JP2000074662A - 座標軸直角度誤差の校正方法及び三次元形状測定装置 - Google Patents

座標軸直角度誤差の校正方法及び三次元形状測定装置

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JP2000074662A
JP2000074662A JP10246604A JP24660498A JP2000074662A JP 2000074662 A JP2000074662 A JP 2000074662A JP 10246604 A JP10246604 A JP 10246604A JP 24660498 A JP24660498 A JP 24660498A JP 2000074662 A JP2000074662 A JP 2000074662A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡単な作業で、熟練した作業者を必要としない
で補正パラメータを自動的に推定して、短い演算処理時
間で3軸の座標軸の直角度誤差を補正する。 【解決手段】座標変換行列推定部13は理想球面を座標
変換して得られる楕円面と基準球面の実測データとの差
を最小化するように座標変換行列を推定する。直角度誤
差補正部14は推定した座標変換行列のパラメータを利
用して被測定物の点列データに座標変換を施して測定座
標軸間の直角度誤差補正を自動的に行い、レンズ等の光
学素子や非球面の形状測定を作業者によるばらつきがな
く、かつ、手間のかかる煩雑な校正作業を行うことなし
で精度良く測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えばレンズ等
の光学素子、特に非球面の形状を測定するときの座標軸
直角度誤差の校正方法及び三次元形状測定装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】非球面レンズ等の形状を測定する代表的
な方法は、X軸ステージとY軸ステージ及びZ軸ステー
ジを有する3軸直交ステージに設けられたプローブと対
向する位置に被測定物を固定し、3軸直交ステージを駆
動してプローブにより被測定物表面をならい走査する。
この走査中のプローブの位置をレーザ測長器等を用いて
逐次測定して被測定物表面の形状を点列データとして得
ている。
【0003】この形状測定用のプローブは接触式と非接
触式の2種類に大別できる。接触式プローブ2aは、図
5の構成図に示すように、ハウジング21に対してバネ
22によりスラスト方向に弾性支持され接触子23を有
し、外部から吸気ポート24を通して多孔質材料25に
吸気することによって接触子23の静圧空気案内を構成
している。接触子23の被測定面28に接触する側の先
端には真球26が固定され、反対側の端面に対向した位
置に変位計27が設けられている。そしてハウジング2
1を固定した3軸直交ステージを駆動して、接触子23
の先端の真球26を被測定物表面に押し付けると、バネ
22が変形して変位計27の出力が変化する。そこで3
軸直交ステージを駆動して変位計27の出力が一定にな
るように制御しながら被測定面28を走査すると同時
に、レーザ測長器等を用いて走査中のプローブ2aの位
置を逐次測定して被測定物の形状を測定する。また、走
査中における変位計27のわずかな出力変動分をレーザ
測長器等の出力に加算することによって、被測定面28
の凹凸に対するプローブ2aの追従誤差を補正すること
ができ、より高精度な測定を行うことができる。
【0004】また、非接触式プローブの代表例として光
プローブが使用されている。光プローブ2bは、図6の
構成図に示すように、光源31から射出された光はハー
フミラー32からレンズ33に送られ、レンズ33によ
り被測定面27に数μm前後の微小スポットで集光され
る。被測定面28で反射した光は、再びレンズ33とハ
ーフミラー32を通りフォーカス検出系34に導かれ
る。フォーカス検出系34には、例えば光ディスクドラ
イブのピックアップと同様の光学系が用いられ、被測定
面28との距離に応じた電気信号が出力される。この光
プローブ2bを取り付けた3軸直交ステージを駆動し
て、光プローブ2bを被測定面28に近づけて出力信号
を捉え、出力信号が一定になるように3軸直交ステージ
を制御しながら被測定面28を走査し、走査中の光プロ
ーブ2bの位置をレーザ測長器等を用いて逐次測定して
被測定物の形状を測定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように接触式あ
るいは非接触式のプローブを用いて被測定物の表面を走
査して形状を測定する場合、例えば、文献「超高精度三
次元測定機の精度校正方法」(吉住恵一、光学Vol.
20,No.5(1991))に示されているように、
測定座標系のx,y,zの3軸の直交度が測定精度に影
響し、3軸の直交度によっては無視できない大きさの測
定誤差を生じる。
【0006】例えば図7に示すように、3軸の座標軸直
交度誤差を含む現実の座標系(X,Y,Z)を、直交度
誤差を含まない理想的な直交座標系(X0,Y0,Z0
の上に重ねて示した場合、現実の座標系(X,Y,Z)
における点Pの座標(px,py,pz)と理想的な直
交座標系(X0,Y0,Z0)における点Pの座標(p
0,py0,pz0)は下記(1)式の関係が成り立
つ。
【0007】
【数1】
【0008】ただし、(is,js,ks)はs方向の
単位ベクトルを示し、Aは座標変換行列である。
【0009】このとき、理想の座標系において、原点か
ら距離Rの点Pの集合、すなわち半径Rの球面は、現実
の座標系(X,Y,Z)においては、下記(2)式の内
積で表わされる曲面となる。
【0010】
【数2】
【0011】一般に(2)式は楕円面を表わしている。
すなわち、(2)式は測定座標系の直角度が正確に出て
いないと、球面が楕円面として測定されてしまうことを
示している。そこで被測定物として半径20mmの球面
を想定し、直角度誤差の影響を試算した結果を図8〜図
10に示す。図8はY軸とZ軸間の直角度誤差が5秒
(2.42×10-5rad)の場合の測定誤差を示し、
図9はZ軸とX軸間の直角度誤差が5秒の場合の測定誤
差を示し、図10はX軸とY軸間の直角度誤差が5秒の
場合の測定誤差を示す。いずれの場合も数100nmの
オーダで測定誤差が生じるいる。
【0012】このようにサブμmオーダの測定を行う場
合には、3軸の座標軸の直角度誤差を秒オーダで抑える
必要がある。しかも、秒オーダの角度ずれを問題として
いるので経時変化を無視できず、定期的な校正作業が必
要である。この校正作業として、従来は、何らかの方法
で直角度誤差を実測する方法と、校正用の基準球面を測
定し、図8〜図10に例示したような測定結果がなるべ
く平坦になるように、直角度誤差を試行錯誤で求める方
法が採用されている。しかしながら、いずれの方法も熟
練した作業者を必要とするとともに校正作業に非常に時
間を要するという短所があった。
【0013】この発明はかかる短所を解消し、簡単な作
業で、特に熟練した作業者を必要としないで補正パラメ
ータを自動的に推定して、短い演算処理時間で3軸の座
標軸の直角度誤差を補正する座標軸直角度誤差の校正方
法及び三次元形状測定装置を提供することを目的とする
ものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】この発明に係る座標軸直
角度誤差の校正方法は、被測定物表面をならい走査し
て、走査経路の座標を3次元直交座標点列データとして
測定し、測定した点列データに座標変換を施して測定座
標軸間の直角度誤差に起因する測定データの歪みを補正
する座標軸直角度誤差の校正方法であって、基準球面の
形状を実測し、理想球面を座標変換して得られる楕円面
と基準球面の実測データとの差を最小化するように座標
変換行列を推定し、推定した座標変換行列のパラメータ
を利用して被測定物の点列データに座標変換を施して測
定座標軸間の直角度誤差補正を行うことを特徴とする。
【0015】上記基準球面の測定範囲の中心近傍に測定
基準点を設定し、基準点を含んで放射状に配列する複数
経路上の点列データ若しは基準点に対して同心円状に配
列する複数経路上の点列データ又は基準点に対して同心
多角形状に配列する複数経路上の点列データを用いて座
標変換行列を推定することが望ましい。
【0016】この発明の三次元形状測定装置は、3軸の
直交移動手段に設けられた形状測定用プローブと直交移
動手段の各軸の移動量を測定する移動量測定手段と座標
データ算出手段及び演算処理手段とを有し、直交移動手
段は基準球面及び被測定物表面で形状測定用プローブを
移動してならい走査を行い、移動量測定手段は直交移動
手段の各軸の移動量を測定し、座標データ算出手段は移
動量測定手段で測定した移動量から形状測定用プローブ
の走査経路の座標を3次元直交座標点列データとして算
出し、演算処理手段は理想球面を座標変換して得られる
楕円面と基準球面の測定データとの差を最小化するよう
に座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列のパラ
メータを利用して被測定物の点列データに座標変換を施
して測定座標軸間の直角度誤差補正を行うことを特徴と
する。
【0017】上記座標データ算出手段は、基準球面の測
定範囲の中心近傍に測定基準点を設定し、該基準点を含
んで放射状に配列する複数経路上の点列データ若しくは
基準点に対して同心円状に配列する複数経路上の点列デ
ータ又は基準点に対して同心多角形状に配列する複数経
路上の点列データを演算処理手段に送ることが望まし
い。
【0018】また、上記移動量測定手段はレーザ干渉測
長器であることが望ましい。さらに移動量測定手段のレ
ーザ干渉測長器と形状測定用プローブとを同一移動台上
に設置し、形状測定用プローブ先端の位置がレーザ干渉
測長器の各測長光路と常に同一直線上に位置するように
レーザ干渉測長器を配置すると良い。
【0019】また、上記直交移動手段として静圧流体案
内を用いると良い。
【0020】
【発明の実施の形態】この発明の三次元形状測定装置
は、3軸直交ステージに設けられた形状測定用プローブ
と移動量測定手段と座標データ算出部と演算処理部と出
力部を有する。形状測定用プローブは載置台に固定され
た被測定物の表面を3軸直交ステージの駆動によりなら
い走査する。移動量測定手段は、例えばレーザ干渉測長
器からなり、3軸直交ステージの各軸の移動量を測定す
る。座標データ算出部は移動量測定手段で測定した移動
量から形状測定用プローブの走査経路の座標を3次元直
交座標点列データ(以下、点列データという)として算
出する。演算処理部は切換部と座標変換行列推定部及び
直角度誤差補正部を有する。
【0021】この三次元形状測定装置でレンズ等の被測
定物の形状を測定するとき、まず、載置台に基準球面を
固定し、3軸直交ステージを駆動して形状測定用プロー
ブにより基準球面をならい走査しながら、移動量測定手
段で3軸直交ステージの各軸の移動量を検出して座標デ
ータ算出部に送る。座標データ算出部は送られた移動量
から基準球面の走査経路の点列データを算出して演算処
理部に送る。演算処理部の切換部は基準球面のならい走
査をしているときに座標データ算出部から送られた点列
データを座標変換行列推定部に送る。座標変換行列推定
部は、理想球面を座標変換して得られる楕円面と送られ
た基準球面の点列データとの差を最小化するように座標
変換行列を推定する。次ぎに、被測定物を載置台に固定
し、3軸直交ステージを駆動して形状測定用プローブに
より被測定物の表面をならい走査しながら、移動量測定
手段で3軸直交ステージの各軸の移動量を検出して座標
データ算出部に送る。座標データ算出部は送られた移動
量から被測定物の表面の走査経路の点列データを算出し
て演算処理部に送る。演算処理部の切換部は被測定物の
ならい走査をしているときに座標データ算出部から送ら
れた点列データを直角度誤差補正部に送る。直角度誤差
補正部は送られた点列データを座標変換行列推定部で推
定した座標変換行列のパラメータを利用して座標変換
し、測定座標軸間の直角度誤差補正をした点列データを
形状データとして出力部に送る。出力部は送られた形状
データを表示装置や記憶装置等に出力する。
【0022】
【実施例】図1はこの発明の一実施例の構成を示すブロ
ック図である。図に示すように、三次元形状測定装置は
3軸直交ステージ1と形状測定用プローブ2と移動量測
定手段3と座標データ算出部4と演算処理部5及び出力
部6を有する。3軸直交ステージ1は、図2に示すよう
に、X軸ステージ7とY軸ステージ8及びZ軸ステージ
9を有し、接触式又は非接触式の形状測定用プローブ2
が取り付けられ、形状測定用プローブ2と対向する位置
に被測定物10を固定する載置台11が設けられてい
る。形状測定用プローブ2は被測定物10の表面を3軸
直交ステージ1の駆動によりならい走査する。移動量測
定手段3は、例えばレーザ干渉測長器からなり、3軸直
交ステージ1の各軸の移動量すなわち形状測定用プロー
ブ2の移動量を測定する。座標データ算出部4は移動量
測定手段3で測定した移動量から形状測定用プローブ2
の走査経路の座標を3次元直交座標点列データ(以下、
点列データという)として算出する。演算処理部5は切
換部12と座標変換行列推定部13及び直角度誤差補正
部14を有する。切換部12は座標データ算出部4から
入力される点列データの出力先を処理モードに応じて座
標変換行列推定部13か直角度誤差補正部14に切り換
える。座標変換行列推定部13は理想球面を座標変換し
て得られる楕円面と基準球面の測定データとの差を最小
化するように座標変換行列を推定する。直角度誤差補正
部14は推定した座標変換行列のパラメータを利用して
被測定物10の点列データに座標変換を施して測定座標
軸間の直角度誤差補正を行う。出力部6は直角度誤差補
正部14で測定座標軸間の直角度誤差補正を行った被測
定物10の形状データを表示装置や記憶装置等に出力す
る。
【0023】上記のように構成した三次元形状測定装置
の処理を説明するに当たり、まず、直角度誤差補正を行
うための座標変換行列のパラメータを推定する原理を説
明する。
【0024】図3に示すように、直交度誤差を含まない
理想的な直交座標系(X0,0,0)に対する3軸の座
標軸直交度誤差を含む現実の座標系(X,Y,Z)の直
角度誤差をα,β,γで定義する。図3においては、現
実の座標系(X,Y,Z)に対して理想的な直交座標系
(X0,Y0,Z0 )を、Z軸方向とZX平面が重なるよ
うに選んでいるが、例えばX軸方向とXY平面とが重な
るように選んでも良い。あるいは、Y軸方向のみが重な
るように選んでも、X軸,Y軸,Z軸の全てが任意の方
向を向いていても良いが、Y軸方向のみが重なるように
選んだり、X軸,Y軸,Z軸の全てが任意の方向を向い
ている場合は、基準球面のような回転対象体を用いる場
合に解が不定となるので、そのようにならないための制
約条件が必要となる。
【0025】直角度誤差を、図3に示すように定義する
と、α<<1,β<<1,γ<<1のとき、現実の座標
系(X,Y,Z)から理想的な直交座標系(X0,Y0,
0)への線型変換行列Aは下記(3)式で表わされる。
【0026】
【数3】
【0027】この変換行列Aを(2)式に代入すると、
下記(4)式が得られる。
【0028】
【数4】
【0029】(4)式において、α<<1,β<<1,
γ<<1を考慮して高次の微小量を無視すると、(4)
式は下記(5)式で表わされる。
【0030】
【数5】
【0031】上記(4)式又は(5)式は(3)式の変
換行列Aによる座標変換によって半径Rの球面に写像さ
れる楕円面を表わしている。この(4)式または(5)
式のx,y,zにそれぞれ(x−xs),(y−y
s),(z−zs)を代入した式をモデル式とし、実測
データとの差を最小化する最適化問題としてα,β,
γ,xs,ys,zsを求める。このようにして直角度
誤差α,β,γを決定でき、現実の座標系(X,Y,
Z)から理想的な直交座標系(X0, Y0,Z0 )への
座標変換行列Aを求めることができる。
【0032】この原理により被測定物の形状データを直
角度誤差補正を行うときの処理を図4のフローチャート
を参照して説明する。
【0033】まず、三次元形状測定装置の載置台11に
基準球面を固定し、3軸直交ステージ1を駆動して形状
測定用プローブ2により基準球面をならい走査しながら
(ステップS1)、移動量測定手段3で3軸直交ステー
ジ1の各軸すなわち形状測定用プローブ2の移動量を検
出して座標データ算出部4に送る。この3軸直交ステー
ジ1の各軸の移動量を測定する移動量算出手段3として
安定化された光の波長を測定基準とするレーザ干渉測長
器を用いることにより、直角度誤差とは関係のない測定
誤差を極力排除して、3軸直交ステージ1の各軸の移動
量を極めて正確に測定することができ、直角度誤差を秒
オーダで正確に決定することができる。
【0034】また、3軸直交ステージ1の移動量を正確
に測定しようとする場合、アッベ誤差に十分注意を払う
必要がある。アッベ誤差を排除する一つの方法は、測定
対象物と同軸上で測長することである。そこで移動量測
定手段3としてレーザ干渉測長器を使用し、レーザ干渉
測長器の干渉計を形状測定用プローブ2と同一移動台に
配置し、形状測定用プローブ2の先端が常にレーザ干渉
測長器の測長光路の延長線上にあるようにする。このよ
うにレーザ干渉測長器を配置することにより、形状測定
用プローブ2が移動してもアッベ誤差の影響を受けずに
形状測定用プローブ2の先端位置を正確に測定すること
ができる。
【0035】さらに、アッベ誤差を排除する他の方法と
しては、アッベ誤差の原因となる3軸直交ステージ1の
姿勢精度よ真直精度を高めることである。そこで3軸直
交ステージ1として静圧流体案内を使用することにより
姿勢情報と真直精度を高めることができ、移動量測定手
段3のレーザ測長器により形状測定用プローブ2先端と
同軸上で測長するのが困難な場合であっても、アッベ誤
差を最小限に抑制することができる。
【0036】座標データ算出部4は送られた移動量から
基準球面の走査経路の点列データを算出して演算処理部
5に送る(ステップS2)。演算処理部5の切換部12
は基準球面のならい走査をしているときに座標データ算
出部4から送られた点列データを座標変換行列推定部1
3に送る。座標変換行列推定部13は送られた基準球面
の点列データを(4)式又は(5)式のx,y,zにそ
れぞれ代入して理想球面を座標変換して得られる楕円面
と基準球面の実測データとの差を最小化するような座標
変換行列のパラメータα,β,γを推定する(ステップ
S3)。次ぎに被測定物10を三次元形状測定装置の載
置台11に固定し、3軸直交ステージ1を駆動して形状
測定用プローブ2により被測定物10の表面をならい走
査しながら(ステップS4)、移動量測定手段3で3軸
直交ステージ1の各軸の移動量を検出して座標データ算
出部4に送る。座標データ算出部4は送られた移動量か
ら被測定物10の表面の走査経路の点列データを算出し
て演算処理部5に送る(ステップS5)。演算処理部5
の切換部12は被測定物10のならい走査をしていると
きに座標データ算出部4から送られた点列データを直角
度誤差補正部14に送る。直角度誤差補正部14は送ら
れた点列データを座標変換行列推定部13で推定した座
標変換行列のパラメータα,β,γを利用して座標変換
し(ステップS6)、測定座標軸間の直角度誤差補正を
した点列データを形状データとして出力部6に送る。出
力部6は送られた形状データを表示装置や記憶装置等に
出力する(ステップS7)。
【0037】このようにして、三次元形状測定装置の演
算処理部5で自動的に測定座標軸間の直角度誤差補正を
する座標変換行列を推定して直角度誤差補正を行うこと
により、レンズ等の光学素子や非球面の形状測定を作業
者によるばらつきがなく、かつ、手間のかかる煩雑な校
正作業を行うことなしで精度良く測定することができ
る。
【0038】上記のように座標変換行列のパラメータを
推定したり、非測定物の点列データを座標変換するとき
に、演算時間の短縮という観点から、演算に使用するデ
ータ数は極力少ない方が都合がよい。座標軸間の直角度
誤差による測定誤差は、図8〜図10に示したように、
Y軸方向に沿ったS字面と、X軸方向に沿ったS字面
と、X軸とY軸方向に対して45度傾いた鞍型面と、こ
れらが複合した形状となって現れるから、測定範囲の中
心近傍点を通る放射状に配列したデータ、すなわち、X
軸とY軸に平行な方向及びX軸とY軸と45度で交わる
方向に沿ったデータを使えば、演算に使用するデータ数
を少なくして、理想球面を座標変換して得られる楕円面
と基準球面の実測データとの差を最小化する座標変換行
列のパラメータを安定して推定できるとともに座標軸間
の直角度誤差補正の演算時間を短縮することができる。
また、測定範囲の中心近傍点に対して同心多角形状に配
列したデータ又は同心円状に配列したデータを抽出して
も、演算に使用するデータ数を少なくして演算時間を短
縮することができる。そこで座標データ算出部4は、こ
れらのデータを選択して演算処理部5に送ることによ
り、演算処理部5の処理時間を大幅に短縮することがで
きる。
【0039】
【発明の効果】この発明は以上説明したように、理想球
面を座標変換して得られる楕円面と基準球面の実測デー
タとの差を最小化するように座標変換行列を推定し、推
定した座標変換行列のパラメータを利用して被測定物の
点列データに座標変換を施して測定座標軸間の直角度誤
差補正を自動的に行うようにしたから、レンズ等の光学
素子や非球面の形状測定を作業者によるばらつきがな
く、かつ、手間のかかる煩雑な校正作業を行うことなし
で精度良く測定することができる。
【0040】また、基準球面の測定範囲の中心近傍点を
通る放射状に配列したデータを使用して座標変換行列を
推定することにより、演算に使用するデータ数を少なく
して演算時間を短縮することができる。
【0041】また、移動量算出手段として安定化された
光の波長を測定基準とするレーザ干渉測長器を用いるこ
とにより、直角度誤差とは関係のない測定誤差を極力排
除して、3軸の直交移動手段の各軸の移動量を極めて正
確に測定することができ、直角度誤差を秒オーダで正確
に決定することができる。
【0042】さらに、レーザ干渉測長器の干渉計を形状
測定用プローブと同一移動台に配置し、形状測定用プロ
ーブの先端が常にレーザ干渉測長器の測長光路の延長線
上にあるようにすることにより、形状測定用プローブが
移動してもアッベ誤差の影響を受けずに形状測定用プロ
ーブの先端位置を正確に測定することができ、信頼性の
高い直角度誤差推定値を得ることができる。
【0043】さらに、3軸の直交移動手段として静圧流
体案内を使用することにより姿勢情報と真直精度を高め
ることができ、レーザ干渉測長器により形状測定用プロ
ーブ先端と同軸上で測長するのが困難な場合であって
も、アッベ誤差を最小限に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の構成を示すブロック図であ
る。
【図2】3軸直交ステージの構成図である。
【図3】現実の座標系の直角度誤差を示す説明図であ
る。
【図4】上記実施例の処理を示すフローチャートであ
る。
【図5】接触式プローブの構成図である。
【図6】非接触式プローブの構成図である。
【図7】理想的な直交座標系と現実の座標系を示す説明
図である。
【図8】直角度誤差の影響を試算した第1の結果を示す
説明図である。
【図9】直角度誤差の影響を試算した第2の結果を示す
説明図である。
【図10】直角度誤差の影響を試算した第3の結果を示
す説明図である。
【符号の説明】
1 3軸直交ステージ 2 形状測定用プローブ 3 移動量測定手段 4 座標データ算出部 5 演算処理部 6 出力部 10 被測定物 12 切換部 13 座標変換行列推定部 14 直角度誤差補正部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被測定物表面をならい走査し、走査経路
    の座標を3次元直交座標点列データとして測定し、測定
    した点列データに座標変換を施して測定座標軸間の直角
    度誤差に起因する測定データの歪みを補正する座標軸直
    角度誤差の校正方法であって、 基準球面の形状を実測し、理想球面を座標変換して得ら
    れる楕円面と基準球面の実測データとの差を最小化する
    ように座標変換行列を推定し、推定した座標変換行列の
    パラメータを利用して被測定物の点列データに座標変換
    を施して測定座標軸間の直角度誤差補正を行うことを特
    徴とする座標軸直角度誤差の校正方法。
  2. 【請求項2】 基準球面の測定範囲の中心近傍に測定基
    準点を設定し、基準点を含んで放射状に配列する複数経
    路上の点列データ若しは基準点に対して同心円状に配列
    する複数経路上の点列データ又は基準点に対して同心多
    角形状に配列する複数経路上の点列データを用いて座標
    変換行列を推定する請求項1記載の座標軸直角度誤差の
    校正方法。
  3. 【請求項3】 3軸の直交移動手段に設けられた形状測
    定用プローブと直交移動手段の各軸の移動量を測定する
    移動量測定手段と座標データ算出手段及び演算処理手段
    とを有し、 直交移動手段は基準球面及び被測定物表面で形状測定用
    プローブを移動してならい走査を行い、移動量測定手段
    は直交移動手段の各軸の移動量を測定し、座標データ算
    出手段は移動量測定手段で測定した移動量から形状測定
    用プローブの走査経路の座標を3次元直交座標点列デー
    タとして算出し、演算処理手段は理想球面を座標変換し
    て得られる楕円面と基準球面の測定データとの差を最小
    化するように座標変換行列を推定し、推定した座標変換
    行列のパラメータを利用して被測定物の点列データに座
    標変換を施して測定座標軸間の直角度誤差補正を行うこ
    とを特徴とする三次元形状測定装置。
  4. 【請求項4】 上記座標データ算出手段は、基準球面の
    測定範囲の中心近傍に測定基準点を設定し、該基準点を
    含んで放射状に配列する複数経路上の点列データ若しく
    は基準点に対して同心円状に配列する複数経路上の点列
    データ又は基準点に対して同心多角形状に配列する複数
    経路上の点列データを演算処理手段に送る請求項3記載
    の三次元形状測定装置。
  5. 【請求項5】 上記移動量測定手段はレーザ干渉測長器
    である請求項3又は4記載の三次元形状測定装置。
  6. 【請求項6】 上記移動量測定手段はレーザ干渉測長器
    と形状測定用プローブとを同一移動台上に設置し、形状
    測定用プローブ先端の位置がレーザ干渉測長器の各測長
    光路と常に同一直線上に位置するようにレーザ干渉測長
    器を配置した請求項3,4又は5記載の三次元形状測定
    装置。
  7. 【請求項7】上記直交移動手段として静圧流体案内を用
    いた請求項3,4,5又は6記載の三次元形状測定装
    置。
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