する測定領域の位置ずれは、例えば、単純に形状測定装置本体の制御コンピュータへ事前に設定する測定領域情報について、入力ミスをしたことにより発生する。また、光学素子内で光学面の面位置および姿勢を規定する基準面に対し、実際の光学面が設計形状として規定されている位置からずれた場所に形状創成されている場合もある。この場合には、逆に入力ミスすることなく設計形状に基づき測定領域を指定した結果、同様に測定領域の位置ずれが発生することになる。いずれの場合も、前記した測定形状評価ができなくなることから測定失敗として取り扱われる。
以上説明した各種原因による測定失敗は、従来技術による形状測定においては、測定途中、すなわち接触式あるいは非接触式のプローブによる形状測定において、プローブが被測定面上を倣い走査している間には確認が困難である。従って、プローブが測定経路の終点まで走査し面形状測定が終了した後に、測定形状解析を実施した結果はじめて確認できるという共通した特徴がある。
干渉計を用いた面形状測定などとは異なり、接触式あるいは非接触式のプローブを被測定面に対し倣い走査することで被測定面形状を測定する形状測定では、被測定物の大きさ、測定する座標点数などによって測定時間が増大する場合がある。例えば、被測定面となる光学面の大きさがφ200mmを越えるような被測定面形状を測定する場合には、プローブ走査速度および測定する座標点数によっては、1時間以上の測定時間を要することがある。このように長時間に及ぶ面形状測定を行う際に、前記した各種原因により測定失敗が起きた場合に、その測定失敗を確認できるのは、前記したとおり測定終了後に実施する測定形状解析が完了した段階である。長時間の測定終了後に測定が失敗していることが判明すると、その測定失敗の原因を見極めて条件を修正した上で、再度同じ時間をかけて測定をやり直さなければならない。
すなわち、従来技術による形状測定においては、被測定面上をプローブが倣い走査する面形状測定が終了するまで、測定失敗の判定を行うことができないことが原因となり、再測定まで含めた被測定物に対する面形状測定タクトを増大させてしまうおそれがあった。
本発明は上記従来の技術の有する未解決の課題に鑑みてなされたものであり、光学素子等の形状測定において、各種原因による測定失敗の処理を効率的に行い、測定タクトを大幅に短縮できる形状測定方法および形状測定装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の形状測定方法は、被測定物に対して接触式または非接触式のプローブを二次元的に倣い走査させて被測定面の形状を測定する形状測定方法において、少なくとも2段階の測定経路を設定し、第1段階の測定経路に従ってプローブを倣い走査させて被測定面の形状を測定する第1の測定工程と、第2段階の測定経路に従ってプローブを走査させて被測定面の形状を測定する第2の測定工程と、第1の測定工程において取得した測定データのデータ解析を行い、その結果をもとに第2の測定工程を続行するか強制終了するかを選択する工程と、を有することを特徴とする。
また、本発明の形状測定装置は、被測定物に対して接触式または非接触式のプローブを少なくとも2段階の測定経路に沿って二次元的に倣い走査させて被測定面の形状を測定する形状測定装置において、第2段階以後の測定経路に沿った前記プローブの走査中に、前段階の測定経路において得られた測定データに対してデータ解析を行い、前記被測定面の設計形状に対する形状誤差および前記被測定物のセッティング誤差を算出する第1の演算手段と、前記第1の演算手段によって算出した形状誤差およびセッティング誤差をもとに測定良否を判定する第2の演算手段と、を有し、前記第2の演算手段による判定結果をもとに測定工程を続行するか強制終了するかを選択することを特徴とする。
被測定面上を倣い走査させる接触式あるいは非接触式のプローブの走査経路について、プローブ走査開始点から走査終了点までの間を少なくとも2段階の測定経路に分けて設定する。各段階の測定経路に対するプローブ走査が完了した時点でそこまでに取得した測定データについてデータ解析を実施し、このデータ解析の結果に基づき測定良否を判定する。従って、全測定経路のプローブ走査を完了させることなく測定の成功/失敗を判定し、測定失敗の場合には即座に測定を停止し、測定条件を再調整した上で再測定を行うことができる。
全測定経路に対するプローブ走査が完了するまで測定失敗を確認できない場合と比較して、測定タクトを大幅に短縮できる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1ないし図3は実施例1を示すものである。図1の形状測定装置は、接触式のプローブ101を備え、プローブ101の先端には、球面形状のプローブ先端球102が設けられる。プローブ先端球102は、プローブ101に対し球を何らかの固定方法により配置した構造であってもよいし、接触式のプローブ101と一体構造になっていてもよい。
プローブ101は、被測定物103に対しプローブ先端球102を接触させながら、X、Y、Z軸方向に相対的に移動自在となるように支持されている。この支持構造は、X軸ステージ201、Y軸ステージ202、Z軸ステージ203を有し、Z軸ステージ203が、プローブ101を保持して移動させる移動ステージを構成する。各軸ステージ201、202、203は、それぞれ駆動用モータ204、205、206によって駆動され、被測定物103の形状測定においては、プローブ先端球102を被測定物103の被測定面104に接触させながら相対移動させる。このとき、プローブ先端球102の中心位置の移動軌跡が図示しない位置検出センサにより検出され、データサンプリング装置209に移動軌跡データが転送され、サンプリングされる。位置検出センサとしては、高精度な形状測定を実現するための位置検出方法として、レーザー測長器やリニアスケールエンコーダなどが用いられるが、これらの位置検出センサに限定するものではない。
各軸の駆動用モータ204、205、206に対し、XY軸制御装置207およびZ軸制御装置208から駆動制御信号に基づく電力供給がなされることで、駆動用モータ204、205、206がそれぞれ駆動される。XY軸制御装置207およびZ軸制御装置208は、制御/解析用コンピュータ210からの駆動制御信号に応じて動作する。装置本体制御コンピュータである制御/解析用コンピュータ210は、CPUなどを主体として構成される図示しないプロセッサと、同じく図示しないハードディスクドライブやその他の記憶手段とによって構成されるものである。この制御/解析用コンピュータ210は、後述するデータ解析を行う機能と、測定良否判定処理を行う測定良否判定演算手段211を備える形状測定プログラムがインストールされている。この、形状測定プログラムに従い、後述する測定シーケンスの制御が行われる。
ここで、形状測定時におけるZ軸ステージ203の駆動について詳細を説明する。図1の形状測定装置においてはプローブ101の被測定物103に対する接触力を検出する機能を備えており、検出した接触力の大きさに応じた接触力信号が出力され、Z軸制御装置208に取り込まれる。Z軸制御装置208には、DSPなどを主体として構成される図示しないプロセッサ、および同じく図示しないROMなどで構成される記憶手段が内蔵されており、前記接触力信号を常に一定に保つような制御を行うための制御プログラムがインストールされている。この制御プログラムに従い、Z軸制御装置208は接触力信号を一定値に維持するようなZ軸駆動電力を出力し、出力された駆動電力はZ軸駆動用モータ206に供給される。さらに、Z軸駆動用モータ206によってZ軸ステージ203が駆動され、プローブ101の被測定物103に対する接触力を一定に維持する。
つぎに、形状測定時におけるX、Y軸ステージ201、202の駆動について詳細を説明する。制御/解析用コンピュータ210は、形状測定時に実行される前記形状測定プログラムの命令に従い、XY軸制御装置207に対し駆動制御信号を送信する。XY軸制御装置207は制御/解析用コンピュータ210から受信した駆動制御信号に基づき、X、Y軸の駆動用モータ204、205に駆動電力を供給する。駆動電力に従い動作するX、Y軸の駆動用モータ204、205によってX軸ステージ201、およびY軸ステージ202が駆動され。これにより、プローブ101、詳しくはプローブ先端球102の中心位置が、被測定物103に対しX、Y軸方向に位置決め制御される。
以上説明したX、Y、Z軸ステージ201、202、203の駆動により、形状測定プログラムにより設定される測定経路に従い、被測定物103の被測定面上をプローブ101は走査する。プローブ走査中、プローブ先端球102の中心位置を検出する位置検出センサの出力信号は、データサンプリング装置209によって一定のサンプリング間隔で取り込まれる。取り込まれたデータはデータサンプリング装置209から制御/解析用コンピュータ210へ、形状測定プログラムが設定する測定条件に応じた適切なサンプリング間隔で逐次測定され、被測定面形状データがX、Y、Z座標点群データとして取得される。最終的には、プローブ走査終了後の形状解析処理を実施することで表面形状データ(測定データ)が得られる。
なお、接触式のプローブ101の代わりに非接触式のプローブを搭載していてもよい。接触式のプローブ101がプローブ先端球102を被測定物103に接触させながら、各軸方向に相対的に移動するのに対し、非接触式のプローブは、被測定物103に対し光波を照射しながら、X、Y、Z軸方向に相対的に移動する。また、接触式のプローブ101は被測定物103に対する接触力を一定に保つようにZ軸を駆動するのに対し、非接触式のプローブは被測定物との距離を検出する機能を備えており、同距離を一定に保つように制御しながらZ軸が駆動される点が異なる。その他の装置構成については、接触式のプローブを備える形状測定装置と同様である。
図2は、一変形例による形状測定装置を示す。この形状測定装置においては、図1の装置の制御/解析用コンピュータ210の代わりに、制御用コンピュータ310と、測定良否判定演算手段211がインストールされている解析用コンピュータ311が分離して接続されている。このように、装置本体制御コンピュータである制御用コンピュータ310と解析用コンピュータ311が別々に備えられている構成でも、両コンピュータは双方向に通信可能な形態で接続されていればよい。形状測定方法は、図1に示す形状測定装置を用いた場合と全く同様に実施される。なお、図2に示す形状測定装置においても、図1の装置と同様に、接触式のプローブ101の代わりに非接触式のプローブを搭載していてもよい。また、測定良否判定演算手段211は、解析用コンピュータ311ではなく制御用コンピュータ310にインストールされている装置構成であってもよい。
図3は、図1または図2の形状測定装置を用いて、光学素子あるいは光学素子成形用金型の光学面形状を測定する工程を示すフローチャートである。ステップS1において形状測定を開始し、ステップS2以後にて、図1の制御/解析用コンピュータ210、または図2の制御用コンピュータ310に測定条件として入力した測定経路情報に従い、被測定面上をプローブ101を倣い走査させて、形状測定を行う。
図1の(b)は、被測定物103の被測定面104上のプローブ走査経路を示すもので、同図においてX、Y軸は、図1の(a)に示した直交座標系のX軸およびY軸の方向と一致する。被測定面104上のプローブ走査経路は、実線で示す第1(段階)の測定経路105、一点鎖線で示す第2(段階)の測定経路106、破線で示す第3(段階)の測定経路107の3段階に分割される。第1の測定経路105は、第1の測定経路開始点105s、第1の測定経路終点105eを有する。同様に第2の測定経路106は、第2の測定経路開始点106sおよび第2の測定経路終点106e、第3の測定経路107は、第3の測定経路開始点107sおよび第3の測定経路終点107eを有する。被測定面104の面形状を測定する際に、プローブ101を第1の測定経路105、第2の測定経路106、第3の測定経路107の順に走査する。ここでのプローブ走査は各測定経路間で中断することなく連続的に走査する。従って、プローブ走査開始点は第1の測定経路105の測定経路開始点105sであり、プローブ走査終了点は第3の測定経路107の測定経路終点107eとなる。
このように、被測定面に対してプローブを倣い走査させて測定する形状測定方法において、従来は図7に示すようにプローブ走査開始点から走査終了点までの経路で設定していたのに対し、実施例1による形状測定方法においては、3段階の測定経路に分割する。
ステップS2では、第1の測定経路情報に従い、被測定面104に対してプローブ101を倣い走査させて被測定面形状を測定する。すなわち、第1の測定経路開始点105sから第1の測定経路終点105eまでプローブ101を走査して被測定面形状を測定する。
ステップS2終了後、プローブ101は第1の測定経路終点105eから第2の測定経路106の測定経路開始点106sまで、動作を中断することなく移動する。ステップS3で、上記と同様に、図1の制御/解析用コンピュータ210、または図2の制御用コンピュータ310に測定条件として入力した第2の測定経路情報に従い、被測定面104上をプローブ101を倣い走査させて、被測定面形状を測定する。
ステップS2終了後、ステップS3と同時にステップS4で第1の測定経路105の測定データに対する測定形状解析(データ解析)を実施する。ここで行われる測定形状解析は、一般的にカーブフィッティング計算などと呼ばれている計算処理である。例えば最小二乗法などのアルゴリズムを適用し、被測定面104の設計形状に対する測定形状の形状誤差が最小となるような推定計算を行う。この推定計算を実施することで、被測定物103の形状測定装置に対するセッティング誤差(取り付け誤差)および被測定面104の測定形状についてセッティング誤差を除去した状態での設計形状に対する形状誤差が求められる。一般的に高精度な形状精度が要求される光学素子や光学素子成形用金型においては、前記形状誤差がnmオーダーで算出される。
この測定形状解析は、図1の制御/解析用コンピュータ210あるいは図2の解析用コンピュータ311にインストールされている、第1の演算手段である形状解析手段(形状解析用コンピュータプログラム)により行われる。
実施例1による形状測定装置は、ステップS2、ステップS3で実行中の被測定面形状測定を制御している形状測定プログラムから、ステップS2完了後に前記形状解析手段へプログラム実行命令が渡され、自動的に測定解析が実施される機能を有する。また、ステップS2完了後、図1の制御/解析用コンピュータ210、または図2の制御用コンピュータ310および解析用コンピュータ311に接続されたディスプレイ装置(表示手段)にステップS2の測定が完了したことを画面出力する機能を設けてもよい。この場合は、測定オペレータが同出力結果を確認後、ステップS4の測定形状解析を実行する。
ステップS4終了後、ステップS4の測定形状解析結果に基づいた測定良否判定処理が行われる(ステップS5)。測定良否判定処理は、具体的には図1および図2に示す測定良否判定処理演算手段(測定成功/失敗自動判定コンピュータプログラム)211により行われる。ここで行われる演算処理の詳細は、つぎのとおりである。
前述した測定失敗を引き起こす各種原因のうち、ステップS5において定量的な評価に基づいた測定成功/失敗の判定が可能なものとして、被測定面104上に付着したゴミによる測定失敗が挙げられる。また、接触式のプローブを備えた形状測定装置におけるプローブ先端球102の表面に付着したゴミが原因となり引き起こされる測定失敗と、セッティング誤差に起因した測定領域誤差に関する測定失敗と、が挙げられる。
被測定面104の設計形状に対する形状誤差については、そのPV値(被測定面内における形状誤差の最大値から最小値を差し引いた値)が数nmから数100nmに収まっていることが予想されるケースがある。このような場合、ゴミによる測定失敗の判定条件として例えば1μmという値を閾値とし、これを、測定開始前に測定良否判定演算手段211に設定しておく。ステップS5で、ステップS4終了後に算出される形状誤差からPV値を測定良否判定演算手段211によって計算し、算出したPV値が設定した閾値(ここでは1μm)を越えた場合には、ステップS2で行われた測定は失敗であると自動的に判定する。
測定領域誤差については、ステップS4の測定形状解析において算出されるセッティング誤差から、即座に判定可能である。すなわち、測定領域を決定する最外周の測定点群は、算出されたセッティング誤差に基づき座標変換されるため、測定条件として指定した測定領域からセッティング誤差分だけずれた領域が、被測定面104に対し実際に測定が行われた測定領域として算出される。これより、例えば図1の(b)において、XY座標系に対する測定領域の許容誤差について、指定領域に対し±10μm以内という値を閾値として、測定開始前に測定良否判定演算手段211に設定しておく。ステップS5において、ステップS4終了後に算出されるセッティング誤差のX軸あるいはY軸方向平行移動成分が同許容範囲を超える値となった場合、必然的にセッティング誤差補正後の測定領域は前記許容誤差内に収まらない。従って、ステップS2で行われた被測定面形状測定は失敗であると自動的に判定する。
なお、これまではステップS4で算出されるセッティング誤差の影響で実際の測定領域がずれることを説明したが、仮にセッティング誤差が全くない状態で被測定面形状の測定ができた場合を想定する。このとき算出されるセッティング誤差は、被測定物103である光学素子等の被測定面104となる光学面の位置および姿勢を規定する基準面に対し、実際の光学面がどれだけずれた位置および姿勢に形状創成されているかを表わす。
一方、実際にはセッティング誤差は必ず存在する。すなわち、ステップS4で求められるセッティング誤差の中には、被測定物内の基準面に対する被測定面104の位置および姿勢誤差と、形状測定装置に対するセッティング誤差、多くの場合は測定治具に対する被測定物103の取り付け誤差が混在する。しかしながら、ここで解決しようとしている課題は、被測定面104である光学面の測定領域が指定領域に対し位置ずれし、その結果光学面端部の測定形状評価ができなくなることである。従って、実際のセッティング誤差と基準面に対する光学面の位置および姿勢誤差が合わさった結果発生する測定領域の位置ずれを把握していればよいから、ステップS4で算出されるセッティング誤差に基づく測定領域の判定処理は、適切かつ十分な処理である。
以上がステップS5において実施される測定良否判定演算処理の詳細である。前述のとおり、ここで解決しようとしている課題は、被測定面形状の測定失敗を短時間で明らかにし、再測定まで含めた被測定物103の面形状測定タクトの短縮を図ることである。
測定失敗を引き起こす原因によっては、図1および図2に示した測定良否判定演算手段211では判定が困難なものがある。このように、定量的な評価に基づいた測定成功/失敗の判定が難しい場合の測定失敗の原因として、被測定物103の不安定性と、被測定物103の周辺環境の不安定性と、測定領域設定ミスとが挙げられる。以下に、これらのケースにおける測定良否判定処理の具体的な方法を説明する。
ステップS4で算出するセッティング誤差補正計算後の被測定面形状(設計形状に対する形状誤差)を、制御/解析用コンピュータ210、あるいは制御用コンピュータ310および解析用コンピュータ311に接続されたディスプレイ装置に画面出力する。同時に、測定良否判定演算手段211の計算結果を画面出力する。
形状測定装置に対する被測定物103の取り付け安定性、すなわち測定中に被測定物103が測定治具内で動いたかどうかの判定は、ステップS5においては定量的判定が困難である。そこで、測定オペレータは前記ディスプレイ画面に出力されたステップS4の解析結果である被測定面形状を参照し、被測定物103が測定治具内を動いたかどうかを判定する。なお、被測定物103の取り付け安定性に関する定量的な評価は、後述するステップS11の測定良否判定処理では可能となる。
同様に、被測定物103の保持変形の発生有無についても、定量的な評価は難しい。このため、測定オペレータは前記ディスプレイ画面に出力された被測定面形状を参照することで、保持変形が原因で測定が失敗していないかを判定する。
また、測定環境の不安定性として挙げられる被測定物周辺の温度変化が原因で発生する被測定面形状の熱変形は、被測定物103の形状、材質、および周辺の温度変化量などによってその影響度が異なり、やはり定量的な判定処理は困難である。従って、被測定物周辺の温度変化による測定失敗の判定は、同様にディスプレイ画面に出力された被測定面形状をもとに測定オペレータが判定する。
なお、前述のように、被測定面104上あるいは接触式のプローブ先端球102の表面に付着したゴミが原因となり引き起こされる測定失敗について、図1および図2に示す測定良否判定演算手段211により判定可能である。しかし、被測定面の設計形状に対する形状誤差がμmオーダーの被測定物については、単純に形状誤差のPV値で判定する場合、ゴミによる異常形状が被測定面形状誤差に埋もれてしまい、判定できなくなる。このような被測定物については、定量的な判定処理が困難な前記各種測定失敗と同様、測定オペレータがディスプレイ画面に出力された被測定面形状を参照して測定成功/失敗を判定する。
このように、ディスプレイ装置に画面出力された、測定良否判定演算手段211による測定良否判定結果と、ステップS4で算出されるセッティング誤差補正後の被測定面形状(設計形状に対する形状誤差)をもとに、測定オペレータが測定成功/失敗を判定する。このとき、測定オペレータは判定結果に基づき、ステップS3の被測定面形状測定を制御中の形状測定プログラムに対し、測定を続行するか、終了させるかについて形状測定プログラムを実行中のコンピュータに対し情報入力する。入力された測定良否判定結果に従い、測定失敗の場合にはステップS6においてyesのフローに進み、ステップS7にて測定は異常終了(強制終了)する。一方、測定成功と判定した場合にはステップS6においてnoのフローに進み、その時点で第2の測定経路106に対する測定工程が続行される(ステップS8)。
なお、図1および図2に示す測定良否判定演算手段211による演算結果のみに従い、ステップS6におけるフロー制御が行われる形状測定方法であってもよい。この場合、測定良否判定演算手段211の演算結果、すなわちステップS2に示す被測定面形状測定の成功/失敗判定情報(信号)が、ステップS3の被測定面形状測定を制御中の形状測定プログラムに自動的に入力される。ステップS6において、同プログラムは入力された測定良否判定情報に従い、測定失敗の場合にはyesのフローに進みステップS7にて測定を異常終了させる。逆に測定良否判定演算手段211から入力された演算結果が測定成功を表す情報であった場合、ステップS6においてnoのフローに進み、ステップS8にて第2の測定経路106に沿ったプローブ走査による形状測定が続行される。
実施例1では、測定良否判定演算手段211が演算可能な測定失敗の対象として、被測定面上に付着したゴミやプローブ先端球102に付着したゴミが原因で引き起こされる測定失敗と、セッティング誤差に起因した測定領域誤差に関する測定失敗に限定している。その他の原因による測定失敗については演算対象から除外した。しかしながら、測定失敗の対象を特に限定する必要はない。一般的に定量的な評価に基づいた測定成功/失敗の判定が困難でも、定量的な測定良否判定が可能になった場合には、即座にその判定条件を測定良否判定演算手段211に追加することができる。これによって、測定オペレータの判断を必要としない測定良否判定演算手段211の計算結果に従った自動判定処理を実施する形態となる。
ここで、ステップS5においてステップS2の被測定面形状測定が失敗と判定され、ステップS7において測定が異常終了した場合を考える。従来例では、被測定面上の全ての測定経路をプローブが走査した後に、はじめて本実施例のステップS4およびステップS5で行う測定形状解析結果に基づいた測定良否を判定することができた。このように、従来技術では全ての測定経路を走査完了後に判定可能であった測定良否判定が、本実施例では第1の測定経路105のみを走査し終えた時点で判定可能である。従って、測定失敗の場合には残りの第2および第3の測定経路106、107に対する被測定面形状測定を行わずに測定を停止させられる。測定停止後は、測定が失敗した原因について条件を改めて再測定を実施する。
効率的に測定失敗に対し条件を改めて再測定をするというループを繰り返すことで、指定した全ての測定経路に対する被測定面形状測定が短時間で成功し、全工程が完了することになる。その結果、最終的に測定工程が完了するまでの総時間(測定タクト)が、従来技術と比較して大幅に短縮される。
ステップS8において測定中の、第2の測定経路106に沿ったプローブ走査による被測定面形状測定において、第2の測定経路終点106eまでプローブを走査すると、ステップS3およびステップS8における被測定面形状測定は終了する。その後、プローブ101は第2の測定経路終点106eから第3の測定経路開始点107sまで、動作を中断することなく移動する。移動完了後、図1の制御/解析用コンピュータ210、または図2の制御用コンピュータ310に測定条件として入力した第3の測定経路情報に従い、被測定面104上にプローブ101を倣い走査させて、被測定面形状を測定する(ステップS9)。
また、ステップS8終了後、ステップS9と同時にステップS10で第2の測定経路106の測定データに対する測定形状解析を実施する。ここで行われる測定形状解析は、ステップS4で第1の測定経路105の測定データに対し行う計算処理(カーブフィッティング計算)と同様である。ステップS10では、ステップS2で取得した第1の測定経路105に対する測定データと、ステップS3およびステップS8で得られた第2の測定経路106に対する測定データとを合わせた座標点群データについても、測定形状解析を同様に実施してもよい。ステップS10終了後には、第1の測定経路105上の測定データを対象とした測定形状解析結果と、第2の測定経路106上の測定データを対象とした測定形状解析結果と、測定経路105、106上の測定データを対象とした測定形状解析結果と、が得られる。
なお、ステップS10の具体的な開始方法については、ステップS4の開始方法と同様で、ステップS9を実行中の形状測定プログラムから、ステップS8完了後に前記測定形状解析手段へプログラム実行命令が自動的に渡されて計算を開始する。あるいは、前述のディスプレイ装置に、ステップS8の完了を画面に出力する機能を備えておき、測定オペレータが同出力結果を確認後、ステップS10の測定形状解析を実行する。実施例1の形状測定装置はいずれの機能についても備えており、上記のいずれの方法によってステップS10を開始してもよい。
ステップS10終了後、この段階で得られている全ての測定形状解析結果に基づいた測定良否判定処理が行われる(ステップS11)。具体的に実施する測定良否判定処理は、ステップS5について説明した処理方法と概ね同様である。異なる点は、測定良否判定演算手段211による測定良否自動判定処理において用いられる測定形状解析結果が、ステップS10で得られる第2の測定経路終点106eまでの測定済み全データを対象とした測定形状解析結果である点である。さらに、ステップS5では定量的な評価が困難であった被測定物103の取り付け安定性に関する判定について、ステップS11では演算可能である点がステップS5とは異なる。以下に、測定中に被測定物103が形状測定装置に対し動いたかどうかの判定処理について、具体的な演算処理方法を説明する。
形状測定装置に対する被測定物103の取り付け状態が安定しているとき、被測定物103の形状測定装置に対する取り付け位置、すなわちセッティング誤差は変化しない。つまり、ステップS4の測定形状解析から求められたセッティング誤差と、ステップS10で算出したセッティング誤差は概略一致することになる。この原理を用いて、ステップS8が完了するまでの被測定面形状測定において、被測定物が測定治具内で動いたかどうかを判定可能である。例えば、測定失敗判定条件として1μmという値を閾値にし、測定開始前に測定良否判定演算手段211に設定しておく。ステップS4で求められたセッティング誤差のX、Y、Z軸方向各平行移動成分と、ステップS10で算出する第2の測定経路106上の測定データを対象としたセッティング誤差のX、Y、Z軸方向各平行移動成分を比較する。その差が1μmという設定した閾値を越えた場合には、測定中に被測定物103は形状測定装置に対し動いているため測定失敗であるという判定結果を出力する。同様に、ステップS4で得られるセッティング誤差と、ステップS10で得られる第1および第2の測定経路105、106上の測定データを対象としたセッティング誤差を比較することで、自動判定する機能も備えていてもよい。上記のどちらかの機能、あるいは両方の機能をもとに判定することで、演算処理によって被測定物103の取り付け不安定性が引き起こす測定失敗を自動判定することができる。
ステップS11における測定成功/失敗の判定結果に基づき、測定失敗の場合にはステップS12においてyesのフローに進みステップS13にて測定を異常終了させる。一方、測定成功の場合には、ステップS12においてnoのフローに進み、ステップS14にて第3の測定経路107に沿ったプローブ走査による形状測定が続行される。ステップS11からステップS12までの分岐処理詳細については、前記したステップS5からステップS6にかけてのそれと同様である。
測定失敗と判定されてステップS13にて測定が異常終了した場合を想定すると、第3の測定経路107上のプローブ走査を完了する前に測定失敗であることを判定できているため、従来技術と比較して大幅に測定タクトを短縮できる。
ステップS14において、測定経路107に沿ったプローブ走査による被測定面形状測定において、第3の測定経路開始点107sから第3の測定経路終点107eまでプローブを走査すると、ステップS15に進み、被測定面104の面形状測定は終了する。
なお、図1の(b)に示すラスタ走査によるプローブ走査経路、すなわち第1の測定経路開始点105sから第3の測定経路終点107eまでの測定経路はあくまでも一例であり、測定ライン数などは図示した本数に限定するものではない。またプローブ走査方向についても、図中のY軸方向に限定するものではなく、例えばX軸方向を主走査方向とする測定経路であってもよい。
図4は、実施例2によるプローブ走査経路を示す。これは、実施例1によるラスタ走査の代わりに、被測定面104の中心部を通るように放射線状にプローブ101を走査させる。この場合のプローブ走査経路についても、実施例1と同様に、第1(段階)の測定経路405、第2(段階)の測定経路406、第3(段階)の測定経路407を設定する。そして、第1の測定経路開始点405s、第1の測定経路終点405e、第2の測定経路開始点406s、第2の測定経路終点406e、第3の測定経路開始点407s、第3の測定経路終点407eの順にプローブ走査を行って被測定面形状を測定する。
図5は、実施例3によるプローブ走査経路を示す。これは、被測定面104の測定領域に対し同心円状にプローブ101を走査させる。この場合についても、実施例1、2と同様に、第1(段階)の測定経路505、第2(段階)の測定経路506、第3(段階)の測定経路507を設定する。そして、第1の測定経路開始点505s、第1の測定経路終点505e、第2の測定経路開始点506s、第2の測定経路終点506e、第3の測定経路開始点507s、第3の測定経路終点507eの順にプローブ走査し、被測定面形状を測定する。
上記実施例では、プローブ走査経路を第1の測定経路から第3の測定経路まで3段階に分割して処理したが、プローブの測定経路を3段階に限定するものではない。少なくとも2段階以上に分割すれば、従来の技術と比較して測定の総時間が短縮される。
また、プローブ走査パターンについても、上記のラスタ走査、放射線状および同心円状の走査に限定するものではなく、いかなるプローブ走査パターンであってもよい。このとき、プローブ走査経路を少なくとも2段階に分割し、図3による測定フローによる被測定面形状測定を実施する。同じプローブ走査パターンについて従来例によって被測定面形状を測定する場合に比べて、測定タクトを大幅に短縮できる。
実施例1を示すもので、(a)は形状測定装置の構成を示す模式図、(b)はプローブ走査経路を示す平面図である。 一変形例による形状測定装置を示す模式図である。 実施例1による形状測定方法を示すフローチャートである。 実施例2によるプローブ走査経路を示す平面図である。 実施例3によるプローブ走査経路を示す平面図である。 従来例による形状測定方法を示すフローチャートである。 従来例によるプローブ走査経路を示す平面図である。
符号の説明
101 プローブ
102 プローブ先端球
103 被測定物
104 被測定面
105、405、505 第1の測定経路
105s、405s、505s 第1の測定経路開始点
105e、405e、505e 第1の測定経路終点
106、406、506 第2の測定経路
106s、406s、506s 第2の測定経路開始点
106e、406e、506e 第2の測定経路終点
107、407、507 第3の測定経路
107s、407s、507s 第3の測定経路開始点
107e、407e、507e 第3の測定経路終点
201 X軸ステージ
202 Y軸ステージ
203 Z軸ステージ
209 データサンプリング装置
210 制御/解析用コンピュータ
211 測定良否判定演算手段
310 制御用コンピュータ
311 解析用コンピュータ

Claims (8)

  1. 被測定物に対して接触式または非接触式のプローブを二次元的に倣い走査させて被測定面の形状を測定する形状測定方法において、
    少なくとも2段階の測定経路を設定し、第1段階の測定経路に従ってプローブを倣い走査させて被測定面の形状を測定する第1の測定工程と、
    第2段階の測定経路に従ってプローブを走査させて被測定面の形状を測定する第2の測定工程と、
    第1の測定工程において取得した測定データのデータ解析を行い、その結果をもとに第2の測定工程を続行するか強制終了するかを選択する工程と、を有することを特徴とする形状測定方法。
  2. 3段階以上の測定経路を設定し、第3段階以後の各段階の測定経路に従って被測定面の形状を測定する測定工程と、
    前段階の測定経路によって取得した測定データについてデータ解析を行い、その結果をもとに測定工程を続行するか強制終了するかを選択する工程と、を有することを特徴とする請求項1記載の形状測定方法。
  3. 複数の前段階の測定経路によって取得した測定データについて行ったデータ解析結果を互いに比較する工程を有することを特徴とする請求項2記載の形状測定方法。
  4. 被測定物に対して接触式または非接触式のプローブを少なくとも2段階の測定経路に沿って二次元的に倣い走査させて被測定面の形状を測定する形状測定装置において、
    第2段階以後の測定経路に沿った前記プローブの走査中に、前段階の測定経路において得られた測定データに対してデータ解析を行い、前記被測定面の設計形状に対する形状誤差および前記被測定物のセッティング誤差を算出する第1の演算手段と、
    前記第1の演算手段によって算出した形状誤差およびセッティング誤差をもとに測定良否を判定する第2の演算手段と、を有し、
    前記第2の演算手段による判定結果をもとに測定工程を続行するか強制終了するかを選択することを特徴とする形状測定装置。
  5. 前記第1および前記第2の演算手段が、装置本体制御コンピュータにインストールされていることを特徴とする請求項4記載の形状測定装置。
  6. 前記第1および前記第2の演算手段が、装置本体制御コンピュータと双方向に通信可能な状態で接続された解析用コンピュータにインストールされていることを特徴とする請求項4記載の形状測定装置。
  7. 前記第2の演算手段による判定結果を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項4ないし6いずれか1項記載の形状測定装置。
  8. 装置本体制御コンピュータが、前記第2の演算手段による判定結果をもとに測定工程を強制終了させる機能を有することを特徴とする請求項4ないし7いずれか1項記載の形状測定装置。
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