JP2007077789A - 目地用のガスケット - Google Patents

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Abstract

【課題】建物外壁の外壁パネル間に形成された縦目地に装填されるガスケットにおいて、表側リップを潜り抜けてガスケット内に侵入した雨水が表側リップと中リップとの間を流下して横目地に充填されるシーリング材で堰止められ、シーリング材上に溜まって外壁パネルを腐食させる原因となったり、ガスケット端とシーリング材との間より室内側に漏水する、といった問題を解消する。
【解決手段】ガスケット11の下端面から一定高さの表側リップ7にリップ先端から柱部6に向かってガスケット3の長手方向と直交する方向に切込みによるスリット12を入れ、シーリング材5上に溜まった雨水をスリット12より染み出させて外部に排出させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、建物外壁の外壁パネル間に形成される縦目地に装填され、外壁パネル側端面に弾接するリップを備えたガスケットに関する。
図1は、外壁パネル1を取付けた建物外壁の縦目地2と横目地4の交差部分を示すもので、外壁パネル間の縦目地2にはゴム又は樹脂製のガスケット3が装填されると共に、横目地4にシーリング材5が充填され、その施工は、先にガスケット3を縦目地2に装填し、ついでシーリング材5を横目地4に充填している。
図2は、上述するガスケット3の一例を示すもので、柱部6と、柱部上端より側方に突出形成される表側リップ7と、柱部中間より側方に突出形成される中リップ8と、柱部下端より側方に突出形成される奥リップ9よりなっている
図示するような目地構造においては、降雨時、とくに外壁を高圧洗浄するときに、雨水や洗浄水(以下、単に雨水等という)が、ガスケット3の表側リップ7を潜り抜けて侵入することがあり、侵入した雨水等は、表側リップ7と中リップ8との間を流下してシーリング材で堰き止められ、シーリング材上に溜まったり、更には、溜まった水が凍結融解して外壁パネルの腐食の原因となったり、ガスケット端とシーリング材との間の隙間より室内側へ漏水するおそれがある。
本発明は、ガスケット内に雨水等が浸入して内部に溜まるようなことがあっても、これを外部に排出して上記の問題を解消することができるようにしたガスケットを提供することを目的とする。
請求項1に係る発明は、建物外壁の外壁パネル間に形成される縦目地に装填され、外壁パネル側端面に弾接する表側リップを少なくとも備えたガスケットであって、前記表側リップを潜り抜け、ガスケット内に侵入して該ガスケットを伝い落ちる雨水等を堰止める堰止め手段を設けると共に、該堰止め手段上の前記表側リップに排水部を形成し、該排水部より堰止め手段上に溜まる雨水等を外部に染み出して排出させるようにしたことを特徴とする。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の排水部がスリットであることを特徴とし、
請求項3に係る発明は、請求項1に係る発明の排水部が小穴であることを特徴とする。
上述する請求項2に係る発明におけるスリットは、ガスケットの長手方向に沿って一定長さ、すなわち縦向きに一定長さ形成されていてもよいし、ガスケットの長さと直交する方向、すなわち横向きに形成されていてもよく、また上下に傾斜して形成されていてもよい。そしてスリットは、表側リップの両側に一か所ずつ形成してもよいし、複数か所ずつ形成してもよい。
好ましいスリットは、横向きで表側リップの両側に複数か所ずつ形成される。好ましい理由は次の通りである。スリットの形成は、通常切込みによって行われるが、切込みは、図3或いは図5に示すようにリップ先端から入れる方が図4に示すようにガスケット端から離して入れるよりも容易であり、したがってリップ先端から横向きに入れる方がガスケット端から離して一定長さ形成するよりもスリットを容易に形成することができること、スリットを縦向きに形成した場合、ガスケットを縦目地に装填したときに、表側リップが撓んでスリット幅が減少し、水が染み出しにくくなって排水性が悪化するおそれがあるのに対し、スリットを横向きに形成した場合には、こうした問題が生じにくいこと、スリットが片側に一か所しか形成されていないと、目詰まりによる排水性が悪くなるおそれがあるのに対し、複数箇所設けられていると、一箇所で目詰まりしても他のスリットから水が染み出すようになり、排水性を維持できるようになること等のためである。
請求項3に係る発明における小穴は、φ1〜2mm程度が好ましい。1mm未満だと穴があけにくゝ、2mmを越えると、外部から穴を通して表側リップ内に雨水等が入ってくるおそれがあり、溜まった雨水等の排水ができなくなるおそれがある。
請求項4に係る発明は、請求項1〜3に係る発明の前記堰止め手段が横目地に装填され、ガスケット下端面に押付けられるシーリング材であることを特徴とし、
請求項5に係る発明は、請求項1〜3に係る発明の前記表側リップの他に表側リップの奥側に位置するリップを備え、前記堰止め手段が表側リップとその奥側のリップのリップ間に装填されるゴム、樹脂、シーリング材、ブチルシール材又は接着剤等の止水材よりなることを特徴とする。
止水材としては、定形、不定形のいずれのタイプのものでも使用することができ、止水材が定形である場合には、作業性の観点からガスケットを縦目地に装填する前にガスケットに取付けるのが望ましく、止水材が不定形である場合には、ガスケットを縦目地に装填したのちにガスケットに注入するのが望ましい。とくに止水材として接着剤を用いれば、注入された接着剤がガスケットと外壁材を接着し、ガスケットが縦目地から脱落するのを防止することができる。
請求項4及び5に係る発明におけるシーリング材及び止水材は、それぞれ単独で堰止め手段として用いることもできるが、両者を併用するのが望ましい。両者を併用することにより、堰止め効果を長期間持続させることができる。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る発明において、表側リップには切欠き、孔若しくはスリットが形成され、該切欠き、孔若しくはスリットを通して止水材が前記リップ間に装填されることを特徴とする。
請求項1乃至3に係る発明によると、雨水等がガスケット内に侵入し、ガスケット内を流れ落ちて堰止め手段で堰止められ、堰止め手段上で溜まるようなことがあっても、リップに形成した、例えばスリットや穴よりなる排水部より外部に染み出して排出されるため、外壁パネルが腐食する原因となったり、ガスケットと堰止め手段との間より漏出して室内に水漏れする、といった問題を解消することができる。
請求項4に係る発明においては、堰止め手段として横目地に装填されるシーリング材を利用することができ、
請求項5に係る発明においては、横目地を有する外壁ばかりでなく、横目地を有しない外壁、すなわちガスケットが装填される縦目地のみを有する外壁に対しても適用することができる。
請求項6に係る発明においては、施工前のガスケットに対してはもとよりのこと、縦目地にガスケットを装填した施工後においても切欠き、孔若しくはスリットを通して止水材を装填することができる。
以下、本発明の実施形態のガスケットについて図面により説明する。図中、図1及び図2に示すものと同一構造部分には同一符号を示してある。
図3は、図1に示す外壁パネル間の縦目地2に装填されるガスケット11について示すもので、図2に示すガスケット3と同様、柱部6と、表側リップ7と、その奥側に位置する中リップ8及び奥リップ9よりなり、シーリング材5に押付けられる下端面から一定高さの表側リップ7には、両側のリップ先端より柱部6に向かってガスケット11の長手方向と直交する方向に切込みによる排水部としてのスリット12が入れられている。
図4に示すガスケット14は、図3に示すガスケット11が表側リップ7の各側縁にスリット12をガスケット11の長手方向と直交する方向に形成したのに対し、排水部としてのスリット15を表側リップ7の各側縁に対し、ガスケット下端面から一定高さの箇所よりガスケット14の長手方向に一定長さ形成したものである。
図5に示すガスケット17は、図3に示すガスケット11がスリット12をガスケット11の長手方向と直交する方向に形成したのに対し、排水部としてのスリット18を表側リップ7の両側縁に側端に向かって斜め上方向(中心部に向かって斜め下方向)に向けて形成したものである。スリット18を図示するように、斜め上方向に向けて形成する代わりに斜め下方に形成してもよい。
また図示する例では、スリット12、15、18は表側リップの片側に一箇所づつ形成されているが、好ましい例では、複数箇所ずつ形成され、より好ましい例では複数の各スリットがそれぞれ平行に形成される。
図6は、図1に示す外壁パネル間の縦目地2に図3に示すガスケット11を装填すると共に、横目地4にシーリング材5を充填した場合の図1におけるA−A線断面を示すもので、表側リップ7を潜り抜けてガスケット11内に侵入した雨水等は、表側リップ7と中リップ8の間を伝って流下し、堰止め手段としてのシーリング材5で堰止められて、シーリング材5上に溜まる。溜まった雨水等のレベルがスリット12を越えると、その静圧により雨水等がスリットより染み出て外部に排出される。シーリング材上に雨水等が溜まるようなことがあってもスリット12に達するまでは雨水等は排出されないが、スリット12のレベルに達するまでの雨水等の量は、僅かな量であるため静圧も小さく、シーリング材5との間より室内側に漏出することはないし、外壁パネル1の腐食の原因となることもない。
図7は、別の例のガスケット21を示すもので、図2に示すガスケット3の下端部の表側リップ7と中リップ8間にゴム又は樹脂製の発泡体、シーリング材、ブチルシール材等よりなる堰止め手段としての止水材22を装填して必要によっては接着剤にて接着し、止水材22から一定高さをなす表側リップ7に前述のスリット12と同じスリット23を形成したものである。
ガスケット21を縦目地2に装填するときには、止水材22をガスケット21両側のリップ7、8間にそれぞれ装着したのち、縦目地2に装填する。
図8は、ガスケット21を縦目地2に装填したときの図1のA−A線断面を示すもので、表側リップ7を潜り抜けた雨水等が止水材22で堰止められ、止水材22上に溜まるようになっており、溜まった雨水等はスリット23を通して外部に染み出し排出されるようになっている。
図9は、更に別のガスケット25について示すもので、下端部の表側リップ26に前述のスリット12、23と同じスリット27を形成すると共に、その下部に後述の止水材31を装填するための切欠き28を形成したものである。
図10は、このガスケット25を図1に示す外壁パネル1間の縦目地2に装填し、かつシーリング材5を横目地4に装填したのち、前記切欠き28を通してゴム又は樹脂製の発泡体、シーリング材、ブチルシール材等よりなる堰止め手段としての止水材31を押込んで表側リップ26と、その奥側の中リップ29の間に装填したときの図11のB−B線における断面を示すもので、止水材31で堰止められ、止水材上に溜まった雨水等は、前述のスリット12、23と同様、スリット27を通して外部に染み出し排出されるようになっている。
図12は、縦目地2に図9に示すガスケット25を装填したのち、流動性のあるシーリング材、ブチルシール材、好ましくは接着剤よりなる堰止め手段としての止水材33を前記切欠き28に差込んだ注入器34のノズル35より押出して充填する態様を示している。
本実施形態の切欠き28は、ノズル35が差込めるような孔若しくはスリットに代えてもよく、そのサイズもノズル35が差込めるだけの大きさを有していればよい。切欠き28或いは孔を小さくすることにより目立たないようにすることができる。
止水材31、33については、ガスケット25の表側リップ26と同色にするのが望ましい。そしてその注入量は、切欠き28や孔が塞がる程度まで注入されるとよく、更には表リップ26と、その奥側の中リップ29の間に溜まった雨水等が外部に染み出て排出されるようなスリット状の隙間が残されるように注入するのが好ましい。
上記実施形態のガスケット25は、柱部6の両側に中空部を有する形態をなしているが、別の実施形態のガスケットである、図2〜図5及び図7に示すような柱部6の両側に中空部を有しないタイプのものにも上記手段が適用される。
本発明のガスケットは、縦目地と横目地を備えた建物外壁或いは縦目地のみを備えた建物外壁の縦目地に装填するガスケットとして用いられる。
建物外壁の要部の正面図。 従来のガスケットの下端部の斜視図。 本発明に係るガスケットの斜視図。 ガスケットの別の例を示す斜視図。 ガスケットの更に別の例を示す斜視図。 図3に示すガスケットを用いた図1のA−A線での断面図。 本発明に係るガスケットの別の例の下端部の斜視図。 図7に示すガスケットを用いた図1のA−A線での断面図。 本発明に係るガスケットの更に別の例の下端部の斜視図。 図9に示すガスケットを用いた図11のB−B線での断面図。 本発明に係るガスケットを装着した建物外壁の要部の正面図。 止水材を注入器を用いて充填するときの態様を示す断面図。
符号の説明
1・・外壁パネル
2・・縦目地
3、11、14、17、21、25・・ガスケット
4・・横目地
5・・シーリング材
6・・柱部
7、26・・表側リップ
8、29・・中リップ
9・・奥リップ
12、15、18、23、27・・スリット
22、31、33・・止水材
28・・切欠き
34・・注入器
35・・ノズル

Claims (6)

  1. 建物外壁の外壁パネル1間に形成される縦目地2に装填され、外壁パネル側端面に弾接する表側リップ7を少なくとも備えたガスケット11、14、17、21、25であって、前記表側リップ7を潜り抜け、ガスケット内に侵入して該ガスケットを伝い落ちる雨水等を堰止める堰止め手段を設けると共に、該堰止め手段上の前記表側リップ7、26に排水部12、15、18、23、27を形成し、該排水部12、15、18、23、27より堰止め手段上に溜まる雨水等を外部に染み出して排出させるようにしたことを特徴とする目地用のガスケット。
  2. 上記排水部がスリット12、15、18、23、27であることを特徴とする請求項1記載の目地用のガスケット。
  3. 上記排水部が小穴であることを特徴とする請求項1記載の目地用のガスケット。
  4. 前記堰止め手段が横目地4に装填され、ガスケット11下端面に押付けられるシーリング材5であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の目地用のガスケット。
  5. 前記表側リップ7、26の他に該表側リップ7、26の奥側に位置するリップ8、29を備え、前記堰止め手段が表側リップ7、26とその奥側のリップ8、29のリップ間に装填されるゴム、樹脂、シーリング材、ブチルシール材又は接着剤等の止水材22、31、33よりなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの請求項に記載の目地用のガスケット。
  6. 表側リップ26には切欠き28、孔若しくはスリットが形成され、該切欠き28、孔若しくはスリットを通して止水材31、33が前記リップ26、29間に装填されることを特徴とする請求項5に記載の目地用のガスケット。
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