JP2002250620A - 3次元表面形状測定装置および3次元表面形状測定方法 - Google Patents

3次元表面形状測定装置および3次元表面形状測定方法

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JP2002250620A
JP2002250620A JP2001050425A JP2001050425A JP2002250620A JP 2002250620 A JP2002250620 A JP 2002250620A JP 2001050425 A JP2001050425 A JP 2001050425A JP 2001050425 A JP2001050425 A JP 2001050425A JP 2002250620 A JP2002250620 A JP 2002250620A
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points
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displacement
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Kazuhisa Yanagi
柳  和久
Atsushi Shimamoto
篤 嶋本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 測定中の経時変位を検出して測定精度を向上
できる3次元表面形状測定装置および3次元表面形状測
定方法を提供する。 【解決手段】 測定対象物の表面上の測定点からの距離
を検出する測定点変位計と測定対象物とを相対的に移動
させることにより、測定対象物の表面を相対的に走査し
て、その走査軌跡上の測定点からの距離の変化を測定点
変位計により検出することによって、測定対象物の表面
形状を測定する3次元表面形状測定において、M個(M
は2以上の整数)の概略測定点を設定して概略測定とし
て行い、M個を含むN個(NはM<Nとなる整数)の詳
細測定点を設定して詳細測定を行い、M個のうちの第m
概略測定点(mは1≦m≦Mとなる整数)とN個のうち
の第n詳細測定点(nは1≦n≦Nとなる整数)が同一
点のときに、それらの点での測定値の差分を、第n詳細
測定点の経時変位として決定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3次元表面形状測
定装置および3次元表面形状測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば3次元表面形状測定装置におい
て、測定対象物の表面の凹凸(形状)を測定する場合、
その測定対象物を例えば水平に固定された固定テーブル
上に置いて、表面の凹凸(形状)を検出するセンサ(表
面形状検出センサ)を走査させるか、逆に、表面形状検
出センサを所定位置に固定しておいて、その検出(測
定)位置に測定対象物の測定点を臨ませるように、例え
ば水平運動可能な運動テーブル上に測定対象物を置いて
運動させる。すなわち、いずれの方法においても測定対
象物と表面形状検出センサとを相対的に移動(走査)さ
せて測定する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種の3次
元表面形状測定装置では、測定対象物の表面上に走査軌
跡を定め、その走査軌跡上に必要に応じた測定点(サン
プリング点)を定め、所定の走査速度を定めて、それら
に従って走査して測定する。しかし、可能な限り走査速
度を高く(早く)しても、測定時間中には熱(熱変形)
等による誤差(測定中の経時変位)が生じ、このこと
が、測定精度向上の障害となっていた。
【0004】そこで、本発明は、測定中の経時変位を検
出して測定精度を向上できる3次元表面形状測定装置お
よび3次元表面形状測定方法を提供することを目的とす
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1の3次
元表面形状測定装置は、測定対象物の表面上の測定点か
らの距離を検出する測定点変位計と前記測定対象物とを
相対的に移動させることにより、前記測定対象物の表面
を相対的に走査して、その走査軌跡上の測定点からの距
離の変化を前記測定点変位計により検出することによっ
て、前記測定対象物の表面形状を測定する3次元表面形
状測定装置であって、M個(Mは2以上の整数)の測定
点を概略測定点として設定する概略測定点設定手段と、
前記M個の概略測定点における測定を概略測定として行
う概略測定手段と、前記M個を含むN個(NはM<Nと
なる整数)の測定点を詳細測定点として設定する詳細測
定点設定手段と、前記概略測定の後、前記N個の詳細測
定点における測定を詳細測定として行う詳細測定手段
と、前記M個の概略測定点のうちのm番目(mは1≦m
≦Mとなる整数)である第m概略測定点と前記N個の詳
細測定点のうちのn番目(nは1≦n≦Nとなる整数)
である第n詳細測定点とが同一点であるときに、前記第
m概略測定点における測定値と前記第n詳細測定点にお
ける測定値との差分を、前記第n詳細測定点の経時変位
として決定する経時変位決定手段と、を備えたことを特
徴とする。
【0006】また、請求項10の3次元表面形状測定方
法は、測定対象物の表面上の測定点からの距離を検出す
る測定点変位計と前記測定対象物とを相対的に移動させ
ることにより、前記測定対象物の表面を相対的に走査し
て、その走査軌跡上の測定点からの距離の変化を前記測
定点変位計により検出することによって、前記測定対象
物の表面形状を測定する3次元表面形状測定方法であっ
て、M個(Mは2以上の整数)の測定点を概略測定点と
して設定する概略測定点設定工程と、前記M個の概略測
定点における測定を概略測定として行う概略測定工程
と、前記M個を含むN個(NはM<Nとなる整数)の測
定点を詳細測定点として設定する詳細測定点設定工程
と、前記概略測定の後、前記N個の詳細測定点における
測定を詳細測定として行う詳細測定工程と、前記M個の
概略測定点のうちのm番目(mは1≦m≦Mとなる整
数)である第m概略測定点と前記N個の詳細測定点のう
ちのn番目(nは1≦n≦Nとなる整数)である第n詳
細測定点とが同一点であるときに、前記第m概略測定点
における測定値と前記第n詳細測定点における測定値と
の差分を、前記第n詳細測定点の経時変位として決定す
る経時変位決定工程と、を備えたことを特徴とする。
【0007】これらの構成による3次元表面形状測定で
は、基本的に、測定点変位計と測定対象物とを相対的に
移動させ、測定対象物の表面を相対的に走査して、その
走査軌跡(上の測定点)からの距離の変化を測定点変位
計により検出し、これにより、測定対象物の表面形状を
測定する。具体的には、まず、M個(Mは2以上の整
数)の測定点を概略測定点として設定し、M個の概略測
定点における測定を概略測定として行う。ここでは、概
略測定なので、M個は、熱変形等の経時変化が少ない間
に測定が終了してしまう程度の数が好ましく、かつ、例
えば全体の四つ角と中心など、続く詳細測定において参
照しやすい点を設定することが好ましい。また、M個を
含むN個(NはM<Nとなる整数)の測定点を詳細測定
点として設定する。この詳細測定点の設定のタイミング
は、詳細測定前であれば、概略測定の前であっても後で
あっても良い。そして、概略測定の後、N個の詳細測定
点における測定を詳細測定として行う。この場合、N個
の詳細測定点のうちのM個は、M個の概略測定点と同一
点となる。このため、第m概略測定点(mは1≦m≦M
となる整数)と、第n詳細測定点(nは1≦n≦Nとな
る整数)とが、同一点であるときに、それら測定値の差
分を、第n詳細測定点の経時変位として決定する。すな
わち、N個の詳細測定点のうちのM個については、熱変
形等の経時変化が少ない間に終了する概略測定の測定値
に基づいて、測定値の差分を経時変位として決定(検
出)して補正ができるので、測定精度を向上できる。
【0008】また、請求項1の3次元表面形状測定装置
において、前記M個の概略測定点と同一点であるM個を
除くN−M個の各詳細測定点は、前記M個の概略測定点
のいずれか2個の間を補完する測定点となるように設定
されることが好ましい。
【0009】また、請求項10の3次元表面形状測定方
法において、前記M個の概略測定点と同一点であるM個
を除くN−M個の各詳細測定点は、前記M個の概略測定
点のいずれか2個の間を補完する測定点となるように設
定されることが好ましい。
【0010】これらの構成による3次元表面形状測定で
は、M個の概略測定点と同一点であるM個を除くN−M
個の各詳細測定点は、M個の概略測定点のいずれか2個
の間を補完する測定点となるように設定される。このた
め、詳細測定では、概略測定時に測定しなかった(測定
できなかった)中間点を測定するなど、詳細な測定がで
き(測定の補完ができ)、形状測定としての測定精度を
向上できる。また、2個の(詳細測定点も兼ねる)概略
測定点における測定値の(概略測定時と詳細測定時と
の)差分をそれらにおける経時変位とすれば、その2点
における経時変位に基づいて、2個の概略測定点の間を
補完する補完測定点の経時変位を決定(推定)できる。
このため、N−M個の各詳細測定点における測定結果に
ついても、経時変位に対する補正が可能となり、測定精
度を向上できる。
【0011】また、請求項1または2の3次元表面形状
測定装置において、前記M個の概略測定点と同一点であ
るM個の詳細測定点におけるM個の経時変位を、前記M
個の詳細測定点に対応づけて記憶する経時変位記憶手段
と、前記M個の経時変位に基づいて、前記N個の詳細測
定点における測定値を補正する詳細測定経時変位補正手
段と、をさらに備えたことが好ましい。
【0012】また、請求項10または11の3次元表面
形状測定方法において、前記M個の概略測定点と同一点
であるM個の詳細測定点におけるM個の経時変位を、前
記M個の詳細測定点に対応づけて記憶する経時変位記憶
工程と、前記M個の経時変位に基づいて、前記N個の詳
細測定点における測定値を補正する詳細測定経時変位補
正工程と、をさらに備えたことが好ましい。
【0013】これらの構成による3次元表面形状測定で
は、M個の概略測定点と同一点であるM個の詳細測定点
におけるM個の経時変位を、M個の詳細測定点に対応づ
けて記憶し、M個の経時変位に基づいて、N個の詳細測
定点における測定値を補正する。この場合、M個の詳細
測定点に対応づけて記憶するので、経時変位を決定(検
出)して記憶後であれば、任意の時点で経時変位を利用
でき、これにより、N個の詳細測定点における測定値を
補正できるので、測定精度の向上がさらに容易になる。
【0014】また、請求項3の3次元表面形状測定装置
において、前記詳細測定経時変位補正手段は、任意の2
個の概略測定点を結ぶ直線上に位置する詳細測定点にお
ける経時変位を、前記2個の概略測定点と同一点となる
詳細測定点に対応する経時変位に基づいて、補完経時変
位として決定する補完経時変位決定手段を有することが
好ましい。
【0015】この3次元表面形状測定装置では、任意の
2個の概略測定点を結ぶ直線上に位置する詳細測定点に
おける経時変位を、2個の概略測定点における経時変位
に基づいて、すなわち2個の概略測定点と同一点となる
詳細測定点に対応する経時変位に基づいて、補完経時変
位として決定する。この場合の詳細測定点は、2点を結
ぶ直線上に位置するので、その経時変位を、例えば直線
近似等により求められ、これにより、その詳細測定点に
おける測定結果(測定値)を線形補正するなど、測定値
の補正が容易になり、測定精度の向上がさらに容易にな
る。
【0016】また、請求項4の3次元表面形状測定装置
において、前記補完経時変位決定手段では、前記M個の
概略測定点と同一点であるM個を除くN−M個の各詳細
測定点に対応するN−M個の補完経時変位を決定するこ
とが好ましい。
【0017】この3次元表面形状測定装置では、M個の
概略測定点と同一点であるM個を除くN−M個の各詳細
測定点に対応するN−M個の補完経時変位を決定する。
この場合、M個の概略測定点と同一点であるM個につい
ては、概略測定時との差分をそのまま経時変位として決
定でき、それらに基づいて、残りのN−M個について
も、補完経時変位として経時変位を決定できるので、N
個の詳細測定点に対応する経時変位を容易に決定でき、
これにより、N個の詳細測定点における測定値を容易に
補正でき、測定精度の向上がさらに容易になる。
【0018】また、請求項5の3次元表面形状測定装置
において、前記詳細測定経時変位補正手段は、決定され
たN−M個の補完経時変位に基づいて、対応する前記N
−M個の各詳細測定点における測定値を補正する詳細測
定値補完補正手段をさらに有することが好ましい。
【0019】この3次元表面形状測定装置では、決定さ
れたN−M個の補完経時変位に基づいて、対応するN−
M個の各詳細測定点における測定値を補正するので、N
−M個の測定値を容易に補正できる。
【0020】また、請求項1ないし6のいずれかの3次
元表面形状測定装置において、前記詳細測定における走
査軌跡は、前記概略測定における走査軌跡と同一に定め
られることが好ましい。
【0021】この3次元表面形状測定装置では、詳細測
定における走査軌跡は、概略測定における走査軌跡と同
一に定められるので、詳細測定は、概略測定の測定結果
を同一の走査軌跡に従って補完する測定となる。このた
め、測定中の経時変位を検出しやすくなり、また、それ
らの経時変位による測定値の補正がしやすくなって、測
定精度を向上しやすくなる。
【0022】また、請求項1ないし7のいずれかの3次
元表面形状測定装置において、前記詳細測定における走
査軌跡は、前記M個の概略測定点と同一点であるM個を
除くN−M個の各詳細測定点における測定と、その周辺
に位置する前記M個に含まれる詳細測定点における測定
との、時間経過が短くなるように定められることが好ま
しい。
【0023】この3次元表面形状測定装置では、詳細測
定における走査軌跡は、M個の概略測定点と同一点であ
るM個を除くN−M個の各詳細測定点における測定と、
その周辺に位置するM個に含まれる詳細測定点における
測定との、時間経過が短くなるように定められる。すな
わち、N−M個の方の測定とM個の方の測定とは、時間
経過が長くならないように、交互に近い態様で行われ
る。この場合、M個の方の経時変位は、概略測定時の測
定値との差分により決定されるが、その点における詳細
測定との時間経過が短ければ、N−M個の方の経時変位
も、その周辺に位置するM個の方の経時変位と大差ない
と推定できるので、N−M個の方の経時変位の検出(決
定)の精度を向上でき、これにより、経時変位による測
定値の補正の精度を向上させ、全体として測定精度を向
上できる。
【0024】また、請求項1ないし8のいずれかの3次
元表面形状測定装置において、前記概略測定のときの前
記第m概略測定点における前記走査による運動変位を概
略測定運動変位として検出する概略測定運動変位検出手
段と、前記詳細測定のときの前記第n詳細測定点におけ
る前記走査による運動変位を詳細測定運動変位として検
出する詳細測定運動変位検出手段と、検出された前記概
略測定運動変位により、前記第m概略測定点における測
定値を補正する概略測定運動変位補正手段と、検出され
た前記詳細測定運動変位により、前記第n詳細測定点に
おける測定値を補正する詳細測定運動変位補正手段と、
をさらに備えたことが好ましい。
【0025】また、請求項10ないし12のいずれかの
3次元表面形状測定方法において、前記概略測定のとき
の前記第m概略測定点における前記走査による運動変位
を概略測定運動変位として検出する概略測定運動変位検
出工程と、前記詳細測定のときの前記第n詳細測定点に
おける前記走査による運動変位を詳細測定運動変位とし
て検出する詳細測定運動変位検出工程と、検出された前
記概略測定運動変位により、前記第m概略測定点におけ
る測定値を補正する概略測定運動変位補正工程と、検出
された前記詳細測定運動変位により、前記第n詳細測定
点における測定値を補正する詳細測定運動変位補正工程
と、をさらに備えたことが好ましい。
【0026】これらの構成による3次元表面形状測定で
は、概略測定のときの第m概略測定点における走査によ
る運動変位を概略測定運動変位として検出し、詳細測定
のときの第n詳細測定点における走査による運動変位を
詳細測定運動変位として検出し、検出された概略測定運
動変位により、第m概略測定点における測定値を補正
し、検出された詳細測定運動変位により、第n詳細測定
点における測定値を補正する。すなわち、概略測定にお
いても詳細測定においても、走査による運動変位を検出
し、それらによって測定値を補正するので、運動変位に
よる誤差(運動誤差)を補正でき、これにより、相対的
走査を行うための機構が比較的廉価で済み、かつ、その
比較的廉価な構成で、精度の高い測定結果を得ることが
できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態に係る
3次元表面形状測定方法およびその装置を適用した3次
元表面形状測定装置について、添付図面を参照しながら
詳細に説明する。この3次元表面形状測定装置は、表面
凸凹形状測定機とも呼ばれるものであり、測定対象物の
表面を走査してその表面の微細な凸凹を測定するもので
ある。
【0028】図1は、本発明の第1の実施形態に係る3
次元表面形状測定装置の全体構成を示すブロック図であ
る。図1に示すように、3次元表面形状測定装置1は、
操作部10、制御部20、測定部50を備え、外部に測
定結果等を印刷するためのプリンタやプロッタ等の印刷
装置(以下「プリンタ」で代表する)6、ハードディス
クや光磁気ディスク等の外部記憶装置(以下「ハードデ
ィスク」で代表する)7などを接続できるようになって
いる。
【0029】操作部10は、ユーザとのインタフェース
を行うためのブラウン管や液晶等のディスプレイ3、キ
ーボード4、および、マウスやディジタイザやタブレッ
ト等のポインティングディバイス(以下「マウス」で代
表する)5を備えている。キーボード4には、アルファ
ベットキー群、記号キー群、数字キー群、平仮名や片仮
名等の仮名キー群、および外字を呼び出して選択するた
めの外字キー群等として割り当てられた文字キー群の
他、各種の動作モードなどを指定するための機能キー群
などが配列され、機能キー群には、後述の測定開始キー
等として割り当てられた機能キーが含まれる。
【0030】ユーザは、ディスプレイ3の操作画面上
で、キーボード4やマウス5により、測定のための各種
指示やデータを入力したり、入力結果や処理結果をディ
スプレイ4の画面に表示して編集でき、測定結果を画面
表示で確認したり、プリンタ6に出力して印刷結果によ
り確認できる。また、この測定結果は、その印刷結果の
用紙として、あるいはデータとしてハードディスク7に
記憶することにより、保存できる。
【0031】測定部50は、表面形状変位センサPS
と、測定対象物(ターゲット)TGを水平運動させる運
動テーブル部60と、制御部20からの指令により運動
テーブル部60を駆動するモーションコントローラ51
(およびドライバ52、53)と、表面形状変位センサ
PSや運動変位センサDSからの(アナログ)信号をA
D変換して制御部20に出力するADコンバータ等を有
するAD変換ボード(以下、単に「ADコンバータ」)
55と、を備えている。この構成等については、さらに
詳細に後述する。
【0032】制御部20は、CPU210、ROM22
0、キャラクタジェネレータROM(CG−ROM)2
30、RAM240、測定部(検出系)コントローラ
(DTC)250、I/Oコントローラ(IOC)26
0、ハードディスクドライブ(HDD)270を備え、
互いに内部バス260により接続されている。また、こ
の制御部20には、電源部290が搭載されている。
【0033】この電源部290は、電源ユニット291
の他、外部から着脱可能なニッカド、アルカリ等の乾電
池、蓄電池などから成るバッテリ292と、ACアダプ
タ接続口293とを備え、電源ユニット291は、これ
らに接続されて電力の供給を受け、昇圧・降圧や安定化
の処理を行った後、3次元表面形状測定装置1の各部に
電力を供給する。
【0034】ROM220は、CPU210で処理する
制御プログラムを記憶する制御プログラム領域221の
他、後述のサンプリング点(測定点)や中継点あるいは
それらによる走査軌跡などのデータ(あるいはテーブ
ル)などを含む制御データを記憶する制御データ領域2
22を有している。
【0035】CG−ROM230は、3次元表面形状測
定装置1の入力・編集のために用意されている文字、記
号、図形等のフォントデータを記憶していて、文字等を
特定するコードデータが与えられたときに、対応するフ
ォントデータを出力する。
【0036】RAM240は、各種レジスタ群241の
他、測定部50から入力されるX、Y、Z方向の変位デ
ータを記憶する変位データ領域242、それらの補正に
使用する補正データを記憶する補正データ領域243、
補正処理その他の処理結果のデータを記憶する処理結果
データ領域244、各種バッファ領域245などの領域
を有している。このRAM240は、キーボード4の図
外の電源キーの操作により電源がオフにされても、記憶
したデータを保持しておくようにバックアップされてい
て、各種制御処理のための作業領域として使用される。
【0037】IOC260には、CPU210の機能を
補うとともに周辺回路等とのインタフェース信号を取り
扱うための回路が、ゲートアレイやカスタムLSIなど
により構成されて組み込まれている。例えば種々の計時
を行うタイマなどもIOC260内の機能として組み込
まれている。このため、IOC260は、ディスプレイ
3、キーボード4、マウス5、プリンタ6等と接続さ
れ、キーボード4やマウス5からの各種指示や入力デー
タなどをそのままあるいは加工して内部バス280に取
り込むとともに、CPU210と連動して、CPU21
0等から内部バス280に出力されたデータや制御信号
を、そのままあるいは加工してディスプレイ3やプリン
タ6に出力するなど、これらの周辺回路や周辺機器との
間の各種制御信号および各種データの入出力を制御す
る。
【0038】HDD24は、CPU210からの指令に
従い、ハードディスク7を制御・駆動して、ハードディ
スク7との間の各種制御信号および各種データの入出力
を制御する。
【0039】DTC250には、CPU21の機能を補
うとともに、測定部50の各部とのインタフェース信号
を取り扱うための回路が組み込まれ、測定部50の各部
を制御し、また、それらとの間の入出力を制御する。こ
のため、DTC250は、論理回路セルの他にアナログ
回路等を混在するディジタル/アナログ混在セルアレイ
LSIや、複数のベアチップを搭載したフリップチップ
方式等によるチップサイズのマルチチップモジュールな
どにより構成され、測定部50の各部と接続されて、C
PU210と連動してまたはその機能を補うことによ
り、それらを制御し、また、それらとの間の入出力を制
御する。
【0040】そして、CPU210は、上記の構成によ
り、ROM220内の制御プログラムに従い、制御デー
タを参照して、CG−ROM230からのフォントデー
タやRAM240内の各種データ等を処理し、IOC2
60を介して周辺回路等と各種指示や各種データの授受
を行うとともに、DTC250を介して測定部50の各
部を制御することにより、測定結果となるターゲットT
Gの表面形状を求めるなど、3次元表面形状測定装置1
全体を制御する。
【0041】なお、制御部20は、測定部50とのイン
タフェース(DTC250、モーションコントローラ5
1、ADコンバータ54等の構成(例えば標準仕様の拡
張ボードへ搭載するなど)を工夫することにより、その
他を、パソコンやワークステーション等と同様の構成に
することができるので、3次元表面形状測定装置1用の
専用(制御)機である必要はなく、他のシステムで利用
しているパソコン等と兼用しても良い。また、逆に3次
元表面形状測定装置1用に特化したプロセッサ(MP
U)等として用意しても良い。そこで、本実施形態で
は、図1に示す制御部20は、他のシステムと兼用する
制御部とし、その一部の機能を3次元表面形状測定装置
1の制御部CNの機能として兼用するものとする。
【0042】このため、図2では制御部CNを仮想線で
示し、全体を3次元表面形状測定装置1として、以下、
3次元表面形状測定装置1の測定部50について、詳細
に説明する。
【0043】図2に示すように、測定部50は、表面形
状変位センサPSと、運動テーブル部60と、制御部C
Nからの指令により運動テーブル部60を駆動するモー
ションコントローラ51と、モーションコントローラ5
1からの指令により運動テーブル部60内のそれぞれX
サーボモータ63およびYサーボモータ64を駆動する
ドライバ52およびドライバ53と、表面形状変位セン
サPSおよび運動変位センサDSからの出力信号をAD
変換して制御部20に報告するADコンバータ55とを
備えている。
【0044】表面形状変位センサPSや運動変位センサ
DSは、基本的にはレーザ光を光源とする差動型光ファ
イバ変位計(レーザ変位センサ)を有して構成されてい
る。表面形状変位センサPSと運動変位センサDSは、
それぞれの検出中心が基準法線Lに一致するように、対
向して設けられている。これらについては、さらに後述
する。
【0045】図2ないし図4に示すように、運動テーブ
ル部60は、運動テーブルTBと、サーボモータ67
(Xサーボモータ63およびYサーボモータ64)によ
り駆動されて運動テーブルTBを水平運動させるXステ
ージ61およびYステージ62と、を備えている。Xス
テージ61およびYステージ62は、ステージサイズ1
50mm×150mm程度のそれぞれ中抜きの形状に形
成されていて、それぞれレール長さ150mm程度のク
ロスローラガイド70によりガイドされ、サーボモータ
67により駆動されるボールネジ軸を介して運動(ステ
ージ移動)する。なお、この他、回転運動のためのθス
テージ68を備えている。θステージ68も中抜きの形
状に形成され、外輪外径200mm程度のクロスローラ
リング75によりガイドされ、同様にサーボモータによ
り駆動される。
【0046】また、Xステージ61の背面(下面)に
は、参照平板TCが設けられている。この参照平板TC
は、50mm×50mm程度で厚さ10mm程度の角形
平板であり、Xステージ61の背面4カ所にバネ71で
固定され、Xステージ61の基準面(上面)との平行度
を、4カ所のネジ72により調整されている。また、そ
の表面(下面:平滑面:後述の参照面)は、平面度1n
m/Area程度で、反射率を高くするためにAIコー
ティングされている。
【0047】運動テーブルTB(およびターゲットT
G)の表面形状変位センサPS(基準法線L)に対する
XY座標上の変位は、Xステージ61およびYステージ
62の相対移動量を示すXリニアスケール65およびY
リニアスケール66からの信号をモーションコントロー
ラ51が入力して、制御部CNに報告する。各リニアス
ケール65(および66)は、スケール長さ90mm程
度(公称読み取り長50mm程度)、絶対変位が測定可
能なもので、分解能0.1μm〜0.5μm程度であ
る。
【0048】また、表面形状変位センサPSは、ターゲ
ットTGの各測定点(サンプリング点)の高さデータ
(Z座標上の変位)を検出し、ファイバフォルダ69上
に載置された運動変位センサDSは、運動テーブルTB
(および参照平板TC)の水平運動(XY平面上の運
動)による高さデータ(垂直方向(Z軸方向)の運動変
位)を検出して、ADコンバータ55を介して、制御部
CNに報告する。
【0049】次に、本実施形態の3次元表面形状測定装
置1において採用している運動テーブル制御方法につい
て説明する。
【0050】まず、運動テーブルTBの水平方向運動誤
差(水平運動による垂直方向の運動変位)の検出原理に
ついて説明する。3次元表面形状測定装置1の運動テー
ブル部(運動テーブル制御装置)60では、図5に示す
ように、原理的に、運動テーブルTBの検出面TFが近
似的に仮想基準面(いわゆるXY平面の一つ)VF内で
運動するように、運動テーブルTBを運動させる。この
ため、この運動による誤差が全くなければ、運動テーブ
ルTBの検出面TFが仮想基準面VFから外れることは
ないが、ここでは近似的で良い(誤差があって少々外れ
ても良い)。
【0051】すなわち、運動テーブルTBを運動させる
一方で、仮想基準面VF内の所定の基準点VPに立てた
法線を基準法線Lとし、検出面TF内の任意の1点を検
出点TP0とし、その検出点TP0が運動テーブルTB
の運動により基準法線Lとの交点TVPになったときの
Z軸方向の基準点VPからの変位dを、その検出点TP
0の運動変位dとして検出する。このため、少なくとも
基準法線L上の一点となった検出点TP0のZ軸方向の
運動変位dを検出でき、これにより、仮想基準面VFに
対する運動誤差を補正できる。したがって、極端に高精
度の運動機構を必要としないので、運動テーブルTBの
運動機構が比較的廉価で済み、かつ、その構成による運
動誤差を容易に補正できる。
【0052】また、運動テーブルTBの実際の構成で
は、仮想基準面VFは水平面であり、このため、X軸お
よびY軸はその水平面に平行な(あるいは同一の)水平
面上の縦軸および横軸、Z軸は垂直軸となる。また、基
準法線LはZ軸方向の直線となる。運動テーブルTB
は、近似的に水平面内で運動するように制御され、任意
の検出点TP0が基準法線Lとの交点TVPになったと
きの垂直方向の基準点VPからの変位dを、その検出点
TP0の運動変位dとして検出する。このため、少なく
とも基準法線L上の一点となった検出点TP0(TV
P)の垂直方向の運動変位dを検出でき、これにより、
仮想基準面(水平面)VFに対する運動誤差を補正でき
る。
【0053】また、この場合、例えば図6に示すよう
に、運動テーブルTB上に検出点TP1〜TP16等を
定めて、各検出点TP1〜TP16が基準法線Lとの交
点TVPになったときに検出された運動変位dを、検出
点TP1〜TP16と対応づけて記憶することにより、
検出後であれば任意の時点で補正でき、運動誤差の補正
がさらに容易になる。
【0054】なお、上記の説明では、運動テーブルTB
の上面(検出面)の各検出点におけう運動変位を直接検
出するように説明したが、本実施形態における運動テー
ブルTBは、表裏2面が所定の厚みまたは間隔を有して
平行に構成されているため、表裏2面のうちの検出面T
Fでない方の面を参照面とすれば、任意の検出点TP0
の運動変位dは、その検出点TP0と同時に基準法線L
との交点となる参照面内の点を参照点とし、その参照点
の変位を検出することにより、間接的に検出できる。こ
の場合、表裏2面のうちの検出面TFでない方の面を参
照面とするので、検出面TF側を他の検出や測定(例え
ば表面形状測定)等に使用していても、運動変位dが検
出できる。
【0055】そして、上記の原理をさらに発展させて応
用したのが、本実施形態の運動テーブル部60の構成で
あり、運動テーブルTBの平行な表裏2面を利用する代
わりに、図3および図4等で前述のように、運動テーブ
ルTB(正確にはXステージ61)の背面(下面)に、
参照平板(参照板)TCが取り付けられている。
【0056】この参照平板TCは、運動テーブルTBの
検出面TFに平行な参照面(前述の平滑面:下面)を有
し、これにより、検出面TFと参照面とは平行な2面と
なるので、任意の検出点TP0の運動変位dは、その検
出点TP0と同時に基準法線Lとの交点となる参照面内
の点を参照点とし、その参照点の変位を検出することに
より検出できる。また、この場合、運動テーブルTBの
裏面(検出面TFでない方の面:下面)側に参照基板
(参照板)TCが取り付けられ、参照基板(参照板)T
Cの下面を参照面として有するので、運動テーブルTB
の検出面TF側を他の検出や測定(例えば表面形状測
定)等に使用していても、運動変位dが検出できる。
【0057】また、運動テーブル部60において、運動
テーブルTBの駆動機構(運動テーブル駆動手段)は、
運動テーブルTBをX軸方向に運動させるためのXステ
ージ61と、運動テーブルTBをY軸方向に運動させる
ためのYステージ62と、を有するので、仮想基準面T
Fで自在に運動させることができる。なお、Xステージ
61やYステージ62の練り等により運動誤差が生じて
も、運動変位センサ(検出点運動変位検出手段)DSに
よりそれを検出して補正しやすく構成されているので、
厳密な精度は必要なく、これにより、Xステージ61や
Yステージ62等も比較的廉価で構成できる。
【0058】次に、運動変位センサDSであるが、前述
のように、この運動変位センサDSは、熱膨張率の小さ
い材質(ノビナイト)から成るファイバフォルダ69上
に載置された光ファイバ変位計であり、いわゆる差動型
光ファイバ変位計である。
【0059】言い換えれば、運動変位センサDSは、参
照平板TCの参照面の位置を非接触で検出可能な非接触
式変位計であり、運動テーブルTBの検出面TF(具体
的には参照基板TCの参照面)の基準法線L上における
位置を容易に検出でき、これにより、任意の検出点TP
0の運動変位dを容易に検出できる。さらに、非接触式
変位計のうちでも、光ファイバ変位計であり、照射光に
対する反射光の位相や光量の変化に基づいて、測定対象
面(ここでは参照平板TCの参照面)との距離を得られ
るので、自己の位置との関係から測定対象面の位置を得
られ、光の照射および反射による検出なので、非接触で
検出できる。
【0060】そして、光ファイバ変位計のうちでも、い
わゆる差動型光ファイバ変位計なので、さらに正確に検
出できる。すなわち、照射光を照射する照射ファイバと
反射光を入射する複数の受光ファイバとを有し、照射フ
ァイバの照射面および複数の受光ファイバの各受光面
を、照射面から各受光面までの各距離が相互に異なるよ
うに配設しているので、各受光面からの受光量の差に基
づいて、照射面と相手の表面との距離を求めることがで
き、いわゆる差動型光ファイバ変位計の原理により、入
射光量や曲げ等の影響による光ファイバ内での光の減衰
や相手表面の反射率に依存せずに距離を求められ、この
距離に基づいて、基準法線L上における相手の表面(こ
こでは参照平板TCの参照面)の位置を、より正確にか
つ非接触で検出できる。なお、この運動変位センサDS
は、ファイバフォルダ69上に固定した状態で、変位計
としての傾きが±0.5°以下、繰り返し精度5nm以
下、程度に構成されている。
【0061】次に、上述の運動テーブル部60を利用し
てターゲットTGの表面形状を測定する測定原理、すな
わち3次元表面形状測定装置1における表面形状測定の
原理について説明する。この場合の表面形状とは、表面
の凸凹の状態であり、ターゲットTGを水平面においた
ときの表面の垂直方向の変位を示す。
【0062】まず、例えば、図7(a)に示す走査軌跡
は、従来から使用されているラスタースキャンタイプの
走査軌跡(測定点や測定の順番を示すので、以下、この
種の概念を「測定アルゴリズム」と呼ぶ)であるが、こ
の測定アルゴリズムでは、検出点TP1→TP2→TP
3→TP4→TP3→TP2→TP1→TP5→……→
TP16→TP15→TP14→TP13となるように
走査する。
【0063】この測定アルゴリズムに従った測定の場
合、3次元表面形状測定装置1では、例えば同図(b)
に示すように、運動テーブルTBの検出面TFにターゲ
ット(測定対象物)TGの裏面を密着させて運動テーブ
ルTBを運動させ、ターゲットTGの表面と基準法線L
の交点を各測定点とする。図示の例では、検出点TP1
が基準法線Lとの交点TVPとなったときの、すなわち
図示の検出点TP1において検出面TFに立てた法線L
1が基準法線Lと重なったときの、ターゲットTGの表
面と基準法線Lの交点を測定点SP1とし、同様に、検
出点TP2、TP3、TP4における法線L2、L3、
L4が基準法線Lと重なったときの、ターゲットTGの
表面と基準法線Lの交点を測定点SP2、SP3、SP
4とする。
【0064】ここで、仮に水平運動変位がないものとす
れば、図示の検出面TFは仮想基準面VFと一致するの
で、検出点TP1〜TP4は同一の高さ(Z座標)とな
り、表面形状変位センサPS(図2参照)により、各測
定点SP1〜SP4の高さ(Z座標)を求めるだけで、
表面形状(SP1〜SP4を結ぶ曲線)の形状情報が得
られる。
【0065】一方、水平運動変位がある場合、図7
(b)の検出点TP1〜TP4は同一の高さ(Z座標)
とならない。そこで、3次元表面形状測定装置1では、
検出点TP1〜TP4の高さ(Z座標)を、運動変位セ
ンサDSにより検出(実際には参照基板TCの対応点の
Z座標を検出して使用)し、表面形状変位センサPSに
より検出された各測定点SP1〜SP4の高さ(Z座
標)との差分を求めることにより、ターゲットTGの表
面形状(SP1〜SP4を結ぶ曲線)の形状情報を得
る。
【0066】例えば図8は、ターゲットTGの表面(微
細)形状情報として得られた(測定された)形状データ
の一部を示すものであり、水平方向の運動距離(横軸:
distance:単位[μm])に対するターゲット
TGの表面の高さの変位(縦軸:height:単位
[μm])を示すものである。ここでは、参照基板TC
の参照面(すなわち下側の平滑面)を、光学的に平滑度
の高い平面であることからオプティカルフラット(Op
tical Flat)と呼び、ターゲットTGを平板
(ディスク)状のものであることからディスク(Dis
k)と呼び、その微細な表面形状(表面粗さ)を測定し
ている。
【0067】また、同図(a)には、運動誤差補正前の
データを示し、同図(b)は、運動誤差補正後を示す。
図(a)のデータから、オプティカルフラット(Opt
ical Flat)の分、すなわち、水平運動変位
(うねり等)による運動誤差分を差し引くことにより、
同図(b)に示すように、ターゲットTG(ディスク)
の表面形状(表面粗さ)の分だけを、正確に求めること
ができる。
【0068】上述のように、3次元表面形状測定装置1
では、ターゲットTGの表面と基準法線Lの交点を測定
点(例えば測定点SP1等)とし、その測定点の基準点
VPからの変位に基づいて、測定点の形状情報を検出す
るが、それとともに、検出点(例えば検出点TP1等)
の運動変位dを検出できるので、測定点(例えばSP
1)と同時に基準法線Lとの交点となる検出点(例えば
TP1)の運動変位dを検出することにより、基準法線
L上における運動誤差を容易に補正でき、また、このた
め、運動テーブルTBの運動機構が比較的廉価で済む。
したがって、この3次元表面形状測定方法1では、3次
元表面形状を高精度にかつ比較的廉価な構成で測定でき
る。
【0069】以下、より具体的に、3次元表面形状測定
装置1における表面形状測定処理、特にその制御処理フ
ローについて、説明する。
【0070】まず、3次元表面形状測定装置1の制御全
体の処理フローについて、図9を参照して説明する。電
源オン等により処理が開始すると、同図に示すように、
まず、3次元表面形状測定装置1を、前回の電源オフ時
の状態に戻すために、退避していた各制御フラグを復旧
するなどの初期設定を行い(S1)、次に、前回の表示
画面を初期画面として表示する(S2)。図9のその後
の処理、すなわちキー入力か否かの判断分岐(S3)お
よび各種割込処理(S4)は、概念的に示した処理であ
る。
【0071】実際には、初期画面表示(S2)が終了す
ると、キー入力割込を許可し、キー入力割込が発生する
までは、そのままの状態を維持し(S3:No)、何ら
かのキー入力割込が発生すると(S3:Yes)、それ
ぞれの割込処理に移行して(S4)、その割込処理が終
了すると、再度、キー入力割込待機状態(S3:No)
となる。なお、本実施形態では、キー入力等による割込
処理を基本に説明するが、各処理毎に独立したプログラ
ムをマルチタスク処理等により管理するなど、他の手法
を用いても同様にできることは言うまでもない。
【0072】次に、例えば上述の初期画面表示後の状態
(S3)で、ユーザ(ここでは測定者)により測定開始
キー(として割り当てられた機能キー)が押されると、
測定開始キー割込が発生し、図10に示すように、表面
形状測定処理(以下、単に「測定処理」)を起動する。
【0073】この測定処理(S10)では、まず、測定
準備初期設定として、原点の設定や走査速度の設定を行
い(S11)、続いて、所定の走査をしながら、測定デ
ータを取得し(走査+測定データ取得:S12)、その
後、誤差を補正して(S13)、処理(S10)を終了
する(S14)。
【0074】上述の走査+測定データ取得(S12)で
は、まず、測定すべきサンプリング点、中継点およびそ
れらの連結関係のデータを(ROM220の制御データ
領域222等から)読み込むことにより、走査軌跡を設
定する(S121)。ここでいうサンプリング点とは、
測定すべき測定点を示す指標であり、ターゲットTGの
表面形状の形状データ(高さデータ:Z座標を示すデー
タ)を検出(測定)すべき測定点のXY座標値である。
【0075】また、中継点とは、走査方向が変わる点で
あり、運動テーブルTBの運動(移動)方向を変えるた
めに、サーボモータ67を一旦停止する点のXY座標値
である。また、連結関係のデータ(ルートデータ)は、
それらを連結してまさに走査軌跡を得るためのデータで
あり、これらにより、測定アルゴリズムが示される(設
定される)ことになる。なお、連結関係は、単に中継点
の出現順等で表現できるので、以下ではそれにより代用
する。
【0076】例えば図7で前述の測定アルゴリズムの例
では、サンプリング点は、測定点SP1〜SP4等のX
Y座標値、すなわち検出点TP1〜TP16のXY座標
値である。また、中継点は、検出点TP1、TP4、T
P1、TP5、TP8、TP5、TP9、……、TP1
6、TP13のXY座標値となる。このため、中継点の
順に検出点を結べば、前述の検出点TP1→TP2→T
P3→TP4→TP3→……→TP16→TP15→T
P14→TP13の走査軌跡(走査ルート)が得られ
る。
【0077】走査軌跡の設定が終了すると(S12
1)、測定データを取得する(S122)。より具体的
には、設定された各サンプリング点(測定時のXY座標
を以下「x、y」とする)において、表面形状変位セン
サPSによりターゲットTGの表面の各測定点の高さデ
ータ(Z座標値:これを以下「z1」とする)を検出
し、運動変位センサDSにより参照平板TCの参照面の
高さデータ(Z座標値:これを以下「z2」とする)を
検出する(S122)。すなわち、この時点で、そのサ
ンプリング点における測定結果を「x、y、z1、z
2」として記憶する。
【0078】このため、測定データ取得(S122)が
終了し、走査+測定データ取得(S12)が終了した
後、誤差補正処理(S13)では、各サンプリング点
(「x、y」)における2つの高さデータ(「z1、z
2」)の差分(z1−z2)を求めることにより、運動
誤差が補正された高さデータ、すなわちターゲットTG
の表面形状の(補正後の)形状データを得ることができ
る。
【0079】なお、上述の例では、図7の測定アルゴリ
ズムを利用したが、そもそも図7の測定アルゴリズム
は、検出点TP1から検出点TP4に向かって、一旦、
各検出点TP2、TP3等における測定を行い、同一ル
ートを逆方向に、再度、測定した後、次の、検出点TP
5に移動している。すなわち、X方向に往復して測定
後、Y方向に移動しているが、これは、X方向の往復運
動における往ルートと復ルートにおける運動変位(誤
差)を相殺しやすくするためである。しかし、上述のよ
うに、3次元表面形状測定装置1では、表面形状の測定
(z1の検出)とともに、上下変動量の測定(z2の検
出)も行っているので、図7で上述のような測定アルゴ
リズムを採用する必要はない。
【0080】このため、例えば図11(a)に示すよう
に、波形に測定する測定アルゴリズム(走査ルート:T
P1→…→TP4→TP8→…→TP5→TP9→……
→TP13)、同図(b)に示すように、渦巻き状に測
定する測定アルゴリズム(走査ルート:TP1→…→T
P4→…→TP16→…→TP13→…→TP5→……
→TP7→TP11→TP10)、同図(c)に示すよ
うに、同心四角状に測定する測定アルゴリズム(走査ル
ート:TP1→…→TP4→…→TP16→…→TP1
3→…→TP1→TP6→TP7→TP11→TP10
→TP6)など、種々の測定アルゴリズムを採用でき
る。
【0081】ところで、上述の実施形態(第1実施形
態)における測定処理(S10)では、測定準備初期設
定として、原点の設定や走査速度の設定を行い(S1
1)、その後、走査+測定データ取得(S12)を行っ
たが、この場合、例えば設定された走査速度が高すぎる
と、測定対象物によっては、凸凹の変化が激しくて、測
定不能になったり、所望の精度で測定できない場合が生
じる。また、設定された走査速度が同じでも、設定され
た測定点が密過ぎると、必要な測定時間が確保できず、
同様に、測定不能や精度上の問題が生じる。かといっ
て、測定点が少ないと、凸凹の変化を正確に測定でき
ず、また、同一の密度の測定点で走査速度を低くしたの
では、測定全体に要する時間が増大してしまう。
【0082】そこで、上述の実施形態(第1実施形態)
と同様に、走査による運動変位(運動誤差)を補正でき
るのに加えて、さらに、測定対象物の表面形状に適した
走査速度および測定精度による表面形状測定ができる3
次元表面形状測定について、第2実施形態として、以下
に説明する。
【0083】測定開始キー割込が発生し、図12に示す
ように、測定処理(S20)が起動すると、この測定処
理(S20)では、まず、測定準備初期設定(S21)
として、原点の設定(原点準備または復帰)を行い(S
211)、次に、走査速度としての目標速度の設定を行
う(S212)。すなわち、測定の可否やその精度上の
問題がない場合に達成すべき目標速度を設定する(S2
12)。続いて、走査+測定データ取得を行い(S2
2)、その後、誤差を補正して(S23:図10のS1
3と同じ)、処理(S20)を終了する(S24)。
【0084】上述の走査+測定データ取得(S22)で
は、図10で前述したのと同様に、まず、走査軌跡を設
定し(S221:図10のS121と同じ)、続いて、
測定データを取得する(S222)。
【0085】ただし、この測定データ取得(S222)
では、まず、全ての測定データを取得した否か、すなわ
ち測定終了か否かを判別し(S2221)、測定終了で
あれば(S2221:Yes)、誤差補正処理(S2
3)に移行する。また、測定が終了するまでは(S22
21:No)、続いて、次の停止位置(前述の中継点で
あり、ここではサンプリング点の1つを兼ねる)を設定
する(S2222)。
【0086】次の中継点の設定(S2222)が終了す
ると、以降、設定した中継点に至るまで(すなわちS2
228:Yesとなるまで)、走査と並行して、その時
点の現在位置のXY座標(x,y)および高さデータ
(z1、z2)を取得し(S2223)、現在位置がサ
ンプリング点Pi(i=1、2、……、N:ただし、N
はサンプリング点の数)のXY座標(x,y)(以下、
「Pi(x、y)」)と一致するか否かを判別する(S
2224)。サンプリング点Pi(x、y)でなければ
(S2224:No)、その間にも走査により次の時点
に至っているので、その時点のXY座標および高さデー
タ(x、y、z1、z2)を取得する(S2223)。
【0087】一方、サンプリング点Pi(x、y)であ
れば(S2224:Yes)、表面形状変位センサPS
からエラー信号が出力されているか否か、すなわちエラ
ー信号有りか否かを判別し(S2225)、エラー信号
があれば(S2225:Yes)、減速処理(S222
9)を行う。すなわち走査速度を減速するが、これと共
に、エラー発生前の位置に戻し(S2229)、その
後、再度、次の中継点の設定(S2222)〜エラー信
号の有無判別(S2225)のループ処理を行い、エラ
ー信号が無ければ(無くなれば)、そのサンプリング点
Pi(x,y)における測定結果を「x、y、z1、z
2」として記憶する。
【0088】なお、ここで、サンプリング点Pi(x、
y)における2つの高さデータ(z1、z2)の差分と
して、運動誤差が補正された高さデータzi=z1−z
2を求めてから、測定結果を「x、y、zi」として記
憶しても良い。この場合、後続の誤差補正処理(S2
3)を省略できる。
【0089】そして、次に、走査速度を目標速度に戻し
(S2227)、続いて、測定したサンプリング点が中
継点か否か、すなわち設定した中継点に至ったか否かを
判別し(S2228)、中継点に至っていないときには
(S2228:No)、再度、エラー信号の有無に応じ
て(S2225)、適宜、走査速度を調整しながら(S
2227、S2229)、走査と並行して、各時点のX
Y標および高さデータ(x、y、z1、z2)を取得し
(S2223〜S2228)、中継点に至ると(S22
28:Yes)、サーボモータ67を一旦停止させてか
ら、測定終了か否かを判別し(S2221)、以降、上
述と同様のループ処理(S2221〜S2229)によ
り、測定データ取得(S222)を行う。
【0090】上述のように、第2実施形態における(3
次元表面形状)測定処理(S20)では、走査速度とし
ての目標速度を設定(初期設定)し(S212)、測定
開始前に予め定められたN個(Nは2以上の整数)の測
定点のうちの任意のn番目(nは1≦n≦Nとなる整
数)のサンプリング点(測定点:第n測定点)Pnとし
て、そのサンプリング点Pnにおける測定を行い(S2
221〜S2226)、エラー信号が有るときには(S
2225:Yes)、走査速度を減速し、エラー信号が
無いときには(S2225:No)、そのままの(また
は目標速度に戻した)走査速度により、次の測定を行
う。
【0091】すなわち、サンプリング点Pnにおける測
定結果(S2225)に基づいて、次のサンプリング点
(測定点)における測定のために走査速度を調整する
(S2227、S2229)。したがって、サンプリン
グ点(第n測定点)Pnにおける測定結果に応じた走査
速度で、すなわちターゲット(測定対象物)TGの表面
形状に適した走査速度で、次の測定点における測定(表
面形状測定)を行うことができる。
【0092】また、この場合、サンプリング点(第n測
定点)Pnにおいて、所定の精度による測定ができなか
ったときに、その旨を報告するエラー信号(要調整信
号)を生成し、エラー信号が生成(出力)されたとき
に、次の測定点における測定のための走査速度を遅く調
整する(S2229)。
【0093】例えば、設定された走査速度に対して、タ
ーゲット(測定対象物)TGの凸凹が激しくて測定精度
が確保できない部分や、前のサンプリング点(測定点)
と密になっていて必要な測定時間が確保できない部分
を、サンプリング点Pnとして測定したために、所定の
精度による測定ができなかったときに、走査速度を遅く
調整できるので、ターゲットTGの表面形状に適した走
査速度で、次の測定点における測定(表面形状測定)を
行うことができる。
【0094】また、この場合、調整された走査速度を元
の設定に戻すことができる(S2227)ので、走査速
度を低く(遅く)する必要があるときのみ遅くし、それ
以外では最高速で走査するなど、ターゲットTGの表面
形状や測定精度上の必要に応じて走査速度を調整でき、
これにより、ターゲットTGの表面形状に適した走査速
度および測定精度による表面形状測定ができる。
【0095】また、この第2実施形態においても、第1
実施形態と同様に、各サンプリング点における運動変
位、すなわち任意のn番目のサンプリング点(第n測定
点)Pnにおける走査による運動変位を検出し、検出さ
れた運動変位により、サンプリング点(第n測定点)P
nにおける測定値を補正する(S23)ので、走査を行
うための機構(ここでは運動テーブルTBの運動機構)
が比較的廉価で済み、かつ、その比較的廉価な構成で、
精度の高い測定結果を得ることができる。
【0096】また、上述の例では、エラー信号有りか否
かを判別し(S2225)、エラー信号があれば(S2
225:Yes)、減速処理(S2229)において、
走査速度の減速とともに、エラー発生前の位置に戻した
ので、すなわち、走査速度を減速(調整)したときに、
次のサンプリング点を元のサンプリング(第n測定点)
Pnとしたので、サンプリングPnにおける測定結果
(S2225)に基づいて走査速度を調整後に、次の測
定点として、再度、サンプリング点Pnにおける測定が
でき、データの取り直し(再測定)により測定精度を向
上できる。
【0097】なお、エラー発生前の位置に戻すより、例
えば(エラー発生前の位置と一致する場合も含めて)前
回の中継点まで戻すようにすれば、前回の中継点からの
再測定ができる。また、サンプリング点が詳細に(細か
く、密に)設定されているような場合には、逆に、エラ
ー発生前の位置に戻さず、次の測定点を、次のサンプリ
ング点Pn+1(第n+1測定点)としても良い。この
場合、エラー発生が無かったとき(S2225:No)
と同様に、サンプリング点Pnの次にサンプリング点P
n+1における測定を行うので、N個のサンプリング点
(測定点)P1〜PNについて、順次測定できる。
【0098】また、上述の例では、サンプリング点(第
n測定点)Pnにおける測定結果としてのエラー信号発
生の有無(S2225)に基づいて、走査速度の調整を
したが、例えば、サンプリング点(第n測定点)Pnに
おける測定を行う前のサンプリング点(測定点)におけ
る測定値を参照して、サンプリング点Pnにおける測定
値との差分である測定値差を求め、その測定値差に基づ
いて、走査速度の調整をすることもできる。
【0099】ここで、測定値差が大きいときには、表面
形状変位センサ(測定点変位計)PSの性能上の理由か
ら測定不能になったり所定の測定精度が確保できない可
能性がある。このような場合に、エラー信号を発生させ
れば、上述の例と同様になる。また、この場合、性能上
の理由なので、所定精度の確保のためには、走査速度を
遅くする必要がある。
【0100】一方、測定すべき測定点の数の不足により
測定値差が大きくなっていて、凸凹の変化が正確に測定
できていない可能性がある。この場合、凸凹の変化をよ
り正確にするためには、測定点をさらに密にする必要が
あるが、密にすると、必要な測定時間が確保できない可
能性があり、同様に、所定精度の確保のためには、走査
速度を遅くする必要が生じる。
【0101】これらの場合、前のサンプリング点(測定
点)における測定値を参照して、サンプリング点Pnに
おける測定値との差分である測定値差を求め、その測定
値差に基づいて、走査速度の調整をすれば、より具体的
には、測定値差が所定値以上のときに、次の測定点にお
ける測定のための走査速度を遅く調整すれば、ターゲッ
トTGの表面形状に適した走査速度で、次の測定点にお
ける表面形状測定を行うことができる。
【0102】また、上述の後者のように、測定すべきサ
ンプリング点(測定点)の数の不足により測定値差が大
きくなっている場合等では、測定値差が所定値以上のと
きに、次のサンプリング点(測定点)における測定の前
に測定すべき補完サンプリング点(補完測定点)を追加
することもできる。この場合、サンプリング点の不足を
補うことができ、凸凹の変化をさらに正確に測定可能と
なる。
【0103】また、上述の実施形態(第1実施形態およ
び第2実施形態)では、所定の走査軌跡上のサンプリン
グ点における測定を順次行ったが、図7や図11で前述
のように、種々の測定アルゴリズムを採用できるので、
複数の測定アルゴリズムに従って測定し、それらの測定
結果を比較することもできる。
【0104】ところで、例えば運動変位センサDSは、
熱膨張率の小さい材質(ノビナイト)から成る構造物
(ファイバフォルダ69)上に載置されているが、測定
が長時間にわたると、その測定中に熱変形等が生じる。
運動テーブル部60のその他の各部についても同様であ
り、可能な限り走査速度を早くして測定時間を短縮する
にしても、測定時間中には、熱(熱変形)等を要因とす
る測定変位(測定誤差:測定中の経時変位)が生じ、こ
のことが、測定精度向上の妨げとなる。
【0105】そこで、上述の実施形態(第1実施形態、
第2実施形態)と同様に、走査による運動変位(運動誤
差)を補正するのに加え、測定中の経時変位を検出し
て、それ(経時誤差)を補正することにより、測定精度
をさらに向上できる3次元表面形状測定について、第3
実施形態として、以下に説明する。
【0106】測定開始キー割込が発生して起動される
と、図13に示すように、この測定処理(S30)で
は、まず、測定準備初期設定(S31)を行う。ここで
は、図10(のS11)の例と同様に、原点の設定や走
査速度の設定を行う。なお、後述の詳細測定データ取得
(S3222)において、図12(のS221)の例と
同様に測定結果に応じた走査速度の調整をすることもで
き、その場合は、ここで(S212と同様に)目標速度
を設定するが、以下の例では、走査速度の調整はしない
もの(図10の例と同じ)として説明するので、ここで
は単に走査速度を設定するものとする。
【0107】測定準備初期設定(S31)が終了する
と、次に、走査+測定データ取得を行い(S32)、そ
の後、誤差を補正して(S33)、処理(S30)を終
了する(S34)。
【0108】上述の走査+測定データ取得(S32)で
は、まず、概略測定を行い(S321)、続いて、詳細
測定を行う(S322)。ここで、概略測定(S32
1)においても詳細測定(S322)においても、基本
的には、測定のための走査軌跡を設定して、測定データ
を取得するので、それぞれが、図10や図12における
走査+測定データ取得(S12、S22)に相当する。
【0109】そこで、以下、概略測定における測定点
(概略測定点)の指標(XY座標値)となるもの、すな
わち詳細測定におけるサンプリング点に相当する点を
「参照点」と呼び、参照点(概略測定点)における測定
のための走査軌跡を「参照軌跡」と呼ぶものとすると、
概略測定では、まず、参照点の設定を含む参照軌跡の設
定を行い(S3211)、参照点における測定データ
(概略測定データ)、すなわち参照点における高さデー
タ(z1、z2)をその参照点のXY座標値(x,y)
とともに、測定結果「x、y、z1、z2」として取得
して記憶する(S3212)。
【0110】概略測定(S322)が終了すると、詳細
測定(S322)では、図10や図12における走査+
測定データ取得(S12、S22)と同様に、まず、
(中継点やサンプリング点の設定を含む)走査軌跡を設
定し(S3221)、続いて、その詳細測定における測
定データ(詳細測定データ)を、同様に、測定結果
「x、y、z1、z2」として取得して記憶する(S3
222)。
【0111】詳細測定(S322)が終了し、走査+測
定データ取得(S32)が終了すると、誤差補正処理
(S33)では、まず、運動変位(すなわち運動誤差
の)補正を行い(S331)、続いて、経時変位(すな
わち経時誤差の)補正を行い(S332)、誤差補正処
理(S33)が終了すると、全処理(S30)を終了す
るS34)。
【0112】上述の運動変位(誤差)補正(S331)
では、図10や図12で前述の例の誤差補正処理(S1
3、S23)と同様に、任意のn番目(nは1≦n≦N
となる整数:ただし、Nはサンプリング点の数)のサン
プリング点(第n詳細測定点)Pn(x、y)における
測定結果「x、y、z1、z2」のうち、上下センサの
測定値の差、すなわち表面形状変位センサPSによる高
さデータ(z1)と運動変位センサDSによる高さデー
タ(z2)との差に相当する高さデータ(z=z1−z
2)を求めることにより、詳細測定における運動誤差が
補正された測定データ(運動誤差補正後の詳細測定デー
タ)が得られる。
【0113】そして、同様に、任意のm番目(mは1≦
m≦Mとなる整数:ただし、Mは参照点の数)のXY座
標(x,y)の参照点(第m概略測定点)Tm(以下、
「Tm(x、y)」)における測定結果「x、y、z
1、z2」のうち、上下センサの測定値の差に相当する
高さデータ(z=z1−z2)を求めることにより、概
略測定における運動誤差が補正された測定データ(運動
誤差補正後の概略測定データ)が得られる。
【0114】上述のように、この第3実施形態において
も、第1実施形態や第2実施形態と同様に、運動変位を
検出して補正する。具体的には、概略測定(S322の
S3212)のときの参照点(第m概略測定点)Tm
(x、y)における走査による運動変位を概略測定運動
変位として検出し、詳細測定(S322のS3222)
のときのサンプリング点(第n詳細測定点)Pn(x、
y)における走査による運動変位を詳細測定運動変位と
して検出し、検出された概略測定運動変位により参照点
(第m概略測定点)Tm(x、y)における測定値(測
定データ:具体的には高さデータ)を補正し、検出され
た詳細測定運動変位によりサンプリング点(第n詳細測
定点)Pn(x、y)における測定値を補正する(S3
31)。
【0115】すなわち、概略測定においても詳細測定に
おいても、走査による運動変位を検出し、それらによっ
て測定値を補正するので、運動変位による誤差(運動誤
差)を補正でき、これにより、走査を行うための機構
(ここでは運動テーブルTBの運動機構)が比較的廉価
で済み、かつ、その比較的廉価な構成で、精度の高い測
定結果を得ることができる。
【0116】図13に示すように、運動変位(誤差)補
正(S331)が終了すると、次の経時変位(誤差)補
正(S332)では、概略測定と詳細測定の誤差を補正
する。以下、この点について詳述する。
【0117】本実施形態における(3次元表面形状)測
定処理(S30)では、上述のように、まず、概略測定
(S321)として、M個(Mは2以上の整数)の測定
点を参照点(概略測定点)として設定し(S321
1)、M個の参照点における測定を行う(S321
2)。ここでは、概略測定なので、M個は、熱変形等の
経時変化が少ない間に測定が終了してしまう程度の数が
好ましく、かつ、例えば全体の四つ角と中心など、続く
詳細測定において参照しやすい点を設定することが好ま
しい。
【0118】例えば図7や図11で前述の測定アルゴリ
ズムに対応して、図14(a)に示すように、検出点T
P1、TP4、TP16、TP13のXY座標値を(M
=)4個の参照点T1〜T4として設定すれば、4個の
概略測定データを得るだけで概略測定を終了できる。
【0119】続いて、詳細測定(S322)では、走査
軌跡設定(S3221)において、上記のM個(の参照
点と同一点となるサンプリング点)を含むN個(NはM
<Nとなる整数)の測定点をサンプリング点(詳細測定
点)として設定する。例えば上記の図14(a)の(M
=)4個に対して、図7や図11で前述のように、その
(M=)4個を含む(N=)16個の測定点を、サンプ
リング点(詳細測定点)P1〜P16として設定する。
なお、この詳細測定点の設定のタイミングは、詳細測定
(具体的には詳細測定データ取得の処理(S322
2))の前であれば、概略測定の前であっても後であっ
ても良い。
【0120】そして、概略測定(S321)の後、詳細
測定(S322)として、(N=)16個のサンプリン
グ点(詳細測定点)P1〜P16における測定を行う
(S3222)。この場合、(N=)16個のサンプリ
ング点(詳細測定点)P1〜P16のうちの(M=)4
個は、(M=)4個の参照点(概略測定点)T1〜T4
と同一点となる。このため、任意のm番目の参照点(第
m概略測定点)Tm(x、y)と、任意のn番目のサン
プリング点(第n詳細測定点)Pn(x、y)とが、同
一点であるときに、それら測定値の差分を、サンプリン
グ点(第n詳細測定点)Pn(x、y)の経時変位とし
て決定する。
【0121】すなわち、経時変位(誤差)補正(S33
2)では、まず、N個のサンプリング点(詳細測定点)
P1〜PNのうちのM個については、熱変形等の経時変
化が少ない間に終了する概略測定の測定値に基づいて、
測定値の差分を経時変位として決定(検出)して補正が
できるので、測定精度を向上できる。
【0122】そして、この測定処理(S30)では、N
個のサンプリング点(詳細測定点)のうちの残りのN−
M個についても、M個の経時変位に基づいて、補正す
る。以下、この点について詳述する。
【0123】例えば図14(a)に示す4個の検出点T
P1、TP4、TP16、TP13に対応して(M=)
4個の参照点T1〜T4を設定(S3211)し、図1
1(a)に示す16個の検出点TP1〜TP16に対応
して(N=)16個のサンプリング点P1〜P16を設
定(S3221)した場合、(N=)16個のサンプリ
ング点(詳細測定点)P1〜P16のうちの(M=)4
個、すなわちP1、P4、P16、P13は、(M=)
4個の参照点(概略測定点)T1〜T4と同一点とな
る。
【0124】この場合、概略測定(S321)として、
(M=)4個の参照点(概略測定点)T1〜T4におけ
る測定データ(概略測定データ)を取得し(S321
2)、詳細測定(S322)として、(N=)16個の
サンプリング点(詳細測定点)P1〜P16における測
定データ(詳細測定データ)を取得する(S322
2)。そして、この場合、運動変位(誤差)補正(S3
31)において、(M=)4個の運動誤差補正後の概略
測定データと、(N=)16個の運動誤差補正後の詳細
測定データを得る。
【0125】続いて、経時変位(誤差)補正(S33
2)では、まず、(N=)16個のうちの(M=)4個
のサンプリング点P1、P4、P16、P13における
測定データ(ただし、運動誤差補正後の詳細測定デー
タ)と、同一点の(M=)4個の参照点T1〜T4にお
ける測定データ(ただし、運動誤差補正後の概略測定デ
ータ)と、の差分を求め、それらを(M=)4個のサン
プリング点P1、P4、P16、P13の経時変位とし
て決定し、(M=)4個のサンプリング点P1、P4、
P16、P13に対応させて記憶する。
【0126】次に、(M=)4個のサンプリング点P
1、P4、P16、P13の運動誤差補正後の詳細測定
データを(M=)4個の経時変位に基づいて補正する。
すなわち、熱変形等の経時変化が少ない間に終了する概
略測定の測定値に基づいて、測定値の差分を経時変位と
して決定(検出)して補正する。
【0127】次に、(N−M=)12個のサンプリング
点P2、P3、P5〜P12、P14、P15について
の運動誤差補正後の詳細測定データを、(M=)4個の
サンプリング点P1、P4、P16、P13の経時変位
に基づいて補正する。
【0128】この場合、任意の2個の参照点(概略測定
点)を結ぶ直線上に位置するサンプリング点(詳細測定
点)における経時変位を、2個の参照点(概略測定点)
における経時変位に基づいて、すなわち2個の参照点
(概略測定点)と同一点となるサンプリング点(詳細測
定点)に対応する経時変位に基づいて、補完経時変位と
して決定する。この場合のサンプリング点(詳細測定
点)は、2点を結ぶ直線上に位置するので、その経時変
位を、例えば直線近似等により求められ、これにより、
そのサンプリング点(詳細測定点)における測定結果
(測定値)を線形補正するなど、測定値の補正が容易に
なり、測定精度の向上がさらに容易になる。
【0129】例えば(N−M=)12個のサンプリング
点P2、P3、P5〜P12、P14、P15のうちの
サンプリング点P2は、2個の参照点(概略測定点)T
1、T2を結ぶ直線上に位置する(図11(a)および
図14(a)参照)ので、2個の参照点(概略測定点)
T1、T2と同一点となるサンプリング点(詳細測定
点)P1、P4の経時変位に基づいて、その間を補完す
る補完経時変位として、サンプリング点P2における経
時変位を、例えば直線近似等により求めて線形補正でき
る。
【0130】同様に、サンプリング点P3の経時変位
(補完経時変位)は、例えば2個の参照点(概略測定
点)T1、T2と同一点となるサンプリング点(詳細測
定点)P1、P4の経時変位に基づいて、サンプリング
点P6およびP11の補完経時変位は、2個の参照点
(概略測定点)T1、T3と同一点となるサンプリング
点(詳細測定点)P1、P16の経時変位に基づいて、
サンプリング点P7およびP10の補完経時変位は、2
個の参照点(概略測定点)T2、T4と同一点となるサ
ンプリング点(詳細測定点)P4、P13の経時変位に
基づいて、サンプリング点P14およびP15の補完経
時変位は、2個の参照点(概略測定点)T3、T4と同
一点となるサンプリング点(詳細測定点)P16、P1
3の経時変位に基づいて、それぞれ例えば直線近似等に
より求めて線形補正できる。
【0131】上述のように、本実施形態の測定処理(S
30)では、M個の参照点(概略測定点)と同一点であ
るM個を除くN−M個の各サンプリング点(詳細測定
点)に対応するN−M個の補完経時変位を決定する。ま
た、決定されたN−M個の補完経時変位に基づいて、対
応するN−M個の各サンプリング点(詳細測定点)にお
ける測定値を補正するので、N−M個の測定値を容易に
補正できる。
【0132】この場合、M個の参照点と同一点であるM
個については、概略測定時との差分をそのまま経時変位
として決定でき、それらに基づいて、残りのN−M個に
ついても、補完経時変位として経時変位を決定できるの
で、N個のサンプリング点(詳細測定点)に対応する経
時変位を容易に決定できる。また、M個の経時変位は、
M個の詳細測定点に対応づけて記憶するので、経時変位
を決定(検出)して記憶後であれば、任意の時点で経時
変位を利用できる。これらにより、N個のサンプリング
点(詳細測定点)における測定値を容易に補正でき、測
定精度の向上がさらに容易になる。
【0133】なお、詳細測定(S322)における走査
軌跡設定(S3221)では、図13に示すように、例
えば機能キー群32のうちの所定のキーを押すことによ
り、測定順路(すなわち走査軌跡)を、2つのタイプA
およびBから選択できる。
【0134】タイプAを選択すると、(サンプリング点
&中継点を含む)走査軌跡データの入力または読み込み
を行い(S32212)、その走査軌跡データに基づい
て、任意の離散点で測定を行う(S3222)ため、比
較的まばらな平面度測定などに有利であり、特徴として
は、全てのサンプリング点を中継点としても良く、この
場合、1つ1つの点で運動テーブルTBを止めて測定デ
ータを取得する(S3222)。なお、一時停止する点
のみ中継点として、図7や図11で前述の測定アルゴリ
ズムを採用することもできるし、ここで入力または読み
込みの対象となった走査軌跡データは、設定された点の
全てを中継点として、下記のタイプB用の走査軌跡デー
タとしても扱うことができる。
【0135】一方、タイプBは、粗さのような表面形状
の測定に有利であり、このタイプBを選択すると、ま
ず、(中継点を含む)走査軌跡データの入力または読み
込みを行い(S32213)、続いて、中継点間を等間
隔に分割して、サンプリング点を設定する。例えば図示
のように、中継点T1〜T4等のデータに基づいて、サ
ンプリング点P1〜P8等を設定する(S3221
4)。
【0136】このタイプBの場合、M個の参照点(概略
測定点)と同一点であるM個を除くN−M個の各サンプ
リング点(詳細測定点)は、M個の参照点のいずれか2
個の間を補完する測定点(補完測定点)となるように設
定される。例えば、途中までではあるが、図13内に図
示の例では、(M=)4個の参照点T1〜T4と同一点
である(M=)4個のサンプリング点P1、P4、P
5、P8を除く(N=8によりN−M=)4個の各サン
プリング点(詳細測定点)P2、P3、P6、P7は、
(M=)4個の参照点T1〜T4のいずれか2個の間を
補完する補完測定点となるように設定される。
【0137】また、図11(a)の測定アルゴリズムに
よる詳細測定を行う場合、例えば図14(b)に示すよ
うに、概略測定(S3211)として、(M=)8個の
参照点T1〜T8を設定して(S3211)、概略測定
データを取得し(S3212)、参照点T1〜T8をそ
のまま中継点T1〜T8とすれば、検出点TP1〜TP
16に対応するサンプリング点P1〜P16のうちの、
(M=)8個の参照点T1〜T8と同一点である(M
=)8個のサンプリング点P1、P4、P5、P8、P
9、P12、P13、P16を除く(N=16によりN
−M=)8個の各サンプリング点(詳細測定点)P2、
P3、P6、P7、P10、P11、P14、P15
は、(M=)8個の参照点T1〜T8のいずれか2個の
間を補完する補完測定点となるように設定される。
【0138】このため、詳細測定(S322)では、概
略測定時に測定しなかった(測定できなかった)中間点
を測定するなど、詳細な測定ができ(測定の補完がで
き)、形状測定としての測定精度を向上できる。また、
2個の(詳細測定点も兼ねる)参照点(概略測定点)に
おける測定値の(概略測定時と詳細測定時との)差分を
それらにおける経時変位とすれば、その2点における経
時変位に基づいて、2個の概略測定点の間を補完する補
完測定点の経時変位を決定(推定)できる。
【0139】例えば上述の図14(b)および図11
(a)の例では、(N−M=)8個の各サンプリング点
(詳細測定点)P2、P3、P6、P7、P10、P1
1、P14、P15のうちの例えばサンプリング点P2
(およびP3)は、(M=)8個の参照点T1〜T8の
うちの2個の参照点(概略測定点)T1、T2の間を補
完する補完測定点となり、概略測定時に測定しなかった
中間点を測定することになり、詳細な測定ができ(測定
の補完ができ)、形状測定としての測定精度を向上でき
る。他のサンプリング点P6(およびP7)、P10
(およびP11)、P14(およびP15)についても
同様である。
【0140】また、例えば上述のサンプリング点P2
(およびP3)の経時変位(補完経時変位)は、そのサ
ンプリング点P2(およびP3)が位置する直線上両端
の2個の参照点(概略測定点)T1、T2の経時変位に
基づいて、補完経時変位として例えば直線近似等により
決定(推定)できる。このため、(N−M=)8個の各
サンプリング点(詳細測定点)P2、P3、P6、P
7、P10、P11、P14、P15における測定結果
についても、経時変位に対する補正が可能となり、測定
精度を向上できる。
【0141】また、上述の図14(b)および図11
(a)の例では、詳細測定(S322)における走査軌
跡は、概略測定(S321)における走査軌跡と同一に
定められるので、詳細測定(S322)は、概略測定
(S321)の測定結果を同一の走査軌跡に従って補完
する測定となる。このため、測定中の経時変位を検出し
やすくなり、また、それらの経時変位による測定値の補
正がしやすくなって、測定精度を向上しやすくなる。
【0142】また、上述の例では、詳細測定(S32
2)における走査軌跡は、(M=)8個の参照点(概略
測定点)T1〜T8と同一点である(M=)8個を除く
(N−M=)8個のサンプリング点(詳細測定点)P
2、P3、P6、P7、P10、P11、P14、P1
5における測定と、その周辺に位置する(M=)8個の
サンプリング点P1、P4、P5、P8、P9、P1
2、P13、P16における測定との、時間経過が短く
なるように定められる。
【0143】すなわち、N−M個の方の測定とM個の方
の測定とは、時間経過が長くならないように、交互に近
い態様で行われる。上述の例では、ほぼ2点毎に交互と
なっている。この場合、M個の方の経時変位は、概略測
定時の測定値との差分により決定されるが、N−M個の
方の経時変位も、M個の方の点における詳細測定との時
間経過が短ければ、その周辺に位置するM個の方の経時
変位と大差ないと推定できるので、N−M個の方の経時
変位の検出(決定)の精度を向上でき、これにより、経
時変位による測定値の補正の精度を向上させ、全体とし
て測定精度を向上できる。
【0144】また、上述の図14(a)や同図(b)
は、いわば概略測定における測定アルゴリズムである
が、これらの他、同図(c)に示すように、概略測定に
おいて、周囲(四つ角)と対角線上の点(参照点)T1
〜T8について測定しておくなど、他にも種々考えられ
る。また、上述の例では、図14(a)(b)と図11
(a)とを組合せた例としたが、概略測定の測定アルゴ
リズムと詳細測定の測定アルゴリズムとしてそれぞれ各
種考えられ、さらにそれらの組合せは任意である。そし
てさらには、概略測定と詳細測定の考え方を拡張し、例
えば図15に示すように、階段状に概略測定しておい
て、これから測定する点と以前に測定した点とを交互に
測定して、測定データを随時補正していくなど、も考え
られる。
【0145】なお、上述の実施形態では、表面形状変位
検出センサ(測定点変位計)PSを所定位置に固定して
おいて、その検出(測定)位置にターゲット(測定対象
物)TBの測定点を臨ませるように、水平運動可能な運
動テーブルTB上にターゲットTBを置いて運動させた
が、そのターゲットTBを例えば水平に固定された固定
テーブル上に置いて、表面形状変位検出センサ側を走査
させるタイプのものであっても、相対的に走査するもの
であれば、適用できる。また、表面形状検出センサ等に
ついても、上述の差動型光ファイバ変位計ばかりでな
く、他のタイプの変位計を利用しても良い。もちろん、
その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が
可能である。
【0146】
【発明の効果】上述のように、本発明の3次元表面形状
測定方法およびその装置では、測定中の経時変位を検出
して測定精度を向上できる、などの効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る3次元表面形状測定
方法およびその装置を適用した3次元表面形状測定装置
の全体構成を示すブロック図である。
【図2】図1の3次元表面形状測定装置の主に測定部の
構成を示すブロック図である。
【図3】図2の運動テーブル部の概略構成を示す断面説
明図である。
【図4】図3のXステージの構成を示す説明図である。
【図5】運動テーブルの運動変位の検出原理を示す原理
説明図である。
【図6】検出点の設定例を示す説明図である。
【図7】測定アルゴリズムの一例およびターゲットと測
定点や検出点との関係の一例を示す説明図である。
【図8】運動誤差補正前後の測定データの一例を示す説
明図である。
【図9】図1の3次元表面形状測定装置1の制御全体の
概念的処理を示すフローチャートである。
【図10】第1実施形態の測定処理を示すフローチャー
トである。
【図11】測定アルゴリズムの他の例を示す説明図であ
る。
【図12】第2実施形態の測定処理を示すフローチャー
トである。
【図13】第3実施形態の測定処理を示すフローチャー
トである。
【図14】概略測定における測定アルゴリズムの例を示
す説明図である。
【図15】詳細測定における測定アルゴリズムの図7お
よび図11とはさらに別の例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 3次元表面形状測定装置 20 制御部 50 測定部 60 運動テーブル部 61 Xステージ 62 Yステージ CN 制御部 d 運動変位 DS 運動変位センサ L 基準法線 L1〜L4 …… 法線 Pi、P1〜P9 …… サンプリング点 PS 表面形状変位センサ SP1〜SP4 …… 測定点 TB 運動テーブル TC 参照基板 TG ターゲット TF 検出面 TP0〜TP16 …… 検出点 TVP 交点 VF 仮想基準面 VP 基準点

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象物の表面上の測定点からの距離
    を検出する測定点変位計と前記測定対象物とを相対的に
    移動させることにより、前記測定対象物の表面を相対的
    に走査して、その走査軌跡上の測定点からの距離の変化
    を前記測定点変位計により検出することによって、前記
    測定対象物の表面形状を測定する3次元表面形状測定装
    置であって、 M個(Mは2以上の整数)の測定点を概略測定点として
    設定する概略測定点設定手段と、 前記M個の概略測定点における測定を概略測定として行
    う概略測定手段と、 前記M個を含むN個(NはM<Nとなる整数)の測定点
    を詳細測定点として設定する詳細測定点設定手段と、 前記概略測定の後、前記N個の詳細測定点における測定
    を詳細測定として行う詳細測定手段と、 前記M個の概略測定点のうちのm番目(mは1≦m≦M
    となる整数)である第m概略測定点と前記N個の詳細測
    定点のうちのn番目(nは1≦n≦Nとなる整数)であ
    る第n詳細測定点とが同一点であるときに、前記第m概
    略測定点における測定値と前記第n詳細測定点における
    測定値との差分を、前記第n詳細測定点の経時変位とし
    て決定する経時変位決定手段と、を備えたことを特徴と
    する3次元表面形状測定装置。
  2. 【請求項2】 前記M個の概略測定点と同一点であるM
    個を除くN−M個の各詳細測定点は、前記M個の概略測
    定点のいずれか2個の間を補完する測定点となるように
    設定されることを特徴とする、請求項1に記載の3次元
    表面形状測定装置。
  3. 【請求項3】 前記M個の概略測定点と同一点であるM
    個の詳細測定点におけるM個の経時変位を、前記M個の
    詳細測定点に対応づけて記憶する経時変位記憶手段と、 前記M個の経時変位に基づいて、前記N個の詳細測定点
    における測定値を補正する詳細測定経時変位補正手段
    と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項1または
    2に記載の3次元表面形状測定装置。
  4. 【請求項4】 前記詳細測定経時変位補正手段は、任意
    の2個の概略測定点を結ぶ直線上に位置する詳細測定点
    における経時変位を、前記2個の概略測定点と同一点と
    なる詳細測定点に対応する経時変位に基づいて、補完経
    時変位として決定する補完経時変位決定手段を有するこ
    とを特徴とする、請求項3に記載の3次元表面形状測定
    装置。
  5. 【請求項5】 前記補完経時変位決定手段では、前記M
    個の概略測定点と同一点であるM個を除くN−M個の各
    詳細測定点に対応するN−M個の補完経時変位を決定す
    ることを特徴とする、請求項4に記載の3次元表面形状
    測定装置。
  6. 【請求項6】 前記詳細測定経時変位補正手段は、決定
    されたN−M個の補完経時変位に基づいて、対応する前
    記N−M個の各詳細測定点における測定値を補正する詳
    細測定値補完補正手段をさらに有することを特徴とす
    る、請求項5に記載の3次元表面形状測定装置。
  7. 【請求項7】 前記詳細測定における走査軌跡は、前記
    概略測定における走査軌跡と同一に定められることを特
    徴とする、請求項1ないし6のいずれかに記載の3次元
    表面形状測定装置。
  8. 【請求項8】 前記詳細測定における走査軌跡は、前記
    M個の概略測定点と同一点であるM個を除くN−M個の
    各詳細測定点における測定と、その周辺に位置する前記
    M個に含まれる詳細測定点における測定との、時間経過
    が短くなるように定められることを特徴とする、請求項
    1ないし7のいずれかに記載の3次元表面形状測定装
    置。
  9. 【請求項9】 前記概略測定のときの前記第m概略測定
    点における前記走査による運動変位を概略測定運動変位
    として検出する概略測定運動変位検出手段と、 前記詳細測定のときの前記第n詳細測定点における前記
    走査による運動変位を詳細測定運動変位として検出する
    詳細測定運動変位検出手段と、 検出された前記概略測定運動変位により、前記第m概略
    測定点における測定値を補正する概略測定運動変位補正
    手段と、 検出された前記詳細測定運動変位により、前記第n詳細
    測定点における測定値を補正する詳細測定運動変位補正
    手段と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項1な
    いし8のいずれかに記載の3次元表面形状測定装置。
  10. 【請求項10】 測定対象物の表面上の測定点からの距
    離を検出する測定点変位計と前記測定対象物とを相対的
    に移動させることにより、前記測定対象物の表面を相対
    的に走査して、その走査軌跡上の測定点からの距離の変
    化を前記測定点変位計により検出することによって、前
    記測定対象物の表面形状を測定する3次元表面形状測定
    方法であって、 M個(Mは2以上の整数)の測定点を概略測定点として
    設定する概略測定点設定工程と、 前記M個の概略測定点における測定を概略測定として行
    う概略測定工程と、 前記M個を含むN個(NはM<Nとなる整数)の測定点
    を詳細測定点として設定する詳細測定点設定工程と、 前記概略測定の後、前記N個の詳細測定点における測定
    を詳細測定として行う詳細測定工程と、 前記M個の概略測定点のうちのm番目(mは1≦m≦M
    となる整数)である第m概略測定点と前記N個の詳細測
    定点のうちのn番目(nは1≦n≦Nとなる整数)であ
    る第n詳細測定点とが同一点であるときに、前記第m概
    略測定点における測定値と前記第n詳細測定点における
    測定値との差分を、前記第n詳細測定点の経時変位とし
    て決定する経時変位決定工程と、を備えたことを特徴と
    する3次元表面形状測定方法。
  11. 【請求項11】 前記M個の概略測定点と同一点である
    M個を除くN−M個の各詳細測定点は、前記M個の概略
    測定点のいずれか2個の間を補完する測定点となるよう
    に設定されることを特徴とする、請求項10に記載の3
    次元表面形状測定方法。
  12. 【請求項12】 前記M個の概略測定点と同一点である
    M個の詳細測定点におけるM個の経時変位を、前記M個
    の詳細測定点に対応づけて記憶する経時変位記憶工程
    と、 前記M個の経時変位に基づいて、前記N個の詳細測定点
    における測定値を補正する詳細測定経時変位補正工程
    と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項10また
    は11に記載の3次元表面形状測定方法。
  13. 【請求項13】 前記概略測定のときの前記第m概略測
    定点における前記走査による運動変位を概略測定運動変
    位として検出する概略測定運動変位検出工程と、 前記詳細測定のときの前記第n詳細測定点における前記
    走査による運動変位を詳細測定運動変位として検出する
    詳細測定運動変位検出工程と、 検出された前記概略測定運動変位により、前記第m概略
    測定点における測定値を補正する概略測定運動変位補正
    工程と、 検出された前記詳細測定運動変位により、前記第n詳細
    測定点における測定値を補正する詳細測定運動変位補正
    工程と、をさらに備えたことを特徴とする、請求項10
    ないし12のいずれかに記載の3次元表面形状測定方
    法。
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